JP2023070301A - 加工装置 - Google Patents

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孝則 金箱
Takanori Kanebako
太 杉本
Futoshi Sugimoto
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Abstract

【課題】主軸の傾き姿勢を変更することができる構成において、主軸の傾き姿勢の変更を高応答かつ高精度を実現することができる加工装置を提供する。【解決手段】加工装置1の制御装置3は、主軸70の回転周波数よりも高周波に設定された周波数をカットオフ周波数とし、センサ116,117の信号Xa1,Xa2に対してローパスフィルタ処理を行うローパスフィルタ132,135と、主軸70の回転周期Txの整数倍の所定期間ごとに、ローパスフィルタ処理の後の信号に対して平均化演算を行う平均化演算部133,136と、指令値と平均化演算の後の信号との偏差に基づいて、能動型流量調整弁112を駆動するための駆動信号を生成する駆動信号生成部139とを備える。【選択図】図6

Description

本発明は、加工装置に関する。
特許文献1には、主軸を静圧軸受により支持する構造が記載されている。静圧軸受に供給する流体の流量を調整することにより、主軸の傾きを可変制御することが記載されている。また、特許文献2には、砥石台を静圧支持装置により支持する構造が記載されている。静圧支持装置に供給する流体の流量を調整することにより、砥石台の直動方向において、砥石台の傾き支持姿勢を可変制御することが記載されている。
特開2021-8020号公報 特開2019-202358号公報
特に、主軸を支持する静圧軸受において、高精度に主軸の傾き姿勢を制御するためには、静圧軸受に供給する流体の流量を高精度に制御することが必要となる。そして、クラウニングなどを形成する場合には、加工位置に応じて主軸の傾き姿勢を徐々に変化させる必要がある。
そして、主軸の傾き姿勢の制御方法としては、主軸の径方向変位や静圧軸受の静圧ポケットの圧力を用いたフィードバック制御が知られている。この場合、主軸の径方向変位や静圧ポケットの圧力を検出するセンサの信号には、種々のノイズが含まれる。例えば、加工抵抗に起因する振動や回転体の回転振れなどが、ノイズとして生じる。そして、センサの信号に含まれるノイズを除去するために、制御に不要な高周波成分の全てを除去するようなローパスフィルタを用いることが考えられる。
しかしながら、ローパスフィルタ処理を行うと、信号に遅延が生じ、応答性能が低下する原因となる。応答性能の低下により、主軸の傾き姿勢を所望の姿勢とすることができなくなるおそれがある。一方、ローパスフィルタ処理を行わないと、信号にノイズ振動が含まれるため、高精度な制御を行うことができない。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、主軸の傾き姿勢を変更することができる構成において、主軸の傾き姿勢の変更を高応答かつ高精度を実現することができる加工装置を提供しようとするものである。
本発明の一態様は、工具または工作物を保持する主軸と、
流体の静圧により前記主軸を回転可能に支持し、周方向に複数の静圧ポケットを有し、前記静圧ポケットのそれぞれの圧力に応じて前記主軸を径方向に移動させることにより、前記主軸の傾き姿勢を変更可能に構成された静圧軸受と、
前記静圧ポケットのそれぞれに供給する流体の流量を能動的に調整可能に構成された能動型流量調整弁と、
前記主軸の径方向変位、または、前記静圧ポケットにおける前記流体の圧力を検出するセンサと、
前記センサの信号に基づいて、前記能動型流量調整弁を制御する制御装置と、
を備え、
前記制御装置は、
前記主軸の回転周波数よりも高周波に設定された周波数をカットオフ周波数とし、前記センサの信号に対してローパスフィルタ処理を行うローパスフィルタと、
前記主軸の回転周期の整数倍の所定期間ごとに、前記ローパスフィルタ処理の後の信号に対して平均化演算を行う平均化演算部と、
指令値と前記平均化演算の後の信号との偏差に基づいて、前記能動型流量調整弁を駆動するための駆動信号を生成する駆動信号生成部と、
を備える、加工装置にある。
加工装置において、ローパスフィルタが、主軸の回転周波数よりも高周波に設定された周波数をカットオフ周波数とし、センサの信号に対してローパスフィルタ処理を行う。従って、ローパスフィルタ処理の後の信号には、主軸の回転周波数の成分を含んでいる。つまり、主軸に回転振れが存在する場合には、ローパスフィルタ処理の後の信号は、当該回転振れ成分を含んでいる。主軸の回転振れ成分は、主軸の回転周期に対応した成分である。
そこで、加工装置の制御装置は、平均化演算部により、ローパスフィルタ処理の後の信号に対して平均化演算を行っている。詳細には、平均化演算部は、主軸の回転周期の整数倍の所定期間ごとに、ローパスフィルタ処理の後の信号に対して平均化演算を行っている。ここで、主軸の回転周期は、予め把握することができる。従って、平均化演算により、主軸の回転振れ成分を取り除くことができる。つまり、平均化演算の後の信号は、主軸の回転振れ成分を含まず、さらに、主軸の回転周波数よりも高周波のノイズを含まない信号となり、高精度に、主軸の位置に対応した信号となる。
そして、制御装置の駆動信号生成部が、指令値と平均化演算の後の信号との偏差に基づいて、能動型流量調整弁を駆動するための駆動信号を生成する。駆動信号によって能動型流量調整弁を駆動することにより、高精度に、主軸を径方向に位置決めすることができる。その結果、主軸の傾き姿勢を高精度に位置決めすることができる。
上述したように、駆動信号生成部において、指令値との偏差を算出するための対象信号は、平均化演算の後の信号である。平均化演算の後の信号は、ローパスフィルタ処理を行い、その後に平均化演算を行うことにより得られる。ローパスフィルタ処理におけるカットオフ周波数は、主軸の回転周波数よりも高周波に設定された周波数である。
ここで、ローパスフィルタ処理におけるカットオフ周波数が低いほど、ローパスフィルタ処理の後の信号に遅延を生じる。つまり、ローパスフィルタ処理におけるカットオフ周波数を主軸の回転周波数よりも低周波に設定する場合に比べて、上記のように、カットオフ周波数を主軸の回転周波数よりも高周波に設定することにより、信号の遅延を短くすることができる。また、平均化演算は、ローパスフィルタ処理のような信号の遅延を生じさせる処理ではない。従って、ローパスフィルタ処理および平均化演算を行った信号は、遅延の短い信号となり、結果として、高応答の信号を生成することができる。その結果、主軸の傾き姿勢を高応答に所望の姿勢とすることができる。
以上のごとく、上記態様によれば、主軸の傾き姿勢を変更することができる構成において、主軸の傾き姿勢の変更を高応答かつ高精度を実現することができる加工装置を提供することができる。
実施形態1の加工装置を示す図である。 加工装置を構成する工具主軸装置を示す軸方向断面図である。 主軸が傾き姿勢をとっている場合の工具主軸装置を示す軸方向断面図である。 工具主軸装置における静圧流体に関する構成を示す図である。 工具主軸装置の径方向断面図である。 実施形態1の制御装置の機能構成図である。 (a)は増幅処理の後の信号を示し、(b)はローパスフィルタ処理の後の信号を示し、(c)は平均化演算の後の信号を示す。 (a)は指令値としての主軸の傾き角度を示し、(b)は主軸の前支持面の径方向変位の指令値を示し、(c)は主軸の前支持面の径方向変位の指令値を示す。 加工装置を構成する工具主軸台本体の支持構成を示す部分断面図である。 工具主軸台本体および案内面を上方から見た図である。 工具主軸台本体が案内面に対して傾き姿勢をとっている状態における図である。 実施形態2の制御装置の機能構成図である。 実施形態3の制御装置の機能構成図である。 (a)は指令値としての主軸の傾き角度を示し、(b)は主軸の前支持面の径方向変位の指令値を示し、(c)は主軸の前支持面の径方向変位の目標値を示す。
(実施形態1)
1.加工装置1の構成
加工装置1は、工具により工作物を加工するための装置である。特に、加工装置1は、工具または工作物を回転する主軸装置を備える。加工装置1は、研削盤、旋盤、マシニングセンタなどを例に挙げることができる。研削盤は、工具としての砥石車を回転する工具主軸装置、および、工作物を回転する工作物主軸装置を備える。旋盤は、工作物を回転する工作物主軸装置を備える。旋盤には、工具を回転する工具主軸装置を備える複合旋盤も存在する。マシニングセンタは、工具を回転する工具主軸装置を備える。また、マシニングセンタは、工作物を回転する工作物主軸装置を備えるものも存在する。
本形態においては、加工装置1として、研削盤を例に挙げて説明する。加工装置1の例として、研削盤の構成について図1を参照して説明する。加工装置1である研削盤は、テーブルトラバース型研削盤、砥石台トラバース型研削盤などを適用できる。本形態では、テーブルトラバース型研削盤を例に挙げる。
加工装置1である研削盤は、研削盤本体2と、制御装置3とを備える。研削盤本体2は、工作物Wを回転させ、工具としての砥石車Tを回転させ、かつ、砥石車Tを工作物Wに対して工作物Wの中心軸に交差する方向に相対的に移動することにより、工作物Wの外周面または内周面を研削する。
研削盤本体2は、ベッド10、工作物テーブル20、工作物主軸装置30、心押装置40、砥石台50を備える。ベッド10は、設置面上に設置されている。ベッド10には、Z軸方向に延在するZ軸案内面11、および、Z軸駆動機構12が設けられている。さらに、ベッド10には、Z軸方向に交差する方向であるX軸方向に延在するX軸案内面13、および、X軸駆動機構14が設けられている。
工作物テーブル20は、Z軸方向に移動可能にZ軸案内面11に支持される。工作物テーブル20は、ベッド10に設けられたZ軸駆動機構12により、Z軸方向へ移動する。Z軸駆動機構12は、モータおよびボールねじ機構、または、リニアモータ機構などを適用される。
工作物テーブル20の上には、工作物主軸装置30および心押装置40がZ軸方向に対向するように配置される。工作物主軸装置30および心押装置40は、工作物Wの両端を回転可能に支持する。工作物主軸装置30には、主軸モータ31が設けられており、主軸モータ31の駆動により工作物Wが回転する。心押装置40は、工作物テーブル20上をZ軸方向に移動可能に設けられている。
砥石台50は、X軸方向に移動可能にX軸案内面13に支持される。砥石台50は、ベッド10に設けられたX軸駆動機構14により、X軸方向へ移動する。X軸駆動機構14は、モータおよびボールねじ機構、または、リニアモータ機構などを適用される。砥石台50は、砥石車T、工具主軸装置51、および、駆動モータ52などを備える。砥石車Tは、駆動モータ52を駆動することにより、工具主軸装置51により回転可能に設けられている。
制御装置3は、加工制御を実行するCNC(Computer Numerical Control)装置、PLC(Programmable Logic Controller)装置を含む。また、本形態では、制御装置3は、各駆動装置を駆動するための駆動回路を含み意味で用いる。
2.工具主軸装置51の構成
工具主軸装置51の構成について図2および図3を参照して説明する。工具主軸装置51は、ハウジング60、主軸70、静圧軸受80、センサ90を備える。ハウジング60は、砥石台本体(工具主軸台本体)を構成し、Z軸方向の中心軸を有する中空部61を備える。主軸70は、ハウジング60の中空部61に回転可能に設けられる。主軸70は、軸方向の一端に、砥石車Tを保持する。
静圧軸受80は、ハウジング60の中空部61に設けられており、流体の静圧によりハウジング60に対して主軸70を回転可能に支持する。静圧軸受80は、主軸70の軸方向において異なる複数箇所に設けられる。つまり、静圧軸受80は、砥石車T側に位置する前静圧軸受81と、砥石車Tとは反対側に位置する後静圧軸受82とを備える。
前静圧軸受81は、ハウジング60の中空部61のうち一端側に配置され、主軸70の前支持面71を回転可能に支持する。後静圧軸受82は、ハウジング60の中空部61のうち他端側に配置され、主軸70の後支持面72を回転可能に支持する。前静圧軸受81および後静圧軸受82は、同様の構成を有する。
図3に示すように、前静圧軸受81は、主軸70の周方向における流体の圧力に応じて、主軸70の前支持面71を径方向に移動することができる。つまり、前静圧軸受81は、主軸70の前支持面71を中心から径方向に移動させることにより、主軸70の傾き姿勢を変更可能に構成されている。また、後静圧軸受82は、主軸70の周方向の流体の圧力に応じて、主軸70の後支持面72を径方向に移動することができる。つまり、後静圧軸受82は、主軸70の後支持面72を中心から径方向に移動させることにより、主軸70の傾き姿勢を変更可能に構成されている。そして、前静圧軸受81が主軸70の前支持面71を中心から径方向に移動し、かつ、後静圧軸受82が主軸の後支持面72を中心から径方向に移動することにより、主軸70の傾きを大きくすることができる。
例えば、工作物Wの軸方向両端にクラウニングを形成する場合には、工作物Wの両端を研削する際に、主軸70の傾き姿勢を変更することにより、砥石車Tの傾きをクラウニングの角度に応じた傾きとする。工作物Wの軸方向中央部を研削する際には、主軸70の中心軸がZ軸に平行となる姿勢とすることにより、砥石車Tの中心軸をZ軸に平行とする。
センサ90は、前センサ91および後センサ92を備える。前センサ91は、主軸70の前支持面71の径方向変位を検出する。詳細には、前センサ91は、主軸70の前支持面71がX軸方向の基準位置からずれる量を検出することができる。すなわち、前センサ91は、主軸70の前支持面71の中心位置が前静圧軸受81の中心から径方向にずれる量に相当する値を検出することができる。
後センサ92は、主軸70の後支持面72の径方向変位を検出する。詳細には、後センサ92は、主軸70の後支持面72がX軸方向の基準位置からずれる量を検出することができる。すなわち、後センサ92は、主軸70の後支持面72の中心位置が後静圧軸受82の中心から径方向にずれる量に相当する値を検出することができる。
3.工具主軸装置51の詳細構成
工具主軸装置51の詳細構成について図4および図5を参照して説明する。以下においては、特に、工具主軸装置51における前静圧軸受81に関する構成について説明する。上述したように、前静圧軸受81と後静圧軸受82とは、同様に構成される。さらに、前静圧軸受81に関する構成と後静圧軸受82に関する構成も、同様に構成される。そこで、後静圧軸受82およびその関連構成の説明については省略する。
工具主軸装置51は、前静圧軸受81、流体供給源111、X軸能動型流量調整弁112、X軸固定絞り113、Y軸能動型流量調整弁114、Y軸固定絞り115、第一X軸変位センサ116、第二X軸変位センサ117、第一Y軸変位センサ118、第二Y軸変位センサ119を備える。
前静圧軸受81は、周方向に複数の静圧ポケット101~104を備える。複数の静圧ポケット101~104は、主軸70の前支持面71に対向して配置されている。本形態においては、前静圧軸受81は、第一X軸静圧ポケット101と、主軸70の前支持面71を挟んで第一X軸静圧ポケット101に対向する位置に配置された第二X軸静圧ポケット102とを備える。つまり、第一X軸静圧ポケット101および第二X軸静圧ポケット102は、主軸70の前支持面71の中心軸を中心に対向して配置される。本形態においては、第一X軸静圧ポケット101および第二X軸静圧ポケット102は、X軸方向に対向する。そして、前静圧軸受81は、第一X軸静圧ポケット101および第二X軸静圧ポケット102の圧力に応じて、主軸70の前支持面71を、前静圧軸受81の径方向のうちX軸方向に移動する。
前静圧軸受81は、さらに、第一Y軸静圧ポケット103と、主軸70の前支持面71を挟んで第一Y軸静圧ポケット103に対向する位置に配置された第二Y軸静圧ポケット104とを備える。つまり、第一Y軸静圧ポケット103および第二Y軸静圧ポケット104は、主軸70の前支持面71の中心軸を中心に対向して配置される。本形態においては、第一Y軸静圧ポケット103および第二Y軸静圧ポケット104は、Y軸方向に対向する。従って、第一Y軸静圧ポケット103および第二Y軸静圧ポケット104は、第一X軸静圧ポケット101および第二X軸静圧ポケット102の対向方向に交差する方向、特に、直交する方向に対向して配置される。そして、前静圧軸受81は、第一Y軸静圧ポケット103および第二Y軸静圧ポケット104の圧力に応じて、主軸70の前支持面71を、前静圧軸受81の径方向のうちY軸方向に移動する。
流体供給源111は、各静圧ポケット101~104に流体を供給するためのポンプである。X軸能動型流量調整弁112は、流体供給源111と第一X軸静圧ポケット101との間の流路に配置される。X軸能動型流量調整弁112は、第一X軸静圧ポケット101に供給する流体の流量を能動的に調整可能に構成されている。X軸能動型流量調整弁112は、例えば能動型可変絞りである。X軸固定絞り113は、流体供給源111と第二X軸静圧ポケット102との間の流路に配置される。
Y軸能動型流量調整弁114は、流体供給源111と第一Y軸静圧ポケット103との間の流路に配置される。Y軸能動型流量調整弁114は、第一Y軸静圧ポケット103に供給する流体の流量を能動的に調整可能に構成されている。Y軸能動型流量調整弁114は、例えば能動型可変絞りである。Y軸固定絞り115は、流体供給源111と第二Y軸静圧ポケット104との間の流路に配置される。
X軸能動型流量調整弁112およびY軸能動型流量調整弁114は、例えば能動型可変絞りであって、指令に応じて絞りの開度を可変にできる。X軸能動型流量調整弁112およびY軸能動型流量調整弁114は、ダイアフラム式能動型可変絞り弁を用いることができる。
ダイアフラム式能動型可変絞り弁は、弁座121、ダイアフラム122、および、アクチュエータ123を備える。弁座121は、静圧ポケット101,103に連通する流路124の開口部の周囲に形成される。ダイアフラム122は、弁座121に対向して配置され、弁座121との隙間(絞り開度)を可変とするように変位する。アクチュエータ123は、駆動することにより、ダイアフラム122を変位させる。アクチュエータ123は、ボイスコイルモータを好適に用いることができる。
つまり、ダイアフラム式能動型可変絞り弁は、アクチュエータ123を制御することにより、弁座121とダイアフラム122との隙間である絞り開度を能動的に変化することができる。ダイアフラム式能動型可変絞り弁の具体的な構成は、例えば、特開2015-218827号公報や特開2017-5962号公報に記載されている。
ここで、ダイアフラム式能動型可変絞り弁は、アクチュエータ123が制御されなければ、ダイアフラム式受動型可変絞り弁として機能する。ダイアフラム式受動型可変絞り弁は、ダイアフラムの両側領域の圧力差に応じてダイアフラムが変位することにより、絞り開度を受動的に変化させる。
X軸固定絞り113およびY軸固定絞り115は、固定の絞り開度に設定されている。本形態においては、X軸固定絞り113およびY軸固定絞り115は、同一の絞り開度に設定される。ただし、X軸固定絞り113およびY軸固定絞り115は、異なる絞り開度に設定されるようにしても良い。
第一X軸変位センサ116、第二X軸変位センサ117、第一Y軸変位センサ118、第二Y軸変位センサ119は、図2に示す前センサ91を構成する。第一X軸変位センサ116は、第一X軸静圧ポケット101、または、第一X軸静圧ポケット101の近傍に配置される。第一X軸変位センサ116は、主軸70の前支持面71の周方向のうち、第一X軸静圧ポケット101に対向する位相(角度)の面に、対向して配置される。そして、第一X軸変位センサ116は、主軸70の前支持面71のX軸方向の変位(径方向変位)を検出する。
より詳細には、図5に示すように、第一X軸変位センサ116は、主軸70の前支持面71が前静圧軸受81と同軸に位置する状態を基準として、当該基準からのX軸方向の変位量を検出する。第一X軸変位センサ116は、信号Xa1を出力する。なお、後静圧軸受82の第一X軸静圧ポケットに対応する第一X軸変位センサは、信号Xb1を出力する。
第二X軸変位センサ117は、第二X軸静圧ポケット102、または、第二X軸静圧ポケット102の近傍に配置される。第二X軸変位センサ117は、主軸70の前支持面71の周方向のうち、第二X軸静圧ポケット102に対向する位相(角度)の面に、対向して配置される。そして、第二X軸変位センサ117は、主軸70の前支持面71のX軸方向の変位(径方向変位)を検出する。
より詳細には、図5に示すように、第二X軸変位センサ117は、主軸70の前支持面71が前静圧軸受81と同軸に位置する状態を基準として、当該基準からのX軸方向の変位量を検出する。第二X軸変位センサ117は、信号Xa2を出力する。なお、後静圧軸受82の第二X軸静圧ポケットに対応する第二X軸変位センサは、信号Xb2を出力する。
第一Y軸変位センサ118は、第一Y軸静圧ポケット103、または、第一Y軸静圧ポケット103の近傍に配置される。第一Y軸変位センサ118は、主軸70の前支持面71の周方向のうち、第一Y軸静圧ポケット103に対向する位相(角度)の面に、対向して配置される。そして、第一Y軸変位センサ118は、主軸70の前支持面71のY軸方向の変位(径方向変位)を検出する。より詳細には、第一Y軸変位センサ118は、主軸70の前支持面71が前静圧軸受81と同軸に位置する状態を基準として、当該基準からのY軸方向の変位量を検出する。第一Y軸変位センサ118は、信号Ya1を出力する。なお、後静圧軸受82の第一Y軸静圧ポケットに対応する第一Y軸変位センサは、信号Yb1を出力する。
第二Y軸変位センサ119は、第二Y軸静圧ポケット104、または、第二Y軸静圧ポケット104の近傍に配置される。第二Y軸変位センサ119は、主軸70の前支持面71の周方向のうち、第二Y軸静圧ポケット104に対向する位相(角度)の面に、対向して配置される。そして、第二Y軸変位センサ119は、主軸70の前支持面71のY軸方向の変位(径方向変位)を検出する。より詳細には、第二Y軸変位センサ119は、主軸70の前支持面71が前静圧軸受81と同軸に位置する状態を基準として、当該基準からのY軸方向の変位量を検出する。第二Y軸変位センサ119は、信号Ya2を出力する。なお、後静圧軸受82の第二Y軸静圧ポケットに対応する第二Y軸変位センサは、信号Yb2を出力する。
制御装置3は、第一X軸変位センサ116の信号Xa1、および、第二X軸変位センサ117の信号Xa2を取得する。そして、制御装置3は、信号Xa1,Xa2に基づいて、X軸能動型流量調整弁112を制御する。つまり、制御装置3は、X軸能動型流量調整弁112を介して、第一X軸静圧ポケット101に供給する流体の流量を調整することができる。さらに、制御装置3は、第一X軸静圧ポケット101に供給する流体の流量を調整することにより、第一X軸静圧ポケット101の圧力を変化させ、主軸70の前支持面71をX軸方向に移動する。
制御装置3は、第一Y軸変位センサ118の信号Ya1、および、第二Y軸変位センサ119の信号Ya2を取得する。そして、制御装置3は、信号Ya1,Ya2に基づいて、Y軸能動型流量調整弁114を制御する。つまり、制御装置3は、Y軸能動型流量調整弁114を介して、第一Y軸静圧ポケット103に供給する流体の流量を調整することができる。さらに、制御装置3は、第一Y軸静圧ポケット103に供給する流体の流量を調整することにより、第一Y軸静圧ポケット103の圧力を変化させ、主軸70の前支持面71をY軸方向に移動する。
4.制御装置3の構成
制御装置3の構成について図6~図8を参照して説明する。上述したように、制御装置3は、前側のX軸能動型流量調整弁112を制御することにより、主軸70の前支持面71のX軸方向の位置を制御する。さらに、制御装置3は、後側のX軸能動型流量調整弁163(図6に示す)を制御することにより、主軸70の後支持面72のX軸方向の位置を制御する。このようにして、制御装置3は、X-Z平面上における主軸70の傾き姿勢を制御する。
また、制御装置3は、前側のY軸能動型流量調整弁114を制御することにより、主軸70の前支持面71のY軸方向の位置を制御する。制御装置3は、前側のY軸能動型流量調整弁(図示せず)を制御することにより、主軸70の後支持面72のY軸方向の位置を制御する。このようにして、制御装置3は、Y-Z平面上における主軸70の傾き姿勢を制御する。
以下には、制御装置3において、X-Z平面上における主軸70の傾き姿勢を制御する機能について詳細に説明する。なお、Y-Z平面上における主軸70の傾き姿勢を制御する機能については、実質的に、X-Z平面上における機能と同様であるため、説明は省略する。
図6に示すように、制御装置3は、第一X軸変位センサ116の信号Xa1に基づく処理部として、増幅器131(図6では「AMP」と示す)、ローパスフィルタ132(図6では「LPF」と示す)、平均化演算部133を備える。
増幅器131は、第一X軸変位センサ116の信号Xa1に対して増幅処理を行う。主軸70のX軸方向の変位量は非常に小さい。従って、第一X軸変位センサ116の信号Xa1の大きさは、非常に小さい。そこで、制御装置3における処理を可能とするために、増幅器131により、信号Xa1の増幅処理を行う。増幅器131は、例えば、5倍~50倍の増幅率を適用する。増幅器131による増幅処理の後の信号は、図7(a)に示す。図7(a)に示す増幅処理の後の信号には、主軸70の位置に対応する成分の他に、主軸70の回転振れ成分、主軸70の回転振れ成分よりも高周波のノイズが含まれる。図7(a)~図7(c)において、時刻T1,T2,T3,T4,T5,T6は、主軸70の回転周期Txごとの時刻を示す。なお、第一X軸変位センサ116が、後の処理可能な大きな信号Xa1を出力することができる場合には、増幅器131を不要とすることもできる。
ローパスフィルタ132は、第一X軸変位センサ116の信号Xa1に対してローパスフィルタ処理を行う。本形態では、ローパスフィルタ132は、増幅器131による増幅処理の後の信号に対してローパスフィルタ処理を行う。ローパスフィルタ処理においては、主軸70の回転周波数よりも高周波に設定された周波数をカットオフ周波数とする。カットオフ周波数は、ローパスフィルタ処理の後の信号が主軸70の回転振れ成分(回転周波数成分)を主とする信号となるように設定すると良い。なお、主軸70の回転周波数は、主軸70の回転周期Txの逆数である。
平均化演算部133は、主軸70の回転周期Txの整数倍の所定期間ごとに、ローパスフィルタ処理の後の信号に対して平均化演算を行う。特に、本形態では、平均化演算部133は、所定期間として主軸70の回転周期Txの1倍の期間Ta,Tb,Tc,Td,Teごとに、ローパスフィルタ処理の後の信号に対して平均化演算を行う。図7(c)に示す平均化演算の後の信号における期間Taは、図7(b)に示すローパスフィルタ処理の後の信号における期間Taを平均化演算した値である。他の期間Tb,Tc,Td,Teについても同様である。
図6に示すように、制御装置3は、第二X軸変位センサ117の信号Xa2に基づく処理部として、増幅器134(図6では「AMP」と示す)、ローパスフィルタ135(図6では「LPF」と示す)、平均化演算部136を備える。増幅器134、ローパスフィルタ135および平均化演算部136は、増幅器131、ローパスフィルタ132および平均化演算部133と同様の処理を行う。
合成演算部137は、第一X軸変位センサ116の信号Xa1に基づき平均化演算を行った信号と、第二X軸変位センサ117の信号Xa2に基づき平均化演算を行った信号とを用いて、合成演算を行う。例えば、第一X軸変位センサ116の信号Xa1および第二X軸変位センサ117の信号Xa2が、基準からの変位の方向性を正負で表す場合には、第一X軸変位センサ116の信号Xa1と第二X軸変位センサ117の信号Xa2の一方が正値であり、他方が負値であるため、合成演算部137は、両者の差を求める。また、第一X軸変位センサ116の信号Xa1および第二X軸変位センサ117の信号Xa2が、基準からの変位の絶対値を表す場合には、合成演算部137は、両者の和を求める。
つまり、合成演算部137は、主軸70の基準からの変位の2倍の値を求める。合成演算部137により信号の大きさを大きくすることができるため、分解能を高くすることができる。
上記は、制御装置3は、主軸70の前支持面71におけるX軸方向の変位を表す信号Xa1,Xa2に対する処理を行った。同様に、制御装置3は、主軸70の後支持面72にけるX軸方向の変位を表す信号Xb1,Xb2に対する処理を行う。
すなわち、制御装置3は、主軸70の後支持面72の変位を検出する第一X軸変位センサ161の信号Xb1に基づく処理部として、増幅器151、ローパスフィルタ152、平均化演算部153を備える。また、制御装置3は、主軸70の後支持面72の変位を検出する第二X軸変位センサ162の信号Xb2に基づく処理部として、増幅器154、ローパスフィルタ155、平均化演算部156を備える。さらに、制御装置3は、合成演算部157を備える。各処理部151~157は、実質、各処理部131~137と同様の処理を行う。
図6に示すように、制御装置3は、さらに、主軸70の傾き角度出力部141、前指令値生成部142、後指令値生成部143を備える。ここで、制御装置3は、能動型流量調整弁112を制御することにより、前静圧軸受81を制御して、結果として主軸70の前支持面71をX軸方向に移動させる。また、制御装置3は、後側の能動型流量調整弁163を制御することにより、後静圧軸受82を制御して、結果として主軸70の後支持面72をX軸方向に移動させる。
例えば、工作物Wの両端にクラウニングを形成する場合には、主軸70の傾き角度の指令値が、図8(a)に示すような挙動となる。このとき、主軸70の前支持面71のX軸方向の変位の指令値が図8(b)に示すような挙動となり、主軸70の後支持面72のX軸方向の変位の指令値が図8(c)に示すような挙動となる。
そこで、制御装置3を構成する傾き角度出力部141は、図8(a)に示すような主軸70の傾き角度を出力する。前指令値生成部142は、図8(b)に示すような主軸70の前支持面71のX軸方向の位置の指令値を生成する。後指令値生成部143は、図8(c)に示すような主軸70の後支持面72のX軸方向の位置の指令値を生成する。
図6に示すように、制御装置3は、さらに、偏差演算部138、駆動信号生成部139を備える。偏差演算部138は、前指令値生成部142により生成された前指令値と、合成演算部137により生成された2つの平均化演算の後の信号の合成値との偏差を演算する。駆動信号生成部139は、偏差演算部138により求められた偏差に基づいて、前側の能動型流量調整弁112を駆動するための駆動信号を生成する。駆動信号生成部139は、公知のPI制御やPID制御などを行う。
前側の能動型流量調整弁112は、駆動信号生成部139により生成された駆動信号に基づいて駆動されると、前静圧軸受81における第一X軸静圧ポケット101に供給される流体の流量が変化する。そうすると、第一X軸静圧ポケット101における圧力が変化し、主軸70の前支持面71をX軸方向に移動する。そうすると、第一X軸変位センサ116および第二X軸変位センサ117により検出される信号Xa1,Xa2が変化する。そして、再び、信号Xa1,Xa2に基づいて、前側の能動型流量調整弁112が制御される。このようにして、フィードバック処理が行われる。
図6に示すように、制御装置3は、さらに、偏差演算部158、駆動信号生成部159を備える。偏差演算部158は、後指令値生成部143により生成された後指令値と、合成演算部157により生成された2つの平均化演算の後の信号の合成値との偏差を演算する。駆動信号生成部159は、偏差演算部158により求められた偏差に基づいて、後側の能動型流量調整弁163を駆動するための駆動信号を生成する。駆動信号生成部159は、公知のPI制御やPID制御などを行う。
後側の能動型流量調整弁163は、駆動信号生成部159により生成された駆動信号に基づいて駆動されると、後静圧軸受82における第一X軸静圧ポケットに供給される流体の流量が変化する。そうすると、第一X軸静圧ポケットにおける圧力が変化し、主軸70の後支持面72をX軸方向に移動する。そうすると、第一X軸変位センサ161および第二X軸変位センサ162により検出される信号Xb1,Xb2が変化する。そして、再び、信号Xb1,Xb2に基づいて、後側の能動型流量調整弁163が制御される。このようにして、フィードバック処理が行われる。
5.効果
上述したように、制御装置3において、ローパスフィルタ132,135,152,155が、主軸70の回転周波数よりも高周波に設定された周波数をカットオフ周波数とし、変位センサ116,117,161,162の信号Xa1,Xa2,Xb1,Xb2に対してローパスフィルタ処理を行う。従って、ローパスフィルタ処理の後の信号には、主軸70の回転周波数の成分を含んでいる。つまり、主軸70に回転振れが存在する場合には、ローパスフィルタ処理の後の信号は、当該回転振れ成分を含んでいる。ここで、主軸70の回転振れ成分は、主軸70の回転周期Txに対応した成分である。
そこで、制御装置3は、平均化演算部133,136,153,156により、ローパスフィルタ処理の後の信号に対して平均化演算を行っている。詳細には、平均化演算部133,136,153,156は、主軸70の回転周期Txの整数倍の所定期間ごとに、ローパスフィルタ処理の後の信号に対して平均化演算を行っている。ここで、主軸70の回転周期Txは、予め把握することができる。従って、平均化演算により、主軸70の回転振れ成分を取り除くことができる。つまり、平均化演算の後の信号は、主軸70の回転振れ成分を含まず、さらに、主軸70の回転周波数よりも高周波のノイズを含まない信号となり、高精度に、主軸70の位置に対応した信号となる。
そして、制御装置3の駆動信号生成部139,159が、指令値と平均化演算の後の信号との偏差に基づいて、能動型流量調整弁112,163を駆動するための駆動信号を生成する。駆動信号によって能動型流量調整弁112,163を駆動することにより、高精度に、主軸70を径方向に位置決めすることができる。その結果、主軸70の傾き姿勢を高精度に位置決めすることができる。
上述したように、駆動信号生成部139,159において、指令値との偏差を算出するための対象信号は、平均化演算の後の信号である。平均化演算の後の信号は、ローパスフィルタ処理を行い、その後に平均化演算を行うことにより得られる。ローパスフィルタ処理におけるカットオフ周波数は、主軸70の回転周波数よりも高周波に設定された周波数である。
ここで、ローパスフィルタ処理におけるカットオフ周波数が低いほど、ローパスフィルタ処理の後の信号に遅延を生じる。つまり、ローパスフィルタ処理におけるカットオフ周波数を主軸70の回転周波数よりも低周波に設定する場合に比べて、上記のように、カットオフ周波数を主軸70の回転周波数よりも高周波に設定することにより、信号の遅延を短くすることができる。また、平均化演算は、ローパスフィルタ処理のような信号の遅延を生じさせる処理ではない。従って、ローパスフィルタ処理および平均化演算を行った信号は、遅延の短い信号となり、結果として、高応答の信号を生成することができる。その結果、主軸70の傾き姿勢を高応答に所望の姿勢とすることができる。従って、本形態の加工装置1は、主軸70の傾き姿勢の変更を、高応答かつ高精度を実現することができる。
また、静圧軸受80は、前静圧軸受81および後静圧軸受82を備えており、主軸70の軸方向において異なる複数箇所に設けられている。そして、能動型流量調整弁112,163は、それぞれの静圧軸受80に対応するように設けられる。これにより、主軸70の傾き角度を大きくとることができる。
さらに、制御装置3は、変位センサ116,117,161,162の信号Xa1,Xa2,Xb1,Xb2に対して増幅処理を行う増幅器131,134,151,154を備える。そして、ローパスフィルタ132,135,152,155は、増幅処理の後の信号に対してローパスフィルタ処理を行う。主軸70の変位は微小であるため、変位センサ116,117,161,162の信号Xa1,Xa2,Xb1,Xb2の大きさは小さい。そこで、信号処理を容易にするために、増幅処理を行う。そして、増幅処理を行うことにより、ノイズも増幅されてしまう。しかし、ノイズは、上記の通り、取り除くことができるため、高精度かつ高応答に、主軸70の傾き姿勢の変更を実現することができる。
また、X軸方向において、前静圧軸受81は、複数の静圧ポケット101,102を備える。複数の静圧ポケット101,102は、主軸70の軸方向(Z軸方向)に直交する所定方向(X軸方向)において、主軸70を挟んで対向する位置に配置されている。そして、変位センサ116,117は、当該所定方向(X軸方向)において、複数の静圧ポケット101,102のそれぞれに対する主軸70の径方向変位を検出する。そして、複数の変位センサ116,117の信号Xa1,Xa2を用いて、前側の能動型流量調整弁112を制御している。このように、複数の変位センサ116,117の信号Xa1,Xa2を用いることにより、信号の大きさを大きくすることができ、高分解能を実現できる。
また、制御装置3において、平均化演算部133,136,153,156は、主軸70の回転周期Txの1倍の期間ごとに、ローパスフィルタ処理の後の信号に対して平均化演算を行っている。これにより、より応答性能を高くすることができる。ただし、平均化演算部133,136,153,156は、主軸70の回転周期Txの2倍以上の整数倍の期間ごとに、ローパスフィルタ処理の後の信号に対して平均化演算を行うこともできる。
(実施形態2)
実施形態2の加工装置1について、図9~図12を参照して説明する。実施形態2の加工装置1は、実施形態1の加工装置1の構成に加えて、砥石台50の構成および制御装置3の構成が異なる。なお、実施形態2以降において用いた符号のうち、既出の実施形態において用いた符号と同一のものは、特に示さない限り、既出の実施形態におけるものと同様の構成要素等を表す。
実施形態1と同様に、砥石台50は、図1に示すように、砥石車T、工具主軸装置51、および、駆動モータ52などを備える。図2に示すように、工具主軸装置51は、工具主軸台本体としてのハウジング60、主軸70、静圧軸受80、センサ90を備える。砥石台50を構成する工具主軸台本体であるハウジング60は、ベッド10に設けられたX軸方向に延在するX軸案内面13に案内される。
図9および図10に示すように、X軸案内面13は、X軸右案内面13RおよびX軸左案内面13Lを備える。砥石台50は、静圧支持装置210を備える。静圧支持装置210は、流体の静圧により、工具主軸台本体であるハウジング60をX軸方向に直動可能に支持する。静圧支持装置210は、X軸右案内面13Rの側面に対向して配置される前静圧ポケット211および後静圧ポケット212、X軸右案内面13Rの上面に対向して配置される前静圧ポケット213および後静圧ポケット214を備える。さらに、静圧支持装置210は、X軸左案内面13Lの側面に対向して配置される前静圧ポケット215および後静圧ポケット216、X軸左案内面13Lの上面に対向して配置される前静圧ポケット217および後静圧ポケット218を備える。
図11に示すように、静圧支持装置210を構成する静圧ポケット211,212,215,216の圧力に応じて、工具主軸台本体であるハウジング60のX軸方向(直動方向)に対する姿勢を変更可能に構成されている。
砥石台50は、さらに、静圧ポケット215,216に供給する流体の流量を能動的に調整可能に構成された能動型流量調整弁221,222を備える。能動型流量調整弁221,222は、実施形態1の能動型流量調整弁112,114と同様に構成される。砥石台50は、さらに、静圧ポケット211~214,217~218に流体を供給する固定絞り231~236を備える。固定絞り231~236は、実施形態1の固定絞り113,115と同様に構成される。
砥石台50は、さらに、工具主軸台本体であるハウジング60の姿勢を検出する変位センサ241~244を備える。変位センサ241は、静圧ポケット211、または、静圧ポケット211の近傍に配置される。変位センサ241は、静圧ポケット211近傍において、X軸右案内面13Rに対するZ軸方向の変位を検出する。変位センサ241は、信号Sf1を出力する。変位センサ242は、静圧ポケット212、または、静圧ポケット212の近傍に配置される。変位センサ242は、静圧ポケット212近傍において、X軸右案内面13Rに対するZ軸方向の変位を検出する。変位センサ242は、信号Sr1を出力する。
変位センサ243は、静圧ポケット215、または、静圧ポケット215の近傍に配置される。変位センサ243は、静圧ポケット215近傍において、X軸左案内面13Lに対するZ軸方向の変位を検出する。変位センサ243は、信号Sf2を出力する。変位センサ244は、静圧ポケット216、または、静圧ポケット216の近傍に配置される。変位センサ244は、静圧ポケット216近傍において、X軸左案内面13Lに対するZ軸方向の変位を検出する。変位センサ244は、信号Sr2を出力する。
制御装置3は、直動用の変位センサ241,242,243,244の信号Sf1,Sr1,Sf2,Sr2に基づいて、能動型流量調整弁221,222を制御する。制御装置3は、図12に示すように、直動用の処理部として、増幅器331,334,351,354、ローパスフィルタ332,335,352,355、平均化演算部333,336,353,356、合成演算部337,357を備える。当該各構成は、実施形態1の対応する構成と実質的に同様に構成される。
また、制御装置3は、さらに、工具主軸台本体であるハウジング60の傾き角度を出力する傾き角度出力部341、前指令値生成部342、後指令値生成部343を備える。当該各構成も、実施形態1の対応する構成と実質的に同様に構成される。また、制御装置3は、偏差演算部338,358、駆動信号生成部339,359を備える。当該各構成も、実施形態1の対応する構成と実質的に同様に構成される。
このように、本形態の加工装置1は、能動型流量調整弁112,114を制御することにより、静圧軸受80を介して、主軸70の傾きを制御することができる。さらに、加工装置1は、能動型流量調整弁221,222を制御することにより、静圧支持装置210を介して、工具主軸台本体であるハウジング60の傾きを制御することができる。
従って、工具である砥石車Tの傾き姿勢は、静圧軸受80による制御、および、静圧支持装置210による制御による、複合的な制御が可能となる。例えば、工作物Wに複雑なテクスチャなどの形成することができる。
また、能動型流量調整弁112,114による動作対象は、主軸70や砥石車Tを含む。一方、能動型流量調整弁221,222による動作対象は、ハウジング60、主軸70、砥石車Tを含む。従って、能動型流量調整弁221,222による動作対象の質量は、能動型流量調整弁112,114による動作対象の質量よりも大きい。そこで、能動型流量調整弁221,222の動作対象であるハウジング60の姿勢変更速度を、能動型流量調整弁112,114の動作対象である主軸70の姿勢変更速度よりも遅くすると良い。そして、適切な姿勢変更速度により姿勢変更を行うことにより、高応答かつ高精度な制御を行うことができる。
(実施形態3)
実施形態3の加工装置1について図13および図14を参照して説明する。実施形態1において、制御装置3が前側の能動型流量調整弁112および後側の能動型流量調整弁163を制御したのに対して、本形態では、制御装置3は、前側の能動型流量調整弁112のみを制御する。さらに、実施形態1において、制御装置3は、第一X軸変位センサ116の信号Xa1および第二X軸変位センサ117の信号Xa2を用いて、前側の能動型流量調整弁112の駆動信号を生成した。本形態では、制御装置3は、第一X軸変位センサ116の信号Xa1のみを用い、第二X軸変位センサ117の信号Xa2を用いない。
この場合、制御装置3は、図13に示すように、増幅器131、ローパスフィルタ132、平均化演算部133、傾き角度出力部141、前指令値生成部142、偏差演算部138、駆動信号生成部139を備える。本形態では、偏差演算部138は、前指令値生成部142により生成された指令値と平均化演算部133により得られた信号との偏差を演算する。
例えば、工作物Wの両端にクラウニングを形成する場合には、主軸70の傾き角度の指令値が、図14(a)に示すような挙動となる。このとき、主軸70の前支持面71のX軸方向の変位の指令値が図14(b)に示すような挙動となり、主軸70の後支持面72のX軸方向の変位が図14(c)に示すような挙動となる。そこで、制御装置3を構成する傾き角度出力部141は、図14(a)に示すような主軸70の傾き角度を出力する。前指令値生成部142は、図14(b)に示すような主軸70の前支持面71のX軸方向の位置の指令値を生成する。制御装置3において、他の構成は、実施形態1と同様である。本形態においても、実施形態1と同様の効果を発揮することができる。
(その他)
上記実施形態においては、変位センサ116~119,161,162を用いて、主軸70の前支持面71の径方向変位および後支持面72の径方向変位の少なくとも一方を検出し、能動型流量調整弁112,114,163を制御することとした。能動型流量調整弁112,114,163を制御することにより、ハウジング60に対する主軸70の傾き姿勢を変更することを可能とした。
変位センサ116~119,161,162に代えて、圧力センサを用いることもできる。圧力センサは、対応する静圧ポケット101~104の流体の圧力を検出する。静圧ポケット101~104の流体の圧力は、主軸70の径方向変位に相関を有する。例えば、図5において、静圧ポケット101の流体の圧力が高くなると、主軸70の前支持面71は、X軸の正方向(図5の右側)に移動する。従って、静圧ポケット101~104の流体の圧力を検出することにより、主軸70の径方向変位を求めることができる。圧力センサを用いることにより、応答性をさらに高くすることができる。ただし、変位センサ116~119,161,162を用いることにより、高精度な位置決めが可能となる。
また、上記実施形態においては、変位センサ241~244を用いて、工具主軸台本体であるハウジング60のX軸案内面13R,13Lに対するZ軸方向の変位を検出し、能動型流量調整弁221,222を制御することとした。能動型流量調整弁221,222を制御することにより、X軸案内面13R、13Lに対して工具主軸台本体であるハウジング60の傾き姿勢を変更することを可能とした。
変位センサ241~244に代えて、圧力センサを用いることもできる。圧力センサは、対応する静圧ポケット211,212,215,216の流体の圧力を検出する。静圧ポケット211,212,215,216の流体の圧力は、工具主軸台本体であるハウジング60の各部位のZ軸方向変位に相関を有する。例えば、図10において、静圧ポケット215の流体の圧力が高くなると、ハウジング60の左下部分がZ軸の負方向(図10の左側)に移動する。従って、静圧ポケット211,212,215,216の流体の圧力を検出することにより、ハウジング60の各部位のZ軸方向変位を求めることができる。圧力センサを用いることにより、応答性をさらに高くすることができる。ただし、変位センサ241~244を用いることにより、高精度な位置決めが可能となる。
1 加工装置
3 制御装置
70 主軸
80,81,82 静圧軸受
101,102,103,104 静圧ポケット
112,114,163 能動型流量調整弁
116,117,118,119,161,162 センサ
132,135,152,155 ローパスフィルタ
133,136,153,156 平均化演算部
139,159 駆動信号生成部
T 工具
W 工作物
Tx 主軸の回転周期

Claims (8)

  1. 工具または工作物を保持する主軸と、
    流体の静圧により前記主軸を回転可能に支持し、周方向に複数の静圧ポケットを有し、前記静圧ポケットのそれぞれの圧力に応じて前記主軸を径方向に移動させることにより、前記主軸の傾き姿勢を変更可能に構成された静圧軸受と、
    前記静圧ポケットのそれぞれに供給する流体の流量を能動的に調整可能に構成された能動型流量調整弁と、
    前記主軸の径方向変位、または、前記静圧ポケットにおける前記流体の圧力を検出するセンサと、
    前記センサの信号に基づいて、前記能動型流量調整弁を制御する制御装置と、
    を備え、
    前記制御装置は、
    前記主軸の回転周波数よりも高周波に設定された周波数をカットオフ周波数とし、前記センサの信号に対してローパスフィルタ処理を行うローパスフィルタと、
    前記主軸の回転周期の整数倍の所定期間ごとに、前記ローパスフィルタ処理の後の信号に対して平均化演算を行う平均化演算部と、
    指令値と前記平均化演算の後の信号との偏差に基づいて、前記能動型流量調整弁を駆動するための駆動信号を生成する駆動信号生成部と、
    を備える、加工装置。
  2. 前記静圧軸受は、前記主軸の軸方向において異なる複数箇所に設けられ、
    前記能動型流量調整弁は、それぞれの前記静圧軸受に対応するように設けられる、請求項1に記載の加工装置。
  3. さらに、前記センサの信号に対して増幅処理を行う増幅器を備え、
    前記ローパスフィルタは、前記増幅処理の後の信号に対して前記ローパスフィルタ処理を行う、請求項1または2に記載の加工装置。
  4. 前記複数の静圧ポケットは、前記主軸の軸方向に直交する所定方向において、前記主軸を挟んで対向する位置に配置され、
    前記センサは、前記所定方向において、前記複数の静圧ポケットのそれぞれに対する前記主軸の径方向変位を検出する、請求項1~3のいずれか1項に記載の加工装置。
  5. 前記平均化演算部は、前記所定期間として前記主軸の回転周期の1倍の期間ごとに、前記ローパスフィルタ処理の後の信号に対して平均化演算を行う、請求項1~4のいずれか1項に記載の加工装置。
  6. 前記工具は、砥石車である、請求項1~5のいずれか1項に記載の加工装置。
  7. さらに、
    前記静圧軸受が設けられる主軸台本体と、
    流体の静圧により前記主軸台本体を直動可能に支持し、直動用静圧ポケットを有し、前記直動用静圧ポケットの圧力に応じて前記主軸台本体の直動方向に対する姿勢を変更可能に構成された静圧支持装置と、
    前記静圧支持装置の前記直動用静圧ポケットに供給する流体の流量を能動的に調整可能に構成された直動用能動型流量調整弁と、
    前記主軸台本体の姿勢、または、前記直動用静圧ポケットにおける前記流体の圧力を検出する直動用センサと、
    を備え、
    前記制御装置は、前記直動用センサの信号に基づいて前記直動用能動型流量調整弁を制御し、
    前記制御装置は、さらに、
    直動用指令値と前記直動用センサの信号との偏差に基づいて、前記直動用能動型流量調整弁を駆動するための駆動信号を生成する直動用駆動信号生成部を備える、請求項1~6のいずれか1項に記載の加工装置。
  8. 前記制御装置は、さらに、
    前記主軸の回転周波数よりも高周波に設定された周波数をカットオフ周波数とし、前記直動用センサの信号に対してローパスフィルタ処理を行う直動用ローパスフィルタと、
    前記主軸の回転周期の整数倍の所定期間ごとに、前記直動用ローパスフィルタによる前記ローパスフィルタ処理の後の信号に対して平均化演算を行う直動用平均化演算部と、
    を備え、
    前記直動用駆動信号生成部は、前記直動用指令値と前記直動用平均化演算部による前記平均化演算の後の信号との偏差に基づいて、前記直動用能動型流量調整弁を駆動するための駆動信号を生成する、請求項7に記載の加工装置。
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