JPH10166201A - 工作機械 - Google Patents

工作機械

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JPH10166201A
JPH10166201A JP35199296A JP35199296A JPH10166201A JP H10166201 A JPH10166201 A JP H10166201A JP 35199296 A JP35199296 A JP 35199296A JP 35199296 A JP35199296 A JP 35199296A JP H10166201 A JPH10166201 A JP H10166201A
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JP
Japan
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slider
guide
axis
rigidity
guide surface
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JP35199296A
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Takao Yokomatsu
孝夫 横松
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 多様な加工方式が自在であって、しかも加工
点の剛性が高い工作機械を実現する。 【解決手段】 Yスライダ31に保持された水平回転装
置40の図示上向きのC軸41と、Zスライダ51に保
持された垂直回転装置60の図示横向きのB軸61の双
方に、それぞれワークと工具を取り付け自在に構成す
る。ベースガイド10のXY案内面10a上のYスライ
ダ31は、その両端のYリニアモータ32によってY軸
方向に駆動され、一対のXリニアモータ22によって駆
動されるYガイド30に追従してX軸方向に駆動され
る。B軸61は、Zスライダ51を駆動する4個のZリ
ニアモータ52を結んで形成される方形の内側にバイト
1 が位置するように配設される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、極めて高い加工精
度が要求される精密部品、例えば、ナノメータオーダの
表面粗さが必要なトーリックレンズ等の光学部品の金型
の切削あるいは研削等に用いられる工作機械に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】トーリックレンズ等の光学部品の金型等
においては、一般的に、ナノメータオーダの表面粗さに
加工することが要求されるが、従来のNC工作機械を用
いて3次元形状の切削加工を行なうと、切削される表面
に垂直な方向(以下、「背分力方向」という。)の剛性
が不充分なために、必要な面精度を得ることができず、
後工程としての研磨が必要となる。
【0003】図4は、一従来例によるNC工作機械を示
すもので、これは、床面等に固定されたXガイド110
に沿ってX軸方向に往復移動自在であるXスライダ11
1と、該Xスライダ111に固定されたZガイド130
に沿ってZ軸方向に往復移動(上下動)自在であるZス
ライダ131と、該Zスライダ131に固定された加工
台140と、Xガイド110とともに前述の床面等に固
定されたYガイド120と、これに沿ってY軸方向に往
復移動自在であるYスライダ121と、該Yスライダ1
21に支持された回転装置122によってY軸のまわり
に回転する主軸150を有し、該主軸150に取り付け
られたバイトT0 によって、加工台140上のワークW
0 の上面を切削加工する。
【0004】Xスライダ111とYスライダ121とZ
スライダ131をそれぞれ個別に駆動するアクチュエー
タをNC制御することで、フライカット方式による任意
の3次元形状の切削加工等を自動化できる。
【0005】トーリックレンズ等の金型を加工するとき
には、このように、主軸150にバイトT0 を取り付け
て、加工台140上のワークW0 を切削するフライカッ
ト方式を採用するが、球面レンズ等の軸対称形状を加工
するときは、主軸150にワークを取り付けてこれを回
転させ、加工台140に固定されたバイトによって切削
する旋削加工を行なう。
【0006】なお、Xスライダ111、Yスライダ12
1、Zスライダ131と、Xガイド110、Yガイド1
20、Zガイド130の間は、それぞれ静圧軸受装置E
0 によって非接触に保たれる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
の技術によれば、Xスライダ上にZスライダが支持され
た2段構成のステージに加工台が載置されており、全体
としては、3個のスライダと1個の主軸の組み合わせに
よってワークとバイトを相対移動させるように構成され
ている。すなわち、バイトがワークに接する加工点を挟
んで合計4個の直動・回転ユニット(以下、「ユニッ
ト」という。)が直列に配設された直列構造であるた
め、前記加工点における総合剛性は、4個のユニットの
剛性が直列に合成されたものとなり、各ユニットの剛性
に比べて大幅に低下する。
【0008】特に、バイトの切り込み方向すなわち背分
力方向(Z軸方向)の剛性が不足し、加工中に加工点が
前記方向に著しく変動するため、ナノメータオーダの表
面粗さに加工することは極めて困難である。
【0009】加えて、Yスライダに保持されたバイトは
Yスライダの静圧軸受装置等の支持部から大きくずれた
ところに支持され、また、ワークを保持する加工台もX
スライダやZスライダの中心位置からずれたところに配
設されているため、加工点に作用する切削力の背分力成
分を各ユニットがモーメントとして受ける結果となり、
このために、加工点の安定性がより一層低下する。
【0010】例えば、図4に示す従来例によれば、加工
点における背分力方向はZ軸方向であり、この方向の剛
性は、Xスライダの中央では800N/μmと大きい場
合でも、加工点では100N/μm、Yスライダも同様
に100N/μm、Zスライダが50N/μm、主軸が
100N/μm程度となり、加工点における総合剛性は
約20N/μmとなる。切削抵抗の変動が±0.2N程
度であれば、ワークの加工面の表面粗さはRmax20
nmになる。この程度の表面粗さでは、後工程として研
磨が必要であり、研磨による金型の形状精度の劣化や、
加工コストの増大を招く。
【0011】また、図4の工作機械を用いて球面レンズ
等の軸対称形状を加工するときは、主軸端面にワークを
取り付け、Yスライダ上にバイトをセットして旋削加工
を行なう。この場合は、背分力方向はY軸方向になる
が、この方向の剛性もZ軸方向と同程度に低いために、
満足すべき表面粗さを得ることはできない。
【0012】本発明は上記従来の技術の有する未解決の
課題に鑑みてなされたものであり、加工点の剛性が高
く、任意の形状を極めて高い面精度に加工することがで
きるうえに、全体構造が簡単かつ堅牢である安価な工作
機械を提供することを目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明の工作機械は、案内面上を非接触で任意の方
向に移動自在である水平移動台と、これに支持された第
1の回転装置と、前記水平移動台を前記案内面に沿って
第1の方向に移動させる第1の駆動手段と、該第1の駆
動手段を前記水平移動台とともに前記案内面に沿って第
2の方向へ移動させる第2の駆動手段と、前記案内面に
垂直な第3の方向に移動自在である垂直移動台と、これ
に支持された第2の回転装置と、前記垂直移動台を前記
第3の方向に移動させる第3の駆動手段を有することを
特徴とする。
【0014】第1および第2の回転装置のそれぞれが、
工具と被加工物を交互に取り付け自在な回転軸部を有す
るとよい。
【0015】第3の駆動手段が、案内面に沿って分布す
る少なくとも3つの駆動部を有し、これらによって形成
される多角形の内側に第2の回転装置の回転軸部が配設
されているとよい。
【0016】
【作用】トーリックレンズ等の3次元形状をフライカッ
ト方式によって加工するときは、水平移動台上の第1の
回転装置の回転軸部に加工台を取り付け、これに保持さ
れた被加工物(ワーク)を、第2の回転装置の回転軸部
に取り付けた工具(バイト)によって切削する。第1な
いし第3の駆動手段をNC制御することによって任意の
3次元形状を高精度で加工できる。
【0017】加工点に作用する切削力の背分力方向は、
案内面に垂直な第3の方向であり、水平移動台は案内面
に直接支持されているため、2段構成のステージを用い
た場合に比べて、加工点の総合剛性を大幅に改善でき
る。
【0018】このように加工点の剛性を改善し、背分力
方向の位置を安定させることで、加工面の面精度(表面
粗さ)を大幅に向上させることができる。
【0019】加工面の面精度を高めるための研磨等の後
処理を必要としないため、トーリックレンズ等の金型等
の加工コストを大幅に低減できる。
【0020】また、水平移動台と垂直移動台の双方に回
転装置が設けられており、垂直移動台の回転装置にバイ
ト等を取り付けて固定すれば、旋削方式による切削加工
を行なうことができる。このときも、切削力の背分力方
向は、前述と同様に案内面に垂直な第3の方向となり、
従って、加工点の総合剛性は充分である。
【0021】このように異なる加工方式であっても背分
力方向は同じ第3の方向であるから、例えば、案内面と
水平移動台の間を非接触に保つための静圧軸受装置の軸
受剛性を強化するだけでよい。多段構成のステージを用
いる場合のように工作機械の全体構造が複雑化すること
なく、簡単かつ堅牢であるから、長寿命であってしかも
安価な工作機械を実現できる。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面に基づ
いて説明する。
【0023】図1は一実施例による工作機械を示すもの
で、これは、床面等に固定されたベースガイド10と、
同様に床面等に立設された一対のXガイド20と、両X
ガイド20に沿ってそれぞれ第2の方向であるX軸方向
に往復移動自在である一対のXスライダ21と、両Xス
ライダ21をそれぞれX軸方向に往復移動させる第2の
駆動手段である一対のXリニアモータ22と、両Xスラ
イダ21に両端をそれぞれ支持されたYガイド30と、
Yガイド30に沿ってY軸方向に往復移動自在に構成さ
れた水平移動台であるYスライダ31と、Yスライダ3
1を第1の方向であるY軸方向に往復移動させる第1の
駆動手段である一対のYリニアモータ32と、Yスライ
ダ31に保持された第1の回転装置である水平回転装置
40を有し、水平回転装置40から図示上向きに突出す
る回転軸部である回転軸(以下、「C軸」という。)4
1には、被加工物であるワークW1 を保持する加工台ま
たは図示しない工具であるバイトを取り付け自在であ
る。
【0024】図2に示すように、ベースガイド10の両
側には、一対のZガイド50が配設され、各Zガイド5
0を支持するガイド支持体50aは、Xガイド20と同
様に床面等に立設されている。両Zガイド50は、静圧
軸受パッドE5 を介して垂直移動台であるZスライダ5
1を非接触で第3の方向であるZ軸方向に案内するもの
で、Zスライダ51は、各Zガイド50のZ案内面に対
向するようにそれぞれ静圧軸受パッドE5 を保持する一
対の断面U字形の支持部材51aと、これらによって両
端を支持された本体51bからなる移動体であり、該移
動体は、Yガイド30をまたぐように配設されている。
本体51bの中央に第2の回転装置である垂直回転装置
60が支持され、垂直回転装置60から図示Y軸方向に
突出する回転軸部である回転軸(以下、「B軸」とい
う。)61には、工具であるダイヤモンドバイト等のバ
イトT1 または図示しない加工台を取り付け自在であ
る。
【0025】Xスライダ21とYスライダ31の底面
は、それぞれ、静圧軸受パッドE1 ,E2 を介してベー
スガイド10の案内面であるXY案内面10a上に非接
触で支持される。
【0026】Yスライダ31の底面には、静圧軸受パッ
ドE2 に予圧を与えてその軸受剛性を強化するための磁
気ユニット(マグネット)F2 が設けられており、水平
回転装置40やYスライダ31の総重量を安定して非接
触で支持する。静圧軸受パッドE2 や磁気ユニットF2
の寸法および数を適切に設定することで、軸受隙間すな
わちYスライダ31の浮上量を一定に保つことができ
る。例えば、ベースガイド10とYスライダ31の間の
軸受隙間を5μmに設定する場合に、Yスライダ31の
底面の寸法が300×300mm程度であれば、一枚当
り100N/μm程度の軸受剛性を有する静圧軸受パッ
ドをそれぞれ予圧用のマグネットと組み合わせて10セ
ット配設すればよい。
【0027】各Xガイド20とXスライダ21の間は静
圧軸受パッドE3 によって非接触に保たれており、ま
た、両Xスライダ21と一体であるYガイド30は、Y
スライダ31に設けられた貫通孔31aを貫通してい
る。Yスライダ31は、貫通孔31aに配設された静圧
軸受パッドE4 によって、Yガイド30に非接触で案内
される。
【0028】前述のように、Yガイド30はその両端を
一対のXリニアモータ22によって駆動される。各Xリ
ニアモータ22は、Xガイド20と一体である固定子2
2aとこれに沿って往復移動自在に配設された可動子2
2bを有し、可動子22bは、各Xスライダ21と一体
的に結合されている。また、各Xリニアモータ22の駆
動量は、可動子22bと一体であるミラー22cにレー
ザ光を照射してその反射光と基準光との干渉から変位量
を計測するレーザ干渉測長器22dによって高精度でモ
ニタされ、フィードバック制御される。
【0029】一対のYリニアモータ32は、それぞれ、
Yスライダ31のX軸方向の両端に配設され、各Yリニ
アモータ32の固定子32aは、その両端を両Xスライ
ダ21に固定され、各Yリニアモータ32の可動子32
bは、Yスライダ31の両側面から突出している。各Y
リニアモータ32の駆動量は、可動子32bと一体であ
るミラー32cにレーザ光を照射して変位量を測定する
レーザ干渉測長器32dによって高精度でモニタされ、
フィードバック制御される。
【0030】両Yリニアモータ32の可動子32bおよ
びミラー32cは、送り方向すなわちY軸方向にYスラ
イダ31の重心位置で左右対称になるように配設され、
両Yリニアモータ32によって、Yスライダ31の両側
部にY軸方向の駆動力が発生する。このように、Yスラ
イダ31の重心を挟んで左右対称に駆動力を作用させ、
その部位における変位をミラー32cによって検出する
構成であるため、レーザ干渉測長器32dの出力に基づ
くフィードバック制御の応答性が高く、Yスライダ31
の重心に作用する合成駆動力の制御も容易である。さら
に、送り方向(Y軸方向)のヨーイング剛性も充分であ
る。
【0031】Yスライダ31をYガイド30を介してX
軸方向へ移動させる両Xリニアモータ22についても、
その駆動力をYガイド30のX軸方向の重心位置で左右
対称に作用させ、その部位における変位をレーザ干渉測
長器22dによって検出してXリニアモータ22にフィ
ードバックするように構成し、フィードバック制御の応
答性やヨーイング剛性等を強化する。
【0032】その結果、Yスライダ31をXY平面内で
任意の方向に極めて迅速かつ高精度で、しかもヨーイン
グ等のおそれのない安定した状態で移動させることがで
きる。
【0033】水平回転装置40は、このようなYスライ
ダ31の重心位置(中央)に保持され、C軸41の回転
数をゼロに近い低速領域から3,000rpmの広範囲
にわたって制御自在に構成される。すなわち、C軸41
は、数百rpmから3,000rpmの高速回転と、数
十rpm以下の低速割り出しの自在な回転割り出し機能
を有する。
【0034】C軸41に加工台を取り付けてワークW1
を保持させ、トーリックレンズの金型等をフライカット
方式で加工するときは、C軸41をボルト等によってY
スライダ31に固定する。前述のように、C軸41がY
スライダ31の重心位置に保持され、しかも、Yスライ
ダ31の底面が直接ベースガイド10のXY案内面10
aに静圧軸受パッドE2 を介して支持されているため、
従来例のような2重構造でしかもステージの重心位置か
らずれたところにワークが支持されている場合に比べ
て、C軸41の背分力方向の剛性が極めて高くなる。
【0035】また、垂直回転装置60を保持するZスラ
イダ51をZ軸方向に移動させる第3の駆動手段である
Zリニアモータ(駆動部)52は、両支持部材51aの
それぞれのY軸方向の両端に一対ずつ、合計4個配設さ
れる。すなわち、移動体であるZスライダ51の四隅に
4個のZリニアモータ52の可動子52bが固着配設さ
れ、各可動子52bは、Zガイド50に固定された固定
子52aに沿ってZ軸方向に往復移動自在である。Zス
ライダ51のZ軸方向の移動は、各可動子52bと一体
であるミラー52cの反射光を用いるレーザ干渉測長器
52dによって検出され、各Zリニアモータ52にフィ
ードバックされる。
【0036】垂直回転装置60は、このようにZスライ
ダ51の四隅に配設された合計4個のZリニアモータ5
2を結んで形成される多角形である方形の内側にB軸6
1の先端のバイトT1 を位置させるように配設されてい
る。従って、従来例のようにステージの片側からC軸を
突出させた場合に比べて、バイトの切削抵抗をモーメン
トで受けるおそれがないため、加工点の剛性をより一層
大幅に向上させることができる。
【0037】一例として、図4に示す工作機械において
は、YスライダにY軸方向に配列された静圧軸受パッド
の間隔を400mm、バイトに近い側の静圧軸受パッド
とバイトの距離を200mm、静圧軸受パッドの剛性を
250N/μmとすると、バイトの加工点における背分
力方向すなわちZ軸方向の剛性は約100N/μmとな
る。これに対して、本実施例の工作機械においては、上
記と同様にYスライダにY軸方向に配列された静圧軸受
パッドの間隔を400mm、バイトの位置を4個のZリ
ニアモータを結ぶ方形の内側へ100mmに設定し、Z
リニアモータの送り剛性を静圧軸受パッドの剛性と同等
であると仮定すると、バイトの加工点における背分力方
向すなわちZ軸方向の剛性は400N/μmと従来例の
4倍に増大させることができる。
【0038】なお、B軸61は、C軸41と同様に、ゼ
ロに近い低速領域から3,000rpmの広範囲に回転
速度を制御自在である。すなわちB軸61も、数百rp
mから3,000rpmの高速回転と、数十rpm以下
の低速割り出しの自在な回転割り出し機能を有する。
【0039】フライカット方式でB軸61によってバイ
トT1 を回転させ、Yスライダ31に保持されたワーク
1 を加工するときは、Zスライダ51の背分力方向
(Z軸方向)の剛性が前述のように400N/μm、Y
スライダ31の前記剛性が1,000N/μm、B軸4
1の剛性が100N/μmであれば、ワークW1 に対す
るバイトT1 の加工点の総合剛性は74N/μmであ
る。切削抵抗の変動が±0.2Nであれば、加工後のワ
ークW1 の加工面の表面粗さは約Rmax5nmとな
り、従来例に比べて大幅に改善される。この程度の表面
粗さであれば、後工程としての研磨は不必要であり、ト
ーリックレンズの金型等の製造コストを大きく低減でき
る。
【0040】以上はフライカット方式による加工の説明
であるが、軸対称形状を旋削加工する場合はバイトを固
定し、ワークを回転させる。すなわち図3の(a)に示
すように、B軸61にバイトT2 を取り付けてボルト等
によってB軸61をZスライダ51に強固に固定する。
ワークW2 はC軸41に取り付けて高速回転させ、Xス
ライダ21とZスライダ51の動きによって形状を作
る。この場合は、背分力方向はフライカット時と同様に
Z軸方向であり、加工点の剛性を高めることができる。
従来例の構成では、主軸にワークを取り付けて回転さ
せ、バイトはZスライダ上にY軸方向に向けてセットす
る。このために、背分力方向はY軸方向となりこの方向
の剛性が重要となるが、X、Y、Zスライダとも切削抵
抗をモーメントで受けざるを得ないため剛性を高めるこ
とができない。
【0041】本実施例によれば、B軸とC軸の二つの主
軸を搭載しているため、加工方式が変わっても加工点の
背分力方向を一定にすることができる。
【0042】図3の(b)は、超硬材料等の固い材質で
トーリック形状を加工する場合の加工法を示す。ワーク
3 は固定されたC軸41にセットし、B軸61には砥
石T 3 を取り付けて高速回転させ、X、Y、Zスライダ
をそれぞれ所定のプログラムに従って移動させて形状を
作る。
【0043】図3の(c)は軸対称形状のガラスレンズ
等を研削加工する際の加工法である。ワークW4 をC軸
41に取り付けて数百rpmで回転させ、B軸61には
砥石T4 をセットして高速回転させ、X、Zスライダの
動きで形状を作る。
【0044】どちらの研削の場合も、切り込み方向つま
り表面粗さに最も影響する背分力方向がZ軸方向に統一
されており、高い剛性が確保できるため、良好な表面粗
さを得ることができる。
【0045】さらに、B軸61、C軸41の双方を固定
し、B軸61にバイト、C軸41にワークをセットすれ
ば、シェーパ加工も可能である。このときも背分力方向
はZ軸方向で高剛性を期待できる。
【0046】
【発明の効果】本発明は上述のように構成されているの
で、以下に記載するような効果を奏する。
【0047】フライカット方式の3次元形状の加工や旋
削加工等の様々な方式の加工を行なうことができるうえ
に、加工点の剛性が高く、加工面に高い面精度を期待で
きる。また、装置の全体構成が簡単かつ堅牢であるか
ら、装置の低価格化と長寿命化に大きく貢献できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施例による工作機械をその一方の側部を破
断した状態で示す一部断面模式立面図である。
【図2】図1の装置をその頂部を破断した状態で示す一
部断面模式平面図である。
【図3】図1の装置を用いて様々な形状を加工する場合
を説明する説明図である。
【図4】一従来例を示す模式立面図である。
【符号の説明】
10 ベースガイド 20 Xガイド 21 Xスライダ 22 Xリニアモータ 30 Yガイド 31 Yスライダ 32 Yリニアモータ 40 水平回転装置 41 C軸 50 Zガイド 51 Zスライダ 52 Zリニアモータ 60 垂直回転装置 61 B軸

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 案内面上を非接触で任意の方向に移動自
    在である水平移動台と、これに支持された第1の回転装
    置と、前記水平移動台を前記案内面に沿って第1の方向
    に移動させる第1の駆動手段と、該第1の駆動手段を前
    記水平移動台とともに前記案内面に沿って第2の方向へ
    移動させる第2の駆動手段と、前記案内面に垂直な第3
    の方向に移動自在である垂直移動台と、これに支持され
    た第2の回転装置と、前記垂直移動台を前記第3の方向
    に移動させる第3の駆動手段を有する工作機械。
  2. 【請求項2】 第1および第2の回転装置のそれぞれ
    が、工具と被加工物を交互に取り付け自在な回転軸部を
    有することを特徴とする請求項1記載の工作機械。
  3. 【請求項3】 第3の駆動手段が、案内面に沿って分布
    する少なくとも3つの駆動部を有し、これらによって形
    成される多角形の内側に第2の回転装置の回転軸部が配
    設されていることを特徴とする請求項1または2記載の
    工作機械。
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