JP4638980B2 - スライダを背中合わせに備えた複列の加工機 - Google Patents

スライダを背中合わせに備えた複列の加工機 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は,リード加工機等の高加速度,高速加工機において発生する反力及び騒音を低減するため,互いに反対方向に高速高加速度で摺動移動可能なスライダを背中合わせに備えた複列の加工機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来,光学デバイスや情報機器デバイス等には,種々の種類の光学レンズが組み込まれている。光学レンズは一般に軸対称非球面をしており,ガラスの表面を成形又は加工し,仕上げとして研磨装置で研磨して製作される。また,非軸対称非球面を研磨して製作する方法として,特開平8−192348号公報に記載された研削研磨方法がある。
【0003】
また,慣性力を小さくして高速往復運動を可能にしたNC加工機として,特開平11−309602号公報に開示されたNC加工機が知られている。該公報に開示されたNC加工機は,図4及び図5に示すように,主軸Cの長手方向であるZ軸方向に移動可能なZ軸テーブル3と,Z軸方向に直交するX軸方向に移動可能なX軸テーブル4とが加工機ベース2に載置されている。Z軸テーブル3には,主軸台5が載置されている。Z軸テーブル3は,ベース2に取り付けられたサーボモータ6によって駆動され,Z軸方向に往復運動することができる。また,主軸台5には,主軸Cを回転させるスピンドルモータ7が組み込まれている。主軸Cの先端にはチャック8が設けられており,チャック8には工作物9が保持されている。また,X軸テーブル4は,工作物9と対向する位置に設置され,サーボモータ10によって駆動され,X軸方向に移動可能である。また,X軸テーブル4にはターナ11が載置されている。ターナ11は,Z軸方向に往復運動し得るスライダ12と,スライダ12を駆動する駆動装置とから構成されている。スライダ12は,先端部にバイトホルダ36を有しており,バイトホルダ36にはバイト15が取り付けられる。
【0004】
また,駆動装置はX軸テーブル4に取り付けられたスライドベース13上に載置されたサーボモータ14と,スライダ12をZ軸方向に移動可能に支持する軸受を備えている。スライダ12は,サーボモータ14の駆動軸と一体構造の回転軸に形成した雄ねじに螺合するナット部材に固定されており,回転軸の回転運動に応じて往復運動できる。NC加工機で工作物9を切削加工する際には,主軸台5を載置したZ軸テーブル3は動かないように固定される。スライダ12の先端に取り付けられたバイト15は,スライダ12の往復運動に伴ってZ軸方向に往復運動すると共に,X軸テーブル4と一緒にX軸方向にも往復運動する。NC加工機は,スライダ12の重量やターナ11を載置したX軸テーブル4の重量がそれぞれかなり小さいので,慣性力も小さくなり,高速往復運動が可能となる。
【0005】
また,特開平1−310838号公報に開示された送り制御装置は,工作機械,レーザ加工機,計測装置等の送り制御装置として使用され,送りねじに加わる移動体の慣性反力を零にし,弾性変形を小さくし見掛け上の剛性値を無限大とし,制御系の安定性を大きくし,ゲインを大きくして応答性を改善し,高応答作動時の位置決め精度を高めるものである。
【0006】
また,特開平4−333110号公報に開示されたステージ用振動抑制システムは,ステージを加減速する際,ステージが定盤に与える反力と大きさが同じで逆向きの力を,外部力発生器により定盤に与え,力を常に打ち消しあい,定盤の振動を抑制するものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで,通常のNC加工機では,テーブルの慣性力が大きいためにテーブルが高速で追従できないという理由から,加工物の回転速度も低くなり,バイトで切削して非軸対称非球面を製作することは困難であると考えられてきた。しかしながら,研磨による方法は加工に長時間を要するという問題があることから,非軸対称非球面を短時間で製作することが求められていた。また,従来のNC加工機は,ボールねじによるモータ回転をエンコーダによって検出した位置データをフィードバックし,セミクロス制御をしていたが,高精度の制御や高速精度加工が期待できなかった。
【0008】
ところで,図4及び図5に示すようなNC加工機では,工作物に対する切削速度をアップするため,工作物を回転させる主軸の回転をアップし,それに伴ってバイトを取り付けたスライダの往復移動速度をアップさせる必要がある。しかしながら,スライダを高速高加速度で往復移動させると,反力,騒音或いは振動が大きくなり,スライダを支持するベース等の質量を大きくする必要がある。そこで,工作物を装着した主軸に対して往復移動するスライダの荷重,及び反力,騒音或いは振動を低減して,スライダを高速高加速度で往復移動させることができる加工機に望まれている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この発明の目的は,上記課題を解決することであり,NC加工機における往復移動をするスライダの荷重を小さくするため,リニアモータを利用してスライダの往復移動を主軸の高速回転に同期させて高速高加速度に往復移動させると共に,工作物に対するリード加工,非球面加工,非円筒加工等を精度よく加工することを可能にし,外部データに追従できる加工を達成し,工作物の加工を精度よく短時間で加工し,スライダの往復移動で発生する反力,騒音,振動等を低減するため,一対のスライダの往復移動を互いに反対方向へ移動させてスライダを高速高加速度に往復移動させ,切削効率を向上させる高加速度スライダを背中合わせに備えた複列の加工機を提供することである。
【0010】
この発明は,モータで回転駆動される工作物を取り付けた主軸を互いに対向させて配置された一対の主軸台,各々の前記主軸台をそれぞれ載置し且つ前記主軸の長手方向であるZ軸方向に移動可能な一対のZ軸テーブル,前記Z軸テーブルをそれぞれ載置する前記Z軸方向に直交するX軸方向に移動可能な工作物用X軸テーブル,一対の前記主軸間に配置された前記Z軸方向に直交するX軸方向に延びる刃物台テーブル上に配置されたターナベース,前記ターナベース上に取り付けられたスライドブロックに設置された前記Z軸方向と同一方向のY軸方向に延びるリニアガイドを構成する軌道レール,前記軌道レール上で前記Y軸方向に互いに反対方向に向かって往復移動する一対のスライダ,前記スライダに取り付けられた工作物を切削加工するバイト,及び前記スライダをそれぞれ往復運動させ且つ前記スライダの往復移動で発生する加速度による反力を打ち消すため前記スライダを互いに反対方向に前記スライドブロックに設置された前記軌道レール上を往復移動させる駆動装置,から成るスライダを背中合わせに備えた複列の加工機に関する。
【0011】
この複列の加工機は,前記刃物台テーブルを前記Z軸方向に直交するX軸方向に移動可能なX軸テーブルに構成したものである。また,前記刃物台テーブルに設置された前記工作物を切削加工する各種のバイトを取り付ける刃物台を備えている。
【0012】
この複列の加工機は,上記のように構成されているので,スライドブロックに組み込まれた一対のスライダが相反する方向に同期して往復移動するので,スライダの往復移動で発生する反力が互いに打ち消し合ってスライドブロックの重量を大きくする必要がなく,また,スライダの往復移動に対して高速高加速用の軸を追加する必要がなく,コストパフォーマンスを低下することができる。また,この複列の加工機について,具体的な構造では,一対の主軸をビルトインにそれぞれ構成して対向した状態に配列することで,スライダを同期させて反対方向の運動パターンで往復移動させることによって,スライダの加減速時に反力を打ち消しあうので,機械装置を大型化することなく,コンパクトに構成でき,生産性を向上させ,しかも,工作物に対する加工が同一加工であるので,コントローラへの入力プログラムは1台の加工機と同様で良く,他方のミラー側の加工機では自動プログラミングができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下,図面を参照して,この発明による複列の加工機の実施例を説明する。まず,図1及び図2を参照して,この発明による複列の加工機の一実施例として基本的な概念を説明する。この複列の加工機は,工作物を取り付ける主軸側が図示で省略されており.工作物を切削加工するバイト27,28を取り付けたスライダ18,19が示されている。スライダ18,19は,例えば,コントローラによって,主軸の回転運動に同期させて往復移動させられると共に,外部データ入力等に追従して制御されて高速高加速度で往復移動可能であり,バイト27,28で工作物を高速高加速度で切削加工できるものである。
【0014】
この複列の加工機は,スライダ18,19をスライドブロックを構成するベース16上に背中合わせに備え,互いに反対方向に往復移動させる駆動装置を備えたものである。この複列の加工機は,ベース16上に設置された直線的に延びるリニアガイドを構成する軌道レール17,軌道レール17上をそれぞれ往復移動する一対のスライダ18,19,スライダ18,19に設けられ且つ工作物を切削加工するバイト27,28,及びスライダ18,19をそれぞれ往復運動させ且つスライダ18,19の往復移動で発生する加速度による反力を打ち消すようにスライダ18,19を互いに反対方向に軌道レール17上を往復移動させる駆動装置から構成されている。即ち,スライダ18とスライダ19とが軌道レール17上を互いに離れる方向A1に同時に移動したり,また,スライダ18とスライダ19とが軌道レール17上を互いに接近する方向B1に同時に移動したりする。それによって,スライダ18,19にそれぞれ発生する反力が打ち消し合うことになるので,スライダ18,19の摺動移動に対してそれらに発生する反力を支持するために軌道レール17側の静止物体の重量をアップして強度や剛性を高める必要がなくなる。しかも,スライダ18,19に発生する反力を低減できるので,スライダ18,19に発生する反力が原因で騒音や振動の発生も抑制される。
【0015】
バイト27,28は,スライダ18,19に直接又はスライダ18,19に固定された刃物台25,26にそれぞれ取り付けられている。また,駆動装置は,軌道レール17に沿って平行に延びるリニアモータ磁石板20,スライダ18,19の移動範囲でリニアモータ磁石板20に沿って設けられたリニアスケール23,24及びリニアモータ磁石板20に対向してスライダ18,19に設けられたリニアモータコイル21,22から構成されている。
【0016】
この複列の加工機には,スライダ18,19に設けられた駆動装置のリニアモータコイル21,22に接続される動力線,信号線等の配線,リニアモータコイル21,22を冷却するための冷却配管及びスライダ18,19を潤滑するための潤滑配管は,スライダ18,19の移動に伴って屈曲可能なガイドカバー31,32に収容されている。ガイドカバー31,32は,一端がスライダ18,19が連結され,他端がホルダー29,30に支持されている。
【0017】
この複列の加工機は,図示していないが,駆動装置として別のタイプを使用することができる。即ち,駆動装置は,リニアモータ磁石板がスライダ18,19に設けられ,リニアモータコイルが軌道レール17に沿って平行に延びるように設けられ,スライダ18,19の移動範囲でリニアスケールがリニアモータコイルに沿って設けられている。
【0018】
次に,図3を参照して,この発明による複列の加工機をNC加工機に適用した別の実施例を説明する。この複列の加工機は,工作物9A,9Bに対してリード加工,VTR用ドラム加工,プラスチックレンズ加工等の切削加工を行うNC加工機に適用したものであり,バイト19A,19Bを取り付けた高速高加速度に対応できる背中合わせに配置された一対のスライダ18A,18Bをターナベース1A上に背中合わせ即ちタンデム状態に配設し,互いに反対方向に往復移動させる駆動装置を備えている。スライダ18A,18Bは,図1に示すものと同様に,コントローラによって主軸の回転運動に同期させて往復移動させられると共に,外部データ入力等に追従して制御されて高速高加速度で往復移動可能であり,バイト19A,19Bで工作物9A,9Bを高速高加速度で切削加工できるものである。
【0019】
この実施例において,スライダ18A,18Bは,図1及び図2に説明したスライダ18,19と実質的に同様な構成を有しているものであるので,ここでは,重複する説明を省略し,概略的に説明する。この複列の加工機は,バイト19A,19B側には,一対の主軸8A,8B間に配置されたZ軸方向に直交するX軸方向に延びる刃物台テーブル4,刃物台テーブル4上に配置されたターナベース1A,ターナベース1A上に取り付けられたスライドブロック16A,16Bに設置されたZ軸方向と同一方向のY軸方向に延びるリニアガイドを構成する軌道レール17,軌道レール17上でY軸方向(Z軸と同方向)に互いに反対方向に向かって往復移動する一対のスライダ18A,18B,スライダ18A,18Bに取り付けられた工作物9A,9Bを切削加工するバイト19A,19B,及びスライダ18A,18Bをそれぞれ往復運動させ且つ往復移動で発生する加速度による反力を打ち消すためスライダ18A,18Bを互いに反対方向にスライドブロック16A,16Bに設置された軌道レール17上を往復移動させる駆動装置から構成されている。
【0020】
また,この複列の加工機は,刃物台テーブル4には,各種のバイト34を取り付ける刃物台33を備えている。刃物台33には,各種の工作物9A,9Bを切削加工する各種のバイト34が取り付けられている。駆動装置は,ターナベース1A上の軌道レール17に沿ってY軸方向に延びるリニアモータ磁石板20,スライダ18A,18Bの移動範囲でリニアモータ磁石板20に沿って設けられたリニアスケール23,24及びリニアモータ磁石板20に対向してスライダ18A,18Bに設けられたリニアモータコイル21,22から構成されている。
【0021】
この複列の加工機は,主軸8A,8B側には,スピンドルモータ7A,7Bで回転駆動される工作物9A,9Bを取り付けた主軸8A,8Bを互いに対向させて配置された一対のチャックを備えた主軸台5A,5B,各々の主軸台5A,5Bをそれぞれ載置し且つサーボモータ6A,6Bによって主軸8A,8Bの長手方向であるZ軸方向に移動可能な一対のZ軸テーブル3A,3Bを有している。また,この複列の加工機は,場合によっては,Z軸テーブル3A,3Bをそれぞれ載置するZ軸方向に直交するX軸方向に工作物用X軸ベース37A,37B上にサーボモータ38A,38Bで往復移動可能に駆動される工作物用X軸テーブル39A,39Bを設けることができる。また,工作物9A,9Bの主軸8A,8Bへの離脱及び装着を同時に行うことが好ましいので,主軸8A,8BをX軸方向とY軸方向に移動させて刃物台テーブルに設けたローダを用いて同時に行えば,再び工作物に対する加工を同時に行うことができる。
【0022】
この複列の加工機は,図示していないが,種々の設計変更が可能であり,例えば,刃物台テーブル4をZ軸方向に直交するX軸方向に移動可能なX軸テーブルに構成することができる。また,駆動装置は,ターナベース1A上の軌道レール17に沿って平行に延びるリニアモータコイル,スライダ18A,18Bの移動範囲でリニアモータコイルに沿って設けられたリニアスケール,及びリニアモータコイルに対向してスライダ18A,18Bに設けられたリニアモータ磁石板から構成することもできる。
【0023】
この複列の加工機は,具体的には,例えば,本出願人が先に出願した特願2000−322239号のNC加工機で開示したものを使用できる。ここで,この複列の加工機を,上記NC加工機に対応させて概説すると,例えば次のとおりである。ターナベース1Aには,長手方向に延びる凹部をそれぞれ備えた一対のスライドブロック部材から成るスライドブロックが取り付けられている。スライドブロックは,ターナベース1A上にスライドブロック部材の凹部を互いに対向状態に配置し,スライドブロック部材の対向面に他方のスライドブロック部材の対向面を当接させてターナベース1Aに固定されている。
【0024】
スライドブロック部材の長手方向の凹部を対向させてターナベース1Aに固定することによって,スライドブロック部材とスライドブロック部材と間に凹部によってスライダ18A,18Bの収容室が形成される。スライドブロックの収容室には,スライダ18A,18BがZ軸方向に往復移動可能に配設されている。収容室の側方に形成された開口部からスライダ18A,18Bが突出し,その先端部にバイト19A,19Bが交換可能にセットされるように構成されている。バイト19A,19Bは,スライダ18A,18Bに取り付けたバイトホルダにセットするように構成することもできる。
【0025】
この複列の加工機は,スライダ18A,18Bをスライドブロックに対してY軸方向(Z軸方向と同一方向)に互いに相反する反対方向に往復移動させる駆動装置を備えていることに特徴を有している。スライダ18A,18Bを往復移動させる駆動装置は,図3に示すものとはリニアモータコイルとリニアモータ磁石板とが反対に取り付けられており,即ち,スライドブロックに固定されたリニアモータコイルと,スライダ18A,18Bに設けられたリニアモータ磁石板とから構成されている。スライドブロックには,ターナベース1A上に固定されたX軸方向に直交するZ軸方向(又はY軸方向という)に延びるリニアガイドを構成する軌道レール17が複数箇所に固定されている。スライダ18A,18Bには,スライドガイドが固定されており,スライダ18A,18Bは,スライドブロックに設けた軌道レール17に沿ってスライドガイドを往復移動させることによって高速高加速度で往復移動することができる。
【0026】
スライダ18A,18Bの移動範囲において,リニアモータコイルに沿って延びるリニアスケールが設けられている。従って,スライダ18A,18Bのスライドブロックに対する移動量は,リニアスケールの検出器によって直ちに検出され,その移動量の情報はコントローラにフィードバックされ,次のスライダ18A,18Bの移動制御に反映される。この複列の加工機に設けられたコントローラは,予め決められた加工指令値に基づいてスライダ18A,18Bに設けたバイト19A,19Bによって工作物9A,9Bの切削加工を行わせ,その切削加工情報をフィードバックさせ,切削加工情報と加工指令値との差を零に近づける制御をし,工作物9A,9Bに対する次の切削加工に活かす学習機能を備えている。また,コントローラは,予め備えている切削能力を考慮してスライダ18A,18Bに設けたバイト19A,19Bによって工作物9A,9Bの切削加工を行わせる予見機能を備えている。
【0027】
スライドブロックには,リニアモータコイルを冷却するための冷却プレートが設けられている。リニアモータコイルには,リニアモータ磁石板がスライダ18A,18Bの往復移動に伴って磁力を切るが,その時に熱が発生し,高温になる。そこで,冷却プレートは,リニアモータコイルに発生した熱を冷却するため設けられている。更に,スライドブロックには,スライダ18A,18Bのストロークを規制するためのストッパが設けられている。スライダ18A,18Bには,ストッパに当接してスライダ18A,18Bの移動範囲を規制するストッパ当接部材が設けられている。また,スライダ18A,18Bに設けられた駆動装置に接続される動力線,信号線等の配線,及び前記ターナのための冷却,潤滑等の配管は,スライダ18A,18Bの移動に伴って屈曲可能なガイドカバー,被覆部材等に収容することもできる。
【0028】
【発明の効果】
この発明による複列の加工機は,上記のように,スライダが互いに反対方向に往復移動し,工作物がX軸方向に移動設定できる主軸にセットされ,工作物を切削加工するバイトがZ軸方向,即ち,Y軸方向に移動するターナベースに設けられたX軸方向に往復移動するスライダにセットされているので,スライダの往復移動に伴ってそれぞれに発生する反力が互いに打ち消しあい,反力による加工精度に悪影響を及ぼすことがなく,騒音や振動を発生することがなく,装置そのものの寿命を長くし,特に,高精度の加工を達成することができる。また,スライダは,リニアモータコイルとリニアモータ磁石板から成るリニアモータの駆動装置で往復移動されるので,高速高加速度に対応でき,バイトによる工作物の切削加工が高速で,しかも高精度に行うことができる。
【0029】
更に,この複列の加工機は,加工機を複列に設けることによって,設備そのもののコストがアップするが,同一の工作物に対する同一の加工では,工作物に対する加工状態が二倍になって加工効率をアップさせることができる。また,加工する工作物が複数でない特殊な加工の場合には,コントローラによって一方の加工機を作動して他方の加工機を停止させる制御を行えば,スライダの反力の発生を許容すれば,ランニングコストをアップさせることもない。
【0030】
また,スライダは,X軸テーブルに固定されたターナベースに固定されたスライドブロックで往復移動するように構成され,スライダとスライドブロックとの共働でリニアモータが構成されているので,往復移動するスライダを極めて軽量に構成することができ,高速高加速度の往復移動にスライダを対応させて追従性,応答性を向上させ,高精度の切削加工を可能にすることができる。しかも,スライド及びX軸テーブルを高速で往復運動することができるため,主軸の回転速度を上げることができ,短時間で工作物を加工することができる。上記のように,この発明による複列の加工機はスライダをリニアモータで駆動する構成であるので,従来のNC加工機に比較して,高速高加速度の切削加工が可能になり,工作物に対して短時間でしかも高精度の切削加工ができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明による複列の加工機の基本的な概念を説明する概略平面図である。
【図2】 図1の複列の加工機を示す正面図である。
【図3】 この発明による複列の加工機をNC加工機に適用した具体的な構成を説明する概略平面図である。
【図4】 従来のNC加工機を示す概略正面図である。
【図5】 図4のNC加工機の概略平面図である。
【符号の説明】
1A ターナベース
2A 加工機ベース
3A,3B Z軸テーブル
4 刃物台テーブル
5A,5B 主軸台
6A,6B,38A,38B サーボモータ
7A,7B スピンドルモータ
8A,8B 主軸
9A,9B 工作物
18,18A,18B,19 スライダ
19A,19B,27,28,34 バイト
16A,16B スライドブロック
17 軌道レール
25,26,33 刃物台
39A,39B 工作物用X軸テーブル

Claims (3)

  1. モータで回転駆動される工作物を取り付けた主軸を互いに対向させて配置された一対の主軸台,各々の前記主軸台をそれぞれ載置し且つ前記主軸の長手方向であるZ軸方向に移動可能な一対のZ軸テーブル,前記Z軸テーブルをそれぞれ載置する前記Z軸方向に直交するX軸方向に移動可能な工作物用X軸テーブル,一対の前記主軸間に配置された前記Z軸方向に直交するX軸方向に延びる刃物台テーブル上に配置されたターナベース,前記ターナベース上に取り付けられたスライドブロックに設置された前記Z軸方向と同一方向のY軸方向に延びるリニアガイドを構成する軌道レール,前記軌道レール上で前記Y軸方向に互いに反対方向に向かって往復移動する一対のスライダ,前記スライダに取り付けられた工作物を切削加工するバイト,及び前記スライダをそれぞれ往復運動させ且つ前記スライダの往復移動で発生する加速度による反力を打ち消すため前記スライダを互いに反対方向に前記スライドブロックに設置された前記軌道レール上を往復移動させる駆動装置,から成るスライダを背中合わせに備えた複列の加工機。
  2. 前記刃物台テーブルを前記Z軸方向に直交するX軸方向に移動可能なX軸テーブルに構成したことから成る請求項に記載のスライダを背中合わせに備えた複列の加工機。
  3. 前記刃物台テーブルに設置された前記工作物を切削加工する各種のバイトを取り付ける刃物台を備えていることから成る請求項又はに記載のスライダを背中合わせに備えた複列の加工機。
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