JP2007125490A - 嫌気性アンモニア処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 嫌気条件における微生物によるアンモニアの酸化処理方法であって、嫌気性消化液等のアンモニアを含む処理対象液を、酸素を用いないで酸化処理する方法を提供する。
【解決手段】 嫌気条件における微生物反応によるアンモニア処理方法であって、アンモニアを含む処理対象液を、光利用アンモニア酸化微生物を用いて、光を照射しながら微生物酸化処理を進めることを特徴とするアンモニア処理方法。
【選択図】 なし
【解決手段】 嫌気条件における微生物反応によるアンモニア処理方法であって、アンモニアを含む処理対象液を、光利用アンモニア酸化微生物を用いて、光を照射しながら微生物酸化処理を進めることを特徴とするアンモニア処理方法。
【選択図】 なし
Description
本発明は、家庭、スーパーマーケット、コンビニエントストア、外食産業、食品工場、化学工場、発電所などから排出されるアンモニアを含む廃水、食品廃棄物、下水汚泥、廃水処理汚泥、し尿、浄化槽汚泥などを嫌気性消化した消化液等のアンモニアを含む廃液の処理方法及び該方法を実施するための装置に関する。
従来、アンモニアを含む廃水処理方法としては、アンモニア酸化細菌を利用してアンモニアを硝酸に変換し、硝酸を窒素ガスに脱窒する方法が知られている(特許文献1及び特許文献2)。アンモニア酸化細菌によりアンモニアを硝酸に変換するためには、処理槽内に酸素を大量に供給する必要があり、曝気のためのエネルギーが処理の経済性を悪化させ、反応速度も遅いという課題を抱えていた。
これらの問題点を解消するために、第一工程反応槽1において、系外から導入したアンモニア含有廃水を好気状態の下で微生物群と接触させて、液相中に含まれるアンモニア成分を亜硝酸に酸化し、この第一工程反応槽1の処理水を、第二工程反応槽2において、嫌気状態の下で微生物群と接触させて、液相中に含まれるアンモニア成分と亜硝酸成分とを窒素ガスに変換する方法が提案されている(特許文献3及び特許文献4)。
この方法では、アンモニアの半分を亜硝酸にまで変換できれば、アンモニアと亜硝酸から嫌気的に脱窒できるので、アンモニアの酸化に必要な空気の供給が従来法に比べ半分になると言う画期的な方法である。しかし、本法でもアンモニアの半分量は、アンモニア酸化細菌により亜硝酸にまで酸化する必要があり、従来法の半分とはいえ曝気のためのエネルギーが処理の経済性を悪化させるという問題があった。
特開平05-064799号公報
特開平05-317884号公報
特開2001-170684号公報
特開2002-263689号公報
この方法では、アンモニアの半分を亜硝酸にまで変換できれば、アンモニアと亜硝酸から嫌気的に脱窒できるので、アンモニアの酸化に必要な空気の供給が従来法に比べ半分になると言う画期的な方法である。しかし、本法でもアンモニアの半分量は、アンモニア酸化細菌により亜硝酸にまで酸化する必要があり、従来法の半分とはいえ曝気のためのエネルギーが処理の経済性を悪化させるという問題があった。
本発明は、上記従来技術の実情に鑑みなされたものであって、アンモニアを含む廃水の処理方法において、空気や酸素が必要なアンモニア酸化細菌を利用しないで、アンモニアを嫌気的な微生物反応により高効率に除去できる工業的に有利なアンモニア処理方法および装置を提供することを目的とする。
本発明者は、前記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、アンモニアを酸化するに際して、酸素を供給するのに代えて、光と光利用アンモニア酸化微生物とを供給し、アンモニアを酸化させる微生物反応を見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、嫌気条件における微生物反応によるアンモニア処理方法であって、アンモニアを含む処理対象液を、光利用アンモニア酸化微生物を用いて、光を照射しながら微生物酸化処理を進めることを特徴とするアンモニア処理方法である。
また、本発明は、光源が白熱灯及び又は蛍光灯及び又は発光ダイオード及び又は太陽光であることができる。
さらに本発明は、アンモニア処理槽の方式を、担体を用いた微生物固定化法で行うことができる。
また本発明においては、光利用アンモニア酸化微生物として、下水汚泥、畜産廃棄物若しくは生ごみの嫌気性消化汚泥を種菌として用い、光を照射しながらアンモニアを供給することにより増殖させた微生物を用いることが出来る。
さらに本発明においては、アンモニア処理槽において、炭酸イオンまたは炭酸ガスを十分に供給して微生物酸化処理を行うことができる。
また本発明においては、 アンモニアを含む処理対象液表面及び又は液中に光を照射しながら光利用アンモニア酸化微生物による酸化処理を行う工程を含むことができる。
さらに本発明は、アンモニア含有廃水貯留タンク、撹拌装置を配置したアンモニア処理槽、光源、処理液貯留タンクからなるアンモニア処理装置であって、アンモニアを含む処理対象液をアンモニア含有廃水貯留タンクに輸送し、アンモニア含有廃水貯留タンク中のアンモニアを含む処理対象液表面及び又は液中に、直接または光ファイバーにより、光源からの光を照射しながら、撹拌装置により撹拌しながら、光利用アンモニア酸化微生物による酸化処理を行い、一定時間後に処理済液を、処理液貯留タンクに輸送するアンモニア処理装置である。
また、本発明のアンモニア処理装置においては、光源をアンモニア処理槽の外部に装備し、アンモニア処理槽の一部又は全体を光透過性にすることができる。
さらに本発明のアンモニア処理装置においては、光源がアンモニア処理槽の内部に設置することができる。
また本発明のアンモニア処理装置では、微生物反応装置が、微生物を固定化する担体を備えることができる。
即ち、本発明は、嫌気条件における微生物反応によるアンモニア処理方法であって、アンモニアを含む処理対象液を、光利用アンモニア酸化微生物を用いて、光を照射しながら微生物酸化処理を進めることを特徴とするアンモニア処理方法である。
また、本発明は、光源が白熱灯及び又は蛍光灯及び又は発光ダイオード及び又は太陽光であることができる。
さらに本発明は、アンモニア処理槽の方式を、担体を用いた微生物固定化法で行うことができる。
また本発明においては、光利用アンモニア酸化微生物として、下水汚泥、畜産廃棄物若しくは生ごみの嫌気性消化汚泥を種菌として用い、光を照射しながらアンモニアを供給することにより増殖させた微生物を用いることが出来る。
さらに本発明においては、アンモニア処理槽において、炭酸イオンまたは炭酸ガスを十分に供給して微生物酸化処理を行うことができる。
また本発明においては、 アンモニアを含む処理対象液表面及び又は液中に光を照射しながら光利用アンモニア酸化微生物による酸化処理を行う工程を含むことができる。
さらに本発明は、アンモニア含有廃水貯留タンク、撹拌装置を配置したアンモニア処理槽、光源、処理液貯留タンクからなるアンモニア処理装置であって、アンモニアを含む処理対象液をアンモニア含有廃水貯留タンクに輸送し、アンモニア含有廃水貯留タンク中のアンモニアを含む処理対象液表面及び又は液中に、直接または光ファイバーにより、光源からの光を照射しながら、撹拌装置により撹拌しながら、光利用アンモニア酸化微生物による酸化処理を行い、一定時間後に処理済液を、処理液貯留タンクに輸送するアンモニア処理装置である。
また、本発明のアンモニア処理装置においては、光源をアンモニア処理槽の外部に装備し、アンモニア処理槽の一部又は全体を光透過性にすることができる。
さらに本発明のアンモニア処理装置においては、光源がアンモニア処理槽の内部に設置することができる。
また本発明のアンモニア処理装置では、微生物反応装置が、微生物を固定化する担体を備えることができる。
本発明は、アンモニア含有廃水を酸化剤として二酸化炭素と光を利用し、光利用アンモニア酸化微生物の働きにより嫌気的な条件において酸化分解処理し、酸素を必要とするアンモニア酸化細菌を利用しないでアンモニア処理が進むので曝気に必要なエネルギーが必要ない。処理対象液に二酸化炭素が含まれていれば、外部から試薬を追加投入する必要がない。化学的に安全性の高いシステムで、アンモニアの処理を進めることができるなどの利点を有する。
本発明の最大の特徴は、従来のアンモニア処理方法の有する、(1)アンモニアの全て、もしくは半量をアンモニア酸化細菌により硝化する際に、大量のエネルギーが必要であること、(2)アンモニア酸化細菌による硝化反応速度が遅いなどといった問題点を克服するために、アンモニアを光利用アンモニア酸化微生物の働きにより酸化処理することにより、嫌気的に分解処理する点にある。
このようにアンモニアを光利用アンモニア酸化微生物の働きにより酸化処理することにより、大量の曝気動力が必要となるアンモニア酸化細菌を使用する必要がなくなる。
このようにアンモニアを光利用アンモニア酸化微生物の働きにより酸化処理することにより、大量の曝気動力が必要となるアンモニア酸化細菌を使用する必要がなくなる。
アンモニアの酸化の際に、光利用アンモニア酸化微生物の働きにより二酸化炭素が消費される。
本発明の処理対象となるアンモニア含有廃水には、家庭、スーパーマーケット、コンビニエントストア、外食産業、食品工場、化学工場、発電所などから排出されるアンモニアを含む廃水一般が含まれる他、食品廃棄物、下水汚泥、廃水処理汚泥、し尿、浄化槽汚泥などを嫌気性消化した消化液等、アンモニアを含む廃液が包含される。
本明細書で言う光利用アンモニア酸化微生物とは、至適温度10〜70℃、酸素のない条件で成育できる微生物であり、かつ、光を利用することによりアンモニアを酸化して生育する微生物を意味し、このような微生物であれば何でも良い。
使用する光利用アンモニア酸化微生物は、特定されない周知の微生物を用いることが出来、通常の下水処理場における下水汚泥の嫌気性消化汚泥中に存在し、下水汚泥の嫌気性消化汚泥を種菌として用い、光を照射しながらアンモニアを供給することにより増殖させて使用することができる。実施例では、茨城県下水処理場から分譲された下水汚泥を対象とした嫌気性消化汚泥を用いたが、市販されている嫌気性処理プラントと一体で販売されている嫌気性消化汚泥を同様に用いることが出来る。また、嫌気性消化汚泥の入手先としては、下水処理場、畜産廃棄物メタン発酵プラント、生ごみメタン発酵プラント、汚泥再生処理センター等を挙げる事が出来る。
使用する光利用アンモニア酸化微生物は、特定されない周知の微生物を用いることが出来、通常の下水処理場における下水汚泥の嫌気性消化汚泥中に存在し、下水汚泥の嫌気性消化汚泥を種菌として用い、光を照射しながらアンモニアを供給することにより増殖させて使用することができる。実施例では、茨城県下水処理場から分譲された下水汚泥を対象とした嫌気性消化汚泥を用いたが、市販されている嫌気性処理プラントと一体で販売されている嫌気性消化汚泥を同様に用いることが出来る。また、嫌気性消化汚泥の入手先としては、下水処理場、畜産廃棄物メタン発酵プラント、生ごみメタン発酵プラント、汚泥再生処理センター等を挙げる事が出来る。
以下、本発明方法を具体的に説明する。
本発明方法においては、まず、アンモニア含有廃水に、光を照射しながら嫌気性処理することが必要である。
この光照射型嫌気性処理は、光利用アンモニア酸化微生物を保持した密閉微生物反応槽にアンモニア含有廃水を供給し、嫌気性を保ったまま混合すればよい。アンモニアの濃度は、1〜10000mg/l、10〜100℃好ましく20〜70℃で嫌気性処理させる。アンモニア処理液中の炭酸イオンの濃度が低いときは、微生物反応槽に炭酸ガスや炭酸イオンを供給すると、アンモニア酸化反応が効率よく進む。アンモニア処理槽としては、通常の完全混合型、固定床、流動床、膜分離型などの方法を使用することができる。この嫌気性処理工程においては、アンモニア処理槽内には空気及び/又は酸素は供給しない。
本発明方法においては、まず、アンモニア含有廃水に、光を照射しながら嫌気性処理することが必要である。
この光照射型嫌気性処理は、光利用アンモニア酸化微生物を保持した密閉微生物反応槽にアンモニア含有廃水を供給し、嫌気性を保ったまま混合すればよい。アンモニアの濃度は、1〜10000mg/l、10〜100℃好ましく20〜70℃で嫌気性処理させる。アンモニア処理液中の炭酸イオンの濃度が低いときは、微生物反応槽に炭酸ガスや炭酸イオンを供給すると、アンモニア酸化反応が効率よく進む。アンモニア処理槽としては、通常の完全混合型、固定床、流動床、膜分離型などの方法を使用することができる。この嫌気性処理工程においては、アンモニア処理槽内には空気及び/又は酸素は供給しない。
原料の排水中に有機物が含まれている場合は、アンモニア処理槽において光利用アンモニア酸化微生物によりアンモニアが亜硝酸および硝酸にまで変換され、さらに有機物を利用して脱窒菌により窒素ガスへと変換される。
原料廃水中に有機物が含まれていない場合は、光利用アンモニア酸化微生物によるアンモニアの酸化変換反応は亜硝酸および硝酸までとなる。アンモニア処理槽にメタノールなどの有機物を供給すれば、亜硝酸および硝酸が脱窒菌により窒素ガスに変換処理できる。
アンモニアを処理する光利用アンモニア酸化微生物は特定されないが、下水汚泥等の嫌気性消化汚泥中に存在し、光照射条件で且つ嫌気的な条件においてアンモニアを供給することにより集積することができる。アンモニア処理の始めに、嫌気性消化汚泥を種微生物としてアンモニア処理槽内に加え、その後は嫌気的な条件で光を供給すれば、槽内でアンモニアを処理する光利用アンモニア酸化微生物が増殖し、その後は種微生物を接種しなくてもアンモニア処理が効率よく進むようになる。
本発明方法では、従来の生物学的なアンモニア処理法に比べアンモニア酸化細菌を利用しないため、曝気が不要で省エネルギー型の処理になる。
次に、本発明方法を好ましく実施するための処理装置の図面を参照しながら詳述する。
図1は本発明のアンモニア処理装置の説明図である。
図1において、1はアンモニア含有廃水貯留タンク、2はアンモニア処理槽、3は光源、4は担体、5は撹拌装置、6は処理液貯留タンクを各示す。
図1は本発明のアンモニア処理装置の説明図である。
図1において、1はアンモニア含有廃水貯留タンク、2はアンモニア処理槽、3は光源、4は担体、5は撹拌装置、6は処理液貯留タンクを各示す。
図1の装置によって本発明方法を実施するには、アンモニア含有廃水貯留タンク1より配管を通って、嫌気的なアンモニア酸化を生じさせる光利用アンモニア酸化微生物を担体4に固定化したアンモニア処理槽2に、処理対象となるアンモニア含有廃水が供給される。光源3から光が供給される。
本発明において用いる担体としては、不織布、炭素繊維、炭素繊維を配合した不織布等で作られたフェルト類、ポリウレタン等の発泡体が挙げられるが、オープンセル構造の発砲ポリウレタンが好ましく用いられる。
本発明において用いる担体としては、不織布、炭素繊維、炭素繊維を配合した不織布等で作られたフェルト類、ポリウレタン等の発泡体が挙げられるが、オープンセル構造の発砲ポリウレタンが好ましく用いられる。
アンモニア処理槽2において、光利用アンモニア酸化微生物が光を利用してアンモニアを嫌気的に酸化分解処理する。アンモニア処理槽2には、嫌気的酸化分解処理を促進するために、撹拌装置5を具備させる。
嫌気的なアンモニア酸化を生じさせる光利用アンモニア酸化微生物を含有する嫌気性微生物群としては、前記したように、下水処理場の有機性汚泥や家畜排泄物の嫌気性消化槽から排出される嫌気性消化汚泥等を使用すればよい。嫌気性消化汚泥を、アンモニア処理槽2に加え、アンモニアと光を供給すると、担体4に光利用アンモニア酸化微生物が固定化され、アンモニアの処理が進むようになる。
アンモニア処理槽2から、アンモニア濃度が低下したアンモニア処理液が排出され、処理液貯留タンク6に貯留される。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明する。
[実施例1]
500ml容量のガラス製反応槽に、微生物固定化担体としてポリウレタンを具備し、茨城県下水処理場から分譲された下水汚泥を対象とした嫌気性消化汚泥を光利用アンモニア酸化微生物の種菌として用い、種菌とアンモニア64〜65mgN/l、炭酸水素ナトリウム0.42g/l、酵母エキス0.2g/lの混合物を加えた。白熱灯により強度25μmol/s/m2で光を照射し、反応槽中の空気を窒素ガスで置換し、嫌気条件で35℃に保ち数ヶ月間前培養した。
100mlの反応液を引き抜き、アンモニアを含む人工廃水を100ml反応槽に添加し、光照射嫌気性条件で7日間培養した。反応液について、イオンクロマトでアンモニア濃度、硝酸濃度および亜硝酸濃度を測定した。
[実施例1]
500ml容量のガラス製反応槽に、微生物固定化担体としてポリウレタンを具備し、茨城県下水処理場から分譲された下水汚泥を対象とした嫌気性消化汚泥を光利用アンモニア酸化微生物の種菌として用い、種菌とアンモニア64〜65mgN/l、炭酸水素ナトリウム0.42g/l、酵母エキス0.2g/lの混合物を加えた。白熱灯により強度25μmol/s/m2で光を照射し、反応槽中の空気を窒素ガスで置換し、嫌気条件で35℃に保ち数ヶ月間前培養した。
100mlの反応液を引き抜き、アンモニアを含む人工廃水を100ml反応槽に添加し、光照射嫌気性条件で7日間培養した。反応液について、イオンクロマトでアンモニア濃度、硝酸濃度および亜硝酸濃度を測定した。
[実施例1の実験結果]
反応槽の初期のアンモニア濃度は74.6mgN/lであった。明条件で7日後の反応槽中のアンモニア濃度は56.0mgN/lで、亜硝酸と硝酸の生成が認められた。人工廃水中のアンモニアは、固定化担体上で増殖した光利用アンモニア酸化微生物の働きにより、光エネルギーを利用して嫌気的に亜硝酸と硝酸に変換処理されたことがわかる。
反応槽の初期のアンモニア濃度は74.6mgN/lであった。明条件で7日後の反応槽中のアンモニア濃度は56.0mgN/lで、亜硝酸と硝酸の生成が認められた。人工廃水中のアンモニアは、固定化担体上で増殖した光利用アンモニア酸化微生物の働きにより、光エネルギーを利用して嫌気的に亜硝酸と硝酸に変換処理されたことがわかる。
[比較例1及びその実験結果]
実施例1で使用した反応槽をアルミホイルで覆い、光が反応槽内に透過しない条件以外は実施例1と同様な条件で、7日間嫌気的な条件で35℃に保持した。反応槽中の初期のアンモニア濃度は62.2mgN/lであった。7日後の反応槽中のアンモニア濃度は、64.2mgN/lで、亜硝酸濃度と硝酸濃度の上昇は認められなかった。光利用アンモニア酸化微生物は、暗条件では光を利用できないので、人工廃水中のアンモニアは変換されなかったことがわかる。7日後若干アンモニア濃度が高くなっているが、これは人工廃水供給液中の酵母エキスが分解され、アンモニアを生成することによる。
実施例1で使用した反応槽をアルミホイルで覆い、光が反応槽内に透過しない条件以外は実施例1と同様な条件で、7日間嫌気的な条件で35℃に保持した。反応槽中の初期のアンモニア濃度は62.2mgN/lであった。7日後の反応槽中のアンモニア濃度は、64.2mgN/lで、亜硝酸濃度と硝酸濃度の上昇は認められなかった。光利用アンモニア酸化微生物は、暗条件では光を利用できないので、人工廃水中のアンモニアは変換されなかったことがわかる。7日後若干アンモニア濃度が高くなっているが、これは人工廃水供給液中の酵母エキスが分解され、アンモニアを生成することによる。
これらの実験結果から、光利用アンモニア酸化微生物を含む反応槽にアンモニアと光と炭酸イオンを供給すると、嫌気的な微生物反応により、アンモニアが酸化分解処理できることがわかる。
本発明のアンモニア処理方法は、酸素を用いることなく、アンモニア含有廃水を酸化処理することができるので、曝気に必要なエネルギーが少なくてすむばかりか、従来のアンモニア処理装置を、曝気等の動力を使うことなく、そのまま利用することが出来るので産業上利用価値が高い。
1.アンモニア含有廃水貯留タンク
2.アンモニア処理槽
3.光源
4.担体
5.撹拌装置
6.処理液貯留タンク
2.アンモニア処理槽
3.光源
4.担体
5.撹拌装置
6.処理液貯留タンク
Claims (10)
- 嫌気条件における微生物反応によるアンモニア処理方法であって、アンモニアを含む処理対象液を、光利用アンモニア酸化微生物を用いて、光を照射しながら微生物酸化処理を進めることを特徴とするアンモニア処理方法。
- 光源が白熱灯及び又は蛍光灯及び又は発光ダイオード及び又は太陽光であることを特徴とする請求項1に記載のアンモニア処理方法。
- アンモニア処理槽の方式を、担体を用いた微生物固定化法で行うことを特徴とする請求項1に記載のアンモニア処理方法。
- 光利用アンモニア酸化微生物が、嫌気性消化汚泥若しくは嫌気性消化汚泥を種菌として用い、光を照射しながらアンモニアを供給することにより増殖させた微生物である請求項1ないし請求項3のいずれかひとつに記載のアンモニア処理方法。
- アンモニア処理槽において、炭酸イオンまたは炭酸ガスを十分に供給して微生物酸化処理を行うことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかひとつに記載のアンモニア処理方法。
- アンモニアを含む処理対象液表面及び又は液中に光を照射しながら光利用アンモニア酸化微生物による酸化処理を行う工程を含むことを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかひとつに記載のアンモニア処理方法。
- アンモニア含有廃水貯留タンク、撹拌装置を配置したアンモニア処理槽、光源、処理液貯留タンクからなるアンモニア処理装置であって、アンモニアを含む処理対象液をアンモニア含有廃水貯留タンクに輸送し、アンモニア含有廃水貯留タンク中のアンモニアを含む処理対象液表面及び又は液中に、直接または光ファイバーにより、光源からの光を照射しながら、撹拌装置により撹拌しながら、光利用アンモニア酸化微生物による酸化処理を行い、一定時間後に処理済液を、処理液貯留タンクに輸送するアンモニア処理装置。
- 光源をアンモニア処理槽の外部に装備し、アンモニア処理槽の一部又は全体を光透過性にすることを特徴とする請求項7に記載のアンモニア処理装置。
- 光源がアンモニア処理槽の内部にあることを特徴とする請求項7に記載のアンモニア処理装置。
- 微生物反応装置が、微生物を固定化する担体を備えることを特徴とする請求項7に記載のアンモニア処理装置。
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