JP2007124720A - 腕金角度調整工具、及び電柱類に対する腕金の取付け方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】電柱に装備される四角柱状の腕金の外面に着脱自在に係合してこれを支持し得る構成を備えた鉤部と、この鉤部を支持するロッド部を備えているので、電柱、鉄塔等に固定される腕金が災害等によって電柱等から脱落、位置ずれした場合の復旧工事において、腕金及びその搭載物の重量、並びに電線からの張力に起因して、従来多大な労力、時間を必要としていた腕金と電柱との位置合わせ、ボルトによる締結作業を、安全に簡易、迅速化することを可能にして復旧作業を大幅に改善する。
【解決手段】少なくとも一部に把持部3を有したロッド部2と、該ロッド部の少なくとも一端に設けた鉤部10と、を備え、鉤部は電柱30に装備される四角柱状の腕金35の外面に着脱自在に係合してこれを支持し得る構成を備えている。
【選択図】図1
【解決手段】少なくとも一部に把持部3を有したロッド部2と、該ロッド部の少なくとも一端に設けた鉤部10と、を備え、鉤部は電柱30に装備される四角柱状の腕金35の外面に着脱自在に係合してこれを支持し得る構成を備えている。
【選択図】図1
Description
本発明は電柱、鉄塔等に固定される腕金が災害等によって電柱等から脱落した場合の復旧工事において、腕金と電柱との位置合わせに使用することにより修復作業を大幅に簡易、迅速化することができる腕金角度調整工具に関する。
電線、その他の機器類を支持するために電柱、鉄塔等に装備される腕金は、鉄等の金属材料から成る四角柱状の中空体であり、電柱等に貫通形成した取付け穴と腕金に設けた取付け穴に対して長尺のボルトを挿通してからボルト端部にナットを締結することによって電柱等に固定される。
電線、機器類等の荷重を支持する腕金は、台風等による強風や、地震による衝撃等の災害によって電柱から脱落することがある。具体的には腕金を電柱に止めるボルトが折れたり、ナットが脱落することによって、腕金が電柱から落下したり、傾いたり、位置ずれすることがある。腕金が電柱から脱落した状態を放置すると、落下による周辺環境や居住者への悪影響、電線の断線、搭載機器の破損、感電事故等の重大事態をもたらす虞が高くなるため、速やかに復旧工事が実施される。
復旧工事は、応急処置としては電柱の取り付け位置にバンドによって腕金を固定することが行われるが、完全な復旧のための工事には多大な労力を要していた。即ち、本格的な復旧工事では、まず、クレーン車のクレーン先端に支持したカゴに乗った作業員が、カゴに装備されたウィンチのアームにより腕金両端を縛ったロープを引き上げることによって腕金を電柱の取り付け位置に粗位置決めする。次いで、作業者の手作業によって腕金の角度、高さを微調整することによって腕金の取付け穴を電柱側の取付け穴に整合させてからボルトを両穴に挿通し、ボルト端部をナットにて締結することによって完了する。なお、この復旧作業中は、電線に対する通電を遮断した停電状態で実施される。
ところで、腕金は数十kgの重さを有し、更に腕金には電線や機器類が支持されているため、腕金の角度、高さを微調整してからボルトを挿通し、ナットを締結する作業は、多大な時間と労力を要する重労働であった。例えば、腕金両端部にロープを縛ってからウィンチにて電柱の取り付け位置にリフトして粗位置決めを行う作業に約30分を要するとすると、その後工具を用いない手作業によって腕金と電柱の各取付け穴同士の位置合わせ、ボルト挿通、ナット締結を実施し完了するには更に約30分を要するのが一般であった。手作業による位置合わせ等は、総重量が数十kgとなりしかも電線からの張力や搭載機器の重量によってアンバランス状態にある腕金を1人又は2人の作業員の手で保持しながら行う作業であるため、極めて疲労度の高い、危険な作業であった。特に、腕金と電柱との間に指等を挟む事故が絶えなかった。また、腕金と電柱の各取付け穴同士の位置が僅かでもずれていると、ボルトをまっすぐに両穴内に挿入できなくなるため、両者の位置合わせには最も労力を要していた。特に、ウィンチによって腕金を水平な姿勢で垂直にリフトできればよいが、電線からの張力等の外力が常時加わっているため、腕金の軸を中心とした回転方向へ角度がついてしまい、穴同士を整合させる作業は更に困難な作業となっている。
腕金を装柱するための装置についての従来例としては、例えば特許文献1、2があるが、一旦脱落した腕金を復旧させるための構成に付いては開示されてない。また、特許文献3にはケーブルを柱状に引き上げるケーブルヘッド吊り上げ装置が開示されているが、脱落した腕金を引き上げて復旧作業に役立てるための構成は開示されていない。
特開2005−051924公報
特開2005−039903公報
特開平07−255112号公報
電線、機器類等の荷重を支持する腕金は、台風等による強風や、地震による衝撃等の災害によって電柱から脱落することがある。具体的には腕金を電柱に止めるボルトが折れたり、ナットが脱落することによって、腕金が電柱から落下したり、傾いたり、位置ずれすることがある。腕金が電柱から脱落した状態を放置すると、落下による周辺環境や居住者への悪影響、電線の断線、搭載機器の破損、感電事故等の重大事態をもたらす虞が高くなるため、速やかに復旧工事が実施される。
復旧工事は、応急処置としては電柱の取り付け位置にバンドによって腕金を固定することが行われるが、完全な復旧のための工事には多大な労力を要していた。即ち、本格的な復旧工事では、まず、クレーン車のクレーン先端に支持したカゴに乗った作業員が、カゴに装備されたウィンチのアームにより腕金両端を縛ったロープを引き上げることによって腕金を電柱の取り付け位置に粗位置決めする。次いで、作業者の手作業によって腕金の角度、高さを微調整することによって腕金の取付け穴を電柱側の取付け穴に整合させてからボルトを両穴に挿通し、ボルト端部をナットにて締結することによって完了する。なお、この復旧作業中は、電線に対する通電を遮断した停電状態で実施される。
ところで、腕金は数十kgの重さを有し、更に腕金には電線や機器類が支持されているため、腕金の角度、高さを微調整してからボルトを挿通し、ナットを締結する作業は、多大な時間と労力を要する重労働であった。例えば、腕金両端部にロープを縛ってからウィンチにて電柱の取り付け位置にリフトして粗位置決めを行う作業に約30分を要するとすると、その後工具を用いない手作業によって腕金と電柱の各取付け穴同士の位置合わせ、ボルト挿通、ナット締結を実施し完了するには更に約30分を要するのが一般であった。手作業による位置合わせ等は、総重量が数十kgとなりしかも電線からの張力や搭載機器の重量によってアンバランス状態にある腕金を1人又は2人の作業員の手で保持しながら行う作業であるため、極めて疲労度の高い、危険な作業であった。特に、腕金と電柱との間に指等を挟む事故が絶えなかった。また、腕金と電柱の各取付け穴同士の位置が僅かでもずれていると、ボルトをまっすぐに両穴内に挿入できなくなるため、両者の位置合わせには最も労力を要していた。特に、ウィンチによって腕金を水平な姿勢で垂直にリフトできればよいが、電線からの張力等の外力が常時加わっているため、腕金の軸を中心とした回転方向へ角度がついてしまい、穴同士を整合させる作業は更に困難な作業となっている。
腕金を装柱するための装置についての従来例としては、例えば特許文献1、2があるが、一旦脱落した腕金を復旧させるための構成に付いては開示されてない。また、特許文献3にはケーブルを柱状に引き上げるケーブルヘッド吊り上げ装置が開示されているが、脱落した腕金を引き上げて復旧作業に役立てるための構成は開示されていない。
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、電柱、鉄塔等に固定される腕金が災害等によって電柱等から脱落した場合の復旧工事において、腕金及びその搭載物の重量、並びに電線からの張力に起因して、従来多大な労力、時間を必要としていた腕金と電柱との位置合わせ、ボルトによる締結作業を、安全に簡易、迅速化することを可能にして復旧作業を大幅に改善した腕金角度調整工具、及び電柱類に対する腕金の取付け方法を提供することを目的としている。
上記課題を解決するため、請求項1の発明に係る腕金角度調整工具は、少なくとも一部に把持部を有したロッド部と、該ロッド部の少なくとも一端に設けた鉤部と、を備え、前記鉤部は電柱に装備される四角柱状の腕金の外面に着脱自在に係合してこれを支持し得る構成を備えていることを特徴とする。
電柱類にボルト等の固定手段を用いて固定される腕金が災害等によって電柱類から脱落した場合には、速やかな復旧作業が必要とされる。腕金は重量物であるため、ウィンチ等の機械を用いて腕金を電柱類の取付け位置に粗位置決めし、その後手作業によって各取付け穴を高精度に連通させてからボルトを各取付け穴に挿入して締結する作業を行う必要がある。本発明は、この手作業による高精度位置決めを補助する腕金角度調整工具を提案するものである。腕金角度調整工具は、作業者が把持して操作可能なロッド部と、ロッド部の適所に設けられて腕金に係止される鉤部と、を備えていれば足りる。
なお、本発明の工具を用いた工事は、災害復旧のためだけでなく、柱状における腕金の交換、新設作業においても適用できることは勿論である。
請求項2の発明は、請求項1において、前記鉤部を前記ロッド部の両端部に夫々設け、各鉤部の形状、サイズを異ならせたことを特徴とする。
ロッド部の一端のみならず、他端部にも鉤部を設け、両鉤部の形状、サイズ等を異ならせることにより、現場の状況に応じた使い分けが可能となる。
請求項3の発明は、請求項1、又は2において、前記鉤部は、複数個の鉤片から成るコ字状をなしていることを特徴とする。
鉤部の形状として最も単純なのは、コ字状である。腕金は四角柱状をなしているため、その外面に対して着脱自在に係合できる最適の形態は、例えばコ字状である。
請求項4の発明は、請求項3において、前記コ字状の鉤部は、その開放部が前記ロッド部と対向する側に位置していることを特徴とする。
ロッド部にコ字状の鉤部を取り付ける場合、コ字状の鉤部の開放部をどちらの方向に向けるかによって、現場の状況、とくに腕金と作業者との位置関係、障害物との位置関係による使い易さが異なってくる。この発明では開放部がロッド部と平行となる箇所に設けた。
電柱類にボルト等の固定手段を用いて固定される腕金が災害等によって電柱類から脱落した場合には、速やかな復旧作業が必要とされる。腕金は重量物であるため、ウィンチ等の機械を用いて腕金を電柱類の取付け位置に粗位置決めし、その後手作業によって各取付け穴を高精度に連通させてからボルトを各取付け穴に挿入して締結する作業を行う必要がある。本発明は、この手作業による高精度位置決めを補助する腕金角度調整工具を提案するものである。腕金角度調整工具は、作業者が把持して操作可能なロッド部と、ロッド部の適所に設けられて腕金に係止される鉤部と、を備えていれば足りる。
なお、本発明の工具を用いた工事は、災害復旧のためだけでなく、柱状における腕金の交換、新設作業においても適用できることは勿論である。
請求項2の発明は、請求項1において、前記鉤部を前記ロッド部の両端部に夫々設け、各鉤部の形状、サイズを異ならせたことを特徴とする。
ロッド部の一端のみならず、他端部にも鉤部を設け、両鉤部の形状、サイズ等を異ならせることにより、現場の状況に応じた使い分けが可能となる。
請求項3の発明は、請求項1、又は2において、前記鉤部は、複数個の鉤片から成るコ字状をなしていることを特徴とする。
鉤部の形状として最も単純なのは、コ字状である。腕金は四角柱状をなしているため、その外面に対して着脱自在に係合できる最適の形態は、例えばコ字状である。
請求項4の発明は、請求項3において、前記コ字状の鉤部は、その開放部が前記ロッド部と対向する側に位置していることを特徴とする。
ロッド部にコ字状の鉤部を取り付ける場合、コ字状の鉤部の開放部をどちらの方向に向けるかによって、現場の状況、とくに腕金と作業者との位置関係、障害物との位置関係による使い易さが異なってくる。この発明では開放部がロッド部と平行となる箇所に設けた。
請求項5の発明は、請求項3において、前記コ字状の鉤部は、その開放部が前記ロッド部と直交する側に位置していることを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項3乃至5の何れか一項において、前記コ字状の鉤部は、その開放部の開放幅を調整可能に構成されていることを特徴とする。
一つの鉤部の開放幅が固定されている場合には、適用可能な腕金の範囲が限られる。そこで、開放幅を変更することにより、サイズの異なった腕金に対しても一つの工具で対応できるようになる。
請求項7の発明は、請求項6において、前記コ字状の鉤部を構成する3つの鉤片の少なくとも一つの前記ロッド部に対する固定位置を調整可能に構成することにより前記開放部の開放幅を調整可能に構成したことを特徴とする。
請求項8の発明は、請求項1乃至7の何れか一項において、前記ロッド部に対して前記鉤部を着脱交換自在に構成したことを特徴とする。
現場の状況に応じて使用する鉤部のサイズ等を異ならせる必要がある場合に、工具全体を交換する代わりに、ロッド部を共通使用しつつ鉤部だけをサイズ、形状の異なったものに変更するようにすれば、更に便利である。
請求項9の発明は、請求項8において、前記鉤部は、その異なった位置に前記ロッド部との連結部を複数箇所備えていることを特徴とする。
請求項10の発明は、請求項9において、前記ロッド部と前記鉤部との前記連結部は、ネジによる締結構造を備えていることを特徴とする。
請求項11の発明は、請求項1乃至10の何れか一項において、前記コ字状の鉤部を構成する複数の鉤片のうちの少なくとも一つの鉤片の内面に対して着脱自在に固定される開放幅調整用のアダプタを備えたことを特徴とする。
現場の状況に応じて工具自体、或いは鉤部を変更する代わりに、既存の工具の鉤部の内側面にスペーサとしてのアダプタを着脱自在に装着することにより、一つの工具によって多用な腕金に対応することができる。
請求項12の発明に係る電柱類に対する腕金の取付け方法は、請求項1乃至11の何れか一項に記載の腕金角度調整工具を用いて四角柱状の腕金を電柱にボルト固定する方法であって、吊り上げ手段により前記腕金を保持しつつ該腕金の取付け穴を、電柱類に設けた取付け穴に粗位置決めする工程と、前記腕金角度調整工具の鉤部に前記腕金外面を嵌合させて保持した状態で、前記ロッド部に任意方向への力を加えることによって、前記腕金の取付け穴を前記電柱類の取付け穴に整合させる工程と、互いに整合し合った前記腕金の取付け穴と前記電柱類の取付け穴に対してボルトを挿通し、ボルト端部にナットを締結する工程と、を備えたことを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項3乃至5の何れか一項において、前記コ字状の鉤部は、その開放部の開放幅を調整可能に構成されていることを特徴とする。
一つの鉤部の開放幅が固定されている場合には、適用可能な腕金の範囲が限られる。そこで、開放幅を変更することにより、サイズの異なった腕金に対しても一つの工具で対応できるようになる。
請求項7の発明は、請求項6において、前記コ字状の鉤部を構成する3つの鉤片の少なくとも一つの前記ロッド部に対する固定位置を調整可能に構成することにより前記開放部の開放幅を調整可能に構成したことを特徴とする。
請求項8の発明は、請求項1乃至7の何れか一項において、前記ロッド部に対して前記鉤部を着脱交換自在に構成したことを特徴とする。
現場の状況に応じて使用する鉤部のサイズ等を異ならせる必要がある場合に、工具全体を交換する代わりに、ロッド部を共通使用しつつ鉤部だけをサイズ、形状の異なったものに変更するようにすれば、更に便利である。
請求項9の発明は、請求項8において、前記鉤部は、その異なった位置に前記ロッド部との連結部を複数箇所備えていることを特徴とする。
請求項10の発明は、請求項9において、前記ロッド部と前記鉤部との前記連結部は、ネジによる締結構造を備えていることを特徴とする。
請求項11の発明は、請求項1乃至10の何れか一項において、前記コ字状の鉤部を構成する複数の鉤片のうちの少なくとも一つの鉤片の内面に対して着脱自在に固定される開放幅調整用のアダプタを備えたことを特徴とする。
現場の状況に応じて工具自体、或いは鉤部を変更する代わりに、既存の工具の鉤部の内側面にスペーサとしてのアダプタを着脱自在に装着することにより、一つの工具によって多用な腕金に対応することができる。
請求項12の発明に係る電柱類に対する腕金の取付け方法は、請求項1乃至11の何れか一項に記載の腕金角度調整工具を用いて四角柱状の腕金を電柱にボルト固定する方法であって、吊り上げ手段により前記腕金を保持しつつ該腕金の取付け穴を、電柱類に設けた取付け穴に粗位置決めする工程と、前記腕金角度調整工具の鉤部に前記腕金外面を嵌合させて保持した状態で、前記ロッド部に任意方向への力を加えることによって、前記腕金の取付け穴を前記電柱類の取付け穴に整合させる工程と、互いに整合し合った前記腕金の取付け穴と前記電柱類の取付け穴に対してボルトを挿通し、ボルト端部にナットを締結する工程と、を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、電柱に装備される四角柱状の腕金の外面に着脱自在に係合してこれを支持し得る構成を備えた鉤部と、この鉤部を支持するロッド部を備えているので、電柱、鉄塔等に固定される腕金が災害等によって電柱等から脱落、位置ずれした場合の復旧工事において、腕金及びその搭載物の重量、並びに電線からの張力に起因して、従来多大な労力、時間を必要としていた腕金と電柱との位置合わせ、ボルトによる締結作業を、安全に簡易、迅速化することを可能にして復旧作業を大幅に改善することができる。
以下、本発明を図面に示した実施の形態により詳細に説明する。
図1(a)は本発明の一実施形態に係る腕金角度調整工具の外観斜視図、(b)(c)(d)及び(e)は鉤片の断面図であり、図2(a)(b)及びは使用状態の説明図である。
この腕金角度調整工具(以下、調整工具、という)1は、少なくとも一部に作業者の掌によって把持可能な部分(把持部)3を有したロッド部2と、ロッド部2の少なくとも一端に設けた鉤部10と、を備えている。鉤部10は、電柱30に装備される四角柱状の腕金35の外面に着脱自在に係合してこれを支持し得る構成を備えている。
ロッド部2は、その断面形状が円形、矩形、楕円形、その他任意の形状を有した棒状体であり、金属、或いは木材等の一定状の剛性を有した材料にて構成する。この例では、ロッド部の基端部に滑り止め等を施した把持部3(グリップ)を設けて操作性の向上を図っている。また、ロッド部2は任意の方法によりその長さを調整可能に構成してもよい。
また、ロッド部2は直線状である必要はなく、図3(a)(b)(c)に示すようなく字状、L字状、その他、任意の屈曲形状、或いは、湾曲形状であってもよい。
また、ロッド部2は一本の棒状体である必要はなく、十分な強度を有した複数の棒状体、線材を用いて構成しても良いし、その形態は問わない。
図3(a)はロッド部2の中間部適所をく字に屈曲させることにより、作業環境に対応できるように構成している。
図3(b)は、ロッド部2の中間部適所を直角に屈曲させることにより、作業環境に対応できるように構成している。
図3(c)は、ロッド部下端に位置する把持部3だけを任意の角度に屈曲させた例を示している。
或いは、図3(a)(b)(c)に示したロッド部の各屈曲部4に図示しない屈曲用の継ぎ手を設けて屈曲部の角度を任意の角度に調整、固定できるように構成しても良い。
鉤部10は、金属にて構成したロッド部2と同一材料にて一体的に構成してもよいし、木材にて構成したロッド部2の先端部に金属材料から成る鉤部10を固定するようにしてもよい。
図1(a)は本発明の一実施形態に係る腕金角度調整工具の外観斜視図、(b)(c)(d)及び(e)は鉤片の断面図であり、図2(a)(b)及びは使用状態の説明図である。
この腕金角度調整工具(以下、調整工具、という)1は、少なくとも一部に作業者の掌によって把持可能な部分(把持部)3を有したロッド部2と、ロッド部2の少なくとも一端に設けた鉤部10と、を備えている。鉤部10は、電柱30に装備される四角柱状の腕金35の外面に着脱自在に係合してこれを支持し得る構成を備えている。
ロッド部2は、その断面形状が円形、矩形、楕円形、その他任意の形状を有した棒状体であり、金属、或いは木材等の一定状の剛性を有した材料にて構成する。この例では、ロッド部の基端部に滑り止め等を施した把持部3(グリップ)を設けて操作性の向上を図っている。また、ロッド部2は任意の方法によりその長さを調整可能に構成してもよい。
また、ロッド部2は直線状である必要はなく、図3(a)(b)(c)に示すようなく字状、L字状、その他、任意の屈曲形状、或いは、湾曲形状であってもよい。
また、ロッド部2は一本の棒状体である必要はなく、十分な強度を有した複数の棒状体、線材を用いて構成しても良いし、その形態は問わない。
図3(a)はロッド部2の中間部適所をく字に屈曲させることにより、作業環境に対応できるように構成している。
図3(b)は、ロッド部2の中間部適所を直角に屈曲させることにより、作業環境に対応できるように構成している。
図3(c)は、ロッド部下端に位置する把持部3だけを任意の角度に屈曲させた例を示している。
或いは、図3(a)(b)(c)に示したロッド部の各屈曲部4に図示しない屈曲用の継ぎ手を設けて屈曲部の角度を任意の角度に調整、固定できるように構成しても良い。
鉤部10は、金属にて構成したロッド部2と同一材料にて一体的に構成してもよいし、木材にて構成したロッド部2の先端部に金属材料から成る鉤部10を固定するようにしてもよい。
本実施形態に係る鉤部10は、3つの鉤片11、12、13から成るコ字状をなしている。ロッド部2の先端部に相当する鉤片11は、ロッド部2の一部であっても良い。
個々の鉤片11、12、13はステンレス、その他十分な剛性、強度を有した金属板からなっており、個々の鉤片の幅寸法、及び長さは、腕金35の外周面に係合した際に密着してこれを安定して支持し得るばかりでなく、作業者による腕金に対する着脱操作、腕金の角度調整操作に支障が生じないように適切に設定する。通常は、幅5cm前後の帯状の金属板、金属部材を使用すれば十分である。また、各鉤片の幅、長さ、形状を異ならせることによって、最も使い勝手の良い鉤部10を構築するのが好ましい。
鉤部10の内面に必要に応じて滑り止めのために摩擦抵抗の大きい材質、例えば硬質樹脂を添設するようにしてもよい。雨天時の作業においては、金属同士は滑ることがあるので、滑り止めと密着性確保のために滑り止め用のシート部材等を少なくとも何れかの鉤片の内面に添設する。
鉤片、例えば鉤片12、13の断面形状は図1(b)に示すように矩形であっても良いし、(c)に示すように内側面Iが平坦面で外側面Oが円弧状となるように構成してもよいし、更に(d)のように三角形状、(e)のように台形状であってもよい。鉤片11については、ロッド部2とほぼ同じ断面形状である場合が多いが、鉤片11の少なくとも内側面は平坦面とすることにより腕金外面に密着し易く構成する。
各鉤片11、12、13の長さ、組付け位置関係は、保持対象物である腕金35の外面形状に対応して予め適正に設定するが、各鉤片により形成される開放部14の位置、方法は、図1に示したものに限定されない。即ち、図1の鉤部10の開放部14はロッド部2の先端部(鉤片11)と直交する面に位置しているが、図4において後述するように他の方向に開放部14が位置するように構成してもよい。
個々の鉤片11、12、13はステンレス、その他十分な剛性、強度を有した金属板からなっており、個々の鉤片の幅寸法、及び長さは、腕金35の外周面に係合した際に密着してこれを安定して支持し得るばかりでなく、作業者による腕金に対する着脱操作、腕金の角度調整操作に支障が生じないように適切に設定する。通常は、幅5cm前後の帯状の金属板、金属部材を使用すれば十分である。また、各鉤片の幅、長さ、形状を異ならせることによって、最も使い勝手の良い鉤部10を構築するのが好ましい。
鉤部10の内面に必要に応じて滑り止めのために摩擦抵抗の大きい材質、例えば硬質樹脂を添設するようにしてもよい。雨天時の作業においては、金属同士は滑ることがあるので、滑り止めと密着性確保のために滑り止め用のシート部材等を少なくとも何れかの鉤片の内面に添設する。
鉤片、例えば鉤片12、13の断面形状は図1(b)に示すように矩形であっても良いし、(c)に示すように内側面Iが平坦面で外側面Oが円弧状となるように構成してもよいし、更に(d)のように三角形状、(e)のように台形状であってもよい。鉤片11については、ロッド部2とほぼ同じ断面形状である場合が多いが、鉤片11の少なくとも内側面は平坦面とすることにより腕金外面に密着し易く構成する。
各鉤片11、12、13の長さ、組付け位置関係は、保持対象物である腕金35の外面形状に対応して予め適正に設定するが、各鉤片により形成される開放部14の位置、方法は、図1に示したものに限定されない。即ち、図1の鉤部10の開放部14はロッド部2の先端部(鉤片11)と直交する面に位置しているが、図4において後述するように他の方向に開放部14が位置するように構成してもよい。
次に、図2に基づいて本発明の調整工具1の操作方法を説明する。まず、図2(a)(b)は腕金両端を縛ったロープ41をウィンチ(吊り下げ手段)40によって保持して電柱30に対して腕金35を粗位置決めした状態を示している。この状態では電柱30に設けた取付け穴31は、腕金35に設けた取付け穴36とは正確に整合していない。クレーン車のクレーン部先端に設けたカゴ42に組み付けたウィンチ40を用いた腕金の位置決め作業では、この程度の粗位置決めが限界である。
次に、図2(b)に示すようにカゴ42に乗った作業者43が調整工具1のロッド部2を保持して鉤部10を腕金35に接近させてから、(c)に示すようにコ字状の開放部14側から腕金35を内部に嵌合させる。
次いで、テコの原理を利用して調整工具1を矢印方向へ所要角度回動させることによって電柱30の取付け穴31と腕金35の取付け穴36とを整合状態に移行させてその状態を保持してから、取付け穴31、36に対してボルト45を挿通し、反対側へ突出したボルト端部をナット46によって締め付け固定する。
ウィンチを用いた粗位置決めの後に、調整工具1を用いた高精度な位置決めを行ってからボルトにより締結する作業は、1分前後の短時間で完了する。従来の手作業による位置決めとボルト締め作業に30分を要していたことと比較して本発明の調整工具1を用いた場合には大幅な作業時間の短縮による復旧作業の迅速化を図れるばかりでなく、作業者の疲労が大幅に低減されるため、事故防止を図ることができる。
次に、図2(b)に示すようにカゴ42に乗った作業者43が調整工具1のロッド部2を保持して鉤部10を腕金35に接近させてから、(c)に示すようにコ字状の開放部14側から腕金35を内部に嵌合させる。
次いで、テコの原理を利用して調整工具1を矢印方向へ所要角度回動させることによって電柱30の取付け穴31と腕金35の取付け穴36とを整合状態に移行させてその状態を保持してから、取付け穴31、36に対してボルト45を挿通し、反対側へ突出したボルト端部をナット46によって締め付け固定する。
ウィンチを用いた粗位置決めの後に、調整工具1を用いた高精度な位置決めを行ってからボルトにより締結する作業は、1分前後の短時間で完了する。従来の手作業による位置決めとボルト締め作業に30分を要していたことと比較して本発明の調整工具1を用いた場合には大幅な作業時間の短縮による復旧作業の迅速化を図れるばかりでなく、作業者の疲労が大幅に低減されるため、事故防止を図ることができる。
次に、図4(a)乃至(d)は鉤部の他の構成例を示す図である。
図4(a)のコ字状の鉤部10は、その開放部14がロッド部2の先端(鉤片11)と対向する面にある。
図4(b)のコ字状の鉤部10は、その開放部14が図1の鉤部10の開放部と反対側(ロッド部2の先端方向)にある。
図4(c)は(a)の変形例であり、ロッド部2と直結された鉤片11の中間部をロッド部先端と直交するように固定した構成例である。
図4(d)は(b)の変形例であり、ロッド部2と直結された鉤片11の中間部をロッド部先端と直交するように固定した構成例である。
いずれの形態に係る鉤部を選定するかは、作業者による使いやすさ、作業環境への適用性に応じて決定すればよい。
図4(a)のコ字状の鉤部10は、その開放部14がロッド部2の先端(鉤片11)と対向する面にある。
図4(b)のコ字状の鉤部10は、その開放部14が図1の鉤部10の開放部と反対側(ロッド部2の先端方向)にある。
図4(c)は(a)の変形例であり、ロッド部2と直結された鉤片11の中間部をロッド部先端と直交するように固定した構成例である。
図4(d)は(b)の変形例であり、ロッド部2と直結された鉤片11の中間部をロッド部先端と直交するように固定した構成例である。
いずれの形態に係る鉤部を選定するかは、作業者による使いやすさ、作業環境への適用性に応じて決定すればよい。
次に、図5(a)及び(b)は本発明の他の実施形態に係る鉤部の構成を示す斜視図、及び断面構成図である。
この実施形態に係るコ字状の鉤部10は、その開放部14の開放幅Wを調整可能に構成されている。具体的には、コ字状の鉤部10を構成する3つの鉤片11、12、13の少なくとも一つ(鉤片13、又は12)のロッド部先端(鉤片11)に対する固定位置を調整可能に構成することにより、開放部14の開放幅を調整可能に構成している。
この実施形態では、鉤片11(ロッド部先端)の片面から反対側面に貫通する長穴15を設け、鉤片13の一端部にこの長穴15に嵌合可能な肉厚を有した被ガイド片16を一体化すると共に、被ガイド片16の先端部にボルト部17を一体化する。被ガイド片16は鉤片13の本体と直交する板部材であり、長穴15内をスライド移動する。ボルト部17は長穴15の反対側から突出し、ナット18によって締結されることにより鉤片13の位置を固定する。ナット18による固定時に被ガイド片16は鉤片13の回り止めとして機能する。
被ガイド片16を固定する鉤片13の端部を厚肉に構成して強度を高めるのが好ましい。
この実施形態によれば、鉤片13を長穴の範囲内で無段階で位置調整できるので、開放部14の幅を腕金の径、寸法の変更に応じて変更することができるので、一つの調整工具1を各種サイズの腕金に対応させることができる。
次に、図6は図5の変形例であり、図5の長穴に代えて、ロッド部の長手方向に沿って所定のピッチにて複数の丸穴20を鉤片11(ロッド部先端)の片面から反対側面へ貫通形成している。鉤片13の端部にはボルト部17が突設され、ボルト部17を丸穴20に差込み、反対側に突出したボルト部先端をナット18により締結することにより鉤片13を所定の位置にて固定する。
なお、鉤片13の固定安定性を高めるために、鉤片13の端部に2本のボルト部を平行に設け、鉤片11側にも対応する丸穴を2個ずつ配置するようにしてもよい。
この実施形態に係るコ字状の鉤部10は、その開放部14の開放幅Wを調整可能に構成されている。具体的には、コ字状の鉤部10を構成する3つの鉤片11、12、13の少なくとも一つ(鉤片13、又は12)のロッド部先端(鉤片11)に対する固定位置を調整可能に構成することにより、開放部14の開放幅を調整可能に構成している。
この実施形態では、鉤片11(ロッド部先端)の片面から反対側面に貫通する長穴15を設け、鉤片13の一端部にこの長穴15に嵌合可能な肉厚を有した被ガイド片16を一体化すると共に、被ガイド片16の先端部にボルト部17を一体化する。被ガイド片16は鉤片13の本体と直交する板部材であり、長穴15内をスライド移動する。ボルト部17は長穴15の反対側から突出し、ナット18によって締結されることにより鉤片13の位置を固定する。ナット18による固定時に被ガイド片16は鉤片13の回り止めとして機能する。
被ガイド片16を固定する鉤片13の端部を厚肉に構成して強度を高めるのが好ましい。
この実施形態によれば、鉤片13を長穴の範囲内で無段階で位置調整できるので、開放部14の幅を腕金の径、寸法の変更に応じて変更することができるので、一つの調整工具1を各種サイズの腕金に対応させることができる。
次に、図6は図5の変形例であり、図5の長穴に代えて、ロッド部の長手方向に沿って所定のピッチにて複数の丸穴20を鉤片11(ロッド部先端)の片面から反対側面へ貫通形成している。鉤片13の端部にはボルト部17が突設され、ボルト部17を丸穴20に差込み、反対側に突出したボルト部先端をナット18により締結することにより鉤片13を所定の位置にて固定する。
なお、鉤片13の固定安定性を高めるために、鉤片13の端部に2本のボルト部を平行に設け、鉤片11側にも対応する丸穴を2個ずつ配置するようにしてもよい。
次に、図7は本発明の他の実施形態に係る調整工具の斜視図であり、この実施形態に係る調整工具1は、鉤部10をロッド部2の両端部に夫々設け、各鉤部10の形状、サイズを異ならせた構成が特徴的である。
この実施形態に係る調整工具1においては、ロッド部2の任意の位置を把持部として保持することが可能である。或いは、使用しない方の鉤部10を把持部として利用してもよい。
次に、図8は本発明の他の実施形態に係る調整工具の構成を一部断面で示す図である。この実施形態に係る調整工具1は、ロッド部2に対して鉤部10を着脱交換自在に構成した点が特徴的である。
鉤部10は、鉤部本体10Aの外面適所に、少なくとも一つの連結部50を設けることにより、ロッド部2に対して着脱自在に構成されている。
本実施形態では連結部50を3つの鉤片のうちの2つ鉤片の外面中央部に設けている。これにより、腕金周辺の障害物の有無等の作業環境の違いに応じて鉤部10の取付け方向を変更して、最適の状態で使用することが可能となる。
連結部50とロッド部2の先端部との締結構造としては、例えばネジによる締結構造を採用する。これによれば、着脱が容易でありながら、締結時には十分な結合強度を確保することができ、作業性の低下を防止できる。
また、ロッド部2を複数のロッド部材2Aから構成し、ロッド部材2A同士をネジから成る連結部2Bにより着脱自在に連結することにより長さを調整できるように構成してもよい。
この実施形態に係る調整工具1においては、ロッド部2の任意の位置を把持部として保持することが可能である。或いは、使用しない方の鉤部10を把持部として利用してもよい。
次に、図8は本発明の他の実施形態に係る調整工具の構成を一部断面で示す図である。この実施形態に係る調整工具1は、ロッド部2に対して鉤部10を着脱交換自在に構成した点が特徴的である。
鉤部10は、鉤部本体10Aの外面適所に、少なくとも一つの連結部50を設けることにより、ロッド部2に対して着脱自在に構成されている。
本実施形態では連結部50を3つの鉤片のうちの2つ鉤片の外面中央部に設けている。これにより、腕金周辺の障害物の有無等の作業環境の違いに応じて鉤部10の取付け方向を変更して、最適の状態で使用することが可能となる。
連結部50とロッド部2の先端部との締結構造としては、例えばネジによる締結構造を採用する。これによれば、着脱が容易でありながら、締結時には十分な結合強度を確保することができ、作業性の低下を防止できる。
また、ロッド部2を複数のロッド部材2Aから構成し、ロッド部材2A同士をネジから成る連結部2Bにより着脱自在に連結することにより長さを調整できるように構成してもよい。
次に、図9は本発明の他の実施形態に係る鉤部の構成を示す図であり、この実施形態に係る調整工具1は、コ字状の鉤部10を構成する3つの鉤片のうちの少なくとも一つの鉤片の内面に対して着脱自在に固定される幅調整用、或いは滑り止め用のアダプタ60を備えた点が特徴的である。
アダプタ60は、現場での作業において、鉤部10の開放寸法が角度調整対象物としての腕金のサイズよりも大きい場合に、調整工具自体、或いは鉤部10を別のサイズのものと交換することなく、当該調整工具の鉤部10の開放寸法だけを当該腕金に適合した寸法に調整するために、鉤部の内面に添設されるスペーサとして機能する。
アダプタ60は、鉤部と同様にステンレス等の十分な剛性を備えた金属材料にて構成し、鉤片側に設けた取付け部に対して着脱可能な構成を備える。
この例では、鉤片側に設ける取付け部として複数の穴70を設けると共に、金属板としてのアダプタ60にはこの穴70と連通するネジ穴61を形成する。そして、アダプタ60を鉤片の内側に添設し、各穴70とネジ穴61を連通させた状態でボルト75を両穴に挿通、螺着することにより固定する。アダプタ60はネジ穴61を有した単なる金属板であるため、板厚の異なるアダプタを複数用意しておくことにより、状況に応じて最適な板厚を有したアダプタ60を取付けて使用することが可能となる。
このアダプタ60を適用する鉤部10の構成は図示のタイプに限らず、前記他の実施形態に示した各タイプの鉤部に適用することができる。
また、アダプタ60を取り付ける鉤片は、図示した以外の鉤片であってもよい。
アダプタ60は、現場での作業において、鉤部10の開放寸法が角度調整対象物としての腕金のサイズよりも大きい場合に、調整工具自体、或いは鉤部10を別のサイズのものと交換することなく、当該調整工具の鉤部10の開放寸法だけを当該腕金に適合した寸法に調整するために、鉤部の内面に添設されるスペーサとして機能する。
アダプタ60は、鉤部と同様にステンレス等の十分な剛性を備えた金属材料にて構成し、鉤片側に設けた取付け部に対して着脱可能な構成を備える。
この例では、鉤片側に設ける取付け部として複数の穴70を設けると共に、金属板としてのアダプタ60にはこの穴70と連通するネジ穴61を形成する。そして、アダプタ60を鉤片の内側に添設し、各穴70とネジ穴61を連通させた状態でボルト75を両穴に挿通、螺着することにより固定する。アダプタ60はネジ穴61を有した単なる金属板であるため、板厚の異なるアダプタを複数用意しておくことにより、状況に応じて最適な板厚を有したアダプタ60を取付けて使用することが可能となる。
このアダプタ60を適用する鉤部10の構成は図示のタイプに限らず、前記他の実施形態に示した各タイプの鉤部に適用することができる。
また、アダプタ60を取り付ける鉤片は、図示した以外の鉤片であってもよい。
次に、図10は本発明に係る調整工具を用いて四角柱状の腕金を電柱にボルト固定する方法を示す図である。
図10(a)は電柱に腕金を固定するボルトが折れるか、或いはナットの弛み等によってボルトが脱落したことによって、腕金が電柱から脱落しかけている状態を示している。この例では、突っ張り棒37の少なくとも一方が腕金を保持し続けているが、突っ張り棒が機能せずに、腕金が完全に脱落した場合にも本発明は適用できる。
(b)はクレーン車のクレーン部先端に設けたカゴに乗った作業員がウィンチ(吊り上げ手段)を用いて腕金の水平姿勢を維持しながら持ち上げて電柱の正規の位置に粗位置決めしている状態を示している。なお、古いボルトが残っており、使用不能な場合にはこれを除去する作業を、それが可能な段階で実施する。
(c)はウィンチによる粗位置決めにより電柱側の取付け穴と腕金の取付け穴とを近接させた状態を示している。つまり、ウィンチにより保持した腕金の取付け穴を、電柱類に設けた取付け穴に粗位置決めする工程を示している。
(d)は本発明の調整工具1の鉤部10に腕金外面を嵌合させて保持した状態で、ロッド部に任意方向への力を加えることによって、腕金の角度を微調整して腕金の取付け穴を電柱類の取付け穴に整合させる工程を示している。
次いで、互いに整合し合った腕金の取付け穴と電柱類の取付け穴に対してボルトを挿通し、ボルト端部にナットを締結する工程を実施するが、このボルトを締結する工程は調整工具1によって腕金を電柱に対して高精度に位置決めする作業者とは別の作業者が行う。
調整工具1を用いた腕金角度の調整は、腕金の上方からでも、下方からでも、或いは横方向からでも容易に行うことができ、テコの原理を利用できるために、さほど強い力を用いずに腕金を適正位置に合わせることができる。また、手や指を電柱と腕金との間等に挟む事故も発生しなくなる。
図10(a)は電柱に腕金を固定するボルトが折れるか、或いはナットの弛み等によってボルトが脱落したことによって、腕金が電柱から脱落しかけている状態を示している。この例では、突っ張り棒37の少なくとも一方が腕金を保持し続けているが、突っ張り棒が機能せずに、腕金が完全に脱落した場合にも本発明は適用できる。
(b)はクレーン車のクレーン部先端に設けたカゴに乗った作業員がウィンチ(吊り上げ手段)を用いて腕金の水平姿勢を維持しながら持ち上げて電柱の正規の位置に粗位置決めしている状態を示している。なお、古いボルトが残っており、使用不能な場合にはこれを除去する作業を、それが可能な段階で実施する。
(c)はウィンチによる粗位置決めにより電柱側の取付け穴と腕金の取付け穴とを近接させた状態を示している。つまり、ウィンチにより保持した腕金の取付け穴を、電柱類に設けた取付け穴に粗位置決めする工程を示している。
(d)は本発明の調整工具1の鉤部10に腕金外面を嵌合させて保持した状態で、ロッド部に任意方向への力を加えることによって、腕金の角度を微調整して腕金の取付け穴を電柱類の取付け穴に整合させる工程を示している。
次いで、互いに整合し合った腕金の取付け穴と電柱類の取付け穴に対してボルトを挿通し、ボルト端部にナットを締結する工程を実施するが、このボルトを締結する工程は調整工具1によって腕金を電柱に対して高精度に位置決めする作業者とは別の作業者が行う。
調整工具1を用いた腕金角度の調整は、腕金の上方からでも、下方からでも、或いは横方向からでも容易に行うことができ、テコの原理を利用できるために、さほど強い力を用いずに腕金を適正位置に合わせることができる。また、手や指を電柱と腕金との間等に挟む事故も発生しなくなる。
1…調整工具、2…ロッド部、2A…ロッド部材、2B…連結部、3…把持部、4…屈曲部、10…鉤部、10A…鉤部本体、11、12、13…鉤片、14…開放部、15…長穴、16…被ガイド片、17…ボルト部、18…ナット、20…丸穴、30…電柱、31…穴、35…腕金、36…取付け穴、37…突っ張り棒、40…ウィンチ、41…ロープ、42…カゴ、43…作業者、45…ボルト、46…ナット、50…連結部、60…アダプタ、61…ネジ穴、70…穴、75…ボルト。
Claims (12)
- 少なくとも一部に把持部を有したロッド部と、該ロッド部の少なくとも一端に設けた鉤部と、を備え、前記鉤部は電柱に装備される四角柱状の腕金の外面に着脱自在に係合してこれを支持し得る構成を備えていることを特徴とする腕金角度調整工具。
- 前記鉤部を前記ロッド部の両端部に夫々設け、各鉤部の形状、サイズを異ならせたことを特徴とする請求項1に記載の腕金角度調整工具。
- 前記鉤部は、複数個の鉤片から成るコ字状をなしていることを特徴とする請求項1、又は2に記載の腕金角度調整工具。
- 前記コ字状の鉤部は、その開放部が前記ロッド部と対向する側に位置していることを特徴とする請求項3に記載の腕金角度調整工具。
- 前記コ字状の鉤部は、その開放部が前記ロッド部と直交する側に位置していることを特徴とする請求項3に記載の腕金角度調整工具。
- 前記コ字状の鉤部は、その開放部の開放幅を調整可能に構成されていることを特徴とする請求項3乃至5の何れか一項に記載の腕金角度調整工具。
- 前記コ字状の鉤部を構成する3つの鉤片の少なくとも一つの前記ロッド部に対する固定位置を調整可能に構成することにより前記開放部の開放幅を調整可能に構成したことを特徴とする請求項6に記載の腕金角度調整工具。
- 前記ロッド部に対して前記鉤部を着脱交換自在に構成したことを特徴とする請求項1乃至7の何れか一項に記載の腕金角度調整工具。
- 前記鉤部は、その異なった位置に前記ロッド部との連結部を複数箇所備えていることを特徴とする請求項8に記載の腕金角度調整工具。
- 前記ロッド部と前記鉤部との前記連結部は、ネジによる締結構造を備えていることを特徴とする請求項9に記載の腕金角度調整工具。
- 前記コ字状の鉤部を構成する複数の鉤片のうちの少なくとも一つの鉤片の内面に対して着脱自在に固定される開放幅調整用のアダプタを備えたことを特徴とする請求項1乃至10の何れか一項に記載の腕金角度調整工具。
- 請求項1乃至11の何れか一項に記載の腕金角度調整工具を用いて四角柱状の腕金を電柱にボルト固定する方法であって、
吊り上げ手段により前記腕金を保持しつつ該腕金の取付け穴を、電柱類に設けた取付け穴に粗位置決めする工程と、
前記腕金角度調整工具の鉤部に前記腕金外面を嵌合させて保持した状態で、前記ロッド部に任意方向への力を加えることによって、前記腕金の取付け穴を前記電柱類の取付け穴に整合させる工程と、
互いに整合し合った前記腕金の取付け穴と前記電柱類の取付け穴に対してボルトを挿通し、ボルト端部にナットを締結する工程と、を備えたことを特徴とする電柱類に対する腕金の取付け方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005308939A JP2007124720A (ja) | 2005-10-24 | 2005-10-24 | 腕金角度調整工具、及び電柱類に対する腕金の取付け方法 |
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ID=38147954
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JP2005308939A Pending JP2007124720A (ja) | 2005-10-24 | 2005-10-24 | 腕金角度調整工具、及び電柱類に対する腕金の取付け方法 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009002705A (ja) * | 2007-06-19 | 2009-01-08 | Chugoku Electric Power Co Inc:The | 開閉道具および開閉アダプタ |
JP2014230425A (ja) * | 2013-05-23 | 2014-12-08 | 中国電力株式会社 | 腕金調整装置 |
JP2016039722A (ja) * | 2014-08-08 | 2016-03-22 | 北陸電力株式会社 | アーム取付け間接工法及びアーム取付け工具 |
-
2005
- 2005-10-24 JP JP2005308939A patent/JP2007124720A/ja active Pending
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JP2009002705A (ja) * | 2007-06-19 | 2009-01-08 | Chugoku Electric Power Co Inc:The | 開閉道具および開閉アダプタ |
JP2014230425A (ja) * | 2013-05-23 | 2014-12-08 | 中国電力株式会社 | 腕金調整装置 |
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