JP2007123317A - 露光装置及びデバイス製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】移動部材との間で電気性用力を伝送する際にも装置の大型化を防止する。
【解決手段】互いに相対移動可能な第1装置100a、100bと第2装置20とを有し、第1装置100a、100bが電気性用力を用いて露光に関連した処理を行う。第1装置と第2装置とが所定の位置関係にあるときは第1装置と第2装置との間で電気性用力が非接触で伝送され、第1装置と第2装置とが所定の位置関係から外れたときは、第1装置と第2装置との間の電気性用力の伝送が停止される伝送装置T2を備え、第1装置は、第2装置と所定の位置関係にあるときのみ露光に関連した処理を行う。
【選択図】図4

Description

本発明は、相対移動可能な複数の装置を有する露光装置、及びこの露光装置が用いられるデバイス製造方法に関するものである。
半導体素子、液晶表示素子、撮像装置(CCD等)、薄膜磁気ヘッド等のデバイスの製造工程の一つであるリソグラフィ工程においては、マスクとしてのレチクルのパターンを、投影光学系を介して基板としてのフォトレジストが塗布されたウエハ(又はガラスプレート等)上に転写露光するために、露光装置が使用されている。この露光装置としては、ステッパー等の一括露光型(静止露光型)の投影露光装置、又はスキャニングステッパー等の走査露光型の投影露光装置(走査型露光装置)等が使用されている。
露光装置において、電力で駆動するモータなどの駆動部材を有するステージテーブルに電力を供給するときには、通常、電源ケーブルなどを使って駆動部材に電力や制御信号等の電気性用力を供給する。このステージに電源ケーブルなどを接続できない又は接続を好まない場合にはバッテリーなどをステージに積んでいる。ステージテーブルのように、物理的に分離したいものでなくても、ロボットの関節アクチュエータの駆動の様に1回転内の回転部への電力や信号伝送においても、配線数の増大はケーブル信頼性上大きなネックとなっていた。
このため、分離独立した電動機などに、E型コアなどを使い電磁誘導で電力を供給するものも提案されている。特許文献1は、その一例で、鉄などで構成されたE型コアにコイルを巻いたものを一対用意し、互いにエアギャップ(空隙)を設けて、分離独立した電動機に、非接触状態にもかかわらず電力を供給している。
また、特許文献2には、露光装置において非接触で電力を供給する技術が開示されている。
特開平06−006993号公報 米国公開第2005/0140955号パンフレット
しかしながら、上述したような従来技術には、以下のような問題が存在する。
露光装置は、マスクステージやウエハステージ等の移動部材を有しており、移動部材の移動範囲全てにおいて非接触で電気性用力を伝送しようとすると、伝送装置が大型化してしまうという問題が生じる。
本発明は、以上のような点を考慮してなされたもので、移動部材との間で電気性用力を伝送する際にも装置の大型化を防止できる露光装置、及びこの露光装置を用いるデバイス製造方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために本発明は、実施の形態を示す図1ないし図5に対応付けした以下の構成を採用している。
本発明の露光装置は、互いに相対移動可能な第1装置(11、100a、100b)と第2装置(14、20)とを有し、第1装置が電気性用力を用いて露光に関連した処理を行う露光装置(EX)であって、第1装置と第2装置とが所定の位置関係にあるときは第1装置と第2装置との間で前記電気性用力が非接触で伝送され、第1装置と第2装置とが前記所定の位置関係から外れたときは、第1装置と第2装置との間の前記電気性用力の伝送が停止される伝送装置(T1、T2)を備え、第1装置は、第2装置と前記所定の位置関係にあるときのみ前記露光に関連した処理を行うことを特徴とするものである。
従って、本発明の露光装置では、第1装置と第2装置とが所定の位置関係にあるときのみ、第1装置と第2装置との間で電気性用力が伝送されて第1装置が露光に関連した処理を行うため、第1装置と第2装置との相対移動範囲全体に亘って電気性用力を伝送させる必要がなくなり、装置の小型化を実現することができる。
また、本発明のデバイス製造方法は、先に記載の露光装置を用いることを特徴とするものである。
従って、本発明のデバイス製造方法では、小型化された露光装置によりデバイスを製造することが可能になり、デバイス製造に要するスペースを小さくすることができる。
なお、本発明をわかりやすく説明するために、一実施例を示す図面の符号に対応付けて説明したが、本発明が実施例に限定されるものではないことは言うまでもない。
本発明では、電気性用力を伝送する際にも装置の大型化を防止できる。
以下、本発明の露光装置及びデバイス製造方法の実施の形態を、図1ないし図5を参照して説明する。本実施形態では、レチクルをレチクルステージに対して固定する固定装置、及びウエハステージの周囲に温度調整用のエアを供給するエア供給装置に対して、電気性用力としての電力を供給する場合について説明する。
図1は、本実施形態に係る露光装置EXの構成を示す模式図である。
露光装置EXは、レチクルRとウエハWとを一次元方向に同期移動しつつ、レチクルRに形成されたパターンを投影光学系16を介してウエハW上の各ショット領域に転写するステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置、すなわち、いわゆるスキャニング・ステッパである。
露光装置EXは、露光装置本体10と、クリーンルーム内の床面F上に設置されると共に露光装置本体10を収容する本体チャンバ40と、本体チャンバ40に隣接して配置された機械室70とを備える。
露光装置本体10は、露光光ELによりレチクルRを照明する照明光学系12、レチクルRを保持して移動可能なレチクルステージ(第2装置)14、レチクルRから射出される露光光ELをウエハW上に投射する投影光学系16、ウエハWを保持して移動可能なウエハステージ20と、投影光学系16等を保持すると共にウエハステージ20が搭載される本体コラム30、露光装置EXを統括的に制御する不図示の制御装置等を備える。
照明光学系12は、レチクルステージ14に支持されているレチクルRを露光光ELで照明するものであり、不図示の露光用光源から射出された露光光ELの照度を均一化するオプティカルインテグレータ、コンデンサレンズ、リレーレンズ系、レチクルR上の露光光ELによる照明領域をスリット状に設定する可変視野絞り等(いずれも不図示)を有している。
このような構成により、照明光学系12は、レチクルR上の所定の照明領域を、より均一な照度分布の露光光ELで照明可能となっている。
なお、露光用光源から射出される露光光ELとしては、例えば水銀ランプから射出される紫外域の輝線(g線、h線、i線)、KrFエキシマレーザ光(波長248nm)、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)等の紫外光が用いられる。
レチクルステージ14は、レチクルRを支持しつつ、図2に示すリニアモータLMの駆動により投影光学系16の光軸AXに垂直な平面内の2次元移動及び微小回転を行うものである。レチクルRは、レチクルステージ14に複数(ここでは3箇所)設けられ、電力を用いて固定解除される固定装置(第1装置)11によって、着脱自在にクランプ固定される。すなわち、レチクルRは、固定装置11に電力が供給されないときにレチクルステージ14に固定され、固定装置11に電力が供給されたときにレチクルステージ14から固定解除される構成となっている。リニアモータLMは、レチクルステージ14のX方向両側に設けられた可動子1と、可動子1との電磁気的相互作用により、可動子1を駆動する固定子2とから構成される。
また、このレチクルステージ14には、固定装置11に対して非接触で電力を伝送して供給する伝送装置T1が設けられている。伝送装置T1は、固定子2に設けられて電力を供給する電力供給部48Rと、可動子1に設けられ電力供給部48Rと対向したときに電力を受給する電力受給部46Rとを備えている。電力受給部46Rは、電磁誘導コイルで構成され、例えばE型コア又はポットコアが適用できる。この構成により、電力受給部46Rは、固定側の電力供給部48Rからの電力を非接触で受給する。また、電力供給部48R及び電力受給部46Rは、レチクルステージ14が移動して、図2に二点鎖線で示すレチクル交換位置に位置決めされたときに、図3に示すように、Z方向に対向する(すなわち電力が非接触で伝送される)位置に配置されている。
レチクルステージ14上のレチクルRの2次元方向の位置及び回転角は、不図示のレーザ干渉計によりリアルタイムで計測され、その計測結果は制御装置に出力される。そして、制御装置がレーザ干渉計の計測結果に基づいてリニアモータ等を駆動することで、レチクルステージ14に支持されているレチクルRの位置決めが行われる。
投影光学系16は、レチクルRに形成されたパターンを所定の投影倍率でウエハWに投影露光するものであって、複数の光学素子で構成される。本実施形態において、投影光学系16は、投影倍率βが例えば1/4あるいは1/5の縮小系である。なお、投影光学系16は等倍系及び拡大系のいずれでもよい。
そして、投影光学系16は、メインコラム34の天板に設けられた不図示の穴部に挿入されて支持される。
ウエハステージ20は、ウエハWを保持しつつ、不図示のリニアモータ等の駆動装置によって、光軸AXに垂直な平面内の2次元移動及び微小回転を行うものである。ウエハWは、ウエハステージ20の上面に、真空吸着等によって保持されている。
また、ウエハステージ20上には移動鏡22が設けられ、これに対向する位置にはレーザ干渉計24が設けられる。そして、ウエハステージ20の2次元方向の位置及び回転角は、レーザ干渉計24によりリアルタイムで計測され、計測結果が制御装置に出力される。そして、制御装置がレーザ干渉計24の計測結果に基づいてリニアモータ等を駆動することで、ウエハステージ20に保持されているウエハWの位置決めが行われる。
なお、ウエハステージ20は、メインコラム34の底板を構成するステージベース上に支持される。
本体コラム30は、本体チャンバ40の底面上に設置されたベースプレート38の上方に、複数の防振台32を介して支持されている。本体コラム30は、防振台32によって支持されたメインコラム34と、このメインコラム34上部に立設されたサポートコラム36とを有している。
そして、メインコラム34の天井部となるメインフレームには、投影光学系16が支持されている。また、サポートコラム36には、レチクルステージ14、照明光学系12が支持されている。
本体チャンバ40は、環境条件(清浄度、温度、圧力等)がほぼ一定に維持された露光室42と、この露光室42の側部に配置された不図示のレチクルローダ室及びウエハローダ室とを有するように形成されている。なお、露光室42は、その内部に露光装置本体10が配置される。
露光室42の上部側面には、本体チャンバ40内に温度調整用空気(気体)Aを供給する機械室70に接続される噴出口50が設けられる。そして、機械室70から送気される温調された空気(気体)Aが噴出口50からサイドフローにて露光室42の上部空間42aに送り込まれるようになっている。
また、露光室42の底部には、リターン部52が設けられ、このリターン部52の下方には、リターンダクト54の一端が接続される。そして、リターンダクト54の他端は、機械室70に接続される。すなわち、露光室42内の空気Aがリターン部52からリターンダクト54を介して機械室70に戻されるようになっている。
露光室42の側面には、機械室70に接続された給気管路60が接続され、更に、露光室42内に延設されている。その内部には、ヒータ62、送風機64、ケミカルフィルタCF、フィルタボックスAFが順次配置されている。
更に、給気管路60は、2つの分岐路66a,66bに分岐される。一方の分岐路66aは、温度安定化流路装置80aを介して気体噴出ユニット100aに接続されている。他方の分岐路66bは、温度安定化流路装置80bを介して気体噴出ユニット100bに接続されている。
なお、温度安定化流路装置80a,80bは、機械室70から送気された空気Aとの間で熱交換を行うことにより、更に空気Aを高精度に温調する装置である。例えば、国際公開WO2002/101804号パンフレットに記載された温度安定化流路装置が用いられる。
そして、温度安定化流路装置80a,80bのそれぞれには、供給管92及び排出管94を介して温調装置90が接続されている。これにより、温調装置90、供給管92、温度安定化流路装置80a,80b、排出管94とからなる温調用媒体Cの循環経路が構成される。
なお、温調用媒体Cとしては、例えばHFEが用いられ、温調装置90により略一定温度に温度調整される。これにより、温度安定化流路装置80a,80bは、その温度が一定に維持される。
気体噴出ユニット(第1装置)100a,100bは、メインコラム34の天板の下方に、それぞれ固定されている。気体噴出ユニット100a,100bの下面には、温調された空気Aを下方に向かって噴き出す噴出口がそれぞれ形成されている。これにより、機械室70から送気される温調された空気Aが温度安定化流路装置80a,80bを経由した後に、気体噴出ユニット100a,100bからダウンフローにてメインコラム34の内側空間42bに送り込まれるようになっている。
また、メインコラム34の下端側面(或いは底面)には、リターンダクト56が接続され、このリターンダクト56の他端は機械室70に接続されている。なお、図示は省略されているが、リターンダクト56は複数の分岐路を備え、それぞれの分岐路がメインコラム34の底部(或いは底面)の複数箇所に接続されている。
図4は、気体噴出ユニット100a,100bの構成を示す縦断面図である。
気体噴出ユニット100a,100bは、直方体状の形状を有した筐体102からなり、内部に温調された空気Aが流動する空間が形成される。また、筐体102の内部及び底面にはメッシュ部材104a,104bが配置されると共に、筐体102の一方の側面上部には分岐路66a,66bが接続される。したがって、機械室70から送気された空気Aは、分岐路66a,66bを介して気体噴出ユニット100a,100bの筐体102内の上部空間(天井とメッシュ部材104aとの間に形成される空間)に導入され、更に、メッシュ部材104aを通過して、メッシュ部材104aとメッシュ部材104bとの間に形成される空間に導入され、そして、メッシュ部材104を通してダウンフローにて外部に排出されるようになっている。このように、メッシュ部材104a,104bを配置することにより、筐体102内の内部空間を移動する際に、気体Aの圧力が均一化されるようにしている。
筐体102の内部空間には、複数のファン(供給装置の一例)120がウエハステージ20の移動領域の範囲内で配置される。ファン120は、羽根車122と、Z方向に平行な回転軸124と、回転軸124を回転駆動する回転駆動装置126とから構成され、略同一の水平面(XY方向)に略均一の間隔で配置されている。
羽根車122は、例えば3〜4枚の羽根を有し、回転軸124回りに回転することにより、周囲の空気Aを下方に向けて送気可能に構成されている。なお、回転軸124は、不図示の軸受部を介してメッシュ部材104aに固着される。
また、気体噴出ユニット100a、100bには、伝送装置T2の電力受給部46Wが設けられている(図1では、電力受給部46Wを簡略化して図示している)。電力受給部46Wは、複数のファン120のそれぞれに対応して、ウエハステージ20の移動領域に臨ませて設けられている。また、伝送装置T2を構成する電力供給部48Wは、ウエハステージ20の側面両側に設けられている(図4では、一つのみ図示)。電力受給部46Wは、電磁誘導コイルで構成され、例えばE型コア又はポットコアが適用できる。この構成により、電力受給部46Wは、電力供給部48Wからの電力を非接触で受給し、回転駆動装置126に供給する。
電力供給部48Wから電力受給部46Wに伝送される電力の量は、電力供給部48Wと電力受給部46Wとの間の距離に相関しており、この距離が短いときは大きな電力が供給され、距離が大きいときには、距離の大きさに相関した小さな電力が供給されることになる。
図5は、伝送装置T1、T2における電力伝送系のブロック図であり、供給側の伝送ユニット71と、受給側となる伝送ユニット72とからなっている。なお、伝送装置T1、T2における電力供給部48R、48W及び電力受給部46R、46Wについては、適宜電力供給部48及び電力受給部46と総称する。また、図5中の一点鎖線は、非接触又は分離状態であることを示している。
伝送ユニット71内には、電力供給部48に接続された電源部73が設けられている。電源部73は、商用電源200V又は100Vをパワートランジスタースイッチなどで高周波励磁させる。高周波励磁された電圧は、電力供給部48である電磁誘導コイルに送られる。電磁誘導コイルとしては、E型コア又はポットコアが適用できる。
伝送ユニット72には、固定装置11、回転駆動装置126等の用力受給装置に入力する電源として、電磁誘導コイルである電力受給部46が設けられている。電力供給部48の1次側は、矩形波(あるいは正弦波)インバータにより高周波励磁されているので、1次と2次との巻線比に応じた矩形波(あるいは正弦波)電圧が2次側に生じる。電力受給部46である電磁誘導コイルからの高周波は、制御部74内の整流回路で整流されパワースイッチ等を経て直流電圧となり、1V〜5Vの直流電圧がホイートストンブリッジ回路75の入力端子に入力される。ホイートストンブリッジ回路75には用力受給装置11、126が接続される。
なお、電源部73としては、ウエハステージ20に搭載されたバッテリであってもよいが、ウエハステージ20の重量を軽減化するために、ウエハステージ20を駆動するリニアモータ(駆動装置)の固定子側に上述した電力供給部を設け、可動子側に電力受給部を設け、ウエハステージ20の外部の電源部から非接触で電力を供給することが好ましい。
次に、露光装置EXの動作中の空調方法について説明する。
まず、制御装置により機械室70が作動され、温調された空気Aが、露光室42に向けて送気される。これにより、露光室42内では、噴出口50から露光室42の上部空間42aに、温調された空気Aが均一なサイドフローにて送り込まれる。また、気体噴出ユニット100a,100bからメインコラム34の内側空間42bに、温調された空気Aが均一なダウンフローにて送り込まれる。
そして、露光室42及びメインコラム34の内側空間42bに送り込まれた空気Aは、それぞれリターンダクト54,56に排気され、機械室70に戻される。
このようにして、露光室42及びメインコラム34の内側空間42bが空調される。
ここで、ウエハステージ20の移動により、電力供給部48Wが接近した電力受給部46Wに対して電力供給部48Wから電力が非接触で伝送され、この電力受給部46Wに接続されたファン120の回転駆動装置126に供給される。そのため、このファン120の羽根車122が電力供給部48Wと電力受給部46Wとの間の距離に応じた電力により回転し、回転量に応じた供給量でエアAを送出する。
つまり、ウエハステージ20の進行方向の前方側に位置する電力受給部46Wは、ウエハステージ20の移動に伴って漸次電力受給量が増すことで、対応するファン120のエア供給量が増し、逆にウエハステージ20の進行方向の後方側に位置する電力受給部46Wは、ウエハステージ20の移動に伴って漸次電力受給量が減ることで、対応するファン120のエア供給量が減ることになる。
そのため、ファン120の作動はウエハステージ20及びその移動領域に作用し、熱源となるウエハステージ20と近いファン120ほど、温度調整されたエアの供給量が大きくなり、効率的にウエハステージ20の移動領域の温度を調整することができるとともに、ウエハステージ20と離れた位置のファン120によるエア供給量が少なくなることから、無用な空気揺らぎを抑制することができる。
そして、このような温調を行った状態で、露光装置本体10による露光処理が行われる。具体的には、レチクルステージ14とウエハステージ20とが同期移動し、不図示の露光用光源から射出された露光光ELが、各種レンズやミラー等からなる照明光学系12において、必要な大きさ及び照度均一性に整形された後に、パターンが形成されたレチクルRを照明し、このレチクルRに形成されたパターンが投影光学系16を介して、ウエハステージ20上に保持されたウエハW上の各ショット領域に、縮小転写される。これにより、高精度なパターンをウエハW上に形成することが可能となる。
上記露光処理においてレチクルステージ14は、電力供給部48Rと電力受給部46Rとが対向せずに電力が供給(伝送)されない範囲で移動するため、固定装置11によるレチクルRのクランプ固定が維持されているが、このレチクルRを用いた露光処理が完了して他のレチクルに交換する際には、レチクルステージ14がレチクル交換位置に移動して位置決めされる。これにより、電力供給部48Rから電力受給部46Rに非接触で電力が供給され、固定装置11によるレチクルRの固定が解除されることになり、レチクルの交換が可能になる。
以上のように、本実施の形態では、相対移動する電力供給部48R、48Wと電力受給部46R、46Wとがそれぞれ所定の位置関係にあるときに電力が伝送されて露光に関する処理(固定処理、エア供給処理)が行われるため、相対移動範囲全体に亘って電力供給させる必要がなくなり、伝送装置T1、T2の大型化を防ぐことが可能である。また、本実施形態では、電力供給部48Wと電力受給部46Wとの距離に応じて、ファン120によるエア供給量が調整されるため、位置センサ等を設けないオープンループでの温度制御が可能になり、ハードウェア及びソフトウェアの双方において、装置の簡素化を実現することができる。
なお、上記の実施形態の投影露光装置EX(露光システム)を用いて半導体デバイスを製造する場合、この半導体デバイスは、デバイスの機能・性能設計を行うステップ、このステップに基づいてレチクルを製造するステップ、シリコン材料からウエハを形成するステップ、上記の実施形態の投影露光装置によりアライメントを行ってレチクルのパターンをウエハに露光するステップ、エッチング等の回路パターンを形成するステップ、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程を含む)、及び検査ステップ等を経て製造される。
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
例えば、上記実施形態では、ウエハステージ20がファン120に接近するに従ってエア供給量が増えるものとして説明したが、この構成に限られず、例えばウエハステージ20との距離及び進行方向に応じて回転駆動装置126の駆動を制御する制御装置を設け、エア供給量をクローズドループで制御する構成としてもよい。
この構成では、例えばウエハステージ20の発熱量が小さい場合に、ウエハステージ20の進行方向前方側ではウエハステージ20の接近により気圧が高くなるため、当該前方側に位置するファン20からのエア供給量をフィードフォワード制御で予め少なくしておき、逆にウエハステージ20の進行方向後方側では気圧が低くなるため、当該後方側に位置するファン20からのエア供給量を多くするという制御を実施することも可能である。
また、上記実施形態では、伝送装置T1、T2により電力を非接触で伝送する構成としたが、この構成に限定されるものではなく、例えば露光処理に用いる制御信号等、他の電気性用力を非接触で伝送する構成としてもよい。
なお、上記各実施形態の基板としては、半導体デバイス製造用の半導体ウエハのみならず、ディスプレイデバイス用のガラス基板や、薄膜磁気ヘッド用のセラミックウエハ、あるいは露光装置で用いられるマスクまたはレチクルの原版(合成石英、シリコンウエハ)等が適用される。
露光装置EXとしては、レチクルRとウエハWとを静止した状態でマスクのパターンを一括露光し、ウエハWを順次ステップ移動させるステップ・アンド・リピート方式の投影露光装置(ステッパ)の他に、レチクルR(マスク)とウエハWとを同期移動してレチクルRのパターンを走査露光するステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置(スキャニングステッパ)にも適用することができる。さらに、露光装置EXとしては、ウエハW上で少なくとも2つのパターンを部分的に重ねて転写し、ウエハWを順次移動させるステップ・アンド・スティッチ方式の露光装置にも適用できる。
また、本発明は、ウエハステージが複数設けられるツインステージ型の露光装置にも適用できる。ツインステージ型の露光装置の構造及び露光動作は、例えば特開平10−163099号公報及び特開平10−214783号公報(対応米国特許6,341,007号、6,400,441号、6,549,269号及び6,590,634号)、特表2000−505958号(対応米国特許5,969,441号)或いは米国特許6,208,407号に開示されている。更に、本発明を本願出願人が先に出願した特願2004−168481号のウエハステージに適用してもよい。
更に、特開平11−135400号公報や特開2000−164504号公報に開示されているように、基板を保持する基板ステージと基準マークが形成された基準部材や各種の光電センサを搭載した計測ステージとを備えた露光装置にも本発明を適用することができる。
また、本発明は、投影光学系と基板との間に局所的に液体を満たし、該液体を介して基板を露光する、所謂液浸露光装置にも適用することができる。液浸露光装置については、国際公開第99/49504号パンフレットに開示されている。さらに、本発明は、特開平6−124873号公報、特開平10−303114号公報、米国特許第5,825,043号などに開示されているような露光対象の基板の表面全体が液体中に浸かっている状態で露光を行う液浸露光装置にも適用可能である。
露光装置EXの種類としては、基板に半導体素子パターンを露光する半導体素子製造用の露光装置に限られず、液晶表示素子製造用又はディスプレイ製造用の露光装置や、薄膜磁気ヘッド、撮像素子(CCD)あるいはレチクル又はマスクなどを製造するための露光装置などにも広く適用できる。
なお、上述の実施形態においては、光透過性の基板上に所定の遮光パターン(又は位相パターン・減光パターン)を形成した光透過型マスクを用いたが、このマスクに代えて、例えば米国特許第6,778,257号公報に開示されているように、露光すべきパターンの電子データに基づいて透過パターン又は反射パターン、あるいは発光パターンを形成する電子マスクを用いてもよい。
本実施形態の露光装置は、本願特許請求の範囲に挙げられた各構成要素を含む各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度、光学的精度を保つように、組み立てることで製造される。これら各種精度を確保するために、この組み立ての前後には、各種光学系については光学的精度を達成するための調整、各種機械系については機械的精度を達成するための調整、各種電気系については電気的精度を達成するための調整が行われる。各種サブシステムから露光装置への組み立て工程は、各種サブシステム相互の、機械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路の配管接続等が含まれる。この各種サブシステムから露光装置への組み立て工程の前に、各サブシステム個々の組み立て工程があることはいうまでもない。各種サブシステムの露光装置への組み立て工程が終了したら、総合調整が行われ、露光装置全体としての各種精度が確保される。なお、露光装置の製造は温度およびクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
半導体デバイス等のマイクロデバイスは、図6に示すように、マイクロデバイスの機能・性能設計を行うステップ201、この設計ステップに基づいたマスク(レチクル)を製作するステップ202、デバイスの基材である基板を製造するステップ203、前述した実施形態の露光装置EXによりマスクのパターンを基板に露光する露光処理ステップ204、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程を含む)205、検査ステップ206等を経て製造される。
本発明の実施の形態を示す図であって、露光装置の構成を示す模式図である。 伝送装置を有するレチクルステージの部分平面図である。 同レチクルステージの右側面図である。 気体噴出ユニットの構成を示す縦断面図である。 伝送装置における電力伝送系のブロック図である。 半導体デバイスの製造工程の一例を示すフローチャート図である。
符号の説明
EX…露光装置、 LM…リニアモータ(駆動装置)、 R…レチクル(マスク)、 T1、T2…伝送装置、 W…ウエハ(基板)、 11…固定装置(第1装置)、 14…レチクルステージ(第2装置)、 20…ウエハステージ(第2装置)、 100a、100b…気体噴出ユニット(第1装置)、 120…ファン(供給装置)

Claims (10)

  1. 互いに相対移動可能な第1装置と第2装置とを有し、前記第1装置が電気性用力を用いて露光に関連した処理を行う露光装置であって、
    前記第1装置と前記第2装置とが所定の位置関係にあるときは前記第1装置と前記第2装置との間で前記電気性用力が非接触で伝送され、前記第1装置と前記第2装置とが前記所定の位置関係から外れたときは、前記第1装置と前記第2装置との間の前記電気性用力の伝送が停止される伝送装置を備え、
    前記第1装置は、前記第2装置と前記所定の位置関係にあるときのみ前記露光に関連した処理を行うことを特徴とする露光装置。
  2. 前記電気性用力は、電力と前記処理に関する信号との少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項1記載の露光装置。
  3. 前記電気性用力は、電磁誘導により伝送されることを特徴とする請求項1または請求項2記載の露光装置。
  4. 前記第1装置は、物体を保持する移動ステージに設けられて、該物体を固定するための固定装置を含むことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の露光装置。
  5. 前記第2装置は、露光される基板を保持する移動ステージに設けられ、前記第1装置は前記移動ステージの周囲に温度調整用気体を供給する供給装置を含むことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の露光装置。
  6. 前記供給装置に対する前記移動ステージの相対移動方向及び相対位置関係に応じて前記温度調整用気体の供給量を制御する制御装置を備えることを特徴とする請求項5に記載の露光装置。
  7. 前記第2装置を前記第1装置に対して移動させる駆動装置を備え、該駆動装置による前記第2装置の移動領域内において前記第1装置と前記第2装置とが前記所定の位置関係となることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の露光装置。
  8. 前記第2装置の前記移動領域内に前記第1装置が互いに異なる位置で複数配置されていることを特徴とする請求項7に記載の露光装置。
  9. 前記第1装置による前記処理は、前記第2装置の少なくとも一部に対して作用することを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の露光装置。
  10. 請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の露光装置を用いるデバイス製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007123334A (ja) * 2005-10-25 2007-05-17 Nikon Corp ステージ装置、露光装置、デバイスの製造方法
JP2014216591A (ja) * 2013-04-30 2014-11-17 新電元工業株式会社 トランス、このトランスを備えた電源装置、および、このトランスを備えたステージ装置

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