JP2007123334A - ステージ装置、露光装置、デバイスの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ステージ装置の耐久性及び位置決め精度の向上を図ることができるステージ装置、露光装置等を提供する。
【解決手段】電動部60を搭載した移動ステージを有するステージ装置であって、移動ステージに対して非接触状態で電力を供給する電力供給部102と、移動ステージに設けられて電力供給部102からの電力を受給すると共に電動部60に対して受給した電力を伝送する電力受給部104と、電動部60を制御する制御部20と、を備える。
【選択図】図4

Description

本発明は、非接触で電力伝送を行うステージ装置、そのステージ装置を備えた露光装置等に関する。
半導体素子、液晶表示素子、撮像装置(CCD等)、薄膜磁気ヘッド等のデバイスの製造工程の一つであるリソグラフィ工程においては、マスクとしてのレチクルのパターンを、投影光学系を介して基板としてのフォトレジストが塗布されたウエハ(又はガラスプレート等)上に転写露光するために、露光装置が使用されている。この露光装置としては、ステッパ等の一括露光型(静止露光型)の投影露光装置、又はスキャニングステッパ等の走査露光型の投影露光装置(走査型露光装置)等が使用されている。
このような露光装置においては、基板搬送用アームを用いて基板ステージの基板ホルダ上に感光基板を搬送し、基板ホルダが感光基板を吸着保持するようにしている。基板ホルダには、基板搬送用アームと基板ホルダとの間で感光基板の引渡しを行うために、基板載置面から感光基板を一定量持ち上げて支持する上下動可能なリフトアップ機構が設けられている(特許文献1,2参照)。
特開平1−214042号公報 特開2003−258071号公報
ところで、基板ステージには、露光装置本体からリフトアップ機構に対して電力供給や各種電気信号の送受信を行うケーブル等が設けられている。これらのケーブル類は、ケーブルガイドに収納されて基板ステージとベース(露光装置本体)との間で接続されているため、余分なスペースを取ってしまう問題がある。また、ケーブル等は、基板ステージの動きによって断線などが生じやすく、メンテナンスが必要となる。さらに、基板ステージの位置制御の際に、ケーブルやケーブルガイド等の引張力が外乱力となり、基板ステージの位置決め精度に悪影響を与えてしまうという問題がある。
このような問題は、基板ステージに限ったことではなく、マスクステージ等においても同様である。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、ステージ装置の周辺のスペースを確保するとともに、耐久性及び位置決め精度の向上を図ることができるステージ装置、露光装置等を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明は実施の形態に示す各図に対応付けした以下の構成を採用している。但し、各要素に付した括弧付き符号はその要素の例示に過ぎず、各要素を限定するものではない。
第1の発明は、電動部(60,75)を搭載した移動ステージ(WST)を有するステージ装置(ST)であって、移動ステージに対して非接触状態で電力を供給する電力供給部(102)と、移動ステージに設けられて電力供給部からの電力を受給すると共に電動部に対して受給した電力を伝送する電力受給部(104)と、電動部を制御する制御部(20)と、を備えるようにした。
この発明によれば、移動ステージに搭載した電動部への電力供給ケーブルが不要となるので、移動ステージの耐久性及び位置決め精度の向上を図ることができる。また、ステージ装置の周辺のスペースを確保することができる。
また、移動ステージ(WST)に対して非接触状態で移動ステージに向けて制御部(20)からの信号を送信する第一信号発信部(110)と、移動ステージに設けられて第一信号発信部からの信号を受信すると共に電動部(60,75)に対して受信した信号を受信する第一信号受信部(112)と、を備えるものでは、電動部への信号ケーブルも不要となり、更に移動ステージの耐久性及び位置決め精度の向上を図ることができる。
また、電動部(75)は、移動ステージ(WST)の戴置面(40)上に載置された板状部材(P)を吸着保持するための負圧を供給する真空機構(75)であるものでは、真空機構に対して電力と制御信号を非接触に伝送することができる。
また、移動ステージ(WST)に設けられて電動部(60)の駆動量を計測する検出部(68)と、移動ステージに設けられて検出部からの信号を発信する第二信号発信部(116)と、移動ステージとは非接触状態で第二信号発信部からの信号を受信する第二信号受信部(114)と、を備え、制御部(20)は、第二信号受信部からの信号に基づいて電動部を制御するものでは、移動ステージに搭載された電動部の駆動及び制御を非接触に行うことができる。
また、電動部(60)は、移動ステージ(WST)の戴置面(40)上に載置された板状部材(P)を載置面と交差する方向に移動させるリフト機構(60)であり、検出部(68)は、リフト機構による板状部材の移動量を検出するものでは、リフト機構に対して電力と制御信号を非接触に伝送することができる。
また、移動ステージ(WST)は、電動部(60,70)を複数搭載し、電力供給部(102)と電力受給部(104,109)との間で複数の電力が重畳的に伝送されて、伝送された各電力は電動部にそれぞれ送られるものでは、移動ステージに複数の電動部が搭載された場合であっても、これらに対して非接触に電力を伝送することができる。また、電力が重畳して送られるので、電力供給部及び電力受給部の省スペース化を図ることができる。
電力供給部(102)は、移動ステージ(WST)の移動範囲内の複数箇所に設けられるものでは、移動ステージが移動した場合であっても、移動ステージに搭載された電動部に対して非接触に電力を伝送することができる。
電力受給部(104)は、移動ステージ(WST)の複数箇所に設けられるものでは、電力供給部及び電力受給部の設置場所の自由度が大きくなるので、移動ステージに搭載された電動部に対して非接触に電力を伝送できる場所を容易に増やすことができる。
電力供給部(102)は、移動ステージ(WST)に向けて移動する移動アーム(70,72,74)に設けられるものでは、電力供給部を移動させることができるので、ベース付近に電力供給部設置スペースが確保できない場合であっても適用できる。
また、移動アーム(72,74)は、移動ステージ(WST)の戴置面(40)に向けて板状部材(P)を搬送する搬送アーム(72,74)であるものでは、新たな移動アームを用いる必要がないので、設備コストの上昇を抑えることができる。
また、第1の発明は、ベース(21)と、ベース上に移動自在に載置された第一ステージ(WST)及び第二ステージ(MST)と、を有するステージ装置(ST)であって、ベース側に設けられて第一ステージ又は第二ステージに対して電力の供給と電気信号の送受信を非接触に行う一次側伝送部(92)と、第一ステージに設けられて一次側伝送部からの電力の受給と電気信号の送受信を行う第一の二次側伝送部(94)と、第二ステージに設けられて一次側伝送部からの電力の受給と電気信号の送受信を行う第二の二次側伝送部(95)と、を備えるようにした。
この発明によれば、複数の移動テーブル(第一ステージ,第二ステージ)を備える場合であっても、これらの移動テーブルに搭載した電動部等に非接触に電力や電気信号を伝送することができる。
また、第一の二次側伝送部(92)に接続されて第一ステージ(WST)であることを示す第一識別部(123)と、第二の二次側伝送部(95)に接続されて第二ステージ(MST)であることを示す第二識別部(124)と、一次側伝送部に接続されて第一識別部と第二識別部とを識別する識別判断部(150)と、識別判断部の判断結果に基づいて一次側伝送部にから供給する電力及び/又は送信する電気信号を制御する制御部(20)と、を備えるものでは、移動テーブルの種類(第一ステージ,第二ステージ)に応じて、非接触に伝送する電力や電気信号を変更することができる。
また、第一ステージ(WST)は、感光基板(P)を載置する基板ステージ(WST)であり、第二ステージ(MST)は、第二ステージの基準位置を示す基準位置受光センサ(53S)、感光基板上に投影される照射光の照射量若しくは照射むらを計測する露光量検出センサ(55)、投影される空間像を計測する空間像計測センサ、又は投影される波面収差を計測する波面収差測定センサ(54)の少なくとも1つを搭載する計測ステージ(MST)であるものでは、いわゆるツインステージに適用することができる。
また、第一ステージ(WST)と第二ステージ(MST)と間において、電力の供受給及び/又は電気信号の送受信を非接触で行う第三伝送部(103,105)を備えるものでは、移動ステージ同士の間でも電力の供受給及び/又は電気信号の送受信を非接触に行うことができる。
第2の発明は、感光基板(P)を保持する基板ステージ(WST)を有し、マスク(M)に形成されたパターン(PA)を感光基板に露光する露光装置(EX)において、基板ステージとして、第1の発明のステージ装置(ST)を用いるようにした。
この発明によれば、基板ステージへの信頼性及び位置決め精度が向上するので、微細なパターンを効率よく露光することができる。
第3の発明は、リソグラフィ工程を含むデバイスの製造方法において、リソグラフィ工程において第2の発明の露光装置(EX)を用いるようにした。この発明よれば、高性能なデバイスを効率よく製造することができる。
本発明によれば、ステージ装置の耐久性の向上(保守点検の低減)、ステージ装置の位置決め精度の向上を達成することができる。また、ステージ装置の周辺のスペースを確保することができる。
したがって、微細なパターンが高精度に露光されたデバイスを効率よく製造することができる。
(露光装置及びステージ装置の説明)
以下、本発明の実施形態によるステージ装置及び露光装置について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態による露光装置の概略構成を示す側面図である。
露光装置EXは、投影光学系PLに対して、レチクル(マスク)Rとウエハ(基板)Wとを相対的に移動させつつ、レチクルRに形成されたパターンPAをウエハWに逐次転写するステップ・アンド・スキャン方式の走査露光型の露光装置である。
なお、以下の説明においては、必要であれば図中にXYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について説明する。図1に示すXYZ直交座標系は、X軸及びY軸がウエハWの移動面に平行な面に含まれるよう設定され、Z軸が投影光学系PLの光軸AXに沿う方向に設定されている。また、本実施形態ではレチクルR及びウエハWを同期移動させる方向(走査方向)をY方向に設定している。
露光装置EXは、図1に示すように、照明光学系ILS、レチクルRを保持するレチクルステージRST、投影ユニットPU、ウエハWを保持するウエハステージWSTと計測ステージMSTとを有するステージ装置ST、及びこれらを統括的に制御する制御装置20(不図示)を含んで構成される。
照明光学系ILSは、不図示のレチクルブラインドで規定されたレチクルR上のスリット状の照明領域を照明光(露光光)ILによってほぼ均一な照度で照明する。ここで、照明光ILとしては、一例としてArFエキシマレーザ光(波長193nm)が用いられている。
レチクルステージRST上には、パターン面(図1における−Z側の面)にパターンPAが形成されたレチクルRが、例えば真空吸着により保持されている。レチクルステージRSTは、例えばリニアモータを含むレチクルステージ駆動部(不図示)によって、照明光学系ILSの光軸(後述する投影光学系PLの光軸AXに一致)に垂直なXY平面内で微小駆動可能であるとともに、走査方向(Y方向)に指定された走査速度で駆動可能に構成されている。
レチクルステージRSTのステージ移動面内の位置(Z軸周りの回転を含む)は、レーザ干渉計(以下、レチクル干渉計という)12によって、移動鏡13(実際にはY軸に直交する反射面を有するY移動鏡とX軸に直交する反射面を有するX移動鏡とが設けられている)を介して、例えば0.5〜1nm程度の分解能で常時検出される。このレチクル干渉計12の計測値は、制御装置20(不図示)に出力され、制御装置20は、このレチクル干渉計12の計測値に基づいてレチクルステージRSTのX方向、Y方向及びθZ方向(Z軸周りの回転方向)の位置を算出するとともに、この算出結果に基づいてレチクルステージ駆動部11を制御することで、レチクルステージRSTの位置(及び速度)を制御する。
レチクルステージRSTの上方には、露光波長の光を用いたTTR(Through The Reticle)アライメント系からなる一対のレチクルアライメント検出系14a,14bがX方向に所定距離隔てて設けられている。レチクルアライメント検出系14a,14bは、レチクルR上の一対のレチクルアライメントマークと、これらに対応する計測ステージMST上の一対の基準マークの投影光学系PLを介した共役像とを同時に観察するものである。これらのレチクルアライメント検出系14a,14bとしては、例えば特開平7−176468号公報等に開示されるものと同様の構成のものが用いられている。
投影ユニットPUは、鏡筒15と、鏡筒15内に所定の位置関係で保持された複数の光学素子を含む投影光学系PLとを含んで構成されている。投影光学系PLとしては、例えばZ方向の共通の光軸AXを有する複数のレンズ(レンズエレメント)からなる屈折光学系が用いられている。
また、露光装置EXは、液浸法を適用した露光を行うため、投影光学系PLを構成する最も像面側(ウエハW側)の光学素子としてのレンズGLの近傍には、液浸装置17を構成する液体供給ノズル18aと、液体回収ノズル18bとが設けられている。
液体としては、ここではArFエキシマレーザ光(波長193nmの光)が透過する超純水(以下、特に必要な場合を除いて、単に「水Lq」と記述する)を用いるものとする。超純水は、半導体製造工場等で容易に大量に入手できるとともに、ウエハW上に塗布されたフォトレジスト及び光学レンズ等に対する悪影響を及ぼさないという利点がある。
ここで、水Lqの屈折率nはほぼ1.44であり、水Lqの中では照明光ILの波長は193nm×1/n=約134nmに短波長化される。
以上説明した通り、露光装置EXが備える液浸装置17は、液体供給装置、液体回収装置、供給管、回収管、液体供給ノズル18a及び液体回収ノズル18b等を含んで構成された局所液浸装置である。なお、投影ユニットPUの下方に計測ステージMSTが位置する場合にも、上記と同様に計測テーブルMTBとレンズGLとの間に水Lqを満たすことが可能である。
ステージ装置STは、例えば半導体工場の床面FL上に配置されたフレームキャスタFC、フレームキャスタFC上に設けられたベース盤21、ベース盤21の上方に配置されベース盤21の上面(移動面)21aに沿って移動するウエハステージWST及び計測ステージMST、これらのステージWST,MSTの位置を検出する干渉計22,23、並びにステージWST,MSTを駆動するX軸駆動系28,48及びY軸駆動系27,47(図1では不図示、図2参照)を含んで構成される。
ウエハステージWSTは、レチクルRのパターンをウエハWに露光転写するためにウエハWを保持して移動するものである。一方、計測ステージMSTは、ウエハステージWSTがウエハWの交換のためにローディングポジションに位置している間に投影光学系PLの下方に位置して各種の計測を行うものである。
次に、ステージ装置STの構成について詳細に説明する。図2は、ステージ装置STの構成を示す斜視図である。
ウエハステージWSTは、ベース盤21上に配置されたウエハステージ本体26とウエハステージ本体26上に搭載されたウエハテーブルWTBとを含んで構成されている。ウエハステージ本体26は、断面矩形枠状でX方向に延びる中空部材によって構成されている。
また、ウエハステージWSTは、ウエハステージ本体26をX方向にロングストロークで駆動するとともに、Y方向、Z方向、θx(X軸周りの回転方向)、θy(Y軸周りの回転方向)、θz(Z軸周りの回転方向)に微小駆動するX軸駆動系27と、ウエハステージ本体26及びY軸駆動系27をY方向にロングストロークで駆動するY軸駆動系28とを備えている。
ウエハテーブルWTB上には、ウエハWを保持するウエハホルダ40が設けられている。ウエハホルダ40は、板状の本体部と、この本体部の上面に固定されその中央にウエハWの直径よりも大きな円形開口が形成された撥液性(撥水性)を有する補助プレートとを備えている。そして、ウエハWが真空吸着されている。ウエハWが真空吸着された状態では、そのウエハWの表面と補助プレートの表面との高さがほぼ同一の高さとなるように形成されている。また、ウエハホルダ40には、露光装置EXから外部へ、及び外部から露光装置EXへウエハWを搬送する受け渡しの際に、ウエハWを上下動させるリフトピン61(リフト機構60)が設けられている。
計測ステージMSTは、図2に示すように、ベース盤21上に配置された計測ステージ本体46と、計測ステージ本体46上に搭載された計測テーブルMTBとを備えている。また、計測ステージ本体46をX方向にロングストロークで駆動するとともに、Y方向、Z方向、θx、θy、θzに微小駆動するX軸駆動系47と、計測ステージ本体46及びY軸駆動系47をY方向にロングストロークで駆動するY軸駆動系48とを備えている。
計測テーブルMTBは、低熱膨張材料から形成されており、その上面は撥液性(撥水性)を有している。この計測テーブルMTBは、例えば真空吸着によって計測ステージ本体46上に保持されており、交換可能に構成されている。計測テーブルMTBの表面の高さは、ウエハテーブルWTB上に設けられたウエハホルダ40の表面の高さとほぼ同一となるように設定されている。
計測ステージMSTは、露光に関する各種計測を行うための計測器群を備えている。この計測器群としては、例えば空間像計測センサ(不図示)、波面収差測定センサ54及び露光量検出センサ55等がある。
空間像計測センサは、投影光学系PLにより水を介して計測テーブルMTB上に投影される空間像を計測するものである。また、波面収差測定センサ54としては、例えば国際公開第99/60361号パンフレット等に開示される波面収差測定装置を用いることができる。
露光量検出センサ55は、投影光学系PLを介して計測テーブルMTB上に照射される露光光の露光エネルギーに関する情報(光量、照度、照度むら等)を検出する検出センサであり、例えば特開昭57−117238号公報等に開示される照度むら計測器、及び、例えば特開平11−16816号公報等に開示される照度モニタを用いることができる。
また、計測ステージMST表面上にはベースラインの変動量を計測するためのフィディシャルマーク(Fiducial Mark)が形成された基準板53が取り付けられて、計測ステージMST内部に受光センサ53S(図2においては不図示、図9等参照)が設けられている。この基準板53は、低熱膨張材料から形成されているとともに、上面が撥液性(撥水性)を有しており、計測テーブルMTBに対して交換可能に構成されている。レチクルRのアライメント時には、計測ステージMSTを駆動することによって、基準板53上の一対の基準マークの中心がほぼ投影光学系PLの光軸AXに合致するように位置決めされる。
次に、ウエハステージWSTに設けられたリフト機構60(リフトピン61)に対して、非接触で電力及び信号を伝達する非接触伝送部90について、図3,図4を参照しながら説明する。なお、説明を簡単にするために図3,図4では、計測ステージMSTを省略して描いている。
図3はウエハステージWSTを模式的に示す断面図、図4は非接触伝送部90の構成を示すブロック図である。なお、図4の一点鎖線は、非接触又は分離状態であることを示している。
ウエハステージWSTには、ウエハWを上下動(Z方向)する3本のリフトピン61とリフトピン61を上下動させる駆動モータ62を備えるリフト機構60が設けられている。駆動モータ62はブレーキ64(スイッチ66)を備え、ブレーキ64によって駆動モータ62の不要な動きを抑える。また、リフトピン61の移動量(Z方向のリフト量)を検出する位置検出センサ68を備える。
そして、リフト機構60には、非接触伝送部90を介して電力及び制御信号が非接触に伝送される。
非接触伝送部90は、ベース盤21側に設けられた一次側伝送部92と、ウエハステージWSTに設けられた二次側伝送部94とから構成される。
一次側伝送部92は、電源部152と、電源部152に接続されて電力供給を行う電力供給部102と、制御信号を送る信号送信部110と、信号を受信する信号受信部114と、一次側伝送部92を制御する演算部150とから構成されている。なお、演算部150は、制御装置20に接続されている。
電源部152は、商用電源200V又は100Vをパワートランジスタースイッチなどで高周波励磁させる。高周波励磁された電圧は、電力供給部102である一次コイルに送られる。一次コイルとしては、E型コア又はポットコアが適用できる。なお、電圧は200V又は100V以外でも構わない。
信号送信部110と信号受信部114は、赤外線等を用いたフォトカプラー又は微弱電波を使用した電波送受信機で構成される。赤外線等を用いたフォトカプラー又は微弱電波を使用した電波送受信機は、二種類以上の周波数を用いたり、周波数変調を与えたりして、信号を重畳して送受信することができる。
二次側伝送部94は、電力供給部102からの電力を受給する電力受給部104と、信号送信部110からの制御信号を受信してブレーキ64(スイッチ66)に送信する信号受信部112と、位置検出センサ68からの信号を一次側伝送部92に送るための検出信号発信部116とから構成されている。
電力受給部104である電磁誘導コイルから高周波は、整流回路で整流されパワースイッチ等を経て駆動モータ62の駆動電力となる。電力受給部104の二次コイルとしては、電力供給部102の一次コイルに対応して、E型コア又はポットコアが適用できる。
電力供給部102(1次側)は、矩形波(あるいは正弦波)インバータにより高周波励磁されることで、1次コイルと2次コイルの巻線比に応じた矩形波(あるいは正弦波)電圧が電力受給部104(2次側)に生じる。この電圧は整流回路(不図示)によって全波整流され、駆動モータ62の主電源となる。なお、電力受給部104で受給された電力は、ウエハステージWST内の制御回路用電源にも用いることができる。
信号受信部112と検出信号発信部116は、信号送信部110と信号受信部114に対応して、赤外線等を用いたフォトカプラー又は微弱電波を使用した電波送受信機で構成される。
次に、非接触伝送部90の動作について説明する。
露光処理が施されたウエハWは、ウエハステージWSTに載置された状態でロード/アンロード位置へ搬送される。ロード/アンロード位置では、ウエハステージWSTは、電力供給部102及び電力受給部104、信号送信部110及び信号受信部112並びに信号受信部114及び検出信号発信部116が所定距離だけ離れて向かい合うように位置決めされる。
次に、一次側伝送部92の演算部150は、電源部152に対して電力伝送を開始するように指令し、電力供給部102が高周波励磁される。これにより、電力受給部104が誘導され、さらに整流されて駆動モータ62に電力が供給される。
駆動モータ62が駆動すると、3本のリフトピン61が上昇し、これによりウエハWがウエハホルダ40から持ち上がる。ウエハWの上昇量は、位置検出センサ68により検出され、その検出信号が検出信号発信部116から信号受信部114に非接触に伝送され、演算部150に送られる。
演算部150では、ウエハWの上昇量が所定量となった際に、演算部150から駆動モータ62に対してブレーキ64を作動させるための制御信号を送る。この制御信号は、信号送信部110と信号受信部112との間で非接触に送信される。そして、スイッチ66が入りブレーキ64が作動すると同時に、電源部152からの高周波励磁も止められる。
次に、ロボットアーム72(図7参照)が、リフトピン61上に載置されたウエハWをアンロードし、更に新たなウエハWをリフトピン61上にロードする。
そして、演算部150から、電源部152に対する電力伝送指令と、駆動モータ62のブレーキ64に対する解除制御信号が送られる。これにより、3本のリフトピン61が下降して、ウエハWがウエハホルダ40上に載置される。ウエハWの位置情報は、位置検出センサ68により検出され、この検出信号に基づいて演算部150は電源部152の高周波励磁を停止させる。
その後、ウエハWは、ウエハステージWSTに載置された状態で投影光学系PLの直下に移動し、露光が再開される。
ウエハステージWSTの二次側伝送部94には、リフト機構60の他に、ウエハWを真空吸着するための真空吸着機構75を接続してもよい。
図5はウエハステージWSTを模式的に示す断面図、図6は非接触伝送部90の他の構成を示すブロック図である。なお、図6の一点鎖線は、非接触又は分離状態であることを示している。説明を簡単にするために計測ステージMSTを省略して描いている。また、リフト機構60も省略してある。また、図3,図4と異なる箇所について説明し、同一箇所の説明は省略する。
ウエハステージWSTの電力受給部104のコイルには、全波整流回路(不図示)が接続され、さらにその下流には駆動モータ62と真空ポンプ(又は真空モータ)76が接続される。
真空ポンプ76は、ウエハWをウエハホルダ40上で真空吸着するための負圧を与えるものである。ウエハステージWSTの高速移動に際に、ウエハWがウエハホルダ40上でズレないように、また、ウエハWがウエハホルダ40の表面に倣ってZ方向で均一面になるようにするために、ウエハWは真空吸着されている。
真空ポンプ76の配管途中には、開閉の2ポートを有する電磁弁78が配置されている。電源が入力されているとき付勢バネに抗して電磁弁78は開となり、電源が入力されていないとき付勢バネにより電磁弁78が閉となる。同様な機能を有するものであれば、3ポート以上の電磁弁を使用し、そのうち2ポートを上記のように使用することができる。
ウエハステージWSTの二次側伝送部94は、電力受給部104に隣接して、電力受給部109のコイルが配置される。電力受給部109のコイルは、E型コア又はポットコアが適用できる。電力受給部109は、全波整流回路(不図示)を介して電磁弁78に接続される。
なお、一次側伝送部92の電力供給部102から二次側伝送部94の電力受給部104及び電力受給部109に対しては、複数の電力が重畳的に伝送されるようになっている。具体的には、電力供給部102に複数の変調回路(不図示)を設け、電力受給部104及び電力受給部109にそれぞれ複調回路(不図示)を設ける。電力供給部102から電力受給部104に対しては単相或いは三相交流を変調して供給する。そして、電力受給部104において変調された電力を複調することで、単相或いは三相交流を受給する。また、電力供給部102から電力受給部109に対しては低電圧の直流を上記とは異なる周波数に変調して供給する。そして、電力受給部109において変調された電力を複調することで、低電圧の直流を受給する。
このような構成により、非接触伝送部90は、次のように動作する。
まず、ロード/アンロード位置にウエハステージWSTが移動すると、一次側伝送部92(電力供給部102、信号送信部110、信号受信部114)と二次側伝送部94(電力受給部104、信号受信部112、検出信号発信部116)が所定距離だけ離れて向かい合うように位置決めされる。
そして、まず、電力供給部102から電力受給部109に対して電力が非接触に伝送される。これにより、電磁弁78が開放されて、ウエハホルダ40上のウエハWの真空吸着が解除される。そして、電力供給部102から電力受給部109への電力伝送を停止して、電磁弁78が閉じることで、ウエハWの真空吸着が解除された状態を維持される。
次いで、電力供給部102から電力受給部104に対して電力が非接触に伝送される。電力受給部104に伝送された電力は、整流されて駆動モータ62及び真空ポンプ76にも供給される。この際、電磁弁78は閉じているので、ウエハWがウエハホルダ40上に真空吸着されずに戴置されたままである。したがって、駆動モータ62が駆動して3本のリフトピン61が上昇すると、これによりウエハWが持ち上げられる。
そして、ウエハWが所定距離だけ持ち上げられたところでブレーキ64が作動し、ロボットアーム72(図7参照)により露光されたウエハWが取り出され、新たなウエハWが3本のリフトピン61に載置される。次いで、ブレーキ64が解除され、さらにリフトピン61が下降する。
位置検出センサ68によりウエハWがウエハホルダ40上に載置されたことが確認されると、電力供給部102から電力受給部109に対して電力が再度、伝送される。これにより、電磁弁78が開放されて、真空ポンプ76の真空圧によりウエハWがウエハホルダ40の表面に密着(真空吸着)する。
その後、ウエハステージWSTは投影光学系PLの直下に移動する。これにより、一次側伝送部92と二次側伝送部94との間の電力伝送が終了するので、真空ポンプ76の電源が切れ、電磁弁78が閉ポートに切り替わる。したがって、ウエハWの露光の期間中は、ウエハWがウエハホルダ40上に真空吸着された状態が維持される。
図7は、非接触伝送部90の配置を説明するための図である。
図7(a)においては、ロード/アンロード位置が図面右上にあり、この位置でウエハWがロード/アンロードされる。この位置のベース盤21の端部には、一次側伝送部92が設けられている。
ウエハステージWSTがロード/アンロード位置に移動すると、一次側伝送部92の電力供給部102、信号送信部110、信号受信部114と、ウエハステージWSTに設けた二次側伝送部94の電力受給部104、信号受信部112、検出信号発信部116が、それぞれ所定距離だけ離れて向かい合うようになっている。これにより、ベース盤21とウエハステージWSTとの間で、電力の供給及び電気信号が非接触に伝送される。
図7(b)では、図7(a)の場合と同様に、ロード/アンロード位置が図面右上にあり、この位置でウエハWがロード/アンロードされる。図7(a)の場合とは異なり、一次側伝送部92(電力供給部102、信号送信部110及び信号受信部114)は、移動アーム70に設けられている。
図1からも理解できるように、ベース盤21の周辺は、多くの装置が設けられているので、一次側伝送部92を設けるスペースが確保できない場合が少なくない。そこで、ウエハステージWSTがロード/アンロード位置に移動した際に、移動アーム70がロード/アンロード位置まで延びて、ウエハステージWSTに設けた二次側伝送部94(電力受給部104、信号受信部112及び検出信号発信部116)と所定距離だけ離れて向かい合うようになっている。
なお、移動アーム70を設けるスペースさえ確保できない場合には、ウエハWを搬送するロボットアーム72に一次側伝送部92を設けるようにしてもよい。
図7(c)は、ウエハWのロード位置とアンロード位置とが別々の場所に設けられている場合を示す図である。図7(c)において、右上がウエハWのロード位置であり、左上がアンロード位置である。
ベース盤21のロード位置の端部には一次側伝送部92aが設けられ、アンロード位置のベース盤21には一次側伝送部92bが設けられている。一方、ウエハステージWSTには、二次側伝送部94a,94bが設けられている。
まず、ウエハステージWSTがロード位置(図面右上)に移動すると、ベース盤21の一次側伝送部92aと、ウエハステージWSTの二次側伝送部94aとが所定距離だけ離れて向かい合う。そして、電力の供給及び信号のやり取りが非接触に行われる。また、ウエハWのロードがロボットアーム72により行われる。
ウエハWが載置されると、ウエハステージWSTは投影光学系PLの下方に移動して、露光処理を開始する。
その後、ウエハステージWSTがアンロード位置(図面左上)に移動すると、ベース盤21の一次側伝送部92bと、ウエハステージWSTの二次側伝送部94bとが所定距離だけ離れて向かい合う。そして、電力の供給及び信号のやり取りが非接触に行われる。また、ウエハWのアンロードがロボットアーム74により行われる。
なお、図7(c)において、右上をウエハWのロード位置とし、右下をアンロード位置とした場合には、ウエハステージWSTには一つの二次側伝送部94aのみを設ければ足りる。つまり、ウエハステージWSTの二次側伝送部94aは、ロード位置ではベース盤21の一次側伝送部92aと所定距離だけ離れて向かい合って電力の供給及び信号のやり取りを非接触に行い、アンロード位置ではベース盤21の一次側伝送部92bと所定距離だけ離れて向かい合って電力の供給及び信号のやり取りを非接触に行うようにしてもよい。
また、一次側伝送部92a,92bを移動アーム70(図7(b)参照)やロボットアーム72,74に設けるようにしてもよい。
次に、2つのステージ(ウエハステージWSTと計測ステージMST)に対して、非接触伝送部90により電力及び電気信号を非接触に伝送する場合について、図8,図9を参照しながら説明する。
図8は、ウエハステージWST及び計測ステージMSTを模式的に示す断面図である。図9は、非接触伝送部90の他の構成を示すブロック図である。なお、図9の一点鎖線は、非接触又は分離状態であることを示している。
ベース盤21の端部に設けられる一次側伝送部92は、演算部150、電源部152、電力供給部102、信号送信部110、信号受信部114の他に、ウエハステージWSTと計測ステージMSTとを識別するための識別リーダー122が接続されている。識別リーダー122は、いわゆるバーコードリーダー又は磁気センサなどが適用できる。
また、一次側伝送部92には、計測ステージMSTから送られてくる計測信号を受信する計測信号受信部126が接続されている。計測信号受信部126は、赤外線等を用いたフォトカプラー又は微弱電波を使用した電波送受信機で構成される。
ウエハステージWSTは、二次側伝送部94の他に、第一識別部である識別子123を有している。識別子123は、ウエハステージWSTであることを示すバーコード等であって、一次側伝送部92の識別リーダー122によって非接触に識別情報が読み取られる。ウエハステージWSTは軽量であった方が移動速度を速めることができるので、軽量な識別子123であればどのようなものでもよい。
計測ステージMSTに設けられる二次側伝送部95は、二次コイルである電力受給部103、計測ステージMSTに設けられた各種センサの計測情報を発信する計測信号発信部128を有する。また、計測ステージMSTは、二次側伝送部95の他に、第二識別部である識別子124を有している。識別子124は、識別子123と同一種類のものが用いられる。
電力受給部103の二次コイルとしては、電力供給部102の一次コイルに対応して、E型コア又はポットコアが適用できる。電力受給部103には、全波整流回路(不図示)を経てバッテリー130が接続される。整流されて直流となっているため、バッテリー130は、充電可能なリチウムイオン電池又はニッケル水素電池を使用することができる。
計測ステージMSTには、フィディシャルマーク又は基準板53の受光センサ53S、波面収差測定センサ54、露光量検出センサ55、又は空間像計測センサ(不図示)が設けられている。基準板53の受光センサ53S、波面収差測定センサ54又は露光量検出センサ55は、バッテリー130から電力が供給される。基準板53の受光センサ53S、波面収差測定センサ54又は露光量検出センサ55は、信号処理回路132に接続され、各センサからの出力が信号処理回路132で処理される。信号処理回路132は、ROMなどの記憶手段も備えており、バッテリー130から電源を受ける。
信号処理回路132に接続された計測信号発信部128は、赤外線等を用いたフォトカプラー又は微弱電波を使用した電波送受信機で構成され、二種類以上の周波数を用いたり、周波数変調を与えたりして、信号を重畳して送受信することができる。
一次側伝送部92の電力供給部102である一次コイルは、ウエハステージWSTの電力受給部104である二次コイル、及び計測ステージMSTの電力受給部103である二次コイルとに対して、非接触に電力を供給することができる。なお、計測ステージMSTには、モータなどの駆動手段がなく、受光センサ53S等のセンサ類及びその信号処理回路などしかないので、低電圧の電力で足りる。そのため、計測ステージMSTの電力受給部103である二次コイルの巻線は、ウエハステージWSTの電力受給部104である二次コイルの巻線よりも少なくてよい。
計測ステージMSTは、上述したようにバッテリー130を有している。基準板53、波面収差測定センサ54、露光量検出センサ55、又は空間像計測センサなどは、投影光学系PLの直下で測定される。そのため、ベース盤21の周辺に設けられた電力供給部102と計測ステージMSTの電力受給部103との間で、電力を伝送することはできない。また、移動アーム70等も、投影光学系PL、液体供給装置、液体回収装置などがあるため、投影光学系PLの直下の計測ステージMSTまで延ばすことができない。このため、投影光学系PLの直下において、波面収差測定センサ54等を動作させるために、バッテリー130を備えている。
また、計測信号受信部126と計測信号発信部128との送受信も、計測ステージMSTが投影光学系PLの直下にあるときに行われる。赤外線等を用いたフォトカプラー又は微弱電波を使用した電波送受信機は、距離が離れていても容易に送受信できる。もちろん、スループットに影響がなければ、計測ステージMSTがベース盤21の縁部に移動して計測信号受信部126と計測信号発信部128とが近接してから送受信してもよい。近接して送受信すれば、送受信のエラーが生じにくい。
ウエハステージWSTが第1識別部である識別子123を有し、計測ステージMSTが第2識別部である識別子124を有しているため、演算部150の処理を識別子123又は識別子124に応じて変更することができる。なお、本実施形態では、識別部を専用に設けたが、識別部を計測信号発信部と兼用し、計測信号に識別番号を含めて発信するようにしても構わない。
ウエハステージWST及び計測ステージMSTの動作について説明する。
ウエハステージWST上に保持されたウエハWの露光処理が終了すると、ウエハステージWSTはウエハWの交換のためにロード/アンロード位置に移動し、計測ステージMSTは各種計測のために投影光学系PLの直下に移動する。計測ステージMSTは、蓄えられたバッテリー130で露光量検出センサ55等の各種センサを駆動し、センサからの信号を信号処理回路132で処理して、計測信号発信部128から信号を送受信する。
ウエハステージWSTがロード/アンロード位置に移動すると、演算部150は、最初に、識別子123又は識別子124を有しているかを判断する。識別子123であることが確認されると、一次側伝送部92と二次側伝送部94との間で、電力の供給及び信号の送受信動作が行われる。そして、ウエハステージWSTに対するウエハWのアンロード、ロードが行われる。
ウエハステージWSTに対する電力の供給と信号の送受信動作、及び計測ステージMSTからの各種計測信号の送受信が終わると、ウエハステージWSTはロード/アンロード位置から投影光学系PLの直下に移動し、先ほど計測ステージMSTで計測された計測結果に基づいて露光動作に移行する。
一方、計測ステージMSTは、二次側伝送部95が一次側伝送部92と対向する位置に移動する。演算部150は、識別子123又は識別子124を有しているかを判断する。識別子124であることが確認されると、一次側伝送部92の電力供給部102と計測ステージMSTの二次側伝送部95の電力受給部103との間で、電圧が非接触に伝送される。これにより、バッテリー130が充電される。なお、この間に、計測信号受信部126と計測信号発信部128との間で露光量検出センサ55等の検出情報を送受信してもよい。
なお、計測ステージMSTのバッテリー130を充電する動作は、バッテリー130の充電具合に応じて変更することができる。すなわち、バッテリー130が充電されている場合には、計測ステージMSTは充電のための所定位置に移動する必要はなく、ウエハステージWSTが投影光学系PLの直下に移動してくるのに障害とならない位置に待避していればよい。
また、図8では、ベース盤21の一カ所に電力供給部102が設けられているが、図7で開示したように、複数の位置に電力供給部102を用意してもよい。
例えば、計測ステージMSTが計測位置にいる時に、二次側伝送部95と対向する位置に第二の一次側伝送部92(電力供給部102)を用意してもよい。また、一次側伝送部92の位置は、ベース盤21の端部に限られず、計測ステージMSTの上部、例えば投影光学系PLの近傍に設けても構わない。
次に、2つのステージ(ウエハステージWSTと計測ステージMST)の間で、非接触伝送部90により電力を非接触に伝送する場合について、図10を参照しながら説明する。
図10は、非接触伝送部90の他の構成を示すブロック図である。なお、図9と異なる箇所について説明し、同じ箇所は説明を省略する。
ウエハステージWSTに設けられた二次側伝送部94の電力受給部104には、全波整流回路(不図示)が接続され、さらにその下流には駆動モータ62等が接続される。更に、電力受給部104には、補助電力給電部105が接続されている。補助電力給電部105はコイル(3次コイル)で構成され、その巻線数は計測ステージMSTの要求電圧に応じて適宜決められる。補助電力給電部105のコイルは、E型コア又はポットコアが適用できる。そして、電力供給部102から電力受給部104を介して受給した電力は補助電力給電部105に送られる。
計測ステージMSTに設けられた二次側伝送部95は、図9の場合と同一構成であるが、電力受給部103の向きが異なっている。つまり、ウエハステージWSTの補助電力給電部105に接近して向かい合うことができるように配置されている。電力受給部103には、全波整流回路(不図示)が接続され、さらにバッテリー130が接続される。
このような構成により、電力供給部102であるコイルが1次側、ウエハステージWSTの電力受給部104であるコイルが2次側、ウエハステージWSTの補助電力給電部105であるコイルが3次側、及び計測ステージMSTの電力受給部103であるコイルが4次側となり、電力供給部102(一次コイル)と電力受給部104(二次コイル)との間、補助電力給電部105(三次コイル)と電力受給部103(四次コイル)との間で、非接触に電力の伝送が行われる。
ウエハステージWST及び計測ステージMSTの動作は、次のようになる。
ウエハステージWST上に保持されたウエハWの露光処理が終了すると、ウエハステージWSTはウエハWの交換のためにロード/アンロード位置に移動し、計測ステージMSTは各種計測のために投影光学系PLの直下に移動する。計測ステージMSTは、露光量検出センサ55等の各種センサを駆動し、センサからの信号を計測信号発信部128で送受信する。
ウエハステージWSTがロボットアーム72でウエハWのロード/アンロードを行っている最中に、計測ステージMSTによる計測を終了する。そして、計測ステージMSTは、ウエハステージWSTの側方に移動し、ウエハステージWSTの補助電力給電部105に電力受給部103とを対向させる。これにより、電力供給部102から電力受給部104及び補助電力給電部105を介して、電力受給部103に電力が伝送され、バッテリー130が充電される。
バッテリー130に充電及びウエハWのロードが終了すると、ウエハステージWST及び計測ステージMSTは、共に投影光学系PL方向に移動する。
なお、ウエハステージWSTと計測ステージMSTとの間で電力を非接触に伝送する場合に限らず、電気信号を非接触に伝送するようにしてもよい。
以上、露光装置のウエハステージを主な実施例として説明してきたが、露光装置のレチクルステージに適用してもよい。また、露光装置以外でも本発明を使用することができる。例えば、精度が要求される工作機械のステージなどにも本発明は有効である。
また、上述した実施の形態において示した動作手順、あるいは各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。本発明は、例えば以下のような変更をも含むものとする。
上述した各実施形態では、電力供給部及び受給部と、信号送信部及び受信部とを分けて構成したが、送受信する信号を変調して、電力供給部に重畳することにより、信号送信部及び受信部を省略した構成とすることもできる。
各実施形態の基板としては、半導体デバイス製造用の半導体ウエハのみならず、ディスプレイデバイス用のガラス基板や、薄膜磁気ヘッド用のセラミックウエハ、あるいは露光装置で用いられるマスクまたはレチクルの原版(合成石英、シリコンウエハ)等が適用される。
露光装置としては、マスクと基板とを同期移動してマスクのパターンを走査露光するステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置(スキャニングステッパ)の他に、マスクと基板とを静止した状態でマスクのパターンを一括露光し、基板を順次ステップ移動させるステップ・アンド・リピート方式の投影露光装置(ステッパ)にも適用することができる。
また、上述の実施形態においては、投影光学系と基板との間に局所的に液体を満たす露光装置を採用しているが、本発明は、特開平6−124873号公報、特開平10−303114号公報、米国特許第5,825,043号などに開示されているような露光対象の基板の表面全体が液体中に浸かっている状態で露光を行う液浸露光装置にも適用可能である。
露光装置の種類としては、基板に半導体素子パターンを露光する半導体素子製造用の露光装置に限られず、液晶表示素子製造用又はディスプレイ製造用の露光装置や、薄膜磁気ヘッド、撮像素子(CCD)あるいはレチクル又はマスクなどを製造するための露光装置などにも広く適用できる。
なお、上述の実施形態においては、光透過性の基板上に所定の遮光パターン(又は位相パターン・減光パターン)を形成した光透過型マスクを用いたが、このマスクに代えて、例えば米国特許第6,778,257号公報に開示されているように、露光すべきパターンの電子データに基づいて透過パターン又は反射パターン、あるいは発光パターンを形成する電子マスクを用いてもよい。
また、国際公開第2001/035168号パンフレットに開示されているように、干渉縞を基板上に形成することによって、基板上にライン・アンド・スペースパターンを露光する露光装置(リソグラフィシステム)にも本発明を適用することができる。
基板ステージやマスクステージにリニアモータ(USP5,623,853またはUSP5,528,118参照)を用いる場合は、エアベアリングを用いたエア浮上型およびローレンツ力またはリアクタンス力を用いた磁気浮上型のどちらを用いてもよい。また、各ステージは、ガイドに沿って移動するタイプでもよく、ガイドを設けないガイドレスタイプであってもよい。
各ステージの駆動機構としては、二次元に磁石を配置した磁石ユニットと、二次元にコイルを配置した電機子ユニットとを対向させ電磁力により各ステージを駆動する平面モータを用いてもよい。この場合、磁石ユニットと電機子ユニットとのいずれか一方をステージに接続し、磁石ユニットと電機子ユニットとの他方をステージの移動面側に設ければよい。
本実施形態の露光装置は、本願特許請求の範囲に挙げられた各構成要素を含む各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度、光学的精度を保つように、組み立てることで製造される。これら各種精度を確保するために、この組み立ての前後には、各種光学系については光学的精度を達成するための調整、各種機械系については機械的精度を達成するための調整、各種電気系については電気的精度を達成するための調整が行われる。各種サブシステムから露光装置への組み立て工程は、各種サブシステム相互の、機械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路の配管接続等が含まれる。この各種サブシステムから露光装置への組み立て工程の前に、各サブシステム個々の組み立て工程があることはいうまでもない。各種サブシステムの露光装置への組み立て工程が終了したら、総合調整が行われ、露光装置全体としての各種精度が確保される。なお、露光装置の製造は温度およびクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
半導体デバイス等のマイクロデバイスは、図11に示すように、マイクロデバイスの機能・性能設計を行うステップ201、この設計ステップに基づいたマスク(レチクル)を製作するステップ202、デバイスの基材である基板を製造するステップ203、前述した実施形態の露光装置EXによりマスクのパターンを基板に露光する露光処理ステップ204、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程を含む)205、検査ステップ206等を経て製造される。
本発明の実施形態による露光装置の概略構成を示す側面図である。 ステージ装置STの構成を示す斜視図である。 ウエハステージWSTを模式的に示す断面図である。 非接触伝送部90の構成を示すブロック図である。 ウエハステージWSTを模式的に示す断面図である。 非接触伝送部90の他の構成を示すブロック図である。 非接触伝送部90の配置を説明するための図である。 ウエハステージWST及び計測ステージMSTを模式的に示す図である。 非接触伝送部90の他の構成を示すブロック図である。 非接触伝送部90の他の構成を示すブロック図である。 半導体デバイスの製造工程の一例を示すフローチャート図である。
符号の説明
20…制御装置(制御部)
21…ベース盤
40…ウエハホルダ(戴置面)
53S…受光センサ(基準位置受光センサ)
54…波面収差測定センサ
55…露光量検出センサ
60…リフト機構(電動部)
68…位置検出センサ(検出部)
70…移動アーム
72,74…ロボットアーム(搬送アーム)
75…真空吸着装置(電動部)
76…真空ポンプ
92(92a,92b)…一次側伝送部(一次側伝送部)
94(94a,94b)…二次側伝送部(第一の二次側伝送部)
95…二次側伝送部(第二の二次側伝送部)
102…電力供給部
103…電力受給部(第三伝送部)
104,109…電力受給部
105…補助電力給電部(第三伝送部)
110…信号送信部(第一信号発信部)
112…信号受信部(第一信号受信部)
114…信号受信部(第二信号受信部)
116…検出信号発信部(第二信号発信部)
123…識別子(第一識別子)
124…識別子(第二識別子)
126…計測信号受信部
128…計測信号発信部
150…演算部(識別判断部)
EX…露光装置
MST…計測ステージ(移動ステージ、第二ステージ)
PA…パターン
R…レチクル(マスク)
ST…ステージ装置
W…ウエハ(板状部材、感光基板)
WST…ウエハステージ(移動ステージ、第一ステージ、基板ステージ)


Claims (16)

  1. 電動部を搭載した移動ステージを有するステージ装置であって、
    前記移動ステージに対して非接触状態で電力を供給する電力供給部と、
    前記移動ステージに設けられて前記電力供給部からの電力を受給すると共に前記電動部に対して受給した電力を伝送する電力受給部と、
    前記電動部を制御する制御部と、
    を備えることを特徴とするステージ装置。
  2. 前記移動ステージに対して非接触状態で前記移動ステージに向けて前記制御部からの信号を送信する第一信号発信部と、
    前記移動ステージに設けられて前記第一信号発信部からの信号を受信すると共に前記電動部に対して受信した信号を受信する第一信号受信部と、
    を備えることを特徴とする請求項1に記載のステージ装置。
  3. 前記電動部は、前記移動ステージの戴置面上に載置された板状部材を吸着保持するための負圧を供給する真空機構であることを特徴とする請求項2に記載のステージ装置。
  4. 前記移動ステージに設けられて前記電動部の駆動量を計測する検出部と、
    前記移動ステージに設けられて前記検出部からの信号を発信する第二信号発信部と、
    前記移動ステージとは非接触状態で前記第二信号発信部からの信号を受信する第二信号受信部と、を備え、
    前記制御部は、前記第二信号受信部からの信号に基づいて前記電動部を制御することを特徴とする請求項2に記載のステージ装置。
  5. 前記電動部は、前記移動ステージの戴置面上に載置された板状部材を前記載置面と交差する方向に移動させるリフト機構であり、
    前記検出部は、前記リフト機構による前記板状部材の移動量を検出することを特徴とする請求項4に記載のステージ装置。
  6. 前記移動ステージは、前記電動部を複数搭載し、
    前記電力供給部と前記電力受給部との間で複数の電力が重畳的に伝送されて、伝送された各電力は前記電動部にそれぞれ送られることを特徴とする請求項1に記載のステージ装置。
  7. 前記電力供給部は、前記移動ステージの移動範囲内の複数箇所に設けられることを特徴とする請求項1から請求項6のうちいずれか一項に記載のステージ装置。
  8. 前記電力受給部は、前記移動ステージの複数箇所に設けられることを特徴とする請求項1から請求項6のうちいずれか一項に記載のステージ装置。
  9. 前記電力供給部は、前記移動ステージに向けて移動する移動アームに設けられることを特徴とする請求項1から請求項8のうちいずれか一項に記載のステージ装置。
  10. 前記移動アームは、前記移動ステージの戴置面に向けて板状部材を搬送する搬送アームであることを特徴とする請求項9に記載のステージ装置。
  11. ベースと、前記ベース上に移動自在に載置された第一ステージ及び第二ステージと、を有するステージ装置であって、
    前記ベース側に設けられて前記第一ステージ又は前記第二ステージに対して電力の供給と電気信号の送受信を非接触に行う一次側伝送部と、
    前記第一ステージに設けられて前記一次側伝送部からの電力の受給と電気信号の送受信を行う第一の二次側伝送部と、
    前記第二ステージに設けられて前記一次側伝送部からの電力の受給と電気信号の送受信を行う第二の二次側伝送部と、
    を備えることを特徴とするステージ装置。
  12. 前記第一の二次側伝送部に接続されて前記第一ステージであることを示す第一識別部と、
    前記第二の二次側伝送部に接続されて前記第二ステージであることを示す第二識別部と、
    前記一次側伝送部に接続されて前記第一識別部と前記第二識別部とを識別する識別判断部と、
    前記識別判断部の判断結果に基づいて前記一次側伝送部にから供給する電力及び/又は送信する電気信号を制御する制御部と、
    を備えることを特徴とする請求項11に記載のステージ装置。
  13. 前記第一ステージは、感光基板を載置する基板ステージであり、
    前記第二ステージは、当該第二ステージの基準位置を示す基準位置受光センサ、前記感光基板上に投影される照射光の照射量若しくは照射むらを計測する露光量検出センサ、投影される空間像を計測する空間像計測センサ、又は投影される波面収差を計測する波面収差測定センサの少なくとも1つを搭載する計測ステージであることを特徴とする請求項11又は請求項12に記載のステージ装置。
  14. 前記第一ステージと前記第二ステージと間において、電力の供受給及び/又は電気信号の送受信を非接触で行う第三伝送部を備えることを特徴とする請求項11から請求項13のうちいずれか一項に記載のステージ装置。
  15. 感光基板を保持する基板ステージを有し、マスクに形成されたパターンを前記感光基板に露光する露光装置において、
    前記基板ステージとして、請求項1から請求項14のうちいずれか一項に記載のステージ装置を用いることを特徴とする露光装置。
  16. リソグラフィ工程を含むデバイスの製造方法において、前記リソグラフィ工程において請求項15に記載の露光装置を用いることを特徴とするデバイスの製造方法。



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