JP2007123244A - 円筒型アルカリ蓄電池 - Google Patents

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武 伊藤
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Abstract

【課題】高容量で、製造工程での不良率が低減している円筒型アルカリ蓄電池を提供する。
【解決手段】正極板と負極板をセパレータを介して巻回して成る電極群が、アルカリ電解液とともに円筒状の外装缶の中に封入されている、体積エネルギー密度が340Wh/L以上の円筒型アルカリ蓄電池であって、封入されている電極群の正極版における導電基板が、金属骨格部と空隙部から成る、目付け量が260g/m2以上の多孔質基板であり、
正極板の内周面側に位置する金属骨格部の断面における金属体の厚みをD1、正極板の外周面側に位置する金属骨格部の断面における金属体の厚みをD2としたとき、D1,D2は、 D1≦15μm,5μm≦D2,0μm<D1−D2<10μmを満足する値になっている円筒型アルカリ蓄電池。
【選択図】図1

Description

本発明は円筒型アルカリ蓄電池に関し、更に詳しくは、電池製造時における各工程での不良率を低減することができ、総合して良好な製造性と品質向上が実現されている高容量の円筒型アルカリ蓄電池に関する。
円筒型アルカリ蓄電池は、概ね、負極端子も兼ねる導電性の有底外装缶の中に、後述する電極群が所定のアルカリ電解液とともに収容され、そして有底外装缶の上部開口を正極端子が取り付けられた蓋で密封した構造になっている。
電極群は、正極板と負極板の間にセパレータを介装し、それら全体を、巻取り芯体を中心にして渦巻状に巻回したのち芯体を取り外し、所定の外径と高さを有する円筒体として製造される。
したがって、この電極群の断面を切断すると、正極板の外周面はセパレータを介して負極板の内周面と対向し、正極板の内周面は同じくセパレータを介して負極板の外周面と対向しており、そして電極群の最外周には負極板が位置して、この電極群を有底外装缶に収容したときに、当該負極板の外周面と有底外装缶の内壁面が接触できる構造になっている。
正極板は、導電性の基板に所定の正極活物質を主成分とする正極合剤を担持した構造になっている。そして、この正極板の容量は電池容量を決定する。
電池の高容量化のために、正極板としては、導電基板として多孔質基板を使用し、その空隙内に活物質を含む正極合剤のペーストを充填するタイプのものが主流となっている。他のタイプのものに比べて正極合剤の充填量が多くなり、正極板が高容量になるからである。
このような正極板は、概ね、次のようにして製造されている。
所定目付け量(単位:g/m2)の導電性多孔質基板を用意し、その空隙内に所定の活物質粒子と結着材と水を混合して成るスラリー状の正極合剤のぺーストを充填する。ついで全体を乾燥したのち例えばロール圧延して正極板が製造される。
この過程で、多孔質基板は圧縮されて緻密化し、そして圧縮された空隙内や基板表面に正極合剤が確保される。
最後に、全体を所定の寸法形状に整形して次の電極群の製造工程、すなわち巻回工程に移送される。
ここで、上記した多孔質基板は概ね次のようにして製造されている。
まず、例えばウレタン樹脂から成り、3次元網状構造を有する発泡樹脂を用意し、これに導電性の付与処理(無電解めっき等)と電解めっきを順次施して、発泡樹脂の骨格部の表面を例えば金属Ni層のような金属のめっき層で被覆する。ついで、全体を非酸化性雰囲気中で焼成する。
この焼成過程で、発泡樹脂の骨格部を構成していた樹脂は熱分解して揮散し、金属のめっき層は非酸化状態で当初あった発泡樹脂の骨格部の形態のままで残る。
すなわち、発泡樹脂の樹脂骨格部が金属骨格部に転化し、残りは空隙部になっている3次元網状構造の金属多孔質基板が製造される。
その場合、個々の金属骨格部の断面を観察すると、図1で示したように、樹脂骨格部であった箇所は中空部1になり、その周囲に厚みがDであるめっき層から成る環状金属体2が形成され、その外側に空隙部3が広がっている。
ところで、円筒型ニッケル水素蓄電池をはじめとする円筒型アルカリ蓄電池は、デジタルスチルカメラなど各種の電気・電子機器に内臓され、それら機器の駆動時間を左右する駆動源として使用されているが、最近、その高容量化・高性能化への要望が強まっている。
このような要望に対応するためには、電池容量を決定する正極容量を高めることが必要である。そして、正極容量を高めるためには、正極板に担持されている正極活物質を増量することが必要である。
具体的には、金属多孔質基板への正極合剤の充填密度を高めることや、金属多孔質基板として厚い基板を使用することが必要になってくる。
このような対応をとって製造された正極板の場合、正極合剤は高密度充填され、また全体としての厚みは厚くなっている。
しかしながら、このようにして製造された正極板は、電極群の製造時における前記した巻回工程で、正極板の部分的な折損や破断が起こりやすくなり、また金属多孔質基板における金属骨格部が折損して、それがセパレータを突き破って負極板と接触して両極板が短絡するという事態が起こりやすくなって、結局、電極群の不良率が増大する。
例えば、体積エネルギー密度が340Wh/L以上という高容量化を達成するために正極合剤の充填密度を高めた場合、その充填密度が2.95g/cm3を超えると、得られた正極板は硬くなり、巻回時に発生する折損や破断が大きくなり、短絡不良率の増加、正極板内における導電性や反応性の劣化、負極板との間隔のばらつき増加に基づく反応性の劣化による電池性能の劣化などの問題が発生する。
また、体積エネルギー密度が340Wh/L以上という高容量化を達成するために、正極板の厚みを厚くし、かつセパレータの厚みを薄くして電極群における正極活性物質の占有割合を大きくした場合、正極板の厚みが0.6mmを超え、かつセパレータの厚みが1.5mmより薄くなると、正極板と負極板やセパレータとの厚みの差が大きいことに基づき、巻回時に正極板に発生する折損や破断が大きくなって、短絡不良率の増加、正極板内における導電性や反応性の劣化、負極板との間隔のばらつき増加に基づく反応性の劣化による電池性能の劣化などの問題が発生してくる。
正極板の巻回時における強度を高めて上記した事態の発生を防止するために、正極板の製造時に、内周面に位置する箇所の金属量の方が、外周面に位置する箇所の金属量よりも多くした多孔質基板を用いることが提案されている(特許文献1〜3を参照)。
しかしながら、これらの先行技術を、体積エネルギー密度が340Wh/Lという高容量電池の製造に適用すると、巻回工程における短絡不良は低減するが、しかし、今度は、初期活性化のための充放電工程で、短絡不良が増加するという問題が生じてくる。
体積エネルギー密度が340Wh/L以上という高容量電池の製造時に発生する上記した先行技術における充放電工程での短絡不良の増加という問題は、以下の理由で起こるものと考えられる。
電池の高容量化のためには、外装缶内における電極群の占有体積を大きくすることが必要になる。そのため、充放電時における正極板の外側への膨張量も大きくなるが、内側への膨張量も大きくなる。
そして、前記したように、電極群の芯部には巻取り芯体を除去した後の空間が存在し、これは電極群を外装缶に挿入した後にあっても余剰空間として存在しているので、上記した正極板の内側への膨張は起こりやすくなる。そのため、正極板における多孔質基板の内周面側に位置する金属骨格部がセパレータを突き破り、負極板と短絡するものと考えられる。
特開昭62−139256号公報 特開昭63−81767号公報 特開2005−56号公報
本発明は、体積エネルギー密度が340Wh/L以上という高容量の円筒型アルカリ蓄電池における上記した問題を解決し、電極群の製造時における短絡不良が低減すると同時に初期活性化時の充放電工程においても短絡不良が低減していて、体積エネルギー密度が340Wh/L以上である高容量の円筒型アルカリ蓄電池の提供を目的とする。
上記した目的を達成するために、本発明においては、正極板と負極板をセパレータを介して巻回して成る電極群が、アルカリ電解液とともに円筒状の外装缶の中に封入されている、体積エネルギー密度が340Wh/L以上の円筒型アルカリ蓄電池であって、
封入されている前記電極群の前記正極板における導電基板が、金属骨格部と空隙部から成る、目付け量が260g/m2以上の多孔質基板であり、
前記正極板の内周面側に位置する前記金属骨格部の断面における金属体の厚みをD1、前記正極板の外周面側に位置する前記金属骨格部の断面における金属体の厚みをD2としたとき、D1,D2は、
1≦15μm,5μm≦D2,0μm<D1−D2<10μm
を満足する値になっていることを特徴とする円筒型アルカリ蓄電池が提供される。
その場合、前記正極板が、3次元網状構造の金属多孔質基板と前記金属多孔質基板に充填された水酸化ニッケルを主成分とする正極合剤とから成り、かつ前記正極合剤の充填密度が2.95g/cm以上であることを好適とし、
更には、前記正極板の厚みが0.6mm以上であり、かつ前記セパレータの厚みが0.15mm以下であることを好適とする。
本発明の円筒型アルカリ蓄電池は、そこに封入されている電極群の正極板を構成する、金属骨格部と空隙部から成る多孔質基板において、正極板の厚みやセパレータの厚み、基板の目付け量、内周面側と外周面側にそれぞれ位置する金属骨格部における金属体の厚みが上記したように規定されているので、正極板の製造工程、電極群の製造時における巻回工程、組立てた蓄電池の初期活性化時の充放電工程などにおける折損・短絡などに基づく不良率が低減する。
そのため、本発明によれば、体積エネルギー密度が340Wh/L以上の高容量蓄電池を安定して歩留まり良く製造することができる。
本発明の円筒型アルカリ蓄電池は、体積エネルギー密度が340Wh/L以上の高容量電池である。この電池に収容されている電極群は、正極板と負極板をセパレータを介して渦巻状に巻回したものであり、正極板の導電基板には、例えば発泡樹脂から前記したようにして製造された多孔質基板が使用されている。
なお、ここで、体積エネルギー密度(単位:Wh/L)とは、組立てた蓄電池のIEC容量(mAh)に1.2(V)を乗算した値を、組込まれている電極群の全高と外径から算出される円柱体積(L)で除算した値のことをいう。蓄電池の外形が同一であるとすれば、この値が大きい蓄電池ほど高容量であることを示す。
本発明の蓄電池は、収容されている電極群において、この多孔質基板が後述する状態になっていることを特徴とする。それを以下に説明する。
例えば発泡樹脂から製造された直後の多孔質基板における個々の金属骨格部の断面は図1で示したような形状になっていて、多孔質基板は、全体として3次元網状構造になっている。そして、正極板の製造時には、正極合剤のペーストが空隙部3に充填されたのち全体が例えばロール圧延される。
このロール圧延の過程で、中心に中空部1を有する金属骨格部は圧縮され、中心の中空部1は押しつぶされて全体が高密度化する。しかしこの過程で、めっき層である金属体2の厚みDは変化しない。
したがって、製造された正極板は、3次元網状構造の多孔質基板とその空隙部に充填された正極合剤とから成っている。そして、この多孔質基板の目付け量が260g/m2以上になっているのである。
この時点で目付け量が260g/m2より小さくとなるような多孔質基板は、その製造直後では全体として低強度であるため、正極板の製造工程で破断、折損などを起こして正極板の不良率を高めるので、本発明では、正極板として製造された時点における多孔質基板の目付け量を260g/m2以上と規定したのである。
本発明では、正極板の一部として巻回されている多孔質基板における金属骨格部の金属体2の厚みが、多孔質基板の厚み方向で異なっている。すなわち、負極板の外周面とセパレータを介して対向している多孔質基板の内周面側に位置する金属骨格部の金属体の厚みをD1(μm)とし、負極板の内周面とセパレータを介して対向している多孔質基板の外周面側に位置する金属骨格部の金属体の厚みをD2(μm)としたとき、D1とD2は、
1≦15μm,5μm≦D2,0μm<D1−D2<10μm
の関係を同時に満たしている。
ここで、D1が15μmより大きい金属骨格部になっていると、巻回工程における短絡不良率は低減するが、初期活性化時の充放電工程における短絡不良が増加する。
また、D2が5μmより小さい金属骨格部になる多孔質基板の場合には、多孔質基板の強度不足により、正極板の製造工程で破断・破損などの不良が増加する。
また、D2がD1以上である金属骨格部になっている多孔質基板を用いると、巻回工程で短絡不良が増加し、そして、D1−D2が10μm以上になっている金属骨格部を有する多孔質基板を用いると、初期活性化時期の充放電工程で不良率が大きくなるか、または、正極板の製造工程時における不良率が大きくなる。
1,D2の値は、例えば発泡樹脂に電解めっきを行ってその樹脂骨格部にめっき層を形成する場合、シートの両面から電解めっきを行い、そのときのめっき条件をそれぞれの面に対して変化させることにより、めっき層の厚みを変化させて実現することができる。
また、本発明における正極板では、導電基板として上記した金属多孔質基板を用いているので、正極合剤の充填密度を2.95g/cm以上と高くして高容量の正極板を製造しても、それを用いた電極群の製造時における短絡不良率は増加せず、また初期活性化時の充放電工程における不良率を高めることなく、体積エネルギー密度が340Wh/L以上である高容量の円筒型蓄電池を高い歩留まりで製造することができる。
また、本発明における正極板を用いることにより、正極板の厚みを0.6mm以上、かつセパレータの厚みを1.5mm以下にして電極群における正極活物質の占有割合が高い高容量電極群を製造しても、その電極群の製造時に正極板の折損や破断は起こらないので、短絡不良率を高めることなく、体積エネルギー密度が340Wh/L以上である高容量の円筒型蓄電池を高い歩留まりで製造することができる。
1.正極板、負極板の製造
発泡ウレタンシートから製造される多孔質シートであって、金属骨格部における金属体の厚みがシートの厚み方向で異なっており、それぞれのシート表面で測定される金属骨格部における金属体の厚みD1およびD2が、表1の示す通りとなる7種類の多孔質シートをそれぞれ100枚用意した。
一方、水酸化ニッケル粒子を芯材とし、その表面が含Na高次Co化合物層で被覆されている粒子と水酸化コバルトから成る活物質粉末100質量部に対し、濃度0.2%のヒドロキシプロピルセルロース水溶液40質量部、60%PFFEディスパージョン1質量部を混合・撹拌して正極合剤のスラリを調製した。
このスラリの所定量を各多孔質シートに充填したのち乾燥し、更にロール圧延して厚み0.9mmのシートにした。そして最後に、このシートを所定寸法に切断して、7種類の正極板にした。得られた各正極板につき、切損や破断の有無を観察し、不良率を算出した。
一方、組成がMmNi3.4Co0.8Al0.2Mn0.6(Mmはミッシュメタル)となるように各成分を坪量したのち混合し、混合物を高周波溶解炉で溶解したのち、溶湯を鋳型に注入し、冷却して水素吸蔵合金のインゴットにした。このインゴットを予め粗粉砕したのち、Ar雰囲気中で機械粉砕して、平均粒径50μm程度の粉末にした。
この粉末100質量部に対し、ポリエチレンオキサイド(結着材)1質量部、水15質量部を添加・混合して負極合剤のスラリを調製した。
このスラリをパンチングNiメタルの両面に塗着し、乾燥、圧延を行い、更に所定寸法に切断して負極板にした。
2.電池の組立て
各正極板の良品と上記した負極板の間に、表1で示した厚みのポリプロピレン製不織布から成るセパレータを介装して渦巻状に巻回して7種類の電極群をそれぞれ100組製造した。このとき、多孔質シートの金属骨格部の断面における金属体の厚みがD1となる側のシート表面が正極板の内周面側に位置し、かつ金属骨格部の断面における金属体の厚みがD2となる側のシート表面が正極板の外周面に位置するように巻回して電極群にした。
得られた電極群につき、極板間の短絡の有無を調べ、巻回工程における短絡不良率を算出した。
電極群をそれぞれ外装缶に挿入し、正極集電リードを封口体に溶接したのち、LiOH1N,NaOH1N,KOH1Nから成るアルカリ電解液7Nを注液し、外装缶にカシメ加工を行って封口し、実施例1および比較例1〜6の円筒型ニッケル水素蓄電池を組立てた。
これら電池の容量と体積エネルギー密度を表1に示した。
なお、内周面側と外周面側の金属骨格部における金属体の厚みD1とD2は正極合剤のスラリを充填する前の多孔質シートで測定した。正極板の厚み、目付け量は、極板間の短絡を調べた電極群、解体して正極板を取り出し、更に正極板に充填されている活物質等を除去して多孔質基板を取り出して測定した。同時に、活物質の充填密度を算出した。
3.初期活性化の充放電
実施例1および比較例1〜6の円筒型ニッケル水素蓄電池に対し、初期活性化のための放充電を下記の条件で3サイクル繰り返し、短絡の有無を調べた。また、3サイクル目の放電容量を各蓄電池の容量とした。
測定条件
充電:0.1C×16h、休止:1h、放電:1/5C(E.V.=1.0V)
周囲温度:25℃
以上の結果を一括して表1に示す。
Figure 2007123244
表1から次のことが明らかである。
(1)比較例3から明らかなように、組み立てられた電池において、封入されている電極群の多孔質基板として、D1値が4μmと5μmより薄くなる多孔質基板を用いると、当該基板の強度不足により折損などが多発して、正極板の製造工程時における不良率が15%と高くなる。また比較例5から明らかなように、封入後における目付け量が260g/m2より小さくなる多孔質基板を用いても、やはり強度不足により、正極板の製造工程時における不良率は10%と高くなる。
このようなことから、正極板の製造工程時における不良率を低減するためには、封入後の目付け量が260g/m2以上、D1値が5μm以上となるような多孔質基板を用いるべきであることがわかる。
(2)比較例2から明らかなように、封入後におけるD2値が16μmと15μmより厚くなる多孔質基板を用いると、充放電工程時における短絡不良率が高くなる。したがって、封入後におけるD2値が15μm以下となるような多孔質基板を用いるべきであることがわかる。
(3)比較例4から明らかなように、封入後においてD1−D2=0μmになるような多孔質板、すなわち、内周面と外周面における金属体の厚みが同じになるような多孔質基板を用いると、巻回工程時における短絡不良率が高くなる。
また、封入後においてD1−D2が10μmになるような多孔質基板の場合、D1値が15μm以上でD2が5μm以上になっているか、または、D1値が15μm以下でD2が5μm以下のいずれかになっているので、前者の場合は充放電工程時の不良率が高くなり、後者の場合は正極板の製造工程時における不良率が高くなる。
このようなことから、封入後におけるD1−D2が0μm<D1−D2<10μmとなるような多孔質基板を用いるべきであることがわかる。
(4)封入されている多孔質基板が同じである実施例1と比較例1を対比して次のことが明らかである。
体積エネルギー密度340Wh/Lを実現すべく、正極合剤の充填密度を2.95g/cmと比較例1の2.60g/cmに比べて大幅に増量させた実施例1は、本来であれば、正極板の折損や破断が大きくなって不良率が増大するものと考えられるが、しかし不良率は充填密度が低い比較例1と同等の水準にある。
これは、本発明で規定した多孔質基板が不良率を高めることなく正極合剤の高密度充填を可能にすることを示すものである。
(5)正極合剤の充填密度と封入する多孔質基板が同じである実施例1と比較例7を対比して次のことが明らかである。
電極群における活物質の占有割合を高めて体積エネルギー密度340Wh/Lを実現すべく、正極板を厚くし、かつセパレータを薄くした実施例1は、本来であれば、正極板の折損や破断が大きくなって不良率が増大するものと考えられるが、しかし実際は正極板が薄く、かつセパレータが厚いため体積エネルギー密度が317Wh/Lと低い水準にある比較例1に比べても、遜色のない低い不良率が確保されている。
これは、本発明で規定する多孔質基板を用いることにより、活物質の占有割合が高い電極群を製造することが可能であり、その結果として、体積エネルギー密度が340Wh/L以上である高容量の円筒型アルカリ蓄電池を低い不良率で製造できることを示している。
本発明の円筒型アルカリ蓄電池の場合、蓄電池内に封入されている正極板における内周面側と外周面側の金属骨格部の厚みとを所定の関係を満たすように規定しているので、正極板の製造工程、電極群の製造工程、充放電工程のいずれにおいても不良率が低減した高容量蓄電池になっている。
本発明で用いる多孔質基板の金属骨格部の断面を示す断面図である。
符号の説明
1 中空部
2 金属骨格部を構成する金属体
3 空隙部
4 金属体の厚み

Claims (3)

  1. 正極板と負極板をセパレータを介して巻回して成る電極群が、アルカリ電解液とともに円筒状の外装缶の中に封入されている、体積エネルギー密度が340Wh/L以上の円筒型アルカリ蓄電池であって、
    封入されている前記電極群の前記正極版における導電基板が、金属骨格部と空隙部から成る、目付け量が260g/m2以上の多孔質基板であり、
    前記正極板の内周面側に位置する前記金属骨格部の断面における金属体の厚みをD1、前記正極板の外周面側に位置する前記金属骨格部の断面における金属体の厚みをD2としたとき、D1,D2は、
    1≦15μm,5μm≦D2,0μm<D1−D2<10μm
    を満足する値になっていることを特徴とする円筒型アルカリ蓄電池。
  2. 前記正極板が、3次元網状構造の金属多孔質基板と前記金属多孔質基板に充填された水酸化ニッケルを主成分とする正極合剤とから成り、かつ前記正極合剤の充填密度が2.95g/cm以上である請求項1の円筒型アルカリ蓄電池。
  3. 前記正極板の厚みが0.6mm以上であり、かつ前記セパレータの厚みが0.15mm以下である請求項1または2の円筒型アルカリ蓄電池。
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