JP2007123138A - 極端紫外光光源装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】プラズマの加熱状態を維持できる電流波形を発生することができる高電圧パルス発生部を備えた極端紫外光光源装置を提供すること。
【解決手段】高電圧パルス発生部20の負荷Lとして極端紫外光光源装置の一対の主放電電極が接続される。固体スイッチSWをonとし、磁気スイッチSR2を介してコンデンサC21、C22、C23を充電する。ついで磁気スイッチSR3がONとなりコンデンサC21〜C23の電荷はそれぞれコイルL1〜L3及び負荷を介して放電する。コイルL1〜L3とコンデンサC21〜C23の各直列回路のパラメータを異ならせておけば、負荷Lに流れる電流波形は変極点(折曲点)を有する波形となる。したがって、この変極点で電流を増大させ、プラズマがピンチされた状態で電流を増大させるようにすれば、プラズマの加熱状態を維持して、EUV光の出力エネルギーを大きくすることができる。
【選択図】図1
【解決手段】高電圧パルス発生部20の負荷Lとして極端紫外光光源装置の一対の主放電電極が接続される。固体スイッチSWをonとし、磁気スイッチSR2を介してコンデンサC21、C22、C23を充電する。ついで磁気スイッチSR3がONとなりコンデンサC21〜C23の電荷はそれぞれコイルL1〜L3及び負荷を介して放電する。コイルL1〜L3とコンデンサC21〜C23の各直列回路のパラメータを異ならせておけば、負荷Lに流れる電流波形は変極点(折曲点)を有する波形となる。したがって、この変極点で電流を増大させ、プラズマがピンチされた状態で電流を増大させるようにすれば、プラズマの加熱状態を維持して、EUV光の出力エネルギーを大きくすることができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、半導体露光用光源として使用される波長13.5nmのEUV(ExtremeUltraViolet:極端紫外)光を放出する極端紫外光光源装置に関する。
半導体集積回路の微細化、高集積化につれて、その製造用の投影露光装置においては解像力の向上が要請されている。その要請に応えるため、露光用光源の短波長化が進められ、エキシマレーザ装置に続く次世代の半導体露光用光源として、波長13.5nmのEUV(Extreme Ultra−Violet:極端紫外)光を放出する極端紫外光光源装置(以下、EUV光源装置ともいう)が開発されている。
EUV光源装置において、EUV光を発生させる方法はいくつか知られているが、そのうちの一つにEUV放射種の加熱・励起により高密度高温プラズマを発生させ、このプラズマから放射されるEUV光を取り出す方法がある。
このような方法を採用するEUV光源装置は、高密度高温プラズマの生成方式により、LPP(Laser Produced Plasma:レーザ生成プラズマ)方式EUV光源装置とDPP(Discharge Produced Plasma:放電生成プラズマ)方式EUV光源装置とに大きく分けられる(例えば非特許文献1参照)。
EUV光源装置において、EUV光を発生させる方法はいくつか知られているが、そのうちの一つにEUV放射種の加熱・励起により高密度高温プラズマを発生させ、このプラズマから放射されるEUV光を取り出す方法がある。
このような方法を採用するEUV光源装置は、高密度高温プラズマの生成方式により、LPP(Laser Produced Plasma:レーザ生成プラズマ)方式EUV光源装置とDPP(Discharge Produced Plasma:放電生成プラズマ)方式EUV光源装置とに大きく分けられる(例えば非特許文献1参照)。
LPP方式EUV光源装置は、固体、液体、気体等のターゲットをパルスレーザで照射して発生する高密度高温プラズマからのEUV放射光を利用するものである。
一方、DPP方式EUV光源装置は、電流駆動によって生成した高密度高温プラズマからのEUV放射光を利用するものである。DPP方式EUV光源における放電方式には、非特許文献1に記載されているように、Zピンチ方式、キャピラリー放電方式、プラズマフォーカス方式、ホローカソードトリガーZピンチ方式等がある。DPP方式EUV光源は、LPP方式EUV光源と比較して、光源装置の小型化、光源システムの消費電力が小さく、かつ安価といった利点あり、実用化への期待も大きい。
上記した両方式のEUV光源装置において、波長13.5nmのEUV光を放出する放射種、すなわち、高密度高温プラズマ用原料としては、例えば、現在10価前後のXe(キセノン)イオンとSn(錫)イオン、Liイオン等が有望と考えられている。
一方、DPP方式EUV光源装置は、電流駆動によって生成した高密度高温プラズマからのEUV放射光を利用するものである。DPP方式EUV光源における放電方式には、非特許文献1に記載されているように、Zピンチ方式、キャピラリー放電方式、プラズマフォーカス方式、ホローカソードトリガーZピンチ方式等がある。DPP方式EUV光源は、LPP方式EUV光源と比較して、光源装置の小型化、光源システムの消費電力が小さく、かつ安価といった利点あり、実用化への期待も大きい。
上記した両方式のEUV光源装置において、波長13.5nmのEUV光を放出する放射種、すなわち、高密度高温プラズマ用原料としては、例えば、現在10価前後のXe(キセノン)イオンとSn(錫)イオン、Liイオン等が有望と考えられている。
図9に上記DPP方式EUV光源装置の構成例を示す。DPP方式EUV光源装置は以下のように構成されている。
(1)ガス供給・排気系統
放電容器であるチャンバ1内に、ガス供給・排気ユニット11よりガス導入口4を介して放電用ガスが導入される。
放電用ガスは、チャンバ1内の高密度高温プラズマ発生部2で波長13.5nmのEUV光を放出する放射種を形成するための原料ガスであり、例えば、キセノン(Xe)である。導入された放電用ガスはチャンバ1内を流れてガス排出口7に到達する。
ガス供給・排気ユニット11は、真空ポンプ等のガス排気手段(不図示)を有しており、ガス排気手段は、チャンバ1のガス排出口7と接続されている。すなわちガス排出口7に到達した放電用ガスは、ガス排気・供給ユニット11が具えるガス排気手段により排気される。
ここで、高温高密度プラズマ発生部の圧力は1〜20Paに調節される。この圧力調節は、例えば、以下のように行われる。まず、メインコントローラ30がチャンバ1に備えられた不図示の圧力モニタより出力される圧力データを受信する。メインコントローラ30は受信した圧力データに基づき、ガス・供給排気ユニット11を制御して、チャンバ1内へのXeガスの供給量ならびに排気量を調節することにより、高温高密度プラズマ発生部2の圧力を所定の圧力に調節する。
(1)ガス供給・排気系統
放電容器であるチャンバ1内に、ガス供給・排気ユニット11よりガス導入口4を介して放電用ガスが導入される。
放電用ガスは、チャンバ1内の高密度高温プラズマ発生部2で波長13.5nmのEUV光を放出する放射種を形成するための原料ガスであり、例えば、キセノン(Xe)である。導入された放電用ガスはチャンバ1内を流れてガス排出口7に到達する。
ガス供給・排気ユニット11は、真空ポンプ等のガス排気手段(不図示)を有しており、ガス排気手段は、チャンバ1のガス排出口7と接続されている。すなわちガス排出口7に到達した放電用ガスは、ガス排気・供給ユニット11が具えるガス排気手段により排気される。
ここで、高温高密度プラズマ発生部の圧力は1〜20Paに調節される。この圧力調節は、例えば、以下のように行われる。まず、メインコントローラ30がチャンバ1に備えられた不図示の圧力モニタより出力される圧力データを受信する。メインコントローラ30は受信した圧力データに基づき、ガス・供給排気ユニット11を制御して、チャンバ1内へのXeガスの供給量ならびに排気量を調節することにより、高温高密度プラズマ発生部2の圧力を所定の圧力に調節する。
(2)電極部
チャンバ内にはリング状の第1の主放電電極(カソード)3aと第2の主放電電極(アノード)3bとが絶縁材3cを介して配置される。チャンバ1は導電材で形成された第1の主放電電極3a側の第1の容器1aと、同じく導電材で形成された第2の主放電電極3b側の第2の容器1bから構成される。これらの第1の容器1aと第2の容器1bとは、上記絶縁材3cにより分離、絶縁されている。
チャンバ1の上記第2の容器1bと第2の主放電電極3bは接地され、上記第1の容器1aと第1の主放電電極3aには、高電圧パルス発生部20からおよそ−5kV〜−20kVの電圧が印加される。その結果、リング状の第1、第2の各主放電電極3a,3b間の高温高密度プラズマ発生部2には、高温高密度のプラズマ放電が発生し、このプラズマから波長13.5nmのEUV光が放射される。
放射されたEUV光は、第2の主放電電極3b側に設けられたEUV集光鏡5により反射され、EUV光取出部6を介して、図示しない照射部に出射される。
チャンバ内にはリング状の第1の主放電電極(カソード)3aと第2の主放電電極(アノード)3bとが絶縁材3cを介して配置される。チャンバ1は導電材で形成された第1の主放電電極3a側の第1の容器1aと、同じく導電材で形成された第2の主放電電極3b側の第2の容器1bから構成される。これらの第1の容器1aと第2の容器1bとは、上記絶縁材3cにより分離、絶縁されている。
チャンバ1の上記第2の容器1bと第2の主放電電極3bは接地され、上記第1の容器1aと第1の主放電電極3aには、高電圧パルス発生部20からおよそ−5kV〜−20kVの電圧が印加される。その結果、リング状の第1、第2の各主放電電極3a,3b間の高温高密度プラズマ発生部2には、高温高密度のプラズマ放電が発生し、このプラズマから波長13.5nmのEUV光が放射される。
放射されたEUV光は、第2の主放電電極3b側に設けられたEUV集光鏡5により反射され、EUV光取出部6を介して、図示しない照射部に出射される。
(3)高電圧パルス発生部
図9に示すように、高電圧パルス発生部20は、可飽和リアクトルからなる2個の磁気スイッチSR2、SR3を用いた2段の磁気パルス圧縮回路を有する。コンデンサC1、第1の磁気スイッチSR2、コンデンサC2、第2の磁気スイッチSR3により2段の磁気パルス圧縮回路を構成している。
磁気スイッチSR1はIGBT等の半導体スイッチング素子である固体スイッチSWでのスイッチングロスの低減用のものであり、磁気アシストとも呼ばれる。
図9に示すように、高電圧パルス発生部20は、可飽和リアクトルからなる2個の磁気スイッチSR2、SR3を用いた2段の磁気パルス圧縮回路を有する。コンデンサC1、第1の磁気スイッチSR2、コンデンサC2、第2の磁気スイッチSR3により2段の磁気パルス圧縮回路を構成している。
磁気スイッチSR1はIGBT等の半導体スイッチング素子である固体スイッチSWでのスイッチングロスの低減用のものであり、磁気アシストとも呼ばれる。
(4)高電圧パルス発生部の回路構成及びEUV光の発生動作
図9に従って回路の構成と動作を以下に説明する。まず、高電圧電源CHの電圧が所定の値Vinに調整され、主コンデンサC0が充電される。このとき、固体スイッチSWはoffになっている。
主コンデンサC0の充電が完了し、固体スイッチSWがonとなったとき、固体スイッチSW両端にかかる電圧は主に磁気スイッチSR1の両端にかかる。磁気スイッチSR1の両端にかかる主コンデンサC0の充電電圧V0の時間積分値が磁気スイッチSR1の特性で決まる限界値に達すると、磁気スイッチSR1が飽和して磁気スイッチが入り、主コンデンサC0、磁気スイッチSR1、昇圧トランスTr2の1次側、昇圧トランスTr1の1次側、固体スイッチSWのループに電流が流れる。同時に、昇圧トランスTr1の2次側、コンデンサC1のループに電流が流れ、主コンデンサC0に蓄えられた電荷が移行してコンデンサC1に充電される。また、昇圧トランスTr2の2次側に電圧が発生する。
図9に従って回路の構成と動作を以下に説明する。まず、高電圧電源CHの電圧が所定の値Vinに調整され、主コンデンサC0が充電される。このとき、固体スイッチSWはoffになっている。
主コンデンサC0の充電が完了し、固体スイッチSWがonとなったとき、固体スイッチSW両端にかかる電圧は主に磁気スイッチSR1の両端にかかる。磁気スイッチSR1の両端にかかる主コンデンサC0の充電電圧V0の時間積分値が磁気スイッチSR1の特性で決まる限界値に達すると、磁気スイッチSR1が飽和して磁気スイッチが入り、主コンデンサC0、磁気スイッチSR1、昇圧トランスTr2の1次側、昇圧トランスTr1の1次側、固体スイッチSWのループに電流が流れる。同時に、昇圧トランスTr1の2次側、コンデンサC1のループに電流が流れ、主コンデンサC0に蓄えられた電荷が移行してコンデンサC1に充電される。また、昇圧トランスTr2の2次側に電圧が発生する。
この後、コンデンサC1における電圧V1の時間積分値が磁気スイッチSR2の特性で決まる限界値に達すると、磁気スイッチSR2が飽和して磁気スイッチが入り、コンデンサC1、磁気スイッチSR2、コンデンサC2のループに電流が流れ、コンデンサC1に蓄えられた電荷が移行してコンデンサC2に充電される。
さらにこの後、コンデンサC2における電圧V2の時間積分値が磁気スイッチSR3の特性で決まる限界値に達すると、磁気スイッチSR3が飽和して磁気スイッチが入り、第1の主放電電極3a、第2の主放電電極3b間に高電圧パルスが印加される。
第1の主放電電極3a、第2の主放電電極3b間に高電圧パルスが印加されると、絶縁材3c表面に沿面放電(creeping discharge)が発生して第1の主放電電極、第2の主放電電極間は実質、短絡状態になり第1の主放電電極3a、第2の主放電電極3b間にパルス状の大電流が流れる。
その後、ピンチ効果によるジュール加熱によって高密度高温プラズマ発生部2において高密度高温プラズマが発生し、このプラズマから波長13.5nmのEUV光が放射される。
さらにこの後、コンデンサC2における電圧V2の時間積分値が磁気スイッチSR3の特性で決まる限界値に達すると、磁気スイッチSR3が飽和して磁気スイッチが入り、第1の主放電電極3a、第2の主放電電極3b間に高電圧パルスが印加される。
第1の主放電電極3a、第2の主放電電極3b間に高電圧パルスが印加されると、絶縁材3c表面に沿面放電(creeping discharge)が発生して第1の主放電電極、第2の主放電電極間は実質、短絡状態になり第1の主放電電極3a、第2の主放電電極3b間にパルス状の大電流が流れる。
その後、ピンチ効果によるジュール加熱によって高密度高温プラズマ発生部2において高密度高温プラズマが発生し、このプラズマから波長13.5nmのEUV光が放射される。
このような放電動作が固体スイッチSWのスイッチング動作、高電圧電源動作によって繰り返し行なわれることにより、所定の繰り返し周波数でのEUV放射が行われる。
具体的数値例を示せば、第1の主放電電極、第2の主放電電極間に−5kV〜−20kVの放電電圧が印加され、約10J/pulseのエネルギーが数kHzの周波数で第1の主放電電極、第2の主放電電極間に与えられる。従って、第1の主放電電極3a、第2の主放電電極3b間には数十kWのエネルギーが入力される。
ここで、磁気スイッチSR2、SR3及びコンデンサC1、C2で構成される各段の容量移行型回路のインダクタンスを後段に行くにつれて小さくなるように設定することにより、各段を流れる電流パルスのパルス幅が順次狭くなるようなパルス圧縮動作が行われ、第1の主放電電極3a、第2の主放電電極3b間に短パルスの強い放電が実現され、プラズマへの入力エネルギーも大きくなる。
具体的数値例を示せば、第1の主放電電極、第2の主放電電極間に−5kV〜−20kVの放電電圧が印加され、約10J/pulseのエネルギーが数kHzの周波数で第1の主放電電極、第2の主放電電極間に与えられる。従って、第1の主放電電極3a、第2の主放電電極3b間には数十kWのエネルギーが入力される。
ここで、磁気スイッチSR2、SR3及びコンデンサC1、C2で構成される各段の容量移行型回路のインダクタンスを後段に行くにつれて小さくなるように設定することにより、各段を流れる電流パルスのパルス幅が順次狭くなるようなパルス圧縮動作が行われ、第1の主放電電極3a、第2の主放電電極3b間に短パルスの強い放電が実現され、プラズマへの入力エネルギーも大きくなる。
(5)予備電離
上記したように、高温高密度プラズマ発生部2の圧力は1〜20Paに調節される。このような低い圧力下においては、電極構造によっては放電が発生し難くなり、結果としてEUV光の出力が不安定となる場合もある。
放電が発生し難い状況下で、安定した放電を生じさせるには、予備電離を行うことが望ましい。
図9には、第1の容器1aに予備電離ユニット8が設けられている。予備電離ユニット8は、円筒形状の導電性材料からなる第1の予備電離部材8aと、円筒形状の絶縁性材料からなり第1の予備電離部材8aを囲むように配置されている第2の予備電離部材8bとから構成される。ここで、第1の予備電離部材8aの先端周縁部には段差部8cが設けられている。
上記したように、高温高密度プラズマ発生部2の圧力は1〜20Paに調節される。このような低い圧力下においては、電極構造によっては放電が発生し難くなり、結果としてEUV光の出力が不安定となる場合もある。
放電が発生し難い状況下で、安定した放電を生じさせるには、予備電離を行うことが望ましい。
図9には、第1の容器1aに予備電離ユニット8が設けられている。予備電離ユニット8は、円筒形状の導電性材料からなる第1の予備電離部材8aと、円筒形状の絶縁性材料からなり第1の予備電離部材8aを囲むように配置されている第2の予備電離部材8bとから構成される。ここで、第1の予備電離部材8aの先端周縁部には段差部8cが設けられている。
予備電離ユニット8は、高密度高温プラズマ発生部2に存在する放電用ガスを効果的に予備電離するように、高密度高温プラズマ発生部2の上方、かつ、同軸上に配置されている。このような配置により、予備電離ユニット8の第2の予備電離部材8bは第1の予備電離部材8aに設けられた段差部8cにより保持される。
導電性の第1の予備電離部材8aは、高電圧パルス発生部2に含まれる昇圧トランスTr2の2次側の一端部と接続される。なお、昇圧トランスTr2の2次側の他端部は、第1の容器1aと接続される。
昇圧トランスTr2の2次側から電圧パルスが第1の予備電離部材8aとチャンバ1の第1の容器1aとの間に印加されると、図9に示すように、第1の予備電離部材8aの先端周縁部に設けられた段差部8cとこの段差部8c上方側の第1の容器1aの内壁との間で滑り放電が発生し、チャンバ1内に導入された放電用ガスの電離を促進する。
ここで、円筒形状の導電性材料からなる第1の予備電離部材8aは、放電用ガスを供給するガス供給経路も兼ねていて、接地されている。
なお、DPP方式EUV光源装置に予備電離ユニットを組み合わせた例については、例えば特許文献1に開示されている。
導電性の第1の予備電離部材8aは、高電圧パルス発生部2に含まれる昇圧トランスTr2の2次側の一端部と接続される。なお、昇圧トランスTr2の2次側の他端部は、第1の容器1aと接続される。
昇圧トランスTr2の2次側から電圧パルスが第1の予備電離部材8aとチャンバ1の第1の容器1aとの間に印加されると、図9に示すように、第1の予備電離部材8aの先端周縁部に設けられた段差部8cとこの段差部8c上方側の第1の容器1aの内壁との間で滑り放電が発生し、チャンバ1内に導入された放電用ガスの電離を促進する。
ここで、円筒形状の導電性材料からなる第1の予備電離部材8aは、放電用ガスを供給するガス供給経路も兼ねていて、接地されている。
なお、DPP方式EUV光源装置に予備電離ユニットを組み合わせた例については、例えば特許文献1に開示されている。
(6)プラズマのピンチ効果について
一般に直線方向に電流が流れると、この直線の円周方向に磁界が発生する。よって、主放電電極間に生成したプラズマにおいて、直線方向(軸方向)に流れるプラズマ電流により当該直線方向(軸方向)の円周方向に磁界が発生する。プラズマは自身の電流によって発生する磁界により、半径を減少させ収縮する。これによりプラズマ密度が高くなり、プラズマ温度が上昇する。これをZ−ピンチ効果(ピンチ効果)という。
上記したように、図9に示すDPP方式EUV光源装置は、このピンチ効果によるジュール加熱によって、高密度高温プラズマを生成し、波長13.5nmのEUV光を発生させている。
一般に直線方向に電流が流れると、この直線の円周方向に磁界が発生する。よって、主放電電極間に生成したプラズマにおいて、直線方向(軸方向)に流れるプラズマ電流により当該直線方向(軸方向)の円周方向に磁界が発生する。プラズマは自身の電流によって発生する磁界により、半径を減少させ収縮する。これによりプラズマ密度が高くなり、プラズマ温度が上昇する。これをZ−ピンチ効果(ピンチ効果)という。
上記したように、図9に示すDPP方式EUV光源装置は、このピンチ効果によるジュール加熱によって、高密度高温プラズマを生成し、波長13.5nmのEUV光を発生させている。
(7)DPP方式EUV光源装置の動作
露光用光源として用いられるDPP方式EUV光源装置は、例えば、以下のように動作する。
露光機の制御部40より、スタンバイ信号がメインコントローラ30に出力される。メインコントローラ30は、スタンバイ信号を受信すると、ガス供給・排気ユニット11を制御してチャンバ1内に放電用ガス、例えば、Xeガスをガス供給路を介して、ガス供給口よりチャンバ内部に供給するとともに、高密度高温プラズマ発生部2におけるガス圧力を所定の圧力値に制御する。
次に、露光機の制御部40より、発光指令信号がメインコントローラ30に出力される。発光指令信号の出力間隔は、例えば、数kHzである。
メインコントローラ30は、発光指令信号を受け取ると、トリガ信号を高電圧パルス発生部2の固体スイッチSWのゲートに出力する。固体スイッチはon状態になり、上記したように予備電離ユニット8で滑り放電が発生するとともに、第1の主放電電極3a、第2の主放電電極3b間に高電圧パルスが印加され、高密度高温プラズマ発生部2において高温プラズマが発生し、このプラズマから波長13.5nmのEUV光が放射される。
プラズマから放射されたEUV光は、第2の主放電電極3b側に設けられたEUV集光鏡5により反射され、EUV光出射部6から図示しない照射部に出射される。
特開2003−218025号公報
「リソグラフィ用EUV(極端紫外)光源研究の現状と将来展望」J.PlasmaFusionRes.Vol.79.No.3,P219−260,2003年3月
露光用光源として用いられるDPP方式EUV光源装置は、例えば、以下のように動作する。
露光機の制御部40より、スタンバイ信号がメインコントローラ30に出力される。メインコントローラ30は、スタンバイ信号を受信すると、ガス供給・排気ユニット11を制御してチャンバ1内に放電用ガス、例えば、Xeガスをガス供給路を介して、ガス供給口よりチャンバ内部に供給するとともに、高密度高温プラズマ発生部2におけるガス圧力を所定の圧力値に制御する。
次に、露光機の制御部40より、発光指令信号がメインコントローラ30に出力される。発光指令信号の出力間隔は、例えば、数kHzである。
メインコントローラ30は、発光指令信号を受け取ると、トリガ信号を高電圧パルス発生部2の固体スイッチSWのゲートに出力する。固体スイッチはon状態になり、上記したように予備電離ユニット8で滑り放電が発生するとともに、第1の主放電電極3a、第2の主放電電極3b間に高電圧パルスが印加され、高密度高温プラズマ発生部2において高温プラズマが発生し、このプラズマから波長13.5nmのEUV光が放射される。
プラズマから放射されたEUV光は、第2の主放電電極3b側に設けられたEUV集光鏡5により反射され、EUV光出射部6から図示しない照射部に出射される。
図10は、高密度高温プラズマ発生部における、放電開始からの経過時間に対して、(a)プラズマを流れる電流I、(b)プラズマの半径r、(c)EUV光の発光出力の関係を示した図である。
図9に示す高電圧パルス発生部20により第1の主放電電極3a、第2の主放電電極3b間に高電圧パルスが印加され放電が開始されると、第1の主放電電極3aと第2の主放電電極3b間には、図10(a)に示すような正弦波形の電流Iが流れる。ここで、第1の主放電電極3aと第2の主放電電極3bの間に流れる電流Iは、第2の主放電電極3bが設置されているので、実際はマイナス側にピークを有する。しかしここでは理解を容易にするために、図10(a)には、電流Iの極性を反転してプラス側にピークを有するように示されている。
発生したプラズマの半径rは、電流Iが流れるにつれて上記したピンチ効果により徐々に半径が小さくなり、電流Iの値がピークを越えて下がり始めた時に最小になる。ピンチ効果により高温高密度化して加熱されたプラズマからは、波長13.5nmのEUV光が放射される。例えば、Xe(キセノン)がEUV放射種として用いられる場合、加熱により生成したXe10+ イオンより波長13.5nmのEUV光が放射される。
我々が使用したEUV光源装置においては、電流が流れ始めて約120ns程度経過した時点でEUV光の放射が観測された。
その後は、電流Iは小さくなるのでピンチ効果も弱まり、プラズマは膨張して冷却され、EUV光も放射されなくなる。すなわち、Xeの場合、冷却によりXe10+ イオンが生成されなくなり、波長13.5nmのEUV光が放射されなくなる。
図9に示す高電圧パルス発生部20により第1の主放電電極3a、第2の主放電電極3b間に高電圧パルスが印加され放電が開始されると、第1の主放電電極3aと第2の主放電電極3b間には、図10(a)に示すような正弦波形の電流Iが流れる。ここで、第1の主放電電極3aと第2の主放電電極3bの間に流れる電流Iは、第2の主放電電極3bが設置されているので、実際はマイナス側にピークを有する。しかしここでは理解を容易にするために、図10(a)には、電流Iの極性を反転してプラス側にピークを有するように示されている。
発生したプラズマの半径rは、電流Iが流れるにつれて上記したピンチ効果により徐々に半径が小さくなり、電流Iの値がピークを越えて下がり始めた時に最小になる。ピンチ効果により高温高密度化して加熱されたプラズマからは、波長13.5nmのEUV光が放射される。例えば、Xe(キセノン)がEUV放射種として用いられる場合、加熱により生成したXe10+ イオンより波長13.5nmのEUV光が放射される。
我々が使用したEUV光源装置においては、電流が流れ始めて約120ns程度経過した時点でEUV光の放射が観測された。
その後は、電流Iは小さくなるのでピンチ効果も弱まり、プラズマは膨張して冷却され、EUV光も放射されなくなる。すなわち、Xeの場合、冷却によりXe10+ イオンが生成されなくなり、波長13.5nmのEUV光が放射されなくなる。
このように、DPP方式により生成したプラズマは高温高密度の状態が長続きせず、エネルギー変換効率(プラズマへの入力エネルギーに対するEUV光の出力エネルギーの比)が低い。従来、キセノンガスを用いてEUV光を発生させる場合、効率は約1%である。
われわれは、上記したエネルギー変換効率を改善するために鋭意検討した結果、図11に示すように、プラズマ電流Iを増大させることにより、EUVの放射時間を長くし、効率を向上させることが可能であることを見出した。
図11(a)は主放電電極間に流れる電流I、(b)はプラズマ半径r、(c)はEUV光出力を示しており、同図に示すように、プラズマがピンチされてから(図11において破線で示す)、同図(a)に示すようにプラズマ電流Iを増大させることにより、同図(b)に示すようにプラズマの高温高密度の状態を維持(プラズマ半径が小さい状態を維持)し、これにより、同図(c)に示すようにプラズマの加熱状態を維持して、EUVの放射時間を長くし、EUV光の出力エネルギーを大きくすることが可能である。なお、図10(a)と同様、図11(a)に示す電流波形も極性を反転して示されている。
われわれは、上記したエネルギー変換効率を改善するために鋭意検討した結果、図11に示すように、プラズマ電流Iを増大させることにより、EUVの放射時間を長くし、効率を向上させることが可能であることを見出した。
図11(a)は主放電電極間に流れる電流I、(b)はプラズマ半径r、(c)はEUV光出力を示しており、同図に示すように、プラズマがピンチされてから(図11において破線で示す)、同図(a)に示すようにプラズマ電流Iを増大させることにより、同図(b)に示すようにプラズマの高温高密度の状態を維持(プラズマ半径が小さい状態を維持)し、これにより、同図(c)に示すようにプラズマの加熱状態を維持して、EUVの放射時間を長くし、EUV光の出力エネルギーを大きくすることが可能である。なお、図10(a)と同様、図11(a)に示す電流波形も極性を反転して示されている。
上記知見を検証するために、EUV放射種をXe、プラズマ電流パルスが図12に示すパルス1、パルス2としたときの、Xe10+ イオンの生成比をシミュレーションにより求めた。ここで、図12におけるパルス1は正弦波であり、ピンチ効果によるプラズマの加熱の結果、破線で示した時点において波長13.5nmのEUV光が放射される。
一方、パルス2は、パルス発生から上記破線で示す時刻まではパルス1と同波形である。しかし、破線で示す時刻以降は、パルス1の電流ピーク値より電流値が大きい矩形状の波形を示す。すなわち、パルス2は、EUV光が放射が開始する時点でプラズマ電流値が増大している電流パルスを示す。
シミュレーションより、パルス発生から180ns経過した時点において、パルス2におけるXe10+ イオン数はパルス1におけるXe10+ イオン数の約10倍であるという結果を得た。
すなわち、我々のシミュレーションによれば、図12のパルス2のような電流波形の場合、パルス1のときと比べてプラズマがピンチされている状態が維持されている時間が長くなるという結果が得られた。
すなわち、図11に示したように、プラズマがピンチされてEUV光の放射が開始する時点からプラズマ電流Iを増大させることにより、EUV光の出力エネルギーを大きくし効率を向上させることが期待できる。
一方、パルス2は、パルス発生から上記破線で示す時刻まではパルス1と同波形である。しかし、破線で示す時刻以降は、パルス1の電流ピーク値より電流値が大きい矩形状の波形を示す。すなわち、パルス2は、EUV光が放射が開始する時点でプラズマ電流値が増大している電流パルスを示す。
シミュレーションより、パルス発生から180ns経過した時点において、パルス2におけるXe10+ イオン数はパルス1におけるXe10+ イオン数の約10倍であるという結果を得た。
すなわち、我々のシミュレーションによれば、図12のパルス2のような電流波形の場合、パルス1のときと比べてプラズマがピンチされている状態が維持されている時間が長くなるという結果が得られた。
すなわち、図11に示したように、プラズマがピンチされてEUV光の放射が開始する時点からプラズマ電流Iを増大させることにより、EUV光の出力エネルギーを大きくし効率を向上させることが期待できる。
以上のように放電電流波形を図13に示される波形(極性は反転している)にすれば、EUV光の出力エネルギーを大きくすることができることはわかったが、そのためには、図9に示した高電圧パルス発生部20から、このような電流波形を出力させる必要がある。
そのための回路としては、例えば、図9に示した高電圧パルス発生部を、図14(a)に示す回路構成、あるいは、図14(b)に示す回路構成とすることが考えられる。
そのための回路としては、例えば、図9に示した高電圧パルス発生部を、図14(a)に示す回路構成、あるいは、図14(b)に示す回路構成とすることが考えられる。
(1)高電圧パルス発生部の回路構成例1
図14(a)に示す高電圧パルス発生部は、コンデンサC1、スイッチSW1の直列回路からなる放電回路部Aと、コンデンサC2、スイッチSW2の直列回路から放電回路部Bとが、負荷L(第1の主放電電極3a、第2の主放電電極3b)に対して並列に接続されて構成される。
ここで、高電圧電源CH1,CH2はコンデンサC1,C2を充電するためのものである。また、コイルL1は、コンデンサC1の寄生インダクタンスおよびコンデンサC1、スイッチSW1、負荷Lが作る回路ループのインダクタンスを合成したインダクタンス成分を表している。同様に、コイルL2は、コンデンサC2の寄生インダクタンスおよびコンデンサC2、スイッチSW2、負荷Lが作る回路ループのインダクタンスを合成したインダクタンス成分を表している。また、各ダイオードD1、D2は、各コンデンサC1、C2に蓄えられた電気エネルギーが負荷Lにのみに移行するように電流方向を規制するためのものである。
図14(a)に示す高電圧パルス発生部は、コンデンサC1、スイッチSW1の直列回路からなる放電回路部Aと、コンデンサC2、スイッチSW2の直列回路から放電回路部Bとが、負荷L(第1の主放電電極3a、第2の主放電電極3b)に対して並列に接続されて構成される。
ここで、高電圧電源CH1,CH2はコンデンサC1,C2を充電するためのものである。また、コイルL1は、コンデンサC1の寄生インダクタンスおよびコンデンサC1、スイッチSW1、負荷Lが作る回路ループのインダクタンスを合成したインダクタンス成分を表している。同様に、コイルL2は、コンデンサC2の寄生インダクタンスおよびコンデンサC2、スイッチSW2、負荷Lが作る回路ループのインダクタンスを合成したインダクタンス成分を表している。また、各ダイオードD1、D2は、各コンデンサC1、C2に蓄えられた電気エネルギーが負荷Lにのみに移行するように電流方向を規制するためのものである。
図14(a)に示す高電圧パルス発生部は、以下のように動作する。まず高電圧電源CH1,CH2により、各ダイオードD1、D2を介して各放電回路部のコンデンサC1,C2を充電する。
次に、放電回路部Aの第1のスイッチSW1をONにして第1のコンデンサC1に蓄えられた電気エネルギーを負荷L(第1の主放電電極、第2の主放電電極間)に印加して放電を開始する。このとき、第1の放電電極と第2の放電電極間に流れる電流は、プラズマのピンチに用いられる。すなわち、ピンチ効果によるジュール加熱によって、高密度高温プラズマが生成される。この電流は、図13の波形においてはI1部に相当する。
次いでプラズマのピンチ効果により波長13.5nmのEUV光の放出が開始した時点で、放電回路部Bの第2のスイッチSW2をONにして第2のコンデンサC2に蓄えられた電気エネルギーを第1の主放電電極、第2の主放電電極間に印加にすると、第1の放電電極と第2の放電電極間に流れる電流に、第2のコンデンサC2からの電流が加算される。
この電流が高温高密度プラズマのピンチ状態を維持するための電流として用いられる。図13の波形においては、I2部に相当する。
次に、放電回路部Aの第1のスイッチSW1をONにして第1のコンデンサC1に蓄えられた電気エネルギーを負荷L(第1の主放電電極、第2の主放電電極間)に印加して放電を開始する。このとき、第1の放電電極と第2の放電電極間に流れる電流は、プラズマのピンチに用いられる。すなわち、ピンチ効果によるジュール加熱によって、高密度高温プラズマが生成される。この電流は、図13の波形においてはI1部に相当する。
次いでプラズマのピンチ効果により波長13.5nmのEUV光の放出が開始した時点で、放電回路部Bの第2のスイッチSW2をONにして第2のコンデンサC2に蓄えられた電気エネルギーを第1の主放電電極、第2の主放電電極間に印加にすると、第1の放電電極と第2の放電電極間に流れる電流に、第2のコンデンサC2からの電流が加算される。
この電流が高温高密度プラズマのピンチ状態を維持するための電流として用いられる。図13の波形においては、I2部に相当する。
(2)高電圧パルス発生部の回路構成例2
一方、図14(b)に示す高電圧パルス発生部は、基本的には図9に示した高電圧パルス発生部と同様の構成を持つ複数の高電圧パルス発生部20−1,20−2を、負荷L(第1の主放電電極3a、第2の主放電電極3b)に対して並列に接続して構成される。
高電圧パルス発生部20−1は、可飽和リアクトルからなる2個の磁気スイッチSR21、SR31を用いた2段の磁気パルス圧縮回路を有する。一方、高電圧パルス発生部20−2は、可飽和リアクトルからなる2個の磁気スイッチSR22、SR32を用いた2段の磁気パルス圧縮回路を有する。
図14(b)に示す高電圧パルス発生部は、以下のように動作する。
高電圧パルス発生部20−1において、高電圧電源CH1にコンデンサC0が充電されスイッチSW1がONとなったとき、電圧パルスが発生する。発生した電圧パルスは昇圧トランスTr11により昇圧され、コンデンサC1、第1の磁気スイッチSR21、コンデンサC2、第2の磁気スイッチSR31により構成された2段の磁気パルス圧縮回路によりパルス圧縮されて、第1の主放電電極、第2の主放電電極間に印加され、放電が開始される。
このとき、第1の放電電極と第2の放電電極間に流れる電流は、プラズマのピンチに用いられる。すなわち、ピンチ効果によるジュール加熱によって、高密度高温プラズマが生成される。この電流は、図13の波形においてはI1部に相当する。
一方、高電圧パルス発生部20−2において、高電圧電源CH2にコンデンサC3が充電されスイッチSW2がONとなったとき、電圧パルスが発生する。発生した電圧パルスは昇圧トランスTr12により昇圧され、コンデンサC4、第1の磁気スイッチSR22、コンデンサC5、第2の磁気スイッチSR32により構成された2段の磁気パルス圧縮回路によりパルス圧縮されて、第1の主放電電極、第2の主放電電極間に印加される。
このとき、スイッチSW2のONタイミングは、高電圧パルス発生部1からの高電圧パルスに起因して生成したプラズマのピンチ効果により波長13.5nmのEUV光の放出が開始した時点で、第1の放電電極と第2の放電電極間を流れる電流に、高電圧パルス発生部2からの高電圧パルスによる電流が加算されるように設定される。このときの電流が高温高密度プラズマのピンチ状態を維持するための電流として用いられる。図13の波形においては、I2部に相当する。
一方、図14(b)に示す高電圧パルス発生部は、基本的には図9に示した高電圧パルス発生部と同様の構成を持つ複数の高電圧パルス発生部20−1,20−2を、負荷L(第1の主放電電極3a、第2の主放電電極3b)に対して並列に接続して構成される。
高電圧パルス発生部20−1は、可飽和リアクトルからなる2個の磁気スイッチSR21、SR31を用いた2段の磁気パルス圧縮回路を有する。一方、高電圧パルス発生部20−2は、可飽和リアクトルからなる2個の磁気スイッチSR22、SR32を用いた2段の磁気パルス圧縮回路を有する。
図14(b)に示す高電圧パルス発生部は、以下のように動作する。
高電圧パルス発生部20−1において、高電圧電源CH1にコンデンサC0が充電されスイッチSW1がONとなったとき、電圧パルスが発生する。発生した電圧パルスは昇圧トランスTr11により昇圧され、コンデンサC1、第1の磁気スイッチSR21、コンデンサC2、第2の磁気スイッチSR31により構成された2段の磁気パルス圧縮回路によりパルス圧縮されて、第1の主放電電極、第2の主放電電極間に印加され、放電が開始される。
このとき、第1の放電電極と第2の放電電極間に流れる電流は、プラズマのピンチに用いられる。すなわち、ピンチ効果によるジュール加熱によって、高密度高温プラズマが生成される。この電流は、図13の波形においてはI1部に相当する。
一方、高電圧パルス発生部20−2において、高電圧電源CH2にコンデンサC3が充電されスイッチSW2がONとなったとき、電圧パルスが発生する。発生した電圧パルスは昇圧トランスTr12により昇圧され、コンデンサC4、第1の磁気スイッチSR22、コンデンサC5、第2の磁気スイッチSR32により構成された2段の磁気パルス圧縮回路によりパルス圧縮されて、第1の主放電電極、第2の主放電電極間に印加される。
このとき、スイッチSW2のONタイミングは、高電圧パルス発生部1からの高電圧パルスに起因して生成したプラズマのピンチ効果により波長13.5nmのEUV光の放出が開始した時点で、第1の放電電極と第2の放電電極間を流れる電流に、高電圧パルス発生部2からの高電圧パルスによる電流が加算されるように設定される。このときの電流が高温高密度プラズマのピンチ状態を維持するための電流として用いられる。図13の波形においては、I2部に相当する。
しかし、上記図14(a)(b)に示す高電圧パルス発生部を、EUV光源装置に実際に適用する場合には、次のような問題がある。
(3)図14(a)に示す高電圧パルス発生部の問題点
図14(a)に示す高電圧パルス発生部において、スイッチSW1,SW2は、一般に大電流、大電圧動作が可能な半導体スイッチング素子であるIGBTが使用される。
しかしながら、DPP方式EUV光源装置において、スイッチSW1、SW2での電流、電圧条件は、IGBTの定格を遥かに上回る。よって、実際には、スイッチSW1,SW2は、複数のIGBTを直列かつ並列に接続して、電流の分流、電圧の分圧を図っている。
図15にSW1の構成例を示す。図15において、スイッチSW1は、IGBTであるSW11とSW12の直列回路と、SW21とSW22の直列回路が並列に接続されて構成されている。すなわち、スイッチSW1,SW2は、複数のIGBTにより構成されるので、大型化する。
(3)図14(a)に示す高電圧パルス発生部の問題点
図14(a)に示す高電圧パルス発生部において、スイッチSW1,SW2は、一般に大電流、大電圧動作が可能な半導体スイッチング素子であるIGBTが使用される。
しかしながら、DPP方式EUV光源装置において、スイッチSW1、SW2での電流、電圧条件は、IGBTの定格を遥かに上回る。よって、実際には、スイッチSW1,SW2は、複数のIGBTを直列かつ並列に接続して、電流の分流、電圧の分圧を図っている。
図15にSW1の構成例を示す。図15において、スイッチSW1は、IGBTであるSW11とSW12の直列回路と、SW21とSW22の直列回路が並列に接続されて構成されている。すなわち、スイッチSW1,SW2は、複数のIGBTにより構成されるので、大型化する。
また、たとえば、図13に示す電流波形のI1部によって、プラズマが高温高密度の状態にピンチされている時間は約10nsであり、ピンチ状態を維持するためには、この時に電流波形のI2部が生成されるように電流を流す必要がある。
すなわち、電流波形のI2部が生成するための電流を流す時間の許容誤差は約10ns以下としなければならず、スイッチSW1,SW2の動作タイミングの同期には、高精度な制御が要求される。
更に、各IGBTは個体差が無視できず、ゲート信号が入力されてからスイッチが始動始めるまでの始動時間にバラつき(スイッチング・ジッター)がある。よって、例えば、図15に示すような構成において、1つでもIGBTのスイッチングが遅れると、そのIGBTには定格を越える過電圧が掛かり破壊されてしまう。そして、結果的には、すべてのIGBTが破壊される。
すなわち、図14(a)に示すように高電圧パルス発生部を構成することは原理的には可能であるが、実際の使用には困難が伴い、EUV光源装置に適用するには難しい。
すなわち、電流波形のI2部が生成するための電流を流す時間の許容誤差は約10ns以下としなければならず、スイッチSW1,SW2の動作タイミングの同期には、高精度な制御が要求される。
更に、各IGBTは個体差が無視できず、ゲート信号が入力されてからスイッチが始動始めるまでの始動時間にバラつき(スイッチング・ジッター)がある。よって、例えば、図15に示すような構成において、1つでもIGBTのスイッチングが遅れると、そのIGBTには定格を越える過電圧が掛かり破壊されてしまう。そして、結果的には、すべてのIGBTが破壊される。
すなわち、図14(a)に示すように高電圧パルス発生部を構成することは原理的には可能であるが、実際の使用には困難が伴い、EUV光源装置に適用するには難しい。
(4)図14(b)に示す高電圧パルス発生部の問題点
図14(b)に示す高電圧パルス発生部では、昇圧トランスにより電圧パルスを昇圧している。よって、昇圧トランスTr11,Tr12の1次側(低圧側)に接続されるスイッチSW1,SW2に掛かる電圧も低くなる。よって、図14(a)の場合と比較すると、スイッチSW1,SW2を構成するIGBTは大掛かりにはならない。
しかしながら、図14(b)に示す高電圧パルス発生部は、上記したように2系統の磁気パルス圧縮回路(MPC回路)を有する。MPC回路は、一般に高電圧パルスの移行時間のバラつきが大きい。すなわち、各スイッチSW1,SW2にトリガ信号が入力されてON状態となってから、第1の放電電極と第2の放電電極間に高電圧パルスが印加されるまでの時間のバラつき(ジッタ)が大きく、例えば、200ns程度ある。
一方、たとえば、図13に示す電流波形のI1部によって、プラズマが高温高密度の状態にピンチされている時間は約10nsであり、ピンチ状態を維持するためには、この時に電流波形のI2部が生成されるように電流を流す必要がある。
しかしながら、上記したように、各高電圧パルス発生部20−1、20−2におけるジッタが200nsあるので、各スイッチSW1,SW2の同期を取るのは非常に困難であり、実際の使用はほとんど不可能である。
図14(b)に示す高電圧パルス発生部では、昇圧トランスにより電圧パルスを昇圧している。よって、昇圧トランスTr11,Tr12の1次側(低圧側)に接続されるスイッチSW1,SW2に掛かる電圧も低くなる。よって、図14(a)の場合と比較すると、スイッチSW1,SW2を構成するIGBTは大掛かりにはならない。
しかしながら、図14(b)に示す高電圧パルス発生部は、上記したように2系統の磁気パルス圧縮回路(MPC回路)を有する。MPC回路は、一般に高電圧パルスの移行時間のバラつきが大きい。すなわち、各スイッチSW1,SW2にトリガ信号が入力されてON状態となってから、第1の放電電極と第2の放電電極間に高電圧パルスが印加されるまでの時間のバラつき(ジッタ)が大きく、例えば、200ns程度ある。
一方、たとえば、図13に示す電流波形のI1部によって、プラズマが高温高密度の状態にピンチされている時間は約10nsであり、ピンチ状態を維持するためには、この時に電流波形のI2部が生成されるように電流を流す必要がある。
しかしながら、上記したように、各高電圧パルス発生部20−1、20−2におけるジッタが200nsあるので、各スイッチSW1,SW2の同期を取るのは非常に困難であり、実際の使用はほとんど不可能である。
以上のように、主放電電極間に流れる放電電流波形を図13に示すような波形とすれば、EUV光の出力エネルギーを大きくすることができるものと考えられるが、従来においては、前記した条件を満たしつつ、図13に示すような電流波形を発生することができるEUV光源装置に実際に適用可能な高電圧パルス発生回路は知られていなかった。
本発明は上記のような事情を鑑みなされたものであって、その課題は、プラズマがピンチされてEUV光の放射が開始する時点からプラズマ電流を増大させることが可能な電流波形を発生することができる実際に適用可能な高電圧パルス発生部を備えた極端紫外光光源装置を提供することである。
本発明は上記のような事情を鑑みなされたものであって、その課題は、プラズマがピンチされてEUV光の放射が開始する時点からプラズマ電流を増大させることが可能な電流波形を発生することができる実際に適用可能な高電圧パルス発生部を備えた極端紫外光光源装置を提供することである。
本発明においては、前記課題を次のように解決する。
(1)高密度高温プラズマが発生する容器と、この容器内に極端紫外光を放射させるための原料を供給する原料供給手段と、上記容器内で放電により上記原料を加熱・励起し高密度高温プラズマを発生させるための一対の主放電電極と、該主放電電極間に高電圧パルスを印加する高電圧パルス発生部と、上記高密度高温プラズマから放射される極端紫外光を集光する集光光学手段と、上記集光光学手段を介して極端紫外光を取り出す極端紫外光取出部とを有する極端紫外光光源装置において、上記高電圧パルス発生部を以下のように構成する。
キャパシタンス成分とインダクタンス成分の直列回路を少なくとも2組有するLC回路と、該直列回路に並列に接続され上記キャパシタンス成分を充電する充電回路と、上記LC回路と上記一対の主放電電極との間に接続されたスイッチから高電圧パルス発生部を構成する。そして、上記少なくとも2組設けられた直列回路のパラメータを互いに相違させ、上記スイッチを閉じることで、上記キャパシタンス成分に充電された電気エネルギーが一対の主放電電極に印加され、主放電電極間に放電電流が流れるようにする。
すなわち、本発明では、前記図14(a)(b)に示した所定の時間間隔で投入されるスイッチSW1,SW2を用いず、LC回路中にキャパシタンス成分とインダクタンス成分の直列回路の少なくとも2組含ませ、そのパラメータを互いに異ならせる。そして、キャパシタンス成分を充電回路により充電したのち、上記スイッチを閉じて、少なくとも2組の直列回路により生ずる電流の重畳波形を主放電電極間に流す。2組の直列回路のパラメータを互いに異ならせることにより、主放電電極間に流れる電流波形は、異なった周波数の振動波形を重畳した波形となり、その重畳波形は例えば図13に示したように、変極点(折曲点)を有する波形となる。また、上記パラメータの設定により、変極点で電流が増加するか電流が大きく減少しないようにし、プラズマの加熱状態を維持できる電流波形となるように設定することが可能である。
そこで、上記変極点が、極端紫外光の発生時点より後で、且つ、極端紫外光が発生している間に生じるように、上記直列回路のパラメータを設定すれば、所定の時間間隔で投入されるスイッチ素子を使用することなく、LC回路で、例えば図13に示した波形を発生させることができる。また、このように構成すれば、スイッチング・ジッタにより電流波形のI2部の生じるタイミングがずれたり、スイッチング素子が破壊するといった問題を回避することができる。
(2)上記LC回路は、具体的には以下のように構成することができる。
一対の上記主放電電極を、絶縁材により絶縁されたリング状の第1及び第2の主放電電極から構成し、上記第1の主放電電極に、該リング状の第1の主放電電極の周りを囲むように配置された導電性を有するリング状のフランジ部材に連結する。また、上記第2の主放電電極を、導電性を有する上記容器に連結する。
そして、上記スイッチとして磁気スイッチを用い、この磁気スイッチを構成する円筒状のコアを、第1の主放電電極に連結された上記フランジ部材と絶縁材との間に設け、かつ、上記主放電電極に対して同心円状に配置する。また、前記キャパシタンス成分を上記フランジ部材と、容器もしくは容器に連結された導電性部材との間に接続し、該キャパシタンス成分を、上記主放電電極に対して同心円状に配置する。
また、上記フランジと、上記主放電電極間に形成される放電部と、容器とキャパシタンス成分とで形成される閉回路により、上記インダクタンス成分を構成する。
そして、この閉回路の断面積を、例えばキャパシタンス成分の取り付け位置を調整するなどして変えることで、インダクタンス成分の値を設定することができる。また、必要に応じて、上記閉回路中にコイルなどのインダクタンス成分を設けてもよい。
(1)高密度高温プラズマが発生する容器と、この容器内に極端紫外光を放射させるための原料を供給する原料供給手段と、上記容器内で放電により上記原料を加熱・励起し高密度高温プラズマを発生させるための一対の主放電電極と、該主放電電極間に高電圧パルスを印加する高電圧パルス発生部と、上記高密度高温プラズマから放射される極端紫外光を集光する集光光学手段と、上記集光光学手段を介して極端紫外光を取り出す極端紫外光取出部とを有する極端紫外光光源装置において、上記高電圧パルス発生部を以下のように構成する。
キャパシタンス成分とインダクタンス成分の直列回路を少なくとも2組有するLC回路と、該直列回路に並列に接続され上記キャパシタンス成分を充電する充電回路と、上記LC回路と上記一対の主放電電極との間に接続されたスイッチから高電圧パルス発生部を構成する。そして、上記少なくとも2組設けられた直列回路のパラメータを互いに相違させ、上記スイッチを閉じることで、上記キャパシタンス成分に充電された電気エネルギーが一対の主放電電極に印加され、主放電電極間に放電電流が流れるようにする。
すなわち、本発明では、前記図14(a)(b)に示した所定の時間間隔で投入されるスイッチSW1,SW2を用いず、LC回路中にキャパシタンス成分とインダクタンス成分の直列回路の少なくとも2組含ませ、そのパラメータを互いに異ならせる。そして、キャパシタンス成分を充電回路により充電したのち、上記スイッチを閉じて、少なくとも2組の直列回路により生ずる電流の重畳波形を主放電電極間に流す。2組の直列回路のパラメータを互いに異ならせることにより、主放電電極間に流れる電流波形は、異なった周波数の振動波形を重畳した波形となり、その重畳波形は例えば図13に示したように、変極点(折曲点)を有する波形となる。また、上記パラメータの設定により、変極点で電流が増加するか電流が大きく減少しないようにし、プラズマの加熱状態を維持できる電流波形となるように設定することが可能である。
そこで、上記変極点が、極端紫外光の発生時点より後で、且つ、極端紫外光が発生している間に生じるように、上記直列回路のパラメータを設定すれば、所定の時間間隔で投入されるスイッチ素子を使用することなく、LC回路で、例えば図13に示した波形を発生させることができる。また、このように構成すれば、スイッチング・ジッタにより電流波形のI2部の生じるタイミングがずれたり、スイッチング素子が破壊するといった問題を回避することができる。
(2)上記LC回路は、具体的には以下のように構成することができる。
一対の上記主放電電極を、絶縁材により絶縁されたリング状の第1及び第2の主放電電極から構成し、上記第1の主放電電極に、該リング状の第1の主放電電極の周りを囲むように配置された導電性を有するリング状のフランジ部材に連結する。また、上記第2の主放電電極を、導電性を有する上記容器に連結する。
そして、上記スイッチとして磁気スイッチを用い、この磁気スイッチを構成する円筒状のコアを、第1の主放電電極に連結された上記フランジ部材と絶縁材との間に設け、かつ、上記主放電電極に対して同心円状に配置する。また、前記キャパシタンス成分を上記フランジ部材と、容器もしくは容器に連結された導電性部材との間に接続し、該キャパシタンス成分を、上記主放電電極に対して同心円状に配置する。
また、上記フランジと、上記主放電電極間に形成される放電部と、容器とキャパシタンス成分とで形成される閉回路により、上記インダクタンス成分を構成する。
そして、この閉回路の断面積を、例えばキャパシタンス成分の取り付け位置を調整するなどして変えることで、インダクタンス成分の値を設定することができる。また、必要に応じて、上記閉回路中にコイルなどのインダクタンス成分を設けてもよい。
本発明においては、以下の効果を得ることができる。
(1)高電圧パルス発生部に、キャパシタンス成分とインダクタンス成分の直列回路を少なくとも2組設け、この直列回路のパラメータを互いに相違させることにより、主放電電極間に流れる電流波形を変極点を有する波形とすることができる。そして、この変極点で電流が増加するか、変極点で電流が大きく減少しないようにし、プラズマの加熱状態を維持できる形状の電流波形とすれば、前記したようにEUVの放射時間を長くし、EUV光の出力エネルギーを大きくすることが可能となる。
また、所定の時間間隔で投入されるスイッチ素子を使用することなく、LC回路で前記図13に示した波形を発生させることができるので、スイッチング・ジッタにより電流波形の形状が大きく影響されたり、スイッチング素子が破壊するといた問題を回避することができる。
(2)第1の主放電電極をリング状のフランジ部材を連結し、上記第2の主放電電極を容器に連結し、磁気スイッチを構成する円筒状のコアを、第1の主放電電極に連結された上記フランジ部材と絶縁材との間に設け、また、前記キャパシタンス成分を上記フランジ部材と、容器もしくは容器に連結された導電性部材との間に接続し、該キャパシタンス成分を、上記主放電電極に対して同心円状に配置し、上記フランジと、上記主放電電極間に形成される放電部と、容器とキャパシタンス成分とで形成される閉回路により、インダクタンス成分を形成することにより、キャパシタンス成分とインダクタンス成分を主放電電極の近傍にコンパクトに配置することができ、装置の小型化を図ることができる。
また、第1及び第2の主放電電極に近接させてキャパシタンス成分とインダクタンス成分からなるLC回路、磁気スイッチを配置することができるので、LC回路、磁気スイッチ、第1、第2の主放電電極とがなす回路ループもコンパクトに形成され、回路ループのインダクタンスを小さすることができる。このため、第1、第2の主放電電極に印加される高電圧パルスを短パルス化することができる。
(1)高電圧パルス発生部に、キャパシタンス成分とインダクタンス成分の直列回路を少なくとも2組設け、この直列回路のパラメータを互いに相違させることにより、主放電電極間に流れる電流波形を変極点を有する波形とすることができる。そして、この変極点で電流が増加するか、変極点で電流が大きく減少しないようにし、プラズマの加熱状態を維持できる形状の電流波形とすれば、前記したようにEUVの放射時間を長くし、EUV光の出力エネルギーを大きくすることが可能となる。
また、所定の時間間隔で投入されるスイッチ素子を使用することなく、LC回路で前記図13に示した波形を発生させることができるので、スイッチング・ジッタにより電流波形の形状が大きく影響されたり、スイッチング素子が破壊するといた問題を回避することができる。
(2)第1の主放電電極をリング状のフランジ部材を連結し、上記第2の主放電電極を容器に連結し、磁気スイッチを構成する円筒状のコアを、第1の主放電電極に連結された上記フランジ部材と絶縁材との間に設け、また、前記キャパシタンス成分を上記フランジ部材と、容器もしくは容器に連結された導電性部材との間に接続し、該キャパシタンス成分を、上記主放電電極に対して同心円状に配置し、上記フランジと、上記主放電電極間に形成される放電部と、容器とキャパシタンス成分とで形成される閉回路により、インダクタンス成分を形成することにより、キャパシタンス成分とインダクタンス成分を主放電電極の近傍にコンパクトに配置することができ、装置の小型化を図ることができる。
また、第1及び第2の主放電電極に近接させてキャパシタンス成分とインダクタンス成分からなるLC回路、磁気スイッチを配置することができるので、LC回路、磁気スイッチ、第1、第2の主放電電極とがなす回路ループもコンパクトに形成され、回路ループのインダクタンスを小さすることができる。このため、第1、第2の主放電電極に印加される高電圧パルスを短パルス化することができる。
図1は本発明の実施例の高電圧パルス発生部20の回路構成を示す図である。なお、理解を容易にするために、図1においては、予備電離パルス用の昇圧トランスTr2や、磁気アシストSR1は省略してある。
図1に示す本発明の実施例の高電圧パルス発生部20と、前記図9に示した高電圧パルス発生部の相違点は、図9に示した高電圧パルス発生部20が有する磁気パルス圧縮回路(MPC回路)の構成部分である。
すなわち、本実施例の図1に示す高電圧パルス発生部においては、図9に示した高電圧パルス発生部のMPC回路の最終段を構成するコンデンサC2を、コンデンサC21とコイルL1の直列回路、コンデンサC22とコイルL2の直列回路、コンデンサC23とコイルL3の直列回路が並列に接続されて構成されるLC回路部に置き換えている。
図1に示す本発明の実施例の高電圧パルス発生部20と、前記図9に示した高電圧パルス発生部の相違点は、図9に示した高電圧パルス発生部20が有する磁気パルス圧縮回路(MPC回路)の構成部分である。
すなわち、本実施例の図1に示す高電圧パルス発生部においては、図9に示した高電圧パルス発生部のMPC回路の最終段を構成するコンデンサC2を、コンデンサC21とコイルL1の直列回路、コンデンサC22とコイルL2の直列回路、コンデンサC23とコイルL3の直列回路が並列に接続されて構成されるLC回路部に置き換えている。
図1に示す高電圧パルス発生部20の動作は、磁気スイッチSR2が飽和するまでは図9に示した高電圧パルス発生部の動作とほぼ同等である。
すなわち、高電圧電源CHの電圧が所定の値Vinに調整され、主コンデンサC0が充電される。このとき、固体スイッチSWはoffになっている。
主コンデンサC0の充電が完了し、固体スイッチSWがonとなると、図示しない磁気スイッチSR1が入り、主コンデンサC0、昇圧トランスTr2の1次側、固体スイッチSWのループに電流が流れる。同時に、昇圧トランスTr1の2次側、コンデンサC1のループに電流が流れ、主コンデンサC0に蓄えられた電荷が移行してコンデンサC1に充電される。また、昇圧トランスTr2の2次側に電圧が発生する。
この後、コンデンサC1における電圧V1の時間積分値が磁気スイッチSR2の特性で決まる限界値に達すると、磁気スイッチSR2が飽和して磁気スイッチSR2が入る。
磁気スイッチSR2が入ると、並列に接続されたコイルL1とコンデンサC21、コイルL2とコンデンサC22、コイルL3とコンデンサC23に電流が流れ、コンデンサC1に蓄えられた電荷が移行してコンデンサC21、C22、C23が充電される。
すなわち、高電圧電源CHの電圧が所定の値Vinに調整され、主コンデンサC0が充電される。このとき、固体スイッチSWはoffになっている。
主コンデンサC0の充電が完了し、固体スイッチSWがonとなると、図示しない磁気スイッチSR1が入り、主コンデンサC0、昇圧トランスTr2の1次側、固体スイッチSWのループに電流が流れる。同時に、昇圧トランスTr1の2次側、コンデンサC1のループに電流が流れ、主コンデンサC0に蓄えられた電荷が移行してコンデンサC1に充電される。また、昇圧トランスTr2の2次側に電圧が発生する。
この後、コンデンサC1における電圧V1の時間積分値が磁気スイッチSR2の特性で決まる限界値に達すると、磁気スイッチSR2が飽和して磁気スイッチSR2が入る。
磁気スイッチSR2が入ると、並列に接続されたコイルL1とコンデンサC21、コイルL2とコンデンサC22、コイルL3とコンデンサC23に電流が流れ、コンデンサC1に蓄えられた電荷が移行してコンデンサC21、C22、C23が充電される。
さらにこの後、磁気スイッチSR3に加わる電圧の時間積分値が磁気スイッチSR3の特性で決まる限界値に達すると、磁気スイッチSR3が飽和して磁気スイッチが入る。
磁気スイッチSR3がONとなると、負荷L(第1の主放電電極、第2の主放電電極間)に高電圧パルスが印加されるが、その際、第1の主放電電極、第2の主放電電極間を流れる電流は、次のように、第1〜第3の電流を重畳した電流となる。
すなわち、コンデンサC21、コイルL1、第1の主放電電極、第2の主放電電極が作る回路ループにおいて、コンデンサC21に蓄えられた電気エネルギーが第1の主放電電極、第2の主放電電極間に印加された際に第1の主放電電極、第2の主放電電極間を流れる第1の電流と、コンデンサC22、コイルL2、第1の主放電電極、第2の主放電電極が作る回路ループにおいてコンデンサC22に蓄えられた電気エネルギーが第1の主放電電極、第2の主放電電極間に印加された際に第1の主放電電極、第2の主放電電極間を流れる第2の電流と、コンデンサC23、コイルL3、第1の主放電電極、第2の主放電電極が作る回路ループにおいてコンデンサC23に蓄えられた電気エネルギーが第1の主放電電極、第2の主放電電極間に印加された際に第1の主放電電極、第2の主放電電極間を流れる第3の電流とを重畳した電流となる。
磁気スイッチSR3がONとなると、負荷L(第1の主放電電極、第2の主放電電極間)に高電圧パルスが印加されるが、その際、第1の主放電電極、第2の主放電電極間を流れる電流は、次のように、第1〜第3の電流を重畳した電流となる。
すなわち、コンデンサC21、コイルL1、第1の主放電電極、第2の主放電電極が作る回路ループにおいて、コンデンサC21に蓄えられた電気エネルギーが第1の主放電電極、第2の主放電電極間に印加された際に第1の主放電電極、第2の主放電電極間を流れる第1の電流と、コンデンサC22、コイルL2、第1の主放電電極、第2の主放電電極が作る回路ループにおいてコンデンサC22に蓄えられた電気エネルギーが第1の主放電電極、第2の主放電電極間に印加された際に第1の主放電電極、第2の主放電電極間を流れる第2の電流と、コンデンサC23、コイルL3、第1の主放電電極、第2の主放電電極が作る回路ループにおいてコンデンサC23に蓄えられた電気エネルギーが第1の主放電電極、第2の主放電電極間に印加された際に第1の主放電電極、第2の主放電電極間を流れる第3の電流とを重畳した電流となる。
ここで、コンデンサC21、コイルL1、第1の主放電電極、第2の主放電電極が作る回路ループ、コンデンサC22、コイルL2、第1の主放電電極、第2の主放電電極が作る回路ループ、コンデンサC23、コイルL3、第1の主放電電極、第2の主放電電極が作る回路ループで流れる各電流の周期が互いに異なるように、コンデンサC21,C22,C23の容量、コイルL1,L2,L3のインダクタンスをそれぞれ設定することにより、第1の主放電電極、第2の主放電電極間を流れる上記重畳電流の電流波形を所定の形状に設定できる。
例えば、図2(a)に示すように、コンデンサC21、コイルL1、第1の主放電電極、第2の主放電電極が作る回路ループを流れる第1の電流の電流波形をIaとし、コンデンサC22、コイルL2、第1の主放電電極、第2の主放電電極が作る回路ループを流れる第2の電流の電流波形をIbとし、コンデンサC23、コイルL3、第1の主放電電極、第2の主放電電極が作る回路ループを流れる第3の電流の電流波形をIcとするとき、第1の主放電電極、第2の主放電電極間を流れる電流波形はこれらを重畳した波形となるので、上記電流Ia〜Icの波形を適宜設定することにより、第1、第2の主放電電極間に流れる重畳電流の波形を図2(b)のIdに示すように設定することが可能となる。
例えば、図2(a)に示すように、コンデンサC21、コイルL1、第1の主放電電極、第2の主放電電極が作る回路ループを流れる第1の電流の電流波形をIaとし、コンデンサC22、コイルL2、第1の主放電電極、第2の主放電電極が作る回路ループを流れる第2の電流の電流波形をIbとし、コンデンサC23、コイルL3、第1の主放電電極、第2の主放電電極が作る回路ループを流れる第3の電流の電流波形をIcとするとき、第1の主放電電極、第2の主放電電極間を流れる電流波形はこれらを重畳した波形となるので、上記電流Ia〜Icの波形を適宜設定することにより、第1、第2の主放電電極間に流れる重畳電流の波形を図2(b)のIdに示すように設定することが可能となる。
言い換えれば、コンデンサC21,C22,C23の容量、コイルL1,L2,L3のインダクタンスをそれぞれ適宜設定することにより、前記図13に示した高密度高温プラズマを生成するためのピンチ効果に寄与する電流I1部とピンチ状態を維持するためのI2部とを有する電流波形を示す電流を得ることが可能となる。なお、理解を容易にするために、図2に示す電流波形は極性を反転して示されている。
一方、図1に示す高電圧パルス発生部20は磁気パルス圧縮回路(MPC回路)が1系統であり、前記図14に示したように順次投入されるスイッチを備えておらず、スイッチ素子や各MPC回路のジッタの影響を受けない。
また、LC回路を構成する各コンデンサC21とコイルL1の直列回路、コンデンサ
C22とコイルL2の直列回路、コンデンサC22とコイルL3の直列回路の動作は、共通の磁気スイッチSR3のON−OFF動作に依存しているので、複数のスイッチSW1,SW2を有する前記図14(b)に示す高電圧パルス発生部のように、スイッチSW1,SW2の同期を取るための同期制御も不要である。
すなわち、本実施例においては、重畳電流の生成に影響を及ぼすスイッチは磁気スイッチSR3のみであり、電流波形においてピンチ状態を維持するためのI2部を形成するために重畳される電流を流すタイミングがずれるというジッタの問題は生じない。
一方、図1に示す高電圧パルス発生部20は磁気パルス圧縮回路(MPC回路)が1系統であり、前記図14に示したように順次投入されるスイッチを備えておらず、スイッチ素子や各MPC回路のジッタの影響を受けない。
また、LC回路を構成する各コンデンサC21とコイルL1の直列回路、コンデンサ
C22とコイルL2の直列回路、コンデンサC22とコイルL3の直列回路の動作は、共通の磁気スイッチSR3のON−OFF動作に依存しているので、複数のスイッチSW1,SW2を有する前記図14(b)に示す高電圧パルス発生部のように、スイッチSW1,SW2の同期を取るための同期制御も不要である。
すなわち、本実施例においては、重畳電流の生成に影響を及ぼすスイッチは磁気スイッチSR3のみであり、電流波形においてピンチ状態を維持するためのI2部を形成するために重畳される電流を流すタイミングがずれるというジッタの問題は生じない。
上述したように、前記図13に示すような高密度高温プラズマを生成するためのピンチ効果に寄与する電流I1部とピンチ状態を維持するためのI2部とを有する電流波形は、ピンチ効果で波長13.5nmのEUV光の放射に寄与する高密度高温プラズマが生成される時点付近での電流波形近傍に変極点(折曲点)を有する波形である。
ここで、上記変極点での電流の単位時間当たりの立ち上がりは、適宜設定する必要がある。
例えば、図3に示すように、電流波形のI2部の立ち上がりの角度が(ア)のように大きすぎると、プラズマの加熱が進みすぎてイオン化が進み、例えばEUV放射種がXeであるときXeイオンの価数が波長13.5nmのEUV光を放射する10価より高くなる場合がある。
よって、放射される光の波長は、波長13.5nmより短波長側にシフトしてしまい、EUV露光装置における露光光としては使用できなくなることもある。
ここで、上記変極点での電流の単位時間当たりの立ち上がりは、適宜設定する必要がある。
例えば、図3に示すように、電流波形のI2部の立ち上がりの角度が(ア)のように大きすぎると、プラズマの加熱が進みすぎてイオン化が進み、例えばEUV放射種がXeであるときXeイオンの価数が波長13.5nmのEUV光を放射する10価より高くなる場合がある。
よって、放射される光の波長は、波長13.5nmより短波長側にシフトしてしまい、EUV露光装置における露光光としては使用できなくなることもある。
また、I2部の立ち上がりの角度が(ウ)のように低すぎると、従来と同様、ピンチ効果を長期間維持することができず、プラズマはすぐに膨張して冷却され、EUV光も放射されなくなることがある。すなわち、EUV光のエネルギーを増加させ、効率を向上させることが困難となることもある。
したがって、電流波形のI2部の立ち上がり部分は、最も効率よくEUV光が得られる、例えば(イ)のように適切な角度になるようにコンデンサC21,C22,C23の容量、コイルL1,L2,L3のインダクタンスをそれぞれ適宜設定する必要がある。
なお、図3は一例を示したものであり、I2部の波形形状は必ずしも立ち上がり波形である必要はなく、要するにピンチ効果を長期間維持することが可能な波形形状であればよい。ここで、図3に示す電流波形は理解を容易にするために極性を反転して示されている。
したがって、電流波形のI2部の立ち上がり部分は、最も効率よくEUV光が得られる、例えば(イ)のように適切な角度になるようにコンデンサC21,C22,C23の容量、コイルL1,L2,L3のインダクタンスをそれぞれ適宜設定する必要がある。
なお、図3は一例を示したものであり、I2部の波形形状は必ずしも立ち上がり波形である必要はなく、要するにピンチ効果を長期間維持することが可能な波形形状であればよい。ここで、図3に示す電流波形は理解を容易にするために極性を反転して示されている。
図1に示したLC回路について、主放電電極間に流れる電流の波形を計算した。
図4は、電流波形の計算に用いたLC回路、磁気スイッチSR3、負荷L(第1の主放電電極、第2の主放電電極)の等価回路である。
ここで、第1、第2の主放電電極間の放電インピーダンスは抵抗RloadとコイルLloadとの直列回路とし、各パラメータはそれぞれ、0.05Ω、3nHとした。また、磁気スイッチSR3はスイッチング時間が1nsである通常のスイッチング手段とした。更に、各コンデンサC21,C22,C23の充電電圧を4 kVとした。
本等価回路において、コンデンサC21=100nF、C22=500nF、C23=1000nF、コイルL1=10nH、L 2=30nH、L3=10nHと設定し、電流波形を計算した。電流波形は、図4のポイント(I)における波形である。
図4は、電流波形の計算に用いたLC回路、磁気スイッチSR3、負荷L(第1の主放電電極、第2の主放電電極)の等価回路である。
ここで、第1、第2の主放電電極間の放電インピーダンスは抵抗RloadとコイルLloadとの直列回路とし、各パラメータはそれぞれ、0.05Ω、3nHとした。また、磁気スイッチSR3はスイッチング時間が1nsである通常のスイッチング手段とした。更に、各コンデンサC21,C22,C23の充電電圧を4 kVとした。
本等価回路において、コンデンサC21=100nF、C22=500nF、C23=1000nF、コイルL1=10nH、L 2=30nH、L3=10nHと設定し、電流波形を計算した。電流波形は、図4のポイント(I)における波形である。
図5に、図4の回路において計算した電流波形を示す。上記したように回路パラメータを設定した結果、図5に示すように、2山形状の電流波形を得ることができることが判明した。本波形においては、変極点は、電流が流れ始めて約120ns程度経過した時点に存在する。
一方、上記したように、従来、我々が使用したEUV光源装置においては電流が流れ始めて約120ns程度経過した時点でピンチ効果による波長13.5nmのEUV光の放射が観測されている。
すなわち、本実施例の回路構成を有する高電圧パルス発生部において、回路パラメータを適宜設定することにより、我々の使用したEUV光源装置においてプラズマがピンチされてEUV光の放射が開始する時点からプラズマ電流Iを容易に増大させ得る可能性が極めて高いことが分った。
なお、上記等価回路は、磁気スイッチSR3を通常のスイッチング手段としたので、本電流波形は振動電流波形となっている。しかし、実際は電流が反転する際、磁気スイッチSR3はOFFとなるので、電流波形は図5の太線で示すようなパルス波形となる。
上記説明では、LC回路として、コイルとコンデンサの直列回路を3組用いる場合について示したが、コイルとコンデンサの直列回路を何組用いるかは、必要とされる電流波形に応じて適宜選定することができ、少なくとも2組の直列回路を用いることで、上記変極点を有する波形を発生させることが可能である。
一方、上記したように、従来、我々が使用したEUV光源装置においては電流が流れ始めて約120ns程度経過した時点でピンチ効果による波長13.5nmのEUV光の放射が観測されている。
すなわち、本実施例の回路構成を有する高電圧パルス発生部において、回路パラメータを適宜設定することにより、我々の使用したEUV光源装置においてプラズマがピンチされてEUV光の放射が開始する時点からプラズマ電流Iを容易に増大させ得る可能性が極めて高いことが分った。
なお、上記等価回路は、磁気スイッチSR3を通常のスイッチング手段としたので、本電流波形は振動電流波形となっている。しかし、実際は電流が反転する際、磁気スイッチSR3はOFFとなるので、電流波形は図5の太線で示すようなパルス波形となる。
上記説明では、LC回路として、コイルとコンデンサの直列回路を3組用いる場合について示したが、コイルとコンデンサの直列回路を何組用いるかは、必要とされる電流波形に応じて適宜選定することができ、少なくとも2組の直列回路を用いることで、上記変極点を有する波形を発生させることが可能である。
次に、上述した高電圧パルス発生部を搭載したDPP方式EUV光源装置の具体的な構成例について以下説明する。
(1)高電圧パルス発生部の第1の具体的な構成例
図6に本発明の実施例の高電圧パルス発生部を搭載したDPP方式EUV光源装置の第1の具体的構成例を示す。
ここで、放電容器であるチャンバ、ガス供給・排気ユニット、ガス供給・排気ユニット、EUV集光鏡、EUV光取出部、メインコントローラ等、図9に示した従来例のDPP方式EUV光源装置の構成例と同等である部分については、ここでは説明を省略し、以下では、相違している電極部、高電圧パルス発生部について説明する。また、理解を容易にするため、図6においては、予備電離手段については省略してある。
(1)高電圧パルス発生部の第1の具体的な構成例
図6に本発明の実施例の高電圧パルス発生部を搭載したDPP方式EUV光源装置の第1の具体的構成例を示す。
ここで、放電容器であるチャンバ、ガス供給・排気ユニット、ガス供給・排気ユニット、EUV集光鏡、EUV光取出部、メインコントローラ等、図9に示した従来例のDPP方式EUV光源装置の構成例と同等である部分については、ここでは説明を省略し、以下では、相違している電極部、高電圧パルス発生部について説明する。また、理解を容易にするため、図6においては、予備電離手段については省略してある。
(a)電極部
チャンバ1には、円盤状のフランジ部材12と一体に構成されたリング状の第1の主放電電極3a(カソード)と、リング状の第2の主放電電極3b(アノード)とが絶縁材3cを介して配置される。チャンバ1および第2の主放電電極3bは接地され、第1の主放電電極3aには、高電圧パルス発生部20からおよそ−5kV〜−20kVの電圧が印加される。その結果、リング状の第1、第2の各主放電電極3a,3b間の高温高密度プラズマ発生部2には、高温高密度のプラズマ放電が発生し、このプラズマから波長13.5nmのEUV光が放射される。
なお、図6に示す第1の主放電電極3aは、凸部12aを有するフランジ部材12と一体に構成され、フランジ部材12の凸部12aは内側に貫通孔を有している。そして、貫通孔を有する絶縁材14を介して、内側にガス通路を有するガス供給部材13が取り付けられている。
上記ガス供給部材13のガス通路、絶縁材14の貫通孔、上記凸部の貫通孔、第1の主放電電極の貫通孔は連なって、一つのガス供給用通路を形成している。
ガス供給・排気ユニット11からの放電用ガスは、上記したガス供給用通路を通じてチャンバ内に供給される。
チャンバ1には、円盤状のフランジ部材12と一体に構成されたリング状の第1の主放電電極3a(カソード)と、リング状の第2の主放電電極3b(アノード)とが絶縁材3cを介して配置される。チャンバ1および第2の主放電電極3bは接地され、第1の主放電電極3aには、高電圧パルス発生部20からおよそ−5kV〜−20kVの電圧が印加される。その結果、リング状の第1、第2の各主放電電極3a,3b間の高温高密度プラズマ発生部2には、高温高密度のプラズマ放電が発生し、このプラズマから波長13.5nmのEUV光が放射される。
なお、図6に示す第1の主放電電極3aは、凸部12aを有するフランジ部材12と一体に構成され、フランジ部材12の凸部12aは内側に貫通孔を有している。そして、貫通孔を有する絶縁材14を介して、内側にガス通路を有するガス供給部材13が取り付けられている。
上記ガス供給部材13のガス通路、絶縁材14の貫通孔、上記凸部の貫通孔、第1の主放電電極の貫通孔は連なって、一つのガス供給用通路を形成している。
ガス供給・排気ユニット11からの放電用ガスは、上記したガス供給用通路を通じてチャンバ内に供給される。
(b)高電圧パルス発生部
前記したように、前記図9に示した従来の高電圧パルス発生部20との相違点は、磁気パルス圧縮回路の最終段を構成するコンデンサが、コンデンサとコイルとの直列回路が複数並列に接続されてなるLC回路に置き換わっている点である。
図6に示す高電圧パルス発生部20におけるLC回路は、コンデンサC21とコイルL1の直列回路、コンデンサC22とコイルL2の直列回路、コンデンサC22とコイルL3の直列回路が並列に接続された構成であり、前記図1に示した回路構成を有しており(図1で省略した磁気アシストSR1が図6では示されている)、その動作も前記図1で説明した通りであるので、ここでは動作の説明は省略し、以下、LC回路、磁気スイッチSR3の具体的な構成・配置例について説明する。
磁気スイッチSR3を構成する円筒状のコアは、第1の主放電電極3aと一体に構成されたフランジ部材12と絶縁材3cとに挟まれ、かつ、円筒状のコアの内側空洞が第1の主放電電極3aと一体で構成されたフランジ部材12の凸部12aを包囲するように配置されている。
前記したように、前記図9に示した従来の高電圧パルス発生部20との相違点は、磁気パルス圧縮回路の最終段を構成するコンデンサが、コンデンサとコイルとの直列回路が複数並列に接続されてなるLC回路に置き換わっている点である。
図6に示す高電圧パルス発生部20におけるLC回路は、コンデンサC21とコイルL1の直列回路、コンデンサC22とコイルL2の直列回路、コンデンサC22とコイルL3の直列回路が並列に接続された構成であり、前記図1に示した回路構成を有しており(図1で省略した磁気アシストSR1が図6では示されている)、その動作も前記図1で説明した通りであるので、ここでは動作の説明は省略し、以下、LC回路、磁気スイッチSR3の具体的な構成・配置例について説明する。
磁気スイッチSR3を構成する円筒状のコアは、第1の主放電電極3aと一体に構成されたフランジ部材12と絶縁材3cとに挟まれ、かつ、円筒状のコアの内側空洞が第1の主放電電極3aと一体で構成されたフランジ部材12の凸部12aを包囲するように配置されている。
コンデンサC23とコイルL3とからなる直列回路部は、第1の主放電電極3aと一体に構成されたフランジ部材12と接地されているチャンバ1の間に接続されている。
ここで、コンデンサC23とコイルL3とからなる直列回路部は、円筒状の磁気スイッチSR3のコア外周を包囲するように配置される。
また、コンデンサC22とコイルL2とからなる直列回路部、コンデンサC21とコイルL1とからなる直列回路部も、第1の主放電電極3aと一体に構成されたフランジ部材12とチャンバ1の間に接続されている。
ここで、コンデンサC22とコイルL2とからなる直列回路部は、コンデンサC23とコイルL3とからなる直列回路部の外周を包囲するように配置される。また、コンデンサC21とコイルL1とからなる直列回路部は、コンデンサC22とコイルL2とからなる直列回路部の外周を包囲するように配置される。
ここで、コンデンサC23とコイルL3とからなる直列回路部は、円筒状の磁気スイッチSR3のコア外周を包囲するように配置される。
また、コンデンサC22とコイルL2とからなる直列回路部、コンデンサC21とコイルL1とからなる直列回路部も、第1の主放電電極3aと一体に構成されたフランジ部材12とチャンバ1の間に接続されている。
ここで、コンデンサC22とコイルL2とからなる直列回路部は、コンデンサC23とコイルL3とからなる直列回路部の外周を包囲するように配置される。また、コンデンサC21とコイルL1とからなる直列回路部は、コンデンサC22とコイルL2とからなる直列回路部の外周を包囲するように配置される。
すなわち、磁気スイッチSR3,LC回路部は、第1の主放電電極3aと第2の主放電電極3b間の空間であって、第1の主放電電極3aと一体に形成されたフランジ部12の凸部12aを年輪状に包囲するようにコンパクトに配置され、装置の小型化に寄与している。
また、LC回路、磁気スイッチSR3が、第1、第2の主放電電極3a,3bに近接して配置されているので、LC回路、磁気スイッチSR3、第1、第2の主放電電極3a,3bとがなす回路ループもコンパクトに形成され、回路ループのインダクタンスが小さくなり、第1、第2の主放電電極に印加される高電圧パルスも短パルスとなる。
なお、図6ではコンデンサC21,C22,C23に直列にコイルL1,L2,L3を接続した例を示したが、コイルL1(またはL2,L3)を導電部材としても、フランジ部材12、第1の主放電電極3a、放電部(プラズマ発生部2)、第2の主放電電極3b、チャンバ1、コンデンサC21(またはC22,C23)、上記導電部材で形成される閉回路がインダクタンス成分を有しているので、この閉回路のインダクタンスが、LC回路で必要とされるインダクタンス値を有していれば、上記コイルL1(またはL2,L3)は不要である。また、上記コンデンサC21(またはC22,C23)の取り付け位置を上記フランジ部材12の径方向に移動させ、上記閉回路の断面積を変えれば、上記インダクタンス値を調整することができる。
また、LC回路、磁気スイッチSR3が、第1、第2の主放電電極3a,3bに近接して配置されているので、LC回路、磁気スイッチSR3、第1、第2の主放電電極3a,3bとがなす回路ループもコンパクトに形成され、回路ループのインダクタンスが小さくなり、第1、第2の主放電電極に印加される高電圧パルスも短パルスとなる。
なお、図6ではコンデンサC21,C22,C23に直列にコイルL1,L2,L3を接続した例を示したが、コイルL1(またはL2,L3)を導電部材としても、フランジ部材12、第1の主放電電極3a、放電部(プラズマ発生部2)、第2の主放電電極3b、チャンバ1、コンデンサC21(またはC22,C23)、上記導電部材で形成される閉回路がインダクタンス成分を有しているので、この閉回路のインダクタンスが、LC回路で必要とされるインダクタンス値を有していれば、上記コイルL1(またはL2,L3)は不要である。また、上記コンデンサC21(またはC22,C23)の取り付け位置を上記フランジ部材12の径方向に移動させ、上記閉回路の断面積を変えれば、上記インダクタンス値を調整することができる。
(2)高電圧パルス発生部の第2の具体的な構成例
図7に本発明の高電圧パルス発生部を搭載したDPP方式EUV光源装置の第2の具体的構成例を示す。図6に示したDPP方式EUV光源装置との相違点は、第1の主放電電極と一体に構成されたフランジ部材の形状とLC回路の形状が相違する点と、チャンバ1に第2のフランジ部材が取り付けられている点であり、その他の構成部材は基本的には図6に示したものと同様であるので、ここでは説明を省略する。
図7に示すように、凸部12aを有する円盤状のフランジ部材12は第1の主放電電極と一体に形成され、該フランジ部材12の外周に棚板部15a,15bを有する第1の円筒フランジ部材15が設けられている。
一方、第2の主放電電極3bに連結され電気的に同電位であるチャンバ1の外周部には、棚板部16aを有する第2の円筒フランジ部材16が設けられている。
図7に本発明の高電圧パルス発生部を搭載したDPP方式EUV光源装置の第2の具体的構成例を示す。図6に示したDPP方式EUV光源装置との相違点は、第1の主放電電極と一体に構成されたフランジ部材の形状とLC回路の形状が相違する点と、チャンバ1に第2のフランジ部材が取り付けられている点であり、その他の構成部材は基本的には図6に示したものと同様であるので、ここでは説明を省略する。
図7に示すように、凸部12aを有する円盤状のフランジ部材12は第1の主放電電極と一体に形成され、該フランジ部材12の外周に棚板部15a,15bを有する第1の円筒フランジ部材15が設けられている。
一方、第2の主放電電極3bに連結され電気的に同電位であるチャンバ1の外周部には、棚板部16aを有する第2の円筒フランジ部材16が設けられている。
図8に上記第1、第2の円筒フランジ部材15,16付近の拡大図を示す。
図7、図8に示すように、磁気スイッチSR3を構成する円筒状のコアは、第1の主放電電極3aと一体に構成されたフランジ部材12と絶縁材3cとに挟まれ、かつ、円筒状のコアの内側空洞が第1の主放電電極3aと一体で構成されたフランジ部材12の凸部12aを包囲するように配置されている。
また、LC回路を構成するコンデンサC21は、チャンバ1および第1の円筒フランジ部材15の棚板部15aの下面に接続されており、配置位置は同図の点線矢印方向に自由度がある。コンデンサC22は、第1の円筒フランジ部材15の棚板部15aの上面および第2の円筒フランジ部16の棚板部16aの下面に接続されており、配置位置は点線矢印方向に自由度がある。コンデンサC23は、第2の円筒フランジ部16の棚板部16a上面および第1の円筒フランジ部15の棚板部15b下面に接続されており、配置位置は点線矢印方向に自由度がある。
図7、図8に示すように、磁気スイッチSR3を構成する円筒状のコアは、第1の主放電電極3aと一体に構成されたフランジ部材12と絶縁材3cとに挟まれ、かつ、円筒状のコアの内側空洞が第1の主放電電極3aと一体で構成されたフランジ部材12の凸部12aを包囲するように配置されている。
また、LC回路を構成するコンデンサC21は、チャンバ1および第1の円筒フランジ部材15の棚板部15aの下面に接続されており、配置位置は同図の点線矢印方向に自由度がある。コンデンサC22は、第1の円筒フランジ部材15の棚板部15aの上面および第2の円筒フランジ部16の棚板部16aの下面に接続されており、配置位置は点線矢印方向に自由度がある。コンデンサC23は、第2の円筒フランジ部16の棚板部16a上面および第1の円筒フランジ部15の棚板部15b下面に接続されており、配置位置は点線矢印方向に自由度がある。
図7、図8に示すLC回路では、コンデンサC21に直列に接続されるコイルL1のインダクタンス成分は、コンデンサC21、第1の円筒フランジ部材15の棚板部15a、フランジ部材12、第1の主放電電極3a、放電部、第2の主放電電極3b、チャンバ1からなる閉回路のインダクタンス成分で代用している。
同様に、LC回路のインダクタンス成分であるコイルL2は、コンデンサC22、第1の円筒フランジ部材15の棚板部15a、フランジ部材12、第1の主放電電極3a、放電部、第2の主放電電極3b、チャンバ1、第2の円筒フランジ部材16の棚板部16aからなる閉回路のインダクタンス成分で代用し、コイルL3は、コンデンサC23、第1の円筒フランジ部材15の棚板部15b、フランジ部材12、第1の主放電電極3a、放電部、第2の主放電電極3b、チャンバ1、第2の円筒フランジ部材16の棚板部16aからなる閉回路のインダクタンス成分で代用している。
同様に、LC回路のインダクタンス成分であるコイルL2は、コンデンサC22、第1の円筒フランジ部材15の棚板部15a、フランジ部材12、第1の主放電電極3a、放電部、第2の主放電電極3b、チャンバ1、第2の円筒フランジ部材16の棚板部16aからなる閉回路のインダクタンス成分で代用し、コイルL3は、コンデンサC23、第1の円筒フランジ部材15の棚板部15b、フランジ部材12、第1の主放電電極3a、放電部、第2の主放電電極3b、チャンバ1、第2の円筒フランジ部材16の棚板部16aからなる閉回路のインダクタンス成分で代用している。
上記した閉回路のインダクタンス成分は、該閉回路の断面積に依存し、コンデンサC21,C22、C23の図8に示す矢印方向の設置位置により変化する。すなわち、コンデンサC21,C22、C23の位置を調整することにより、LC回路部の各インダクタンス成分を容易に調整することが可能となる。
上記構成とすることで、前記図6と同様、LC回路をコンパクトに配置することができ、装置の小型化を図ることができる。
また、LC回路、磁気スイッチSR3が、第1、第2の主放電電極3a,3bに近接して配置されているので、LC回路、磁気スイッチSR3、第1、第2の主放電電極3a,3bとがなす回路ループもコンパクトに形成され、回路ループのインダクタンスが小さくなり、第1、第2の主放電電極に印加される高電圧パルスも短パルスとなる。
上記構成とすることで、前記図6と同様、LC回路をコンパクトに配置することができ、装置の小型化を図ることができる。
また、LC回路、磁気スイッチSR3が、第1、第2の主放電電極3a,3bに近接して配置されているので、LC回路、磁気スイッチSR3、第1、第2の主放電電極3a,3bとがなす回路ループもコンパクトに形成され、回路ループのインダクタンスが小さくなり、第1、第2の主放電電極に印加される高電圧パルスも短パルスとなる。
1 チャンバ
2 高密度高温プラズマ発生部
3a 第1の主放電電極
3b 第2の主放電電極
3c 絶縁材
4 ガス導入口
5 EUV集光鏡
6 EUV光取出部
7 ガス排気口
8 予備電離ユニット
11 ガス・供給排気ユニット
12 フランジ部材
12a 凸部
13 ガス供給部材
14 絶縁材
15 第1の円筒フランジ部材
15a 棚板部
16 第2の円筒フランジ部材
16a 棚板部
20 高電圧パルス発生部
30 メインコントローラ
40 露光機
CH 高電圧電源
C0,C1,C21,C22,C23 コンデンサ
L1,L2,L3 コイル
SW 固体スイッチ
Tr1 昇圧トランス
SR2,SR3 磁気スイッチ
2 高密度高温プラズマ発生部
3a 第1の主放電電極
3b 第2の主放電電極
3c 絶縁材
4 ガス導入口
5 EUV集光鏡
6 EUV光取出部
7 ガス排気口
8 予備電離ユニット
11 ガス・供給排気ユニット
12 フランジ部材
12a 凸部
13 ガス供給部材
14 絶縁材
15 第1の円筒フランジ部材
15a 棚板部
16 第2の円筒フランジ部材
16a 棚板部
20 高電圧パルス発生部
30 メインコントローラ
40 露光機
CH 高電圧電源
C0,C1,C21,C22,C23 コンデンサ
L1,L2,L3 コイル
SW 固体スイッチ
Tr1 昇圧トランス
SR2,SR3 磁気スイッチ
Claims (3)
- 高密度高温プラズマが発生する容器と、この容器内に極端紫外光を放射させるための原料を供給する原料供給手段と、上記容器内で放電により上記原料を加熱・励起し高密度高温プラズマを発生させるための一対の主放電電極と、該主放電電極間に高電圧パルスを印加する高電圧パルス発生部と、上記高密度高温プラズマから放射される極端紫外光を集光する集光光学手段と、上記集光光学手段を介して極端紫外光を取り出す極端紫外光取出部とを有する極端紫外光光源装置であって、
上記高電圧パルス発生部は、
キャパシタンス成分とインダクタンス成分の直列回路を少なくとも2組有するLC回路と、該直列回路に並列に接続され上記キャパシタンス成分を充電する充電回路と、上記LC回路と上記一対の主放電電極との間に接続されたスイッチから構成され、
上記少なくとも2組設けられた直列回路のパラメータは互いに相違しており、
上記スイッチを閉じることで、上記キャパシタンス成分に充電された電気エネルギーが一対の主放電電極に印加され、主放電電極間に放電電流が流れるように構成されている
ことを特徴とする極端紫外光光源装置。 - 上記主放電電極間に流れる放電電流の電流波形は変極点を有し、この変極点は、上記放電により発生する極端紫外光の発生時点以降に生ずるように、上記LC回路の直列回路のパラメータが設定されている
ことを特徴とする請求項1に記載の極端紫外光光源装置。 - 一対の上記主放電電極は、絶縁材により絶縁されたリング状の第1及び第2の主放電電極から構成され、
上記第1の主放電電極は、該リング状の第1の主放電電極の周りを囲むように配置された導電性を有するリング状のフランジ部材に連結され、
上記第2の主放電電極は、導電性を有する上記容器に連結され、
上記スイッチは磁気スイッチであり、この磁気スイッチを構成する円筒状のコアは、第1の主放電電極に連結された上記フランジ部材と絶縁材とに挟まれ、かつ、上記主放電電極に対して同心円状に配置され、
前記キャパシタンス成分が、上記フランジ部材と、上記容器もしくは該容器に連結された導電性部材との間に接続され、該キャパシタンス成分は上記主放電電極に対して同心円状に配置され、
上記フランジと、上記主放電電極間に形成される放電部と、容器とキャパシタンス成分とで形成される閉回路が前記インダクタンス成分を構成する
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の極端紫外光光源装置。
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-
2005
- 2005-10-31 JP JP2005315801A patent/JP2007123138A/ja active Pending
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