JP2006351435A - プラズマ発生装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】装置動作中、作業者が感電の心配なくガス導入装置に触れることができるようにするとともに、高密度高温プラズマの発生に使われるべきエネルギーが失われないようにしたプラズマ発生装置を提供すること。
【解決手段】ガス導入装置2と、環状の放電電圧印加電極9間に接続され、ガス導入装置2から真空容器13内に放電ガスを導入する金属製ガス管5とを有し、高電圧パルス発生器7より放電電圧印加電極9と接地電極11間にパルス状の高電圧を印加し、放電電圧印加電極9と接地電極11間に放電ガスによる高密度高温プラズマを発生させるプラズマ発生装置であって、金属製ガス管5の一部に、絶縁管6を挿入し、ガス導入装置2を接地する。
【選択図】図1
【解決手段】ガス導入装置2と、環状の放電電圧印加電極9間に接続され、ガス導入装置2から真空容器13内に放電ガスを導入する金属製ガス管5とを有し、高電圧パルス発生器7より放電電圧印加電極9と接地電極11間にパルス状の高電圧を印加し、放電電圧印加電極9と接地電極11間に放電ガスによる高密度高温プラズマを発生させるプラズマ発生装置であって、金属製ガス管5の一部に、絶縁管6を挿入し、ガス導入装置2を接地する。
【選択図】図1
Description
本発明は、放電電極を備えた真空容器内に放電ガスを導入し、放電電極間に高密度高温プラズマを発生させるプラズマ発生装置に係わり、特に、高密度高温プラズマを発生させることによりEUV(極端紫外)光を取り出すプラズマ発生装置に関する。
近年、半導体集積回路の微細化、高集積化に伴い、製造用の投影露光装置において解像力の向上が要請されている。その要請に応えるために、露光用光源の短波長化が進められており、エキシマレーザ装置に続く次世代の半導体露光用光源として、波長13〜14nm、特に波長13.5nmのEUV(Extreme Ultra Violet:極端紫外)光を放出するEUV光源装置が開発されている。
EUV光源装置において、EUV光を発生させる方法はいくつか知られているが、そのうちの1つにEUV放射種の加熱・励起により高密度高温プラズマを発生させ、この高密度高温プラズマから放射されるEUV光を取り出す方法がある。
EUV光源装置において、EUV光を発生させる方法はいくつか知られているが、そのうちの1つにEUV放射種の加熱・励起により高密度高温プラズマを発生させ、この高密度高温プラズマから放射されるEUV光を取り出す方法がある。
このような方法を採用するEUV光源装置としては、例えば、非特許文献1に記載されているように、高密度高温プラズマの生成方式により、LPP(Laser Produced Plasma:レーザ生成プラズマ)方式EUV光源装置と、DPP(Discharge Produced Plasma :放電生成プラズマ)方式EUV光源装置とに大きく分けられる。
LPP方式EUV光源装置は、固体、液体、気体等のターゲットにパルスレーザを照射することにより発生する高密度高温プラズマから放射するEUV光を利用するものである。
一方、DPP方式EUV光源装置は、電流駆動によって生成した高密度高温プラズマから放射するEUV光を利用するものであり、DPP方式EUV光源装置の一例が特許文献1に記載されている。
LPP方式EUV光源装置は、固体、液体、気体等のターゲットにパルスレーザを照射することにより発生する高密度高温プラズマから放射するEUV光を利用するものである。
一方、DPP方式EUV光源装置は、電流駆動によって生成した高密度高温プラズマから放射するEUV光を利用するものであり、DPP方式EUV光源装置の一例が特許文献1に記載されている。
DPP方式EUV光源における放電方式には、非特許文献1に記載されているように、Zピンチ方式、キャピラリー放電方式、プラズマフォーカス方式、ホローカソードトリガーZピンチ方式等がある。DPP方式EUV光源は、LPP方式EUV光源と比較して、光源装置の小型化、光源システムの消費電力が小さいといった利点あり、実用化への期待も大きい。
上記した両方式のEUV光源装置において、波長13.5nmのEUV光を放出する放射種、すなわち、高密度高温プラズマ用原料としては、現在10価前後のXe(キセノン)イオンとSn(錫)イオンが有望と考えられている。
Sn(錫)を利用する場合は、特許文献2に記載されているように、プラズマ生成領域にスタナン(SnH4)ガスを供給する方法が提案されている。
上記した両方式のEUV光源装置において、波長13.5nmのEUV光を放出する放射種、すなわち、高密度高温プラズマ用原料としては、現在10価前後のXe(キセノン)イオンとSn(錫)イオンが有望と考えられている。
Sn(錫)を利用する場合は、特許文献2に記載されているように、プラズマ生成領域にスタナン(SnH4)ガスを供給する方法が提案されている。
図7に従来技術に係るDPP方式EUV光源装置の構成例を示す。なお、同図は、後述する放電電極部と真空容器については断面図を示している。
このEUV光源装置は、主としてガス供給システムと放電電極部と真空容器とから構成されている。放電電極部は、接地電位の真空容器に設けられた環状の接地電極を有し、該接地電極に対し、接地電極と同軸の環状の放電電圧印加電極が、接地電極と同軸の環状の絶縁体を介して取り付けられている。
このEUV光源装置は、主としてガス供給システムと放電電極部と真空容器とから構成されている。放電電極部は、接地電位の真空容器に設けられた環状の接地電極を有し、該接地電極に対し、接地電極と同軸の環状の放電電圧印加電極が、接地電極と同軸の環状の絶縁体を介して取り付けられている。
ガス供給システムは、ガス導入装置と、ガス導入装置と放電電極部とをつなぐ金属製ガス管とから構成されており、放電電極部に高密度高温プラズマを発生させるための原料である放電ガスを一定に制御して供給している。
ガス導入装置は、放電ガスの供給源であるガスボンベと、ガスボンベから出てくる放電ガスの流量を調整するマスフローコントローラ等の制御機器から構成されている。
ガス導入装置から供給された放電ガスは、放電電極部の放電電圧印加電極に接続された金属製ガス管を介して、放電電圧印加電極側から真空容器に導入される。
ガス導入装置は、放電ガスの供給源であるガスボンベと、ガスボンベから出てくる放電ガスの流量を調整するマスフローコントローラ等の制御機器から構成されている。
ガス導入装置から供給された放電ガスは、放電電極部の放電電圧印加電極に接続された金属製ガス管を介して、放電電圧印加電極側から真空容器に導入される。
放電電圧印加電極と接地電極間には、数Hz乃至数十kHzの反復周波数を有する電気パルスが供給可能である高電圧パルス発生器が接続されている。
放電電極部において、真空容器内が減圧された状態で放電ガスが供給され、高電圧パルス発生器から放電電圧印加電極と接地電極間にパルス状の高電圧が印加されると、高密度高温プラズマが発生し、EUV光が放射される。放射されたEUV光は、真空容器内にある集束光学系によって集束され、不図示の投影露光装置に導かれる。
放電電極部において、真空容器内が減圧された状態で放電ガスが供給され、高電圧パルス発生器から放電電圧印加電極と接地電極間にパルス状の高電圧が印加されると、高密度高温プラズマが発生し、EUV光が放射される。放射されたEUV光は、真空容器内にある集束光学系によって集束され、不図示の投影露光装置に導かれる。
真空容器側を接地電極とするのは、真空容器と、真空容器の内部に設けられる集束光学系の光学部品との間で、放電が生じないようにするためである。集束光学系の光学部品は、真空容器に設けられた支持手段により支持され、真空容器を含めたEUV光源装置とともに接地電位にある。
特開2003−218025号公報
特開2004−279246号公報
「リソグラフイ用EUV(極端紫外)光源研究の現状と将来展望」J.Plasma Fusion Res.Vol.79.No.3,P219−260,2003年3月
ところで、上記の従来技術に係るDPP方式EUV光源装置には、以下に示すような問題点がある。
上記のように、EUV光を放射する高密度高温プラズマを生成するための放電ガスは、放電電圧印加電極に接続された金属製ガス管から供給される。金属製ガス管に代えて、例えば、フッ素樹脂といった樹脂配管を用いると、配管から真空容器内に設けられる集光光学系等の光学素子を汚す物質が放出される可能性があるため、金属製の配管材料が使用されている。
上記のように、EUV光を放射する高密度高温プラズマを生成するための放電ガスは、放電電圧印加電極に接続された金属製ガス管から供給される。金属製ガス管に代えて、例えば、フッ素樹脂といった樹脂配管を用いると、配管から真空容器内に設けられる集光光学系等の光学素子を汚す物質が放出される可能性があるため、金属製の配管材料が使用されている。
しかし、上記したように、放電電圧印加電極には放電電圧が印加されるため、放電電圧印加電極に接続された金属製ガス管にも放電電圧が印加され、したがって、ガス供給システム全体が、放電電圧が印加される一種の電極状態になる。
このような状態でガス供給システムを接地すると、放電電極部に与えられている高密度高温プラズマの発生に使われるべきエネルギーの一部が、金属製ガス管を伝わってガス導入装置側に逃げてしまい、結果として高密度高温プラズマから取り出されるEUV光の出力低下を招く。
このような状態でガス供給システムを接地すると、放電電極部に与えられている高密度高温プラズマの発生に使われるべきエネルギーの一部が、金属製ガス管を伝わってガス導入装置側に逃げてしまい、結果として高密度高温プラズマから取り出されるEUV光の出力低下を招く。
そのため、従来は、ガス供給システムを接地していなかった。しかしながら、このような状態では、放電電圧印加中に作業者がガス供給システムに触れると感電する可能性があり、これを防ぐためにガス供給システム全体を大掛かりな絶縁容器または絶縁室により被覆する必要があった。
その結果、装置全体が大型化、高コスト化していた。また、装置の動作中は、放電電圧が印加されているので、作業者はガスボンベやマスフローコントローラといった制御機器に触れることができず、流量等の調整ができないという問題があった。
その結果、装置全体が大型化、高コスト化していた。また、装置の動作中は、放電電圧が印加されているので、作業者はガスボンベやマスフローコントローラといった制御機器に触れることができず、流量等の調整ができないという問題があった。
本発明の目的は、上記の問題点に鑑み、放電電圧印加電極側から放電ガスを導入しつつ、放電により高密度高温プラズマを発生させるプラズマ発生装置において、ガス導入装置(ガスボンベ、マスフローコントローラといった制御機器)を接地し、装置動作中でも、作業者が、感電の心配なくガス導入装置に触れることができるようにするとともに、高密度高温プラズマの発生に使われるべきエネルギーが失われないようにしたプラズマ発生装置を提供することにある。
本発明は、上記の課題を解決するために、次のような手段を採用した。
第1の手段は、接地電位の真空容器に設けられる環状の接地電極と、該接地電極と同軸に設けられる環状の絶縁体と、上記絶縁体を介して上記接地電極と同軸に設けられる環状の放電電圧印加電極と、上記放電電圧印加電極と上記接地電極間にパルス状の高電圧を印加する高電圧パルス発生器と、ガス導入装置と、該ガス導入装置と上記環状の放電電圧印加電極間に接続され、上記ガス導入装置から上記真空容器内に放電ガスを導入する金属製ガス管とを有し、上記高電圧パルス発生器より上記放電電圧印加電極と上記接地電極間にパルス状の高電圧を印加し、上記放電電圧印加電極と上記接地電極間に放電ガスによる高密度高温プラズマを発生させるプラズマ発生装置において、上記金属製ガス管の一部に、電気絶縁性ガス管を挿入したことを特徴とするプラズマ発生装置である。
第1の手段は、接地電位の真空容器に設けられる環状の接地電極と、該接地電極と同軸に設けられる環状の絶縁体と、上記絶縁体を介して上記接地電極と同軸に設けられる環状の放電電圧印加電極と、上記放電電圧印加電極と上記接地電極間にパルス状の高電圧を印加する高電圧パルス発生器と、ガス導入装置と、該ガス導入装置と上記環状の放電電圧印加電極間に接続され、上記ガス導入装置から上記真空容器内に放電ガスを導入する金属製ガス管とを有し、上記高電圧パルス発生器より上記放電電圧印加電極と上記接地電極間にパルス状の高電圧を印加し、上記放電電圧印加電極と上記接地電極間に放電ガスによる高密度高温プラズマを発生させるプラズマ発生装置において、上記金属製ガス管の一部に、電気絶縁性ガス管を挿入したことを特徴とするプラズマ発生装置である。
第2の手段は、第1の手段において、上記電気絶縁性ガス管は、内部に蛇行したガス流路が形成されるように複数の電気絶縁性の仕切りが設けられていることを特徴とするプラズマ発生装置である。
第3の手段は、第1の手段において、上記金属製ガス管および/または上記電気絶縁性ガス管は、コイル状に巻回されていることを特徴とするプラズマ発生装置である。
第4の手段は、第3の手段において、上記金属製ガス管および/または上記電気絶縁性ガス管は、磁気コアの周りにコイル状に巻回されていることを特徴とするプラズマ発生装置である。
第5の手段は、第3の手段または第4の手段において、上記高電圧パルス発生器に設けられたコンデンサの容量と、上記金属製ガス管および上記電気絶縁性ガス管におけるインダクタンス値とより求められる放電周期を、上記放電電圧印加電極と上記接地電極間に印加されるパルス状の高電圧の放電周期よりも長くなるように、上記コイル状に巻かれた上記金属製ガス管および/または上記電気絶縁性ガス管の巻回数が設定されていることを特徴とするプラズマ発生装置である。
請求項1に記載の発明によれば、絶縁管からガス導入装置側は、放電電圧印加電極に対して絶縁されるので、ガス導入装置は接地することができ、従来必要とされていた大掛かりな絶縁容器や絶縁室が不要となる。また、作業者は高電圧印加時においても、ガス導入装置に触れることができ、作業を容易に行うことができる。また、高密度高温プラズマの発生に使われるべきエネルギーが失われないようにすることができる。
請求項2に記載の発明によれば、絶縁管自体の長さを長くすることなく、内部の放電ガスの流路を長くすることができ、絶縁管内部でのガス放電を防ぐことができる。
請求項3に記載の発明によれば、ガス導入装置側に形成される電気回路のインダクタンスが大きくなるので、高電圧パルス発生器から放電電極に印加される高電圧の繰り返し周波数が高い条件において、金属性ガス管の一部に挿入した絶縁管内でガス放電が起こりやすい状態になっても、ガス導入装置側に形成される電気回路に流れるエネルギーが、高密度高温プラズマを発生させる放電電極回路側に流れるエネルギーに比べて小さくなり、絶縁管中での放電の発生を防ぐことができる。
請求項4に記載の発明によれば、構造的にコンパクトで大きなインダクタンスを形成することができる。
請求項5に記載の発明によれば、高電圧パルス発生器に設けられたコンデンサの容量と、金属製ガス管および/または電気絶縁性ガス管におけるインダクタンス値とより求められる放電周期を、放電電圧印加電極に印加されるパルス状の高電圧のパルス周期と対比することにより、コイル状に巻かれた上記金属製ガス管および/または上記電気絶縁性ガス管の巻回数を設定することができる。
はじめに、本発明の第1の実施形態を図1乃至図4を用いて説明する。
図1は、本実施形態の発明に係るプラズマ発生装置の構成を示す図、図2は絶縁管6における放電現象を説明する図、図3は本発明に係るプラズマ発生装置の電気的等価回路を示す図、図4(a)乃至図4(c)は絶縁管6の構成例を示す図である。
これらの図において、1はガス供給システム、2はガス導入装置、3はガスボンベ、4はマスフローコントローラー、5は金属製ガス管、6は金属製ガス管5の一部に挿入された電気絶縁性ガス管からなる絶縁管、7は高電圧パルス発生器、8は放電電極部、9は放電電圧印加電極、10は絶縁体、11は接地電極、12は高密度高温プラズマ、13は真空容器、14は集光光学系、15は光出射部、16は真空システムである。
図1は、本実施形態の発明に係るプラズマ発生装置の構成を示す図、図2は絶縁管6における放電現象を説明する図、図3は本発明に係るプラズマ発生装置の電気的等価回路を示す図、図4(a)乃至図4(c)は絶縁管6の構成例を示す図である。
これらの図において、1はガス供給システム、2はガス導入装置、3はガスボンベ、4はマスフローコントローラー、5は金属製ガス管、6は金属製ガス管5の一部に挿入された電気絶縁性ガス管からなる絶縁管、7は高電圧パルス発生器、8は放電電極部、9は放電電圧印加電極、10は絶縁体、11は接地電極、12は高密度高温プラズマ、13は真空容器、14は集光光学系、15は光出射部、16は真空システムである。
このプラズマ発生装置は、図1に示すように、主としてガス供給システム1と放電電極部8と真空容器13とから構成されている。
ガス供給システム1は、ガス導入装置2と、ガス導入装置2と放電電極部8とをつなぐ金属製ガス管5と絶縁管6から構成されており、放電電極部8に高密度高温プラズマを発生させるための原料である放電ガスを一定に制御して供給している。
ガス導入装置2は、放電ガスの供給源であるガスボンベ3と、ガスボンベ3から出てくる放電ガスの流量を調整するマスフローコントローラ4等の制御機器から構成されている。
ガス導入装置2からの放電ガスは、絶縁管6および金属製ガス管5を介して、放電電圧印加電極側9から真空容器13側に導入される。
ガス供給システム1は、ガス導入装置2と、ガス導入装置2と放電電極部8とをつなぐ金属製ガス管5と絶縁管6から構成されており、放電電極部8に高密度高温プラズマを発生させるための原料である放電ガスを一定に制御して供給している。
ガス導入装置2は、放電ガスの供給源であるガスボンベ3と、ガスボンベ3から出てくる放電ガスの流量を調整するマスフローコントローラ4等の制御機器から構成されている。
ガス導入装置2からの放電ガスは、絶縁管6および金属製ガス管5を介して、放電電圧印加電極側9から真空容器13側に導入される。
放電電極部8は、接地電位の真空容器13に設けられた環状の接地電極11を有し、接地電極11に対し、接地電極11と同軸の環状の放電電圧印加電極9が、接地電極11と同軸の環状の絶縁体10を介して取り付けられている。
放電電圧印加電極9と接地電極11間には、数Hz乃至数十kHzの反復周波数を有する高電圧パルスが供給可能である高電圧パルス発生器7が接続されている。
放電電極部8において、真空容器13内が真空システム16により、0.01Pa〜1Pa程度に減圧された状態で放電ガスが供給され、高電圧パルス発生器7から放電電極部8に対し、パルス状の高電圧が印加されると、高密度高温プラズマ12が発生し、EUV光が放射される。放射されたEUV光は、真空容器13内にある集束光学系14によって集束され、光出射部15を通って外部に設けられた投影露光装置(不図示)に導かれる。
真空容器13および集束光学系14は、接地電極11とともに接地電位にある。
放電電圧印加電極9と接地電極11間には、数Hz乃至数十kHzの反復周波数を有する高電圧パルスが供給可能である高電圧パルス発生器7が接続されている。
放電電極部8において、真空容器13内が真空システム16により、0.01Pa〜1Pa程度に減圧された状態で放電ガスが供給され、高電圧パルス発生器7から放電電極部8に対し、パルス状の高電圧が印加されると、高密度高温プラズマ12が発生し、EUV光が放射される。放射されたEUV光は、真空容器13内にある集束光学系14によって集束され、光出射部15を通って外部に設けられた投影露光装置(不図示)に導かれる。
真空容器13および集束光学系14は、接地電極11とともに接地電位にある。
本実施形態の発明に係るプラズマ発生装置は、図1に示すように、ガス導入装置2と放電電圧印加電極9間に設けられる金属製ガス管5の一部に、ガラスやセラミックといった電気絶縁材料で形成された絶縁管6を挿入した点に特徴がある。
なお、絶縁管6を設ける位置は金属製ガス管5が大気中にある部分が望ましく、また、接地する位置は絶縁管6のガス導入装置2側近傍が適している。
絶縁管6には、フッ素樹脂等の樹脂配管材も電気絶縁性であるが、先にも述べたように、配管材から真空容器13内に設けられる集光光学系14等の光学素子を汚す物質が放出される可能性があるため使用しない。
絶縁管6を設けることによって、絶縁管6からガス導入装置2側は、放電電圧印加電極9に対して絶縁されるので、ガス供給系システム1のガスボンベ3やマスフローコントローラ4等の制御機器の部分は接地することができ、従来必要とされていた大掛かりな絶縁容器または絶縁室が不要となる。
絶縁管6には、フッ素樹脂等の樹脂配管材も電気絶縁性であるが、先にも述べたように、配管材から真空容器13内に設けられる集光光学系14等の光学素子を汚す物質が放出される可能性があるため使用しない。
絶縁管6を設けることによって、絶縁管6からガス導入装置2側は、放電電圧印加電極9に対して絶縁されるので、ガス供給系システム1のガスボンベ3やマスフローコントローラ4等の制御機器の部分は接地することができ、従来必要とされていた大掛かりな絶縁容器または絶縁室が不要となる。
その結果、作業者は放電電圧印加時もガスボンベ3やマスフローコントローラ4等の制御機器に触れることができ、また制御機器も高電圧にさらされることもない。
ただし、金属製ガス管5に絶縁管6を設ける場合、以下の点に注意する必要がある。
放電電圧印加時、絶縁管6に対し放電電圧印加電極9側の金属製ガス管5には放電電圧が印加され、一方、絶縁管6のガス導入装置2側の金属製ガス管5は接地されるので、絶縁管6の両端には電位差を生ずる。したがって、絶縁管6においては、図2に示すように、絶縁管6の外壁を伝う沿面放電と、絶縁管6中を流れる放電ガス(例えば、キセノンガスやスタナンガス)を伝って放電が発生する可能性がある。
放電電圧印加時、絶縁管6に対し放電電圧印加電極9側の金属製ガス管5には放電電圧が印加され、一方、絶縁管6のガス導入装置2側の金属製ガス管5は接地されるので、絶縁管6の両端には電位差を生ずる。したがって、絶縁管6においては、図2に示すように、絶縁管6の外壁を伝う沿面放電と、絶縁管6中を流れる放電ガス(例えば、キセノンガスやスタナンガス)を伝って放電が発生する可能性がある。
このような放電が発生すると、放電電圧印加電極9、接地電極11に供給される電気エネルギーが減少し、EUV光を発生する高密度高温プラズマを効率よく得ることができなくなる。
これらの現象を図3を用いて説明すると、上記したように、プラズマ発生装置の放電電極部8には高電圧パルス発生器7が接続されているので、高電圧パルス発生器7のコンデンサCへの充電が完了した時、放電電極部8に電流Ieuvが流れ高密度高温プラズマ12が発生する。ここで、このプラズマ発生回路を放電回路Ceuvと呼ぶ。一方、上記したように、放電電圧印加電極9側には金属製ガス管5が接続され、放電ガスが供給されている。金属製ガス管5にも高電圧が印加されるが、金属製ガス管5には絶縁管6が挿入されており、ガス導入装置2は接地されている。
このとき、絶縁管6内部で放電電極部8に供給されている放電ガスを伝わってガス放電が生じると、接地されたガス導入装置2から放電電圧印加電極9に向かって電流が流れ、ガス供給システム1は一種の電気回路(以下ガス管回路と呼ぶ)Cgを形成することになる。
キルヒホッフの法則により、高電圧パルス発生器7のコンデンサCに蓄積されたエネルギーは放電回路Ceuvとガス管回路Cgの2系統に分配される。つまり、絶縁管6における放電によりガス管回路Cgが形成されてしまった場合、放電回路Ceuvに本来投入されるべきエネルギーが小さくなり、高密度高温プラズマ12を発生させるエネルギーが不足し、したがってEUV光の出力は低下する。
仮に放電回路Ceuvとガス管回路Cgが同じ回路定数を持ち、同じ電流が放電回路Ceuvとガス管回路Cgに流れた時、高電圧パルス発生器7のコンデンサCに貯えられていたエネルギーは放電回路Ceuvとガス管回路Cgに半分ずつ分配されるため,EUV光の出力低下、再現性低下を引き起こす。したがって、絶縁管6内部でガス放電が発生しないようにしなければならない。
絶縁管6を設ける位置は、絶縁管6外壁での沿面放電を考慮する必要がなくなるように大気中に設けるのが望ましく、沿面放電が無視できる場合、絶縁管6内部のガス放電のみを考慮すればよい。
絶縁管6内部のガス放電は、絶縁管6内部を流れている放電ガスの種類や金属製ガス管5のコンダクタンスや放電電圧印加電極9に印加される電圧の波形により異なるので、これらのパラメータに基づき、適当なpd値(絶縁管6を流れるガスの圧力pと距離dの積)を設定するとよい。
絶縁管6内部のガス放電は、絶縁管6内部を流れている放電ガスの種類や金属製ガス管5のコンダクタンスや放電電圧印加電極9に印加される電圧の波形により異なるので、これらのパラメータに基づき、適当なpd値(絶縁管6を流れるガスの圧力pと距離dの積)を設定するとよい。
例えば、放電ガスがキセノンの場合、絶縁管6内のpd値は十分に絶縁が可能な0.5MPa・cm/kV〜2MPa・cm/kVにする。プラズマ発生装置の放電電圧印加電極9と接地電極11間に印加される高電圧は+20kV〜−20kVであり、例えば、10kVとすると、放電を防ぐことができるpd値は5MPa・cm〜20MPa・cmとなる。
真空容器13の圧力は、上記したように0.01Pa〜1Paと低いので、絶縁管6内部の圧力も同様に低くなることが考えられる。したがって、絶縁管6内部のpd値を50MPa・cm〜200MPa・cmにするためには、絶縁管6の距離を長くしなければならないことになる。
真空容器13の圧力は、上記したように0.01Pa〜1Paと低いので、絶縁管6内部の圧力も同様に低くなることが考えられる。したがって、絶縁管6内部のpd値を50MPa・cm〜200MPa・cmにするためには、絶縁管6の距離を長くしなければならないことになる。
絶縁管の長さが長くなると、ガス供給システム1が大型化するので、これを防ぐために、図4(a)、(b)に示すように、絶縁管6内部に仕切り(隔壁)を設けて流路を蛇行させる。これにより、ガスが絶縁管6内部を流れる距離が長くなり、ガスの圧力も上がるので、pd値が大きくなる。これにより、絶縁管6自体の長さを長くすることなく、絶縁管6内部での放電を防ぐことができる。
また、図4(c)に示すように、絶縁管6と放電電圧印加電極9の間にコンダクタンスの悪い細い金属製ガス管5を挿入しても良い。細い金属製ガス管5を挿入することで絶縁管6内部の圧力が上がり、これによりpd値を大きくすることができるので絶縁管6内部での放電を防ぐことができる。
次に、本発明の第2の実施形態を図5および図6を用いて説明する。
図5は第2の実施形態の発明に係るプラズマ発生装置の構成を示す図、図6は第2の実施形態の発明に係る他のプラズマ発生装置の構成を示す図である。
これらの図において、17はコイル状に巻回された金属製ガス管、18は磁気コア、19は磁気コア18上にコイル状に巻回された金属製ガス管である。なお、その他の構成は図1に示した同符号の構成に対応するので説明を省略する。
図5は第2の実施形態の発明に係るプラズマ発生装置の構成を示す図、図6は第2の実施形態の発明に係る他のプラズマ発生装置の構成を示す図である。
これらの図において、17はコイル状に巻回された金属製ガス管、18は磁気コア、19は磁気コア18上にコイル状に巻回された金属製ガス管である。なお、その他の構成は図1に示した同符号の構成に対応するので説明を省略する。
第1の実施形態の発明に係るプラズマ発生装置において、金属製ガス管5に絶縁管6を挿入し、放電が生じないようなpd値を設定したとしても、放電電圧印加電極9、接地電極11に印加する高電圧の周波数が数Hz程度と低い場合は問題ないが、数kHzと高くなると、絶縁管6内で放電が発生する場合がある。設定したpd値がやや小さい場合にはこのような現象が生じることがある。
これを防ぐためには、絶縁管6内部のpd値がさらに大きくなるようにすればよいが、絶縁管6の交換等が必要となるので、それ以外の解決策として、図3の等価回路において、ガス管回路Cgに流れるエネルギーを、放電回路Ceuvに流れるエネルギーに比べて小さくするようにする。そのためには、ガス管回路Cgの放電周期Tgを、放電回路Ceuvの放電周期Teuvに比較して十分に長くするとよい。
例えば、ガス管回路Cgの放電周期Tgが、放電回路Ceuvの放電周期Teuvの10倍以上になるようにすると、ガス管回路Cgに漏れる電気エネルギーを0.5%未満にすることができる。典型的な放電周期Teuvは1〜3μsであるため、ガス管回路Cgの放電周期Tgを10〜30μsになるように、ガス管回路CgにインダクタンスLmを設けるようにすればよい。
詳しくは、放電回路Ceuvの放電周期Teuvとガス管回路Cgの放電周期Tgは、以下の式で表される。
Teuv=2π√(Leuv・C)
Tg=2π√((Lm+Lg)・C)
ここで、Leuvは放電回路Ceuvのインダクタンス、Cは放電回路Ceuvのコンデンサの容量、Lgは絶縁管6のインダクタンスである。
すなわち、放電回路Ceuvの放電周期Teuvは、放電回路CeuvのインダクタンスLeuvと放電回路Ceuvのコンデンサの容量Cとから求められ、一方、ガス管回路Cgの放電周期Tgはガス管回路CgのインダクタンスLmと絶縁管6のインダクタンスLgおよび放電回路Ceuvのコンデンサの容量Cとから求められる。
上記したように、ガス管回路Cgの放電周期Tgが放電回路Ceuvの放電周期Teuvよりも非常に長くなれば、ガス管回路Cgに流れるエネルギーを少なくできるのであるから、そのためには、ガス管回路CgのインダクタンスLmを大きくすればよい。
ガス管回路CgにインダクタンスLmを形成させるためには、例えば、金属製ガス管5をコイル状に巻き、金属製ガス管コイルを形成すればよい。
詳しくは、放電回路Ceuvの放電周期Teuvとガス管回路Cgの放電周期Tgは、以下の式で表される。
Teuv=2π√(Leuv・C)
Tg=2π√((Lm+Lg)・C)
ここで、Leuvは放電回路Ceuvのインダクタンス、Cは放電回路Ceuvのコンデンサの容量、Lgは絶縁管6のインダクタンスである。
すなわち、放電回路Ceuvの放電周期Teuvは、放電回路CeuvのインダクタンスLeuvと放電回路Ceuvのコンデンサの容量Cとから求められ、一方、ガス管回路Cgの放電周期Tgはガス管回路CgのインダクタンスLmと絶縁管6のインダクタンスLgおよび放電回路Ceuvのコンデンサの容量Cとから求められる。
上記したように、ガス管回路Cgの放電周期Tgが放電回路Ceuvの放電周期Teuvよりも非常に長くなれば、ガス管回路Cgに流れるエネルギーを少なくできるのであるから、そのためには、ガス管回路CgのインダクタンスLmを大きくすればよい。
ガス管回路CgにインダクタンスLmを形成させるためには、例えば、金属製ガス管5をコイル状に巻き、金属製ガス管コイルを形成すればよい。
ガス管コイルに大きなインダクタンスLmを形成するためには、(a)ガス管コイルのループの断面積大きくする(インダクタンスはコイルループの断面積に比例)(b)コイルの巻数を多くする(インダクタンスは巻数の2乗に比例)、(c)ガス管コイルに比透磁率の大きな磁気コアを挿入する等の方法がある。
したがって、図5に示すように、金属製ガス管5の一部をコイル状に巻回された金属製ガス管17で形成することによって、金属製ガス管コイルのインダクタンスを大きくできるとともに、絶縁管6内部の圧力も上昇させることができるので、pd値を大きくすることができ、より一層絶縁管6内部での放電を防ぐことができる。
また、図6に示すように、磁気コア18上に金属製ガス管5の一部をコイル状に巻回された金属製ガス管19で形成する。磁気コア18を使うことにより、コンパクトで大きなインダクタンスLmを形成することができる。
ガス管コイルを形成する上で注意する事項としては、コイル間の絶縁、また磁気コア18を用いる場合は、コイルと磁気コア18との絶縁を十分取る必要がある。
また、上記の説明においては、ガス管コイルは、金属製ガス管5の一部を、コイル状に巻回された金属製ガス管17または磁気コア18上にコイル状に巻回された金属製ガス管19として構成する場合について説明したが、これに限定されず、絶縁管6をコイル状に巻回された絶縁管コイルとして構成したり、また絶縁管6を磁気コア上にコイル状に巻回された絶縁管コイルとして構成するようにしてもよい。
1 ガス供給システム
2 ガス導入装置
3 ガスボンベ
4 マスフローコントローラー
5 金属製ガス管
6 絶縁管
7 高電圧パルス発生器
8 放電電極部
9 放電電圧印加電極
10 絶縁体
11 接地電極
12 高密度高温プラズマ
13 真空容器
14 集光光学系
15 光出射部
16 真空システム
17 コイル状に巻回された金属製ガス管
18 磁気コア
19 磁気コア上にコイル状に巻回された金属製ガス管
2 ガス導入装置
3 ガスボンベ
4 マスフローコントローラー
5 金属製ガス管
6 絶縁管
7 高電圧パルス発生器
8 放電電極部
9 放電電圧印加電極
10 絶縁体
11 接地電極
12 高密度高温プラズマ
13 真空容器
14 集光光学系
15 光出射部
16 真空システム
17 コイル状に巻回された金属製ガス管
18 磁気コア
19 磁気コア上にコイル状に巻回された金属製ガス管
Claims (5)
- 接地電位の真空容器に設けられる環状の接地電極と、
該接地電極と同軸に設けられる環状の絶縁体と、
上記絶縁体を介して上記接地電極と同軸に設けられる環状の放電電圧印加電極と、
上記放電電圧印加電極と上記接地電極間にパルス状の高電圧を印加する高電圧パルス発生器と、
ガス導入装置と、
該ガス導入装置と上記環状の放電電圧印加電極間に接続され、上記ガス導入装置から上記真空容器内に放電ガスを導入する金属製ガス管とを有し、
上記高電圧パルス発生器より上記放電電圧印加電極と上記接地電極間にパルス状の高電圧を印加し、上記放電電圧印加電極と上記接地電極間に放電ガスによる高密度高温プラズマを発生させるプラズマ発生装置において、
上記金属製ガス管の一部に、電気絶縁性ガス管を挿入したことを特徴とするプラズマ発生装置。 - 上記電気絶縁性ガス管は、内部に蛇行したガス流路が形成されるように複数の電気絶縁性の仕切りが設けられていることを特徴とする請求項1に記載のプラズマ発生装置。
- 上記金属製ガス管および/または上記電気絶縁性ガス管は、コイル状に巻回されていることを特徴とする請求項1に記載のプラズマ発生装置。
- 上記金属製ガス管および/または上記電気絶縁性ガス管は、磁気コアの周りにコイル状に巻回されていることを特徴とする請求項3に記載のプラズマ発生装置。
- 上記高電圧パルス発生器に設けられたコンデンサの容量と、上記金属製ガス管および上記電気絶縁性ガス管におけるインダクタンス値とより求められる放電周期を、上記放電電圧印加電極と上記接地電極間に印加されるパルス状の高電圧の放電周期よりも長くなるように、上記コイル状に巻かれた上記金属製ガス管および/または上記電気絶縁性ガス管の巻回数が設定されていることを特徴とする請求項3または請求項4に記載のプラズマ発生装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005178230A JP2006351435A (ja) | 2005-06-17 | 2005-06-17 | プラズマ発生装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008243481A (ja) * | 2007-03-26 | 2008-10-09 | Tohoku Univ | プラズマ発生装置およびプラズマ発生方法 |
US9110390B2 (en) | 2007-06-12 | 2015-08-18 | Koninklijke Philps N.V. | Optical device and method of in situ treating an EUV optical component to enhance a reduced reflectivity |
-
2005
- 2005-06-17 JP JP2005178230A patent/JP2006351435A/ja active Pending
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US9110390B2 (en) | 2007-06-12 | 2015-08-18 | Koninklijke Philps N.V. | Optical device and method of in situ treating an EUV optical component to enhance a reduced reflectivity |
US9897724B2 (en) | 2007-06-12 | 2018-02-20 | Koninklijke Philips N.V. | Optical device and method of in situ treating an EUV optical component to enhance a reduced reflectivity |
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