JP2007120660A - 流量制御弁 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ケースの制御孔とバルブとの間のクリアランスを大きくした場合であっても、バルブの軸心方向以外の振動を抑制できる簡易な構造の流量制御弁を提供する。
【解決手段】 本流量制御弁1は、流入口2及び流出口3を有するケース4内に、スプリング8により流入口側に向って付勢されたバルブ10を移動自在に支持し、該ケースの内周壁に設けられた制御孔7と該バルブの流出口側に設けられたオリフィス形成部11との間にオリフィスOを形成するようにした流量制御弁であって、前記バルブの流入口側には、前記ケースの内周壁に案内される流入口側ガイド13が設けられており、前記バルブのオリフィス形成部には、前記ケースの前記制御孔に案内される流出口側ガイド14が設けられている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、流量制御弁に関し、さらに詳しくは、ケースの制御孔とバルブとの間のクリアランスを大きくした場合であっても、バルブの軸心方向以外の振動を抑制できる簡易な構造の流量制御弁に関する。
従来より、自動車等の内燃機関のブローバイガス還元装置では、ブローバイガスの流量を制御する流量制御弁が用いられている。この流量制御弁としては、流入口及び流出口を有するケース内に、スプリングにより流入口側に向って付勢されたバルブを移動自在に支持し、ケースの制御孔とバルブの流出口側に設けられたオリフィス形成部との間に流量制御のためのオリフィスを形成するようにしたものが知られている(例えば、特許文献1〜3参照)。
上記特許文献1及び2には、上記バルブの流入口側に、ケースの内周壁に案内される流入口側ガイドを設けてなることが開示されている。しかし、この特許文献1及び2では、バルブを軸方向の後端側の1点のみでガイドしているため、オリフィス近傍でバルブ先端側が軸心方向以外に振動して、チャッタリングや流量のバラツキが生じることとなる。特に、上記ブローバイガス還元装置で使用される流量制御弁では、ケースの制御孔とバルブ先端側とのクリアランスを大きくして、流入口及び流出口の間の差圧が比較的小さなときに大流量のガスを流すことの要望があるが、このようにクリアランスを大きくするとバルブのチャッタリングが発生し易くなる。
また、上記特許文献3には、バルブの中心に軸方向に沿うピン穴3を形成し、このピン穴3にケースに設けたガイドピン9を挿通させて、バルブ先端側の振動を抑制することが開示されている。しかし、この特許文献3では、ケース及びバルブとは別部品であるガイドピンを用いる必要があり、部品点数の増加及び製作工数の増加といった問題がある。さらに、ピン穴3内へのスラッジの堆積によって作動不良が発生する恐れがある。
実用新案登録第2505787号公報 特開平8−284636号公報 実公平6−567号公報
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、ケースの制御孔とバルブとの間のクリアランスを大きくした場合であっても、バルブの軸心方向以外の振動を抑制できる簡易な構造の流量制御弁を提供することを目的とする。
本発明は、以下の通りである。
1.流入口及び流出口を有するケース内に、スプリングにより流入口側に向って付勢されたバルブを移動自在に支持し、該ケースの内周壁に設けられた制御孔と該バルブの流出口側に設けられたオリフィス形成部との間にオリフィスを形成するようにした流量制御弁において、
前記バルブの流入口側には、前記ケースの内周壁に案内される流入口側ガイドが設けられており、前記バルブのオリフィス形成部には、前記ケースの前記制御孔に案内される流出口側ガイドが設けられていることを特徴とする流量制御弁。
2.前記流出口側ガイドは、前記オリフィス形成部の軸端側に設けられ且つ前記バルブの軸心側から放射状に延びる複数のリブからなる上記1.記載の流量制御弁。
3.前記リブは、前記バルブの軸方向に沿って前記オリフィス形成部の外周側まで延びている上記2.記載の流量制御弁。
4.内燃機関のブローバイガスの流量を制御するためのものである上記1.乃至3.のいずれか一項に記載の流量制御弁。
本発明の流量制御弁によると、ケース内でバルブが軸方向に移動する際、流入口側ガイドがケースの内周壁に案内されると共に、流出口側ガイドがケースの制御孔に案内される。従って、バルブを軸方向の両端側の2点で案内できる。これにより、ケースの制御孔とバルブ先端側との間のクリアランスを大きくした場合であっても、バルブの軸心方向以外の振動が抑制されて、チャッタリングや流量のバラツキを抑えることができる。
また、前記流出口側ガイドが、前記オリフィス形成部の軸端側に設けられ且つ前記バルブの軸心側から放射状に延びる複数のリブからなる場合は、流入口及び流出口の差圧が比較的小さなときにケースの制御孔と複数のリブとの間の隙間からより大量の流体を流すことができる。
また、前記リブが、前記バルブの軸方向に沿って前記オリフィス形成部の外周側まで延びている場合は、バルブ先端側をより確実に案内できる。
さらに、内燃機関のブローバイガスの流量を制御するためのものである場合は、ブローバイガスの流量を好適に制御できる。
1.流量制御弁
本実施形態に係る流量制御弁は、以下に述べるケース及びバルブを備えている。
尚、上記流量制御弁の用途等は特に問わないが、内燃機関のブローバイガスの流量を制御する弁として好適に用いられる。
上記「ケース」は、流入口及び流出口を有する限り、その形状、大きさ、材質等は特に問わない。このケース内には、上記バルブが軸方向に移動自在に支持され、このバルブがスプリングにより流入口側に向って付勢されている。また、ケースの制御孔とバルブの流出口側に設けられたオリフィス形成部との間には流量制御のためのオリフィスが形成されるようになっている。
上記「バルブ」の形状、大きさ、材質等は特に問わない。
上記バルブの流入口側には、ケースの内周壁に案内される流入口側ガイドが設けられている。この流入口側ガイドは、例えば、上記バルブの流入口側の軸端側に設けられていることができる。また、この流入口側ガイドとしては、例えば、(1)バルブの軸心側から放射状に延びてケースの内周壁に接触する複数のリブからなる形態、(2)ケースの内周壁に接触する複数の円弧部を有する異形状の円盤からなる形態等を挙げることができる。
上記バルブのオリフィス形成部には、ケースの制御孔に案内される流出口側ガイドが設けられている。この流出口側ガイドは、例えば、オリフィス形成部の軸端側に設けられていることができる。また、この流出口側ガイドとしては、例えば、(1)バルブの軸心側から放射状に延びてケースの制御孔に接触する複数のリブからなる形態、(2)ケースの制御孔に接触する複数の円弧部を有する異形状の円盤からなる形態等を挙げることができる。
上記(1)形態では、上記各リブが、バルブの軸方向に沿ってオリフィス形成部の外周側まで延びて形成されていることが好ましい。また、上記(1)形態では、上記各リブが、バルブの軸心側で連結されていることが好ましい。また、上記(1)形態では、3つ以上のリブが円周方向に等ピッチ間隔で設けられていることが好ましい。さらに、上記(1)形態では、上記各リブの遠心側の外面が円弧状に形成されていることが好ましい。
以下、図面を用いて実施例により本発明を具体的に説明する。
尚、本実施例では、ドライサンプ式の内燃機関におけるブローバイガスの流量を制御する流量制御弁を例示する。
(1)流量制御弁の構成
本実施例に係る流量制御弁1は、図1に示すように、円形の流入口2及び流出口3を有する円筒状のケース4内に、棒状のバルブ10が軸方向に移動自在に支持されている。このバルブ10は、スプリング8により流入口2側に向って付勢されている。上記ケース4は、流入口2が形成された第1ケース部材5と、流出口3が形成された第2ケース部材6とを適宜固定手段で組付けてなされている。この第2ケース部材6の内周壁6aには、上記バルブ10の後述するオリフィス形成部との間でオリフィスOを形成する制御孔7が設けられている。
尚、上記流入口2は上記内燃機関のオイルタンク側に連絡され、上記流出口3は吸気マニホールド側に連絡される。そして、これら流入口2及び流出口3の間の差圧によってバルブ10が軸方向に移動されるようになっている。
上記バルブ10は、図2〜5に示すように、流出口3側に向って縮径するテーパ状のオリフィス形成部11と、このオリフィス形成部11に連なる円柱状のストレート部12とからなっている。このストレート部12の軸端側には、第1ケース部材5の内周壁5aに案内される流入口側ガイド13が流入口2側に向って突出して設けられている。この流入口側ガイド13は、バルブ10の軸心から放射状に延びて内周壁5aに接触する複数(図中3つ)のリブ13aからなっている。各リブ13aは、バルブ10の円周方向に沿って等ピッチ間隔(図中、120度間隔)で配設されている。なお、各リブ13aの流出口3側の面が上記スプリング8の受け面となっている。
上記バルブ10のオリフィス形成部11の軸端側には、第2ケース部材6の制御孔7に案内される流出口側ガイド14が流入口2側に向って突出して設けられている。この流出口側ガイド14は、バルブ10の軸芯から放射状に延びて制御孔7に接触する複数(図中3つ)のリブ14aからなっている。これら各リブ14aは、バルブ10の円周方向に沿って等ピッチ間隔(図中、120度間隔)で配設されている。また、これら各リブ14aは、バルブ10の軸方向に沿ってオリフィス形成部11の流入口2寄りの外周側まで延びて形成されている。
(2)流量制御弁の作用
次に、上記構成の流量制御弁1の作用について説明する。
先ず、アイドリング時では吸気マニホールド側の負圧が上昇して、流入口2及び流出口3の間の差圧が大きくなり、図6に示すように、スプリング8の付勢力に抗してバルブ10が流出口3側に移動される。このとき、バルブ10のオリフィス形成部11と制御孔7との間に形成されるオリフィスO(図8参照)を介して比較的小さな流量のガスが流されることとなる。
次に、加速時では吸気マニホールド側の負圧が低下して、流入口2及び流出口3の間の差圧が小さくなり、図7に示すように、スプリング8の付勢力によりバルブ10が流入口2側に移動される。このとき、流出口側ガイド14の各リブ14aと制御孔7との間に形成される空間S(図9参照)を介して大流量のガスが流されることとなる。
(3)実施例の効果
本実施例の流量制御弁によると、ケース4内をバルブ10が軸方向に移動する際、流入口側ガイド13の各リブ13aがケース4の内周壁5aに案内されると共に、流出口側ガイド14の各リブ14aがケース4の制御孔7に案内される。このように、バルブ10を軸方向の両端側の2点でケース4に案内するようにしたので、ケース4の制御孔7とバルブ先端側との間のクリアランスを大きくした場合であっても、バルブ10の軸心方向以外の振動が抑制されて、チャッタリングや流量のバラツキを抑えることができる。また、従来のように、ガイドピンを用いるもの(上記特許文献3参照)に比べて、部品点数及び製作工数等を大幅に低減でき、また長期間使用しても作動不良の発生を抑制できる。
また、本実施例では、上記流出口側ガイド14を、バルブ10の軸心から放射状に延びる複数のリブ14aから構成したので、加速時等において流入口2及び流出口3の差圧が小さくなったときに、各リブ14aと制御孔7との間の隙間S(図9参照)を介してより大量のガスを流すことができる。その結果、ドライサンプ式の内燃機関において、オイルタンク内の換気性を良くすることができる。
さらに、本実施例では、各リブ14aを、バルブ10の軸方向に沿ってオリフィス形成部11の外周側まで延ばしているので、バルブ10を軸方向以外に振動させることなくより確実に案内できる。
尚、本発明においては、上記実施例に限られず、目的、用途に応じて本発明の範囲内で種々変更した実施例とすることができる。即ち、上記実施例では、流出口側ガイド14を、放射状に延びる複数のリブ14aから構成したが、これに限定されず、例えば、図10に示すように、ケース4の制御孔7に接触する複数(図中3つ)の円弧部17aを有する異形状の円盤17から流出口側ガイド14’を構成するようにしてもよい。
また、上記実施例では、3つのリブ14aからなる流出口側ガイド14を例示したが、これに限定されず、例えば、2つ又は4つ以上のリブからなる流出口側ガイドとしたり、略H字状のリブからなる流出口側ガイド14"(図11参照)としたりしてもよい。
さらに、上記実施例では、ドライサンプ式の内燃機関におけるブローバイガスの流量を制御する流量制御弁1を例示したが、これに限定されず、例えば、ウェットサンプ式の内燃機関におけるブローバイガスの流量を制御する流量制御弁としてもよい。この場合、ケースの流入口は上記内燃機関のクランクケース側に連絡され、流出口は吸気マニホールド側に連絡される。
流体の流量を制御する技術として広く利用される。特に、内燃機関のブローバイガスの流量を制御する技術として好適に利用される。
本実施例に係る流量制御弁の縦断面図である。 本実施例に係るバルブの正面図である。 図2のIII矢視図である。 図2のIV矢視図である。 上記バルブの斜視図である。 アイドリング時における流量制御弁の作用を説明するための説明図である。 加速時における流量制御弁の作用を説明するための説明図である。 図6のVIII−VIII線断面図である。 図6のIX−IX線断面図である。 流出口側ガイドの他の形態を説明するための縦断面図である。 流出口側ガイドの更に他の形態を説明するための縦断面図である。
符号の説明
1;流量制御弁、2;流入口、3;流出口、4;ケース、7;制御孔、8;スプリング、10;バルブ、11;オリフィス形成部、13;流入口側ガイド、14;流出口側ガイド、14a;リブ、O;オリフィス。

Claims (4)

  1. 流入口及び流出口を有するケース内に、スプリングにより流入口側に向って付勢されたバルブを移動自在に支持し、該ケースの内周壁に設けられた制御孔と該バルブの流出口側に設けられたオリフィス形成部との間にオリフィスを形成するようにした流量制御弁において、
    前記バルブの流入口側には、前記ケースの内周壁に案内される流入口側ガイドが設けられており、前記バルブのオリフィス形成部には、前記ケースの前記制御孔に案内される流出口側ガイドが設けられていることを特徴とする流量制御弁。
  2. 前記流出口側ガイドは、前記オリフィス形成部の軸端側に設けられ且つ前記バルブの軸心側から放射状に延びる複数のリブからなる請求項1記載の流量制御弁。
  3. 前記リブは、前記バルブの軸方向に沿って前記オリフィス形成部の外周側まで延びている請求項2記載の流量制御弁。
  4. 内燃機関のブローバイガスの流量を制御するためのものである請求項1乃至3のいずれか一項に記載の流量制御弁。
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