JP2007120589A - 捩り振動低減装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ばね収容窓の両端外周側を延長して捩り角度を大きくすると、延長した部分の外周側壁面にばねの端部外周側が擦れて摩耗する。
【解決手段】一対のリテーナプレート6とハブフランジ9との双方のばね収容窓6a,9aの両端をθだけ広げ、ハブフランジ9は、ばね収容窓9aの外周側壁面のうちのばね10の長さと対応する部分を、ハブフランジ9の軸心より外側へオフセットした基準点Pを中心とする円弧であってばね10の端部外周側と対応する対応点Tを通るメイン円弧部9dとし、夫々の対応点Tからばね受け部9cまでを、前記メイン円弧部9dを延長した円弧よりも外周側に位置し対応点Tを通るサブ円弧部9eとした。
【選択図】図1
【解決手段】一対のリテーナプレート6とハブフランジ9との双方のばね収容窓6a,9aの両端をθだけ広げ、ハブフランジ9は、ばね収容窓9aの外周側壁面のうちのばね10の長さと対応する部分を、ハブフランジ9の軸心より外側へオフセットした基準点Pを中心とする円弧であってばね10の端部外周側と対応する対応点Tを通るメイン円弧部9dとし、夫々の対応点Tからばね受け部9cまでを、前記メイン円弧部9dを延長した円弧よりも外周側に位置し対応点Tを通るサブ円弧部9eとした。
【選択図】図1
Description
本発明は、捩り振動低減装置に関し、捩り角度を大きくしたものである。
自動車のエンジンとトランスミッションとの間には、エンジンの回転数の変動を低減させるために、捩り振動低減装置が設けられている。捩り振動低減装置は、一対のリテーナプレートと、該一対のリテーナプレートの間に配置されて相対回転自在なハブフランジとに夫々円周方向に沿って窓孔を設け、該窓孔にはコイルスプリングを配置し、該コイルスプリングが一対のリテーナプレートとハブフランジとの相対的な回転により圧縮されるようにしたものである。
そして、直線的なコイルスプリングを直線に沿って圧縮する構成のものと、円弧形状のアークスプリングを円弧形状の窓孔に収容して円弧に沿って圧縮する構成のものとがある。前者は直線的に圧縮するためにコイルスプリングに擦れが生じることがなくヒステリシスが発生しないというメリットがある反面、圧縮代を大きく取れないというデメリットがある。一方、後者はスプリングの圧縮代を大きくとれるというメリットがある反面、アークスプリングの製造コストが高くかつ圧縮時にアークスプリングが窓孔の壁面と摺動するために摩擦抵抗が生じてヒステリシスが発生するというデメリットがある。直線的なコイルスプリングを用いるかそれとも円弧形状のアークスプリングを用いるかは、場合に応じて決定される。
直線的なコイルスプリングを用いる従来の捩り振動低減装置としては、例えば特許文献1に記載のものが知られている。これは、前記したと同様に、一対のリテーナプレートと、該一対のリテーナプレートの間に配置されて相対回転自在なハブフランジとに夫々窓孔を設け、該窓孔には法線方向に沿って直線的なコイルスプリングを円周に沿って複数配置し、一対のリテーナプレートとハブフランジとが相対的に回転すると、コイルスプリングが圧縮されるようにしたものである。
特開2005−024056号公報
ところが、窓孔の両端に位置するばね受け部どうしが略平行であるため、前記のように一対のリテーナプレートとハブフランジとが相対的に回転してコイルスプリングが圧縮されると、特許文献1の図4に示すようにコイルスプリングの内周側よりも外周側の方がより大きく圧縮され、コイルスプリングの隣接する部分どうしが密着してしまうために、前記のように捩り角度が小さい。
一方、捩り角度を大きくするには、本願の図7に示すように一対のリテーナプレート6およびハブフランジ9に形成されたばね収容窓6a,9aの両端のばね受け部6c,9cどうしを平行にしないで、ばね収容窓6a,9aの両端外周側を両端へ向かって延長してばね受け部6c,9cの外周側が角度θだけ開いた状態にすることが考えられる。この延長して開いた分だけ、コイルスプリングの外周側の圧縮代が増加する。
しかし、窓孔の外周側壁面はコイルスプリングが接触しない形状に形成しているにもかかわらず、一対のリテーナプレートがコイルスプリングの一端を圧縮してコイルスプリングの他端外周側がばね受け部に当接するまで移動する際に、コイルスプリングの他端外周側が外周側壁面の「延長した部分」に擦れてしまい、両者が摩耗するという問題がある。
そこで本発明は、擦れが生じるという上記の課題を解決し、捩り角度の増加を可能にした捩り振動低減装置を提供することを目的とする。
請求項1に係る発明は、エンジンのクランク軸とトランスミッションの入力軸とのいずれか一方に連結されて回転する一対のリテーナプレートと、他方に連結され前記一対のリテーナプレートの間に相対回転自在に同軸支持されたハブフランジと、前記一対のリテーナプレートと前記ハブフランジとの相対的な回転により圧縮される直線状のばねと、該ばねを収容するため前記リテーナプレートおよび前記ハブフランジの相互に対応する位置に法線方向に長くかつ前記ばねが接触しない外周側壁面および内周側壁面を有し両端のばね受け部が相互に略平行に形成されたばね収容窓とにより構成される振動低減装置において、前記一対のリテーナプレートおよび前記ハブフランジの前記ばね収容窓を、前記両端のばね受け部の外周側が相互に開いた状態に広げ、前記一対のリテーナプレートと前記ハブフランジとの少なくともいずれか一方について、前記ばね収容窓の外周側壁面のうちの前記ばねの長さと対応する部分の形状を、前記ハブフランジの軸心よりも外側へオフセットした基準点を中心とする円弧であって前記ばねの端部外周側と対応する対応点を通るメイン円弧形状とし、夫々の前記対応点から前記ばね受け部までの形状を、前記メイン円弧形状を延長した円弧よりも外周側に位置する円弧であって前記対応点を通るサブ円弧形状としたことを特徴とする。
この発明によれば、ハブフランジおよび一対のリテーナプレートのばね収容窓を広げたので、ばねが圧縮されない状態では、ばねの両端外周側はハブフランジおよび一対のリテーナプレートのばね受け部の双方に当接しない。次に、ハブフランジに対して一対のリテーナプレートが相対的に回転し、ハブフランジと一対のリテーナプレートとによりばねが圧縮され始めると、ばねの両側の端部外周側はばね受け部の外周側へ向かって移動し、ばねの両側の端部全体がハブフランジのばね受け部と、一対のリテーナプレートのばね受け部とに個別に当接する。そして、ばねの端部外周側がばね受け部に当接するまでに移動した量、即ち片側での移動量の2倍分だけ、捩り振動低減装置の捩り角度が増加する。
ハブフランジのばね収容窓を広げた部分では、ばねに接触しないメイン円弧形状の部分を延長した円弧の部分よりも外周側にサブ円弧形状の部分が形成されているので、押圧されるばねの一方側では、ばねの端部外周側がハブフランジのばね受け部に当接するまで移動する際に、ばねの端部外周側がメイン円弧形状の部分を延長した円弧に沿って移動し、ハブフランジのサブ円弧形状の部分に擦れることはない。従って、ばねとハブフランジとの摩耗の問題は生じない。
ハブフランジに代えて一対のリテーナプレートのみにサブ円弧形状の部分を形成した場合は、押圧されるばねの他方側で、ばねの端部外周側がばね受け部に当接するまで移動する際に、ばねの端部外周側がメイン円弧形状の部分を延長した円弧に沿って移動し、一対のリテーナプレートのサブ円弧形状の部分に擦れることはない。従って、ばねと一対のリテーナプレートとの摩耗の問題は生じない。
ハブフランジと一対のリテーナプレートとの双方の部材にサブ円弧形状の部分を設けた場合は、押圧されるばねの両側で、ばねの端部外周側がばね受け部に当接するまで移動する際に、ばねの端部外周側がハブフランジおよび一対のリテーナプレートの双方のサブ円弧形状の部分に擦れることはなく、ばねとハブフランジと一対のリテーナプレートとの摩耗の問題が生じない。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の捩り振動低減装置において、前記サブ円弧形状は、前記基準点よりも前記ハブフランジの軸心側の内側基準点を中心とする円弧により形成されていることを特徴とする。
この発明によれば、サブ円弧形状を内側基準点を中心とする円弧であって対応点を通る円弧に形成したので、ばねの端部外周側がばね収容窓の外周側壁面に擦れて摩耗することはない。
請求項3に係る発明は、請求項2に記載の捩り振動低減装置において、前記内側基準点を、前記ハブフランジの軸心としたことを特徴とする。
この発明によれば、サブ円弧形状を、ハブフランジの軸心を中心とする円弧であって対応点を通る円弧に形成したので、ばねの端部外周側がばね収容窓の外周側壁面に擦れて摩耗することはない。
請求項4に係る発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の捩り振動低減装置において、前記メイン円弧形状の部分と前記サブ円弧形状の部分とが前記対応点において滑らかに接続されていることを特徴とする。
この発明によれば、メイン円弧形状の部分とサブ円弧形状の部分とが滑らかに接続されているので、ばねの端部外周側がばね収容窓の外周側壁面に沿って対応点からばね受け部まで移動する際に、対応点の位置での移動が円滑になる。
本発明に係る捩り振動低減装置によれば、一対のリテーナプレートおよびハブフランジのばね収容窓を、両端のばね受け部の外周側が相互に開いた状態に広げ、一対のリテーナプレートとハブフランジとの少なくともいずれか一方について、延長した部分の外周側壁面はメイン円弧形状を延長した円弧の部分よりも外周側に位置するサブ円弧形状としたので、ばねの端部外周側がばね収容窓の外周側壁面に擦れて摩耗するという問題が解決される。そのため、ばねの圧縮代を大きくして捩り角度を大きくした捩り振動低減装置の実用化が可能である。
以下、本発明による捩り振動低減装置の実施の形態を説明する。
(a)実施の形態1
まず、実施の形態1を図1〜図4に示す。図2,図3に示すように、エンジンのクランク軸1にドライブプレート2がボルト3を介して結合され、ドライブプレート2にはフライホィールマス4がボルト5を介して結合されている。そして、フライホィールマス4には一対のリテーナプレート6の外周部がボルト7を介して連結され回転可能になっている。フライホィールマス4の軸心位置には軸部4aが一体形成され、該軸部4aはクランク軸1に一体形成された筒状の軸受部1aに軸受8を介して挿入されている。
(a)実施の形態1
まず、実施の形態1を図1〜図4に示す。図2,図3に示すように、エンジンのクランク軸1にドライブプレート2がボルト3を介して結合され、ドライブプレート2にはフライホィールマス4がボルト5を介して結合されている。そして、フライホィールマス4には一対のリテーナプレート6の外周部がボルト7を介して連結され回転可能になっている。フライホィールマス4の軸心位置には軸部4aが一体形成され、該軸部4aはクランク軸1に一体形成された筒状の軸受部1aに軸受8を介して挿入されている。
一対のリテーナプレート6の間には、一対のリテーナプレート6と同軸にハブフランジ9が設けられ、該ハブフランジ9は一対のリテーナプレート6に対して相対回転自在となっている。ハブフランジ9は、一対のリテーナプレート6の間に配置されるフランジ部9xと、該フランジ部9xと一体形成されたボス部9yとにより構成されている。ボス部9yは筒状に形成され、図3の右端の内周面にはスプライン部9zが形成されている。そして、図3の左位置に配置された図示しないトランスミッションの入力軸の先端にスプライン軸が形成され、該スプライン軸が前記スプライン部9zと係合し、ハブフランジ9はトランスミッションに連結されている。
一対のリテーナプレート6およびハブフランジ9の相互に対応する位置にはばね収容窓が形成されている。即ち、図2において一対のリテーナプレート6の相互に180度をなす図2の上下位置にはばね収容窓6aが夫々形成され、ハブフランジ9の相互に180度をなす上下位置にはばね収容窓9aが夫々形成されている。これらのばね収容窓6a,9aは法線方向に長くかつばね収容窓6a,9aの両端のばね受け部6c,9cが相互に略平行に形成されているため、ばね収容窓6aとばね収容窓9aとは重なった状態となっている。そして、ばね収容窓6a,9aの部分には、直線状のばね10が収容されている。ばね10は、一対のリテーナプレート6とハブフランジ9との相対的な回転により圧縮されるようになっている。
本実施の形態では、このほかにもばねを圧縮する部分が設けられている。図2の一対のリテーナプレート6の相互に180度をなす左右位置には長さ寸法の小さいばね収容窓6bが夫々形成され,ハブフランジ9の相互に180度をなす左右位置にも円弧形状のばね収容窓9bが夫々形成されている。そして、ばね収容窓6b,9bの部分には、短いばね収容窓6bの長さと略同じ長さのばね11が収容されている。ばね10が略90%位圧縮されるとばね11の圧縮が開始され、2段階にばねの圧縮が行なわれて捩り振動が低減されるように設定されている。ばね11に関する構成は本発明の範囲外なので、詳細な説明は省略する。
次に、ばね収容窓6a,9aの構成を詳細に説明する。ばね収容窓6a,9aの両端部であるばね受け部は、従来は相互に平行に形成されているが、本発明では図2に示すように、一対のリテーナプレート6およびハブフランジ9の双方の両端のばね受け部6c,9cは、相互に平行な状態よりも夫々のばね受け部の外周側が相互に開いた状態に形成され、ばね収容窓6a,9aをその長さ方向に延長して広げたようになっている。この広げた角度は、ハブフランジ9について図1に示すように、左右がいずれも角度θとなっている。
一対のリテーナプレート6のばね収容窓6aとハブフランジ9のばね収容窓9aとは、その外周側壁面および内周側壁面は、ばね10が接触しない形状となっている。そして、一対のリテーナプレート6とハブフランジ9とのうちの少なくともいずれか一方として、実施の形態1ではハブフランジ9の外周側壁面が以下のように構成されている。
図1に示すように、ばね収容窓9aの外周側壁面のうちの前記ばね10の端部と対応する点を対応点Tとすると、前記ばね10の長さと対応する部分である対応点T−T間のメイン円弧部9dと、夫々の前記対応点Tからばね受け部9cまでのサブ円弧部9eとに区分されている。そして、メイン円弧部9dの形状は、ばね10が接触しない形状として、ハブフランジ9の軸心よりも外側へオフセットした基準点Pを中心とする半径R1の円弧であって対応点Tを通るメイン円弧形状に形成されている。
一方、サブ円弧部9eの形状は、メイン円弧部9dを延長した円弧(破線で示す)よりも外周側に位置するように、前記基準点Pよりもハブフランジ9の軸心側の内側基準点を中心とする円弧により形成され、実施の形態1では内側基準点としてハブフランジ9の軸心Oを中心とする半径R2の円弧により形成され、かつ対応点Tを通るサブ円弧形状とされている。そして、メイン円弧部9dとサブ円弧部9eとが対応点Tにおいて滑らかに接続されている。
次に、一対のリテーナプレート6のばね収容窓6aの外周側壁面の形状について説明する。一対のリテーナプレート6の外周側壁面は、図5の作用説明図に示されているように、図1の角度θで示す延長した部分と対応する部分も含めてその全体が、ばね10が接触しない形状としての前記メイン円弧部9dと同一形状のメイン円弧部6dのみによって形成されており、サブ円弧部は形成されていない。このように一対のリテーナプレート6にサブ円弧部を設けていないのは、後述するように、一対のリテーナプレート6には窓起こし部6f,6gが形成され、この窓起こし部6f,6gとばね10との接触面積が大きいために、一対のリテーナプレート6に対するばね10の面圧が低くて摩耗が少なく、そのため摩耗を少なくするためのサブ円弧部を一対のリテーナプレート6に形成する必要性が乏しく、従って実施の形態1ではサブ円弧部はハブフランジ9のみに形成したものである。
次に、ばね収容窓9a,6aの内周側壁面は、ばね10が接触することがないような円弧面に形成されている。
一対のリテーナプレート6のばね収容窓6aの内周側と外周側には、外部へ向かって曲げ起こすことにより窓起こし部6f,6gが形成され、図4に示すように窓起こし部6f,6gにより、ばね10が支持されている。この窓起こし部6f,6gの先端は、ばね10から離れる方向へ向かって曲げられ、隙間6hを形成することにより先端のエッジの部分がばね10の外周面に接触しないようになっている。
図3に示すように、ハブフランジ9とハブフランジ9を軸方向から挟む一対のリテーナプレート6との間には、樹脂からなるスペーサ12,13が設けられている。一方のスペーサ12は図2に示す正方形のフランジ部のみからなり、他方のスペーサ13は正方形のフランジ部13aと筒部13bとからなる。いずれも正方形の対角線の位置に一体形成された突起部14を夫々のリテーナプレート6に形成された嵌合孔6xに内側から嵌合することにより、リテーナプレート6の内面に装着されている。
次に、捩り振動低減装置の作用を説明する。
ハブフランジ9および一対のリテーナプレート6のばね収容窓9a,6aを広げたので、ばね10が圧縮されない状態では、図2に示すようにばね10の両端の内周側はばね受け部9cの内周側とばね受け部6cの内周側との双方に当接するが、外周側はばね受け部9cの外周側およびばね受け部6cの外周側の双方に当接しない。このとき、ばね10の両端近傍は、一対のリテーナプレート6の窓起こし部6f,6gとハブフランジ9の外周側壁面に支持されている。
次に、図5(a)に示すように、ハブフランジ9に対して一対のリテーナプレート6が相対的に例えば時計方向へ回転すると、ばね10の左端は窓起こし部6f,6gに支えられながらリテーナプレート6のばね受け部6cにより右方へ押圧される一方、ばね10の右端ではリテーナプレート6のばね受け部6cが右方へ離れていき、圧縮されるばね10の右端外周側が図5(a)の対応点Tの位置からばね受け部9cに当接するまで移動する。このとき、ばね10の左端外周側も右端外周側と同様に、リテーナプレート6のばね受け部6cに当接するまで移動する。なお、図5(a)(b)は、理解を容易にするために、図4のようにハブフランジ9を軸方向から挟む一対のリテーナプレート6の一方を取り外し、取り外した方向から見たときのハブフランジ9とリテーナプレート6との位置関係を示している。
ばね10の右端の端部全体がハブフランジ9のばね受け部9cに当接し、左端の端部全体が一対のリテーナプレート6のばね受け部6cに当接した状態で、ばね10の外周側の隣接する部分どうしが相互に密着するまで圧縮が可能となる。このため、ばね10の片側でばね10の端部外周側がばね受け部6cまたはばね受け部9cまで移動する量の2倍分だけ捩り振動低減装置の捩り角度が増加することになる。
前記のようにばね10が圧縮される際の右端外周側の移動軌跡は、図5(a)中に破線で示すように、メイン円弧部9dの延長線となる。従って、ばね10の右端外周側については、右端外周側がばね受け部9cへ向かって右へ移動する際に、ばね10の右端外周側がハブフランジ9のサブ円弧部9eに擦れることはなく、ばね10とハブフランジ9との摩耗の問題は生じない。一方、ばね10の左端外周側は、一対のリテーナプレート6にメイン円弧部6dのみが形成されサブ円弧部が形成されていないので、メイン円弧部6dの端部近傍と擦れて摩耗が生じる。
図5(a)とは反対に、ハブフランジ9に対して一対のリテーナプレート6が相対的に反時計方向へ回転すると、今度はばね10の左端外周側が左のばね受け部9cへ向かって移動し、左端外周側の移動軌跡は、破線で示すようにメイン円弧部9dの延長線となり、ばね10の左端外周側がハブフランジ9のサブ円弧部9eに擦れることはなく、ばね10とハブフランジ9との摩耗の問題は生じない。一方、ばね10の右端外周側は、一対のリテーナプレート6にメイン円弧部6dのみが形成されサブ円弧部が形成されていないので、メイン円弧部6dの端部近傍と擦れて摩耗が生じる。つまり、ハブフランジ9に対して一対のリテーナプレート6が相対的にいずれの方向へ回転する場合も、ばね10がハブフランジ9のばね受け部9cに当接することになる片側のみについて、摩耗の問題が生じないことになる。
このほか、図4に示すように窓起こし部6f,6gの先端は、ばね10から離れる方向へ向かって曲げられ、先端のエッジの部分がばね10の外周面に接触しないので、この部分のばね10および窓起こし部6f,6gの摩耗が防止される。
メイン円弧形状のメイン円弧部9dとサブ円弧形状のサブ円弧部9eとが滑らかに接続されているので、図5(a)(b)において、ばね10の右端あるいは左端の端部外周側がばね収容窓9aの外周側壁面に沿って対応点Tからばね受け部9cまで移動する際に、対応点Tの位置での移動が円滑になる。
(b)実施の形態2
次に、実施の形態2について説明する。この実施の形態は、実施の形態1のハブフランジ9に代えて一対のリテーナプレート6のみにサブ円弧部を設けたものであり、その他の構成は同じなので説明を省略する。
(b)実施の形態2
次に、実施の形態2について説明する。この実施の形態は、実施の形態1のハブフランジ9に代えて一対のリテーナプレート6のみにサブ円弧部を設けたものであり、その他の構成は同じなので説明を省略する。
この場合は、図5(a)と対応させて示す図6のように、一対のリテーナプレート6のばね収容窓6aの外周側壁面がメイン円弧部6dとサブ円弧部6eとにより形成される一方、ハブフランジ9のばね収容窓9aの外周側壁面はメイン円弧部9dのみにより形成されている。
このため、図6において、ばね10の左端の端部外周側がばね受け部6cまで移動する際に、ばね10の左端の端部外周側がサブ円弧部6eに擦れることはなく、ばね10とリテーナプレート6との摩耗の問題が生じない。一方、ばね10の右端外周側は、ハブフランジ9にメイン円弧部9dのみが形成されサブ円弧部が形成されていないので、メイン円弧部9dの端部近傍に擦れて摩耗が生じる。つまり、ハブフランジ9に対して一対のリテーナプレート6が相対的にいずれの方向へ回転する場合も、ばね10が一対のリテーナプレート6のばね受け部6cに当接することになる片側のみについて、摩耗の問題が生じないことになる。
その他の構成,作用は実施の形態1と同じなので説明を省略する。
(c)実施の形態3
次に、実施の形態3について説明する。この実施の形態は、ハブフランジ9と一対のリテーナプレート6との双方の部材についてサブ円弧部を設けたものであり、その他の部分は同じなので説明を省略する。
(c)実施の形態3
次に、実施の形態3について説明する。この実施の形態は、ハブフランジ9と一対のリテーナプレート6との双方の部材についてサブ円弧部を設けたものであり、その他の部分は同じなので説明を省略する。
この場合は、ばね10の左右両端で、ばね10の端部外周側がばね受け部へ向かって移動する際に、ばね10の端部外周側がハブフランジ9および一対のリテーナプレート6のいずれの外周側壁面にも擦れなくなり、ばね10とハブフランジ9とリテーナプレート6との摩耗の問題が生じない。
その他の構成,作用は実施の形態1と同じなので説明を省略する。
なお、本実施の形態では、一対のリテーナプレートがエンジンのクランク軸に連結された場合を示したが、一対のリテーナプレートをトランスミッションの入力軸に連結することもできる。また、メイン円弧形状を延長した円弧よりも外周側に位置するサブ円弧形状の中心の位置を、ハブフランジの軸心とした場合を示したが、メイン円弧形状の中心である基準点Pよりもハブフランジの軸心側の内側基準点にしてもよく、あるいは基準点Pよりもハブフランジの軸心とは反対側に設定してもよい。
6…リテーナプレート
6a,9a…ばね収容窓
6c,9c…ばね受け部
6d,9d…メイン円弧部
6e,9e…サブ円弧部
9…ハブフランジ
10…ばね
P…基準点
O…ハブフランジの軸心
T…対応点
6a,9a…ばね収容窓
6c,9c…ばね受け部
6d,9d…メイン円弧部
6e,9e…サブ円弧部
9…ハブフランジ
10…ばね
P…基準点
O…ハブフランジの軸心
T…対応点
Claims (4)
- エンジンのクランク軸とトランスミッションの入力軸とのいずれか一方に連結されて回転する一対のリテーナプレートと、他方に連結され前記一対のリテーナプレートの間に相対回転自在に同軸支持されたハブフランジと、前記一対のリテーナプレートと前記ハブフランジとの相対的な回転により圧縮される直線状のばねと、該ばねを収容するため前記リテーナプレートおよび前記ハブフランジの相互に対応する位置に法線方向に長くかつ前記ばねが接触しない外周側壁面および内周側壁面を有し両端のばね受け部が相互に略平行に形成されたばね収容窓とにより構成される振動低減装置において、
前記一対のリテーナプレートおよび前記ハブフランジの前記ばね収容窓を、前記両端のばね受け部の外周側が相互に開いた状態に広げ、
前記一対のリテーナプレートと前記ハブフランジとの少なくともいずれか一方について、前記ばね収容窓の外周側壁面のうちの前記ばねの長さと対応する部分の形状を、前記ハブフランジの軸心よりも外側へオフセットした基準点を中心とする円弧であって前記ばねの端部外周側と対応する対応点を通るメイン円弧形状とし、夫々の前記対応点から前記ばね受け部までの形状を、前記メイン円弧形状を延長した円弧よりも外周側に位置する円弧であって前記対応点を通るサブ円弧形状としたことを特徴とする捩り振動低減装置。 - 請求項1に記載の捩り振動低減装置において、前記サブ円弧形状は、前記基準点よりも前記ハブフランジの軸心側の内側基準点を中心とする円弧により形成されていることを特徴とする捩り振動低減装置。
- 請求項2に記載の捩り振動低減装置において、前記内側基準点を、前記ハブフランジの軸心としたことを特徴とする捩り振動低減装置。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の捩り振動低減装置において、前記メイン円弧形状の部分と前記サブ円弧形状の部分とが前記対応点において滑らかに接続されていることを特徴とする捩り振動低減装置。
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JP2005312119A JP2007120589A (ja) | 2005-10-27 | 2005-10-27 | 捩り振動低減装置 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2020052710A1 (de) * | 2018-09-14 | 2020-03-19 | Schaeffler Technologies AG & Co. KG | Drehschwingungsdämpfer |
CN113557370A (zh) * | 2019-07-01 | 2021-10-26 | 舍弗勒技术股份两合公司 | 离合器从动盘及离合器 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5215649U (ja) * | 1976-07-02 | 1977-02-03 | ||
JPS59151625A (ja) * | 1983-02-18 | 1984-08-30 | Nissan Motor Co Ltd | ト−シヨンダンパ |
JP2001510537A (ja) * | 1996-12-23 | 2001-07-31 | ヴァレオ | 改良されたトーションダンパおよびこのトーションダンパを備えるダンピング装置 |
-
2005
- 2005-10-27 JP JP2005312119A patent/JP2007120589A/ja active Pending
Patent Citations (3)
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