JP2007119300A - エピタキシャルウエーハの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】シリコン基板上にエピタキシャル層を成長させることによりエピタキシャルウエーハを製造する方法において、少なくとも、裏面にシリコン酸化膜が形成されたシリコン基板を用い、該基板の表面にシリコンからなるエピタキシャル層を成長させる工程と、スピンエッチャーを用い、前記シリコン基板を回転させるとともに該基板の裏面に、前記シリコン酸化膜よりもシリコンに対するエッチング速度が大きいエッチング液を供給することにより、前記エピタキシャル層の成長の際に前記基板の裏面及び面取り部に形成されたシリコンをエッチングして除去する工程を含む。
【選択図】図1
Description
エピタキシャルウエーハは、デバイス工程でのステッパーのチャック時のほか、ウエーハの研削や研磨時など、基板裏面が基準面になるが、裏面クラウンはエピタキシャルウエーハの平坦性を悪化させるため、例えばデバイス作製時のリソグラフィー工程において外周部付近に解像不良を起こす原因となる。近年、デバイスの高性能化に伴い、素子の微細化が進んでいる。デバイス工程でステッパーを用いて微細加工する場合、焦点深度が浅くなることから、厚膜エピタキシャルウエーハに対しても平坦性の向上などの要求が強くなってきている。
しかし、裏面におけるこのオートドープ防止用のSiO2膜の境界付近ではシリコン層が厚く成長し易い。そこで、オートドープには不利となるが、最外周部から2mm〜5mmまでの領域でSiO2膜を予め除去して裏面クラウンの発生を抑制する手法が広く採用されている。
しかし、低速成長によって裏面クラウンの形成をある程度抑制することができても、生産性の低下は免れない。また、低速成長を行うと基板の表面側(エピタキシャル層)にも外周部にクラウンが発生し易いという問題もある。
サセプタの形状を工夫して裏面クラウンの発生をある程度抑制する方法もあるが、基板の裏面や面取り部にシリコンが付着することを完全に防ぐことはできない。
抵抗率の分布改善については、前記したように、基板の裏面に形成したSiO2膜によりドーパントの外方拡散を防止する手法が一般的である。しかし、特に縦型エピタキシャル装置でIGBTやPMOS用の厚いエピタキシャル層を成長させる場合、裏面クラウンの形成を抑制するため、前記したように最外周部から2mm〜5mm程度の外側領域において裏面のSiO2膜を除去することが必要となる。その結果、オートドープが増大してエピタキシャル層のウエーハ面内の抵抗率分布が悪化し、厳しい規格を満たせないといった問題が生じる。
50μm以上の厚さのエピタキシャル層を成長させると、裏面クラウンも大きくなり易いが、前記のようなスピンエッチャーとエッチング液を用いることで裏面クラウンを容易に除去することができる。従って、平坦性に優れた厚膜エピタキシャルウエーハを容易にかつ低コストで製造することができる。
これらのエピタキシャル装置は生産性に優れ、また、膜厚均一性が比較的高いエピタキシャル層を形成させることができる。一方、基板に裏面クラウン等が形成されても、前記のようにスピンエッチャーとエッチング液を用いることで容易に除去することができる。従って、平坦性に優れた厚膜エピタキシャルウエーハをより高い生産性で製造することができる。
このように、用いるシリコン基板のより最外周部近くまでシリコン酸化膜が形成されていれば、高濃度ドープの基板を用いる場合でも、オートドープを極めて効果的に防止することができる。一方、裏面クラウンがより大きくなってしまうが、本発明ではエピタキシャル成長後、裏面クラウンはスピンエッチングにより除去されるので問題ない。従って、抵抗率分布及び平坦度のいずれも高品質のエピタキシャルウエーハを容易にかつ確実に製造することができる。
高濃度ドープのシリコン基板を用いる場合、オートドープ防止用の膜として裏面にシリコン酸化膜を形成するが、この酸化膜をスピンエッングの際のエッチストップ用の膜としてそのまま利用することができる。従って、PMOSやIGBT用等の高品質の厚膜エピタキシャルウエーハをコストの上昇を招くことなく容易に製造することができる。
2μm以下の厚さのシリコン酸化膜であれば容易に形成することができ、例えば1〜2μmの厚さを有していればエッチストップ用の膜、さらにオートドープ用の膜としても十分機能する。
フッ酸及び硝酸を主成分とするエッチング液であれば、シリコン酸化膜よりもシリコンに対するエッチング速度比が確実に高いものとすることができ、裏面クラウン等を確実に除去する一方、シリコン酸化膜が形成されている部分のエッチングを防ぐことができる。
このようなエッチング特性を有するエッチング液を用いてスピンエッチングを行えば、裏面クラウン等を短時間で確実に除去することができる。また、選択比が高いので、マスクとしてのシリコン酸化膜を全てエッチングしてしまうようなこともない。
エッチングを行う前に基板の表面側(エピタキシャル層)をレジストでマスクしておけば、スピンエッチャーを用いた裏面側のエッチングの際、エピタキシャル層の汚染やキズの発生を確実に防ぐことができる。
スピンエッチャーを用いたエッチングにより裏面クラウンが除去されているため、裏面を基準面としてエピタキシャル層を研削あるいは研磨することでエピタキシャル層の平坦性を一層高くすることができる。また、スピンエッチャーによるエッチングの際にエピタキシャル層に汚染やキズが発生したとしても、エピタキシャル層を研削または研磨することでこれらの汚染等を確実に除去することができる。
図1は、本発明によりエピタキシャルウエーハを製造する際の工程の一例を示すフロー図である。
酸化膜の形成方法も特に限定されることなく、CVD法、熱酸化法等を用いることができるが、CVD法によれば低温で形成できるし、簡単で低コストであるので好ましい。
ここで使用するエピタキシャル成長装置は特に限定されるものではないが、例えば縦型エピタキシャル装置を好適に使用することができる。縦型エピタキシャル装置は、生産性に優れ、また、膜厚均一性が比較的高いエピタキシャル層を形成することができる。
一方、枚葉式のエピタキシャル装置を用いてもよい。枚葉式の装置は、膜厚均一性に優れたエピタキシャル層を高速成長させることができ、また、直径200mm以上(より好ましくは300mm以上)の大型のシリコン基板にエピタキシャル成長を行う場合に対応し易い。
もちろん、シリンダー型のエピタキシャル成長装置を用いることもできる。
図3は、スピンエッチャーを用いたエッチングを概略的に示している。このスピンエッチャー7は、エッチング液9を供給するノズル8、軸回転可能な真空吸着テーブル10、使用後のエッチング液を回収するためのカップ11等を備えている。
このようなスピンエッチングを行うことで、裏面クラウン(裏面シリコン成長層)はエッチング除去される。
一方、スピンエッチャー7によるエッチングでは、ウエーハを回転させながら、裏面側にエッチング液を供給することで裏面クラウン等を容易にかつ低コストで除去することができる。
エピタキシャル成長後、基板の表面側(エピタキシャル層側)を例えばフォトレジストで被覆する。基板の表面側をレジストで被覆しておけば、スピンエッチングの際、エピタキシャル層が吸着テーブル10と直接接触することはないため、エピタキシャル層の汚染やキズの発生を確実に防ぐことができる。また、スピンエッチャーによるエッチングの際、エッチング液の一部が表面側に回り込むようなことが起きても、エピタキシャル層がエッチングされることを防ぐことができる。
なお、スピンエッチングの前にエピタキシャル層をレジストで被覆した場合には、エッチング後、例えば適当な溶媒などを用いてレジストを除去すればよい(図1(E))。
以上のような工程により、エピタキシャル成長時に発生した裏面クラウン等、裏面及び面取り部のシリコン層を除去し、本来の基準面を再生させることにより厚膜エピタキシャルウエーハの平坦性を向上させることができる。
成長させたエピタキシャル層の厚さのほか、最終的に目標とするエピタキシャル層の厚さや平坦度にもよるが、スピンエッチャーで処理したエピタキシャルウエーハのエピタキシャル層側を、例えば#2000のメッシュのホイールを用いて平面研削により5〜25μmの取り代で研削してエピタキシャル層の面内の厚さを均一にする。研削後、例えばプレート接着研磨装置を用いて5〜10μmの取り代で研磨する。なお、エピタキシャル層を平面研削せず、研磨だけを行って平坦度を向上させてもよい。
研磨後、仕上げ洗浄することにより所定の厚さのエピタキシャル層を有する平坦度の一層高いエピタキシャルウエーハを得ることができる。
(実施例)
エピタキシャル成長用の基板として、CZ法で成長させたボロンドープした低抵抗シリコン鏡面ウエーハ(直径200mm)を用意した。この基板の裏面に0.5μmの厚さのCVDシリコン酸化膜を形成した。ただし、基板の最外周部から2mmの外側領域では上記CVDシリコン酸化膜を除去した。この基板を用い、縦型エピタキシャル装置(日立国際電機製DC8600)でSiHCl3を原料ガスとして、1.2μm/minの成長速度で127μmのエピタキシャル層を成長させた。成長時の温度は1150℃とした。
Claims (10)
- シリコン基板上にエピタキシャル層を成長させることによりエピタキシャルウエーハを製造する方法において、少なくとも、裏面にシリコン酸化膜が形成されたシリコン基板を用い、該基板の表面にシリコンからなるエピタキシャル層を成長させる工程と、スピンエッチャーを用い、前記シリコン基板を回転させるとともに該基板の裏面に、前記シリコン酸化膜よりもシリコンに対するエッチング速度が大きいエッチング液を供給することにより、前記エピタキシャル層の成長の際に前記基板の裏面及び面取り部に形成されたシリコン層をエッチングして除去する工程を含むことを特徴とするエピタキシャルウエーハの製造方法。
- 前記シリコン基板の表面に、前記エピタキシャル層を50μm以上の厚さに成長させることを特徴とする請求項1に記載のエピタキシャルウエーハの製造方法。
- 前記エピタキシャル層を、縦型エピタキシャル装置又は枚葉式のエピタキシャル装置を用いて成長させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のエピタキシャルウエーハの製造方法。
- 前記シリコン基板として、前記シリコン酸化膜が該基板の最外周部から1〜2mmまでの内側領域において形成されているものを用いることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載のエピタキシャルウエーハの製造方法。
- 前記シリコン基板の裏面のシリコン酸化膜として、該基板に前記エピタキシャル層を成長させる際のオートドープを防止するための膜を用いることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載のエピタキシャルウエーハの製造方法。
- 前記シリコン基板として、前記シリコン酸化膜が2μm以下の厚さに形成されているものを用いることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載のエピタキシャルウエーハの製造方法。
- 前記エッチング液として、フッ酸及び硝酸を主成分とするものを用いることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載のエピタキシャルウエーハの製造方法。
- 前記エッチング液として、20℃〜40℃の温度範囲における前記シリコン酸化膜に対するシリコンのエッチング速度の比が30以上のエッチング特性を有するものを用いることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか一項に記載のエピタキシャルウエーハの製造方法。
- 前記エピタキシャル層を成長させた後、前記エッチングを行う前に、前記シリコン基板の表面側をレジストで被覆する工程と、前記エッチング後、前記レジストを除去する工程を含むことを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれか一項に記載のエピタキシャルウエーハの製造方法。
- 前記エッチングを行った後、前記基板の裏面を基準面として、前記エピタキシャル層を研磨する工程、又は前記エピタキシャル層を研削した後に研磨する工程を含むことを特徴とする請求項1ないし請求項9のいずれか一項に記載のエピタキシャルウエーハの製造方法。
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