JP2007118569A - 賦型の製造方法およびレンズシートの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】円筒状の母型の内周面に電鋳加工を施して、円筒状の賦型を作製できるようにする。
【解決手段】レンズパターンが内周面に設けられた円筒状の母型61を、円筒状のカソード32の内周面に保持する。カソード32と、このカソード32の中央部に設けられたアノード33とを用いて電気鋳造を行い、電気鋳造により母型61の内周面に形成された薄膜を剥離する。これにより、母型61のレンズパターンとは反対のパターンが外周面に形成された賦型を得ることができる。
【選択図】図6

Description

この発明は、賦型の製造方法およびレンズシートの製造方法に関する。詳しくは、背面投影型プロジェクタに用いる透過型スクリーンの賦型の製造方法およびレンズシートの製造方法に関する。
背面投影型プロジェクタに用いる透過型スクリーンは、一般的に、観察者側に設けられたレンチキュラーシートと光源側に設けられたフレネルレンズシートとの組み合わせにより構成されている。
フレネルレンズシートは、小型プロジェクタからの投影光を略平行光とし、レンチキュラーシートに出射する。レンチキュラーシートは、フレネルレンズシートで略平行光とされた投影光を、レンチキュラーの特性により、水平方向に広げ、観察者側に表示光として出射する。
レンチキュラーシートは、光が入射する側の面にレンチキュラーレンズを有し、光を出射する側の面に黒顔料を含む遮光層を有する。この遮光層には、レンチキュラーレンズにより集光された光が照射される部分にだけ開口部が設けられている。
遮光層の開口部は以下のようにして形成される。まず、黒顔料を含有する紫外線感光樹脂粘着層をレンチキュラーシートのレンズ側と逆側に貼り合わせ、レンズ側から紫外線を入射させて、レンズにより紫外線を集光させる。これにより、紫外線感光樹脂粘着層のうち集光部のみが感光されて、粘着性が失われる。そして、粘着層が失われた集光部の紫外線感光樹脂粘着層を除去し、非集光部のみに黒顔料を含有する紫外線感光樹脂粘着層を転写する。
また、レンチキュラーには、観察者側に垂直方向に表示光を広げるための拡散シートが配置されており、上述のレンチキュラーシートとこの拡散シートの組み合わせにより表示光の広がりが制御される。すなわち、縦、横方向に表示光を広げるために複数枚のシートが用いられている。
レンチキュラーシートは横方向にレンズ形状を有するシリンドリカルレンズであることが一般的であるが、このシリンドリカルレンズを用いた上述の遮光層の開口部の形成方法では、線状の開口部および非遮光部を形成することしかできない。したがって、遮光部の面積を増加させ、コントラストを向上させることは困難である。
そこで、コントラストの改善を目的として、このレンチキュラーシートをフライアイレンズで構成することが提案されている。
ところで、従来のレンズシートの製造方法としては以下のものがある。(1)シリンドリカルレンズシートの製造方法としては、柱状の金属ローラ上に切削加工を施し、この彫刻ローラを賦型ローラとしてインラインでシートを製造する方法がある。(2)フレネルレンズシートの製造方法としては、金型ローラ上に切削加工が難しいため、平面状に切削加工を施して型を作製し、この型を用いた平面プレスにより枚葉にてシートを製造する方法が用いられている。(3)プリズムレンズシートの製造方法としては、(1)のシリンドリカルレンズシートの製造方法と同様に、柱状の金属ローラ上に切削加工を施し、この彫刻ローラを賦型ローラとしてインラインでシートを製造する方法がある。
上述のように、従来のレンズシートの製造方法にあっては、転写パターンは、柱状の金属ローラまたは金属平板に対する切削加工によって形成される。しかしながら、上述のフライアイレンズは、形状が複雑であるため切削加工により転写パターンを形成することは困難である。また、プリズムレンズシートの製造方法においても、プリズムが四角錘などの簡易的な形状であれば切削加工により形成可能であるが、プリズムの形状によっては切削加工で賦型を形成することが困難である場合もある。
そこで、円筒状母型の外周面にレーザ加工を施し、このレーザ加工が施された円筒状母型を賦型ローラに使用することが提案されている。レーザ加工の加工単位は、小さいエリアが一般的であるため、母型が円筒状であっても、ピッチ送り、回転割付などを工夫することで、円筒材料全面にシームレスにレンズ加工を施すことが可能である。
しかしながら、レーザ加工性が良い材料として挙げられるものは樹脂材料が一般的であるため、耐久性の面を考えると、レーザ加工された母型をそのまま賦型ローラにすることは難しい。金属やセラミックなどにもレーザ加工を施すことは可能であるが、加工レートなどを考慮すると現実的ではない。
そこで、レーザ加工により樹脂製の円筒状母型の内周面にレンズ形状を形成した後、レーザ加工が施された樹脂製の円筒状母型から、電鋳により複製母型を製作し、この複製母型を賦型として用いて耐久性の良い賦型ローラを製作することが検討されている。例えば、特許文献1では、円筒状の母型の内周面に電鋳加工を施して、賦型を作製することが提案されている。
なお、電鋳は、複製母型を製作する方法として一般的に用いられており、例えばフレネルレンズシートの製作では、ニッケル(Ni)電鋳による平面状の複製母型をレンズシートの製作に使用されている。
また、円筒状の複製母型に関連する製法として、シームレス金属ベルト及びロールの製法が挙げられる。平滑仕上げ加工された金属ローラを母型として、外側に0.1mm前後の厚みで電鋳を施した後、母型から引き抜くことで金属ローラが得られる。この製法は、外側に円筒状の複製母型を形成する上では応用できる。しかし、最終的に外側面にレンズ形状が施された賦型ローラを得るためには、内側にレンズ形状が施された円筒状母型もしくは複製母型に対して、内側面に電鋳加工を行なうことになる。
ここで、従来の電鋳法による賦型の作製方法について説明する。図23は、従来の一般的な電鋳装置を示す。電鋳槽101内は、ニッケルめっき浴液などの浴液102により満たされ、この浴液102にアノード103およびカソード104が浸される。また、カソード104近傍の浴液102を撹拌するためのエアアジテーション機能が設けられている。
また、電鋳槽101より高所には、浴液102を調整するための調整槽105が設置され、この調整槽105内も浴液102により満たされ、この浴液102に電鋳槽101と同様にアノード106とカソード107が浸されている。浴液102はフィルタポンプ108を介して電鋳槽101から調整槽105に供給され、パイプ109を介して調整槽105から電鋳槽101に戻るようになっている。
例えば、数十インチのフレネルレンズ形成のためには平面状の母型も大きくなるため、各タンク容量及び取り扱いが大掛かりになり、設備は高額になる。円筒状の外側への電鋳は、アノード106からの距離を電流管理できる程度に離し、カソード107の部分に回転を加えることで、ある程度の膜厚均一性や、応力低下維持を行うことが可能となる。更に高精度の電鋳を行うためには、エアをカソード107下から出してカソード107近傍の溶液攪拌を施すことが必要となる。
図24は、凹凸を有するカソードの電鋳作業時における電流分布状態を示す。電鋳槽111内は浴液112により満たされ、この浴液112に、凹凸を有するカソード113が浸され、このカソード113の両側にはアノード114が浸されている。
図24に示すように、アノード114に近接しているカソード113の凸部は、電流分布が高いため、電着分布が高くなるのに対して、アノード114から離れたカソード113の凹部は、電流分布が低いため、電着分布は低くなっている。したがって、凸部の析出物115は、凹部に比べて厚くなる。
そこで、従来、アノードの形状および配置を調整することで、電着分布の改善がなされている。図25(a)〜図28(a)は、電着分布改善前におけるアノードの配置および形状を示す。図25(b)〜図28(b)は、電着分布改善後におけるアノードの配置および形状を示す。
図25(a)〜図28(a)に示すように、円形状、三角形状、四角形状およびL字状の断面を有するカソード121に対してアノード122を設けた場合には、析出物が不均一となってしまうことが分かる。
これに対して、図25(b)〜図28(b)に示すように、カソード121に対するアノード122の配置および形状を選択することで、析出物の均一性をある程度改善できることが分かる。
そして、析出物の均一性を更に改善するために、プラスチックからなる電流遮蔽板を配置して、電流が過度に集中する箇所をなくすことが提案されている。図29は、プラスチックからなる電流遮蔽板による電着分布の改善例を示す。図29に示すように、四角形状の断面を有するカソードの場合には、各角に対応する位置に電流遮蔽板124を設けることで、電着分布を改善できる。
特表2004−508585号公報
上述のように、円形状や三角形状などの母型(カソード)の外表面については、電鋳により析出物を均一に析出させるためのアノードの配置や形状といった具体的な解決手段が提案されている。しかしながら、上述の特許文献1には、円筒状の母型(カソード)の内周面について、電鋳により析出物を均一に析出させるためのアノードの配置や形状といった具体的な解決手段は何ら提案されてはいない。
したがって、この発明の目的は、円筒状の母型の内周面に電鋳加工を施して、円筒状の賦型を作製することができる円筒状の賦型の製造方法およびレンズシートの製造方法を提供することにある。
上述の課題を解決するために、第1の発明は、レンズパターンが内周面に設けられた円筒状の母型を、円筒状のカソードの内周面に保持する工程と、
カソードと、当該カソードの中央部に設けられたアノードとを用いて電気鋳造を行う工程と、
電気鋳造により母型の内周面に形成された薄膜を剥離する工程と
を備えることを特徴とする賦型の製造方法である。
第2の発明は、レンズパターンが内周面に設けられた円筒状の母型を、円筒状のカソードの内周面に保持する工程と、
カソードと、当該カソードの中央部に設けられたアノードとを用いて電気鋳造を行う工程と、
電気鋳造により母型の内周面に形成された薄膜を剥離して賦型を得る工程と、
賦型を用いてシートの一主面にレンズパターンを形成する工程と
を備えることを特徴とするレンズシートの製造方法である。
第3の発明は、レンズパターンが外周面に設けられた円筒状の母型の外周面に、電気鋳造により薄膜を形成し、当該薄膜を剥離して複製母型を作製する工程と、
複製母型と、当該複製母型の中央部に設けられたアノードとを用いて電気鋳造を行う工程と、
電気鋳造により複製母型の内周面に形成された薄膜を剥離する工程と
を備えることを特徴とする賦型の製造方法である。
第4の発明は、レンズパターンが外周面に設けられた円筒状の母型の外周面に、電気鋳造により薄膜を形成し、当該薄膜を剥離して複製母型を作製する工程と、
複製母型と、当該複製母型の中央部に設けられたアノードとを用いて電気鋳造を行う工程と、
電気鋳造により複製母型の内周面に形成された薄膜を剥離して賦型を得る工程と、
賦型を用いてシートの一主面にレンズパターンを形成する工程と
を備えることを特徴とするレンズシートの製造方法である。
第1および第2の発明では、円筒状の母型の内側に薄膜を形成し、これを剥離することで、母型のレンズパターンとは反対のパターンが外周面に形成された賦型を得ることができる。
第3および第4の発明では、円筒状の複製母型の内側に薄膜を形成し、これを剥離することで、複製母型のレンズパターンとは反対のパターンが外周面に形成された賦型を得ることができる。
第1〜第4の発明では、レンズパターンは、典型的には、マイクロレンズアレイ状、プリズムレンズ状またはフレネルレンズ状である。
第1〜第2の発明では、電気鋳造により母型の内周面に薄膜を形成する工程では、アノードおよびカソードの少なくとも一方を自転することが好ましい。第3〜第4の発明では、電気鋳造により複製母型の内周面に薄膜を形成する工程では、アノードおよびカソードの少なくとも一方を自転することが好ましい。
第1〜第2の発明では、電気鋳造により母型の内周面に薄膜を形成する工程では、母型とアノードとの間に設けられた円筒状の電流遮蔽部により、母型の電流分布を一定に保持することが好ましい。第3〜第4の発明では、電気鋳造により複製母型の内周面に薄膜を形成する工程では、母型とアノードとの間に設けられた円筒状の電流遮蔽部により、母型の電流分布を一定に保持することが好ましい。
第1〜第4の発明では、電気鋳造により母型の内周面に薄膜を形成する工程では、カソードの内側と外側の浴液を循環させることが好ましい。第3〜第4の発明では、電気鋳造により複製母型の内周面に薄膜を形成する工程では、カソードの内側と外側の浴液を循環させることが好ましい。
第1〜第2の発明では、粉末状の熱可塑性樹脂を円筒状の金型に投入し、回転成形により円筒状の被加工物を成形する工程と、成形された被加工物の内周面に対してレンズパターンを形成して、円筒状の母型を作製する工程とをさらに備えることが好ましい。第3〜第4の発明では、粉末状の熱可塑性樹脂を円筒状の金型に投入し、回転成形により円筒状の被加工物を成形する工程と、成形された被加工物の外周面に対してレンズパターンを形成して、円筒状の母型を作製する工程とをさらに備えることが好ましい。
第1〜第4の発明では、回転成形の工程において、金型の温度を310℃以上350℃以下の範囲内に保持することが好ましい。第1〜第4の発明では、熱可塑性樹脂は、ポリカーボネート樹脂であることが好ましい。第1〜第4の発明では、金型の厚さを、被加工物の厚さ以上にすることが好ましく、被加工物の厚さの2倍以上にすることがより好ましい。第1〜第4の発明では、金型の内周面にメッキ処理を施すことが好ましい。第1〜第4の発明では、回転成形の工程において、金型の温度を310℃以上350℃以下の範囲内まで加熱した後、粉末状の熱可塑性樹脂を一度に金型に投入することが好ましい。
以上説明したように、この発明によれば、円筒状の母型の内周面に電鋳加工を施して、円筒状の賦型を作製することができる。
以下、この発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態の全図においては、同一または対応する部分には同一の符号を付す。
(1)第1の実施形態
背面投影型の画像表示装置の全体構成
図1は、この発明の第1の実施形態による背面投影型の画像表示装置の一構成例を示す模式図である。この背面投影型の画像表示装置は、プロジェクタ1および透過型スクリーン2とを備え、プロジェクタ1から投影された画像を、透過型スクリーン2を透過させて表示するものである。
プロジェクタ1は、映像を透過型スクリーン2に拡大投影するものである。このプロジェクタ1としては、例えば液晶表示素子またはデジタルライトプロセッシング(DLP(登録商標))素子などをライトバルブとしたものを用いることができる。また、液晶表示素子を備えるプロジェクタ1としては、例えば、透過型液晶表示素子または反射型液晶表示素子を備えるものを用いることができる。
透過型スクリーンの全体構成
図1に示すように、この第1の実施形態による透過型スクリーン2は、プロジェクタ1からの投射光を略平行光として出射する作用を持つフレネルレンズシート20と、このフレネルレンズシート20から出射された平行光を受け、水平方向および垂直方向に広げ、表示光として出射する遮光層付フライアイレンズシート10とを備える。この透過型スクリーン2は、フレネルレンズシート20がプロジェクタ1の側となり、遮光層付フライアイレンズシート10が観察者側となるようにして配置される。透過型スクリーン2は、例えば縦500mm×横1020mmの大きさの長方形状を有する。
フレネルレンズシート20の観察者側となる面にはフレネルレンズ24が設けられている。一方、フレネルレンズシート20のプロジェクタ側となる面は平面状とされている。また、遮光層付フライアイレンズシート10のプロジェクタ側となる面にはフライアイレンズ12が設けられている。一方、遮光層付フライアイレンズシート10の観察者側となる面には遮光層15が設けられている。これらのフレネルレンズシート20と遮光層付フライアイレンズシート10とは、それぞれのレンズ部が互いに向かい合うように配置される。
以下に、遮光層付フライアイレンズシート10およびフレネルレンズシート20の構成について、より具体的に説明する。
フレネルレンズシートの構成
フレネルレンズシート20は、基板21と、フレネルレンズ24が一主面に設けられたフィルム23とを備え、この基板21とフィルム23とが接着層22を介して接着されている。基板21としては、透明性を有する材料からなるものが用いられ、例えばガラス基板が用いられる。
フィルム23としては、透明性を有するプラスチックなどの材料からなるフィルムを用いることができ、例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムを用いることができる。フレネルレンズ24は、例えば、フレネルレンズシート20の中心からプリズムが同心円状に配された構成を有する。このフレネルレンズ24の作製方法としては、公知の作製方法を用いることができ、例えば、紫外線硬化樹脂により作製する方法を用いることができる。
遮光層付フライアイレンズシートの構成
遮光層付フライアイレンズシート10は、フライアイレンズシート13と、このフライアイレンズシート13の観察者側となる面に設けられた感光性粘着層14と、この感光性粘着層14上に設けられた遮光層15と、この遮光層15上に設けられた拡散シート16とを備える。フライアイレンズシート13は、支持体であるフィルム11と、そのプロジェクタ側となる面に設けられたフライアイレンズ12とを有する。遮光層付フライアイレンズシート10は、例えば縦500mm×横1020mmの大きさの長方形状を有する。
図2Aは、遮光層付フライアイレンズシートのプロジェクタ側の外観を示す斜視図である。図2Bは、遮光層付フライアイレンズシートの観察者側の外観を示す斜視図である。図2Aおよび図2Bに示すように、遮光層付フライアイレンズシート10の横方向にx軸を設定し、遮光層付フライアイレンズシート10の縦方向にy軸を設定し、遮光層付フライアイレンズシート10の厚さ方向にz軸を設定する。なお、図2Bでは、遮光層15の構成の説明を容易とするために、拡散シート16の図示を省略している。
フライアイレンズシート13は、フレネルレンズシート20から出射された平行光を集光するためのものである。感光性粘着層14は、後述するように、遮光層15を形成するときに用いられるものである。遮光層15は、外光を吸収して透過型スクリーン2のコントラストを向上させるためのものである。拡散シート16は、フライアイレンズ12により集光された光を拡散するためのものである。この拡散シート16としては、例えば公知の拡散シートを用いることができる。
図2Aに示すように、遮光層付フライアイレンズシート10のプロジェクタ側となる面には、複数のフライアイレンズ12が稠密されている。なお、各フライアイレンズ12上に付された「+」の印は、レンズの頂点の位置を示す。
図2Bに示すように、遮光層15には、プロジェクタ側となる面に設けられたフライアイレンズ12と対応する位置に透過部15aが設けられている。この透過部15aは、遮光層15に設けられた開口部であり、この透過部15aを介してフライアイレンズ12により集光された光が観察者側に向けて出射される。
図3Aは、フライアイレンズの一例を示す平面図である。図3Aに示すように、フライアイレンズ12は、遮光層付フライアイレンズシート10に対して垂直な方向から見ると、正方形または長方形などの四角形状を有する。複数のフライアイレンズ12は、x軸方向およびy軸方向に周期的に配列されてなる稠密アレイを構成している。x軸方向のレンズピッチXは、好ましくは35μm以上120μm以下に設定され、例えば100μmに設定される。y軸方向のレンズピッチYは、好ましくは35μm以上120μm以下に設定され、例えば60μmに設定される。35μm未満であると、集光部があまりにも小さくなってしまうため、透過部15aの形成が困難となってしまう。120μmを越えると、モアレの発生が懸念される。
図3Bは、遮光層の一例を示す平面図である。図3Bに示すように、遮光層15に設けられた複数の透過部15aは、x軸方向およびy軸方向に周期的に配されている。透過部15aは、フライアイレンズ12の形状に応じた形状を有し、具体的には、フライアイレンズ12の形状と相似した形状またはほぼ相似した形状を有する。例えば、フライアイレンズ12が四角形状を有する場合には、透過部15aの形状は四角形状またはほぼ四角形状に設定される。
図4Aは、フライアイレンズの一形状例を示す斜視図である。図4Bは、フライアイレンズのxz断面の一例を示す断面図である。図4Cは、フライアイレンズのyz断面の一例を示す断面図である。このフライアイレンズ12は、例えば球面状または非球面状を有する。フライアイレンズが非球面状を有する場合には、その非球面は、例えば以下の式(1)により表される。
Figure 2007118569
式(1)中において、Cx、Cy、kx、kyは以下を示す。
Cx:x方向の中心曲率
Cy:y方向の中心曲率
kx:x方向の非球面係
ky:y方向の非球面係
表1は、上述の式(1)におけるCx、Cy、kx、ky、x軸方向(横方向)のレンズピッチ(x−pitch)、y軸方向(縦方向)のレンズピッチ(y−pitch)の例を示す。
Figure 2007118569
遮光層付フライアイレンズシートの製造方法
観察者側に配置される遮光層付フライアイレンズシートの製造方法は、(a)レーザ加工により母型を作製する母型の作製工程と、(b)電鋳により賦型を作製する賦型の作製工程と、(c)成形ローラによりフライアイレンズシートを作製するレンズシートの作製工程、(d)フライアイレンズシート上に遮光層を形成する遮光層の作製工程とを備える。
この発明の第1の実施形態による遮光層付フライアイレンズシートの製造方法を以下の順序で説明する。
(a)母型の作製工程
(b)賦型の作製工程
(c)レンズシートの作製工程
(d)遮光層の作製工程
(a)母型の作製工程
まず、フライアイレンズシート13を作製するための母型の作製工程について説明する。ここでは、レーザ光を使用したマスクイメージング法を用いて、円筒状の被加工物を加工することにより、母型を作製する場合を例として説明する。レーザ加工を施すためのレーザ加工機としては、例えばベルギーOPTEC社製精密レーザ加工機MAS−300を使用できる。
まず、レーザ加工に用いられるマスクについて説明する。図5は、レーザ加工に用いられるマスクの一例を示す模式図である。図5に示すように、マスクには、複数の開口部が設けられている。これらの複数の開口部は、複数の行および/または列をなすよう設けられている。このマスクの開口部を介してレーザ光を円筒状の被加工物の内周面に照射して、その内周面上にマスク像を形成することにより、レーザ光のエネルギーにより被加工物が加工される。このマスクの材料としては、例えばレーザ光の照射に対して耐えることができるものが選ばれ、例えば金属が選ばれる。
開口部の形状は、この開口部により形成されるマスク像を円筒状の被加工物の内周面上に周方向または高さ方向に向かって移動させることにより、球面または非球面状の溝を形成できるように選ばれる。
以下に、上述のマスクを用いた母型の作製工程について説明する。まず、円筒状の被加工物を準備する。被加工物の材料としては、公知のプラスチックを用いることができ、プラスチックの耐熱性、ガラス転移点により加工性や加工後の表面形状が変化するため、加工条件に応じて適宜選択することが好ましく、例えば、ポリカーボネートを用いることができる。
次に、この円筒形状を有する被加工物の内周面上に、レーザ照射系を移動させる。このレーザ照射系には、上述のマスクが装着されている。
次に、被加工物の内周面上にマスク像を形成すると共に、レーザ照射系を被加工物の一方の開口端から他方の開口端に向けて移動させる。これにより、被加工物の内周面に一方の開口端から他方の開口端に向かうストライプ状の溝が形成される。
そして、同様の工程を、被加工物をその軸を回転軸として適宜回転させながら繰り返す。これにより、一方の開口端から他方の開口端に向かうストライプ状の溝が、被加工物の内周面全体に形成される。
次に、レーザ照射系を一方の開口端に移動させる。そして、被加工物の内周面上にマスク像を形成すると共に、被加工物をその軸を回転軸として一定速度で回転させる。これにより、内周面の円周上が加工される。そして、同様の工程を、レーザ照射系を一方の開口端から他方の開口端の方向に向けて適宜移動しなが繰り返す。以上により、目的とする母型が得られる。
(b)賦型の作製工程
次に、上述のようにして得られた母型を用いて賦型を作製する。まず、賦型の作製に用いられる電鋳装置について説明する。図6は、この発明の第1の実施形態による電鋳装置の一構成例を示す模式図である。図7は、図6の線分A−A’における断面図である。
図6に示すように、この電鋳装置は、電鋳槽31、カソード32およびアノード33を備える。この電鋳装置は、円筒状を有する母型の内周面に電鋳加工を施して、円筒状の賦型を作製するためのものである。
電鋳槽31は、例えば、円筒形状を有し、その内部は浴液34で満たされている。また、電鋳槽31の中央部には、円筒形状を有するカソード32が設けられ、このカソード32内には円柱状のアノード33が設けられている。
カソード32は、その内周面に母型61を保持可能に構成されている。具体的には、カソード32の内周面には、例えば、母型61を嵌合するための嵌合溝32aが設けられ、この嵌合溝32aに母型61を嵌合することで母型61がカソード32の内周面に保持される。なお、カソード32はメッシュ状または網状としてもよい。
カソード32の内壁面に保持された母型61の両端は、導電材料35によりカソード32に繋がれている。なお、母型61の両端の円周部全体を導電材料35により繋ぐことが好ましい。このように導電処理を施した箇所は、電鋳時に不安定な働きをする場合があるので、非導電材料36により被覆することが好ましい。また、このカソード32の外周面も、非導電材料36により被覆することが好ましい。
カソード32の上部には、図7に示すように、複数の液通路37が例えば円筒状のカソード32の周方向に均等に設けられている。この液通路37は、非導電材料36により被覆することが好ましい。この液通路37を設けることで、浴上部で浴液34が円筒状のカソード32の内外を循環できるようになる。
カソード32の内周面には、その内周面に保持された母型61を覆うようにカバーシリンダ38が設けられている。カバーシリンダ38は、カソード32に保持された母型61の両端部がその中心部に比較して電流分布が高くなることを防ぎ、母型61の電流分布を均一に維持されるように、カソード32に保持された母型61を覆うためのものである。
カバーシリンダ38は、円筒状の形状を有し、複数の孔が設けられている。この孔は、母型61の電流分布を均一に維持するためのものであり、例えば、カバーシリンダ38の中央部で最も多く、その両端部に向かうに従って徐々に減少するように設けられている。また、カバーシリンダ38の中央部にのみ孔を設け、その両端部には孔を設けないようにしてもよい。
アノード33は、メッシュ状または網状を有する中空円筒状のバスケット39を備え、このバスケット39は、例えばTi(チタン)により構成される。バスケット39内には、例えばニッケル(Ni)ボール40が収納される。バスケット39は、その上部からバスケット39内に、例えばニッケルボール40を追加できる構造となっている。バスケット39の下部は、ラフフィルタ41により覆われている。
アノード33の上部は、アノード33を自転させるための駆動部に連結され、その自転軸は円筒状のカソード32の中心軸と一致するようになっている。アノード33を自転させることで、電鋳時におけるアノード33およびカソード32の間の電流分布を円周方向で均一に維持することができる。
また、アノード33には、バスケット39の外周面を覆うように螺旋状のスクリュ42が設けられている。アノード33を自転させると、このアノード33の自転に伴ってスクリュ42も回転し、それによってカソード32の内側では上方から下方に向かう流露が形成される。
円筒状のカソード32の下方には、円環状のパイプ45、46が設けられている。パイプ46の円環の径は、例えば、円筒状のカソード32の外径より大きく設定される。また、パイプ45の円環の径は、例えば、円環状のカソード32の内径より小さく、バスケット39の円柱の径より大きく選ばれる。円環状のパイプ46の上面には複数の開口が設けられ、円環状のパイプ45の内周面には複数の開口が設けられている。
パイプ45はフィルタポンプ44に接続され、パイプ46はコンディショニングタンク43に接続されている。そして、フィルタポンプ44とコンディショニングタンク43とが接続されている。
カソード32の外周側の下方には、エア導入管47が導入されている。このエア導入管47によりカソード32の外周側の下方にエアを導入することで、カソード32の外周側の下方から上方に向かう液流れを助長することができる。
次に、図6〜図8を参照しながら、この発明の第1の実施形態による円筒状の賦型の作製工程について説明する。
まず、上述のようにして得られた、図8(a)に示す母型61の内周面に対して、下地処理として導電化処理を行う。これにより、図8(b)に示すように、母型61の内周面に対して導電化膜62が形成される。導電化処理としては、例えば無電解メッキまたはスパッタリングを用いることができる。ここで、導電化膜62は、例えばニッケルなどの金属からなる金属被膜である。
次に、上述のようにして導電化処理が施された母型61を円筒状のカソード32の内周面に取り付ける。そして、円筒状の母型61の両端をカソード32に導電材料35により繋ぐ。この際、母型61の両端の円周部全体を導電材料35により繋ぐことが好ましい。このように導電処理を施した箇所は、電鋳時に不安定な働きをする場合があるので、非導電材料36により被覆することが好ましい。
次に、アノード33を自転させると共に、エア導入管47を介してエアを電鋳槽31内に導入する。さらに、フィルタポンプ44およびコンディショニングタンク43を介する浴調整の給排の循環も行う。これにより、カソード32の内周面側を上方から下方へ向かい、カソードの外周面側に回り、カソードの外周面側を下方から上方へ向かい、カソードの外周面側から内周面側に戻る流路が形成される。そして、図8(c)に示すように、電鋳により母型61の内周面上にニッケルメッキ層などの金属メッキ層63を形成する。その後、例えば母型61をレーザ光でカットするなどして、母型61から金属メッキ層63を剥離する。これにより、母型61とは反対の凹凸パターンを有する円筒状の賦型64が得られる。
(c)シートの製造工程
まず、図9を参照して、フライアイレンズシート13の作製に用いられるシート製造装置について説明する。図9に示すように、このシート製造装置は、加圧ローラ52、樹脂ディスペンサ54、剥離ローラ55、UVランプ(紫外線ランプ)56および成形ローラ57を備える。
基材シート(基材フィルム)51は、帯状の形状を有し、この基材シート51の材料としては、例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)、PC(ポリカーボネート)またはゼオノア(登録商標)等を用いることができる。この基材シート51は、巻軸に予め巻き取られて巻物状とされ、シート製造装置の所定位置に回転可能に装着される。
成形ローラ57は、フライアイレンズ12を基材シート51の一主面に多数連続して形成するためのものである。成形ローラ57は、円柱状の形状を有し、その円柱面には、上述の(b)賦型の作製工程で作製された賦型が設けられている。また、成形ローラ57は、その軸を回転軸として回転可能に装着され、成形ローラ57の回転に伴って基材シート51が送り出される。
加圧ローラ52は、基材シート51を加圧して成形ローラ57の円柱面に密着させるためのものである。加圧ローラ52は、円柱状の形状を有し、その半径は、例えば成形ローラ57の半径よりも小さく選ばれる。加圧ローラ52は、その軸を回転軸として回転可能に構成されている。
剥離ローラ55は、フライアイレンズ12が一主面に形成された基材シート51を、成形ローラ57から剥離するためのものである。剥離ローラ55は、円柱状の形状を有し、その半径は、例えば成形ローラ57の半径よりも小さく選ばれる。剥離ローラ55は、その軸を回転軸として回転可能に構成されている。
樹脂ディスペンサ54は、紫外線硬化樹脂53を滴下するためのものであり、紫外線硬化樹脂の滴下位置を調整できるように移動可能に構成されている。UVランプ56は、紫外線を照射可能に構成され、成形ローラ57上を巡らされている基材シート51に対して紫外線を照射する。
次に、図9を参照しながら、フライアイレンズシートの作製工程について説明する。
まず、微細形状が表面に設けられた成形ローラ57と、加圧ローラ52とで基材シート51をニップする。そして、樹脂ディスペンサ54から成形ローラ57と基材シート51との間に紫外線硬化樹脂53を滴下して、成形ローラ57と基材シート51との間に樹脂だまりを形成するとともに、基材シート51を成形ローラ57に圧着しながら送り出す。これにより、成形ローラ57の円柱面と基材シート51との間に、紫外線硬化樹脂が塗布・充填される。また、この際に、紫外線硬化樹脂に混在する気泡が除去される。
紫外線硬化樹脂53としては、例えば、アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、シリコン樹脂等を例示することができるが、特に限定されるものではない。なお、樹脂は紫外線硬化樹脂に限定されるものではなく、エネルギーを吸収して硬化する種々の樹脂を用いることができ、例えば、電子線または熱により硬化できる樹脂を用いることができる。
そして、成形ローラ57の下方から紫外線を基材シート51に対して照射して紫外線硬化樹脂53を硬化させた後、回転している剥離ローラ55により成形ローラ57から基材シート51を引き剥がす。これにより、フライアイレンズ12を有する光学層が基材シート51上に形成されて、目的とするフライアイレンズシート13が得られる。
(d)遮光層の作製工程
次に、図10を参照しながら、上述のようにして得られたフライアイレンズシート13に対する遮光層15の作製工程について説明する。まず、図10Aに示すように、上述のようにして作製されたフライアイレンズシート13のレンズ側とは反対側の平坦面に、例えば紫外線感光樹脂粘着層などの感光性粘着層14を形成する。この感光性粘着層14の形成方法としては、例えば、フィルム11の表面に感光性粘着剤を直接塗布する方法、感光性粘着層14を支持基材上に剥離可能に形成し、この感光性粘着層14をフィルム11の表面に貼り合わせて、支持基材を剥離する方法などが挙げられる。
感光性粘着層14を構成する材料としては、少なくとも1つの有機重合体からなる熱粘着性の結合剤、エチレン性不飽和を有する光重合性化合物、1つの光重合開始剤を主成分とするものを用いることができる。
上述の有機合成体からなる熱粘着性の結合剤は、上述の各成分と相溶性であることが望ましい。一般的な有機重合体の例としては、ポリ塩化ビニル、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、ポリビニルエーテル、ポリビニルアセタール、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド、ポリエステル、塩化ビニリデン−アクリルニトリル共重合体、塩化ビニリデン−メタクリレート共重合体、塩化ビニリデン−酢酸ビニル共重合体、セルロース誘導体、ポリオレフィン、ジアリルフタレート樹脂、各種合成ゴム、例えばブタジエン−アクリルニトリル共重合体などを挙げることができる。
光重合化合物としてはラジカル重合が可能なエチレン性不飽和を有する、付加重合または架橋可能な公知モノマー、オリゴマー、ポリマーを制限することなく使用することができる。例えばビニル基、またはアクリル基を有するモノマー、オリゴマーまたは末端また側鎖にエチレン性不飽和基を有するポリマーである。その例としては例えばアクリル酸およびその塩、アクリル酸エステル類、アクリルアミド類、メタクリル酸及びその塩、メタクリル酸エステル類、メタクリルアミド類、無水マレイン酸、マレイン酸エステル類、イタコン酸エステル類、スチレン類、ビニルエーテル類、ビニルエステル類、N-ビニル複素環類、アクリルエーテル類、アクリルエステル類、およびこれらの誘導体などを挙げることができる。具体的な化合物としては、(メタ)アクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキサン(メタ)アクリレート、ジメチルアミノメチル(メタ)アクリレート、カルビトール(メタ)アクリレート、2−エチルへキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、N-メチロール(メタ)アクルアミド、スチレン、アクリルニトリル、N-ビニルピロリドン、エチレングリコール(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジビニルエーテルヒドロキシプチルビニルエーテル、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレートなどが好適に使用でき、これらの化合物は1種または2種以上を混合して用いることができる。
前記材料成分の混合比は概ね、有機重合体からなる熱粘着性の結合剤20〜80wt%、ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物20〜80wt%である。
次に、図10Bに示すように、未硬化状態の感光性粘着層14に、フライアイレンズ12の側から紫外線(UV平行光)を照射する。これにより、フライアイレンズ12により紫外線が集光部14aに集光されて、感光性粘着層14のうち集光部14aの感光性粘着層14が硬化される。すなわち、集光部14aの感光性粘着層14は粘着性が失われる。これに対して、紫外線が集光されない非集光部14bの感光性粘着層14は、粘着性が維持される。
次に、図10Cに示すように、感光性粘着層14上に、黒色転写フィルム19の黒色層17を貼り合わせた後、支持基材18を剥離する。これにより、図10Dに示すように、黒色層17のうち集光部14aに対応する部分が、支持基材18と共に剥離されて、例えば、四角形状またはほぼ四角形状を有する透過部15aが黒色層17に形成される。以上により、図10Eに示すように、遮光層15が観察者側となる面に設けられた遮光層付フライアイレンズシート10が得られる。その後、必要に応じて、拡散シート16を遮光層15上に形成する。
黒色転写フィルム19は樹脂とカーボンブラックを混合した塗料を、支持基材18に塗工することにより得られる。
上述のカーボンブラックとしては、市販のカーボンブラックを使用することができる。例えば、三菱化成社製の#980B、#850B、MCF88B、#44B、キャボット社製のBP−800、BP−L、REGAL−660、REGAL−330、コロンビヤンカーボン社製のRAVEN−1255、RAVEN−1250、RAVEN−1020、RAVEN−780、RAVEN−760、デグサ社製のPrintex−55、Printex−75、Printex−25、Printex−45、SB−550等がある。これらを単独、あるいは混合して使用することができる。
カーボンブラックと配合するバインダー樹脂としては、変成または非変成の塩化ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリエステル樹脂等を使用でき、この他、セルロースアセテートブチレート等のセルロースエステルも使用できる。また、特定の使用方式を有する熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、反応型樹脂、電子線照射硬化型樹脂等を用いてもよい。
塗料におけるカーボンブラックの含有量は45wt%以上75wt%以下が好ましい。含有量カーボンが75wt%を超える場合は、樹脂に対してカーボンが過剰となり、カーボンブラックが脱落する。集光部への脱落及び、転写工程で工程内で脱落し、汚れとなり望ましくない。またカーボンブラックの含有量が45wt%に満たない場合は、樹脂が過剰となるため塗膜強度が強く、集光部と非集光部の境界に倣い、塗膜が切れず、非集光部に付着すべき黒色層17が不足する。あるいは集光部に黒色層17が残存することが起きる。非集光部の黒色層17の不足、集光部への黒色層17の残存は、スクリーンのコントラスト低下及び投影像が欠けるため望ましくない。カーボン含有量は60wt%以上70wt%以下とするのが最も好ましい。
黒色層17には、カーボンブラックとバインダー樹脂の他に、必要に応じて有機顔料、無機顔料などの添加剤を含有させることができる。
黒色層17となる塗料の形成は上述した各成分と必要に応じて溶剤とを常法により攪拌機で混合し、支持基材18に塗布し、乾燥あるいは硬化すればよい。
上述の塗料の支持基材18としては、公知のプラスチックフィルムを用いることが可能である。必要に応じて、プラスチックフィルム表面に離型層を形成し、プラスチックフィルムと黒色層17との剥離強度を調整することが可能である。
黒色層17の厚みは0.5μm以上、2.0μm以下が好ましい。厚みが0.5μmに満たない場合は黒色濃度が低下し、外光を十分に遮断することができない。また、濃度ムラが顕著となり望ましくない。厚みが2.0μmを超える場合は、感光粘着層に黒色層17を貼合し加圧した際に塗膜にひび割れが生じ望ましくない。黒色層17の厚みは0.7μm以上、1.2μm以下が最も好ましい。
この発明の第1の実施形態によれば以下の効果を得ることができる。
アノード33を自転しながら電鋳を行うので、アノード33およびカソード32間の電流分布を円周方向で均一に維持することができる。
また、電流遮蔽のためのカバーシリンダ38をカソード32の内側に設けるので、円筒状の母型61の両端部の電流分布が中心部と比較して高くなることを防げ、電流分布を均一に維持することができる。
また、フィルタポンプ44およびコンディショニングタンク43を介する浴調整の給排の循環により、円筒母型61の外側では上方から下方に液流れを促し、内側では下方から上方に液流れを促すので、電鋳槽31内の液濃度を均一に維持することができる。
また、エアアジテーションの機能を設けることで、カソード32の外側の下方から上方に向かう液流れを助長することができる。
また、アノード33にスクリュ42を設けることで、アノード33の自転を利用した液流れを得ることができる。すなわち、カソード32の内側にて上方から下部に向かう液流れを助長するたことができる。
(2)第2の実施形態
次に、この発明の第2の実施形態について説明する。
上述の第2の実施形態では、母型の内周面にレーザ加工を施してレンズパターンを形成し、この母型を用いて賦型を作製する場合について説明したが、この第2の実施形態では、母型の外周面にレーザ加工を施してレンズパターンを形成し、この母型を用いて複製母型をさらに作製し、この複製母型を用いて賦型を作製する場合について説明する。
遮光層付フライアイレンズシートの製造方法以外のことは、上述の第1の実施形態と同様であるので、以下では遮光層付フライアイレンズシートの製造方法について説明する。
この発明の第2の実施形態による遮光層付フライアイレンズシートの製造方法を以下の順序で説明する。
(a)母型の作製工程
(b)賦型の作製工程
(c)レンズシートの作製工程
(d)遮光層の作製工程
(a)母型の作製工程
まず、フライアイレンズシート13を作製するための母型の作製工程について説明する。ここでは、レーザ光を使用したマスクイメージング法を用いて、円筒状の被加工物を加工することにより、母型を作製する場合を例として説明する。レーザ加工を施すためのレーザ加工機としては、例えばベルギーOPTEC社製精密レーザ加工機MAS−300を使用できる。
まず、レーザ加工に用いられるマスクについて説明する。図11は、レーザ加工に用いられるマスクの一例を示す模式図である。図11に示すように、マスクには、複数の開口部が設けられている。これらの複数の開口部は、複数の行および/または列をなすよう設けられている。このマスクの開口部を介してレーザ光を円筒状の被加工物の内周面に照射して、その内周面上にマスク像を形成することにより、レーザ光のエネルギーにより被加工物が加工される。このマスクの材料としては、例えばレーザ光の照射に対して耐えることができるものが選ばれ、例えば金属が選ばれる。
開口部の形状は、この開口部により形成されるマスク像を円筒状の被加工物の内周面上に周方向または高さ方向に向かって移動させることにより、球面または非球面状の溝を形成できるように選ばれる。このような形状を形成できる開口部の形状としては、例えば半円形状または爪状の形状を挙げることができる。なお、マスクの開口が半円形状または爪状の形状を有する場合には、この半円形状または爪状などの湾曲した辺の側またはそれとは反対の側に対してマスク像を移動するようにする。このようにすることで、マスク像を一方向に向かって移動させた場合に、マスク像の中心部が通過する位置に対してより多くのレーザ光を照射することができる。すなわち、球面または非球面状の溝を形成することができる。
まず、円筒形状を有する被加工物を準備する。被加工物の材料としては、公知のプラスチックを用いることができ、プラスチックの耐熱性、ガラス転移点により加工性や加工後の表面形状が変化するため、加工条件に応じて適宜選択することが好ましく、例えばポリカーボネートを用いることができる。
次に、この円筒形状を有する被加工物の外周面上に、レーザ照射系を移動させる。このレーザ照射系には、被加工物を所望の形状に加工するためのマスクが装着されている。このマスクとしては、例えば、上述のマスクを用いることができる。
次に、被加工物の外周面上にマスク像を形成すると共に、レーザ照射系を被加工物の一方の開口端から他方の開口端に向けて移動させる。これにより、被加工物の外周面に一方の開口端から他方の開口端に向かうストライプ状の溝が形成される。
そして、同様の工程を、被加工物をその軸を回転軸として適宜回転させながら繰り返す。これにより、一方の開口端から他方の開口端に向かうストライプ状の溝が、被加工物の外周面全体に形成される。
次に、レーザ照射系を一方の開口端に移動させる。そして、被加工物の外周面上にマスク像を形成すると共に、被加工物をその軸を回転軸として一定速度で回転させる。これにより、レーザ光のマスク像が外周面の円周上を移動して、外周面の円周上が加工される。そして、同様の工程を、レーザ照射系を一方の開口端から他方の開口端の方向に向けて適宜移動しなが繰り返す。以上により、目的とする母型が得られる。
図12Aは、上述のようにして得られた母型の内周面の一部を示す模式図である。図12Bは、上述のようにして得られた母型の内周面の一部を拡大して示す模式図である。図12Aおよび図12Bに示すように、母型の内周面には、上述のフライアイレンズ12の形状に対応した複数の凹部が、周方向および高さ方向に周期的に配設されている。
(b)賦型の作製工程
次に、図6、図13および図14を参照しながら、この発明の第2の実施形態による円筒状の賦型の作製工程について説明する。
まず、上述のようにして得られた、図13(a)に示す母型71の外周面に対して、下地処理として導電化処理を行う。これにより、図13(b)に示すように、母型71の外周面に対して導電化膜72が形成される。導電化処理としては、例えば無電解メッキまたはスパッタリングを用いることができる。ここで、導電化膜72は、例えばニッケルなどの金属からなる金属被膜である。
次に、図13(c)に示すように、例えば電鋳により母型71の外周面上、ニッケルメッキ層などの金属メッキ層73を形成する。その後、例えば母型71をレーザ光でカットするなどして、母型71から金属メッキ層73を剥離する。これにより、図13(d)に示すように、母型71とは反対の凹凸パターンを有する円筒状の複製母型74が得られる。
次に、上述のようにして得られた複製母型74を円筒状のカソード32の内側に取り付ける。そして、円筒状の複製母型74の両端をカソード32に導電材料35により繋ぐ。この際、母型61の両端の円周部全体を導電材料35により繋ぐことが好ましい。このように導電処理を施した箇所は、電鋳時に不安定な働きをする場合があるので、非導電材料36により被覆することが好ましい。
次に、アノード33を自転させると共に、エア導入管47を介してエアを電鋳槽31内に導入する。さらに、フィルタポンプ44およびコンディショニングタンク43を介する浴調整の給排の循環も行う。これにより、カソード32の内周面側を上方から下方へ向かい、カソードの外周面側に回り、カソードの外周面側を下方から上方へ向かい、カソードの外周面側から内周面側に戻る流路が形成される。そして、図14(a)に示すように、電鋳により複製母型74の内周面上にニッケルメッキ層などの金属メッキ層75を形成する。その後、例えば複製母型74から金属メッキ層75を剥離する。これにより、図14(b)に示すように、複製母型74とは反対の凹凸パターンを有する円筒状の賦型64が得られる。
(c)レンズシートの作製工程
シートの製造工程については、上述の第1の実施形態と同様であるので説明を省略する。
(d)遮光層の作製工程
遮光層の作製工程については、上述の第1の実施形態と同様であるので説明を省略する。
(3)第3の実施形態
次に、この発明の第3の実施形態について説明する。
上述の第1の実施形態では、遮光層15に設けられた透過部15aが四角形状またはほぼ四角形状である場合について説明したが、この発明の第2の実施形態では、遮光層15に設けられた透過部15aが六角形状(ハニカム状)またはほぼ六角形状である場合について説明する。
図15は、遮光層付フライアイレンズシートの観察者側の外観を示す斜視図である。図15に示すように、遮光層15には、プロジェクタ側となる面に設けられたフライアイレンズ12と対応する位置に透過部15aが設けられている。この透過部15aは、遮光層15に設けられた開口部であり、この透過部15aを介してフライアイレンズ12により集光された光が観察者側に向けて出射される。
図16Aは、フライアイレンズの一例を示す平面図である。図16Aに示すように、フライアイレンズは、遮光層付フライアイレンズシート10に対して垂直な方向から見ると、六角形状を有する。複数のフライアイレンズ12は、x軸方向およびy軸方向に周期的に配列されてなる稠密アレイを構成している。x軸方向のレンズピッチXは、好ましくは35μm以上105μm以下に設定され、例えば100μmに設定される。y軸方向のレンズピッチYは、好ましくは35μm以上105μm以下に設定され、例えば60μmに設定される。また、角度αは例えば150°に選ばれ、角度βは例えば110°に選ばれる。
図16Bは、遮光層15の一例を示す平面図である。図16Bに示すように、遮光層15に設けられた複数の透過部15aは、x軸方向およびy軸方向に周期的に配されている。透過部15aは、フライアイレンズ12の形状に応じた形状を有し、具体的には、フライアイレンズ12の形状と相似した形状またはほぼ相似した形状を有する。例えば、フライアイレンズ12が六角形状を有する場合には、透過部15aの形状は六角形状またはほぼ六角形状に設定される。
これ以外のことは上述の第1の実施形態と同様であるので説明を省略する。
(4)第4の実施形態
次に、この発明の第4の実施形態について説明する。
この発明の第4の実施形態は、上述の第1の実施形態による遮光層付フライアイレンズシートの製造方法において、母型の作製工程前に、母型の作製に用いられる円筒状の被加工物を回転成形により作製する被加工物の作製工程をさらに備えるものである。
図17は、被加工物の作製工程において用いられる回転成形装置の一構成例である。回転成形装置81の近くには搬送装置91が設けられ、この搬送装置91により被加工物を成形するための粉末樹脂材料92が回転成形装置81に搬送されるようになっている。また、図示を省略するが、回転成形装置81の近くには送風装置が設けられ、この送風装置により成形された被加工物を冷却可能なようになっている。
搬送装置91は、搬送部93と、この搬送部93を支持する支持体94とを備える。搬送部93は、両端が閉鎖された円筒状の形状を有し、その円筒面には一端から他端に向かって広がる細長の開口部93aが設けられている。搬送部93は、粉末樹脂材料92を回転成形装置81に搬送可能であるとともに、その軸心回りに回転可能に支持体94に支持されている。粉末樹脂材料92は、後工程である母型の作製工程において、レーザ加工によりレンズパターンを形成可能な樹脂材料であり、このような樹脂材料としては、例えば、ポリカーボネート(PC)、ポリイミド(PI)などの熱可塑性樹脂を用いることができる。
回転成形装置81は、円筒金型82とテーブル83とを備え、円筒金型82は、その軸心とテーブル83の上面とが平行となるように、テーブル83上に回転可能に支持されている。テーブル83の下部にはベース88が設けられ、このベース88によりテーブル83は揺動可能に支持されている。
テーブル83上には、駆動部であるモータ84が設けられ、このモータ84の軸には歯車85aが固定されている。また、テーブル83上にはシャフト86が回転可能に支持されており、このシャフト86の一端に歯車85bが固定され、この歯車85bとモータ84の軸に固定された歯車85aとがかみ合って、シャフト86が回転するようになっている。円筒金型82の両端には駆動リング87,87が設けられ、この駆動リング87,87がシャフト86の回転に伴って回転し、円筒金型82がその軸心回りに回転するようになっている。円筒金型82の下方および側方には、複数のバーナ89が設けられ、回転する円筒金型82をその下方および側方から加熱可能なようになっている。円筒金型82の加熱手段は、円筒金型全体の温度が均一となるように加熱可能なものであればよく特に限定されるものではないが、コストの観点からすると、加熱手段としてバーナ89を用いることが好ましい。
円筒金型82の両端には開口82a,82aが設けられ、その一方の開口82aを介して搬送部93が円筒金型82内に移動可能となっている。円筒金型82としては、熱伝導率の高いものを用いることが好ましく、例えば鋼管、ステンレス鋼管を用いることができる。また、円筒金型82の内周面には、ハードクロムメッキ処理などのメッキ処理を施すことが好ましい。メッキ処理により、回転成形の際に円筒金型82から気泡が発生し、被加工物に混入することを抑えることができるからである。さらに、メッキ処理を施した内周面に平滑化処理を施すことがより好ましい。平滑化処理により、初期の樹脂溶融時に樹脂材料間で発生する隙間を低減できるからである。平滑化処理の方法は、内周面を平滑化できる方法であれば良く特に限定されるものではないが、その一例としては例えばホーニング加工を挙げることができる。
また、円筒金型82の周壁の厚さは、成形する円筒状の被加工物の周壁の厚さの1倍以上10倍以下の範囲内にすることが好ましく、2倍以上10倍以下の範囲内にすることがより好ましい。1倍以上にすると、金型蓄熱量を上げて粉末樹脂材料92を早く溶融させ、被加工物に対して気泡が混入することを抑制でき、10倍以下にすると、装置構造として回転機構などの安定化が図られる。また、2倍以上にすると、金型蓄熱量を上げて粉末樹脂材料92をより早く溶融させ、被加工物に対して気泡が混入することをより抑制でき、10倍以下にすると、装置構造として回転機構などの安定化が図られる。
次に、上述の回転成形装置81を用いた被加工物の作製工程について説明する。まず、円筒金型82をその軸心回りに回転させるとともにバーナ89を点火し、円筒金型82を加熱する。ここで、加熱による円筒金型82の到達温度は、粉末樹脂材料92の種類に応じて異なり、例えば粉末樹脂材料92としてポリカーボネート樹脂を用いる場合には、円筒金型の加熱温度は、好ましくは310℃〜350℃、より好ましくは310℃〜340℃の範囲内である。円筒金型の加熱温度を310℃〜350℃の範囲内にすると、被加工物に対するうねりの発生を抑制でき、円筒金型の加熱温度を310℃〜340℃の範囲内にすると、ポリカーボネート樹脂の変質および被加工物に対するうねりの発生を抑制できるからである。
次に、搬送部93を開口82aを介して円筒金型82内に移動された後、搬送部93をその軸心回りに回転する。これにより、粉末樹脂材料92が円筒金型82の長さ方向に均一に投入される。ここで、粉末樹脂材料92を2回以上に分けて投入することが好ましい。2回以上に分けて投入することにより、粉末樹脂材料92の投入量が多い場合であっても、円筒金型82から粉末樹脂材料92への温度伝達状態、すなわち粉末樹脂材料92の樹脂溶融状態を良好にするのとができるので、投入された粉末樹脂材料92が小塊や中塊となるこを抑制することができる。すなわち、気泡の発生を抑制することができる。
次に、円筒金型82の回転を保持しながら、円筒状の被加工物を回転成形する。この回転成形の際に、円筒金型82の温度を粉末樹脂材料92の種類に応じて適切な温度囲内に保持することが好まく、例えば粉末樹脂材料92として粉末状のポリカーボネート樹脂を用いる場合には、円筒金型の加熱温度は、好ましくは310℃〜350℃、より好ましくは310℃〜340℃の範囲内に保持する。円筒金型の加熱温度を310℃〜350℃の範囲内に保持すると、被加工物に対するうねりの発生を抑制でき、円筒金型の加熱温度を310℃〜340℃の範囲内に保持すると、ポリカーボネート樹脂の変質および被加工物に対するうねりの発生を抑制できるからである。また、円筒金型82の回転数は、粉末樹脂材料92の溶融時の粘性などを考慮して選ぶことが好ましい。粉末樹脂材料92として粉末状のポリカーボネート樹脂を用いる場合には、円筒金型82の回転数を30rpm以上にすることが好ましく、35rpm〜40rpmの範囲内にすることがより好ましい。
次に、バーナ89を消して加熱を停止し、送風装置に設けられたパイプを開口82aに挿入し、このパイプにより円筒金型82内に風を吹き込み、成形された被加工物を冷却する。次に、円筒金型82が例えば粉末樹脂材料92の融点近傍に達した時点で、円筒金型82の外周面に対して散水し、円筒金型82の温度をさらに低下させた後、成形された被加工物を円筒金型82から取り出す。以上により、目的とする円筒状の被加工物が得られる。
この発明の第4の実施形態によれば、第1の実施形態の効果に加えて以下の効果を得ることができる。
搬送部93により円筒金型82内に粉末樹脂材料92を搬入し、この粉末樹脂材料92を予め加熱された円筒金型82に投入し、円筒金型82を回転しながら被加工物を成形するので、円筒度(厚みの均一性)に優れ、且つ、うねりの発生や気泡の混入が抑制された被加工物を得ることができる。このようにして得られた被加工物の内周面にレーザ加工を施してレンズパターンを形成することで、マイクロレンズアレイや複雑なプリズムレンズなどの各種レンズの作製に適した母型を得ることができる。したがって、連続してレンズシートを製作することが可能となり、レンズシートのコストを大幅に削減できる。
また、円筒金型82を平行に保ち、円筒状の搬送部93により粉末樹脂材料92を円筒金型82内に搬入し、搬送部93を軸心回りに回転させて粉末樹脂材料92を円筒金型82に投入するので、粉末樹脂材料92を円筒金型82の長さ方向に均一に投入することができる。したがって、円筒金型82を揺動しなくとも、均一性に優れた被加工物を得ることができる。
また、円筒度(厚みの均一性)に優れ、且つ、うねりの発生や気泡の混入が抑制された被加工物を回転成形により成形し、この円筒状の被加工物の内周面にレーザ加工を施して各種レンズパターンを形成するとことができるので、各種レンズパターンが設けられた円筒状の賦型64を作製することが可能となる。
また、賦型64を作製するための円筒状の被加工物を回転成形により成形することができるので、型製作用材料として要求される少量小ロット製作が可能となる。したがって、全体としてコスト削減に貢献できる。また、フレネルレンズシートの製作においても、平面プレスから連続製作に移行することが可能となるため、同様のコスト削減に貢献できる。
以下、実施例によりこの発明を具体的に説明するが、この発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
サンプル1〜5は、上述の第4の実施形態における回転成形の温度範囲に関するものである。
(サンプル1)
まず、円筒金型として配管用鋼管250ASch80(内径237.2mm、厚み15.1mm、内側長さ460mm)を用意し、この円筒金型の内周面にハードクロムメッキ処理を施した後、ホーニング加工を施した。
次に、円筒金型を回転成形装置に取り付けて、図18の温度プロファイルに示すように、円筒金型の温度を310℃〜340℃の範囲内に保持しながら、回転成形により円筒状の被加工物を成形した。以下、この被加工物の作製工程について具体的に説明する。
まず、円筒金型を回転数30rpmにより回転させるとともにバーナを点火して円筒金型を加熱し、円筒金型の温度が340℃に達した時点で、粉末状のポリカーボネート樹脂2400gを円筒金型に投入した。次に、円筒金型の温度が低下して320℃に達した時点で、バーナを消し、円筒金型の温度を徐々に低下させて310℃に達した時点で、再度バーナを点火し、円筒金型の温度が330℃に達した時点で、バーナを消すとともに円筒金型内に風を吹き込んだ。次に、円筒金型が170℃に達した時点で、円筒金型の外周面に対して散水し、円筒金型の温度を60℃まで低下させた。次に、ポリカーボネート樹脂を円筒金型から取り出して、円筒状の被加工物を得た。なお、上述の回転成形の際には、円筒金型を平行に保持してポリカーボネート樹脂を円筒金型長さ方向に均等に投入したので、円筒金型の揺動を行わなかった。
(サンプル2)
円筒金型の温度を310℃〜360℃の範囲内に保持しながら、回転成形により円筒状の被加工物を成形する以外は、上述のサンプル1とすべて同様にして円筒状の被加工物を得た。
(サンプル3)
円筒金型の温度を300℃〜400℃の範囲内に保持しながら、回転成形により円筒状の被加工物を成形する以外は、上述のサンプル1とすべて同様にして円筒状の被加工物を得た。
(サンプル4)
円筒金型の温度を290℃〜340℃の範囲内に保持しながら、回転成形により円筒状の被加工物を成形する以外は、上述のサンプル1とすべて同様にして円筒状の被加工物を得た。
(うねり・透明性の評価)
上述のようにして得られたサンプル1〜4のうねり・透明性を目視により評価した。その結果を表2に示す。なお、表2において、うねり評価欄における「○」、「△」は以下の評価結果を示す。
○:うねりの発生がない
△:うねりの発生が若干ある
また、透明性評価欄における「○」、「△」、「×」は以下の評価結果を示す。
○:ポリカーボネート樹脂の変質がなく、透明である
△:ポリカーボネート樹脂が若干変質し、黄変する
×:ポリカーボネート樹脂が変質し、不透明である
Figure 2007118569
表2から以下のことが分かる。サンプル1〜3では、うねりが観察されなかったのに対して、サンプル4では、うねりが観察された。また、サンプル1およびサンプル4では、ポリカーボネート樹脂の変質は観察されなかったのに対して、サンプル2では、ポリカーボネート樹脂がわずかに変質し黄変が観察され、サンプル3では、ポリカーボネート樹脂が大きく変質し色の変化が観察された。
以上の評価結果を考慮すると、うねりの発生が抑制された円筒状の被加工物を回転成形により成形するためには、円筒金型の温度を310℃〜360℃の範囲内に保持しながら、回転成形を行うことが好ましいことが分かる。また、透明性に優れ、且つうねりの発生が抑制された円筒状の被加工物を回転成形により成形するためには、円筒金型の温度を310℃〜340℃の範囲内に保持しながら、回転成形を行うことが好ましいことが分かる。
上述の評価においてうねりおよび変質が観察されなかったサンプル1の温度条件にて、サンプルを再度作製し、その厚み均一性を評価した。また、市販の円筒成形体、PCシートおよびPC板と表面粗さの比較も行った。
(サンプル5)
粉末状のポリカーボネート樹脂の投入量を1600gとする以外は、上述のサンプル1とすべて同様にして、厚さ4mmを有する円筒状の被加工物を得た。
(厚みの均一性の評価)
上述のようにして得られたサンプル5を円周方向に均等に25分割(ΔR1〜ΔR25)し、25分割されたぞれぞれの部分を長さ方向に25mm間隔毎に厚さを測定した。その測定結果を表3に示す。但し、被加工物の両側30mm程度の領域は、厚みの均一性が極端に損なわれるので測定から除外した。
Figure 2007118569
平均TR:円周ΔR1〜ΔR25における測定値の平均値
Max(R):円周ΔR1〜ΔR25における測定値のうちの最大値
Min(R):円周ΔR1〜ΔR25における測定値のうちの最小値
σR:円周ΔR1〜ΔR25における測定値の標準偏差
平均TL1:長さ0〜400mmの範囲における測定値の平均値
Max(L1):長さ0〜400mmの範囲における測定値の最大値
Min(L1):長さ0〜400mmの範囲における測定値の最小値
σL1:長さ0〜400mmの範囲における測定値の標準偏差
平均TL2:長さ75〜300mmの範囲における測定値の平均値
Max(L2):長さ75〜300mmの範囲における測定値の最大値
Min(L2):長さ75〜300mmの範囲における測定値の最小値
σL2:長さ75〜300mmの範囲における測定値の標準偏差
表3から、以下のことが分かる。すなわち、円筒の長さ0〜400mmの範囲内では、周方向の厚さのばらつきを0.20mm以下にでき、円筒の長さ75〜300mmの範囲内では、周方向の厚さのばらつきを0.06mm以下にできる。また、円筒の長さ0〜400mmの範囲内では、長さ方向の厚さのばらつきを0.32mm以下にでき、円筒の長さ75〜300mmの範囲内では、長さ方向の厚さのばらつきを0.08mm以下にできる。
(表面粗さの比較)
サンプル5の円筒状の被加工物、市販の円筒成形体、PCシートおよびPC板の粗さを以下のようにして測定した。サンプル5の円筒状の被加工物、および市販の円筒成形体では、その内周面の任意の3点(Ra1、Ra2、Ra3)の表面粗さを測定した。市販のPCシートでは、その一主面の任意の1点(Ra1)の表面粗さを測定した。市販のPC板では、その一主面の任意の3点(Ra1、Ra2、Ra3)の表面粗さを測定した。なお、表面粗さの測定には、小型表面粗さ測定器(株式会社ミツトヨ製、商品名:SJ−201)を用いた。その結果を表4に示す。
Figure 2007118569
表4から以下のことが分かる。市販の円筒成形体は、市販のPCシートやPC板に比して表面が粗いのに対して、サンプル5の被加工物は、市販のPCシートやPC板と同等の粗さである。すなわち、サンプル5の被加工物では、後工程においてレーザ加工により良好なレンズパターンを被加工物の内周面に作製可能である。
サンプル6〜9は、上述の第4の実施形態における円筒金型の厚さに関するものである。
(サンプル6)
円筒金型の厚さを9.8mmとし、粉末状のポリカーボネート樹脂の投入量を1600gとする以外は、上述のサンプル1とすべて同様にして、厚さ4mmを有する円筒状の被加工物を得た。
(サンプル7)
円筒金型の厚さを4mmとし、粉末状のポリカーボネート樹脂の投入量を1600gとする以外は、上述のサンプル1とすべて同様にして、厚さ4mmを有する円筒状の被加工物を得た。
(サンプル8)
円筒金型の厚さを4mmとし、粉末状のポリカーボネート樹脂の投入量を2400gとする以外は、上述のサンプル1とすべて同様にして、厚さ6mmを有する円筒状の被加工物を得た。
(サンプル9)
円筒金型の厚さを4mmとし、粉末状のポリカーボネート樹脂の投入量を3200gとする以外は、上述のサンプル1とすべて同様にして、厚さ8mmを有する円筒状の被加工物を得た。
(気泡評価)
上述のようにして得られたサンプル5〜8の被加工物に混入された気泡の数を目視にて確認した。その結果を表5に示す。なお、表5において、「◎」、「○」、「△」、「×」は以下の評価結果を示す。
◎:気泡なし
○:気泡が1個〜10個
△:気泡が11個〜50個
×:気泡が51個以上
Figure 2007118569
表5から、被加工物に対する気泡の混入を抑制するためには、円筒金型の厚さを被加工物の厚さの1倍以上にすることが好ましく、2倍以上にすることがより好ましいことが分かる。
なお、サンプル8〜9において気泡が発生したのは、溶融中に樹脂材料が粉末、小塊、中塊に順次変わっていくことで、溶融時に空間が生じ、それが気泡として残ったためと考えられる。これに対して、サンプル6〜7において気泡発生が抑制されたのは、サンプル6〜7の成形に用いた円筒金型はサンプル8〜9のものに比べて蓄熱量が大きいため、投入された樹脂材料により早く温度が伝達され、小塊、中塊の発生が抑制されたためと考えられる。
サンプル10〜11は、上述の第4の実施形態における円筒金型のメッキ処理に関するものである。
(サンプル10)
まず、円筒金型として配管用鋼管250ASch80(内径237.2mm、厚み15.1mm、内側長さ460mm)を用意し、この円筒金型の内周面にハードクロムメッキ処理を施した。次に、円筒金型を回転成形装置に取り付けて、サンプル1と同様にして回転成形により厚さ6mmの円筒状の被加工物を得た。
(サンプル11)
ハードクロムメッキ処理を省略する以外はサンプル10とすべて同様にして円筒金型を得た。次に、円筒金型を回転成形装置に取り付けて、サンプル1と同様にして回転成形により厚さ6mmの円筒状の被加工物を得た。
(気泡評価)
上述のようにして得られたサンプル10〜11の被加工物に混入された気泡の数を目視にて確認した。その結果を表6に示す。なお、表6において、「◎」、「△」は以下の評価結果を示す。
◎:気泡なし
△:気泡が11個〜50個
Figure 2007118569
表6から、クロムメッキ処理を施した場合には、被加工物に対する気泡の混入を大幅に抑制できることが分かる。
なお、上述のサンプル1〜11において、円筒状の被加工物の厚さは、円周方向に均等に分割しているのでノギスにて測定した。使用したノギスは株式会社ミツトヨ製、CD−15である。
また、上述のサンプル1〜11において、円筒状の被加工物の温度は、放射温度計にて被加工物に対する距離および角度を一定に保ちながら測定した。使用した放射温度計は株式会社チノー製、ハンディ形放射温度計、IR−TAである。
以下に参考例として、上述の第4の実施形態による遮光層付フライアイレンズシートの製造方法に基づき作製された遮光層付フライアイレンズシートを備える透過型スクリーンの拡散特性(輝度分布)を評価した結果を示す。
図19に、透過型スクリーンにおける水平方向(横方向)の拡散特性(輝度分布)を示す。図20に、透過型スクリーンにおける垂直方向(縦方向)の拡散特性(輝度分布)を示す。なお、図20において、約−20度以下の領域で輝度分布が無くなっているのは、測定条件によるものであり、透過型スクリーンの性能とは何ら関係ない。
図19から、透過型スクリーンの垂線方向で輝度が最も高く、垂線から水平方向にずれるに従って輝度が徐々に低下することが分かる。また、図20から、透過型スクリーン2の垂線方向で輝度が最も高く、垂線から垂直方向にずれるに従って輝度が徐々に低下することが分かる。すなわち、図19〜20から、1枚のフライアイレンズシートにより水平方向と垂直方向に広く光を拡散し、それに異方性があることが分かる。
以上、この発明の第1〜第4の実施形態について具体的に説明したが、この発明は、上述の第1〜第3の実施形態に限定されるものではなく、この発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。
例えば、上述の第1〜第4の実施形態において挙げた数値はあくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれと異なる数値を用いてもよい。
また、上述の第1〜第4の実施形態では、カソード32を静止させてアノード33を自転させる構成について説明したが、アノード33を静止させてカソード32を自転させる構成としてもよい。また、アノード33とカソード32とを互いに反対の方向に自転させる構成としてもよい。
また、上述の第1〜第4の実施形態では、フライアイレンズシートを作製にこの発明を適用する場合を例として説明したが、レンズシートの作製はこの例に限定されるものではなく、プリズムレンズシート、フレネルレンズシートまたはシリンドリカルレンズシートなどの各種のレンズシートを作製する場合にこの発明を適用するようにしてもよい。
また、上述の第1〜第4の実施形態では、四角形状および六角形状のレンズを有する遮光層付フライアイレンズシートに対して、この発明を適用する場合を例として説明したが、レンズの形状はこれに限定されるものではなく、例えば三角形、五角形または八角形などの多角形のレンズを有する遮光層付フライアイレンズシートに対しても適用可能である。
また、遮光層の形成方法は、上述の第1〜第4の実施形態に限定されるものではない。例えば、以下のようにして遮光層を形成するようにしてもよい。まず、黒顔料を含有する紫外線感光樹脂粘着層をフライアレンズシートのレンズ側と逆側に貼り合わせ、レンズ側から紫外線を入射させて、レンズにより紫外線を集光させる。これにより、紫外線感光樹脂粘着層のうち集光部のみが感光されて、粘着性が失われる。そして、粘着性が失われた集光部の紫外線感光樹脂粘着層を除去し、非集光部のみに黒顔料を含有する紫外線感光樹脂粘着層を転写する。
また、上述の第4の実施形態において、円筒金型の前処理として、離型剤の塗布や焼付を行うようにしてもよい。これにより、成形品である被加工物の円筒金型からの離型性を向上することができる。
また、上述の第4の実施形態では、円筒金型82を平行に保ちながら被加工物を回転成形する場合を例として説明したが、円筒金型82を揺動しながら被加工物を回転成形するようにしてもよい。これにより、粉末樹脂材料92が円筒金型82の長さ方向に均一に投入されない場合であっても、被加工物の厚みを均一することができる。
また、レーザ加工に用いられるマスクは上述の第1〜第4の実施形態に限定されるものではない。例えば、図21および図22に示すマスクパターンを用いることも可能である。ここで、図21は、凹状のレンズパターンをレーザ加工による形成するためのマスクであり、図22は、凸状のレンズパターンをレーザ加工による形成するためのマスクである。
この発明の第1の実施形態による背面投影型の画像表示装置の一構成例を示す模式図である。 図2Aは、遮光層付フライアイレンズシートのプロジェクタ側の外観を示す斜視図、図2Bは、遮光層付フライアイレンズシートの観察者側の外観を示す斜視図である。 図3Aは、フライアイレンズの一例を示す平面図、図3Bは、遮光層の一例を示す平面図である。 図4Aは、フライアイレンズの一形状例を示す斜視図、図4Bは、フライアイレンズのxz断面の一例を示す断面図、図4Cは、フライアイレンズのyz断面の一例を示す断面図である。 レーザ加工に用いられるマスクの一例を示す模式図である。 この発明の第1の実施形態による電鋳装置の一構成例を示す模式図である。 図6の線分A−A’における断面図である。 この発明の第1の実施形態による円筒状の賦型の製造方法を説明するための模式図である。 フライアイレンズシートの製造工程を説明するための模式図である。 遮光層の作製工程の一例を示す模式図である。 レーザ加工に用いられるマスクの一例を示す模式図である。 図12Aは、母型のレンズ成形面を示す模式図、図12Bは、母型のレンズ成形面を拡大して示す模式図である。 フライアイレンズシートの製造工程を説明するための模式図である。 フライアイレンズシートの製造工程を説明するための模式図である。 遮光層付フライアイレンズシートの観察者側の外観を示す斜視図である。 図13Aは、フライアイレンズの一例を示す平面図、図13Bは、遮光層の一例を示す平面図である。 被加工物の作製工程において用いられる回転成形装置の一構成例である。 サンプル1における温度プロファイルを示すグラフである。 透過型スクリーンにおける水平方向の拡散特性(輝度分布)を示すグラフである。 透過型スクリーンにおける垂直方向の拡散特性(輝度分布)を示すグラフである。 レーザ加工に用いられるマスクの一例を示す模式図である。 レーザ加工に用いられるマスクの一例を示す模式図である。 従来の一般的な電鋳装置を示す模式図である。 凹凸を有するカソードの電鋳作業時における電流分布状態を示す模式図である。 図20(a)は、電着分布改善前におけるアノードの配置および形状を示す模式図、図20(b)は、電着分布改善後におけるアノードの配置および形状を示す模式図である。 図21(a)は、電着分布改善前におけるアノードの配置および形状を示す模式図、図21(b)は、電着分布改善後におけるアノードの配置および形状を示す模式図である。 図22(a)は、電着分布改善前におけるアノードの配置および形状を示す模式図、図22(b)は、電着分布改善後におけるアノードの配置および形状を示す模式図である。 図23(a)は、電着分布改善前におけるアノードの配置および形状を示す模式図、図23(b)は、電着分布改善後におけるアノードの配置および形状を示す模式図である。 プラスチックからなる電流遮蔽板による電着分布の改善例を示す模式図である。
符号の説明
1 プロジェクタ
2 透過型スクリーン
10 遮光層付フライアイレンズシート
20 フレネルレンズシート
31 電鋳槽
32 カソード
33 アノード
34 浴液
35 導電材料
36 非導電材料
37 液通路
38 カバーシリンダ
42 スクリュ
81 回転成形装置
82 円筒金型
83 テーブル
89 バーナ
91 搬送装置
92 粉末樹脂材料
93 搬送部
94 支持体

Claims (22)

  1. レンズパターンが内周面に設けられた円筒状の母型を、円筒状のカソードの内周面に保持する工程と、
    上記カソードと、当該カソードの中央部に設けられたアノードとを用いて電気鋳造を行う工程と、
    上記電気鋳造により上記母型の内周面に形成された薄膜を剥離する工程と
    を備えることを特徴とする賦型の製造方法。
  2. 上記レンズパターンが、マイクロレンズアレイ状、プリズムレンズ状またはフレネルレンズ状であることを特徴とする請求項1記載の賦型の製造方法。
  3. 上記電気鋳造の工程は、上記アノードおよび上記カソードの少なくとも一方を自転させながら行われることを特徴とする請求項1記載の賦型の製造方法。
  4. 上記電気鋳造の工程は、上記母型と上記アノードとの間に設けられた円筒状の電流遮蔽部により、上記母型の電流分布を一定に保持しながら行われることを特徴とする請求項1記載の賦型の製造方法。
  5. 上記電気鋳造の工程は、上記カソードの内側と外側の浴液を循環させながら行われることを特徴とする請求項1記載の賦型の製造方法。
  6. 粉末状の熱可塑性樹脂を円筒状の金型に投入し、回転成形により円筒状の被加工物を成形する工程と、
    成形された上記被加工物の内周面に対してレンズパターンを形成して、上記円筒状の母型を作製する工程と
    をさらに備えることを特徴とする請求項1記載の賦型の製造方法。
  7. 上記回転成形の工程は、上記金型の温度を310℃以上350℃以下の範囲内に保持しながら行われることを特徴とする請求項6記載の賦型の製造方法。
  8. 上記熱可塑性樹脂は、ポリカーボネート樹脂であることを特徴とする請求項6記載の賦型の製造方法。
  9. 上記金型の厚さは、上記被加工物の厚さ以上であることを特徴とする請求項6記載の賦型の製造方法。
  10. 上記金型の厚さは、上記被加工物の厚さの2倍以上であることを特徴とする請求項6記載の賦型の製造方法。
  11. 上記金型の内周面は、メッキ処理が施されていることを特徴とする請求項6記載の賦型の製造方法。
  12. 上記回転成形の工程は、上記金型の温度を310℃以上350℃以下の範囲内まで加熱した後、上記粉末状の熱可塑性樹脂を一度に上記金型に投入することにより行なわれることを特徴とする請求項6記載の賦型の製造方法。
  13. レンズパターンが内周面に設けられた円筒状の母型を、円筒状のカソードの内周面に保持する工程と、
    上記カソードと、当該カソードの中央部に設けられたアノードとを用いて電気鋳造を行う工程と、
    上記電気鋳造により上記母型の内周面に形成された薄膜を剥離して賦型を得る工程と、
    上記賦型を用いてシートの一主面にレンズパターンを形成する工程と
    を備えることを特徴とするレンズシートの製造方法。
  14. レンズパターンが外周面に設けられた円筒状の母型の外周面に、電気鋳造により薄膜を形成し、当該薄膜を剥離して複製母型を作製する工程と、
    上記複製母型と、当該複製母型の中央部に設けられたアノードとを用いて電気鋳造を行う工程と、
    上記電気鋳造により上記複製母型の内周面に形成された薄膜を剥離する工程と
    を備えることを特徴とする賦型の製造方法。
  15. 粉末状の熱可塑性樹脂を円筒状の金型に投入し、回転成形により円筒状の被加工物を成形する工程と、
    成形された上記被加工物の外周面に対してレンズパターンを形成して、上記円筒状の母型を作製する工程と
    をさらに備えることを特徴とする請求項14記載の賦型の製造方法。
  16. 上記回転成形の工程は、上記金型の温度を310℃以上350℃以下の範囲内に保持しながら行われることを特徴とする請求項14記載の賦型の製造方法。
  17. 上記熱可塑性樹脂は、ポリカーボネート樹脂であることを特徴とする請求項14記載の賦型の製造方法。
  18. 上記金型の厚さは、上記被加工物の厚さ以上であることを特徴とする請求項14記載の賦型の製造方法。
  19. 上記金型の厚さは、上記被加工物の厚さの2倍以上であることを特徴とする請求項14記載の賦型の製造方法。
  20. 上記金型の内周面は、メッキ処理が施されていることを特徴とする請求項14記載の賦型の製造方法。
  21. 上記回転成形の工程は、上記金型の温度を310℃以上350℃以下の範囲内まで加熱した後、上記粉末状の熱可塑性樹脂を一度に上記金型に投入することにより行なわれることを特徴とする請求項14記載の賦型の製造方法。
  22. レンズパターンが外周面に設けられた円筒状の母型の外周面に、電気鋳造により薄膜を形成し、当該薄膜を剥離して複製母型を作製する工程と、
    上記複製母型と、当該複製母型の中央部に設けられたアノードとを用いて電気鋳造を行う工程と、
    上記電気鋳造により上記複製母型の内周面に形成された薄膜を剥離して賦型を得る工程と、
    上記賦型を用いてシートの一主面にレンズパターンを形成する工程と
    を備えることを特徴とするレンズシートの製造方法。
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