JP2009216778A - 光路規制シートの製造方法、及び光路規制シート - Google Patents

光路規制シートの製造方法、及び光路規制シート Download PDF

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Abstract

【課題】 効率的であり、着色層の材料選択性に優れる光路規制シートの製造方法等の提供。
【解決手段】本発明の光路規制シート1の製造方法は、透明シート体と、該透明シート体内部に形成され、面内方向に配列する複数の着色層3と、を有する光路規制シート1の製造方法であり、透明シート4の表面に、複数本の凸状部5を形成する凸状部形成工程と、該凸状部5の表面形状に沿って該着色層3を形成する着色層形成工程と、該着色層3が形成された凸状部5を覆うように、透明保護層6を形成する透明保護層形成工程と、を備える光路規制シート1の製造方法であって、該透明保護層形成工程において、該透明保護層6を連続形成することを特徴とする。該着色層3は、着色材料を含む着色材料液を凸状部3の表面にスプレー塗布されることにより形成されることが好ましい。
【選択図】 図4

Description

本発明は、光路規制シートの製造方法、及び光路規制シートに関する。
従来、光の進行方向を変更可能な光路規制シートが知られている(特許文献1〜5)。該光路規制シートは、その表面に複数本の凸状部を有し、該凸状部の表面形状に沿って着色層が形成されている。該光路規制シートの該着色層は、露出した状態にある。
該光路規制シートは、例えば、家屋の窓に貼り付けて、太陽光を屋内に採光する、採光シートとして用いられる。
この種の光路規制シートとしては、例えば、特許文献6に示されるように、着色層が露出せず、内部に存在するものがある。このように、内部に着色層が形成されている光路規制シートは、着色層の耐久性に優れ、好ましい。
特許文献6において、該光路規制シートは、透明な熱可塑性樹脂と、不透明な熱可塑性樹脂との同時押出成形により製造されている。
しかしながら、特許文献6に記載の製造方法では、不透明な熱可塑性樹脂からなる着色層のパターンが乱れ易く、問題であった。
また、特許文献1〜6等に記載の光路規制シートは、着色層の材料選択性の自由度が低いとう問題があった。
特開2005−172955号公報 特開平10−20798号公報 特開平9−311206号公報 特開平6−294903号公報 特開平2−97904号公報 特開平11−227023号公報
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。
即ち、本発明は、内部に着色層を有する光路規制シートの効率的な製造方法であって、特に、着色層の材料選択性に優れる光路規制シートの製造方法、及び採光性に優れる光路規制シートを提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段は、以下の通りである。即ち、
<1> 透明シート体と、該透明シート体内部に形成され、面内方向に配列する複数の着色層と、を有する光路規制シートの製造方法であり、透明シートの表面に、複数本の凸状部を形成する凸状部形成工程と、
該凸状部の表面形状に沿って該着色層を形成する着色層形成工程と、
該着色層が形成された凸状部を覆うように、透明保護層を形成する透明保護層形成工程と、を備える光路規制シートの製造方法であって、
該透明保護層形成工程において、該透明保護層を連続形成することを特徴とする光路規制シートの製造方法である。
該<1>における、透明シート体と、該透明シート体内部に形成され、面内方向に配列する複数の着色層とを有する光路規制シートの製造方法によれば、透明保護層が連続形成される。
<2> 透明保護層形成工程において、透明保護層が、光硬化樹脂、又は溶融樹脂からなる前記<1>に記載の光路規制シートの製造方法である。
<3> 凸状部形成工程において、走行する透明シートの表面に、複数本の凸状部を連続的に形成する前記<1>又は<2>に記載の光路規制シートの製造方法である。
<4> 着色層形成工程において、該着色層が、着色材料を含む着色材料液を凸状部の表面にスプレー塗布されることにより形成される前記<1>から<3>のいずれかに記載の光路規制シートの製造方法である。
<5> 透明シートの表面に形成された凸状部が、短手方向における断面形状が三角形である三角凸状部からなり、該三角凸状部が頂角を境界として有する2つの面のうち、一方の面が、着色材料液が塗布される塗布面であり、他方の面が、着色材料液が塗布されない非塗布面であり、スプレー塗布する方向と、非塗布面の平面方向とが為す角φが、±45°以内である前記<4>に記載の光路規制シートの製造方法である。
<6> 凸状部が鉛直下方側へ向くように透明シートを配置して、スプレー塗布を行う前記<4>又は<5>に記載の光路規制シートの製造方法である。
<7> 前記<1>から<6>のいずれかに記載の光路規制シートの製造方法によって製造された光路規制シートであって、透明シート体と、該透明シート体内部において面内方向に配列する複数の着色層と、を有し、該着色層の散乱性が、10%〜99%であることを特徴とする光路規制シートである。
<8> 透明シート体の表面と、着色層の表面とがなす角αが10°〜80°である前記<7>に記載の光路規制シートである。
<9> 透明シート体内における着色層の高さhがシート厚に対し、10%〜90%である前記<7>又は<8>に記載の光路規制シートである。
<10> 透明シート体内における着色層の幅Wがピッチに対し、10%〜90%である前記<7>から<9>のいずれかに記載の光路規制シートである。
<11> 着色層が、着色材料を含む着色材料液をスプレー塗布することにより形成される前記<7>から<10>のいずれかに記載の光路規制シートである。
本発明によると、従来における前記諸問題を解決することができ、内部に着色層を有する光路規制シートの効率的な製造方法であって、特に、着色層の材料選択性に優れる光路規制シートの製造方法、及び採光性に優れる光路規制シートを提供できる。
〔光路規制シートの概略〕
図1は、本発明の光路規制シートの製造方法によって製造される一実施形態に係る光路規制シートの斜視図である。図2は、該光路規制シートの断面の説明図である。また、図3は、他の実施形態に係る光路規制シートの断面の説明図である。先ず、図1〜図3を用いて、光路規制シートを説明する。
前記光路規制シート1は、透明シート体2と、該透明シート体2内部に形成され、光路規制シート1(透明シート体2)の面内方向に配列する複数の着色層3とを有する。
前記透明シート体2は、透明シート4と、該透明シート4の表面に形成される複数本の凸状部5と、透明保護層6を有する。
前記透明シート体の材料としては、例えば、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、スチレン系共重合体、環状オレフィン樹脂、シクロオレフィンポリマー、三酢酸セルロース、ビニルエステル、MS樹脂(メチルメタクリレート・スチレンモノマー重合体)、ポリプロピレン、ABS樹脂、ポリスチレン、エポキシ、ポリアリレート、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ナイロン、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、フッ素樹脂、PMP(ポリ4メチルペンテン1)、フェノキシ、ポリイミド、オレフィン・マレイミド共重合体、フェノール樹脂、ポリフェニレンサルファイド・環状オレフィン樹脂アロイ等がある。
これらの樹脂の中でも、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、スチレン系共重合体、環状オレフィン樹脂、シクロオレフィンポリマー、三酢酸セルロース、ビニルエステルが特に好ましい。
前記光路規制シート1の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択されるが、0.01mm〜50mmが好ましく、0.05mm〜10mmがより好ましく、0.1mm〜5mmが更に好ましく、0.2mm〜1mmが特に好ましい。
なお、該光路規制シート1の厚みとは、透明保護層6の表面から透明シート4の裏面までの長さである。
(透明シート)
前記透明シート4は、透明であり、シート(フィルム)形状であり、ある程度の強度があれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択される。
前記透明シート4の材料は、透明であり、ある程度の強度があれば、特に制限はなく、目的に応じて、樹脂、ガラス等を適宜選択できるが、柔軟性を有し、軽量であることから、樹脂が好ましい。
前記樹脂としては、熱可塑性樹脂(溶融樹脂)、熱硬化性樹脂、紫外線硬化樹脂(光硬化樹脂)、2液硬化樹脂等の樹脂が挙げられる。
前記熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリカーボネート、ポリスチレン、MS樹脂、AS樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリ塩化ビニル、セルロースアシレート、熱可塑性エラストマー、シクロオレフィンポリマーがある。前記熱硬化性樹脂としては、例えば、フェノール樹脂がある。これらの樹脂は、1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
該透明シート4の光透過率は、50%以上であることが好ましく、70%以上がより好ましく、80%以上が更に好ましい。該透明シート4の光透過率は、例えば、分光光度計(島津製作所製、UV3100、UV3600)によって測定可能である。
該透明シート4の光透過率が、50%未満であると、所望の光(照度)を得ようとしても、光量が不足することがある。
該透明シート4の厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択されるが、例えば、0.01mm〜50mが好ましい。
該透明シート4の厚みが0.01μm未満であると、該透明シート4のハンドリングが困難であり、かつ、該透明シート4の平面性を保つことが難しいことがあり、50mmを超えると、自在に曲げることが困難となり、材料コスト、生産性が悪化することがある。更に、着色層を形成する際、透明シートの4ハンドリングが自在にできなくなり、部分的な着色が困難となることがある。
(凸状部)
前記凸状部5は、透明シート4の表面に突設される部であり、該凸状部5の表面の一部に着色層3を形成可能であれば、その形状、構造、大きさ等については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択される。
該凸状部5の短手方向における断面形状としては、例えば、二等辺三角形、直角三角形等の三角形、四角形、台形、半円形等が挙げられる。これらの断面形状の中でも、三角形状、台形が特に好ましく、三角形が最も好ましい。
前記凸状部5の材料としては、透明であり、ある程度の強度があれば、特に制限はなく、目的に応じて、樹脂、ガラス等を適宜選択される。例えば、該凸状部5の材料としては、前記透明シート4の材料と同じ材料を採用できる。
該凸状部5と、前記透明シート4との屈折率差としては、0.2以下が好ましく、0.1以下がより好ましく、0.05以下が特に好ましく、ほぼ同じ屈折率であることが最も好ましい。屈折率差が0.2を超えると透明シート4及び凸状部5の界面において乱反射が発生することがある。
なお、本明細書において、断面形状が三角形である凸状部5を、説明の便宜上、特に、三角凸状部5Aと称する場合がある。例えば、図1及び図2に示される光路規制シート1の凸状部の断面形状は、三角形(二等辺三角形)であり、この凸状部5は、三角凸状部5Aである。
図3には、他の実施形態に係る光路規制シート1a、1b、1c及び1dが示されている。ここで、図3を用いて、他の実施形態の光路規制シート1a、1b、1c及び1dの凸状部5について説明する。なお、図3に示される光路規制シート1a、1b、1c及び1dの構成が、図1及び2に示される光路規制シート1との構成と同様である部分については、図1等の光路規制シート1と同符号を用いて表した。
該光路規制シート1aは、凸状部5の断面形状が直角三角形となっている。なお、該凸状部5も三角凸状部5Aである。
該光路規制シート1bは、凸状部5の断面形状が二等辺三角形となっている。該凸状部5も三角凸状部5Aである。なお、該光路規制シート1bの凸状部5間には、凸状部5が形成されていない平坦面7が存在している。
該光路規制シート1cは、凸状部5の断面形状が半円となっている。なお、該光路規制シート1cの凸状部5間には、凸状部5が形成されていない平坦面7が存在している。
該光路規制シート1dは、凸状部5の断面形状が台形となっている。
前記凸状部5を透明シート4の表面に形成する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択されるが、熱インプリント法、光インプリント法、押出成形法が好ましい。
前記凸状部5の高さは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択されるが、該透明シート4の厚みに対し、10%〜90%が好ましく、20%〜70%がより好ましく、30%〜60%が更に好ましい。
該凸状部5の高さが10%未満であると光制御量が不足することがあり、90%を超えると該透明シート4の強度が不足することがある。
前記凸状部5の短手方向における幅は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択されるが、後述するピッチPに対し、10%〜90%が好ましく、20%〜80%がより好ましく、30%〜70%が更に好ましい。
前記凸状部5の幅が10%未満であると光制御量が不足することがあり、90%を超えると光を通さなくなり、必要な光量を得られないことがある。
(着色層)
前記着色層3は、透明シート体2内部に存在し、光路規制シート1の面内方向に配列している。
該着色層3は、日光、蛍光灯等の光源からの光を受ける層である。該着色層3は、入射光を反射する光反射層として用いてもよいし、入射光を吸収する光吸収層として用いてもよい。
前記着色層3の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択される。
例えば、該着色層3を拡散反射タイプの光反射層として用いる場合、その材料としては、シルバーホワイト、チタニウムホワイト、ジンクホワイト、アルミパウダー等の顔料含有材料を用いることが好ましい。
また、該着色層を鏡面反射タイプの光反射層として用いる場合、その材料としては、アルミ、銀、ニッケル、ステンレス、銅、亜鉛、鉄等のメタリック顔料含有材料を用いることが好ましい。
前記アルミ、銀、ニッケル、ステンレス等の微粉末を単独で、又は混合して用いると銀色の鏡面反射タイプの着色層が得られる。
前記銅、亜鉛、鉄等の微粉末を単独で、又は混合して用いると金色、赤銅色の鏡面反射タイプの着色層が得られる。
また、該着色層を光吸収層として用いる場合、顔料、染料を含む通常の塗料であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択されるが、光吸収能を最も高めたい場合は、黒色塗料を選択することが好ましい。
該黒色塗料としては、耐久性の観点より、顔料含有材料を用いることが好ましい。該顔料としては、アイボリーブラック、ピーチブラック、ランプブラック、ビチューム、カーボンブラック、黒色アニリン等が挙げられる。これらの中でも、特に、カーボンブラック、黒色アニリンを用いることが好ましい。
前記着色層3の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択されるが、スプレー塗布法を用いることが特に好ましい。
スプレー塗布法を用いれば、材料選択の自由度が高くなり、例えば、電磁波を遮断しない材料を用いて、着色層を形成できる。
また、スプレー塗布法を用いれば、採光に適する散乱性を有する着色層を形成できる。
該散乱性は、拡散反射率の値から、鏡面反射率の値を引いた値で定義される。例えば、鏡面反射率が90%、拡散反射率が90%の場合、散乱性は0%となり、鏡面反射率が30%、拡散反射率が90%の場合、散乱性は60%となる。
該鏡面反射率は、測定対象となる平面の法線に対して、一定角度の直進光を照射し、該直進光が照射側の反対側に反射した光(反射光)を検出することによって測定できる。本願における照射角度(反射角度)は、法線から5度である。該鏡面反射率は、鏡面反射測定機能付分光光度計(例えば、島津製作所製、UV3100、UV3600)で測定できる。
該拡散反射率は、入射光に対し、様々な方向に反射した光を、積分球で集める方法で測定できる。具体的には、積分球付分光光度計(例えば、島津製作所製、UV3100、UV3600)で測定できる。
前記着色層3の散乱性としては、特に制限がなく、目的に応じて適宜選択されるが、10%〜99%が好ましく、20%〜90%がより好ましく、30%〜80%が更に好ましい。
該着色層3の散乱性が10%未満であると、一部のみが明るくなり、一様な明るさが得られないことがあり、99%を超えると、明るくする必要のない箇所を照らし、明るくする必要がある箇所の明るさが不足することがある。
採光を目的とする光路規制シート1の場合、該着色層3の材料としては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択されるが、エナメル塗料が好ましい。該塗料をスプレー塗布することによって、採光に適する着色層を形成できる。
なお、着色層を形成する前に、予め、凸状部の表面をあらしておき、その後、散乱性の低い塗料で着色してもよい。該凸状部の表面をあらす方法としては、例えば、該凸状部を形成するための型の表面に、機械加工等によって微細な凹凸を形成しておき、該凹凸を凸状部の表面に転写する方法等がある。この方法によれば、凸状部の必要な箇所のみをあらすことができる。このように、予め凸状部の表面をあらしておけば、スプレー塗布のみならず、蒸着法によっても、散乱性を有する着色層が得られる。
なお、光沢度の高い着色層等を形成したい場合は、真空蒸着法を用いることが好ましい。
前記着色層3の厚みd(図2参照)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択されるが、0.1μm〜3000μmが好ましく、1μm〜1000μmがより好ましく、10μm〜500μmが更に好ましい。
該着色層3の厚みdが0.01未満であると、充分な散乱性が得られないことがあり、3000μmを超えると塗料の乾燥、硬化時に、シート反りが発生することがある。
前記着色層3の表面と、透明シート体2の表面(光路規制シート1の表面)とがなす角α(°)は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択されるが、10°〜80°が好ましく、20°〜70°がより好ましく、30°〜60°が更に好ましい。
なお、本発明の光路規制シート1の着色層3の設定角度は、前記凸状部5の形状に応じて設定できる。
前記着色層3の高さh(図2参照)は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択されるが、透明シート4の厚みに対して、10%〜90%が好ましく、20%〜80%がより好ましく、30%〜70%が更に好ましい。
該着色層3の高さhが、10%未満であると充分な採光が得られないことがあり、90%を超えると、直進光を透過させないことがある。
なお、該着色層3の高さh(図2参照)とは、透明シート体2(光路規制シート1)の厚み方向における着色層3の長さである。
前記着色層3の幅w(図2参照)は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択されるが、後述するピッチPに対して、10%〜90%が好ましく、20%〜80%がより好ましく、30%〜70%が更に好ましい。
該着色層3の幅wが10%未満であると充分な採光が得られないことがあり、90%を超えると直進光を透過させないことがある。
なお、該着色層3の幅wとは、該着色層3が形成される凸状部5の短手方向における長さである。
前記着色層3のピッチP(図2参照)は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択されるが、0.1μm〜3000μmが好ましく、1μm〜1000μmがより好ましく、10μm〜500μmが更に好ましい。
該着色層のピッチPが(0.1μm未満であると着色層の形成の際、不要な箇所が塗布されてしまうことがあり、3000μmを超えると透明シートを厚くする必要が生じ、その結果、該シートの可撓性が悪くなることがある。
なお、該着色層3のピッチPは、図2に示されるように、隣り合う凸状部5間に平坦面がない場合は、凸状部5の短手方向の幅に相当する。
また、図3に示される光路規制シート1b、1d等のように、隣り合う凸状部5巻に平坦面7がある場合、該着色層3のピッチPは、凸状部5の短手方向における幅と、平坦面7の短手方向における幅との和に相当する。
(透明保護層)
前記透明保護層6は、凸状部5に着色層3が形成された透明シート4上を覆う。該透明保護層6は、透明シート4上の凸状部5間の空間(凹部)を充填する。
該透明保護層6の材料としては、透明であり、ある程度の強度があれば、特に制限はなく、目的に応じて、樹脂、ガラス等を適宜選択できるが、柔軟性を有し、軽量であること等から樹脂が好ましい。該樹脂としては、前記透明シート4と同じ材料を採用できる。
前記透明保護層6の厚みDとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択されるが、0.01μm〜300μmが好ましく、0.1μm〜100μmがより好ましく、1μm〜50μmが更に好ましい。
なお、該透明保護層6の厚みDとは、凸状部5の頂点から該透明保護層6の表面までの距離である。
該透明保護層6と前記透明シート4との屈折率差、及び該透明保護層6と前記凸状部5との屈折率差は、共に、0.2以下が好ましく、0.1以下がより好ましく、0.05以下が特に好ましく、ほぼ同じ屈折率であることが最も好ましい。屈折率差が0.2を超えると、該透明保護層6と該透明シート4との界面、該透明保護層6と該凸状部5との界面において乱反射が発生することがある。
前記透明シート4、凸状部5、及び透明保護層6は、それぞれ無色透明であってもよいし、有色透明であってもよい。該透明シート4、凸状部5及び透明保護層6に、適宜、公知の顔料、染料等の着色材料を添加してもよい。
また、該透明シート4、凸状部5及び透明保護層6には、酸化防止剤、可塑剤、紫外線吸収剤等の公知の添加剤を添加してもよい。
また、他の実施形態においては、1つの透明シート体内において、異なる設定角度の着色層を有する光路規制シートであってもよい。
〔光路規制シートの製造方法及び製造装置〕
本発明の光路規制シートの製造方法は、凸状部形成工程と、着色層形成工程と、透明保護層形成工程とを有する。
図4は、本発明の一実施形態に係る光路規制シートの製造方法を示す説明図である。以下、図4を用いて、本発明の光路規制シートの製造方法を説明する。
(凸状部形成工程)
前記凸状部形成工程は、透明シート4の表面に、複数本の凸状部5を形成する工程である(図4の符号a参照)。
該透明シート4の表面に、該凸状部5を形成する方法としては、特に制限がなく、目的に応じて適宜選択できるが、光インプリント法、熱インプリント法、及び押出形成法が好ましい。
なお、該凸状部形成工程において、走行する透明シート4の表面に、複数本の凸状部5を連続的に形成することが好ましい。このように該凸状部5を連続的に形成することにより、光路規制シートを効率的に製造できる。
(着色層形成工程)
前記着色層形成工程は、前記凸状部形成工程において透明シート4の表面に形成された凸状部5の表面に、着色層3を形成する工程である(図4の符号b参照)。該着色層3は、該凸状部5の表面形状に沿って形成される。該着色層3は、該凸状部5の表面全てに渡って形成されるものではなく、所定の箇所のみに形成される。
例えば、凸状部5の断面形状が三角形の場合、凸状部5は2つの面を有する。この場合、該着色層3は、2つの面のうち、一方の面に形成される。
また、凸状部5の断面形状が台形等の四角形の場合、凸状部5は3つの面を有する。この場合、着色層3は、3つの面のうち、1つの面に形成される。なお、場合によっては、2つの面に着色層3を形成してもよい。
また、凸状部5の断面形状が半円形の場合、着色層3は、半円の円弧うち、一部の円弧に相当する部分に、形成される。
該着色層3を形成する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択されるが、塗布方法が好ましい。
前記塗布方法としては、スプレー、インクジェット、印刷、ダイ、ローラ、転写、スピン等があり、塗布面のみに選択的に塗布液を塗布可能な、スプレー塗布、インクジェット、ダイが好ましく、スプレー塗布が最も好ましい。
ここで、スプレー塗布法を用いて、透明シート4の表面に形成された凸状部5の表面に、着色層3を形成する方法を図5A、図5B及び図6を用いて説明する。
図5Aは、スプレー塗布法により、凸状部5(三角凸状部5A)の表面に、着色層3を形成する方法を示す説明図である。
図5Aにおいて、透明シート4は、凸状部5が鉛直下方側(図5Aにおいて下側)を向くように、配置されている。図5Aにおいて透明シート4は、略水平に配置されている。
該凸状部5の短手方向における断面形状は、二等辺三角形である。したがって、該凸状部5は、三角凸状部5Aである。
該三角凸状部5Aは、頂角を境界として2つの面を有する。一方の面は、着色材料液が塗布される塗布面51であり、他方の面が、着色材料液が塗布されない非塗布面52である。
該透明シート4の三角凸状部5Aの塗布面51に、スプレー装置の噴射口30(スプレーノズル)を向けて、着色材料を含む塗布液(着色材料液)を噴射することにより、該塗布面51に着色層3が形成される。
前記スプレー塗布法に用いるスプレー装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択されるが、例えば、スプレーノズルに塗布液を供給し、かつ、圧縮空気を導く装置が好ましい。
前記スプレー塗布する方向(図5Aにおける直線mの方向)と、非塗布面52の平面方向とが為す角φ(°)としては、45°以下が好ましく、30°以下がより好ましく、15°以下が更に好ましい。
角φが45°を超えると、塗布したい面(塗布面)すべてに塗布液を塗布できない。
また、−10°以上が好ましく、−5°以上がより好ましく、5°以上が更に好ましい。
−10°未満であると、非塗布面に塗布液が付着してしまう。
なお、角φがプラス(+)とは、非塗布面52を基準として、時計回りにスプレー塗布する方向(直線m)がある場合であり、角φがマイナス(−)とは、非塗布面52を基準として、反時計回りにスプレー塗布する方向(直線m)がある場合である。
前記スプレー塗布する方向は、例えば、スプレーノズル30の向き(塗布液が噴射される向き)を基準に設定できる。
なお、前記角φは、透明シート4の凸状部5の短手方向を含む平面内におけるものである。
また、図5Aにおける角θ(°)は、三角凸状部5Aの非塗布面52の平面方向と、鉛直方向(直線n)とが為す角を表す。
該角θ(°)としては、±45°以内が好ましく、±30°がより好ましく、±15°が更に好ましい。
θ(°)の絶対値が45を超えると、塗布面51に塗布した液が、非塗布面52に回り込んで、液が溜まってしまうことがある。
また、三角凸状部5Aを上向きにしてもよく、その場合のθとしては、135°〜225°が好ましく、150°〜210°が更に好ましく、165°〜195°が更に好ましい。
なお、角θ(°)におけるプラス(+)とは、非塗布面52を基準として反時計回りに、鉛直方向(直線n)がある場合であり、マイナス(−)とは、非塗布面52を基準として時計回りに、鉛直方向(直線n)がある場合である。
前記スプレーノズル30と、透明シート4との距離Lは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択されるが、1mm〜3000mmが好ましく、10mm〜1000mmがより好ましく、100mm〜500mmが更に好ましい。
該距離Lが1mm未満であると塗布にムラが発生し易くなることがあり、3000mmを超えると噴霧粒が大きくなり、塗布ムラが発生し易くなることがある。
なお、該距離Lとは、スプレーノズル30の先端部分と、透明シート4上の凸状部5との最短距離である。
前記スプレー塗布の際の圧力としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択されるが、0.01kg/cm〜10kg/cmが好ましく、0.05kg/cm〜5kg/cmがより好ましく、0.1kg/cm〜1kg/cmが更に好ましい。
該圧力が0.01kg/cm未満であると塗布液が均一にまかれず、ムラが発生することがあり、10kg/cmを超えると付着した塗布液が風で動き、ムラが発生することがある。
図5Bは、スプレー塗布法により、凸状部5(三角凸状部5A)の表面に、着色層3を形成する他の方法を示す説明図である。図5Bに示されるように、透明シート4を傾けた状態で、スプレー塗布してもよい。
その他、着色層形成工程において、真空蒸着、イオンプレーティング、スパッタリング、イオンビーム成膜等の真空成膜法を用いてもよい。
(透明保護層形成工程)
前記透明保護層形成工程は、前記着色層形成工程において着色層3が形成された凸状部5を覆うように、透明保護層6を形成する工程である(図4の符号c参照)。
特に、本発明の光路規制シートの製造方法は、該透明保護層形成工程において、該透明保護層6を連続形成することを特徴としている。
該透明保護層6を連続形成することによって、光路規制シート1を効率的に製造できる。
図6は、本発明の光路規制シートの製造方法を実施可能な、一実施形態に係る光路規制シートの製造装置10の説明図である。
図6に示されるように、光路規制シートの製造装置10は、搬送手段11と、塗布手段12と、ニップロール13と、エンボスロール14と、樹脂硬化手段15と、剥離ロール16と、着色層形成手段17と、塗布手段18と、樹脂硬化手段19と、搬送手段20と、巻き取り手段21と、を備える。
前記搬送手段11は、透明シート4を符号Wで示される向きに送り出す。透明シート4が巻回された送り出しロール等より構成される。
前記塗布手段12は、前記搬送手段11より送り出された透明シート4の表面に、凸状部5を形成するための光硬化樹脂液を塗布する装置である。該塗布手段12は、例えば、エクストルージョンタイプホッパ等からなる。該塗布手段12によって、所定の粘度の調整された光硬化樹脂液が、透明シート4の表面に塗布される。
該樹脂液が塗布された透明シート4は、前記ニップロール13と、エンボスロール14との間に供給される。
前記エンボスロール14は、その表面に、透明シート4の表面に凸状部5を形成するための凹凸パターン(図示せず)を有する。該エンボスロール14は、例えば、ニッケル等の所定の硬度を有する金属材料からなることが好ましい。
該エンボスロール14の表面の凹凸パターンは、例えば、ダイヤモンドバイト(シングルポイント)を使用して切削加工される。該凹凸パターンは、エンボスロール14の周方向に継ぎ目なく形成される。
前記ニップロール13は、エンボスロール14と対になって透明シート4を押圧しながらロール成形加工するものであり、所定の機械的強度、真円度等を有することが求められる。該ニップロール13の表面層は、例えば、シリコンゴムからなる。
前記透明シート4が、ニップロール13と、エンボスロール14との間に供給されると、透明シート4の表面の樹脂層が、エンボスロール14に押圧される。樹脂層が押圧されると、エンボスロール14の表面の凹凸パターンが反転した、反転凹凸パターンが透明シート4の表面に形成される。その後、該反転凹凸パターンは、樹脂硬化手段15により、硬化される。
前記樹脂硬化手段15は、ニップロール13の下流側においてエンボスロール14に対向して設けられる光照射手段である。該樹脂硬化手段15は、光照射によって、透明シート4を透過して樹脂層を硬化させるものであり、樹脂の硬化特性に応じた波長の光を照射できる。該透明シート4の搬送速度に応じた量の光を照射できることが好ましい。該樹脂硬化手段15としては、例えば、メタルハライドランプが用いられる。
なお、該透明シート4上で硬化した反転凹凸パターンのうちの凸部分が、凸状部5となる。
該製造装置10において、塗布手段12、ニップロール13、エンボスロール14及び樹脂硬化手段15を経る工程(図6における符号a参照)が、本発明の光路規制シートの製造方法における凸状部形成工程に相当する。
該凸状部5が形成された透明シート4は、剥離ロール16で剥離され、着色層形成手段17へ供給される。
前記剥離ロール16は、エンボスロール14と対になってエンボスロール14から透明シート4を剥離させるものであり、所定の機械的強度、真円度等を有することが求められる。剥離箇所において、エンボスロール14の周面上に巻き掛けられた透明シート4を回転するエンボスロール14と剥離ロール16とで挟みながら、透明シート4をエンボスロール14から剥離させて剥離ロール16に巻き掛ける。なお、硬化により樹脂等の温度が上昇するような場合には、剥離時に透明シート4を冷却させて剥離を確実にすべく、冷却水を通す等の冷却手段を、剥離ロール16の内部に設けてもよい。
前記着色層形成手段17は、透明シート4上に形成された凸状部5の表面に、着色層3を形成する手段である。着色層形成手段17は、例えば、スプレー塗布装置からなる。所定の着色材料を含む着色材料液を、スプレー塗布装置を用いて、該凸状部5の表面に噴きつけると、該凸状部5の表面に、着色層3が形成される。
着色層3が形成された凸状部5を有する透明シート4には、塗布手段18により、樹脂層が形成される。
なお、該製造装置10において、該着色層形成手段17を経る工程(図6における符号b参照)が、本発明の光路規制シートの製造方法における着色層形成工程に相当する。
前記塗布手段18は、前記凸状部5を覆うように、透明保護層6を形成する。該塗布手段18は、例えば、前記塗布手段12と同種の物を採用できる。また、透明保護層6の材料となる樹脂液(塗布液)も、前記塗布手段12において用いた光硬化樹脂液と同じ樹脂液を採用できる。
該塗布手段18により透明シート4上に形成された樹脂層は、樹脂硬化手段19により硬化される。
前記樹脂硬化手段19としては、前記樹脂硬化手段15と同種の物を採用できる。なお、酸素が樹脂硬化を阻害する場合、適宜、窒素パージ等を行うことが好ましい。
該樹脂硬化手段19により硬化された樹脂層は、透明保護層6となり、光路規制シート1が得られる。
なお、該製造装置10において、塗布手段18及び樹脂硬化手段19を経る工程(図6における符号c参照)が、本発明の光路規制シートの製造方法における透明保護層形成工程に相当する。
このような製造装置10を用いれば、着色層3が形成された凸状部5を有する透明シート4上に、連続的に、透明保護層6を形成できる。
該光路規制シート1は、その後、搬送手段20により搬送され、巻き取り手段21により、巻き取られる。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は下記実施例に何ら限定されるものではない。
〔実施例1〕
(光路規制シートの製造)
図4に示される製造方法、図6に示される製造装置を用いて、光路規制シートを以下のようにして作製した。
透明シート4として、幅800nm、厚さ100μmの透明なポリエチレンテレフタレートのフィルムを使用した。
パターンロール(エンボスロール14)として、長さ(透明シート4の幅方向)が1000mm、直径が300mmのS45C製で、表面材質がニッケルからなるロールを使用した。該ロールの表面の略900mm幅の全周に、ダイヤモンドバイト(シングルポイント)を使用して切削加工を行い、ロール軸方向のピッチが100μmの溝を形成した。
ロール軸方向における溝の断面形状は、頂角が90度の二等辺三角形である。1つのピッチが、前記1つの二等辺三角形の幅に相当する。つまり、溝幅が100μm、溝深さが約50μmとなっている。この溝は、ロールの周方向に継ぎ目がないエンドレスとなっている。
塗布手段12の塗布ヘッドとして、エクストルージョンタイプホッパを使用した。塗布液として下記組成の樹脂液を使用した。該塗布手段12により、該樹脂液を該透明シート4の表面に塗布した。
<塗布液組成(樹脂液組成)>
・ビスフェノールAタイプエポキシアクリレート
(EB3700:エベクリル3700、ダイセルUC(株)製)
・・・・・・・・・・35.0質量部
・エチレンオキシド付加ビスフェノールAメタクリル酸エステル
(BPE200:NKエステルBPE−200、新中村化学(株)製)
・・・・・・・・・・35.0質量部
・トリブロモフェノキシエチルアクリレート
(BR−31、ニューフロンティアBR−31、第一工業製薬(株)製)
・・・・・・・・・・30.0質量部
・光ラジカル発生剤
(LR8893X:Lucirin LR8893X、BASF(株)製)
・・・・・・・・・・ 2.0質量部
・エチル−2,4,6−トリメチルベンゾイルエトキシフェニルオスフィンオキシド
・・・・・・・・・・ 2.0質量部
・合計 ・・・・・・・・・・ 104質量部
メチルエチルケトンで希釈して、所定の厚さになるように調整した。
ニップロール13は、その直径が200mmであり、表面に、ゴム硬度90のシリコンゴム層が形成されている。エンボスロール14と、ニップロール13との間の押圧力(実効ニップ圧)は、0.5Paとした。
樹脂硬化手段15として、メタルハライドランプを用い、1000mJ/cmのエネルギーで光を照射した。
着色層3を形成するための塗料(着色材料)として、黒色の速乾性ペイント(速乾水性エナメル「黒」、アサヒペン製)を使用した。
該塗料を着色層形成手段17であるスプレー塗布装置のスプレーノズルから噴射して、該透明シート4の表面に形成された凸状部5の間の三角形溝の片側の側面のみに、着色層3を形成した。該着色層3の厚みは、10μmであった。該着色層3の散乱性は、50%であった。
前記スプレー塗布の条件は、以下の通りである
・スプレー塗布の際、透明シート4上の凸状部6を下側にし、かつ、該透明シート4が、水平面に対して45°傾くように、設置した。
・スプレー塗布する方向と、非塗布面の平面方向とが為す角φ=0°
・スプレーノズルと、透明シートとの距離L=200mm
・スプレー塗布の際の圧力=0.8kg/cm
透明保護層6を形成する際、塗布手段18として、凸状部5を形成する際に用いた塗布手段12と同種の塗布ヘッドを用いた。塗布する塗布液も上記塗布液(樹脂液)と同様のものを用いた。また、樹脂硬化手段18として、前記樹脂硬化手段12と同種の物を用いた。なお、窒素パージを行った。該透明保護層6の厚み(平均厚み)は、(40μm)であった。
以上のようにして、光路規制シート1を作製した。該光路規制シート1の厚みは、1mmであった。
〔実施例2〕
着色層3の形成において、実施例1における着色層形成手段17(スプレー塗布装置)に代えて、真空蒸着装置を用いたこと以外は、実施例1と同様にして光路規制シートを作製した。
ここで、該真空蒸着装置の概略を説明する。図7は、該真空蒸着装置100の概略を示す説明図である。図7に示されるように、該真空蒸着装置100は、真空チャンバー101と、蒸発源であるルツボ102と、電極ドラム103と、遮蔽板104とを備える。
真空チャンバー101内において、電極ドラム103に巻き付けられながら走行する透明シート4の凸状部の表面に、ルツボ102から蒸発したアルミが、遮蔽板104の隙間を通って付着する。このようにして、断面形状が直角二等辺三角形の凸状部の有する2つの面のうち、一方の面のみにアルミ(着色層)を形成できる。
なお、蒸着条件は、蒸発温度:1000℃、蒸着チャンバー内の真空度:8×10−6Torr(≒4×10−2Pa)であり、着色層の厚み(蒸着厚み)は1μmであった。
〔評価〕
実施例1及び2で得られた光路規制シートの評価1及び2を行った。
<評価1:電磁波透過性の評価>
(実施例1の光路規制シート)
携帯電話の電波受信感度が良好な実験室において、該実験室の窓に、実施例1の光路規制シート(縦:1200mm、横:900mm、厚み1mm)を貼り付けた。
該光路規制シートを貼り付ける前と、貼り付けた後の携帯電話の電波受信感度は変わらなかった。
(実施例2の光路規制シート)
上記実施例1と同様にして、実施例2の光路規制シートの電磁波透過性の評価を行った。その結果、電波受信感度は低下した。
<評価2:採光性の評価>
(実施例1の光路規制シート)
前記評価1において実験室の窓に貼り付けられた光路規制シートによる採光性を評価した。
具体的には、屋外から光路規制シートを通過して屋内へ採り入れられる光の明るさを測定した。該測定には、照度計を用いた。
その結果、実施例1の光路規制シートを通過して採り入れられた光の明るさは、500ルクス〜1000ルクス(屋内の明るさ)であった。
(実施例2の光路規制シート)
上記実施例1と同様にして、実施例2の光路規制シートの採光性を評価した。
その結果、実施例2の光路規制シートを通過して採り入れられた光の明るさは、300ルクス〜2000ルクス(屋内の明るさ)であった。2000ルクスの場所は、肉眼では「まぶしい」と感じられた。
本発明の光路規制シートは、採光シート、視野角制御シート、覗き見防止シート、導光シート等の光学シートとして好適に使用できる。
図1は、光路規制シートの斜視図である。 図2は、光路規制シートの断面の説明図である。 図3は、他の実施形態に係る光路規制シートの断面の説明図である。 図4は、光路規制シートの製造方法を示す説明図である。 図5Aは、スプレー塗布法により、凸状部(三角凸状部)の表面に、着色層を形成する方法を示す説明図である。 図5Bは、スプレー塗布法により、凸状部(三角凸状部)の表面に、着色層を形成する方法を示す説明図である。 図6は、光路規制シートの製造装置の説明図である。 図7は、真空蒸着装置の説明図である。
符号の説明
1 光路規制シート
2 透明シート体
3 着色層
4 透明シート
5 凸状部
5A 三角凸状部
6 透明保護層
7 平坦面

Claims (11)

  1. 透明シート体と、該透明シート体内部に形成され、面内方向に配列する複数の着色層と、を有する光路規制シートの製造方法であり、
    透明シートの表面に、複数本の凸状部を形成する凸状部形成工程と、
    該凸状部の表面形状に沿って該着色層を形成する着色層形成工程と、
    該着色層が形成された凸状部を覆うように、透明保護層を形成する透明保護層形成工程と、を備える光路規制シートの製造方法であって、
    該透明保護層形成工程において、該透明保護層を連続形成することを特徴とする光路規制シートの製造方法。
  2. 透明保護層形成工程において、透明保護層が、光硬化樹脂、又は溶融樹脂からなる請求項1に記載の光路規制シートの製造方法。
  3. 凸状部形成工程において、走行する透明シートの表面に、複数本の凸状部を連続的に形成する請求項1又は2に記載の光路規制シートの製造方法。
  4. 着色層形成工程において、該着色層が、着色材料を含む着色材料液を凸状部の表面にスプレー塗布されることにより形成される請求項1から3のいずれかに記載の光路規制シートの製造方法。
  5. 透明シートの表面に形成された凸状部が、短手方向における断面形状が三角形である三角凸状部からなり、
    該三角凸状部が頂角を境界として有する2つの面のうち、一方の面が、着色材料液が塗布される塗布面であり、他方の面が、着色材料液が塗布されない非塗布面であり、
    スプレー塗布する方向と、非塗布面の平面方向とが為す角φが、±45°以内である請求項4に記載の光路規制シートの製造方法。
  6. 凸状部が鉛直下方側へ向くように透明シートを配置して、スプレー塗布を行う請求項4又は5に記載の光路規制シートの製造方法。
  7. 請求項1から6のいずれかに記載の光路規制シートの製造方法によって製造された光路規制シートであって、
    透明シート体と、該透明シート体内部において面内方向に配列する複数の着色層と、を有し、
    該着色層の散乱性が、10%〜99%であることを特徴とする光路規制シート。
  8. 透明シート体の表面と、着色層の表面とがなす角αが10°〜80°である請求項7に記載の光路規制シート。
  9. 透明シート体内における着色層の高さhがシート厚に対し、10%〜90%である請求項7又は8に記載の光路規制シート。
  10. 透明シート体内における着色層の幅Wがピッチに対し、10%〜90%である請求項7から9のいずれかに記載の光路規制シート。
  11. 着色層が、着色材料を含む着色材料液をスプレー塗布することにより形成される請求項7から10のいずれかに記載の光路規制シート。
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