JP2009216778A - 光路規制シートの製造方法、及び光路規制シート - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の光路規制シート1の製造方法は、透明シート体と、該透明シート体内部に形成され、面内方向に配列する複数の着色層3と、を有する光路規制シート1の製造方法であり、透明シート4の表面に、複数本の凸状部5を形成する凸状部形成工程と、該凸状部5の表面形状に沿って該着色層3を形成する着色層形成工程と、該着色層3が形成された凸状部5を覆うように、透明保護層6を形成する透明保護層形成工程と、を備える光路規制シート1の製造方法であって、該透明保護層形成工程において、該透明保護層6を連続形成することを特徴とする。該着色層3は、着色材料を含む着色材料液を凸状部3の表面にスプレー塗布されることにより形成されることが好ましい。
【選択図】 図4
Description
該光路規制シートは、例えば、家屋の窓に貼り付けて、太陽光を屋内に採光する、採光シートとして用いられる。
特許文献6において、該光路規制シートは、透明な熱可塑性樹脂と、不透明な熱可塑性樹脂との同時押出成形により製造されている。
即ち、本発明は、内部に着色層を有する光路規制シートの効率的な製造方法であって、特に、着色層の材料選択性に優れる光路規制シートの製造方法、及び採光性に優れる光路規制シートを提供することを目的とする。
<1> 透明シート体と、該透明シート体内部に形成され、面内方向に配列する複数の着色層と、を有する光路規制シートの製造方法であり、透明シートの表面に、複数本の凸状部を形成する凸状部形成工程と、
該凸状部の表面形状に沿って該着色層を形成する着色層形成工程と、
該着色層が形成された凸状部を覆うように、透明保護層を形成する透明保護層形成工程と、を備える光路規制シートの製造方法であって、
該透明保護層形成工程において、該透明保護層を連続形成することを特徴とする光路規制シートの製造方法である。
該<1>における、透明シート体と、該透明シート体内部に形成され、面内方向に配列する複数の着色層とを有する光路規制シートの製造方法によれば、透明保護層が連続形成される。
<2> 透明保護層形成工程において、透明保護層が、光硬化樹脂、又は溶融樹脂からなる前記<1>に記載の光路規制シートの製造方法である。
<3> 凸状部形成工程において、走行する透明シートの表面に、複数本の凸状部を連続的に形成する前記<1>又は<2>に記載の光路規制シートの製造方法である。
<4> 着色層形成工程において、該着色層が、着色材料を含む着色材料液を凸状部の表面にスプレー塗布されることにより形成される前記<1>から<3>のいずれかに記載の光路規制シートの製造方法である。
<5> 透明シートの表面に形成された凸状部が、短手方向における断面形状が三角形である三角凸状部からなり、該三角凸状部が頂角を境界として有する2つの面のうち、一方の面が、着色材料液が塗布される塗布面であり、他方の面が、着色材料液が塗布されない非塗布面であり、スプレー塗布する方向と、非塗布面の平面方向とが為す角φが、±45°以内である前記<4>に記載の光路規制シートの製造方法である。
<6> 凸状部が鉛直下方側へ向くように透明シートを配置して、スプレー塗布を行う前記<4>又は<5>に記載の光路規制シートの製造方法である。
<7> 前記<1>から<6>のいずれかに記載の光路規制シートの製造方法によって製造された光路規制シートであって、透明シート体と、該透明シート体内部において面内方向に配列する複数の着色層と、を有し、該着色層の散乱性が、10%〜99%であることを特徴とする光路規制シートである。
<8> 透明シート体の表面と、着色層の表面とがなす角αが10°〜80°である前記<7>に記載の光路規制シートである。
<9> 透明シート体内における着色層の高さhがシート厚に対し、10%〜90%である前記<7>又は<8>に記載の光路規制シートである。
<10> 透明シート体内における着色層の幅Wがピッチに対し、10%〜90%である前記<7>から<9>のいずれかに記載の光路規制シートである。
<11> 着色層が、着色材料を含む着色材料液をスプレー塗布することにより形成される前記<7>から<10>のいずれかに記載の光路規制シートである。
図1は、本発明の光路規制シートの製造方法によって製造される一実施形態に係る光路規制シートの斜視図である。図2は、該光路規制シートの断面の説明図である。また、図3は、他の実施形態に係る光路規制シートの断面の説明図である。先ず、図1〜図3を用いて、光路規制シートを説明する。
前記透明シート体2は、透明シート4と、該透明シート4の表面に形成される複数本の凸状部5と、透明保護層6を有する。
これらの樹脂の中でも、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、スチレン系共重合体、環状オレフィン樹脂、シクロオレフィンポリマー、三酢酸セルロース、ビニルエステルが特に好ましい。
なお、該光路規制シート1の厚みとは、透明保護層6の表面から透明シート4の裏面までの長さである。
前記透明シート4は、透明であり、シート(フィルム)形状であり、ある程度の強度があれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択される。
前記樹脂としては、熱可塑性樹脂(溶融樹脂)、熱硬化性樹脂、紫外線硬化樹脂(光硬化樹脂)、2液硬化樹脂等の樹脂が挙げられる。
前記熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリカーボネート、ポリスチレン、MS樹脂、AS樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリ塩化ビニル、セルロースアシレート、熱可塑性エラストマー、シクロオレフィンポリマーがある。前記熱硬化性樹脂としては、例えば、フェノール樹脂がある。これらの樹脂は、1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
該透明シート4の光透過率が、50%未満であると、所望の光(照度)を得ようとしても、光量が不足することがある。
該透明シート4の厚みが0.01μm未満であると、該透明シート4のハンドリングが困難であり、かつ、該透明シート4の平面性を保つことが難しいことがあり、50mmを超えると、自在に曲げることが困難となり、材料コスト、生産性が悪化することがある。更に、着色層を形成する際、透明シートの4ハンドリングが自在にできなくなり、部分的な着色が困難となることがある。
前記凸状部5は、透明シート4の表面に突設される部であり、該凸状部5の表面の一部に着色層3を形成可能であれば、その形状、構造、大きさ等については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択される。
該凸状部5の短手方向における断面形状としては、例えば、二等辺三角形、直角三角形等の三角形、四角形、台形、半円形等が挙げられる。これらの断面形状の中でも、三角形状、台形が特に好ましく、三角形が最も好ましい。
該光路規制シート1aは、凸状部5の断面形状が直角三角形となっている。なお、該凸状部5も三角凸状部5Aである。
該光路規制シート1bは、凸状部5の断面形状が二等辺三角形となっている。該凸状部5も三角凸状部5Aである。なお、該光路規制シート1bの凸状部5間には、凸状部5が形成されていない平坦面7が存在している。
該光路規制シート1cは、凸状部5の断面形状が半円となっている。なお、該光路規制シート1cの凸状部5間には、凸状部5が形成されていない平坦面7が存在している。
該光路規制シート1dは、凸状部5の断面形状が台形となっている。
該凸状部5の高さが10%未満であると光制御量が不足することがあり、90%を超えると該透明シート4の強度が不足することがある。
前記凸状部5の幅が10%未満であると光制御量が不足することがあり、90%を超えると光を通さなくなり、必要な光量を得られないことがある。
前記着色層3は、透明シート体2内部に存在し、光路規制シート1の面内方向に配列している。
該着色層3は、日光、蛍光灯等の光源からの光を受ける層である。該着色層3は、入射光を反射する光反射層として用いてもよいし、入射光を吸収する光吸収層として用いてもよい。
例えば、該着色層3を拡散反射タイプの光反射層として用いる場合、その材料としては、シルバーホワイト、チタニウムホワイト、ジンクホワイト、アルミパウダー等の顔料含有材料を用いることが好ましい。
また、該着色層を鏡面反射タイプの光反射層として用いる場合、その材料としては、アルミ、銀、ニッケル、ステンレス、銅、亜鉛、鉄等のメタリック顔料含有材料を用いることが好ましい。
前記アルミ、銀、ニッケル、ステンレス等の微粉末を単独で、又は混合して用いると銀色の鏡面反射タイプの着色層が得られる。
前記銅、亜鉛、鉄等の微粉末を単独で、又は混合して用いると金色、赤銅色の鏡面反射タイプの着色層が得られる。
また、該着色層を光吸収層として用いる場合、顔料、染料を含む通常の塗料であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択されるが、光吸収能を最も高めたい場合は、黒色塗料を選択することが好ましい。
該黒色塗料としては、耐久性の観点より、顔料含有材料を用いることが好ましい。該顔料としては、アイボリーブラック、ピーチブラック、ランプブラック、ビチューム、カーボンブラック、黒色アニリン等が挙げられる。これらの中でも、特に、カーボンブラック、黒色アニリンを用いることが好ましい。
スプレー塗布法を用いれば、材料選択の自由度が高くなり、例えば、電磁波を遮断しない材料を用いて、着色層を形成できる。
また、スプレー塗布法を用いれば、採光に適する散乱性を有する着色層を形成できる。
該散乱性は、拡散反射率の値から、鏡面反射率の値を引いた値で定義される。例えば、鏡面反射率が90%、拡散反射率が90%の場合、散乱性は0%となり、鏡面反射率が30%、拡散反射率が90%の場合、散乱性は60%となる。
該鏡面反射率は、測定対象となる平面の法線に対して、一定角度の直進光を照射し、該直進光が照射側の反対側に反射した光(反射光)を検出することによって測定できる。本願における照射角度(反射角度)は、法線から5度である。該鏡面反射率は、鏡面反射測定機能付分光光度計(例えば、島津製作所製、UV3100、UV3600)で測定できる。
該拡散反射率は、入射光に対し、様々な方向に反射した光を、積分球で集める方法で測定できる。具体的には、積分球付分光光度計(例えば、島津製作所製、UV3100、UV3600)で測定できる。
該着色層3の散乱性が10%未満であると、一部のみが明るくなり、一様な明るさが得られないことがあり、99%を超えると、明るくする必要のない箇所を照らし、明るくする必要がある箇所の明るさが不足することがある。
なお、着色層を形成する前に、予め、凸状部の表面をあらしておき、その後、散乱性の低い塗料で着色してもよい。該凸状部の表面をあらす方法としては、例えば、該凸状部を形成するための型の表面に、機械加工等によって微細な凹凸を形成しておき、該凹凸を凸状部の表面に転写する方法等がある。この方法によれば、凸状部の必要な箇所のみをあらすことができる。このように、予め凸状部の表面をあらしておけば、スプレー塗布のみならず、蒸着法によっても、散乱性を有する着色層が得られる。
該着色層3の厚みdが0.01未満であると、充分な散乱性が得られないことがあり、3000μmを超えると塗料の乾燥、硬化時に、シート反りが発生することがある。
なお、本発明の光路規制シート1の着色層3の設定角度は、前記凸状部5の形状に応じて設定できる。
該着色層3の高さhが、10%未満であると充分な採光が得られないことがあり、90%を超えると、直進光を透過させないことがある。
なお、該着色層3の高さh(図2参照)とは、透明シート体2(光路規制シート1)の厚み方向における着色層3の長さである。
該着色層3の幅wが10%未満であると充分な採光が得られないことがあり、90%を超えると直進光を透過させないことがある。
なお、該着色層3の幅wとは、該着色層3が形成される凸状部5の短手方向における長さである。
該着色層のピッチPが(0.1μm未満であると着色層の形成の際、不要な箇所が塗布されてしまうことがあり、3000μmを超えると透明シートを厚くする必要が生じ、その結果、該シートの可撓性が悪くなることがある。
なお、該着色層3のピッチPは、図2に示されるように、隣り合う凸状部5間に平坦面がない場合は、凸状部5の短手方向の幅に相当する。
また、図3に示される光路規制シート1b、1d等のように、隣り合う凸状部5巻に平坦面7がある場合、該着色層3のピッチPは、凸状部5の短手方向における幅と、平坦面7の短手方向における幅との和に相当する。
前記透明保護層6は、凸状部5に着色層3が形成された透明シート4上を覆う。該透明保護層6は、透明シート4上の凸状部5間の空間(凹部)を充填する。
該透明保護層6の材料としては、透明であり、ある程度の強度があれば、特に制限はなく、目的に応じて、樹脂、ガラス等を適宜選択できるが、柔軟性を有し、軽量であること等から樹脂が好ましい。該樹脂としては、前記透明シート4と同じ材料を採用できる。
なお、該透明保護層6の厚みDとは、凸状部5の頂点から該透明保護層6の表面までの距離である。
また、該透明シート4、凸状部5及び透明保護層6には、酸化防止剤、可塑剤、紫外線吸収剤等の公知の添加剤を添加してもよい。
本発明の光路規制シートの製造方法は、凸状部形成工程と、着色層形成工程と、透明保護層形成工程とを有する。
図4は、本発明の一実施形態に係る光路規制シートの製造方法を示す説明図である。以下、図4を用いて、本発明の光路規制シートの製造方法を説明する。
前記凸状部形成工程は、透明シート4の表面に、複数本の凸状部5を形成する工程である(図4の符号a参照)。
該透明シート4の表面に、該凸状部5を形成する方法としては、特に制限がなく、目的に応じて適宜選択できるが、光インプリント法、熱インプリント法、及び押出形成法が好ましい。
なお、該凸状部形成工程において、走行する透明シート4の表面に、複数本の凸状部5を連続的に形成することが好ましい。このように該凸状部5を連続的に形成することにより、光路規制シートを効率的に製造できる。
前記着色層形成工程は、前記凸状部形成工程において透明シート4の表面に形成された凸状部5の表面に、着色層3を形成する工程である(図4の符号b参照)。該着色層3は、該凸状部5の表面形状に沿って形成される。該着色層3は、該凸状部5の表面全てに渡って形成されるものではなく、所定の箇所のみに形成される。
また、凸状部5の断面形状が台形等の四角形の場合、凸状部5は3つの面を有する。この場合、着色層3は、3つの面のうち、1つの面に形成される。なお、場合によっては、2つの面に着色層3を形成してもよい。
また、凸状部5の断面形状が半円形の場合、着色層3は、半円の円弧うち、一部の円弧に相当する部分に、形成される。
前記塗布方法としては、スプレー、インクジェット、印刷、ダイ、ローラ、転写、スピン等があり、塗布面のみに選択的に塗布液を塗布可能な、スプレー塗布、インクジェット、ダイが好ましく、スプレー塗布が最も好ましい。
図5Aにおいて、透明シート4は、凸状部5が鉛直下方側(図5Aにおいて下側)を向くように、配置されている。図5Aにおいて透明シート4は、略水平に配置されている。
該凸状部5の短手方向における断面形状は、二等辺三角形である。したがって、該凸状部5は、三角凸状部5Aである。
該三角凸状部5Aは、頂角を境界として2つの面を有する。一方の面は、着色材料液が塗布される塗布面51であり、他方の面が、着色材料液が塗布されない非塗布面52である。
該透明シート4の三角凸状部5Aの塗布面51に、スプレー装置の噴射口30(スプレーノズル)を向けて、着色材料を含む塗布液(着色材料液)を噴射することにより、該塗布面51に着色層3が形成される。
角φが45°を超えると、塗布したい面(塗布面)すべてに塗布液を塗布できない。
また、−10°以上が好ましく、−5°以上がより好ましく、5°以上が更に好ましい。
−10°未満であると、非塗布面に塗布液が付着してしまう。
なお、角φがプラス(+)とは、非塗布面52を基準として、時計回りにスプレー塗布する方向(直線m)がある場合であり、角φがマイナス(−)とは、非塗布面52を基準として、反時計回りにスプレー塗布する方向(直線m)がある場合である。
前記スプレー塗布する方向は、例えば、スプレーノズル30の向き(塗布液が噴射される向き)を基準に設定できる。
なお、前記角φは、透明シート4の凸状部5の短手方向を含む平面内におけるものである。
該角θ(°)としては、±45°以内が好ましく、±30°がより好ましく、±15°が更に好ましい。
θ(°)の絶対値が45を超えると、塗布面51に塗布した液が、非塗布面52に回り込んで、液が溜まってしまうことがある。
また、三角凸状部5Aを上向きにしてもよく、その場合のθとしては、135°〜225°が好ましく、150°〜210°が更に好ましく、165°〜195°が更に好ましい。
なお、角θ(°)におけるプラス(+)とは、非塗布面52を基準として反時計回りに、鉛直方向(直線n)がある場合であり、マイナス(−)とは、非塗布面52を基準として時計回りに、鉛直方向(直線n)がある場合である。
該距離Lが1mm未満であると塗布にムラが発生し易くなることがあり、3000mmを超えると噴霧粒が大きくなり、塗布ムラが発生し易くなることがある。
なお、該距離Lとは、スプレーノズル30の先端部分と、透明シート4上の凸状部5との最短距離である。
該圧力が0.01kg/cm2未満であると塗布液が均一にまかれず、ムラが発生することがあり、10kg/cm2を超えると付着した塗布液が風で動き、ムラが発生することがある。
前記透明保護層形成工程は、前記着色層形成工程において着色層3が形成された凸状部5を覆うように、透明保護層6を形成する工程である(図4の符号c参照)。
特に、本発明の光路規制シートの製造方法は、該透明保護層形成工程において、該透明保護層6を連続形成することを特徴としている。
該透明保護層6を連続形成することによって、光路規制シート1を効率的に製造できる。
該樹脂液が塗布された透明シート4は、前記ニップロール13と、エンボスロール14との間に供給される。
該エンボスロール14の表面の凹凸パターンは、例えば、ダイヤモンドバイト(シングルポイント)を使用して切削加工される。該凹凸パターンは、エンボスロール14の周方向に継ぎ目なく形成される。
該製造装置10において、塗布手段12、ニップロール13、エンボスロール14及び樹脂硬化手段15を経る工程(図6における符号a参照)が、本発明の光路規制シートの製造方法における凸状部形成工程に相当する。
該凸状部5が形成された透明シート4は、剥離ロール16で剥離され、着色層形成手段17へ供給される。
着色層3が形成された凸状部5を有する透明シート4には、塗布手段18により、樹脂層が形成される。
なお、該製造装置10において、該着色層形成手段17を経る工程(図6における符号b参照)が、本発明の光路規制シートの製造方法における着色層形成工程に相当する。
該塗布手段18により透明シート4上に形成された樹脂層は、樹脂硬化手段19により硬化される。
該樹脂硬化手段19により硬化された樹脂層は、透明保護層6となり、光路規制シート1が得られる。
なお、該製造装置10において、塗布手段18及び樹脂硬化手段19を経る工程(図6における符号c参照)が、本発明の光路規制シートの製造方法における透明保護層形成工程に相当する。
このような製造装置10を用いれば、着色層3が形成された凸状部5を有する透明シート4上に、連続的に、透明保護層6を形成できる。
(光路規制シートの製造)
図4に示される製造方法、図6に示される製造装置を用いて、光路規制シートを以下のようにして作製した。
ロール軸方向における溝の断面形状は、頂角が90度の二等辺三角形である。1つのピッチが、前記1つの二等辺三角形の幅に相当する。つまり、溝幅が100μm、溝深さが約50μmとなっている。この溝は、ロールの周方向に継ぎ目がないエンドレスとなっている。
・ビスフェノールAタイプエポキシアクリレート
(EB3700:エベクリル3700、ダイセルUC(株)製)
・・・・・・・・・・35.0質量部
・エチレンオキシド付加ビスフェノールAメタクリル酸エステル
(BPE200:NKエステルBPE−200、新中村化学(株)製)
・・・・・・・・・・35.0質量部
・トリブロモフェノキシエチルアクリレート
(BR−31、ニューフロンティアBR−31、第一工業製薬(株)製)
・・・・・・・・・・30.0質量部
・光ラジカル発生剤
(LR8893X:Lucirin LR8893X、BASF(株)製)
・・・・・・・・・・ 2.0質量部
・エチル−2,4,6−トリメチルベンゾイルエトキシフェニルオスフィンオキシド
・・・・・・・・・・ 2.0質量部
・合計 ・・・・・・・・・・ 104質量部
該塗料を着色層形成手段17であるスプレー塗布装置のスプレーノズルから噴射して、該透明シート4の表面に形成された凸状部5の間の三角形溝の片側の側面のみに、着色層3を形成した。該着色層3の厚みは、10μmであった。該着色層3の散乱性は、50%であった。
・スプレー塗布の際、透明シート4上の凸状部6を下側にし、かつ、該透明シート4が、水平面に対して45°傾くように、設置した。
・スプレー塗布する方向と、非塗布面の平面方向とが為す角φ=0°
・スプレーノズルと、透明シートとの距離L=200mm
・スプレー塗布の際の圧力=0.8kg/cm2
着色層3の形成において、実施例1における着色層形成手段17(スプレー塗布装置)に代えて、真空蒸着装置を用いたこと以外は、実施例1と同様にして光路規制シートを作製した。
ここで、該真空蒸着装置の概略を説明する。図7は、該真空蒸着装置100の概略を示す説明図である。図7に示されるように、該真空蒸着装置100は、真空チャンバー101と、蒸発源であるルツボ102と、電極ドラム103と、遮蔽板104とを備える。
なお、蒸着条件は、蒸発温度:1000℃、蒸着チャンバー内の真空度:8×10−6Torr(≒4×10−2Pa)であり、着色層の厚み(蒸着厚み)は1μmであった。
実施例1及び2で得られた光路規制シートの評価1及び2を行った。
(実施例1の光路規制シート)
携帯電話の電波受信感度が良好な実験室において、該実験室の窓に、実施例1の光路規制シート(縦:1200mm、横:900mm、厚み1mm)を貼り付けた。
該光路規制シートを貼り付ける前と、貼り付けた後の携帯電話の電波受信感度は変わらなかった。
上記実施例1と同様にして、実施例2の光路規制シートの電磁波透過性の評価を行った。その結果、電波受信感度は低下した。
(実施例1の光路規制シート)
前記評価1において実験室の窓に貼り付けられた光路規制シートによる採光性を評価した。
具体的には、屋外から光路規制シートを通過して屋内へ採り入れられる光の明るさを測定した。該測定には、照度計を用いた。
その結果、実施例1の光路規制シートを通過して採り入れられた光の明るさは、500ルクス〜1000ルクス(屋内の明るさ)であった。
上記実施例1と同様にして、実施例2の光路規制シートの採光性を評価した。
その結果、実施例2の光路規制シートを通過して採り入れられた光の明るさは、300ルクス〜2000ルクス(屋内の明るさ)であった。2000ルクスの場所は、肉眼では「まぶしい」と感じられた。
2 透明シート体
3 着色層
4 透明シート
5 凸状部
5A 三角凸状部
6 透明保護層
7 平坦面
Claims (11)
- 透明シート体と、該透明シート体内部に形成され、面内方向に配列する複数の着色層と、を有する光路規制シートの製造方法であり、
透明シートの表面に、複数本の凸状部を形成する凸状部形成工程と、
該凸状部の表面形状に沿って該着色層を形成する着色層形成工程と、
該着色層が形成された凸状部を覆うように、透明保護層を形成する透明保護層形成工程と、を備える光路規制シートの製造方法であって、
該透明保護層形成工程において、該透明保護層を連続形成することを特徴とする光路規制シートの製造方法。 - 透明保護層形成工程において、透明保護層が、光硬化樹脂、又は溶融樹脂からなる請求項1に記載の光路規制シートの製造方法。
- 凸状部形成工程において、走行する透明シートの表面に、複数本の凸状部を連続的に形成する請求項1又は2に記載の光路規制シートの製造方法。
- 着色層形成工程において、該着色層が、着色材料を含む着色材料液を凸状部の表面にスプレー塗布されることにより形成される請求項1から3のいずれかに記載の光路規制シートの製造方法。
- 透明シートの表面に形成された凸状部が、短手方向における断面形状が三角形である三角凸状部からなり、
該三角凸状部が頂角を境界として有する2つの面のうち、一方の面が、着色材料液が塗布される塗布面であり、他方の面が、着色材料液が塗布されない非塗布面であり、
スプレー塗布する方向と、非塗布面の平面方向とが為す角φが、±45°以内である請求項4に記載の光路規制シートの製造方法。 - 凸状部が鉛直下方側へ向くように透明シートを配置して、スプレー塗布を行う請求項4又は5に記載の光路規制シートの製造方法。
- 請求項1から6のいずれかに記載の光路規制シートの製造方法によって製造された光路規制シートであって、
透明シート体と、該透明シート体内部において面内方向に配列する複数の着色層と、を有し、
該着色層の散乱性が、10%〜99%であることを特徴とする光路規制シート。 - 透明シート体の表面と、着色層の表面とがなす角αが10°〜80°である請求項7に記載の光路規制シート。
- 透明シート体内における着色層の高さhがシート厚に対し、10%〜90%である請求項7又は8に記載の光路規制シート。
- 透明シート体内における着色層の幅Wがピッチに対し、10%〜90%である請求項7から9のいずれかに記載の光路規制シート。
- 着色層が、着色材料を含む着色材料液をスプレー塗布することにより形成される請求項7から10のいずれかに記載の光路規制シート。
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