JP2009214387A - プラスチックフィルムレンズの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】表面に凹凸形状を有するプラスチックフィルムレンズを、設計値とのずれが少なく、より高精度に生産できる製造方法を提供する。
【解決手段】透明なプラスチック基板11の少なくとも片面に凹凸形状のレンズ部を有するプラスチックフィルムレンズの製造方法であって、紫外線硬化型樹脂組成物12を、前記レンズ部とは逆型の凹凸を有する第1の型3で前記透明なプラスチック基板上に成型しながら、紫外線照射5によって硬化度10〜50%の低硬化体に硬化する第1硬化工程と、前記低硬化体を、前記レンズ部とは逆型の凹凸を有する第2の型6で成型しながら、紫外線照射8によって硬化度90%以上に硬化する第2硬化工程と、を含む、プラスチックフィルムレンズの製造方法。
【選択図】図1
【解決手段】透明なプラスチック基板11の少なくとも片面に凹凸形状のレンズ部を有するプラスチックフィルムレンズの製造方法であって、紫外線硬化型樹脂組成物12を、前記レンズ部とは逆型の凹凸を有する第1の型3で前記透明なプラスチック基板上に成型しながら、紫外線照射5によって硬化度10〜50%の低硬化体に硬化する第1硬化工程と、前記低硬化体を、前記レンズ部とは逆型の凹凸を有する第2の型6で成型しながら、紫外線照射8によって硬化度90%以上に硬化する第2硬化工程と、を含む、プラスチックフィルムレンズの製造方法。
【選択図】図1
Description
本発明は、ビデオプロジェクターや携帯電話のモニター画面などに使用するフレネルレンズやレンチキュラーレンズなどのプラスチックフィルムレンズの製造方法に関する。
表面に凹凸形状を設けたシートが、装飾用、フレネルレンズ、レンチキュラーレンズなどに使用されているが、凹凸形状を精密に形成するのはかなりの困難を伴う。特に上記のフレネルレンズやレンチキュラーレンズのように集光用や立体写真用途で使用されるものは高い精度が要求されるため、低コストで生産することが困難であった。
これに対して、例えば、特許文献1では、シート状の透明基材に活性エネルギー線硬化型樹脂を供給した後、表面上に所望の凹凸形状の逆型の凹凸形状を有するロールを押し当て、押し当てた状態でロールの反対側に配置された活性エネルギー線源から活性エネルギーを照射する連続的な製造方法を開示している。
また、特許文献2では、表面上に所望の凹凸形状の逆型の凹凸形状を有するロールに活性エネルギー線硬化型樹脂を塗布した後、該塗布されたロールをシート状の透明基材に押し当てて、押し当てた状態でロールの反対側に配置された活性エネルギー線源から活性エネルギーを照射する連続的な製造方法を開示している。
また、特許文献2では、表面上に所望の凹凸形状の逆型の凹凸形状を有するロールに活性エネルギー線硬化型樹脂を塗布した後、該塗布されたロールをシート状の透明基材に押し当てて、押し当てた状態でロールの反対側に配置された活性エネルギー線源から活性エネルギーを照射する連続的な製造方法を開示している。
しかしながら、上記の方法は低コストで生産することはできるものの、活性エネルギー線硬化型樹脂は活性エネルギー線の照射による硬化の際に体積収縮を起し、このため逆型を押し当てて成型しながら硬化していてもμmオーダーでの精度を出すことが困難であった。
特許3016638号公報
特許3490099号公報
本発明は、上記問題を鑑みなされたものであり、表面に凹凸形状を有するプラスチックフィルムレンズを、設計値とのずれが少なく、より高精度に生産できる製造方法を提供することを目的とする。
即ち、本発明は下記の通りである。
(1)透明なプラスチック基板の少なくとも片面に凹凸形状のレンズ部を有するプラスチックフィルムレンズの製造方法であって、
紫外線硬化型樹脂組成物を、前記レンズ部とは逆型の凹凸を有する第1の型で前記透明なプラスチック基板上に成型しながら、紫外線照射によって硬化度10〜50%の低硬化体に硬化する第1硬化工程と、
前記低硬化体を、前記レンズ部とは逆型の凹凸を有する第2の型で成型しながら、紫外線照射によって硬化度90%以上に硬化する第2硬化工程と、を含む、プラスチックフィルムレンズの製造方法。
(1)透明なプラスチック基板の少なくとも片面に凹凸形状のレンズ部を有するプラスチックフィルムレンズの製造方法であって、
紫外線硬化型樹脂組成物を、前記レンズ部とは逆型の凹凸を有する第1の型で前記透明なプラスチック基板上に成型しながら、紫外線照射によって硬化度10〜50%の低硬化体に硬化する第1硬化工程と、
前記低硬化体を、前記レンズ部とは逆型の凹凸を有する第2の型で成型しながら、紫外線照射によって硬化度90%以上に硬化する第2硬化工程と、を含む、プラスチックフィルムレンズの製造方法。
(2)前記第1および第2の型が回転ロール状の型であり、搬送する透明なプラスチック基板上に前記第1硬化工程および第2硬化工程を連続的に行う、上記(1)記載のプラスチックフィルムレンズの製造方法。
(3)前記第1の型の凹凸形状が前記第2の型の凹凸形状よりも大きい、上記(1)または(2)記載のプラスチックフィルムレンズの製造方法。
(4)前記第1硬化工程および第2硬化工程において、前記透明なプラスチック基板の第1の型および第2の型を有する面の反対側から紫外線を照射する、上記(1)〜(3)のいずれかに記載のプラスチックフィルムレンズの製造方法。
以下、本発明にかかるプラスチックフィルムレンズ製造方法の実施形態の例について、図面を参照しつつ説明する。図1は、本発明にかかるプラスチックフィルムレンズの製造方法を実施する製造装置の一例である。
図1に示す製造装置について、上流側から下流側に向かって、その構成を説明する。まず、透明なプラスチック基板(以下、透明フィルムと称する)11を供給するサプライ1があり、次いで、サプライ1より繰り出された透明フィルム11上に紫外線硬化型樹脂組成物12を供給するための樹脂供給装置2と、目的とするレンズ部の凹凸形状とは逆型の凹凸を有する型であって第1の型である第1回転ロール3が設置される。第1回転ロール3の透明フィルム11を挟んで対向する位置にはフィルム搬送手段である第1コンベア4が設置される。第1コンベア4内には紫外線照射装置5が設置され、紫外線照射装置5は第1回転ロール3の真下に位置するように配置される。
続いて、目的とするレンズ部の凹凸形状とは逆型の凹凸を有する型であって第2の型である第2回転ロール6が設置され、第2回転ロール6の透明フィルム11を挟んで対向する位置に、フィルム厚さを調整するための押し当てロール7が設置される。押し当てロール7内には紫外線照射装置8が設置され、紫外線照射装置8は第2回転ロール6の真下に位置するように配置される。
そして、表面にレンズ部が形成された透明フィルム11を巻き取る際のガイドとなる引き取り機9と、巻き取り機10とを下流側に備えた構成となっている。
そして、表面にレンズ部が形成された透明フィルム11を巻き取る際のガイドとなる引き取り機9と、巻き取り機10とを下流側に備えた構成となっている。
図1において、サプライ1より繰り出された透明フィルム11は第1コンベア4によって一定速度で搬送される。
図2(a)は第1回転ロール3の平面図であり、図2(b)は図2(a)で示した平面図の凹凸部位の拡大図であって、図中の二点鎖線は第1回転ロール3によって成型される紫外線硬化型樹脂組成物12の形状を示す。
第1回転ロール3は円筒状であり、図2(a)、(b)に示すように、その外周面上には外周面を1周する複数の断面半円状の溝からなる凹凸3a(凹凸高さH、凹凸ピッチL)が形成されており、第1回転ロール3はフィルムの長手方向(搬送方向)に沿って透明フィルム11の搬送速度と同一速度で回転する。第1回転ロール3を形成する素材は特に限定するものではないが、例えば金属、ガラス、セラミックス、合成樹脂等である。
第1回転ロール3は円筒状であり、図2(a)、(b)に示すように、その外周面上には外周面を1周する複数の断面半円状の溝からなる凹凸3a(凹凸高さH、凹凸ピッチL)が形成されており、第1回転ロール3はフィルムの長手方向(搬送方向)に沿って透明フィルム11の搬送速度と同一速度で回転する。第1回転ロール3を形成する素材は特に限定するものではないが、例えば金属、ガラス、セラミックス、合成樹脂等である。
第2回転ロール6は、凹凸高さを第1回転ロール3よりもやや高くした以外は第1回転ロール3と同じ形状を有するロールであり、目的とするレンズ部の凹凸と略同一の凹凸を有する。
次に、上記製造装置によって実施されるプラスチックフィルムレンズの製造方法について説明する。
本発明にかかる製造方法では、紫外線硬化型樹脂組成物12を凹凸形状に成型しながら硬化して硬化度10〜50%の低硬化体とする第1硬化工程と、前記抵硬化体を成型しながら更に硬化させて硬化度を90%以上とする第2硬化工程と、を有する。
本発明にかかる製造方法では、紫外線硬化型樹脂組成物12を凹凸形状に成型しながら硬化して硬化度10〜50%の低硬化体とする第1硬化工程と、前記抵硬化体を成型しながら更に硬化させて硬化度を90%以上とする第2硬化工程と、を有する。
(第1硬化工程)
樹脂供給装置2によって供給された紫外線硬化型樹脂組成物12は、液体の状態で塗布手段(図1ではリップコーターを使用)により第1回転ロール3の表面に一定の厚さで塗布された後、サプライ1より繰り出された透明フィルム11に押し当てられる。この時、透明フィルム11の下面に設置された第1紫外線照射装置5から、第1回転ロール3に塗布された紫外線硬化型樹脂組成物12と透明フィルム11との接触部に向かって紫外線が照射される。
樹脂供給装置2によって供給された紫外線硬化型樹脂組成物12は、液体の状態で塗布手段(図1ではリップコーターを使用)により第1回転ロール3の表面に一定の厚さで塗布された後、サプライ1より繰り出された透明フィルム11に押し当てられる。この時、透明フィルム11の下面に設置された第1紫外線照射装置5から、第1回転ロール3に塗布された紫外線硬化型樹脂組成物12と透明フィルム11との接触部に向かって紫外線が照射される。
第1回転ロール3を透明フィルム11に押し当てる際、図2(b)に示すように、第1回転ロール3と透明フィルム11との間に間隔Tを設けて第1回転ロール3が透明フィルム11に接触しないようにすることが好ましい。またもし接触しても第1回転ロール3の表面および透明フィルム11にほとんど力は加えられないようにする。紫外線硬化型樹脂組成物12は、紫外線が照射されるまでは液状であり、紫外線硬化型樹脂組成物12が塗布された第1回転ロール3の表面が透明フィルム11に押し当てられても第1回転ロール3の表面にはほとんど力が加えられずに第1回転ロール3の表面の凹凸形状に沿った形状になる。その状態で紫外線が照射されて硬化し、図3に示すように、透明フィルム11上に、フィルム長手方向に連続した凹凸3aが形成される。
本発明では、上記の第1紫外線照射装置5による紫外線照射の際に、紫外線硬化型樹脂組成物12を完全に硬化させず、特に表面の硬化度を10〜50%程度(好ましくは20〜40%)の低硬化体となるよう、紫外線の光量を調節する。この段階で、樹脂は液体状態から固体状態に変わるため、非常に大きな硬化収縮が発生、第1回転ロール3に設けられた逆型から期待する所望の凹凸3aから幾分精度が低下したものができている。第1回転ロール3の表面の凹凸3aは、硬化時の硬化収縮を考慮し、凹凸ピッチHは目的とするレンズ部の凹凸ピッチと略同一で、凹凸高さHを目的とするレンズ部の凹凸高さよりもやや高めに設定することが好ましい。
(第2硬化工程)
次いで、フィルム長手方向に連続した凹凸3aを形成された低硬化体である紫外線硬化型樹脂組成物12を有する透明フィルム11を第2回転ロール6に搬送する。
第2回転ロール6の凹凸ピッチを、第1回転ロール3によって形成された凹凸ピッチに合わせて押し当てると、表面がまだ柔軟であるため変形が起こり、第2回転ロール6に設けられた逆型の凹凸と略同一の凹凸に成型することが可能である。第2回転ロール6を押し当てる際、第2回転ロール6と同じ速度で回転する押し当てロール7で樹脂厚みを調整する。紫外線硬化型樹脂組成物12に、第2回転ロール6を押し当てた状態で、第2紫外線照射装置8から紫外線を照射して、紫外線硬化型樹脂組成物12を硬度90%以上となるように硬化させて凹凸を固定させる。
次いで、フィルム長手方向に連続した凹凸3aを形成された低硬化体である紫外線硬化型樹脂組成物12を有する透明フィルム11を第2回転ロール6に搬送する。
第2回転ロール6の凹凸ピッチを、第1回転ロール3によって形成された凹凸ピッチに合わせて押し当てると、表面がまだ柔軟であるため変形が起こり、第2回転ロール6に設けられた逆型の凹凸と略同一の凹凸に成型することが可能である。第2回転ロール6を押し当てる際、第2回転ロール6と同じ速度で回転する押し当てロール7で樹脂厚みを調整する。紫外線硬化型樹脂組成物12に、第2回転ロール6を押し当てた状態で、第2紫外線照射装置8から紫外線を照射して、紫外線硬化型樹脂組成物12を硬度90%以上となるように硬化させて凹凸を固定させる。
上記の通り紫外線照射による硬化工程を2段階に分けることで、第2回転ロール6における硬化時には相変化による急激な硬化収縮が少ないため、第2回転ロール6の表面凹凸からほとんどずれることなく、高精度のフィルムレンズを得ることが可能となる。
得られたフィルムレンズは引き取り機9をガイドとして巻き取り機10で巻き取られる。
本発明において使用する透明フィルム11としてはフィルム状の樹脂基材やガラス板等が使用しうる。なかでも、成型物の連続生産性や成型物を巻き取って貯蔵しておくという観点より厚さ1000μm以下の樹脂フィルム基材が望ましい。また、必要に応じて樹脂基材上には易接着層、帯電防止層などを設けてもよい。
本発明で使用する紫外線硬化型樹脂組成物12としては、一般にベースとなるオリゴマーに希釈用のモノマー、光開始剤を加えたものである。
オリゴマーとしては、アクリロイル基、メタアクリロイル基を有するものが好ましく、ポリエーテル(メタ)アクリレート系、ポリエステル(メタ)アクリレート系、エポキシ(メタ)アクリレート系、ウレタン(メタ)アクリレート系、ポリブタジエン(メタ)アクリレート系、などが挙げられる。
モノマーとしては、ヒドロキシプロピルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクイレート、フェノールEO変成アクリレート、2−ヘキシルEO変成アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、イソボルニルアクリレート、アクリロイルモルホリン、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタムなどの単官能アクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ビスフェノール−EO変成ジアクリレート、などの2官能モノマー、或いはトリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、などの多官能アクリレートなどをそれぞれ選択して用いることができる。
オリゴマーとしては、アクリロイル基、メタアクリロイル基を有するものが好ましく、ポリエーテル(メタ)アクリレート系、ポリエステル(メタ)アクリレート系、エポキシ(メタ)アクリレート系、ウレタン(メタ)アクリレート系、ポリブタジエン(メタ)アクリレート系、などが挙げられる。
モノマーとしては、ヒドロキシプロピルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクイレート、フェノールEO変成アクリレート、2−ヘキシルEO変成アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、イソボルニルアクリレート、アクリロイルモルホリン、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタムなどの単官能アクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ビスフェノール−EO変成ジアクリレート、などの2官能モノマー、或いはトリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、などの多官能アクリレートなどをそれぞれ選択して用いることができる。
光重合開始剤としては、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、1-(4-イソプロピルフェニル)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-1-オン、4,6-トリメチルボンゾイルジフェニル-フォスフィンオキサイドなどが挙げられ、これらを複数種使用しても良い。
光重合開始剤としては、紫外線硬化型樹脂組成物中における全紫外線硬化型樹脂に対して0.01〜20重量%添加することが好ましい。
光重合開始剤としては、紫外線硬化型樹脂組成物中における全紫外線硬化型樹脂に対して0.01〜20重量%添加することが好ましい。
また紫外線硬化型樹脂組成物12により形成されるレンズ部の屈折率、可とう性、離型性、密着性、耐光性、制電性などを向上させる目的で、可塑剤、界面活性剤、離型剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、滑剤、着色剤、充填剤などを紫外線硬化型樹脂組成物に配合しても良い。
本発明において、紫外線硬化型樹脂組成物12を第1回転ロール3に塗布するコーティング方法としては、ロールコート法、ブレードコート法、バーコート法、スプレーコート法、カーテンコート法、フローコート法、ディップコート法などを挙げることができるが、作業性を考慮すると樹脂組成物の粘度は低粘度であることが望ましく、そのために該樹脂組成物に溶剤、例えばエチルアルコール、メチルエチルケトン、トルエン、酢酸エチル、ジメチルホルムアミドなどを配合し、適当な塗工粘度に調整してもよい。なお、これらの溶剤を配合する場合には、樹脂組成物を塗布後に溶剤を揮散・乾燥する必要がある。
製造されるフィルムレンズは、表面形状だけでなく透明フィルム11を含めた厚さが立体写真の質に大きく影響するため、厚さの管理が重要である。厚さを一定にするには、第2回転ロール6で紫外線硬化型樹脂組成物12を成型して硬化する時に、透明フィルム11の下面と第2回転ロール6表面の位置関係を所定値に保持することが重要である。本発明では、既にフィルム状に加工された透明フィルム11を用い、成型のために加熱して可塑性を持たせる必要がないため、張力により位置決めすることも可能であるが、より厳密に厚さの管理を行なうためには、透明フィルム11の下面を支持する押し当てロール7を用いる。
第2回転ロール6と押し当てロール7との間隔は、機械的に高精度な位置関係が維持されるため一定厚のフィルムレンズが得られる。
第2回転ロール6と押し当てロール7との間隔は、機械的に高精度な位置関係が維持されるため一定厚のフィルムレンズが得られる。
第1および第2紫外線照射装置5,8は特に限定されず、メタルハライドランプ、キセノンランプ、カーボンアーク灯、ケミカルランプ、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ等のランプが挙げられる。
第1紫外線照射装置5の設置位置は特に限定されないが、第1回転ロール3に塗布された紫外線硬化性樹脂組成物12が透明フィルム11に押し当てられる接触部の真下に設置することが好ましい。
第2紫外線照射装置8の設置位置は特に限定されないが、第2回転ロール6が低硬化体である紫外線硬化性樹脂組成物12に押し当てられる接触部の真下に設置することが好ましい。
紫外線が透明フィルム11を通して該接触部に効率良く当たることで硬化効率に優れると共に、回転ロールの形状に沿ったところで硬化されるので凹凸転写性も非常に良好である。第1コンベア4および押し当てロール7はその内部に紫外線源を設置する場合には、石英ガラスや透明樹脂からなることが好ましい。
第1紫外線照射装置5の設置位置は特に限定されないが、第1回転ロール3に塗布された紫外線硬化性樹脂組成物12が透明フィルム11に押し当てられる接触部の真下に設置することが好ましい。
第2紫外線照射装置8の設置位置は特に限定されないが、第2回転ロール6が低硬化体である紫外線硬化性樹脂組成物12に押し当てられる接触部の真下に設置することが好ましい。
紫外線が透明フィルム11を通して該接触部に効率良く当たることで硬化効率に優れると共に、回転ロールの形状に沿ったところで硬化されるので凹凸転写性も非常に良好である。第1コンベア4および押し当てロール7はその内部に紫外線源を設置する場合には、石英ガラスや透明樹脂からなることが好ましい。
第1硬化工程は、図4に示すように、樹脂供給装置2から供給される液状の紫外線硬化型樹脂組成物12を、サプライ1より一定速度で搬送される透明フィルム11の表面に一定の厚さで塗布したのち、第1回転ロール3で成型しながら紫外線を照射することによって低硬化体とする工程であってもよい。
かかる態様の場合、透明フィルム11上に塗布された紫外線硬化型樹脂組成物12に第1回転ロール3が押し当てられる接触部に紫外線が当たるように紫外線照射装置5を設置することが好ましい。
かかる態様の場合、透明フィルム11上に塗布された紫外線硬化型樹脂組成物12に第1回転ロール3が押し当てられる接触部に紫外線が当たるように紫外線照射装置5を設置することが好ましい。
本発明において、硬化度は、紫外線硬化型樹脂組成物のIRスペクトルを測定し、紫外線硬化型樹脂の硬化に使用される基に起因する吸収(例えば、二重結合に起因する吸収)と、硬化反応によって出現する新たな結合に起因する吸収との比を取ることで評価することができ、樹脂液の時の比を0%、完全硬化の時の比を100%として計算する。
以上が本発明の製造方法の説明であるが、以下、上記の製造方法で作成したレンチキュラーレンズについて説明する。
図1に示す装置を用いて、レンチキュラーレンズフィルムを連続的に製造した。
まず、ポリエステルアクリレート系樹脂からなるオリゴマー60重量部、2−エチルヘキシルアクリレート30重量部、ペンタエリスリトールトリアクリレート3重量部、ベンジルメチルケタール(重合開始剤)2重量部からなる紫外線硬化型樹脂組成物12を樹脂供給装置2より第1回転ロール3に供給し、サプライ1から繰り出される厚さ40μmのポリカーボネートフィルム11(以下、透明フィルム11と称する)の片面に押し当て、塗布した。第1回転ロール3は、図2(a)、(b)に示す形状のロールを使用し、目的とするレンズ部の凹凸とは凹凸ピッチLが略同一で、凹凸高さHがやや高くなるよう、凹凸高さ:50μm、凹凸ピッチL:200μmに設定した。第1回転ロール3と透明フィルム11の間隔T(溝のない部分までの距離)は50μmに設定した。
まず、ポリエステルアクリレート系樹脂からなるオリゴマー60重量部、2−エチルヘキシルアクリレート30重量部、ペンタエリスリトールトリアクリレート3重量部、ベンジルメチルケタール(重合開始剤)2重量部からなる紫外線硬化型樹脂組成物12を樹脂供給装置2より第1回転ロール3に供給し、サプライ1から繰り出される厚さ40μmのポリカーボネートフィルム11(以下、透明フィルム11と称する)の片面に押し当て、塗布した。第1回転ロール3は、図2(a)、(b)に示す形状のロールを使用し、目的とするレンズ部の凹凸とは凹凸ピッチLが略同一で、凹凸高さHがやや高くなるよう、凹凸高さ:50μm、凹凸ピッチL:200μmに設定した。第1回転ロール3と透明フィルム11の間隔T(溝のない部分までの距離)は50μmに設定した。
紫外線量を調整し、第1回転ロール3による成型、硬化後の低硬化体の硬化度を10〜50%とした。硬化度は、紫外線硬化型樹脂組成物12のIRスペクトルを測定し、2重結合に起因する810cm−1の吸収と硬化に無関係な760cm−1の吸収との比を取ることで評価することができ、樹脂液の時の比を0%、完全硬化の時の比を100%として計算した。
得られた低硬化体を、目的とするレンズ部の凹凸と略同一の凹凸の逆型を有する第2回転ロール6に搬送し、第2回転ロール6表面の凹凸ピッチを低硬化体の凹凸ピッチと合わせて押し当てながら、紫外線を照射することによって硬化した。この時、紫外線量を調整して、硬化度が90%以上に硬化した。硬化度90%以上であれば製品として問題ない(硬化度が90%未満であると、レンチキュラーレンズ成形後の経時劣化が大きい。)。
上記の製造方法で形成されたレンチキュラーレンズの寸法は±3μm以内を達成できた。一方、第1回転ロール3での低硬化体とする際に、硬化度を40%とするとその誤差範囲に収まらなかった。一方、硬化度10%未満(例えば5%)とすると、あまりにも未硬化なため第2回転ロール6で成形した後の硬化収縮が大きく、やはり誤差は±3μmに収まらない結果となった。
以上、レンチキュラーレンズの製造を例として本発明にかかる製造方法を説明したが、本発明にかかる製造方法はレンチキュラーレンズに限らず、シリドリカルレンズやフレネルレンズ、リニアフレネルレンズ等の製造にも適用可能である。
また、本発明にかかる製造方法では、第1および第2の型の形状を選択することにより、上記態様のような連続した製造方法には適さない、例えば同心円状にレンズが形成された凸レンズ等も高精度で製造可能である。
1 サプライ、 2 樹脂組成物供給装置、 3 第1回転ロール、 3a 断面半円状の溝からなる凹凸、 4 第1コンベア、 5 第1紫外線照射装置、 6 第2回転ロール、 7 押し当てロール、 8 第2紫外線照射装置、 9 引き取り機、 10 巻き取り機、 11 透明フィルム、 12 紫外線硬化型樹脂組成物、 H 凹凸高さ、 L 凹凸ピッチ、 T 第1回転ロール3と透明フィルム11との間隔。
Claims (4)
- 透明なプラスチック基板の少なくとも片面に凹凸形状のレンズ部を有するプラスチックフィルムレンズの製造方法であって、
紫外線硬化型樹脂組成物を、前記レンズ部とは逆型の凹凸を有する第1の型で前記透明なプラスチック基板上に成型しながら、紫外線照射によって硬化度10〜50%の低硬化体に硬化する第1硬化工程と、
前記低硬化体を、前記レンズ部とは逆型の凹凸を有する第2の型で成型しながら、紫外線照射によって硬化度90%以上に硬化する第2硬化工程と、を含む、プラスチックフィルムレンズの製造方法。 - 前記第1および第2の型が回転ロール状の型であり、搬送する透明なプラスチック基板上に前記第1硬化工程および第2硬化工程を連続的に行う、請求項1記載のプラスチックフィルムレンズの製造方法。
- 前記第1の型の凹凸形状が前記第2の型の凹凸形状よりも大きい、請求項1または2記載のプラスチックフィルムレンズの製造方法。
- 前記第1硬化工程および第2硬化工程において、前記透明なプラスチック基板の第1の型および第2の型を有する面の反対側から紫外線を照射する、請求項1〜3のいずれかに記載のプラスチックフィルムレンズの製造方法。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN102096125A (zh) * | 2011-01-13 | 2011-06-15 | 北京工业大学 | 一种聚光菲涅尔透镜的制造方法及装置 |
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KR101489576B1 (ko) * | 2012-05-10 | 2015-02-03 | 옵티즈 인코포레이티드 | 스탬핑된 다층 폴리머 렌즈의 제조 방법 |
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-
2008
- 2008-03-10 JP JP2008059535A patent/JP2009214387A/ja active Pending
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