以下、本発明の実施の形態にかかるプリンタおよびプリンタの制御方法を図面に基づいて説明する。
(プリンタの概略構成)
図1は、本発明の実施の形態にかかるプリンタ1の概略構成を示す斜視図である。図2は、図1のプリンタ1の紙送りに関する部分の概略構成を示す概略側面図である。図3は、図1のキャリッジ3および図2のPF駆動ローラ6の検出機構を示す概略構成図である。図4は、図2の用紙検出装置14の構成を示す図であり、(A)は側面図、(B)は平面図である。図5は、図2のディスクトレイ85およびその周辺部分の概略構成を示す概略平面図である。図6は、図5のX−X方向からディスクトレイ85およびその周辺部分の概略構成を示す概略側面図である。図7は、図6のY方向からガイド検出装置90およびその周辺部分の概略構成を示す概略正面図であり、(A)はガイド検出装置90がオンの状態を示し、(B)はガイド検出装置90がオフの状態を示す。図8は、本発明の実施の形態にかかる隙間調整機構70の一部を示す斜視図である。図9は、図8の隙間調整機構70の一部を示す側面図である。図10は、図8の隙間調整機構70の一部を示す分解斜視図である。
本形態のプリンタ1は、印刷対象物となる印刷用紙PやCD、DVD等の光ディスクDに対して液体状のインクを吐出して印刷を行うインクジェットプリンタである。本形態のプリンタ1は、図1から図3に示すように、インク滴を吐出する印刷ヘッド2が搭載されたキャリッジ3と、主走査方向MSのキャリッジ3を駆動するキャリッジモータ(CRモータ)4と、印刷用紙Pを副走査方向SSへ搬送する搬送モータとしての紙送りモータ(PFモータ)5と、PFモータ5に連結されたPF駆動ローラ6と、印刷ヘッド2のノズル面(図2の下面)と対向するように配置された対向部材としてのプラテン7と、これらの構成が搭載された本体シャーシ8とを備えている。本形態では、CRモータ4とPFモータ5とは、ともに直流(DC)モータである。
また、プリンタ1は、図2に示すように、印刷前の印刷用紙Pが載置されるホッパ11と、ホッパ11に載置された印刷用紙Pをプリンタ1の内部へ取り込むための給紙ローラ12および分離パッド13と、ホッパ11からプリンタ1の内部へ取り込まれた印刷用紙Pの先端をPF駆動ローラ6へ案内する用紙案内板30と、ホッパ11からプリンタ1の内部へ取り込まれた印刷用紙Pの通過を検出するための用紙検出装置14と、プリンタ1の内部から印刷用紙Pを排出する排紙駆動ローラ15とを備えている。
さらに、プリンタ1は、図2や図5、図6に示すように、光ディスクDが載置されるディスクトレイ85と、このディスクトレイ85をプリンタ1の内部へ案内する2枚のトレイガイド86、86とを備えている。また、本形態のプリンタ1は、図8から図10に示すように、印刷ヘッド2のノズル面とプラテン7との隙間を調整する隙間調整機構70を備えている。そして、本形態のプリンタ1では、印刷用紙Pの厚み等に応じて、印刷ヘッド2のノズル面とプラテン7との隙間を調整する構成となっている。
キャリッジ3は、本体シャーシ8に固定された支持フレーム16に支持されたガイドシャフト17と、タイミングベルト18とによって主走査方向MSに搬送可能に構成されている。すなわち、タイミングベルト18は、その一部がキャリッジ3に固定される(図2参照)とともに、CRモータ4の出力軸に取り付けられたプーリ19と支持フレーム16に回転可能に取り付けられたプーリ20とに掛け渡された状態で一定の張力を有するように配設されている。ガイドシャフト17は、キャリッジ3を主走査方向MSへ案内するように、キャリッジ3を摺動可能に保持している。また、キャリッジ3には、印刷ヘッド2に加え、印刷ヘッド2に供給される各種のインクが収納されたインクカートリッジ21が搭載されている。
印刷ヘッド2には、図示を省略する複数のノズルが配設されている。また、印刷ヘッド2には、たとえば、各ノズルに対応するように、電歪素子の1つであって応答性に優れるピエゾ素子(図示省略)が配設されている。具体的には、ピエゾ素子は、インク通路(図示省略)を形成する壁面に接する位置に配設されている。そして、このピエゾ素子の動作によって壁面が押されることで、印刷ヘッド2は、インク通路の端部に配設されたノズルからインク滴を吐出する。このように、本形態では、印刷ヘッド2は、印刷用紙Pに対して液体状のインクを吐出するインク吐出部となっている。また、インクカートリッジ21には、たとえば、発色が良く画質に優れる染料系インクや、耐水性や耐光性に優れる顔料系インク等が収納され、印刷ヘッド2から染料系インクや顔料系インク等が吐出される。
給紙ローラ12は、図示を省略するギアを介してPFモータ5に連結され、PFモータ5によって駆動される。ホッパ11は、図2に示すように、印刷用紙Pを載置可能な板状部材であり、図示を省略するカム機構によって、上部に設けられた回動軸22を中心に揺動可能となっている。そして、カム機構による揺動によって、ホッパ11の下端部が給紙ローラ12に弾性的に圧接され、また、給紙ローラ12から離間する。分離パッド13は、摩擦係数の高い部材から形成され、給紙ローラ12に対向する位置に配置されている。そして、給紙ローラ12が回転すると、給紙ローラ12の表面と分離パッド13とが圧接する。そのため、給紙ローラ12が回転すると、ホッパ11に載置された印刷用紙Pのうち、一番上の印刷用紙Pは、給紙ローラ12の表面と分離パッド13との圧接部分を通過して排紙側へ送られるが、上から2番目以降に載置された印刷用紙Pは、分離パッド13によって、排紙側への搬送が阻止される。
PF駆動ローラ6は、PFモータ5に直接あるいは図示を省略するギアを介して連結されている。また、図2に示すように、プリンタ1には、PF駆動ローラ6とともに印刷用紙Pを搬送するPF従動ローラ23が設けられている。PF従動ローラ23は、回転軸25を中心に揺動可能に構成された従動ローラホルダ24の排紙側に回動可能に保持されている。従動ローラホルダ24は、図示を省略するバネによって、PF従動ローラ23がPF駆動ローラ6へ向かう付勢力を常時受けるように、図示反時計方向へ付勢されている。そして、PF駆動ローラ6が駆動されると、PF駆動ローラ6とともに、PF従動ローラ23も回転する。
用紙検出装置14は、被検出物となる印刷用紙Pの有無に応じた出力信号を出力する。この用紙検出装置14は、図2および図4に示すように検出レバー26とフォトセンサ27とから構成され、従動ローラホルダ24の近傍に設けられている。フォトセンサ27は、図4(B)に示すように、発光素子(図示省略)を有する発光部45と受光素子(図示省略)を有する受光部46とを備えている。検出レバー26は、回転軸28を中心に回動可能に構成されており、印刷用紙Pがプリンタ1の内部に取り込まれているとき、検出レバー26は図4(A)の実線で示す状態となり、印刷用紙Pがプリンタ1の内部に取り込まれていないとき、検出レバー26は図4(A)の二点鎖線で示す状態となる。すなわち、図4(A)の二点鎖線で示す状態で、プリンタ1の内部に取り込まれた印刷用紙Pの先端が検出レバー26の下端側に当接すると、図4(A)の実線で示すように、検出レバー26が時計方向へ回動して、検出レバー26で遮断されていた発光部45からの光が受光部46で検出される。検出レバー26の下側を印刷用紙Pが通過している間は、発光部45からの光が受光部46で検出されている。また、印刷用紙Pの後端が検出レバー26の下端側から外れ、検出レバー26の下側を印刷用紙Pが通過し終わると、検出レバー26が反時計方向へ回動して、発光部45から受光部46へ向かう光が遮断される。このようにして、用紙検出装置14は印刷用紙Pの通過を検出するために、プリンタ1の内部に取り込まれる印刷用紙Pの有無に応じた出力信号を出力する。
排紙駆動ローラ15は、プリンタ1の排紙側に配置され、図示を省略するギアを介してPFモータ5に連結されている。また、図2に示すように、プリンタ1には、排紙駆動ローラ15とともに印刷用紙Pを排紙する排紙従動ローラ29が設けられている。排紙従動ローラ29も、PF従動ローラ23と同様に、図示を省略するバネによって、常時、排紙駆動ローラ15へ向かう付勢力を受けている。そして、排紙駆動ローラ15が駆動されると、排紙駆動ローラ15とともに、排紙従動ローラ29も回転する。
光ディスクDの印刷時には、図2に示すように、ディスクトレイ85が、プリンタ1の前面側(図1の紙面手前側)からプリンタ1の内部へ出入する。このディスクトレイ85がプリンタ1の内部へ出入する際の妨げとならないように、PF駆動ローラ6やプラテン7、用紙案内板30、排紙駆動ローラ15等は、図示を省略する昇降機構によって、図2に示す状態から下降する構成となっている。すなわち、図2に示す印刷用紙Pへの印刷状態から、PF駆動ローラ6やプラテン7、用紙案内板30、排紙駆動ローラ15等が下降することで、プリンタ1では、ディスクトレイ85の受入が可能となり、光ディスクDへの印刷が可能となる。
また、プリンタ1は、図2および図3に示すように、主走査方向MSにおけるキャリッジ3の位置やキャリッジ3の速度等を検出する位置検出装置として、リニアスケール31およびフォトセンサ32を有するリニアエンコーダ33を備えている。また、プリンタ1は、図3に示すように、副走査方向SSにおける印刷用紙Pの位置や印刷用紙Pの搬送速度等(具体的には、PF駆動ローラ6の回転位置や回転速度等)を検出する位置検出装置として、ロータリスケール34およびフォトセンサ35を有するロータリエンコーダ36を備えている。これらのリニアエンコーダ33およびロータリエンコーダ36から出力された信号は、図3に示すように、制御部37へ入力され、プリンタ1の各種の制御が行われている。なお、図1では、便宜上、リニアスケール31等の図示を省略している。
リニアエンコーダ33を構成するフォトセンサ32は、図2および図3に示すように、発光部41と受光部42とを備えている。このフォトセンサ32は、キャリッジ3の背面(図1の紙面奥側の面)に固定されている。リニアスケール31は、透明な樹脂等の薄板や、ステンレス製の薄鋼板から長尺状(細長の直線状)に形成されている。このリニアスケール31は、主走査方向MSと平行に支持フレーム16に取り付けられている。また、リニアスケール31には、フォトセンサ32の発光部41からの光を透過する透光部(図示省略)と、フォトセンサ32の発光部41からの光を遮断する遮光部(図示省略)とが、長手方向に沿って、交互に形成されている。キャリッジ3が移動すると、フォトセンサ32の発光部41と受光部42との間において、リニアスケール31が相対的に移動する。そして、リニアスケール31の相対的な移動に伴って、フォトセンサ32は、キャリッジ3の移動速度に応じた周期で出力信号を出力する。
ロータリエンコーダ36を構成するフォトセンサ35は、図3に示すように、発光部81と受光部82とを備え、図示を省略するブラケットを介して本体シャーシ8等に固定されている。ロータリスケール34は、ステンレス製の薄鋼板や透明な樹脂製の薄板で、円盤状に形成されている。本形態のロータリスケール34は、PF駆動ローラ6と一体で回転するように、PF駆動ローラ6に取り付けられている。すなわち、PF駆動ローラ6が1回転すると、ロータリスケール34も1回転する。このロータリスケール34には、フォトセンサ35の発光素子からの光を透過する透光部(図示省略)と、フォトセンサ35の発光素子からの光を遮断する遮光部(図示省略)とが、円周方向に沿って、交互に形成されている。PF駆動ローラ6が回転すると、フォトセンサ35の発光部81と受光部82との間において、ロータリスケール34が相対的に回転する。そして、ロータリスケール34の相対的な回転に伴って、フォトセンサ35は、PF駆動ローラ6の回転速度に応じた周期で出力信号を出力する。
ディスクトレイ85は、図5等に示すように、光ディスクDの載置部が形成された箱状の部材である。このディスクトレイ85は、図示を省略するトレイ用モータによって図5の上下方向(図6の左右方向)に移動して、プリンタ1の内部に出入する。トレイガイド86、86は、図5に示すように、主走査方向MSにおけるディスクトレイ85の両側に1枚ずつ設けられている。2枚のトレイガイド86、86はそれぞれ、固定軸88を回転中心として回動可能となっている。また、2枚のトレイガイド86、86の回動は手動(ユーザ)によって行われる。図6の二点鎖線で示す状態が印刷用紙Pへの印刷を行うときのトレイガイド86、86の状態である。また、図6の実線で示す状態が光ディスクDへの印刷を行うときのトレイガイド86、86の状態である。すなわち、図6の二点鎖線で示す状態から、ユーザが固定軸88を中心に2枚のトレイガイド86、86をそれぞれ回動させることで、図6の実線で示す状態となって、2枚のトレイガイド86、86がディスクトレイ85を案内する構成となっている。トレイガイド86、86は、図6の実線で示す状態、および、二点鎖線で示す状態では、図示を省略するコイルバネによって位置決めされて、固定されている。なお、図5では、ディスクトレイ85が上側に移動することで、図6では、ディスクトレイ85が左側に移動することで、ディスクトレイ85はプリンタ1の内部へ挿入される。また、不図示のトレイ用モータは、たとえば、DCモータである。
また、プリンタ1の前面側には、図5から図7に示すように、ディスクトレイ85がプリンタ1の内部に取り込まれたことを検出するためのトレイ検出装置89と、2つのトレイガイド86、86の状態を検出するための2つのガイド検出装置90、90とが設けられている。
トレイ検出装置89は、スイッチレバー89aと接点部89bとから構成される機械式の接点スイッチである。このトレイ検出装置89では、ディスクトレイ85が図6の左側へ移動してスイッチレバー89aに当接し、スイッチレバー89aが時計方向へ所定の角度、回動すると(すなわち、プリンタ1の内部にディスクトレイ85の取り込まれると)、接点部89bの接点(図示省略)がオンの状態となり、ディスクトレイ85が図6の右側に位置してスイッチレバー89aに当接していないと(すなわち、プリンタ1の内部にディスクトレイ85の取り込まれていないと)、接点部89bの接点はオフの状態となる。このように、トレイ検出装置89は、プリンタ1の内部にディスクトレイ85が取り込まれたか否かに応じた(すなわち、プリンタ1内部にディスクトレイ85が有るか無いかに応じた)出力信号を出力する。
ガイド検出装置90も、トレイ検出装置89と同様に、スイッチレバー90aと接点部90bとから構成される機械式の接点スイッチである。このガイド検出装置90では、トレイガイド86が図6の実線で示す状態にあるとき、図7(A)に示すように、スイッチレバー90aにトレイガイド86が当接して、スイッチレバー90aが所定の角度傾き、接点部90bの接点(図示省略)がオンの状態となる。また、図6の二点鎖線で示す状態では、トレイガイド86はスイッチレバー90aから離れている。すなわち、ガイド検出装置90は、図7(B)に示す状態となり、接点部90bの接点はオフの状態となる。このように、ガイド検出装置90は、トレイガイド86の状態に応じた(すなわち、ディスクトレイ85の案内が可能な状態か否かに応じた)出力信号を出力する。
隙間調整機構70は、図8に示すように、カム機構によって、ガイドシャフト17を支持フレーム16に対して昇降させる構成となっている。この隙間調整機構70は、支持フレーム16の一側面(図1における右側面)16a側および他側面(図1における左側面)16b側の両側に設けられている。以下では、支持フレーム16の一側面16a側に設けられた隙間調整機構70を例に、隙間調整機構70の構成を説明する。図8から図10に示すように、隙間調整機構70は、ガイドシャフト17の一端部(図1における右端部)側に固定された偏心カム71と、ガイドシャフト17の一端部に固定された第1従動ギア72と、駆動モータ73(以下、「PGモータ73」と表記する。)の動力を第1従動ギア72に伝達するギア輪列74と、一側面16aに固定され、偏心カム71のカム面71aが当接する固定ピン75と、検出板76およびフォトセンサ77を有し偏心カム71の回転位置(すなわち、印刷ヘッド2のノズル面とプラテン7との隙間)を検出するための隙間検出装置79と、ギア輪列74に連結され検出板76を回転させる第2従動ギア78とを備えている。本形態におけるPGモータ73はDCモータである。
図8に示すように、支持フレーム16の一側面16aには、上下方向に長い長穴状の貫通孔16cが形成されている。ガイドシャフト17は貫通孔16cに挿通されている。また、一側面16aから突出したガイドシャフト17の端部に、偏心カム71と第1従動ギア72とが内側からこの順番で固定されている。固定ピン75は、貫通孔16cの下側に固定され、固定ピン75には、キャリッジ3等の重量によって、偏心カム71のカム面71aが所定の当接力で当接している。また、偏心カム71のカム面71aは、回転中心に対する半径が段階的に変化するように形成されている。たとえば、印刷ヘッド2の高さ方向の位置(すなわち、印刷ヘッド2のノズル面とプラテン7と隙間)を5段階で設定できるように、偏心カム71の回転中心に対するカム面71aの半径は、円周方向で5段階に変化している。
検出板76は、図10に示すように、円盤状に形成されるとともに、円周方向外側に伸びる複数の検出部76a〜76fを備えている。たとえば、検出板76は6枚の検出部76a〜76fを備えている。また、検出板76は、所定の軸等を介して第2従動ギア78に固定され、第2従動ギア78と一体で回転する。フォトセンサ77は、発光部83と受光部84とを備え、検出部76a〜76fが発光部83と受光部84との間を通過できるように配置されている。
隙間調整機構70では、PGモータ73が回転すると、ギア輪列74を介して第1従動ギア72にPGモータ73の駆動力が伝達され、第1従動ギア72とともに、ガイドシャフト17および偏心カム71が回転する。偏心カム71が回転すると、偏心カム71の回転中心となるガイドシャフト17と、偏心カム71のカム面71aが当接する固定ピン75との距離が変動し、支持フレーム16に対して、ガイドシャフト17が昇降する。すなわち、キャリッジ3が昇降する。また、第2従動ローラ78にも、ギア輪列74を介してPGモータ73の駆動力が伝達され、検出板76は第2従動ギア78と一体で回転する。
本形態では、検出部76a〜76fのいずれかが発光部83から受光部84へ向かう光を遮っているときに、印刷ヘッド2の高さは所定の設定高さとなっている。すなわち、検出部76a〜76fのいずれかが発光部83から受光部84へ向かう光を遮っているときに、印刷ヘッド2のノズル面とプラテン7との隙間は、印刷用紙P等の厚さに応じた所定の設定隙間となっている。たとえば、図10に示すように、検出部76eが発光部83から受光部84へ向かう光を遮っているときに、印刷ヘッド2の高さは第1の高さとなっている。ここで、検出部76fが発光部83から受光部84へ向かう光を遮っているときの印刷ヘッド2の高さを第2の高さとすると、印刷ヘッド2の高さを第1の高さから第2の高さへ変更する場合には、PGモータ73で偏心カム71を回転させる。偏心カム71の回転に伴って、検出板76が図10で反時計方向へ回転する。そして、検出部76fが発光部83から受光部84へ向かう光を遮ったときにPGモータ73が停止し、印刷ヘッド2の高さが第2の高さになる。このように、隙間検出装置79は、被検出物となる印刷ヘッド2の設定高さに応じた出力信号を出力する構成となっている。
(プリンタの制御部の概略構成)
図11は、図3に示す制御部37およびその周辺機器の概略構成を示すブロック図である。
制御部37は、図11に示すように、バス48、CPU49、ROM50、RAM51、キャラクタジェネレータ(CG)52、不揮発性メモリ53、ASIC54、DCユニット55、PFモータ駆動回路(PFモータドライバ)56、CRモータ駆動回路(CRモータドライバ)57、PGモータ駆動回路(PGモータドライバ)58、トレイ用モータ駆動回路(トレイ用モータドライバ)59、ヘッド駆動回路(ヘッドドライバ)61等を備えている。
CPU49は、ROM50や不揮発性メモリ53等に記憶されているプリンタ1の制御プログラムを実行するための演算処理やその他必要な演算処理を行う。また、ROM50には、プリンタ1を制御するための制御プログラムおよび処理に必要なデータ等が記憶されている。
RAM51には、CPU49が実行途中のプログラムや演算途中のデータ等が一時的に格納される。CG52には、ASIC54に入力される印刷信号に対応したドットパターンが展開されて記憶されている。不揮発性メモリ53には、プリンタ1の電源を切った後も保存しておくことが必要となる各種のデータが記憶される。
ASIC54は、DCユニット55やヘッド駆動回路61を介して、CRモータ4およびPFモータ5等の各種モータの制御や印刷ヘッド2の制御等を行う。このASIC54は、パラレルインターフェース回路を内蔵しており、インターフェース62を介してコンピュータ63等から供給される印刷信号を受け取ることができるように構成されている。また、図11に示すように、ASIC54には、リニアエンコーダ33のフォトセンサ32およびロータリエンコーダ36のフォトセンサ35からの周期的な出力信号が入力される構成となっている。さらに、ASIC54は、図示を省略する1kHz(キロヘルツ)のタイマと1MHz(メガヘルツ)のタイマとを備えている。すなわち、ASIC54は、1msecのカウント周期のタイマと、1μsecのカウント周期のタイマとを備えている。
ASIC54には、用紙検出装置14からの出力信号が入力され、ASIC54は、入力された出力信号と出力信号に対して設定される閾値とから、プリンタ1の内部に取り込まれる印刷用紙Pの有無を判断するための制御信号を生成する。同様に、ASIC54には、隙間検出装置79、トレイ検出装置89、ガイド検出装置90からの各出力信号が入力され、ASIC54は、入力された各出力信号と各出力信号に対してそれぞれ設定される閾値とから、印刷ヘッド2の位置を判断するための制御信号、ディスクトレイ85の有無を判断するための制御信号およびトレイガイド86の状態を判断するための制御信号を生成する。すなわち、本形態では、ASIC54の一部は、用紙検出装置14、隙間検出装置79、トレイ検出装置89、ガイド検出装置90からそれぞれ出力される出力信号と、それぞれの出力信号に対して設定される閾値とから印刷用紙P、印刷ヘッド2、ディスクトレイ85、ディスクガイド86の状態を判断するための制御信号を生成する制御信号生成部となっている。また、本形態では、ASIC54の一部は、制御信号を生成する際に制御信号生成部に、被検出物となる印刷用紙P、印刷ヘッド2、ディスクトレイ85の状態の判断タイミングを知らせるタイミング信号を出力するタイミング信号出力部となっている。各制御信号の生成方法およびタイミング信号の詳細は後述する。
DCユニット55は、DCモータであるCRモータ4やPFモータ5、PGモータ73等の速度制御を行うための制御回路となっている。このDCユニット55は、ASIC54から送られてくるモータの動作指令信号等に基づいてCRモータ4やPFモータ5、PGモータ73等の速度制御を行うための各種演算を行い、その演算結果に基づいて、PFモータ駆動回路56、CRモータ駆動回路57、PGモータ駆動回路58およびトレイ用モータ駆動回路59へモータ制御信号を出力する。
本形態では、CRモータ4およびPFモータ5の制御方法として、比例制御と積分制御と微分制御とを組み合わせてCRモータ4やPFモータ5の現行回転速度を目標回転速度に収束させるように制御するPID制御が採用されている。すなわち、本形態では、ASIC54は、フォトセンサ32、35からの出力信号に基づくキャリッジ3やPF駆動ローラ6の速度情報信号や位置情報信号を生成して、DCユニット55へ出力する。そして、DCユニット55は、フォトセンサ32の出力信号に基づくASIC54からの速度情報信号や位置情報信号から生成されるPID制御信号をCRモータ駆動回路57へ出力し、フォトセンサ35の出力信号に基づくASIC54からの速度情報信号や位置情報信号から生成されるPID制御信号をPFモータ駆動回路56へ出力する。
なお、DCユニット55では、フォトセンサ32からの出力信号の周期に応じたPID制御の制御周期(演算周期)で、CRモータ駆動回路57へ出力されるPID制御信号が生成される。このPID制御の制御周期は、たとえば、58.5μsecである。また、DCユニット55では、フォトセンサ35からの出力信号の周期に応じたPID制御の制御周期で、PFモータ駆動回路56へ出力されるPID制御信号が生成される。このPID制御の制御周期は、たとえば、64μsecである。
PFモータ駆動回路56は、DCユニット55からのモータ制御信号によってPFモータ5を駆動制御する。本形態では、PFモータ5の制御方法として、たとえば、PWM(Pulse Width Modulation)制御が採用されており、PFモータ駆動回路56は、PWM駆動信号を出力する。また、CRモータ駆動回路57、PGモータ駆動回路58およびトレイ用モータ駆動回路59も同様に、DCユニット55からのモータ制御信号によってCRモータ4やPGモータ73等を駆動制御する。本形態では、CRモータ4およびPGモータ73はPFモータ5と同様に、PWM制御で制御されている。
ヘッド駆動回路61は、CPU49やASIC54から送られてくる動作指令等に基づいて、印刷ヘッド2のノズル(図示省略)を駆動する。
バス48は、上述した制御部37の各構成を接続する信号線である。このバス48によって、CPU49、ROM50、RAM51、CG52、不揮発性メモリ53やASIC54等は、相互に接続され、これらの間でデータの授受を行うように構成されている。
(プリンタの概略動作)
以上のように構成されたプリンタ1では、図2に示すように、PF駆動ローラ6やプラテン7、用紙案内板30、排紙駆動ローラ15等が上昇した状態で、印刷用紙Pの印刷を行う。この印刷用紙Pの印刷時には、給紙ローラ12や分離パッド13によってホッパ11からプリンタ1の内部に取り込まれた印刷用紙Pを、PFモータ5で回転駆動されたPF駆動ローラ6で副走査方向SSへ送りながら、CRモータ4で駆動されたキャリッジ3が主走査方向MSで往復移動する。キャリッジ3が往復移動する際には、印刷ヘッド2からインク滴が吐出され、印刷用紙Pへの印刷が行われる。また、印刷用紙Pへの印刷が終了すると、排紙駆動ローラ15等によって印刷用紙Pはプリンタ1の外部へ排出される。印刷用紙Pの印刷時には、用紙検出装置14は、プリンタ1の内部に取り込まれる印刷用紙Pの有無に応じた出力信号を出力する。そして、この出力信号から生成される制御信号に基づいて、プリンタ1は、印刷ヘッド2やPF駆動ローラ6等の所定の制御を行う。
プリンタ1では、光ディスクDの印刷時には、図2に示す状態から、PF駆動ローラ6やプラテン7、用紙案内板30、排紙駆動ローラ15等が下降する。また、ユーザは、トレイガイド86、86が図6の二点鎖線で示す状態から図6の実線で示す状態となるように、トレイガイド86、86を回動する。その後、トレイ用モータ(図示省略)によってディスクトレイ85に載置された光ディスクDを前面側からプリンタ1の内部に取り込みながら、CRモータ4で駆動されたキャリッジ3が主走査方向MSで往復移動する。キャリッジ3が往復移動する際には、印刷ヘッド2からインク滴が吐出され、光ディスクDへの印刷が行われる。また、光ディスクDへの印刷が終了すると、トレイ用モータによって光ディスクDはプリンタ1の前面側へ排出される。光ディスクDの印刷時には、トレイ検出装置89は、ディスクトレイ85の有無に応じた出力信号を出力し、ガイド検出装置90は、トレイガイド86の状態に応じた出力信号を出力する。そして、これらの出力信号からそれぞれ生成される制御信号に基づいて、プリンタ1は、印刷ヘッド2やトレイ用モータ等の所定の制御を行う。
なお、印刷用紙P等の印刷時には、必要に応じて、印刷ヘッド2のノズル面とプラテン7との隙間を隙間調整機構70で調整する。たとえば、印刷用紙Pの厚さが変更になる場合等に印刷ヘッド2のノズル面とプラテン7との隙間を調整する。この調整時には、隙間検出装置79は、印刷ヘッド2の位置に応じた出力信号を出力する。そして、この出力信号から生成される制御信号に基づいて、プリンタ1は、印刷ヘッド2やPF駆動ローラ6等の所定の制御を行う。
(制御信号の生成方法)
図12は、図4の用紙検出装置14からの出力信号の波形と印刷用紙Pの有無を判断するための制御信号の波形との関係を示す図であり、(A)は複数の印刷用紙Pに対する連続印刷時における用紙検出装置14からの出力信号S1の波形を示し、(B)は連続印刷時における制御信号S11の波形を示し、(C)は1枚の印刷用紙Pに対する1枚印刷時における用紙検出装置14からの出力信号S2の波形を示し、(D)は1枚印刷時における制御信号S21の波形を示す。図13は、図10の隙間検出装置79からの出力信号の波形と印刷ヘッド2の位置を判断するための制御信号の波形との関係を示す図であり、(A)は隙間検出装置79からの出力信号S3の波形を示し、(B)は制御信号S31の波形を示す。図14は、図5のトレイ検出装置89からの出力信号の波形とディスクトレイ85の有無を判断するための制御信号の波形との関係を示す図であり、(A)はトレイ検出装置89からの出力信号S4の波形を示し、(B)は制御信号S41の波形を示す。図15は、図5のガイド検出装置90からの出力信号の波形とトレイガイド86の状態を判断するための制御信号の波形との関係を示す図であり、(A)はガイド検出装置90からの出力信号S5の波形を示し、(B)は制御信号S51の波形を示す。
以下、プリンタ1の内部に取り込まれる印刷用紙Pの有無を判断するための制御信号、印刷ヘッド2の位置を判断するための制御信号、ディスクトレイ85の有無を判断するための制御信号およびトレイガイド86の状態を判断するための制御信号の生成方法を順次説明する。
最初に、プリンタ1の内部に取り込まれる印刷用紙Pの有無を判断するための制御信号の生成方法を説明する。本形態では、複数の印刷用紙Pに対して連続で印刷を行う連続印刷時における制御信号の生成方法と、1枚の印刷用紙Pに対して印刷を行う1枚印刷時における制御信号の生成方法とが相違する。また、連続印刷時においても、1枚目の印刷用紙Pの先端および最後の印刷用紙Pの後端を判断するための制御信号の生成方法と、1枚目以降最後から2枚目の印刷用紙Pの後端および2枚目以降の印刷用紙Pの先端を判断するための制御信号の生成方法とが相違する。
まず、連続印刷時における制御信号の生成方法を説明する。以下では、3枚の印刷用紙Pに対して連続印刷を行う場合を例に、連続印刷時のおける制御信号の生成方法を説明する。本形態では、図4(A)の二点鎖線で示すように、検出レバー26が発光部45から受光部46へ向かう光を遮断するときに、用紙検出装置14はローレベルの出力信号を出力し、図4(B)の実線で示すように、発光部45からの光が受光部46で受光されるときに、用紙検出装置14はハイレベルの出力信号を出力する。したがって、連続印刷時には、たとえば、図12(A)に示す波形の出力信号S1を用紙検出装置14が出力する。なお、1枚印刷時には、たとえば、図12(C)に示す波形の出力信号S2を用紙検出装置14が出力する。
ここで、図12(A)に示す出力信号S1には、出力信号S1がローレベルからハイレベルへ、あるいは、ハイレベルからローレベルへレベル変化するたびに、ほぼ同じ大きさの電気的なノイズN1〜N6が1回ずつ発生している。このノイズN1〜N6は説明の便宜上のものであり、出力信号S1のレベル変化のたびにノイズが発生するとは限らない。また、ノイズの大きさは一律ではなく、レベル変化後のノイズの発生回数も1回とは限らない。また、図12(C)、図13〜図16におけるノイズN7〜N14についても同様である。なお、実際は、連続印刷時において、ある印刷用紙Pの後端が検出レバー26の下端側から外れ、次の印刷用紙Pの先端が検出レバー26の下端側に当接するときに、用紙検出装置14からの出力信号S1にノイズが発生しやすい。すなわち、検出レバー26が揺動するとき、出力信号S1にノイズが発生しやすい。
用紙検出装置14からの出力信号S1に対しては、図12(A)に示すように、所定の閾値t1を設定する。本形態では、上側閾値t11と下側閾値12とを有する閾値t1を設定する。そして、出力信号S1と閾値t1とからプリンタ1の内部に取り込まれる印刷用紙Pの有無を判断するためのデジタル的な制御信号S11を生成する。これらの処理は、ASIC54の制御信号生成部が行う。なお、本形態では、制御信号S11がハイレベルのときには、プリンタ1の内部に印刷用紙Pが取り込まれている(すなわち、印刷用紙Pがある)と判断し、ローレベルのときには、プリンタ1の内部に印刷用紙Pが取り込まれていない(すなわち、印刷用紙Pがない)と判断する。
また、ASIC54のタイミング信号出力部は、印刷用紙Pの先端および後端を判断する判断タイミングを制御信号生成部に知らせるタイミング信号F10〜F12、F20〜F22を出力する。図12(A)に示すように、タイミング信号F10〜F12は、印刷用紙Pの先端の判断タイミングを制御信号生成部に知らせる信号である。このタイミング信号F10〜F12は、たとえば、印刷用紙Pをプリンタ1の内部へ取り込むための給紙ローラ12への動作指令信号である。また、タイミング信号F20〜F22は、印刷用紙Pの後端の判断タイミングを制御信号生成部に知らせる信号である。
連続印刷時において、1枚目の印刷用紙Pの先端を判断する場合には、タイミング信号(給紙ローラ12への動作指令信号)F10が出力された後に用紙検出装置14から出力された出力信号S1が、閾値t1に達するレベル変化を所定の回数したとき(この場合には1回、すなわち、最初に閾値t1に達するレベル変化をしたとき)に、制御信号S11を確定し、次のタイミング信号となるタイミング信号F20が出力されるまで、制御信号S11を変化させない先読み方法で制御信号S11を生成する。すなわち、図12(A)に示すように、タイミング信号F10が出力された後の出力信号S1のレベルが、最初に、下側閾値t12よりも高くなった時点R1で、制御信号S11はローレベルからハイレベルにレベル変化して、タイミング信号F20が出力されるまではレベル変化しない。そのため、制御信号S11のレベル変化後に、上側閾値t11に達する(上側閾値t11よりも低くなる)ノイズN1が発生しても制御信号S11はハイレベルのままで、レベル変化をしない。仮に、出力信号S1のレベルが下側閾値t12よりも高くなった時点R1で、制御信号S11を確定しない場合には、ノイズN1によって制御信号S11にレベル変化C1が発生する。そして、1枚目の印刷用紙Pの取込が終わり、2枚目の印刷用紙Pの取込が始まったものと誤った判断がなされる。
同様に、連続印刷時において、最後の印刷用紙P(図12(A)に示す例では3枚目)の後端を判断する場合にも、先読み方法で制御信号S11を作成する。すなわち、図12(A)に示すように、タイミング信号F22が出力された後の出力信号S1のレベルが、最初に、上側閾値t11に達した(上側閾値t11よりも低くなった)時点R4で、制御信号S11はハイレベルからローレベルにレベル変化して、次のタイミング信号となるタイミング信号(次の連続印刷時に、1枚目の印刷用紙Pの先端を判断する判断タイミングを知らせるタイミング信号)F10が出力されるまでレベル変化しない。そのため、制御信号S11のレベル変化後に、下側閾値t12に達するノイズN6が発生しても制御信号S11はローレベルのままで、レベル変化をしない。
これに対して、連続印刷時において、1枚目以降最後から2枚目(図12(A)に示す例では2枚)の印刷用紙Pの後端および2枚目以降の印刷用紙Pの先端を判断する場合には、タイミング信号F11、F12、F20、F21が出力された後に用紙検出装置14から出力された出力信号S1が、閾値t1に達するレベル変化をしたときに、制御信号S11を確定し、その後の所定のマスク時間Tは、制御信号S11を変化させないマスク読み方法で制御信号S11を生成する。すなわち、図12(A)に示すように、たとえば、タイミング信号F20が出力された後の出力信号S1のレベルが、上側閾値t11に達した(上側閾値t11よりも低くなった)時点R2で、制御信号S11はハイレベルからローレベルにレベル変化して、その後、マスク時間Tの間は変化しない。また、マスク時間Tの間、制御信号S11は変化しないため、タイミング信号F11が出力された後の出力信号S1が、マスク時間Tの経過後で、かつ、下側閾値t12よりも高くなった時点R3で、制御信号S11はローレベルからハイレベルにレベル変化して、その後、また、マスク時間Tの間は変化しない。そのため、制御信号S11のレベル変化後に、下側閾値t12に達するノイズN2や上側閾値t11に達するノイズN3が発生しても制御信号S11はレベル変化をしない。
ここで、タイミング信号F10〜F12、F20〜F22が出力された後に、出力信号S1のレベル変化を判定するための判定周期は、たとえば、CRモータ4やPFモータ5のPID制御の制御周期である。本形態では、出力信号S1のレベル変化の判定周期としてPFモータ5のPID制御の制御周期が用いられており、たとえば、64μsecの周期で出力信号S1のレベル変化が判定される。
また、マスク時間Tは、プリンタ1における印刷用紙Pの最大取込速度やフォトセンサ27の反応速度を考慮して決定するのが好ましい。すなわち、ある印刷用紙Pの後端が検出レバー26の下端側から外れた後、次の印刷用紙Pの先端が検出レバー26の下端側に当接するまでの最短時間やフォトセンサ27の反応速度を考慮して、マスク時間Tを決定するのが好ましい。このように構成することで、マスク時間Tを設定しても、印刷用紙Pの先端を確実に検出することができる。たとえば、本形態では、印刷用紙Pの最大取込速度は、11.6ips(inch/sec)であり、マスク時間Tは、20msecとなっている。
なお、マスク時間Tは、5msec以上とすることが好ましい。本願出願人は、種々の検討により、用紙検出装置14からの出力信号S1の電気的なノイズの発生原因は、フォトセンサ27の端子部(図示省略)に生じる静電気であることを知見しており、また、この静電気を原因とする電気的なノイズは、印刷用紙Pの後端が検出レバー26の下端側から外れた後、あるいは、印刷用紙Pの先端が検出レバー26の下端側に当接した後、約1〜3msecで発生することを知見しているからである。したがって、マスク時間Tを5msec以上とすることで、出力信号S1に生じる電気的なノイズの影響を排除した制御信号S11の生成が可能となる。
また、マスク時間Tは、ASIC54の内部の1kHzのタイマでカウントされる。すなわち、本形態では、上述のように、タイミング信号F11、F12、F20、F21が出力された後に、出力信号S1のレベル変化を判定するための判定周期は、PID制御の制御周期であるのに対し、マスク時間TはPID制御の制御周期ではカウントされず、1kHzのタイマでカウントされる。より具体的には、たとえば、タイミング信号F20が出力された後の出力信号S1のレベルが、上側閾値t11に達する時点R2までは、PID制御の制御周期で出力信号S1のレベル変化を判定し、上側閾値t11に達した時点R2で1kHzのタイマが割り込んで、マスク時間Tをカウントする。また、マスク時間Tのカウントが終了すると(マスク時間Tが経過すると)、再び、PID制御の制御周期で、出力信号S1のレベル変化を判定する。なお、本形態では、マスク時間Tが、たとえば、20msecであるため、マスク時間Tのカウントに1kHzのタイマを用いるのが好ましいが、マスク時間Tによっては、1MHzのタイマを用いてマスク時間Tをカウントしても良い。
次に、1枚印刷時における制御信号の生成方法を説明する。連続印刷時と同様に、用紙検出装置14からの出力信号S2に対しては、図12(C)に示すように、上側閾値t11と下側閾値12とを有する所定の閾値t1を設定する。そして、出力信号S2と閾値t1とからプリンタ1の内部に取り込まれる印刷用紙Pの有無を判断するためのデジタル的な制御信号S21を生成する。また、制御信号S21がハイレベルのときには、プリンタ1の内部に印刷用紙Pが取り込まれていると判断し、ローレベルのときには、プリンタ1の内部に印刷用紙Pが取り込まれていないと判断する。さらに、連続印刷時と同様に、ASIC54のタイミング信号出力部は、印刷用紙Pの先端および後端を判断する判断タイミングを制御信号生成部に知らせるタイミング信号F30、F40を出力する。タイミング信号F30は、印刷用紙Pの先端の判断タイミングを制御信号生成部に知らせる信号であり、たとえば、印刷用紙Pをプリンタ1の内部へ取り込むための給紙ローラ12への動作指令信号である。また、タイミング信号F40は、印刷用紙Pの後端の判断タイミングを制御信号生成部に知らせる信号である。
本形態では、1枚印刷時に、印刷用紙Pの先端および後端を判断する場合には、先読み方法で制御信号S21を生成する。すなわち、図12(C)に示すように、タイミング信号F30が出力された後の出力信号S2のレベルが、最初に、下側閾値t12よりも高くなった時点R5で、制御信号S21はローレベルからハイレベルにレベル変化して、タイミング信号F40が出力されるまではレベル変化しない。そのため、制御信号S12のレベル変化後に、上側閾値t11に達するノイズN7が発生しても制御信号S21はハイレベルのままで、レベル変化しない。また、タイミング信号F40が出力された後の出力信号S2が、最初に、上側閾値t11に達した時点R6で、制御信号S21はハイレベルからローレベルにレベル変化して、次のタイミング信号が出力されるまでレベル変化しない。そのため、制御信号S12のレベル変化後に、下側閾値t12に達するノイズN8が発生しても制御信号S11はローレベルのままで、レベル変化しない。
続いて、印刷ヘッド2の位置を判断するための制御信号の生成方法を説明する。以下では、図10に示すように、検出部76eが発光部83から受光部84へ向かう光を遮っている状態(すなわち、印刷ヘッド2が第1の高さとなっている状態)から、検出部76bが発光部83から受光部84へ向かう光を遮っている状態(このときの印刷ヘッド2の高さを第4の高さとする)へ、印刷ヘッド2の位置が変化する場合を例に制御信号の生成方法を説明する。
本形態では、図10に示すように、検出部76e等が発光部83から受光部84へ向かう光を遮断するときに、隙間検出装置79はハイレベルの出力信号を出力し、発光部83からの光が受光部84で受光されるときに、隙間検出装置79はローレベルの出力信号を出力する。したがって、たとえば、図13(A)に示す波形の出力信号S3を隙間検出装置79が出力する。この出力信号S3に対しては、図13(A)に示すように、上側閾値t31と下側閾値t32とを有する所定の閾値t3を設定する。そして、出力信号S3と閾値t3とから印刷ヘッド2の位置を判断するための制御信号S31を生成する。なお、本形態では、制御信号S31がハイレベルのときには、印刷ヘッド2の高さが所定の設定高さになっていると判断し、ローレベルのときには、印刷ヘッド2の高さが所定の設定高さになっていないと判断する。
また、ASIC54のタイミング信号出力部は、印刷ヘッド2の位置を判断する判断タイミングを制御信号生成部に知らせるタイミング信号F50を出力する。このタイミング信号F50は、たとえば、印刷ヘッド2の高さを変更するためのPGモータ73への動作指令信号である。
本形態では、印刷ヘッド2の位置を判断するための制御信号S31を先読み方法で生成する。すなわち、図13に示すように、タイミング信号(PGモータ73への動作指令信号)F50が出力された後に隙間検出装置79から出力された出力信号S3が、閾値t3に達するレベル変化を所定の回数したときに、制御信号S31を確定し、次のタイミング信号となるタイミング信号F50が出力されるまで、制御信号S31を変化させない。
具体的には、PGモータ73への動作指令信号(タイミング信号F50)により、検出板76がたとえば、反時計方向へ回転して、検出部76eがフォトセンサ77の検知領域(発光部83と受光部84との間)から抜け、検出部76f、76aが順次フォトセンサ77の検知領域を通過し、その後、検出部76bが発光部83から受光部84へ向かう光を遮断する。その間、隙間検出装置79から出力された出力信号S3は、ハイレベルからローレベルへ、および、ローレベルからハイレベルへ閾値t3を横切って6回変化する。そして、図13(A)に示すように、タイミング信号F50が出力された後の出力信号S3が、閾値t3に達する6回目のレベル変化をした時点R7で、制御信号S31はローレベルからハイレベルにレベル変化して確定し、次のタイミング信号F50が出力されるまではレベル変化しない。そのため、制御信号S31のレベル変化後に、上側閾値t31に達するノイズN9が発生しても制御信号S31はハイレベルのままで、レベル変化をしない。
続いて、ディスクトレイ85の有無を判断するための制御信号の生成方法を説明する。本形態では、図7(A)に示すように、接点部89bの接点がオンの状態にあるときに、トレイ検出装置89はハイレベルの出力信号を出力し、図7(B)に示すように、接点部89bの接点がオフの状態にあるときに、ローレベルの出力信号を出力する。したがって、たとえば、図14(A)に示す波形の出力信号S4をトレイ検出装置89が出力する。この出力信号S4に対しては、図14(A)に示すように、上側閾値t41と下側閾値t42とを有する所定の閾値t4を設定する。そして、出力信号S4と閾値t4とからディスクトレイ85の有無を判断するための制御信号S41を生成する。なお、本形態では、制御信号S41がハイレベルのときには、ディスクトレイ85がプリンタ1の内部に取り込まれていると判断し、制御信号S41がローレベルにあるときには、ディスクトレイ85がプリンタ1の内部に取り込まれていないと判断する。
また、ASIC54のタイミング信号出力部は、ディスクトレイ85の有無の判断タイミングを制御信号生成部に知らせるタイミング信号F60、F70を出力する。このタイミング信号F60、F70は、たとえば、ディスクトレイ85をプリンタ1の内部へ取り込むためのトレイ用モータへの動作指令信号である。なお、タイミング信号F60は、ディスクトレイ85のプリンタ1の内部への取込を判断する判断タイミングを制御信号生成部に知らせる信号であり、タイミング信号F70は、ディスクトレイ85のプリンタ1の内部からの取出を判断する判断タイミングを制御信号生成部に知らせる信号である。
本形態では、ディスクトレイ85の有無を判断するための制御信号S41を先読み方法で生成する。すなわち、図14に示すように、タイミング信号(トレイ用モータへの動作指令信号)F60が出力された後に、トレイ検出装置89から出力された出力信号S4が、閾値t4に達する最初のレベル変化をしたときに、制御信号S41を確定し、次のタイミング信号となるタイミング信号F70が出力されるまで、制御信号S41を変化させない。具体的には、図14(A)に示すように、タイミング信号F60が出力された後の出力信号S4のレベルが、下側閾値t42よりも高くなった時点R8で、制御信号S41はローレベルからハイレベルにレベル変化して確定し、次のタイミング信号F70が出力されるまではレベル変化しない。そのため、制御信号S41のレベル変化後に、上側閾値t41に達するノイズN10が発生しても制御信号S41はハイレベルのままで、レベル変化をしない。
同様に、図14に示すように、タイミング信号F70が出力された後に、トレイ検出装置89から出力された出力信号S4が、最初に閾値t4に達するレベル変化したときに、制御信号S41を確定し、次のタイミング信号となるタイミング信号F60が出力されるまで、制御信号S41を変化させない。すなわち、図14(A)に示すように、タイミング信号F70が出力された後の出力信号S4のレベルが、上側閾値t41よりも低くなった時点R9で、制御信号S41はハイレベルからローレベルにレベル変化して確定し、次のタイミング信号F60が出力されるまではレベル変化しない。そのため、制御信号S41のレベル変化後に、下側閾値t42に達するノイズN11が発生しても制御信号S41はローレベルのままで、レベル変化をしない。
最後に、トレイガイド86の状態を判断するための制御信号の生成方法を説明する。本形態では、図7(A)に示すように、接点部90bの接点がオンの状態のときに、ガイド検出装置90はハイレベルの出力信号を出力し、図7(B)に示すように、接点部90bの接点がオフの状態にあるときに、ローレベルの出力信号を出力する。したがって、たとえば、図15(A)に示す波形の出力信号S5をガイド検出装置90が出力する。この出力信号S5に対しては、図15(A)に示すように、上側閾値t51と下側閾値t52とを有する所定の閾値t5を設定する。そして、出力信号S5と閾値t5とからトレイガイド86の状態を判断するための制御信号S51を生成する。なお、本形態では、制御信号S51がハイレベルのときには、トレイガイド86は、図6の実線で示すように、ディスクトレイ85の案内が可能な状態と判断し、制御信号S51がローレベルのときには、トレイガイド86は、図6の二点鎖線で示すように、ディスクトレイ85の案内ができない状態と判断する。
本形態では、出力信号S5のレベル変化に応じた制御信号を生成する通常読み方法で、トレイガイド86の状態を判断するための制御信号S51を生成する。すなわち、図15に示すように、ガイド検出装置90から出力された出力信号S5が、閾値t5に達するレベル変化をするたびに、制御信号S51は、ローレベルからハイレベル、あるいは、ハイレベルからローレベルに変化する。そのため、電気的なノイズN12、N13が発生した場合には、制御信号S51には、レベル変化C2、C3が生じる。しかし、この出力信号S5に、閾値t5に達するようなノイズが発生することは稀である。
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態では、ASIC54が、マスク読み方法で制御信号S11を生成する際のマスク時間Tをカウントするための1kHzのタイマや1MHzのタイマを備えている。そのため、マスク時間Tに合った適切な周波数(周期)で動作するタイマによって、マスク時間Tをカウントすることができる。その結果、マスク時間Tのカウント処理が簡素化される。すなわち、たとえば20msecのマスク時間Tを、たとえば64μsecのPID制御の制御周期でカウントすると、マスク時間Tのカウント処理が複雑になるが、1msecがカウント周期となる1kHzのタイマで20msecのマスク時間Tをカウントする場合には、マスク時間Tのカウント処理が簡素化される。
また、本形態では、タイミング信号F20、F21、F11、F12が出力された後の出力信号S1のレベル変化の判定周期は、PFモータ5のPID制御の制御周期である。そのため、印刷用紙Pの有無を判断するための出力信号S1のレベル変化を適切な周期で判定することが可能となる。すなわち、出力信号S1のレベル変化の判定周期として、1kHzや1MHzのタイマのカウント周期とは無関係に、適切な制御周期を選定できるため、適切な判定周期で判定された出力信号S1のレベル変化に基づいて、プリンタ1の内部に取り込まれる印刷用紙Pの有無を適切に判断することができる。
特に、本形態では、出力信号S1のレベル変化の判定周期は、PFモータ5のPID制御の制御周期である。そのため、判定周期として利用しやすいPFモータ5のPID制御の制御周期を利用でき、出力信号S1のレベル変化の判定処理が簡素化される。
本形態では、連続印刷時において、プリンタ1の内部に取り込まれる印刷用紙Pの有無を判断するための制御信号S11は、1枚目以降最後から2枚目の印刷用紙Pの後端および2枚目以降の印刷用紙Pの先端を判断するときには、マスク読み方法で生成される。そのため、用紙検出装置14の下側をある印刷用紙Pの後端が通過した後、次の印刷用紙Pの先端が通過するまでの時間を考慮した適切なマスク時間Tを設定することでき、連続印刷時においても、印刷用紙Pの有無の適切な判断が可能となる。
すなわち、連続印刷時の1枚目以降最後から2枚目の印刷用紙Pの後端および2枚目以降の印刷用紙Pの先端を判断するための制御信号S11を先読み方法で生成すると、検出レバー26が頻繁に揺動し、かつ、タイミング信号も頻繁に出力されるため、タイミング信号の出力タイミングと電気的なノイズの発生タイミングとの関係で、印刷用紙Pの有無の適切な判断は困難になる。たとえば、図12(A)に示すように、連続印刷時には、タイミング信号F11の出力タイミングがノイズN2の発生タイミングよりも早くなる場合が起こり得る。そのため、先読み方法で制御信号S11を生成すると、印刷用紙Pの有無を誤検出するおそれがある。これに対し、マスク読み方法で制御信号S11を生成すると、この誤検出の発生を防止し、プリンタ1の内部に取り込まれる印刷用紙Pの有無を適切に判断することができる。
(他の実施の形態)
上述した形態は、本発明の好適な実施の形態の例であるが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変形、変更が可能である。
たとえば、上述した形態では、出力信号S1のレベル変化の判定周期としてPFモータ5のPID制御の制御周期が用いられている。この他にもたとえば、出力信号S1のレベル変化の判定周期としてCRモータ4のPID制御の制御周期を用いても良い。また、出力信号S1のレベル変化の判定周期は、CRモータ4やPFモータ5のPID制御の制御周期には限定されず、プリンタ1の制御を行うための他の制御周期であっても良い。
また、上述した形態では、ASIC54は、1kHzのタイマと1MHzのタイマとを備えているが、マスク時間Tをカウントするためのタイマは、これらのタイマには限定されない。すなわち、ASIC54が備えるタイマは、マスク時間Tに応じた他の周期(周波数)のタイマであっても良い。
さらに、上述した形態では、1枚印刷時においてプリンタ1の内部に取り込まれる印刷用紙Pの有無を判断するための制御信号S21は、先読み方法で生成されている。この他にもたとえば、1枚印刷時においてプリンタ1の内部に取り込まれる印刷用紙Pの有無を判断するための制御信号S21を、マスク読み方法で生成しても良い。また、連続印刷時においてプリンタ1の内部に取り込まれる印刷用紙Pの有無を判断するための制御信号S11は、1枚目の印刷用紙Pの先端および最後の印刷用紙Pの後端を判断するときには先読み方法で生成されているが、このときにも、マスク読み方法で制御信号S11を生成しても良い。さらに、印刷ヘッド2の位置を判断するための制御信号S31やディスクトレイ85の有無を判断するための制御信号S41等をマスク読み方法で生成しても良い。これらの場合には、所定のマスク時間に応じたタイマをASIC54に設けて、このタイマでマスク時間をカウントするとともに、出力信号S3、S4等のレベル変化の判定周期をタイマのカウント周期以外の所定の制御周期とすれば良い。
さらにまた、上述した形態では、ASIC54の一部が制御信号生成部となっている。この他にもたとえば、用紙検出装置14、隙間検出装置79、トレイ検出装置89およびガイド検出装置90がそれぞれ制御信号生成部を備えるように構成しても良い。
また、上述した形態では、閾値t1〜t5は上側閾値t11〜t51および下側閾値t12〜t52を有する所定の閾値である。この他にもたとえば、閾値t1〜t5は、1つの値を有するものであっても良いし、所定範囲で設定されるものであっても良い。また、上述した形態では、出力信号S1〜S5が上側閾値t11〜t51や下側閾値t12〜t52を横切った時点で制御信号S1〜S5がレベル変化をしている。この他にもたとえば、出力信号S1〜S5が上側閾値t11〜t51や下側閾値t12〜t52を横切った時点から所定時間継続してその状態を満足したら制御信号S1〜S5がレベル変化するようにしても良く、この場合も本発明の「出力信号が閾値に達するレベル変化をしたとき」に該当する。
さらに、上述した形態では、用紙検出装置14は、検出レバー26とフォトセンサ27とから構成される光学式の検出装置であり、隙間検出装置79は、検出板76とフォトセンサ77とから構成される光学式の検出装置である。この他にもたとえば、用紙検出装置14や隙間検出装置79は、スイッチレバーを有する接点スイッチからなる機械式の検出装置であっても良い。また、トレイ検出装置89やガイド検出装置90は、スイッチレバー89a、90aと接点部89b、90bとから構成される機械式の接点スイッチであるが、トレイ検出装置89やガイド検出装置90は、光学式の検出装置であっても良い。
また、上述した形態では、プリンタ1として、印刷用紙P等に対して液体状のインクを吐出して印刷を行うインクジェットプリンタを例に本発明の構成を説明したが、本発明の構成は、レーザープリンタやその他のプリンタにも適用可能である。
なお、制御信号の生成方法として、図16に示すように、タイミング信号F100が出力された後の所定時間T10内における検出装置からの出力信号S6の中で所定の閾値t6(上側閾値t61と下側閾値t62とを有する閾値t6)に達した最後のレベル変化に基づいて制御信号S61を確定し(すなわち、出力信号S6の最後のレベル変化が立ち上がりであれば、制御信号S61をハイレベルに確定し、出力信号S6の最後のレベル変化が立ち下がりであれば、制御信号S61をローレベルに確定し)、次のタイミング信号F100が出力されるまで、制御信号S61を変化させない後読み方法を採用し、所定の被検出物の状態を判断するための制御信号S61を生成しても良い。すなわち、タイミング信号F100が出力された後の所定時間T10内における検出装置からの出力信号S6の中で、最後に閾値t6に達した時点R10で、制御信号S61はローレベルからハイレベルにレベル変化して、次のタイミング信号F100が出力されるまでレベル変化しないように制御信号S61を生成しても良い。このように制御信号S61を生成すると、閾値t6に達する最後のレベル変化の前に、出力信号S6にノイズN14が発生しても制御信号S61は、レベル変化しない。そのため、被検出物の構成上、被検出物の状態が変化した後に、電気的なノイズが発生しにくいときには、後読み方法で制御信号S61を生成すると、被検出物の状態を適切に判断することができる。また、後読み方法で制御信号S61を生成した場合には、被検出物に最終的な状態の確認が可能となる。
1 プリンタ、2 印刷ヘッド(被検出物)、3 キャリッジ、4 CRモータ(キャリッジモータ)、5 PFモータ(搬送モータ)、14 用紙検出装置(検出装置)、54 ASIC(制御信号生成部、タイミング信号出力部)、79 隙間検出装置(検出装置)、85 ディスクトレイ(被検出物)、86 トレイガイド(被検出物)、89 トレイ検出装置(検出装置)、90 ガイド検出装置(検出装置)、D 光ディスク(印刷対象物)、
F10〜F100 タイミング信号、P 印刷用紙(被検出物、印刷対象物)、S1〜S6 出力信号、S11〜S61 制御信号、T マスク時間、t1〜t6 閾値。