JP2007117987A - 塗布装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】高粘度の塗液であっても、スループットを低下させることなく、ダイヘッドに塗液を供給可能な塗布装置を提供すること。
【解決手段】30℃における粘度が1.0〜2.0Pa・sである塗液を定量ポンプによりタンクから配管を通してダイヘッドに供給し、そのダイヘッドに対し相対移動する基材にダイヘッドのスリット先端から塗液を1〜5L/mの流量で吐出して塗膜を形成する塗布装置である。ダイヘッドの上流側には塗液を濾過するフィルターを有しており、ダイヘッド入口における塗液圧力が1MPa以下となるように、配管の内径及び長さを、それぞれ20〜25mmと4.0〜6.0mに設定した。
【選択図】図1
【解決手段】30℃における粘度が1.0〜2.0Pa・sである塗液を定量ポンプによりタンクから配管を通してダイヘッドに供給し、そのダイヘッドに対し相対移動する基材にダイヘッドのスリット先端から塗液を1〜5L/mの流量で吐出して塗膜を形成する塗布装置である。ダイヘッドの上流側には塗液を濾過するフィルターを有しており、ダイヘッド入口における塗液圧力が1MPa以下となるように、配管の内径及び長さを、それぞれ20〜25mmと4.0〜6.0mに設定した。
【選択図】図1
Description
本発明は、ダイコーターを用い基材に塗液を塗布する塗布装置に関し、さらに詳しくはプラズマディスプレイパネル用の光学フィルムに粘着剤を塗布する塗布装置に関する。
プラズマディスプレイパネル(PDP)は、薄型・軽量であることから、近年、種々の表示装置に使用されている。PDPは、発光にプラズマ放電を利用しているので、周波数帯域が30MHz〜130MHzの不要な電磁波を外部に漏洩するため、人体や他の機器(例えば情報処理装置等)へ悪影響を与えるおそれがあり、電磁波を抑制することが要求されている。これに対し、電磁波シールド性や光透過性に優れることから、近年、透明なガラスやプラスチック基材上に金属薄膜からなるメッシュや透明導電膜を形成した光学フィルムを用い、この光学フィルムを粘着層を介してPDPパネルに直接貼り合わせるディスプレイ用光学フィルムが提案されている(例えば、特許文献1)。
上記の光学フィルムに粘着層を形成するには、例えばダイコーターが用いられている。ダイコーターは、塗液タンク内の塗液をポンプでダイヘッドに送り、ダイヘッドと基材フィルムを相対的に移動させながら、例えば基材フィルムを高速走行させながら(例えば約3m/min〜30min/m)、そのダイヘッドから塗液を吐き出させて基材フィルムに塗布する装置である。ダイヘッドは、液入口からの塗液を幅方向に広がらせるためのマニホールドと、そのマニホールドからペーストが押し出されるスリットを備えており、液入口から内部に流入した塗液はマニホールド内で幅方向に広がり、スリットの先端から押し出され、ダイヘッドと所定間隔を保って相対移動する基材フィルムの表面に塗布される。
ダイコーターを用いる場合、塗膜の膜厚調整は、一般に、ダイヘッドに塗液を供給するポンプの流量調整と、ダイヘッドのスリットと基材との間のギャップ調整等のダイヘッドの特性調整とにより行われている。ダイヘッドの特性調整については、ギャップ量やスリット幅を所定の関係式を満足させるように設定することにより、均一な膜厚の塗膜を形成する方法が提案されている(例えば、特許文献2)。
特開2000−323891号公報
特開平5−146734号公報
これに対し、粘着剤溶液等の高粘度の塗液をダイヘッドに供給しようとすると、圧力損失により供給量が低下し塗膜量が低下するため、所定の膜厚を確保するためには、基材フィルムの走行速度を遅くする必要があり、そのため、スループット(塗工量)が低下するという問題があった。特に、粘着剤溶液は所望の粘着特性を確保するため、少なくとも孔径4μm程度以下のフィルターによる濾過を行い、ダイヘッドに到達する前に予め異物を除去する必要があるが、濾過時における圧力損失が大きく、スループット低下は大きな問題となっていた。これに対し、ポンプの送液圧力を増加させて、濾過時の圧力損失を補う方法が考えられるが、フィルターに対する圧力が増加するため、フィルターや濾過装置、そして配管の耐圧性を高める必要があり、装置が高コストとならざるを得ない。
そこで、本発明は、高粘度の塗液であっても、スループットを低下させることなく、ダイヘッドに塗液を供給可能な塗布装置を提供することを目的とした。
上記課題を解決するため、本発明の塗布装置は、30℃における粘度が1.0〜2.0 Pa・sである塗液を定量ポンプによりタンクから配管を通してダイヘッドに供給し、そのダイヘッドに対し相対移動する基材にダイヘッドのスリット先端から塗液を1〜5L/mの流量で吐出して塗膜を形成する塗布装置であって、ダイヘッドの上流側には塗液を濾過する濾過装置を有しており、ダイヘッド入口における塗液圧力が1MPa以下となるように、配管の内径及び長さを、それぞれ20〜25mmと4.0〜6.0mに設定してなることを特徴とする。
なお、本発明において、配管の長さとは、塗液をダイヘッドに供給する送液タンクからダイヘッドに至るまでに使用されている配管の長さをいい、濾過装置やアキュームレーター等の送液タンクからダイヘッドの間に配置される中間装置の内部の配管は含まない。
なお、本発明において、配管の長さとは、塗液をダイヘッドに供給する送液タンクからダイヘッドに至るまでに使用されている配管の長さをいい、濾過装置やアキュームレーター等の送液タンクからダイヘッドの間に配置される中間装置の内部の配管は含まない。
また、本発明においては、濾過装置がフィルターであって、そのフィルターの孔径が1μm〜4μmであることが好ましい。
また、本発明においては、定量ポンプの送液圧力が、1MPa以上であることが好ましい。
また、本発明においては、濾過装置が、並列配置された2本の樹脂フィルターからなるプレフィルターと、そのプレフィルターの下流側に接続されたステンレスフィルターとからなることが好ましい。
本発明の塗布装置は、ダイヘッド入口における塗液の圧力が1MPa以下となるように、配管の内径及び長さを設定したので、フィルターによる濾過を行っても、高速塗工において所望の均一膜厚の塗膜を形成することが可能となる。特に、本発明の塗布装置は、粘度が1.0〜2.0 Pa・sの高粘性の粘着剤溶液に好適に使用できる。
ここで、本発明における高速塗工とは、基材フィルムの走行速度(以下、基材速度という)が10〜30m/minに入るものをいう。また、所望の塗膜膜厚とは、20〜35(g/m2)以下、好ましくは27.5±3.3(g/m2)をいう。
ここで、本発明における高速塗工とは、基材フィルムの走行速度(以下、基材速度という)が10〜30m/minに入るものをいう。また、所望の塗膜膜厚とは、20〜35(g/m2)以下、好ましくは27.5±3.3(g/m2)をいう。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は、本発明の塗布装置の構成の一例を示す模式図である。図中、1は塗液タンクであり、モータ1Aと攪拌機1Bを備えている。2は送液用のモーノポンプであり、モータ2Aを備えている。3は濾過装置、4はアキュームレーター、5はインライン粘度計、6はダイヘッド、7は基材フィルム、8は配管、9はアキュームレーター、10は貯留タンク、11はモーノポンプ、11Aはモータである。
図1は、本発明の塗布装置の構成の一例を示す模式図である。図中、1は塗液タンクであり、モータ1Aと攪拌機1Bを備えている。2は送液用のモーノポンプであり、モータ2Aを備えている。3は濾過装置、4はアキュームレーター、5はインライン粘度計、6はダイヘッド、7は基材フィルム、8は配管、9はアキュームレーター、10は貯留タンク、11はモーノポンプ、11Aはモータである。
粘着剤溶液を調製する調液タンク(不図示)からの粘着剤溶液は、貯留タンク10に一時的に貯留され、必要に応じて送液タンク1に供給される。塗液タンク1では、塗液は攪拌機1Bにより均一化され、塗工時には、モーノポンプ2により濾過装置3、アキュームレーター4を順次通過してダイヘッド6に供給される。ダイヘッド6は、塗液をマニホールド内でフィルム幅方向に均一に広げ、一定幅のスリットを通して塗液を対向する基材フィルム7に吐き出して塗布する。
以下に、配管の内径と長さを設定する方法について説明する。
送液ポンプからダイヘッドに至る圧力損失は、配管部分の圧力損失と濾過装置の圧力損失とから構成され、濾過装置の圧力損失が大部分、例えば、後述の実施例で示すように85%近くを占めている。濾過装置の圧力損失を減らすには、その孔径を大きくすれば良いが、それでは異物の除去が困難となり所望の粘着特性が得られず、その方法は採用することができない。
送液ポンプからダイヘッドに至る圧力損失は、配管部分の圧力損失と濾過装置の圧力損失とから構成され、濾過装置の圧力損失が大部分、例えば、後述の実施例で示すように85%近くを占めている。濾過装置の圧力損失を減らすには、その孔径を大きくすれば良いが、それでは異物の除去が困難となり所望の粘着特性が得られず、その方法は採用することができない。
一般的に、粘性流体の圧力損失を配管に適用すると、圧力損失の理論式は次式で与えられる。
ΔP=Const.×η×L×V×π/A (1)
ΔP:圧力損失(Pa)
Const.:定数
η:粘度(Pa・s)
L:配管長さ(m)
V:流速(m/s)
A:配管断面積(m2)
本発明者らは、高粘度の粘着剤溶液を用い、上記理論式を適用して配管の内径及び長さの圧力損失への影響を検討する中で、濾過装置による圧力損失が存在する場合であっても、配管の内径及び長さが所定の範囲内であれば、上記のダイヘッド入口における好ましい塗液圧力値が得られることを見出したものである。
ΔP=Const.×η×L×V×π/A (1)
ΔP:圧力損失(Pa)
Const.:定数
η:粘度(Pa・s)
L:配管長さ(m)
V:流速(m/s)
A:配管断面積(m2)
本発明者らは、高粘度の粘着剤溶液を用い、上記理論式を適用して配管の内径及び長さの圧力損失への影響を検討する中で、濾過装置による圧力損失が存在する場合であっても、配管の内径及び長さが所定の範囲内であれば、上記のダイヘッド入口における好ましい塗液圧力値が得られることを見出したものである。
本発明においては、液送ポンプには、ダイアフラムポンプ、ベローズポンプ、チューブポンプ、ギアポンプ、プランジャーポンプ、モーノポンプ等のポンプを使用することができるが、無脈動ポンプであるダイアフラムポンプ、プランジャーポンプ又はモーノポンプが好ましい。送液圧力は、1M〜2MPaが好ましい。
また、配管は粘着剤溶液を輸送するに十分な耐圧性、例えば0.98MPa以上の耐圧性を有するものであれば特に限定されない。軽量な樹脂製チューブが好ましく、より好ましくは摩擦係数の小さいフッ素樹脂系チューブ、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂チューブである。配管の内径は、20〜25mm、より好ましくは23〜25mmである。20mmより小さいと圧力損失が大きくなりすぎ、より大型の送液ポンプが必要となりコストが上昇するからである。また、25mmより大きいと圧力損失は小さくなるが配管のコストが高くなり好ましくない。配管の長さは8m以下が好ましく、より好ましくは4〜6mである。8mよりも長いと、圧力損失が大きくなり、かつ装置が不必要に大型化するからである。
また、ダイは、タンクから供給される塗液をマニホールド内で基材フィルムの幅方向に均一に広げ、一定幅のスリットを通して対向する走行フィルムに押し出す機能を有するものであれば特に限定されないが、例えば、スリット吐出幅600〜1500mm、スリットギャップ0.2〜0.5mm、液溜め内径10〜30mmであるものを用いることができる。
また、濾過装置は、粘着剤溶液中の粗大ポリマーゲルや粗大凝集物等の塗膜欠陥をもたらす粗大粒子を除去することを目的とするもので、ポリプロピレンやポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂フィルターや、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂フィルターを用いることができるが、耐溶剤性に優れたフッ素系樹脂フィルターを用いることが好ましい。ステンレス等の金属フィルターを用いると、金属フィルターが硬いため、粗大粒子がフィルターを通過してしまうからである。フィルターの孔径は、粘着剤溶液の場合は、1〜50μm、より好ましくは5〜40μmである。孔径が1μmよりも小さいと濾過時の圧力損失が大きくなり、送液が困難となるからである。また、孔径が50μmよりも大きいと除去すべき異物が通過して好ましくないからである。
また、濾過装置に、上記の樹脂フィルターとステンレスフィルターとを組み合わせて用いることもできる。樹脂フィルター自身の繊維が脱落する場合があり、それが新たな異物となる場合がある。その樹脂フィルターからの繊維をステンレスフィルターにトラップさせることができる。具体的には、樹脂フィルターをプレフィルターとして粗大粒子をトラップさせ、樹脂フィルター自身の脱落した繊維をステンレスフィルターでトラップさせる。好ましくは、2本の樹脂フィルターを並列配置してプレフィルターとし、そのプレフィルターの下流側にステンレスフィルターを接続する。これにより、塗液中の粗大粒子のみならず、樹脂フィルターからの繊維も効率的に除去することができる。この場合の樹脂フィターの孔径は、10〜50μm、より好ましくは20〜40μmである。一方、ステンレスフィルターの孔径は、1〜10μm、より好ましくは3〜5μmである。
通常、濾過装置には、ディスク状のフィルターが使用され、そのフィルターは支持体となる上流側スクリーンと下流側スクリーンにより挟持された状態で環状パッキンを介して上流側ハウジングと下流側ハウジングにより挟持固定された構造を有する。そのため、塗液を通液すると、上流側ハウジングと下流側ハウジングの隅にはデッドスペースが生じ易くなる。このデッドスペースは、塗液を滞留させるため、脈動の原因となる。そこで、アキュームレーターを濾過装置の下流に配置することにより、デッドスペースに起因する脈動を抑制することができる。なお、アキュームレーターには金属焼結フィルターやセラミックスフィルターからなるものを用いることができる。
本発明に適する塗液は、粘着剤溶液であり、従来公知の粘着剤を含むものを用いることができる。例えば、ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤等を挙げることができる。これら粘着剤を水溶媒又は有機溶媒に分散又は溶解させたものを用いることができるが、乾燥除去の容易な有機溶媒を用いることが好ましい。
また、塗液の粘度は、ねじれ振動式粘度計による粘度測定で、30℃における粘度が1.0〜2.0 Pa・sの範囲にあることが好ましい。2.0 Pa・sよりも大きいと、濾過時における圧力損失が過大となり、フィルターでの通液が困難になるからである。
また、塗膜を形成する基材フィルムには、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレングリコールーテレフタレート−イソフタレート共重合体、テレフタル酸−シクロヘキサンジメタノール−エチレングリコール共重合体等のポリエステル系樹脂、ナイロン6等のポリアミド系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等にポリオレフィン系樹脂、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系樹脂、ABS樹脂、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体等のスチレン系樹脂、トリアセチルセルロース等のセルロース樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のビニル系樹脂、イミド系樹脂、ポリカーボネート樹脂等を用いることができるが、透明性、耐熱性、そして可撓性に優れたポリエチレンテレフタレートやポリカーボネートを用いることが好ましい。また、基材フィルムの厚さは、12〜1000μmが好ましい。12μmより小さいと機械的強度が不足して取り扱いにくくなり、1000μmより大きいと過剰性能となりコスト的に無駄となるからである。
また、本発明の塗布装置は、塗液タンクを密閉構造とすることにより塗液タンクからダイヘッドに至るまでクローズドシステムとすることができる。これにより、塗工直前まで空気に触れることがないので、塗液の変化(粘度、濃度等)がほとんどない、塗液に外部から異物(ゴミ、塵埃、水分等)が混入することがない、密閉状態でダイヘッドまで塗液が供給されるため、空気巻き込みによる気泡発生の危険性がない、良好な塗工面が得られる、そして開放部がないので良好な作業環境が得られる等の効果が得られる。
また、インライン粘度計は、塗液の粘度を逐次測定するもので、その測定結果を送液ポンプにフィードバックし、設定した送液圧力を維持するように送液ポンプを制御する送液圧力制御機構(不図示)の一部を構成する。インライン粘度計には、外部からの振動による影響を受けにくい、ねじれ振動式粘度計を用いることが好ましい。ねじれ振動式粘度計は、応力一定で振動持、溶液の粘性抵抗によって減衰した振動幅を圧電素子で検出し、粘度を測定するものである。なお、インライン粘度計を塗液タンク内に配置し、その測定結果を送液ポンプにフィードバックし、設定した送液圧力を維持するように送液ポンプを制御するようにすることもできる。
以下、実施例を用いて本発明についてさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
実施例1.
(装置)
塗布装置には、図1に示した装置を用いた。送液ポンプにはヘイシン製モーノポンプ、フィルターにはアドバンテック東洋製の孔径3μmのポリプロピレン製フィルター、配管にはPTFEチューブを用いた。塗液には、アクリル系の粘着剤溶液を用いた。また、ダイヘッドのスリットギャップは150μmとした。
(測定)
ポンプからダイヘッドに至る全圧力損失と濾過装置の通液前後の圧力損失を圧力センサにより測定した。
塗膜特性については、膜厚27.5±3.3(g/m2)を基準値とし、基材速度が10〜30m/minの範囲で、膜厚がこの範囲にある場合を○(塗膜特性良好)、それ以外を×(塗膜特性不良)と判定した。
(装置)
塗布装置には、図1に示した装置を用いた。送液ポンプにはヘイシン製モーノポンプ、フィルターにはアドバンテック東洋製の孔径3μmのポリプロピレン製フィルター、配管にはPTFEチューブを用いた。塗液には、アクリル系の粘着剤溶液を用いた。また、ダイヘッドのスリットギャップは150μmとした。
(測定)
ポンプからダイヘッドに至る全圧力損失と濾過装置の通液前後の圧力損失を圧力センサにより測定した。
塗膜特性については、膜厚27.5±3.3(g/m2)を基準値とし、基材速度が10〜30m/minの範囲で、膜厚がこの範囲にある場合を○(塗膜特性良好)、それ以外を×(塗膜特性不良)と判定した。
(結果)
各試験における圧力損失及び塗膜特性の測定結果を表2に示す。
いずれの試験においても、ポンプからダイヘッドに至るまでの圧力損失の内、フィルターにおける圧力損失が大部分(約85%)を占めている。配管の内径が10mmの試験No.5と、塗液粘度が3 Pa・sの試験No.9は、ダイヘッド入口圧力が1.0MPaより大きく、塗膜特性も不良であった。
各試験における圧力損失及び塗膜特性の測定結果を表2に示す。
いずれの試験においても、ポンプからダイヘッドに至るまでの圧力損失の内、フィルターにおける圧力損失が大部分(約85%)を占めている。配管の内径が10mmの試験No.5と、塗液粘度が3 Pa・sの試験No.9は、ダイヘッド入口圧力が1.0MPaより大きく、塗膜特性も不良であった。
実施例2.
図1の装置を用い、濾過装置に樹脂フィルターとステンレスフィルターを併用した場合の効果について検討した。試験No.9では、アドバンテック東洋製の孔径30μmのポリプロピレン製フィルターを2本並列配置してプレフィルターとし、そのプレフィルターの下流側にアドバンテック東洋製の孔径3μmのステンレスフィルターを接続したものを用いた。試験No.10、11そして12は、比較試験である。試験No.10には、アドバンテック東洋製の孔径30μmのポリプロピレン製フィルターをプレフィルターとし、その下流側にアドバンテック東洋製の孔径3μmのステンレスフィルターを接続したものを用いた。試験No.11には、アドバンテック東洋製の孔径3μmのステンレスフィルターのみを用いた。試験No.12には、アドバンテック東洋製の孔径3μmのポリプロピレン製フィルターのみを用いた。塗液流量、塗液粘度、配管内径そして配管長さは試験No.1の条件と同一とした。塗膜m2当たりの不良個数を測定して、不良発生率(個/m2)を算出した。ここで、不良個数とは、塗膜中の変形、泡、異物、汚れ等の個数である。結果を表3に示す。
図1の装置を用い、濾過装置に樹脂フィルターとステンレスフィルターを併用した場合の効果について検討した。試験No.9では、アドバンテック東洋製の孔径30μmのポリプロピレン製フィルターを2本並列配置してプレフィルターとし、そのプレフィルターの下流側にアドバンテック東洋製の孔径3μmのステンレスフィルターを接続したものを用いた。試験No.10、11そして12は、比較試験である。試験No.10には、アドバンテック東洋製の孔径30μmのポリプロピレン製フィルターをプレフィルターとし、その下流側にアドバンテック東洋製の孔径3μmのステンレスフィルターを接続したものを用いた。試験No.11には、アドバンテック東洋製の孔径3μmのステンレスフィルターのみを用いた。試験No.12には、アドバンテック東洋製の孔径3μmのポリプロピレン製フィルターのみを用いた。塗液流量、塗液粘度、配管内径そして配管長さは試験No.1の条件と同一とした。塗膜m2当たりの不良個数を測定して、不良発生率(個/m2)を算出した。ここで、不良個数とは、塗膜中の変形、泡、異物、汚れ等の個数である。結果を表3に示す。
(結果)
試験No.9の結果に示すように、2本並列樹脂フィルターとステンレスフィルターの組合せを用いることにより、ダイヘッド入口圧力を1.0MPa以下に維持しながら、不良発生率を大きく減らすことができた。
試験No.9の結果に示すように、2本並列樹脂フィルターとステンレスフィルターの組合せを用いることにより、ダイヘッド入口圧力を1.0MPa以下に維持しながら、不良発生率を大きく減らすことができた。
以上の結果より、粘度が1.0〜2.0 Pa・sである塗液に対し、配管の内径を20〜25mm、長さを4.0〜6.0mとすることにより、スループットを低下させることなく、良好な製膜特性を得ることができた。
1 塗液タンク
1A モータ
1B 攪拌機
2 モーノポンプ
3 濾過装置
4 アキュームレーター
5 インライン粘度計
6 ダイヘッド
7 基材フィルム
8 配管
9 アキュームレーター
10 貯留タンク
11 モーノポンプ
11A モータ
1A モータ
1B 攪拌機
2 モーノポンプ
3 濾過装置
4 アキュームレーター
5 インライン粘度計
6 ダイヘッド
7 基材フィルム
8 配管
9 アキュームレーター
10 貯留タンク
11 モーノポンプ
11A モータ
Claims (4)
- 30℃における粘度が1.0〜2.0Pa・sである塗液を定量ポンプによりタンクから配管を通してダイヘッドに供給し、そのダイヘッドに対し相対移動する基材にダイヘッドのスリット先端から塗液を1〜5L/mの流量で吐出して塗膜を形成する塗布装置であって、
ダイヘッドの上流側には塗液を濾過する濾過装置を有しており、
ダイヘッド入口における塗液圧力が1MPa以下となるように、配管の内径及び長さを、それぞれ20〜25mmと4.0〜6.0mに設定してなる塗布装置。 - 上記濾過装置がフィルターであって、その孔径が1〜50μmである請求項1記載の塗布装置。
- 上記定量ポンプの送液圧力が、1MPa以上である請求項1又は2に記載の塗布装置。
- 上記濾過装置が、並列配置された2本の樹脂フィルターからなるプレフィルターと、該プレフィルターの下流側に接続されたステンレスフィルターとからなる請求項1から3のいずれか一つに記載の塗布装置。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2006091749A JP2007117987A (ja) | 2005-09-29 | 2006-03-29 | 塗布装置 |
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- 2006-03-29 JP JP2006091749A patent/JP2007117987A/ja active Pending
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