[第1の実施形態]
1.概要
はじめに本発明の第1の実施形態にかかるスロットマシンの概要について説明する。本発明の第1の実施形態にかかるスロットマシンは、第1に、BBゲーム中に発生するSRBゲームにおける音演出の内容を、遊技者が任意に選択できる点に特徴がある。第2に、選択可能な音演出は、スロットマシンメーカが予め用意したものに限られず、遊技者自身が自ら作製した効果音(ベース音(BGM)に遊技者がバスドラム等の楽器音の出力タイミングを入力したもの)を用いることができる点に特徴がある。第3に、遊技者自ら一旦作製した効果音を次のBBゲーム中に発生するSRBゲームにおいて音演出として用いるようにすることも、あるいはBB入賞時に毎回作製するようにすることも可能である点に特徴がある。
これにより、遊技者自身が音演出の設定に深く関与することが可能となり、より興趣ある演出を実現することが可能となる。
また、これまでBBゲーム中に発生するSRBゲームにおいて、遊技者は、単に遊技を進行させるためだけにスタートレバーを操作したり、第1乃至第3停止操作等を行っていたところ(つまり、SRBゲームの場合、遊技者の操作タイミングに関係なく一定量のメダルが確保できるため、遊技者は操作タイミングを工夫することなく操作を行っていたところ)、本実施形態にかかるスロットマシンによれば、SRBゲーム中の各遊技(JAC遊技)における操作タイミングに基づいて効果音が作製されるため、操作タイミングを図りながら、より楽しく遊技を進行させることが可能となる。
図2は、当該機能を備えるスロットマシンの概要を示したものである。同図に示すように、本実施形態にかかるスロットマシンは3つの演出モード(作製演出モード201、既作製演出モード202、既製演出モード203)を備え、BB入賞時に、遊技者によっていずれかの演出モードが選択されうる。演出モードの選択は、演出モード選択用タイマー204のカウント値に応じて液晶表示画面上の各演出モードの選択状態が切り替えられるため、遊技者は、所望の演出モードが選択状態にあるときに、メダル投入ボタンを操作することにより、当該演出モードの選択を行うことができる。
上記選択の結果、作製演出モードが選択された場合には、当該BBゲーム中に発生するSRBゲームが作製演出モード(「作製編」と「実行編」とがある)のもとで進行する。ここで作製演出モードにおけるスロットマシンの処理について簡単に説明する。
スタートレバー130が操作され(ステップS201)、SRBゲームの1遊技目において(ステップS201)、ストップボタン137乃至139が順次押されることで(ステップS202乃至S204)、一遊技が終了する(ステップS205)。このとき、スタートレバー操作(ステップS201)、第1停止操作(ステップS202)、第2停止操作(ステップS203)、第3停止操作(ステップS204)の操作タイミングが出力タイミング検出用タイマー206により計測され、当該計測結果が各種効果音1〜3(207乃至209)の出力タイミングに関する制御データテーブルA(210)並びに表示制御データに関する制御データテーブルB(211)としてそれぞれRAM413、RAM532に記録される。
SRBゲーム中に複数回の遊技が行われることにより、制御データテーブルA(210)が生成され、該テーブルに記録された効果音の出力タイミングは、BBゲーム中に発生する次のSRBゲームの際、あるいは次回のBBゲーム移行時に既作製演出モード(202)が選択された場合にSRBゲームの演出として利用される。すなわち、既作製演出モード(202)が選択された場合にあっては、BBゲーム中のSRBゲームにおいて出力される効果音並びに表示される画面が制御データテーブルA(210)並びに制御データテーブルB(211)に基づいて出力されることとなる。
一方、既製演出モード(203)が選択された場合には、SRBゲーム中に出力される効果音並びに表示される画面は、ROM412ならびにROM535に記録された既製の制御データテーブルX、Y(211、213)(スロットマシンメーカにより予め登録された演出データ)に基づいて出力される。
なお、作製演出モード(201)が選択された場合のBB一般遊技中の液晶表示画面の一例を図13に示す。1301に示すように、SRBゲームにおける各遊技(JAC遊技)のうち、JAC8遊技が効果音作製に割り当てられる。具体的には、1回目の遊技と2回目の遊技において、効果音を作製する際の基本的な説明が表示される。次に3回目の遊技と4回目の遊技において、バスドラムの出力タイミングを入力する。1302はバスドラムの出力タイミングを入力する際の液晶表示画面の一例を示しており、SRBゲーム中に表示される画面である。1302に示すように、3回目の遊技において、スタートレバー操作並びに第1乃至第3停止操作を行うことで、バスドラムの4回分の出力タイミングが記録される。また、4回目の遊技において、スタートレバー操作並びに第1乃至第3停止操作を行うことで、バスドラム4回分の出力タイミングが記録される(つまり、3回目の遊技と4回目の遊技により、バスドラム計8回分の出力タイミングが記録されることとなる)。ただし、3回目に入力したものを出力しつつ、4回目の入力を行うようにしてもよい。
同様に、5回目の遊技および6回目の遊技においてシンバルの出力タイミングが記録され、7回目の遊技および8回目の遊技においてスネアの出力タイミングが記録される。「作成編」では、このような出力タイミングの記憶がベース音(BGM)の四章節に対して行われ、「実行編」では、この四章節が繰り返し出力される。
以下、図2、13に示す機能を備えるスロットマシンについての詳細を説明する。
2.スロットマシンの全体構成
図1に示すスロットマシン100の本体101の中央内部には、外周面に複数種類の絵柄が配置されたリールが3個(左リール110、中リール111、右リール112)収納され、スロットマシン100の内部で回転できるように構成されている。本実施形態において、各絵柄は帯状部材に等間隔で適当数(例えば21絵柄)印刷され、この帯状部材が所定の円形枠材に貼り付けられて各リール110乃至112が構成されている。
リール110乃至112上の絵柄は、遊技者から見ると、絵柄表示窓113から縦方向に概ね3つ表示され、合計9つの絵柄が見えるようになっている。そして、各リール110乃至112を回転させることにより、遊技者から見える絵柄の組み合わせが変動することとなる。なお、本実施形態では、3個のリールをスロットマシン100の中央内部に備えているが、リールの数やリールの設置位置はこれに限定されるものではない。
また、各々のリール110乃至112の背面には、絵柄表示窓113に表示される個々の絵柄を照明するためのバックライト(図示省略)が配置されている。バックライトは、各々の絵柄ごとに遮蔽されて個々の絵柄を均等に照射できるようにすることが望ましい。
なお、スロットマシン100内部において各々のリール110乃至112の近傍には、投光部と受光部から成る光学式センサ(インデックスセンサともいう。図示せず)が設けられており、この光学式センサの投光部と受光部の間を、リールに設けられた一定の長さの遮光片が通過するように構成されている。このセンサの検出結果に基づいてリール上の絵柄の回転方向の位置を判断し、目的とする絵柄が入賞ライン114上に表示されるようにリール110乃至112を停止させる。
入賞ライン表示ランプ120は、有効となる入賞ラインを示すランプである。有効となる入賞ラインは、スロットマシン100に投入された遊技媒体(本実施形態ではメダルを想定する。)の数によって予め定まっている。5本の入賞ライン114のうち、例えば、メダルが1枚投入された場合、中段の水平入賞ラインが有効となり、メダルが2枚投入された場合、上段水平入賞ラインと下段水平入賞ラインが追加された3本が有効となり、メダルが3枚投入された場合、右下り入賞ラインと右上り入賞ラインが追加された5本が入賞ラインとして有効になる。なお、入賞ライン114の数については5本に限定されるものではない。
スタートランプ121は、リール110乃至112が回転することができる状態にあることを遊技者に知らせるランプである。再遊技ランプ122は、前回の遊技において入賞役の一つである再遊技に入賞した場合に、今回の遊技が再遊技可能であること(メダルの投入が不要)を遊技者に知らせるランプである。
告知ランプ123は、後述する内部抽選において、特定の入賞役(具体的には、ビッグボーナスやレギュラーボーナス等のボーナス)に内部当選していることを遊技者に知らせるランプである。メダル投入ランプ127は、メダルの投入が可能であることを知らせるランプである。リールパネルランプ128は、演出用のランプである。メダル投入ボタン132、133は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダルを所定の枚数分投入するためのボタンであり、メダル投入枚数はリールパネルランプ128に示される。
本実施形態においては、メダル投入ボタン132が押下される毎に1枚ずつ最大3枚まで投入され、メダル投入ボタン133が押下されると3枚投入されるようになっている。メダル投入口134は、遊技を開始するにあたって遊技者がメダルを投入するための投入口である。すなわち、メダルの投入は、メダル投入ボタン132又は133により電子的に投入することもできるし、メダル投入口134から実際のメダルを投入することもできる。
払出枚数表示器126は、何らかの入賞役に入賞した結果、遊技者に払出されるメダルの枚数を表示するための表示器である。遊技回数表示器125は、ビッグボーナスゲーム中(BBゲーム中)の遊技回数や所定の入賞役の入賞回数等を表示するための表示器である。貯留枚数表示器124は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダルの枚数を表示するための表示器である。
スタートレバー130は、リール110乃至112の回転を開始させるためのレバー型のスイッチである。即ち、メダル投入口134に所望するメダル枚数を投入して、スタートレバー130を操作すると、リール110乃至112が回転を開始することとなる。
ストップボタンユニット135には、ストップボタン137乃至139が設けられている。ストップボタン137乃至139は、スタートレバー130の操作によって回転を開始したリール110乃至112を個別に停止させるためのボタン型のスイッチである。なお、各ストップボタン137乃至139の内部に発光体を設けてもよく、ストップボタン137乃至139の操作が可能である場合、該発光体を点灯させて遊技者に知らせることもできる。
貯留/精算ボタン136は、スロットマシン100に電子的に貯留されたメダルを精算し、メダル払出口165よりメダル受皿160に排出するための精算機能と、メダル投入口134に投入された4枚以降のメダルや入賞により獲得したメダルを最大50枚まで電子的に貯留する貯留機能と、を切換えるためのボタンである。
メダル返却ボタン134は、投入されたメダルが詰まった場合に押下してメダルを取り除くためのボタンである。
ドアキー138は、スロットマシン100の前面扉102のロックを解除するためのキーを挿入する孔である。メダル払出口165は、メダルを払出すための払出口である。メダル受皿160は、メダル払出口165から払出されたメダルを溜めるための器である。なお、メダル受皿160は、本実施形態では発光可能な受皿を採用しており、以下受け皿ランプと呼ぶこともある。
180は扉付きの液晶表示装置である。また、音孔173は、スロットマシン100内部に設けられているスピーカの音を外部に出力するための孔である。上部ランプ190、サイドランプ151、152、中央ランプ153、154、腰部ランプ155、156、下部ランプ157、158、受皿ランプ160は、遊技を盛り上げるための装飾用のランプである。灰皿部170は、煙草の吸殻を入れるための容器であり、メダル受け皿160の内側にネジ止めされている。
次に、図3、図4、図5を用いて、スロットマシン100の制御部の回路構成について詳細に説明する。スロットマシン100は、遊技の中枢部分を制御する主制御部300と、主制御部300より送信されたコマンドに応じて各種機器を制御する副制御部A400と、副制御部A400より送信されたコマンドに応じて扉付き液晶表示装置180等を制御する副制御部B500と、から構成されている。
3.主制御部の構成
まず、図3を用いて、スロットマシン100の主制御部300について説明する。主制御部300は、主制御部300の全体を制御するための演算処理装置であるCPU310や、CPU310が各ICや各回路と信号の送受信を行うためのデータバス及びアドレスバスを備え、その他、以下に述べる構成を有する。
クロック補正回路314は、水晶発振器311から発振されたクロックを分周してCPU310に供給する回路である。例えば、水晶発振器311の周波数が12MHzの場合に、分周後のクロックは6MHzとなる。CPU310は、クロック回路314により分周されたクロックをシステムクロックとして受け入れて動作する。
また、CPU310には、後述するセンサやスイッチの状態を常時監視するための監視周期やモータの駆動パルスの送信周期を設定するためのタイマ回路315がバスを介して接続されている。CPU310は、電源が投入されると、データバスを介してROM312の所定エリアに格納された分周用のデータをタイマ回路315に送信する。
タイマ回路315は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに、割り込み要求をCPU310に送信する。CPU310は、この割込み要求を契機に、各センサ等の監視や駆動パルスの送信を実行する。例えば、CPU310のシステムクロックを6MHz、タイマ回路315の分周値を1/256、ROM312の分周用のデータを44に設定した場合、この割り込みの基準時間は、256×44÷6MHz=1.877msとなる。
また、CPU310には、各ICを制御するためのプログラム、入賞役の内部抽選時に用いる抽選データ、リールの停止位置等を記憶しているROM312や、一時的なデータを保存するためのRAM313が接続されている。これらのROM312やRAM313については他の記憶手段を用いてもよく、この点は後述する各制御部においても同様である。
また、CPU310には、外部の信号を受信するための入力インタフェース360が接続され、割込み時間ごとに入力インタフェース360を介して、メダル受付センサ320、スタートレバーセンサ321、ストップボタンセンサ322、メダル投入ボタンセンサ323、精算/貯留スイッチ324の状態を検出し、各センサを監視している。
メダル受付センサ320は、メダル投入口134の内部の通路に2個設置されており、メダルの通過有無を検出する。スタートレバーセンサ321は、スタートレバー130に設置されており、遊技者によるスタート操作を検出する。ストップボタンセンサ322は、各々のストップボタン137乃至139に設置されており、遊技者によるストップボタンの操作を検出する。
メダル投入ボタンセンサ323は、メダル投入ボタン132、133のそれぞれに設置されており、RAM313に電子的に貯留されているメダルを遊技用のメダルとして投入する場合の投入操作を検出する。たとえば、CPU310は、メダル投入ボタン132に対応するメダル投入ボタンセンサ323がHレベルになった場合に、電子的に貯留メダルを1枚投入し、メダル投入ボタン133に対応するメダル投入センサ323がHレベルになった場合に、電子的に貯留メダルを3枚投入する。なお、メダル投入ボタン132が押された際、貯留されているメダル枚数が2枚の場合は2枚投入され、1枚の場合は1枚投入される。
精算/貯留スイッチ324は、精算/貯留ボタン136に設けられている。精算/貯留スイッチ324が一回押されると、貯留されているメダルを精算し、もう一回押されると、払い出されるメダルが電子的に貯留される貯留モードとなる。なお、以上の各センサは、非接触式のセンサであっても接点式のセンサであってもよい。
CPU310には、さらに、入力インタフェース361、出力インタフェース370、371がアドレスデコード回路350を介してアドレスバスに接続されている。CPU310は、これらのインタフェースを介して外部のデバイスと信号の送受信を行っている。
入力インタフェース361には、インデックスセンサ325が接続されている。インデックスセンサ325は、各リール110乃至112の取付台の所定位置に設置されており、リールに設けた遮光片がこのインデックスセンサ325を通過するたびにHレベルになる。CPU310は、この信号を検出すると、リールが1回転したものと判断し、リールの回転位置情報をゼロにリセットする。
出力インタフェース370には、リールを駆動させるためのリールモータ駆動部330と、ホッパー(バケットにたまっているメダルをメダル払出口165から払出すための装置。図示せず。)のモータを駆動するためのホッパーモータ駆動部331と、遊技ランプ340(具体的には、入賞ライン表示ランプ120、スタートランプ121、再遊技ランプ122、告知ランプ123、メダル投入ランプ127等)と、7セグメント表示器341(払出枚数表示器124、遊技回数表示器125、貯留枚数表示器126等)が接続されている。
また、CPU310には、乱数発生回路317がデータバスを介して接続されている。乱数発生回路317は、水晶発振器311及び水晶発振器316から発振されるクロックに基いて、一定の範囲内で値をインクリメントし、そのカウント値をCPU310に出力することのできるインクリメントカウンタであり、後述する入賞役の内部抽選をはじめ各種抽選処理に使用される。本実施形態における乱数発生回路317は、2つの乱数カウンタを備えている。例えば、水晶発振器311のクロック周波数を用いて0〜65535までの値をインクリメントするカウンタと、水晶発振器316のクロック周波数を用いて0〜16777215までの値をインクリメントするカウンタが備えている。
また、CPU310のデータバスには、副制御部A400にコマンドを送信するための出力インタフェース371が接続されている。
4.副制御部Aの構成
次に、図4を用いて、スロットマシン100の副制御部A400について説明する。副制御部A400は、主制御部300より送信されたコマンド(主制御コマンド)等に基づいて副制御部A400の全体を制御する演算処理装置であるCPU410や、CPU410が各IC、各回路と信号の送受信を行うためのデータバス及びアドレスバスを備え、以下に述べる構成を有する。
クロック補正回路414は、水晶発振器411から発振されたクロックを補正し、補正後のクロックをシステムクロックとしてCPU410に供給する回路である。
また、CPU410にはタイマ回路415がバスを介して接続されている。CPU410は、所定のタイミングでデータバスを介してROM412の所定エリアに格納された分周用のデータならびに音演出を行うための演出データをタイマ回路415に送信する。タイマ回路415は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに、割り込み要求をCPU410に送信する。CPU410は、この割り込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
また、CPU410には、副制御部A400の全体を制御するための命令及びデータ、バックライトの点灯パターンや各種表示器を制御するためのデータ(演出データも含む)が記憶されたROM412や、データ等を一時的に保存するためのRAM413が各バスを介して接続されている。
また、CPU410には、外部の信号を送受信するための入出力インタフェース460が接続されており、入出力インタフェース460には、各リール110乃至112の絵柄を背面より照明するためのバックライト420、前面扉102の開閉を検出するための扉センサ421、RAM413のデータをクリアにするためのリセットスイッチ422が接続されている。なお、各種効果音の出力タイミングに関する制御データテーブルA(210)はRAM413に記録される(詳細は後述)。
CPU410には、データバスを介して主制御部300から主制御コマンドを受信するための入力インタフェース461が接続されており、入力インタフェース461を介して受信した主制御コマンドに基づいて、遊技全体を盛り上げる演出処理等が実行される。
また、CPU410のデータバスとアドレスバスには、音源IC480が接続されている。音源IC480は、CPU410からの命令に応じて音声の制御を行う。音源IC480には、音声データが記憶されたROM481が接続されており、音源IC480は、ROM412に記憶された演出データの指示のもと、ROM481から取得した音声データをアンプ482で増幅させてスピーカ483から出力する。
CPU410には、主制御部300と同様に、外部ICを選択するためのアドレスデコード回路450が接続されており、アドレスデコード回路450には、主制御部300からの主制御コマンドを受信するための入力インタフェース461、副制御部B500からの信号を入力するための入力インタフェース471、時計IC423、7セグメント表示器440への信号を出力するための出力インタフェース472が接続されている。
時計IC423が接続されていることで、CPU410は、現在時刻を取得することが可能である。7セグメント表示器440は、スロットマシン100の内部に設けられており、たとえば副制御部A400に設定された所定情報を店の係員等が確認できるようになっている。
更に、出力インタフェース470には、デマルチプレクサ419が接続されている。デマルチプレクサ419は、出力インタフェース470から送信された信号を各表示部等に分配する。即ち、デマルチプレクサ419は、CPU410から受信されたデータに応じて上部ランプ190、サイドランプ151、152、中央ランプ153、154、腰部ランプ155、156、下部ランプ157、158、リールパネルランプ128、タイトルパネルランプ491、受け皿ランプ160、払出口ストロボ492を制御する。
タイトルパネルランプ491は、タイトルパネルを照明するランプであり、払出口ストロボ492は、メダル払出口165の内側に設置されたストロボタイプのランプである。
なお、CPU410は、副制御部B500への信号(副制御コマンド等)送信を、デマルチプレクサ419を介して実施する。逆に、CPU410は、入力インタフェース471を介して副制御部B500からの信号を受信する。すなわち、CPU410は、デマルチプレクサ419と入力インタフェース471を介して副制御部B500と双方向通信を行う。
5.副制御部B500
次に、図5を用いて、スロットマシン100の副制御部B500について説明する。副制御部B500は、演算処理装置であるCPU510や、各IC、各回路と信号の送受信を行うためのデータバス及びアドレスバスを備え、以下に述べる構成を有する。
クロック補正回路514は、水晶発振器511から発振されたクロックを補正して、補正後のクロックをシステムクロックとしてCPU510に供給する回路である。
また、CPU510にはタイマ回路515がバスを介して接続されている。CPU510は、所定のタイミングでデータバスを介してROM512の所定エリアに格納された分周用のデータをタイマ回路515に送信する。タイマ回路515は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに、割り込み要求をCPU510に送信する。CPU510は、この割り込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
CPU510は、副制御部A400の出力インターフェース470、デマルチプレクサ419を介して出力されたCPU410からの副制御部コマンドを、入力インターフェース520およびバスを介して受信し、副制御部B500全体を制御する。また、CPU510は、必要に応じて、出力インターフェース521を介して、副制御部A400に信号を送信する。
ROM512には、副制御部B500全体を制御するためのプログラムやデータが記憶されている。RAM513は、CPU510で処理されるプログラムのワークエリア等を有する。ROM512やRAM513は、バスを介してCPU510に接続されている。
また、CPU510には、バスを介して、CPU530が接続されている。CPU530には、バスを介して、ROM531、RAM532、VDP(ビデオ・ディスプレイ・プロセッサー)534が接続されている。
ROM531には、CPU530で処理されるプログラムが格納されている。RAM532は、CPU530で処理されるプログラムのワークエリア等を有する。また、効果音の出力タイミングを可視化したデータが記録される(詳細は後述)。VDP534には、水晶発信器533が接続され、さらに、バスを介して、ROM535、RAM536が接続されている。ROM535には、液晶表示装置180の演出データ(画像データ)が複数種類格納されている。そして、CPU530は、CPU510からの信号をもとにROM535の画像データを読み出し、RAM536のワークエリアを使用して画像信号を生成し、D/Aコンバータ537を介して、液晶表示装置180の表示画面に画像を表示する。
つぎに、本実施形態のスロットマシン100の遊技の説明を行う。
6.入賞役の種類
入賞役の種類は任意に採用することができるが、本実施形態にかかるスロットマシン100では以下の入賞役を想定する。
(1)ボーナス
・レギュラーボーナス(RB):入賞によりレギュラーボーナスゲーム(RBゲーム)が開始される入賞役である。このRBゲームは、通常遊技とは異なる内部抽選が実行されるゲーム(具体的には、通常遊技では採用されていない入賞役(ここでは役物)に当選することが可能なゲーム)である。
・ビッグボーナス(BB):入賞によりビッグボーナスゲーム(BBゲーム)が開始される入賞役である。このBBゲームでは、通常遊技とは異なる内部抽選が実行されるゲーム(具体的には、通常遊技には採用されていない入賞役(ここではSRB:シフトレギュラーボーナス)に当選することが可能なゲーム)である。
・シフトレギュラーボーナス(SRB):BBゲーム中にのみ入賞する入賞役であって、入賞によりRBゲームと内容が同じ遊技であるシフトレギュラーボーナスゲーム(SRBゲームと称する。)が開始される入賞役である。
(2)小役
本実施形態においては、BB、RB、及び、再遊技を除く入賞役である。本実施形態では、入賞により所定数のメダルが払い出されるが、別の遊技が開始されない入賞役である。本実施形態の場合、小役は複数種類(ベル、スイカ、チェリーなど)存在する。
(3)再遊技
入賞により、次回の遊技でメダルの投入を行うことなく遊技を行うことができる入賞役である。なお、対応する絵柄の組合せは本実施形態の場合、「リプレイ−リプレイ−リプレイ」である。
(4)役物
RBゲーム又はSRBゲーム中にのみ入賞する入賞役であって、入賞により所定数のメダルが払い出される。
上記各入賞役の抽選テーブルは、主制御部のROM312に格納されている。入賞役抽選テーブルは、入賞役の内部抽選時に取得される乱数値の範囲をいくつかの領域に分割し、各領域に各入賞役の内部当選及びはずれを設定したものである。乱数値全体の範囲に対する各領域の範囲の大きさが、各入賞役の内部当選の確率となる。
7.遊技の種類
本実施形態では、通常遊技以外に、遊技の種類として、大別すると、ボーナスゲームとしてRBゲーム、BBゲーム、及び、SRBゲームがある。
・RBゲーム及びSRBゲーム
RBゲームは、予め定めた回数(本実施形態では12回)の遊技を行うか、あるいは、役物が予め定めた回数(本実施形態では8回)入賞するかのいずれかの条件が成立することを終了条件として終了する。SRBゲームも同じ内容である。
・BBゲーム
BBゲームの内容は、複数種類考えられるが、BB中一般遊技(BB一般遊技)を予め定めた回数(本実施形態では30回)行うか、あるいは、SRBゲームを予め定めたセット数(本実施形態では3回)行うかのいずれかの条件が成立することを終了条件としてBBゲームが終了する。SRBゲームが終了するとBB一般遊技に戻るか、或いは、BBゲームが終了する(BB一般遊技の30回目にSRBに入賞してSRBが開始された場合か、SRBゲームの3回が終了した場合)こととなる。
なお、本実施形態の場合、BBゲームの終了条件として、BB一般遊技の回数か又はSRBゲームのセット数を基準としているが、他の終了条件を採用してもよい。
8.スロットマシンにおける遊技の流れ
つぎに、本実施形態にかかるスロットマシン100の制御に関する説明を行う。図6は、本実施形態にかかるスロットマシン100における遊技の基本的制御を示すフローチャートである。このメイン処理は、CPU310が中心になって行い、電源断等を検知しないかぎり実行を繰り返す。
図6(a)に示すように、主制御部300のリセットスイッチ(図示省略)が押下された状態で電源が投入された場合、先ずステップS601が実行される。なお、単に、電源を投入する場合は、以前の状態(電源を落とした時点の状態)から処理が開始される。
ステップS601では、初期化コマンド(初期化指令を含むコマンド)を副制御部A400に送信するとともに、メダル投入に関する処理を行う。ここでは、メダルの投入の有無をチェックし、投入されたメダルの枚数に応じて入賞ライン表示ランプ120を点灯させる。なお、前回の遊技で再遊技に入賞した場合はメダルの投入が不要である。
ステップS602では、遊技のスタートに関する処理を行う。ここでは、スタートレバー130が操作されたか否かのチェックを行い、スタートレバー操作されたと判断した場合は、投入されたメダル枚数に応じて、有効な入賞ライン114を確定する。さらに、乱数発生器317で発生させた乱数を取得する。
ステップS603では、ステップS602で取得した乱数値と、ROM312に格納されている入賞役抽選データテーブルとを用いて、入賞役の内部抽選を行う。
ステップS604では、使用するリール停止制御テーブルを選択する。ステップS605では、演出抽選を実行する。演出抽選は、演出を実行する/しない、及び演出を実行する場合の演出内容が抽選により決定される。演出抽選でも、演出用の抽選データが存在し、演出用の抽選データを所定のデータ(演出抽選で使用する乱数値の全範囲の値)で除した値が各演出についての当選確率となる。
ステップS606では、全リール110乃至112の回転を開始させる。ステップS607では、ストップボタン137乃至139の受け付けが可能になり、いずれかのストップボタンが押されると、ステップS608に進み、当該押されたストップボタンに対応するリールを、ステップS604で選択されたリール停止制御テーブルに基づいて停止させる。ステップS609では、全リール110乃至112が停止したか否かを判断し、停止していなければ、ステップS607に戻る。一方、全リール110乃至112が停止したと判断された場合には、ステップS610に進む。
ステップS610では、入賞判定を行う。ここでは、有効化された入賞ライン114上に、入賞役に対応する絵柄組合せが表示された場合にその入賞役に入賞したと判定する。例えば、有効化された入賞ライン114上に、「ベル−ベル−ベル」が揃っていたならばベル入賞と判定する。また、「7−7−7」が揃っていたならばBB入賞と判定する。入賞結果は、入賞結果コードとして格納される。
ステップS611では、払い出しのある何らかの入賞役に入賞していれば、その入賞役に対応する枚数のメダルを払い出す。ステップS612では、入賞に関する報知演出が実行され、ステップS613では、遊技状態制御処理を実行する。この遊技状態制御処理では、遊技の種類を移行するための制御が行われ、例えば、BB入賞の場合には、次回からBBゲームを開始できるよう準備し、BBゲームの最終遊技では、次回から通常遊技が開始できるよう準備する。
以上により1遊技が終了し、以降、これを繰り返すことにより遊技が進行することとなる。
なお、図6(a)に示すこれらの処理は、図6(b)に示すように、主制御部300のCPU310の割り込み処理により所定の周期(例えば、1.877msec)で実行され(ステップS621)、主制御部300から副制御部A400には、必要に応じて、各種のコマンド(主制御コマンド)が送信される(ステップS622)。
ここで、主制御コマンドの詳細を図7に示す。図7(a)は、主制御コマンドの一覧(代表的な主制御コマンドのみ列挙)であり、各主制御コマンドの送信契機と対応づけて示している。
例えば、701は「メダル投入」主制御コマンドであり、メダル投入時(ステップS601)に送信される。具体的には、メダルの3枚投入(MAXベット操作)が行われることにより、該主制御コマンドが送信されるよう設定されている。
702は、「スタートレバー受付」主制御コマンドであり、スタートレバー受付時(ステップS602)に送信される。なお、本実施形態では、スタートレバー受付時のみ1回送信するものとし、1遊技の中でスタートレバー130を複数回操作しても「スタートレバー受付」主制御コマンド702が複数回送信されることはないよう構成されているものとするが、特にこのような構成に限定されるものではない。スタートレバー操作があった場合にその都度「スタートレバー受付」主制御コマンド702が送信される仕様であってもよい。かかる構成にすることで、上述の作製演出モードにおいて予め決められた期間内により多くの出力タイミング(効果音の出力タイミング)について決定できるからである。
703は、「停止ボタン受付け1」主制御コマンドであり、ストップボタン137乃至139のうち最初にストップボタンが押された(第1停止操作が行われた)リールを示す情報が格納され、第1停止操作が行われた時点(ステップS607)で送信される。同様に、704、705はそれぞれ「停止ボタン受付け2」主制御コマンド、「停止ボタン受付け3」主制御コマンドである。
また、706は、「遊技状態」主制御コマンドであり、各遊技終了時に送信される。なお、「遊技状態」主制御コマンドには、BB未作動時の一般遊技(通常遊技)であることを示すコマンドや、再遊技であることを示すコマンド、BB作動時の一般遊技(BB一般遊技)であることを示すコマンド、BB作動時の役物遊技(JAC遊技)であることを示すコマンド、RB残回数を示すコマンド等が含まれる。
その他、図7(a)に図示されているもの以外にも、以下のような主制御コマンドがある。例えば、「演出」主制御コマンド(演出抽選(ステップS605)で決定した演出の内容を格納したコマンド:ステップS605)、「第1リール停止」主制御コマンド(第1停止したリールを示す情報が格納され、第1リールの停止時に送信されるコマンド:ステップS607)、同様に、「第2リール停止」主制御コマンド、「第3リール停止」主制御コマンド(ステップS607)、「入賞判定情報」主制御コマンド(入賞結果を格納したコマンド:ステップS610)が存在する。なお、特に図示しないが、「演出」主制御コマンドについては、所定条件成立時(例えばボーナス入賞時(RBやBB入賞時))にも送信される。
図7(b)は主制御コマンドの具体的なデータ例を示している。「遊技状態」主制御コマンドの場合、例えば、“5400H”はBB未作動時の一般遊技であることを示す主制御コマンドデータである。また、“5500H”はRB残回数が0回であることを示す主制御コマンドデータである。
9.副制御部Aの処理
続いて、副制御部A400に関する処理について説明する。まず、図8(a)を用いて、副制御部A400のCPU410の割り込み処理について説明する。この割り込み処理は、主制御コマンドの受信に関する処理で、所定の周期で繰り返し実行される。
ステップS801では、主制御部300からのコマンド(主制御コマンド)を受信したか否かを判断し、主制御コマンドを受信した場合は、ステップS802に進む。ステップS802では、受信した主制御コマンドをバッファ(RAM413)に格納する。
ステップS803では、カウンタ更新処理を行う。なお、カウンタ更新処理は、受信した主制御コマンドに対応するカウンタの設定の有無によって処理内容が異なる。例えば、受信した主制御コマンドに対応するカウンタの設定がある場合には(例えば、BB一般遊技である旨の「遊技状態」主制御コマンドであった場合等)、更新タイミングであることを条件にカウンタを更新する(例えば、BB一般遊技の回数をカウントするカウンタ値を1減算する)。また、カウンタ値が0になっていた場合には、カウンタ値を再設定する。一方、主制御コマンドに対応するカウンタの設定がない場合(例えば、通常遊技である旨の「遊技状態」主制御コマンドであった場合等)には処理を終了する。
図8(b)は、本実施形態にかかるスロットマシン100における演出制御の中心的な処理を行う副制御部A400における処理の流れを示すフローチャートである。演出(特に音演出ならびにランプ類)に関する制御は、副制御部A400のCPU410が中心になって行い、電源断等を検知しないかぎり、同図の処理を繰り返し実行する。
ステップS811では、主制御コマンドがRAM413に格納されているか否かを判断し、主制御コマンドが格納されている場合には、ステップS812に進み、そうでなければ、ステップS811に戻る。
ステップS812では、主制御コマンドの内容を判定する。主制御コマンドには、前述した通り、「演出」主制御コマンドをはじめ、「停止ボタン受付け1」主制御コマンド、「第1リール停止」主制御コマンド等、複数種類存在するため、本ステップにてコマンドの種類を判定する。そして、判定したコマンドの種類が「演出」主制御コマンドであった場合には、各種演出データ(コマンドの種類に対応した演出を行うためのデータ)をROM412から読み出す。
副制御部A400のROM412には、あらかじめ「演出データ」が格納されており、各ブロック毎に、すなわちBGM、効果音、システム音、バックライト、上部ランプ、サイドランプ等、リール照明ランプ、リールパネルランプ、タイトルパネルランプ、受け皿ランプ、払出口ストロボ、副制御部コマンド、演出モード、予備1〜予備3にわけて格納されている。
BGMは、遊技の最中にかける音楽を規定した演出データを示し、効果音は、メダルを投入したときの音、ストップボタンを押したときの音、演出の際に必要となる、例えば、バスドラム、シンバル、ステアなどを規定した演出データを示し、システム音は、前面扉102が開いたときの音などを規定した演出データを示す。バックライトは、バックライトの点滅パターンなどを規定した演出データである。上部ランプ190、サイドランプ等(具体的には、サイドランプ151、152、中央ランプ153、154、腰部ランプ155、156、下部ランプ157、158)、リール照明ランプ、リールパネルランプ128、タイトルパネルランプ491、受け皿ランプ160、払出口ストロボ492等、各ランプ類の点滅パターンを規定した演出データを示す。演出モードは、そのブロックの各データで示される遊技の内容を総括的に表すものである。副制御部コマンドは、副制御部B500へ送信するコマンドを示す。
なお、本実施形態にかかるスロットマシン100の副制御部A400の場合、ステップS812において、「演出」主制御コマンドに対応する各種演出データの読み出し処理を行う他、BB入賞時またはSRBゲーム中にあっては、「メダル投入」主制御コマンド、「スタートレバー受付」主制御コマンド等、「演出」主制御コマンド以外のコマンドにも対応して、各種データの設定、演出データの取得、ならびに演出データの読み出し等の処理を実行する(詳細は、図9〜図14を用いて後述する)。
ステップS812にて演出データが読み出された場合において、該読み出された演出データのうち、各デバイスドライバへ出力すべき演出データは、対応する各デバイスドライバへ出力される。このため、ステップS813では、読み出された演出データがデバイスドライバへを出力すべき演出データであるか否かが判定される。デバイスドライバへ出力すべき演出データ(例えば、効果音用の演出データ)であると判定された場合には、該当するデバイスドライバに対して、当該演出データを制御コマンドデータとして出力する(ステップS814)。
一方、ランプ類の点滅用の演出データのように、デバイスドライバへ出力する必要のない演出データであると判定された場合には、該演出データに基づいてランプ類を制御する(不図示)。
ステップS815では、副制御部B500へ副制御部コマンドを送信する必要があるか否かを判断し、必要があると判断された場合にはステップS816に進み、そうでなければ、ステップS811に戻る。
具体的には、主制御コマンドに対応する制御コマンドがROM412に格納されているか否かを判断し、副制御部コマンドが格納されている場合には、副制御部コマンドの送信要と判断する。
ステップS816では、読み出された副制御コマンドを送信する。以下、同様の処理を繰り返す。
9−2.コマンド判定・演出データ読み出し処理(ステップS812)の詳細
次にコマンド判定・演出データ読み出し処理(ステップS812)の詳細について図9を用いて説明する。
ステップS901では、RAM413に格納されている主制御コマンドが「演出」主制御コマンドであるか否かを判定し、「演出」主制御コマンドであると判定された場合には、該コマンドに含まれる演出の内容に基づいて演出データを副制御部A400のROM412より読み出す(ステップS908)。
一方、「演出」主制御コマンドでなかった場合には、ステップS902に進み、RAM413に格納されている主制御コマンドが「メダル投入」主制御コマンドであるか否かを判定する。「メダル投入」主制御コマンドであった場合には、ステップS909に進み、演出モード設定処理(作製演出モード(作製編)、既作製演出モード、既製演出モードのいずれかの演出モードを設定するための処理)を実行する。なお、演出モード設定処理の詳細は後述する。
ステップS902にて「メダル投入」主制御コマンドでないと判定された場合には、ステップS903に進み、RAM413に格納されている主制御コマンドが「スタートレバー受付」主制御コマンドであるか否かを判定する。
ステップS903にて「スタートレバー受付」主制御コマンドでないと判定された場合には、「停止ボタン受付け1」主制御コマンドであるか(ステップS904)、「停止ボタン受付け2」主制御コマンドであるか(ステップS905)、「停止ボタン受付け3」主制御コマンドであるか(ステップS906)、をそれぞれ判断し、いずれにも該当しなかった場合には、ステップS907に進む。
一方、「スタートレバー受付」主制御コマンドであると判定された場合、あるいは、「停止ボタン受付け1」主制御コマンド、「停止ボタン受付け2」主制御コマンド、「停止ボタン受付け3」主制御コマンドのいずれかであると判定された場合には、ステップS910に進み、演出データ取得処理(作製演出モード(作製編)において演出データを作製するための処理)を実行する。なお、演出データ取得処理の詳細は後述する。
ステップS907では、RAM413に格納されている主制御コマンドがBB一般遊技であることを示す「遊技状態」主制御コマンドであるか否かを判定する。BB一般遊技であることを示す「遊技状態」主制御コマンドであると判定された場合には、ステップS910に進み、演出データ読み出し処理2を実行する。なお、演出データ読み出し処理2の詳細については後述する。一方、「遊技状態」主制御コマンドでないと判定された場合には、コマンド判定・演出データ読み出し処理を終了する。
9−2−1.演出データ読み出し処理2の詳細
次に演出データ読み出し処理2(ステップS911)の詳細について図10を用いて説明する。BB入賞しBBゲームに移行すると、遊技(BB一般遊技)が開始される前に、「遊技状態」主制御コマンド(BB作動時一般(5402H))が送信され、演出データ読み出し処理2が実行される。
ステップS1001では、BB一般遊技用の演出データをROM412より読み出す。
続いてステップS1002では、当該「遊技状態」主制御コマンドが、BB入賞直後に送信された主制御コマンドであるか否かを判定する。BB入賞直後に送信された主制御コマンドであると判定された場合には、ステップS1003に進み、演出モード選択用の演出データならびに所定の副制御コマンドが読み出される。
ステップS1001及び1003で読み出された演出データ(BB一般遊技用の演出データおよび演出モード選択用の演出データ)及び副制御コマンドは、ステップS814、816により送信される。
これにより、BB一般遊技中の音演出が、BB一般遊技用の演出データに基づいて行われることとなる。なお、BB入賞直後にあっては、BB一般遊技が開始される前に、液晶表示装置180に図12(a)に示す演出モード選択画面が表示されるとともに、演出選択用の演出データに基づく、音演出が行われる。
上述のように、演出モードには、遊技者が自らSRBゲーム中の音演出用の効果音を作製し、当該作製した効果音により今回のBBゲーム中に発生するSRBゲームにおける音演出を行う「作製演出モード」と、前回のBBゲーム中に発生したSRBゲームにおいて作製された効果音を用いて、今回のBBゲーム中に発生するSRBゲームの音演出を行う「既作製演出モード」と、メーカ既製の効果音を用いて今回のBBゲーム中に発生するSRBゲームにおける音演出を行う「既製演出モード」とがある。
なお、図12(a)との関係では、1201に示す“前につくった演奏を聞く?”が「既作製演出モード」に対応し、1202に示す“演奏をつくる?”が「作製演出モード」に対応し、1203に示す“演奏を流すだけ?”が「既製演出モード」にそれぞれ対応する。
図12(a)に示す、これら3つの演出モードは、いずれか1つが点灯した状態にある。そして、演出モード選択用タイマー204がカウントダウンを開始することで、概ね2秒間隔で、点灯している演出モードが切り替わる。つまり、はじめに既作製演出モードが点灯していたとすると、2秒後には既製演出モードが点灯し、その2秒後には作製演出モードが点灯する。
より具体的に説明すると、ステップS1003で演出モード選択用の演出データが設定されたときに設定されていた演出モード選択用タイマー204にはタイマー値として3191が設定され、割り込み間隔ごと(1.877msごと)に当該タイマー値が減算されていく。タイマー値が2028〜3191の間は既作製演出モードが点灯し、1064〜2027の間は作製演出モードが点灯し、0〜1063の間は既製演出モードが点灯する。なお、タイマー値が0になった場合には、3191が再設定される。
遊技者は、3つの演出モードのうち、所望の演出モードに対応する表示(1201乃至1203のいずれか)が点灯しているときに、メダル投入ボタン133を押圧することで、当該所望の演出モードを選択することができる。
9−2−2.演出モード設定処理の詳細
次に演出モード設定処理(ステップS909)の詳細について図11を用いて説明する。メダル投入ボタン133が押圧され、主制御部300より「メダル投入」主制御コマンドが送信された際に、上述の演出モード選択画面(図13(a))表示中(演出モード選択状態)であった場合には、副制御部A400では、当該メダル投入ボタン133が押圧されたタイミングを認識し、「既作製演出モード」、「作製演出モード」、「既製演出モード」のいずれかの演出モードの設定を行う。
ステップS1101では、はじめに演出モード選択状態にあるかを確認する。演出モード選択状態になかった場合には、処理を終了する。一方、演出モード選択状態にあった場合には、ステップS1102に進み、「メダル投入」主制御コマンド受信時の演出モード選択用タイマー504のタイマー値(詳しくは、演出モード選択用の演出データが設定されてから、「メダル投入」主制御コマンドを受信するまでの間でカウントされていたタイマー値である。)を取得する。
つまり、ステップS811で「メダル投入」主制御コマンドが格納されていた場合であっても演出モード選択状態にない場合には、ステップS1102〜S1108の処理は実行されない。
ステップS1103では、ステップS1102にて取得されたタイマー値が既製演出モードの対応値(0〜1063)であるか否かが判断される。既製演出モードの対応値であると判定された場合には、ステップS1107に進み、既製演出モードの設定を行う。
具体的には、今回のBBゲーム中にSRBゲームが発生した場合に、メーカ既製の演出データを音演出に用いるべき旨の設定を行う。かかる設定を行うことにより、SRBゲームが開始され、「演出」主制御コマンドが主制御部300より送信された際に、ステップS908においてメーカ既製の演出データが読み出されることとなる。
一方、既製演出モードの対応値でないと判定された場合には、ステップS1104に進み、タイマー値が作製演出モードの対応値(1064〜2027)であるか否かが判断される。作製演出モードの対応値であると判断された場合には、ステップS1106に進み、作製演出モード(作製編)の設定を行う。
具体的には、例えば、副制御部B500にて、作製演出モード(作製編)について説明するための画面(図13の1301)が表示されるよう、副制御コマンドをROM412より読み出す(ここで読み出された副制御コマンドがステップS816にて副制御部B500に送信され、これにより、当該画面が表示されることとなる)。
そのほか、今回のBBゲーム中にSRBゲームが発生した際、演出データを作製することができるよう、出力タイミング検出用タイマー506の設定など、演出データ作製に必要な条件(入力回数等)の設定を行う。
なお、本実施形態にかかる作製演出モードでは、演出のための効果音出力タイミングの入力回数は8遊技(基本説明2遊技、バスドラム2遊技、シンバル2遊技、スネア2遊技)に設定されるものとする(1遊技あたり4回操作するため、操作回数は32回となる)。1種類の楽器で最大8回の出力タイミングの入力が可能となる(JAC2遊技分の操作回数に相当する)。ただし、入力回数の設定は8遊技に限られない。例えば、3種類の楽器で最大3回の出力タイミングの入力が可能となるように、3遊技に設定してもよい。なお、JAC遊技の最初の2回は基本説明のみとなるので、操作回数のカウントはするが、当該操作情報に基づいて時間を記憶するような処理は行われない。
図11に戻る。ステップS1104にて作製演出モードの対応値でないと判断された場合には、ステップS1105に進み、既作製演出モードの設定を行う。具体的には、今回のBBゲーム中にSRBゲームが発生した場合に、前回のBBゲーム中に発生したSRBゲームにおいて遊技者が作製した演出データを音演出に用いるべき旨の設定を行う。かかる設定を行うことにより、SRBゲームが開始され、「演出」主制御コマンドが主制御部300より送信された際に、ステップS908において当該演出データが読み出されることとなる。
続いて、ステップS1108に進み、演出モード選択状態を終了し(図12(a)の表示が終了し)、演出モード設定処理を終了する。
なお、ステップS1105、S1106、S1107において、各演出モードの設定処理がされた後、ステップS1108にて演出モード選択状態を終了させる前に、演奏曲のジャンルを決定するための処理を実行するよう構成してもよい。
例えば、図12(b)に示す画面に移行し、ジャンル1204(姫曲)、ジャンル1205(殿曲)、ジャンル1206(爺曲)のいずれかのジャンルを選択できるよう構成してもよい。つまり、再度演出モード選択用タイマー504を設定し、カウントダウンに従ってジャンル1204乃至1206のいずれかを順番に点灯させ、メダル投入ボタン133が押圧された際に点灯していたジャンルを設定することとしてもよい。よって、いずれのジャンル曲1204〜1206においても、「バスドラム」「シンバル」「スネア」の楽器音を除く他の楽器音によって作製されたベース曲四章節分(BGM)が、予めROM481に記憶されており、更には、「バスドラム」「シンバル」「スネア」の楽器によるベース曲四章節分(BGM)に対応させた楽器のみによる曲が記憶されている。
9−2−3.演出データ取得処理の詳細
次に演出データ取得処理(ステップS911)の詳細について図14を用いて説明する。スタートレバー130、ストップボタン137乃至139のいずれかが押圧され、主制御部300より「スタートレバー受付」主制御コマンド、「停止ボタン受付け1乃至3」主制御コマンドが送信されると、演出データ取得処理に移行する。
ステップS1401では、作製演出モード(作製編)であり、かつ現在SRBゲームであることを確認する。作製演出モード(作製編)でなかった場合、あるいは作製演出モード(作製編)であっても、現在SRBゲーム中でない場合には処理を終了する。
つまり、ステップS811で「スタートレバー受付」主制御コマンド、「停止ボタン受付け1」主制御コマンド、「停止ボタン受付け2」主制御コマンド、「停止ボタン受付け3」主制御コマンドのいずれかが送信され、演出データ取得処理に移行した場合であっても、作製演出モード(作製編)でない場合あるいは現在SRBゲーム中でない場合には、ステップS1402〜S1412の処理は行われない。
ステップS1401において、作製演出モード(作製編)であり、かつ現在SRBゲームであると判定された場合には、ステップS1402に進む。
ステップS1402では、「スタートレバー受付」主制御コマンド、「停止ボタン受付け1乃至3」主制御コマンドのいずれかが主制御部300より送信された際の、出力タイミング検出用タイマー506のタイマー値を取得する。
ステップS1403では、取得したタイマー値が所定の入力範囲内であるか否かを判定し、所定の入力範囲内であると判定された場合には、ステップS1404に進み、当該タイマー値に対応する時間データを取得する。タイマー値は所定の範囲のカウンタ値を繰り返すことから、このように取得されたタイマー値は時間データに変換される。そして、取得した時間データをソートし、時間順に並び替えて記憶される。
ステップS1405では、操作回数を減算する。なお、操作回数と効果音の種類との対応関係は表1420に示すとおりである。これは、図11のステップS1106にて設定されている。
詳しくは、SRB遊技のJAC8遊技の32回の操作(1遊技にスタートレバー操作並びに第1乃至第3停止操作の4回の操作があるので、8×4=32回)に対し、効果音の入力が可能となっている。更には、この32回に対し、8回ごとに入力される効果音を異ならせている。1回目の操作から8回目までの操作に対しては、効果音「なし」(図13の1302の図面表示と、ベース曲四章節分(BGM)が出力されている)を、9回目の操作から16回目までの操作に対しては、効果音「バスドラム」を、17回目の操作から24回目までの操作に対しては、効果音「シンバル」を、25回目の操作から32回目までの操作に対しては、効果音「スネア」を、対応させている。よって、操作回数には対応する効果音ごとに8回の回数設定をし、ステップS1405ではこの回数を減算し、この処理が4つの効果音(「なし」を含む)に対して行われる。
なお、本実施形態では、特定の楽器音の出力回数を少なくしたい場合、または出力させたくない場合に対応するよう、操作回数を減ずる設定が可能になっている。図13の1302には、「音入無」の領域表示があるが、取得したタイマー値がこの領域に該当するものであった場合、その操作による音出力の設定はされない。
ステップS1406では、操作回数が0になったか否かを判断し、0になったと判断した場合には、処理を終了する。一方、0になっていないと判断された場合には、ステップS1407に進み、次の演出設定の有無(複数の楽器の効果音が入力可能な構成となっている場合において、まだ未入力の楽器があるか否か)を判断する。次の演出設定がない場合にはステップS1409に進む。
一方、次の演出入力設定がある場合には、ステップS1408に進み、次の演出設定(操作回数の設定等)を行った後、演出データ取得処理を終了する。このように、操作回数の回数設定は、はじめに(ステップS1106にて)“31”が設定され、操作のたびに減算され、0になったら再度ステップS1408にて“31”に設定される。これを効果音の種類の数(3)だけ繰り返し行うこととなる。
ステップS1409では、作製演出モード(作製編)が終了するとともに、作製演出モード(実行編)に移行する。そして、次回のSRBゲームの際に、今回作製した演出データに基づいて音演出を行うべき旨を設定する。これにより、次回のSRBゲームが開始され、「演出」主制御コマンドが送信された際に、副制御部A400では、図14に示す処理に基づいて作製された演出データが読み出されることとなる。作製演出モード(実行編)への移行が完了すると演出データ取得処理を終了する。
なお、図14に示す演出データ取得処理では、タイマー値を用いて操作タイミングを特定し、効果音の出力タイミングを決定することとしているが、本発明は特にこれに限られず、例えば、停止操作があった場合の絵柄番号から効果音の出力タイミングを決定するようにしてもよい。
10.副制御部Bの処理
続いて、副制御部B500に関する処理について説明する。まず、図15(a)を用いて、副制御部B500のCPU510の割り込み処理について説明する。この割り込み処理は、コマンドの受信に関する処理で、所定の周期で繰り返し実行される。
ステップS1501では、副制御部A400からコマンドを受信したか否か判断し、コマンドを受信した場合は、ステップS1502に進む。ステップS1502では、受信したコマンドをバッファ(RAM513)に格納する。
なお、副制御部B500において受信するコマンドとしては、図8のステップS815において送信される副制御部コマンドの他、主制御部300において送信された主制御コマンドがある。
ステップS1503では、カウンタ更新処理を行う。カウンタ更新処理は、受信したコマンドに対応するカウンタの設定の有無によって処理内容が異なる。例えば、受信したコマンドに対応するカウンタの設定があった場合には、更新タイミングであることを条件にカウンタを更新する。また、カウンタ値が0になっていた場合には、カウンタ値を再設定する。一方、コマンドに対応するカウンタの設定がない場合には処理を終了する。
図15(b)は、本実施形態にかかるスロットマシン100における演出制御の中心的な処理を行う副制御部B500における処理の流れを示すフローチャートである。液晶表示装置180の演出に関する制御は、副制御部B500のCPU510が中心になって行い、電源断等を検知しないかぎり、同図の処理を繰り返し実行する。
ステップS1511では、コマンドの種類を判定するための判定処理を行う。ステップS1512では、判定されたコマンドの種類に基づいて、副制御部B500のデバイスドライバへの出力すべき演出データの有無を判定する。デバイスドライバへ出力すべき演出データがない場合には、ステップS1511に戻る。一方、デバイスドライバへ出力すべき演出データがあると判定された場合には、ステップS1513に進み、副制御部Bの各デバイスドライバに対して当該演出データを制御コマンドデータとして出力した後、ステップS1511に戻る。
10−1.コマンド判定処理の詳細
次にコマンド判定処理(ステップS1511)の詳細について図16を用いて説明する。
ステップS1601では、受信コマンドの有無を判定する。コマンドを受信していない場合には、コマンド判定処理(ステップS1511)は終了する。
一方、コマンドを受信した場合には、当該受信したコマンドの種類を判定する。まずステップS1602において、「スタートレバー受付」主制御コマンドにより決定された副制御部Aコマンドであるか否かを判定する。「スタートレバー受付」主制御コマンドにより決定された副制御部Aコマンドであった場合には、ステップS1607に進み、演出データ取得処理を実行する。なお、演出データ取得処理の詳細は後述する。
ステップS1602にて「スタートレバー受付」主制御コマンドにより決定された副制御部Aコマンドでないと判定された場合には、ステップS1603に進み、受信したコマンドが「停止ボタン受付け1」主制御コマンドにより決定された副制御部Aコマンドであるか否かを判定する。
ステップS1603にて「停止ボタン受付け1」主制御コマンドにより決定された副制御部Aコマンドでないと判定された場合には、「停止ボタン受付け2」主制御コマンドにより決定された副制御部Aコマンドであるか(ステップS1604)、「停止ボタン受付け3」主制御コマンドにより決定された副制御部Aコマンドであるか(ステップS1605)、をそれぞれ判断し、いずれにも該当しなかった場合には、ステップS1606に進む。
一方、「停止ボタン受付け1乃至3」主制御コマンドにより決定された副制御部Aコマンドのいずれかであると判定された場合には、ステップS1607に進み、演出データ取得処理を実行する。
ステップS1606において演出コマンドであると判定された場合には、ステップS1608に進み、該コマンドに含まれる演出モードの内容に基づいてROM535より演出データを読み出す。例えば、「作製演出モード」が終了したときのコマンドであれば、対応する画面切り替えをするように演出データを読み出し設定する。一方、ステップS1606において演出コマンドでないと判定された場合には、処理を終了する。
10−2.演出データ取得処理の詳細
次に演出データ取得処理(ステップS1607)の詳細について図17を用いて説明する。スタートレバー130、ストップボタン137乃至139のいずれかが押圧されると、主制御部300より「スタートレバー受付」主制御コマンド、「停止ボタン受付け1乃至3」主制御コマンドが副制御部A400に送信され、副制御部A400より「スタートレバー受付」主制御コマンドにより決定された副制御部Aコマンド、「停止ボタン受付け1乃至3」主制御コマンドにより決定された副制御部Aコマンドが、副制御部B500に送信される。「作製演出モード」のとき、副制御部B500では、演出データ取得処理に移行する。
本実施形態にかかるスロットマシン100では、作製演出モードまたは既作製演出モードが選択された場合、SRBゲーム中に遊技者が作製した演出データに基づいて効果音が出力されるが、あわせて液晶表示装置180には、当該効果音の出力タイミングを可視化した画面(図20)が表示される。演出データ取得処理(ステップS1607)では、当該画面を生成するために必要なデータの取得が行われる。
ステップS1701では、作製演出モード(作製編)であり、かつ現在SRBゲームであることを確認する。作製演出モード(作製編)でなかった場合、あるいは作製演出モード(作製編)であっても、現在SRBゲーム中でない場合には処理を終了する。
つまり、ステップS1602〜1605において、「スタートレバー受付」主制御コマンドにより決定された副制御部Aコマンド、「停止ボタン受付け1」主制御コマンドにより決定された副制御部Aコマンド、「停止ボタン受付け2」主制御コマンドにより決定された副制御部Aコマンド、「停止ボタン受付け3」主制御コマンドにより決定された副制御部Aコマンドのいずれかが受信され、演出データ取得処理に移行した場合であっても、作製演出モード(作製編)でない場合あるいは現在SRBゲーム中でない場合には、ステップS1702〜1707の処理は行われない。
ステップS1701において、作製演出モード(作製編)であり、かつ現在SRBゲームであると判定された場合には、ステップS1702に進む。
ステップS1702では、「スタートレバー受付」主制御コマンドにより決定された副制御部Aコマンド、「停止ボタン受付け1乃至3」主制御コマンドにより決定された副制御部Aコマンドのいずれかが副制御部A400から送信された際の、出力タイミング検出用タイマ206のタイマー値を取得する。
ステップS1703では、当該タイマー値に対応する時間データを取得する。タイマー値は所定の範囲のカウンタ値を繰り返すことから、ここで時間データに変換される。更に、取得した時間データをソートし、昇順に並び替えられて記憶される。
ここで、図18(a)乃至(c)は、各効果音毎に昇順に並べ替えられた時間データを示している。また、取得した時間データは対応座標に変換される。図19(a)は、時間データと対応座標との関係を示しており、図19(b)乃至(d)は、各効果音毎に昇順に並べ替えられた座標データを示している。図19(a)は、120ms毎に更新される座標とし、全体で1〜64の範囲に表示設定可能な座標であるが、設定時間を120msより小さくすることで、より細かな表示設定が可能となることは言うまでもない。図19(b)、(c)、(d)は全ての演出入力設定が完了した制御データテーブルB(211)の詳細を示す図である。
なお、図19(b)はバスドラムの出力タイミングを示す座標を、図19(c)はシンバルの出力タイミングを示す座標を、図19(d)はスネアの出力タイミングを示す座標をそれぞれ示している。また、図19(e)は、図19(b)乃至(d)の座標をプロットした様子を示している。
図17に戻るが、ステップS1704では、操作回数を減算する。ここでの初期設定は、図11のステップS1106にて作成演出モードが設定されたときに、副制御部Aから設定された演出モードに対応するコマンドを受信(図16、ステップS1608)したときに設定されている。
ステップS1705では、操作回数が0になったか否かを判断し、0になったと判断した場合には、処理を終了する。一方、0になっていないと判断された場合には、ステップS1706に進み、次の演出入力設定の有無(複数の楽器の効果音が入力可能な構成となっている場合において、まだ未入力の楽器があるか否か)を判断する。次の演出入力設定がない場合には作製演出モード(作製編)を終了する。
一方、次の演出入力設定がある場合には、ステップS1707に進み、次の演出入力設定(操作回数の設定等)を行う。このように、操作回数の回数設定は、はじめに(ステップS1106にて)“8”が設定され、操作のたびに減算され、0になったら再度ステップS1706にて“8”に設定される。これを効果音の種類の数(4、但し「音入無」含む)だけ繰り返し行うこととなる。
なお、上記説明では、出力タイミング検出用タイマ206のタイマー値を用いて出力タイミングを決定することとしているが、本発明は特にこれに限られず、例えば、停止操作があった場合の絵柄番号から効果音の出力タイミングを示す座標を決定するようにしてもよい。
また、副制御部B500においても別個に出力タイミング検出用タイマを備えることとしたが、特にこのような構成に限定されるものではなく、例えば、副制御部A400の決定内容を反映したコマンドを副制御部B500に送信するよう構成し、副制御部B500では当該送信されたコマンドに基づいて処理を行うようにしてもよい。
また、このとき、副制御部A400からのコマンドに時間情報を付加することで、副制御部B500では当該コマンドに基づいて出力タイミングを設定することができる。
なお、副制御部A400における演出データ取得処理(ステップS910および図14)の場合には、取得したタイマー値が所定の入力範囲内にあった場合のみ、演出データとして用いることとしたが、副制御部B500では、取得したすべてのタイマー値を演出データとして用いても良い。
このように構成することで、所定入力範囲内にないタイミングで操作した場合、当該操作タイミングに対応する効果音は出力されないが、当該操作タイミングは画面上に表示されることとなる。
11.演出再生の一例
図18は、入力された効果音(BGM四章節分)の出力タイミングの一例を示す図である。図18(a)は作製演出モード(作製編)において遊技者により入力されたバスドラムについての効果音の出力タイミングを示す図である。全体の再生時間7688msecのうち、855msec経過時にバスドラムの1つ目の効果音を出力し、1718msec経過時にバスドラムの2つ目の効果音を出力する。以下、6817msec経過時に8つ目の効果音を出力するまで、BGM四章節分に対して計8回のバスドラムの効果音を出力する。
同様に図18(b)はシンバルの効果音の出力タイミングを、図18(c)はスネアの効果音の出力タイミングをそれぞれ示している。
なお、1801乃至1803は横軸に時間軸を、縦軸に出力をとり、各楽器の出力タイミングを記載したものである。時間軸に直交して記載された線は、各効果音が本来出力されるべき出力タイミングを示している。このように、作製演出モード(作製編)により遊技者が効果音の出力タイミングを入力することで、遊技者は遊技中に遊技者独自の演奏を聞くことが可能となり、興趣性が増す(「実行編」では、当該四章節分の演奏が繰り返し出力される)。
図20は、作製演出モード(作製編)により遊技者が作製した効果音を演奏した際の液晶表示装置180の表示例を示す図である。2001は、BGM四章節の演奏の進行に合わせて左から右に移動するバーである。また、各楽器ごとに個別に記載された白丸は、遊技者が入力した効果音の出力タイミングを可視化したものである。
これにより、遊技者は、演奏の進行に対する各楽器の出力タイミングのずれを視覚的に捉えることができる。
以上の説明から明らかなように、本実施形態によれば、第1に、BBゲーム中に発生するSRBゲームにおける音演出を、遊技者が任意に選択できるようになる。また第2に、選択可能な音演出は、スロットマシンメーカが予め用意したものに限られず、遊技者自ら作製した効果音により実現することができるようになる。また、第3に、遊技者自ら一旦作製した効果音を次のBBゲーム中に発生するSRBゲームにおいて音演出として用いるようにすることも、あるいはBB入賞時に効果音を毎回作製するようにすることも可能となる。
さらに、これまでは、SRBゲームにおけるスタートレバー操作、第1乃至第3停止操作が、単に遊技を進行させるためだけの操作にすぎなかったところ、本実施形態にかかるスロットマシンでは、各楽器の効果音の出力タイミングを決定付けることとなり、SRBゲームにおける遊技者の興趣性が増す。
[第2の実施形態]
上記第1の実施形態では、副制御部A400と副制御部B500の2つの副制御部を備える構成としたが、本発明はこれに限られず、1つの副制御部により構成するようにしてもよい。
また、上記第1の実施形態では、複数の楽器の効果音の出力タイミングを副制御部A400と副制御部B500とのそれぞれ個別に入力する構成としたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、出力する効果音の種類の情報と、これに対応する映像情報と、を一つの時間情報に対応させて記憶する構成としてもよい。これにより情報取得時の処理の軽減が図れる。
また、上記第1の実施形態では、操作回数を8回とし、スタートレバー操作後、第1乃至第3停止ボタンが押されるとコマンドが送信されるよう構成したが、特にこれに限定されない。例えば、スタートレバー操作後、第1停止ボタンを複数回押したら、複数回コマンドが送信されるよう構成し、1遊技につき、4回以上の入力を可能にしてもよい。より複雑な効果音を作製することができるようになる。
また、上記第1の実施形態では、BGM四章節分に対して出力タイミングを入力する構成としたが、特に四章節に限定するものではない。操作回数を増やし、例えば、BGM一曲すべてに対して出力タイミングを入力する構成としてもよい。
また、上記第1の実施形態では、1回の操作につき、単発の効果音の出力タイミングを入力する構成としたが、特にこれに限定するものではない。例えば、1回の操作に対応して、連続する複数回の効果音が出力されるよう構成してもよい。
また、上記第1の実施形態では、遊技者自ら作製した効果音が次のBBゲーム中に発生するSRBゲームにおいて用いられる構成としたが、特にこれに限定されるものではなく、例えば、デモ演出に用いられるよう構成してもよい。
また、上記第1の実施形態では、各効果音の出力タイミングを入力する際の、演出について特に言及しなかったが、例えば、既に効果音の出力タイミングを入力した楽器についての効果音を聴きながら、所定の楽器について出力タイミングを入力可能なように構成してもよい。
また、上記第1の実施形態では、一旦、入力された効果音について消去する機能について特に言及しなかったが、例えば、出力タイミング検出用タイマの所定の範囲を無効ポイントと定義し、当該ポイントで操作された場合には、既に入力した効果音の出力タイミングを消去するように構成してもよい。
また、上記第1の実施形態では、液晶表示装置180に、効果音の出力タイミングを可視化した画面を表示する構成としたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、各楽器の出力タイミングに合わせて、楽器を演奏する様子を画面に表示するようにしてもよい。
図21は、かかる構成を備える第2の実施形態にかかるスロットマシンの概要を説明するための図である(説明の便宜上、作製演出モードについてのみ図示している)。
スタートレバー操作(ステップS2101)、第1停止操作(ステップS2102)、第2停止操作(ステップS2103)、第3停止操作(ステップS2104)の操作タイミングが出力タイミング検出用タイマー2101により計測され、当該計測結果が制御データテーブルx(2103)としてRAM2102に記録される。
ここで、RAM2102は、遊技者の操作に従って、計測された出力タイミングがソートされながら記録されていく共に、操作時に指定されていた楽器の種類の識別番号と、映像の種類の識別番号とが制御データテーブルxに記憶されていく(2103)。更に、記憶された順に音のみの情報を記憶する制御データテーブルy(2104)や、記憶された順に映像のみの情報を記憶する制御データテーブルz(2105)を備えれば、編集作業が容易となる。例えば、制御データテーブルy(2104)を画像で視覚的に確認できるような表示をし、楽器の種類の識別番号を変更可能とすれば、制御データテーブルy(2104)の出力順では2番に該当するのはシンバルであるが、これをスネアに変更するような編集も容易に行うことができる。
図21に示す制御データテーブルx(2102)によれば、時間=200のときに、シンバルの効果音が出力されるとともに、シンバルをたたく映像が液晶表示装置180に表示され、時間=234のときにスネアの効果音が出力されるとともに、スネアをたたく映像が液晶表示装置180に表示され、時間=255、268のときにバスドラムの効果音が出力されるとともに、バスドラムをたたく映像が液晶表示装置180に表示される。
なお、映像の種類としては、各楽器を演奏するもののみならず、例えば、操作タイミングの良し悪しを表示するようにしてもよい(操作タイミングが良かったときは、「GOOD画面」、悪かったときは「BAD画面」等)。