JP2007115896A - 化合物半導体装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来の静電破壊保護素子はチップ表面に形成するため、チップ表面に静電破壊保護素子を配置するための一定の面積を必要としていた。またpn接合ダイオードのためのp型不純物領域を設ける必要があり、特別にp型イオン注入工程を追加する必要があった。
【解決手段】内部に縦型金属層が埋め込まれたバイアホールの周囲に縦型n領域を配置し、隣接する縦型金属層間にn−i−n保護素子を形成する。この場合i領域は半絶縁性GaAs基板である。またHEMTなどGaAs基板表面に導電性のエピ層が形成されている場合は、GaAs基板表面のi領域部分はボロン注入などで不活性化され、絶縁領域となっている。このような形状とすることにより、チップ表面に静電破壊保護素子を配置するためのスペースを確保する必要が無い。従ってチップ面積を縮小することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、化合物半導体装置に係り、特に化合物半導体の被保護素子の静電破壊電圧を向上させる化合物半導体装置に関する。
携帯電話等の移動体用通信機器では、GHz帯のマイクロ波を使用している場合が多く、アンテナの切換回路や送受信の切換回路などに、これらの高周波信号を切り替えるためのスイッチング素子が用いられることが多い。その素子としては、高周波を扱うことからガリウム・砒素(GaAs)を用いた電界効果トランジスタ(以下FETという)を使用する事が多く、これに伴って前記スイッチ回路自体を集積化したモノリシックマイクロ波集積回路(MMIC)の開発が進められている。
そして、従来の化合物半導体では静電破壊からGaAsFETを保護するため、静電破壊に弱いショットキー接合の端子間に静電破壊保護素子としてpn接合ダイオードを接続していた(例えば非特許文献1参照。)。
宮脇 康雄他、3名、「イオン注入型低雑音デュアルゲートGaAsMESFET」、SANYO TECHNICAL REVIEW、三洋電機(株)、1986年8月、VOL.18、NO.2、P76−84
従来の静電破壊保護素子はチップ表面に形成するため、チップ表面に静電破壊保護素子を配置するための一定の面積を必要としていた。また静電破壊保護素子はpn接合ダイオードであるため、p型不純物領域を設ける必要がある。つまり、化合物半導体装置は、n型不純物のみで回路装置を構成できるが、保護素子を形成するために別途p型イオン注入工程を追加する必要があった。
本発明は上述した諸々の事情に鑑み成されたもので、第1に、化合物半導体基板と、前記基板の第1主面に設けられた被保護素子と、前記被保護素子の端子と対応して前記基板の第2主面に設けられた電極パッドと、前記基板を貫通して設けられたバイアホールと、前記バイアホールの側壁に設けられ、前記電極パッドと前記被保護素子を接続する金属層と、前記金属層の周囲に設けられ、前記第1主面から前記第2主面に達する第1伝導領域と、前記第1伝導領域と対向して設けられ前記第1主面から前記第2主面に達する第2伝導領域と、前記第1伝導領域と前記第2伝導領域の周囲に配置された絶縁領域と、を具備し、前記第1伝導領域および前記第2伝導領域を保護素子の2端子として、前記被保護素子の2端子にそれぞれ接続し、前記被保護素子の静電破壊電圧を向上させることにより解決するものである。
第2に、化合物半導体基板と、前記基板の第1主面に設けられ、共通入力端子、出力端子および制御端子を有するスイッチ回路装置と、前記基板の第2主面に設けられ、前記共通入力端子、出力端子および制御端子にそれぞれ接続する共通入力端子パッド、出力端子パッド、および制御端子パッドと、前記制御端子パッドと前記スイッチ回路装置を構成するスイッチング素子を接続する接続手段と、前記基板を貫通して設けられたバイアホールと、前記バイアホールの側壁に設けられ、少なくとも1つの前記パッドと前記スイッチング素子とを接続する金属層と、前記金属層の周囲に設けられ、前記第1主面から前記第2主面に達する第1伝導領域と、前記第1伝導領域と対向して設けられ前記第1主面から前記第2主面に達する第2伝導領域と、前記第1伝導領域と前記第2伝導領域の周囲に配置された絶縁領域と、を具備し、前記第1伝導領域および前記第2伝導領域を保護素子の2端子として、前記スイッチ回路装置の2端子にそれぞれ接続し、前記スイッチ回路装置の静電破壊電圧を向上させることにより解決するものである。
本発明に依れば以下の効果が得られる。
第1に、チップ表面に静電破壊保護素子を配置するためのスペースを確保する必要が無い。従ってチップ面積を縮小することができる。
第2に、バイアホールの周囲に配置された縦型n+型領域はn−i−n型保護素子の端子を形成すると共に、隣接した縦型金属層間で高周波信号が漏れることを防止する。
第3に、n−i−n型保護素子のi領域(絶縁領域)の距離は、通常のn−i−n型保護素子のi領域の距離と同様4μm程度まで小さくしても、隣接する縦型金属層間において高周波信号の漏れはわずかであるが、この値は数十μmあっても良好に静電気から被保護素子を保護することができる。なぜならば、n−i−n型保護素子の長さはチップの厚みに等しく、通常100μm前後もあるため保護効果が非常に大きい。そのため本実施形態では絶縁領域の距離を必ずしも4μm程度まで縮める必要はない。従って、保護素子を形成するために(絶縁領域の距離を小さくするために)、配線を引き回す必要が無くなる。あるいは配線を引き回す距離を短くすることができる。
第4に、第1主面(表面)および第2主面(裏面)の、電極パッドや配線の下、それらの周辺にも表面n+型領域および裏面n+型領域を配置することにより、チップの裏面および表面においてもn−i−n型保護素子を形成することができ、また高周波信号の漏れを防止することができる。
図1から図22を参照し、本実施形態の化合物半導体装置について説明する。
本実施形態の化合物半導体装置は、化合物半導体基板と、被保護素子と、電極パッドと、バイアホールと、金属層と、第1伝導領域と、第2伝導領域と、絶縁領域と、から構成され、第1伝導領域と、第2伝導領域と、絶縁領域とからなる保護素子を被保護素子の2端子に接続するものである。
図1から図7には、第1実施形態を示す。
図1は、保護素子200を示す概要図である。保護素子200は図の如く、第1伝導領域201と第2伝導領域202の周囲に絶縁領域203を配置した素子である。
第1伝導領域201および第2伝導領域202は、高濃度の不純物領域である。本実施形態ではn型不純物領域を例に、第1伝導領域201および第2伝導領域202を、第1n+型領域201、第2n+型領域202として説明する。また便宜上、保護素子200の2端子として第1n+型領域201、第2n+型領域202と表記するが、これらを入れ替えても同じである。
第1n+型領域201および第2n+型領域202は、静電エネルギーを通せる距離d1で離間して設けられる。この距離d1は、例えば4μm〜数十μm程度である。その不純物濃度は、共に1×1017cm−3以上である。また、第1n+型領域201および第2n+型領域202の周囲には絶縁領域203が当接して配置される。
より具体的に説明する。化合物半導体基板は半絶縁性基板である。半絶縁性基板11(以下基板11またはGaAs基板11)の第1主面(表面)S1には被保護素子100が設けられ、基板11の第2主面(裏面)S2には被保護素子の各電極に対応する電極パッドが配置される。バイアホール55は、基板11を貫通し、第1主面S1から第2主面S2に達して設けられる。その側壁に沿って金属層(以下縦型金属層65)を配置する。そして、第1n+型領域201は、縦型金属層65の周囲の基板11に設けられ、縦型金属層65と直流電流が流れる状態で接続(以下直流的に接続)する。すなわち第1n+型領域201も基板11の第1主面S1から第2主面S2に達して設けられる。
縦型金属層65は、被保護素子100と電極パッドとを電気的に接続する。ここではバイアホール55内に縦型金属層65が充填される場合を示すが、少なくともバイアホール55の側壁が縦型金属層65により被覆されていればよく、これにより表面配線金属層30s(例えばFETに接続する配線)と裏面配線金属層30r(例えば電極パッドP)とが縦型金属層65により接続される。また、これにより第1n+型領域201は被保護素子100の1つの端子と接続する。また、縦型金属層65は、バイアホール55側壁の基板11表面とショットキー接合を形成する。
第2n+型領域202は第1n+型領域201に対向して設けられ、その間に絶縁領域203が配置される。ここで、絶縁領域203とは、電気的に完全な絶縁ではなく、基板に不純物をイオン注入して絶縁化した絶縁化領域、または図の如く半絶縁性基板11の一部である。絶縁領域203の不純物濃度は、1×1014cm−3以下程度、抵抗率は1×10Ω・cm以上が望ましい。第1n+型領域201の厚みd2は数千Å程度である。
第2n+型領域202は、第1n+型領域201と同様に縦型金属層65と直流的に接続する。縦型金属層65はバイアホール55側壁に設けられ、第2n+型領域202は、縦型金属層65に沿って、第1主面S1から第2主面S2に達して設けられる。第2n+型領域202は、縦型金属層65を介して、第2主面S2に設けられ、第1n+型領域201が接続する電極パッドとは異なる電極パッドに接続する。
尚、後述するが、第2n+型領域202については縦型金属層65が設けられなくても良いが、その場合であっても第2n+型領域202は、第1n+型領域201が接続する電極パッドとは異なる電極パッドに接続する。
このように第1n+型領域201、第2n+型領域202およびこれらの間の絶縁領域203によって、本実施形態のn−i−n型の保護素子200が構成される。また、第1n+型領域201と第2n+型領域は、被保護素子100の2端子間にそれぞれ接続する。より詳細には本実施形態において、被保護素子100の2端子とは、被保護素子100の静電気に弱い接合の2端子、あるいは静電気に弱い容量の2端子をいう。
静電気に弱い接合とはp−n接合またはショットキー接合である。p−n接合の2端子とはp型半導体に接続する端子と、n型半導体に接続する端子である。ショットキー接合とは金属電極とその金属電極と接触する半導体の間で形成される接合である。従ってショットキー接合の2端子とはその金属電極に接続する端子と、半導体に接続する端子である。
また、静電気に弱い容量は窒化膜などの誘電体膜を上部電極と下部電極で挟んだ構成であり、この場合容量の2端子とは上部電極に接続する端子と下部電極に接続する端子である。
尚、保護素子200の端子となるのは、図において対向する第1n+型領域201と第2n+型領域202である。一方、別の理由においても縦型金属層65の周囲には、これに沿ってn+型不純物領域を配置するとよい。すなわち、これにより隣り合う縦型金属層65間のアイソレーションを向上させることができるが、これについては後述する。
つまり本実施形態では、バイアホール55に沿って例えば円筒形に、基板11の第1主面S1から第2主面S2に達するn+型不純物領域を形成し、その一部を第1n+型領域201とする。従って、第2n+型領域202と対向しない部分にもn+型不純物領域が設けられる。以下、第1主面S1から第2主面S2に達するn+型不純物領域を総称して縦型n+型領域155と称する。すなわち、第1n+型領域201および第2n+型領域202は、縦型n+型領域155の一部であり、絶縁領域203を介して対向し、被保護素子100の2端子に接続している。縦型n+型領域155の不純物濃度は、1×1017cm−3以上である。
第1n+型領域201および第2n+型領域202の離間距離d1は、静電エネルギーを通すのに適当な距離であり、例えば4μm〜数十μmである。また、第1n+型領域201および第2n+型領域202の不純物濃度および絶縁領域の抵抗率も、上記の値が静電エネルギーの放電やアイソレーションの確保に適している。
通常のFET動作では静電気のように高い電圧が印加されることがないため、n−i−nのような接合の無い構造においては、4μmの絶縁領域203を信号が通ることは無い。またマイクロ波のような高周波でも同様に4μmの絶縁領域203を通過できる高周波信号のレベルはわずかである。従って通常の動作では、保護素子200は特性にほとんど影響を及ぼさない。しかし静電気は瞬間的に高い電圧が印加される現象であり、その場合は4μmの絶縁領域203を静電エネルギーが通り、第1n+型領域201および第2n+型領域202間で放電する。
また、従来ではn−i−n型保護素子のn型領域同士の離間距離は、静電エネルギーを通す距離として、4μm程度まで近接することが望ましく、10μm以上離間すると放電が十分でないことが知られていた。しかし、本実施形態によれば、離間距離d1が数十μmあっても良好に静電気から被保護素子100を保護することができる。これは、n−i−n型保護素子100の長さがチップの厚みに等しいためである。チップの厚みは通常100μm前後もあり、保護効果が非常に大きい。従来のn−i−n型保護素子は、チップ表面での占有面積に限りがあるため100μmもの長さを持たせることは不可能であった。従って、本実施形態では第1n+型領域201と第2n+型領域202の離間距離d1(絶縁領域203の幅)を必ずしも4μm程度まで縮める必要はない。
表面配線金属層30sおよび裏面配線金属層30rがコンタクトする基板11の表面には、それぞれアイソレーション向上のために表面n+型領域130sおよび裏面n+型領域130rが配置される。
図2は、チップ(基板11)の概要を示す図である。図2(A)が第1主面S1の平面図、図2(B)が第2主面S2の平面図である。また図2のa−a線の断面が図1である。
図2(A)の如く、基板11の第1主面S1には、被保護素子100が設けられ、同じく第1主面S1に延在する配線Wに接続する。尚、ここでは被保護素子100およびそれに接続する配線Wを概略的に示した。配線Wは例えば表面配線金属層30sにより構成される。
チップの電極パッドPは第2主面S2に設けられる。また、電極パッドPに接続する裏面配線金属層30rも第2主面S2に設けられる(図2(B)参照)。各電極パッドPと被保護素子100は、配線W(表面配線金属層30s)、バイアホール55内の縦型金属層65(および裏面配線金属層30r)により導通している。
縦型金属層65の周囲の基板11(バイアホール55側壁)には、n型不純物をイオン注入した、第1n+型領域201および第2n+型領域202が設けられ、これらが絶縁領域203(GaAs基板11の一部)を介して対向配置される。これにより、n−i−n型の保護素子200を被保護素子100に接続できる。
図2(B)の如く、第2主面S2においては被保護素子100の2端子に対応する電極パッドP1、P2が設けられる。縦型金属層65は電極パッドP1およびP2とそれぞれ接続する。尚、電極パッドP1の如く、縦型金属層65がパッドと重畳して設けられても良いし、電極パッドP2の如く、パッドに接続する裏面配線金属層30rを介して接続してもよい。
このように、隣り合うバイアホール55の側壁に縦型金属層65を設け、更にその周囲に第1n+型領域201および第2n+型領域202をそれぞれ設ける。そして縦型金属層65をそれぞれ被保護素子100の2端子に接続する。これにより、保護素子200が接続する被保護素子の2端子間に向かって外部より印加される静電エネルギーを、絶縁領域203を介して放電することができる。
尚、以下の説明において省略する場合であっても、縦型金属層65が配置される箇所には必ずバイアホール55が配置されるとする。
本実施形態では、第2主面S2に電極パッドPを配置することによって、電極パッドPの配置の自由度が高まり、又チップサイズも縮小することができる。これに加えて保護素子200の2端子間の離間距離d1を必ずしも近接させる必要がないため、更に配線の自由度が高まる。また、離間距離d1を近接させる必要がないため、端子を共有する複数の保護素子200を形成する場合、配線の引き回しを非常に短くでき、レイアウトの自由度が大幅に高まる。
尚、離間距離d1は、従来のn−i−n型保護素子のi領域の幅と同様の4μm程度まで短くしても、隣接する縦型金属層65間における高周波信号の漏れはわずかであり、問題はない。
また、図の如く保護素子200を接続しない他の縦型金属層65においても、アイソレーション向上のためその周囲に縦型n+型領域155を配置するとよい。同様に、保護素子200を接続しない他の表面配線金属層30sおよび他の裏面配線金属層30r(電極パッドP)が配置される基板11の表面には、それぞれ表面n+型領域130sおよび裏面n+型領域130rを配置するとよい。
また、図2(C)の如く、第2主面S2の電極パッドPには半田などによるバンプ80が設けられ、絶縁性基板や他の半導体に設けられた導電パターン等にバンプ80を固着することにより、チップが実装される。また、図示は省略するが、第1主面S1にワイヤボンドのための電極パッドが設けられても良い。
図3および図4を参照して保護素子200の接続例を説明する。図3は被保護素子100がGaAsMESFETの場合であり、図3(A)は平面概要図、図3(B)は図3(A)のb−b線断面図、図3(C)は等価回路図である。
図3(A)のごとく、被保護素子100は、MESFETである。MESFETの動作領域108は、GaAs基板11に、一点鎖線の如く例えばn型不純物を選択的にイオン注入した領域であり、動作領域108内には高濃度のn型不純物領域でなるソース領域およびドレイン領域が選択的に形成されている。
すなわち、図3(B)の如く、ノンドープのGaAs基板11にn型のチャネル層12(動作領域108)を設け、その両側にソース領域18およびドレイン領域19を形成する高濃度のn型の不純物領域が設けられる。チャネル層12にはゲート電極27がショットキー接合する。ゲート電極27の周囲はパッシベーション膜となる窒化膜60により被覆される。またソース領域18およびドレイン領域19には、表面オーミック金属層10sで形成されるソース電極15およびドレイン電極16が設けられる。更に表面配線金属層30sで形成されるソース電極35およびドレイン電極36が設けられる。各電極は、動作領域108上で櫛歯をかみ合わせた形状に配置される。
またゲート電極27、ソース電極35およびドレイン電極36はそれぞれ配線W(例えばゲート配線20および/または表面配線金属層30s)を介してゲート端子G、ソース端子S、ドレイン端子Dと接続する。
図3(C)の如く、MESFETにおいてはゲートショットキー接合容量の小さいゲート端子G−ドレイン端子D間(またはゲート端子G−ソース端子S間)に、ゲート端子G側をマイナスにしてサージ電圧を印加する場合が最も静電破壊に弱い。この場合、図3(B)、(C)の如く、動作領域108と動作領域108表面に設けられたゲート電極27との界面に形成されるショットキバリアーダイオード61に対して逆バイアスに静電気が印加される状態となる。
つまり静電破壊からの保護は、弱い接合であるゲート電極27のショットキー接合にかかる静電エネルギーを軽減すれば良い。そこで、このような場合は、本実施形態の保護素子200を、ゲート端子G−ドレイン端子D間に接続する。すなわち、MESFET100のドレイン電極35を第1主面S1の配線Wおよび縦型金属層65を介して第1n+型領域201に接続する。また、ゲート電極27を第1主面S1に延在する配線Wおよび縦型金属層65を介して第2n+型領域202に接続する。
MESFET100のゲート端子G−ドレイン端子D間に1組の第1n+型領域201、第2n+型領域202およびそれらに挟まれた絶縁領域203を接続することにより、結果的に保護素子200がMESFET100のゲート端子G−ドレイン端子D間に形成され、ゲート−ドレイン間の静電破壊に弱いゲートショットキー接合を保護することができる。MESFETのソース端子Sが外部に出ており、静電気にさらされる可能性がある場合には、さらにゲート端子Gーソース端子S間にも保護素子200を接続すると良い。
その場合、MESFET100のゲートードレイン間およびゲートーソース間の各々2端子間に1組、計2組の第1n+型領域201、第2n+型領域202およびそれらに挟まれた絶縁領域203を接続することにより、静電破壊に弱いショットキー接合を完全に保護することができる。
つまり、被保護素子100はMESFETに限らず、pn接合を有する接合型FET、HEMT(High Electron Mobility Transistor)等であってもよく、同様の効果が得られる。
図4は、容量Cの2端子間に保護素子200を接続した図であり、図4(A)は平面概要図、図4(B)は図4(A)のc−c線断面図、図4(C)は等価回路図である。
容量Cは基板11の表面に下部電極53と上部電極54を設ける。また、下部電極53と上部電極54間に誘電体となる窒化膜60が配置される。この場合、被保護素子100の2端子とは、それぞれ配線Wによって上部電極54と接続する端子と下部電極53と接続する端子である。すなわち、これらの間に保護素子200の2端子を接続する。これにより、容量Cの静電破壊を防止することができる。
図5、図6は、第1n+型領域201が配置されるバイアホール55および縦型金属層65の構成を示す図である。
図5(A)は、縦型金属層65がバイアホール55内に充填されず、バイアホール55の側壁のみに設けられる場合である。そして第1n+型領域201(縦型n+型領域155)が縦型金属層65の周囲に設けられる。第1n+型領域201は、対向する第2n+型領域202およびこれらの間の絶縁領域203と共に、保護素子200を構成する。
また第1n+型領域201は、表面n+型領域130sおよび裏面n+型領域130rと連続する。
図5(B)は、第1n+型領域201を、第2n+型領域202と対向する部分にのみ設けた場合である。このように縦型金属層65の外周を囲む縦型n+型領域155ではなく、縦型金属層65の一部の側壁に第1n+型領域201を設けても良い。
更に図5(C)の如く、第1n+型領域201は縦型金属層65と接しなくても良い。この場合、第1n+型領域201と縦型金属層65の離間距離d3は5μm程度以下とする。この程度の距離であれば、第1n+型領域201と縦型金属層65は半絶縁性の基板11を介して直流的に十分接続することができる。
図6は、バイアホール55の形状が図5と異なるものである。図5の場合、バイアホール55は異方性エッチングにより側壁が第1主面S1および第2主面S2に対して垂直となるように形成したトレンチ型である。一方、図6は、裏面よりすり鉢状にエッチングして形成した形状である。この場合も、バイアホール55の側壁のみを被覆するように設けても良いし(図6(A))、縦型金属層65をバイアホール55内に埋め込んでも良い(図6(B))。そして、何れの場合もすり鉢状の縦型金属層65に沿って、第1n+型領域201が設けられる。
この場合、第2n+型領域202と第1n+型領域201の形状が同じ場合、第1n+型領域201と第2n+型領域202の離間距離d1が、基板11の深さ方向に対して一定ではなくなるが、保護素子200としての効果は得られる。また、エッチング工程は増加するが、第1n+型領域201と天地が逆転するように、第2n+型領域202のバイアホール55を、基板11の表面からすり鉢状にエッチングして形成することにより、離間距離d1を基板11の深さ方向に均一に形成できる。
図7を参照し、縦型n+型領域155について説明する。図7は、図2(A)のd−d線断面図である。尚、ここでは保護素子200の端子として利用されない縦型n+型領域155を例に説明する。
図7では2つの縦型金属層65a、65bが隣り合って配置され、これらはバイアホール55の側壁の基板11とショットキー接合を形成する。そしてこのように隣り合う縦型金属層65a、65bに、例えば異なる高周波アナログ信号が伝搬する場合、これらの間で高周波信号が漏れる問題がある。
縦型金属層65a、65bに高周波信号が伝搬する場合、それらの電位は時々刻々に変化する。また同じ金属配線上であっても高周波信号はある距離を伝搬すると位相が変化するため、位置が違えば別の信号となる。このように、異なる高周波信号が伝搬する縦型金属層65が隣り合って配置された場合、それらの離間距離が短いと、一方の縦型金属層65aと基板11とのショットキー接合から基板11に広がった空乏層が、他方の縦型金属層65bに達し、これらの間で高周波信号が漏れる。そこで本実施形態では、これらの間に縦型n+型領域155を配置する。
縦型n+型領域155の不純物濃度は、1×1017cm−3以上である。従って、不純物がドープされていない基板11(半絶縁性であるが、基板抵抗率は1×10Ω・cm程度)と異なり、縦型n+型領域155内では空乏層がほとんど広がることはない。つまり、縦型金属層65から基板11に水平方向に空乏層が広がる場合であっても、縦型n+型領域155により隣り合う縦型金属層65に空乏層が達することを防止できる。従って、隣接する縦型金属層65間で漏れる高周波信号を防止でき、被保護素子の端子を含む、すべての隣接する端子間のアイソレーションを向上できる。
尚、高周波信号の漏れを防止する目的の場合には、縦型金属層65と縦型n+型領域155がコンタクトしていなくても良い。例えば、図示は省略するが、隣り合う縦型金属層65a、65bの間に、第1主面S1から第2主面S2に達する縦型n+型領域155を配置しても、一方から他方の縦型金属層65に伸びる空乏層の広がりを抑制することができる。
しかし、図7の如く縦型金属層65の周囲に縦型n+型領域155を配置することにより、縦型金属層65と基板11とのショットキー接合から何れの方向に広がる空乏層であってもその広がりを抑制でき、効果的である。
また、ここでは保護素子200の端子と異なる縦型金属層65a、65bについて説明したが、空乏層の広がりによる高周波信号の漏れは、保護素子200にも同様に発生する。
すなわち、第1n+型領域201と第2n+型領域202が接続する縦型金属層65(図1参照)に異なる電位の高周波信号が伝搬する場合である。保護素子200の場合は特に、第1n+型領域201および第2n+型領域202を4μm〜数十μmの離間距離d1で対向配置させる。従って、一方のショットキー接合から他方のショットキー接合に伸びる空乏層によって高周波信号が漏れる可能性が高くなる。
本実施形態の第1n+型領域201および第2n+型領域202の何れも縦型n+型領域155の一部である。従って、保護素子200は、被保護素子100をその2端子に外部から印加される静電気から保護し、尚かつ被保護素子100の2端子に高周波信号が伝搬する場合には図7の場合と同様、保護素子200内部における高周波信号の漏れを防止することができる。
更に、縦型金属層65の周囲に縦型n+型領域155を配置することによって、縦型金属層65が共に保護素子200に接続する場合に限らず、保護素子200の一方の端子に接続する縦型金属層65と、保護素子200に用いない他の縦型金属層65間の高周波信号の漏れも防ぐことができる。
また、表面n+型領域130sおよび裏面n+型領域130rは、縦型n+型領域155と同様に表面配線金属層30sおよび裏面配線金属層30rから基板11に広がる空乏層を抑制する。すなわち、近接して配置される伝導領域(金属層や不純物領域)に高周波信号が漏れることを防止し、アイソレーションを向上できる。このため、表面n+型領域130sおよび裏面n+型領域130rのいずれも、表面配線金属層30sおよび裏面配線金属層30rよりはみ出して、これらの周辺に設けられる。
この場合、表面n+型領域130sおよび裏面n+型領域130rは、表面配線金属層30sおよび裏面配線金属層30rと直流的に接続させる。すなわち、表面n+型領域130sおよび裏面n+型領域130rは5μm程度以下で離間して表面配線金属層30sおよび裏面配線金属層30rの周囲に設けても良い(図5(C))参照)。
尚、本実施形態では、保護素子200を構成する第1n+型領域201および第2n+型領域202のうち少なくとも一方(例えば第1n+型領域201)が図1、図5または図6の構成になっていればよい。つまり、第1実施形態の如く、第2n+型領域202側も同様の構成であってもよいし、第2n+型領域202側には縦型金属層65が配置されなくてもよい。
図8から図10を参照し、第2実施形態について説明する。
第2実施形態は、保護素子200の一方の端子(例えば第2n+型領域202)が、縦型金属層65と接続せず、また、縦型金属層65が設けられるバイアホール55も設けない場合である。
すなわち、第2n+型領域202は、第1n+型領域201と対向し、基板11の第1主面S1から第2主面S2に達して設けられる。第2n+型領域202は、不純物注入により形成できるので、この場合バイアホール55は不要である。尚、第1n+型領域201側については、第1実施形態と同様であるので説明は省略する。
第2n+型領域202は、第1主面S1および第2主面S2にそれぞれ設けられた表面n+型領域130sおよび裏面n+型領域130rと接続する。また、一例として第2主面S2には、裏面配線金属層30rが設けられるが、第1主面S1には表面配線金属30sが配置されない場合を示す。
尚、この場合であっても第2n+型領域202は縦型n+型領域155の一部(又は全て)である。つまり、第2n+型領域202と隣り合い、第2n+型領域202とは異なる高周波信号が伝搬する縦型金属層65が有る場合には、その隣り合う縦型金属層65から第2n+型領域202に伸びる空乏層を縦型金属層65の周囲に配置された第1n+型領域201が抑制し、高周波信号の漏れを防止できる。
従って、第1n+型領域201と第2n+型領域202によって構成される保護素子200は、被保護素子100を静電破壊から保護し、尚かつ、保護素子200内部での高周波信号の漏れを防止できる。
図9は、チップ(基板11)の概要を示す図である。図9(A)が第1主面S1の平面図、図9(B)が第2主面S2の平面図である。また図9のe−e線の断面が図8である。
図9(A)の如く、第1主面S1においては、例えば表面配線金属層30sではなく、表面n+型領域130sのパターンによって必要な伝導領域が形成される。つまり第2n+型領域202は、表面n+型領域130sを介して被保護素子100の一方の端子に接続する。
一方、第1n+型領域201は第1実施形態と同様に、表面配線金属層30sなどにより形成された配線Wを介して被保護素子100の他方の端子に接続する。これにより、静電気に弱い被保護素子100、または被保護素子100の静電気に弱い接合を保護素子200によって保護することができる。
図9(B)の如く、第2主面S2においては、第1実施形態と同様に裏面配線金属層30rが設けられ、各電極パッドPと必要な配線を形成する。尚、チップの実装例も第1実施形態(図2(C))と同様である。
図10は、図8および図9の被保護素子100としてGaAs MESFETを接続した場合の平面概要図である。被保護素子100は図3に示したものと同様であり、また図10のb−b線断面図、および等価回路は、図3(B)、図3(C)とそれぞれ同様であるのでこれらの説明は省略する。
図10の如くGaAs MESFETのゲート電極27に抵抗が接続する。抵抗は伝導領域であり、例えばn+型不純物領域である。そしてこの抵抗(表面n+型領域130s)が第1主面S1上で引き回され、第2n+型領域202と接続する(図9(A)参照)。第2n+型領域202は、第2主面において裏面配線金属層30rを介して電極パッドP2に接続する。
MESFET100のドレイン電極36は、第1主面S1において配線W(例えば表面配線金属層30s)を介して、縦型金属層65に接続する。縦型金属層65には、第1n+型領域201が直流的に接続するので、ドレイン電極36と第1n+型領域201が接続する。縦型金属層65はそれと重畳する電極パッドP1に接続する。
従ってGaAs MESFET100のゲート−ドレイン間のショットキー接合の両端にn−i−n型の保護素子200が接続される。これにより、GaAs MESFET100のゲート−ドレイン間のショットキー接合を静電破壊から保護することができる。
図11を参照し、第3実施形態を説明する。第3実施形態は、保護素子200と被保護素子100が異なる2つのチップに形成される場合である。
被保護素子100は、第1チップ180の第1主面S1に設けられる。保護素子200は、第2チップ190に設けられる。例えば第1チップ180が上層に第2チップ190が下層に配置され、ハンダバンプなどによりチップオンチップとして第1チップ180と第2チップ190が接続される。
図11(A)は第1チップ180と第2チップ190の第1主面S1の平面図、図11(B)は第2チップ190の第2主面S2の平面図、図11(C)は2つのチップを実装した場合の側面図である。尚、図11(A)において、第1チップ180の第2主面S2の電極パッドは破線で示した。
また、第1チップ180にもバイアホール55、縦型金属層65および縦型n+型領域155が設けられる。これらの構造は、第1実施形態と同様である。また、図11(A)の第2チップ190の保護素子200の断面図(a−a線)、および図11(B)の第2主面S2の構成については、第1実施形態と同様であるので、これらの説明は省略する。
第1チップ180の第1主面S1において、被保護素子100が配線W(例えば表面配線金属層30s)、縦型金属層65を介して、2つの裏面配線金属層30r(第1チップ180の電極パッドP10)に接続する。そして第1チップ180の電極パッドP10に配置した半田などのバンプ80により、第2チップ190の第1主面S1に形成した2つの電極(表面配線金属層30s)に接続する。更に第2チップ190の2つの電極から第1主面S1に延在する配線W(表面配線金属層30s)などにより、それぞれバイアホール55内の縦型金属層65に接続する。第2チップ190の縦型金属層65には、それぞれ第1n+型領域201および第2n+型領域202が接続している。これにより、第1チップ180の被保護素子100の2端子に、第2チップ190の保護素子200を接続できる。
更に、図示は省略するが、バンプ80に変えてボンディングワイヤを採用してもよい。すなわち、第1チップ180の第1主面S1に、被保護素子100の2端子に接続する2つの電極パッドを形成し、ワイヤボンドにより第2チップ190の第1主面S1に形成した2つの電極に接続する。さらに第2チップ190の第1主面S1に設けた配線、および第2チップ190に設けた縦型金属層65を介して、保護素子200の2端子に接続する。
図12から図20を参照し、第4実施形態を説明する。第4実施形態は、スイッチ回路装置を被保護素子100として、第1および第2実施形態と同様の保護素子200を接続した場合であり、スイッチ回路装置として3つのスイッチング素子を有するSP3T(Single Pole Three Throw)を例に説明する。
図12は、SP3Tの一例を示す回路図である。
スイッチ回路装置は、FETをそれぞれ3段直列に接続しスイッチング素子となる第1のFET群F1、第2のFET群F2、第3のFET群F3からなる。また、第1のFET群F1の一端のFETのソース電極(あるいはドレイン電極)、第2のFET群F2の一端のFETのソース電極(あるいはドレイン電極)および第3のFET群F3の一端のFETのソース電極(あるいはドレイン電極)が共通入力端子INに接続する。また、第1のFET群F1の3つのFETのゲート電極がそれぞれ第1制御抵抗CR1を介して第1制御端子Ctl1に接続し、第2のFET群F2の3つのゲート電極がそれぞれ第2制御抵抗CR2を介して第2制御端子Ctl2に接続する。また第3のFET群F3の3つのゲート電極がそれぞれ第3制御抵抗CR3を介して第3制御端子Ctl3に接続する。
第1制御抵抗CR1の一部は第1のFET群F1のゲート電極にそれぞれ接続する縦型抵抗VR1、高いシート抵抗値を有する抵抗HR1により構成され、第2制御抵抗CR2の一部は第2のFET群F2のゲート電極にそれぞれ接続する縦型抵抗VR2、高いシート抵抗値を有する抵抗HR2により構成され、第3制御抵抗CR3の一部は第3のFET群F3のゲート電極にそれぞれ接続する縦型抵抗VR3、高いシート抵抗値を有する抵抗HR3により構成される。縦型抵抗VRおよび高いシート抵抗値を有する抵抗HRについては後に詳述する。
更に、第1のFET群F1の他端のFETのドレイン電極(あるいはソース電極)が第1出力端子OUT1に接続する。また第2のFET群F2の他端のFETのドレイン電極(あるいはソース電極)が第2出力端子OUT2に接続し、第3のFET群F3の他端のFETのドレイン電極(あるいはソース電極)が第3出力端子OUT3に接続したものである。
第1、第2および第3制御端子Ctl1、Ctl2、Ctl3に印加される制御信号はいずれか1つがHレベルでその他がLレベルの組み合わせとなっており、Hレベルの信号が印加されたFET群がONして、共通入力端子INに入力された高周波アナログ信号をいずれかの出力端子に伝達するようになっている。抵抗は、交流接地となる制御端子Ctl1、Ctl2、Clt3の直流電位に対してゲート電極を介して高周波信号が漏出することを防止する目的で配置されている。
SP3Tの場合には、スイッチング素子を構成するFETの2端子が両方とも外部に導出しているショットキー接合を保護すればよい。具体的には、FET1−1、FET2−1およびFET3−1のソース電極−ゲート電極間と、FET1−3、FET2−3およびFET3−3のドレイン電極−ゲート電極間である。
すなわち、図の如くスイッチ回路装置の共通入力端子IN−第1制御端子Ctl1および共通入力端子IN−第2制御端子Ctl2の間にそれぞれ保護素子200’を接続し、共通入力端子IN−第3制御端子Ctl3、第1制御端子Ctl1−第1出力端子OUT1、第2制御端子Ctl2−第2出力端子OUT2、第3制御端子Ctl3−第3出力端子OUT3の間にそれぞれ保護素子200を接続する。尚、保護素子200’については後述する。
図13は、図12の回路を1チップに集積化したスイッチ回路装置の平面図である。尚、第4実施形態では、GaAs基板11の第1主面(表面)S1にSP3Tのスイッチ回路装置が配置され、第1主面S1と対向する第2主面(裏面)S2に、スイッチ回路装置に接続する全ての電極パッドが配置される。図13は、第1主面S1および第2主面S2の平面図を重畳させた図である。
GaAs基板11の第1主面S1にスイッチング素子となる3つのFET群を配置する。第1のFET群F1は例えばFET1−1、FET1−2、FET1−3の3つのFETを直列に接続したものである。第2のFET群F2は、FET2−1、FET2−2、FET2−3を直列に接続したものである。第3のFET群F3は、FET3−1、FET3−2、FET3−3を直列に接続したものである。
各FET群を構成する9つのゲート電極にはそれぞれ、第1制御抵抗CR1、第2制御抵抗CR2、第3制御抵抗CR3が接続されている。
第1層目の金属層であり基板にオーミックに接触する表面オーミック金属層(AuGe/Ni/Au)10sは各FETのソース電極、ドレイン電極等を形成するものであり、図13では、第3層目の金属層である表面配線金属層(Ti/Pt/Au)30sと重なるために図示されていない。
点線で示した第2層目の金属層による配線は各FETのゲート電極形成時に同時に形成されるゲート金属層(例えばPt/Mo)20により形成され、実線で示した表面配線金属層30sは、各素子を接続する配線を形成する。
電極パッドPは、共通入力端子パッドI、第1出力端子パッドO1、第2出力端子パッドO2と、第3出力端子パッドO3、第1制御端子パッドC1、第2制御端子パッドC2、第3制御端子パッドC3であり、それぞれスイッチ回路装置の共通入力端子IN、第1出力端子OUT1、第2出力端子OUT2、第3出力端子OUT3、第1制御端子Ctl1、第2制御端子Ctl2、第3制御端子Ctl3と接続する。
全ての電極パッドは第1主面(表面)S1と対向する第2主面(裏面)S2に設けられる。第1主面S1から第2主面S2まで基板11を貫通するバイアホール55が制御端子パッド以外の高周波信号が伝搬する各電極パッドに対応して設けられ、バイアホール55側壁に設けられた金属層65によって、共通入力端子パッドI、第1出力端子パッドO1、第2出力端子パッドO2と、第3出力端子パッドO3と各FET群が接続される。
図14は、第1主面S1を示す平面図である。
第1のFET群F1、第2のFET群F2、第3のFET群F3は構成が同様であるので、以下主に第1のFET群F1について説明する。FET1−1は上側から伸びる櫛歯状の3本の表面配線金属層30sが共通入力端子パッドIに接続されるソース電極35(あるいはドレイン電極)であり、この下に表面オーミック金属層で形成されるソース電極(あるいはドレイン電極)がある。また下側から伸びる櫛歯状の3本の表面配線金属層30sがFET1−1のドレイン電極36(あるいはソース電極)であり、この下に表面オーミック金属層で形成されるドレイン電極(あるいはソース電極)がある。この両電極は櫛歯をかみ合わせた形状に配置され、その間にゲート金属層20で形成されるゲート電極27が5本の櫛歯形状に配置されている。
FET1−2では、上側から延びる3本のソース電極35(あるいはドレイン電極)は、FET1−1のドレイン電極36と接続している。ここで、この電極は高周波信号の通過点に過ぎず一般には外部に導出する必要が無いためパッドは設けられない。また、下側から延びる3本のドレイン電極36(あるいはソース電極)は、FET1−3のソース電極35に接続している。この電極も同様に高周波信号の通過点に過ぎず一般には外部に導出する必要が無いためパッドは設けられない。この両電極の下に表面オーミック金属層がある。これらは櫛歯をかみ合わせた形状に配置され、その間にゲート金属層20で形成されるゲート電極27が5本の櫛歯形状に配置されている。
FETを多段に直列に接続したスイッチ回路装置はFET1段のスイッチ回路装置に比べ、FET群がOFFの時により大きな電圧振幅に耐えられるため高出力スイッチ回路装置となる。その際FETを直列に接続するときに接続部となるFETのソース電極またはドレイン電極は一般には外部に導出する必要が無いためパッドを設ける必要はない。
FET1−3は上側から伸びる櫛歯状の3本の表面配線金属層30sがソース電極35(あるいはドレイン電極)であり、この下に表面オーミック金属層で形成されるソース電極(あるいはドレイン電極)がある。また下側から伸びる櫛歯状の3本の表面配線金属層30sが、出力端子パッドO1に接続するドレイン電極36(あるいはソース電極)であり、この下に表面オーミック金属層で形成されるドレイン電極(あるいはソース電極)がある。この両電極は櫛歯をかみ合わせた形状に配置され、その間にゲート金属層20で形成されるゲート電極27が5本の櫛歯形状に配置されている。各ゲート電極27は、同じくゲート金属層20で形成されるゲート配線21によって各櫛歯が束ねられる。
動作領域108は、GaAs基板11に、一点鎖線の如く例えばn型不純物を選択的にイオン注入した領域であり、動作領域108内には高濃度のn型不純物領域でなるソース領域およびドレイン領域が選択的に形成されている。
基板11の周辺には、第1主面S1から第2主面S2まで、基板11を貫通するバイアホール55が設けられる。バイアホール55は、第2主面S2に配置され高周波信号が伝搬する電極パッド(共通入力端子パッドI、第1〜第3出力端子パッドO1〜O3)に対応して配置される。また、バイアホール55の側壁は縦型金属層65で被覆される。
第1のFET群F1、第2のFET群F2、第3のFET群F3の間の基板11の第1主面S1表面には、浮遊不純物領域170を設ける。浮遊不純物領域170は、外部よりいかなる電位も印加されず、島状に設けられたn型不純物領域であり、不純物濃度は1〜5×1018cm−3程度である。本実施形態では、表面n+型領域130sを所望のパターンで配置し、浮遊不純物領域170とする。
FETを直列に接続する領域、すなわちFET1−1とFET1−2間、およびFET1−2とFET1−3間においては、基板11表面に設けられた窒化膜(不図示)上に表面配線金属層30sが延在している。また、第1のFET群F1と第2のFET群F2が隣接する領域では、互いの表面配線金属層30sが窒化膜上で近接する。表面配線金属層30sには、高周波アナログ信号が伝搬するため、その下層の窒化膜が容量成分となり、高周波信号が窒化膜を通過して半絶縁性基板11に達してしまう。さらに半絶縁性基板11中で漏れた高周波信号による電荷の充放電が発生し、隣り合う表面配線金属層30sとの間で高周波信号が漏れる。また半絶縁性基板11中の第1のFET群F1側の伝導領域(例えば動作領域108)および第2のFET群F2側の伝導領域(例えば動作領域108)の間の領域において、同様に高周波信号による電荷の充放電が発生し、隣り合う伝導領域との間で高周波信号の漏れが発生する。しかし、図の如く浮遊不純物領域170を配置することにより、半絶縁性基板11中に高周波信号が漏れた場合であっても、隣り合う表面配線金属層30s間および伝導領域間において電荷の充放電による高周波信号の漏れが発生することを阻止できる。
ここで、縦型抵抗VRについて説明する。
FET1−1、FET1―2、FET1−3のゲート配線21は、動作領域108外で抵抗VR1(抵抗VR1−1、VR1−2、VR1−3)とそれぞれ接続する。抵抗VR1は、基板11の第1主面S1から第2主面S2まで達して設けられ、10KΩ程度の抵抗値を有するn型不純物領域である。縦型n+型領域155と同様の構成であり、すなわち不純物のイオン注入により形成される。抵抗VR1(以下縦型抵抗VR1)は、第2主面S2上で配線され第1制御端子パッドC1に接続する。すなわち、縦型抵抗VR1は第1制御抵抗CR1の一部を構成する抵抗である。縦型抵抗VRに関しては、第2FET群F2のゲート配線21も同様に、縦型抵抗VR2(抵抗VR2−1、VR2−2、VR2−3)に接続する。第3のFET群F3のゲート配線21は、縦型抵抗VR3(VR3−2、VR3−3)に接続する。
次に、高いシート抵抗値を有する抵抗HRについて説明する。
FETの一部のゲート配線は、例えばシート抵抗値が400〜1000Ω/□程度と高いため短い距離で10KΩ程度の高い抵抗値を有する抵抗HR(以下高抵抗HR)にも接続する。具体的には、第1主面S1において、FET1−3のゲート配線21は、高抵抗HR1−3に接続する。FET2−3のゲート配線は、高抵抗HR2−3に接続する。FET3−1のゲート配線は高抵抗HR3−1に接続し、FET3−3のゲート配線21は、高抵抗HR3−3に接続する。
図15は、図14のf−f線断面図である。
ノンドープのGaAs基板11にp−型領域13およびn型のチャネル層12を設け、その両側にソース領域18およびドレイン領域19を形成する高濃度のn型の不純物領域が設けられる。チャネル層12にはゲート電極27がショットキー接合する。ゲート電極27の周囲はパッシベーション膜となる窒化膜60saにより被覆される。またソース領域18およびドレイン領域19には、表面オーミック金属層10sで形成されるソース電極15およびドレイン電極16が設けられる。更にこの上に窒化膜60saが設けられ、窒化膜60saの開口部を介して表面配線金属層30sで形成されるソース電極35およびドレイン電極36が、1層目のソース電極15およびドレイン電極16とコンタクトする。尚、FET1−1、FET1−2、FET1−3をそれぞれ接続する表面配線金属層30sは、窒化膜60sa上に延在する。また、隣り合うFET群(例えば第1のFET群F1と第2のFET群F2)の表面配線金属層30sは窒化膜60sa上で近接して配置される。基板11表面は、ジャケットコート膜となる窒化膜60sbで被覆される。
図16は、第2主面S2の平面図であり、第1主面S1側からの透視図である。
第2主面S2には、例えばチップの周辺部に、共通入力端子パッドI、第1制御端子パッドC1、第2制御端子パッドC2、第3制御端子パッドC3、第1出力端子パッドO1、第2出力端子パッドO2、第3出力端子パッドO3の7つの電極パッドが配置される。各電極パッドは、表面配線金属層30sと同じ構成の裏面配線金属層30rにより形成される。
高周波アナログ信号が伝搬する電極パッドP、すなわち共通入力端子パッドIおよび第1〜第3出力端子パッドO1〜O3は、バイアホール55に対応して設けられる。バイアホール55側壁の縦型金属層65は共通入力端子パッドIおよび第1〜第3出力端子パッドO1〜O3と電気的に接続する。ここではバイアホール55が電極パッドに重畳して設けられる例を示すが、電極パッドに接続する配線を設け、配線とバイアホール55を重畳させてもよい。また1つの配線(または電極パッド)上に複数のバイアホール55を設けても良い。
そして、第1主面S1から第2主面S2に達する縦型n+型領域155が、第1、第2、第3出力端子パッドO1、O2、O3とそれぞれ電気的に接続する縦型金属層65の側壁に、配置される。これらの縦型n+型領域155の一部は、保護素子200の端子となる。
第2主面S2における、縦型抵抗VRと制御端子パッドCとの接続について説明する。
縦型抵抗VR1〜VR3は第1主面S1から第2主面S2まで達して設けられ、それぞれ第1〜第3制御抵抗CR1〜CR3の一部として、対応する第1〜第3制御端子パッドC1〜C3と接続する。
まず第1制御抵抗CR1について説明する。
第1のFET群F1(第1制御抵抗CR1)においては、縦型抵抗VR1−1が第1制御端子パッドC1と直接接続し、縦型抵抗VR1−2が裏面配線金属層30rを介して第1制御端子パッドC1に接続する。裏面配線金属層30rは、各電極パッドPを構成する。また、縦型抵抗VR1−3は裏面n+型領域130rを介して第1制御端子パッドC1に接続する。
第2主面S2においては、縦型抵抗VR1―2が接続する裏面配線金属層30rと縦型抵抗VR1−3が接続する裏面n+型領域130rは、高抵抗HR1−4により接続される。高抵抗HR1−4は不純物のイオン注入により構成される。このように、第1制御抵抗CR1の一部は、縦型抵抗VR1と高抵抗HR1により構成される。
第2主面S2における第2制御抵抗CR2は、第1制御抵抗CR1と同様であるので説明は省略する。
第3制御抵抗CR3について説明する。縦型抵抗VR3−2は第3制御端子パッドC3から延在する裏面配線金属層30rと接続する。縦型抵抗VR3−3は裏面n+型領域130rに接続し、イオン注入により形成された高抵抗HR3−4、縦型抵抗VR3−2が接続する裏面配線金属層30rを介して、第3制御端子パッドC3に接続する。このように、第3制御抵抗CR3の一部は、縦型抵抗VR3と高抵抗HR3により構成される。
後に詳述するが、縦型抵抗VR1−3、VR2−3、VR3−3のそれぞれ一部を第2n+型領域202として、第1制御端子パッドC1−第1出力端子パッドO1間、第2制御端子パッドC2−第2出力端子パッドO2間、第3制御端子パッド−第3出力端子パッドO3間に、それぞれ第2実施形態と同様の保護素子200が接続される。
また、第3FET群F3においては、第3制御抵抗CR3の経路から分岐して、第3制御端子パッドC3と共通入力端子パッドI間に、第1実施形態と同様の保護素子200が接続される。
第4実施形態では、共通入力端子パッドI−第1制御端子パッドC1、共通入力端子パッドI−第2制御端子パッドC2、共通入力端子パッドI−第3制御端子パッドC3と、第1制御端子パッドC1−第1出力端子パッドO1、第2制御端子パッドC2−第2出力端子パッドO2、第3制御端子パッドC3−第3出力端子パッドO3の間にそれぞれ保護素子200を接続する。
例えば第3FET群F3において、FET3−1のソース電極−ゲート電極間に接続する保護素子200は、第2主面S2の第3制御端子パッドC3からFET3−1のゲート電極への制御信号経路の途中に形成する。そのため静電破壊からの保護効果を大きくすることができる。そして保護素子200内部における高周波信号の漏れを無くすため、制御信号経路において保護素子200と第3制御端子パッドC3間、および保護素子200とFET3−1のゲート電極27の間に、それぞれ10KΩ以上の高抵抗HR3−5、HR3−1を接続する。
具体的には保護素子200と第3制御端子パッドC3の間には、第2主面S2において、高抵抗HR3−5を接続する(図16)。また保護素子200とFET3−1のゲート電極27の間には第1主面S1において、高抵抗HR3−1を接続する(図14)。ここでは、高抵抗HR3−1およびHR3−5は、イオン注入により形成される。この2つの高抵抗HR3−5、HR3−1はシリーズ接続されて第3制御抵抗CR3の一部を構成する。
これにより、FET3−1のソース電極(共通入力端子パッドI)から高周波信号が、第3制御端子パッドC3およびFET3−1のゲート電極のどちらへ漏れる経路においても高インピーダンスが接続されているため、実質的に高周波信号は漏れない。
第1FET群F1および第2FET群F2において、それぞれFET1−1およびFET2−1のソース電極−ゲート電極間の保護素子200’は、原理として本実施形態の保護素子200と同様のn−i−n型保護素子であるが、構造が異なっており、これについては後述する。
次に、第1FET群F1から第3FET群F3の3段目のFETにおいてドレイン−ゲート間に接続する保護素子200について説明する。本実施形態のドレイン−ゲート間の保護素子200の接続はすべて同様であるので、FET3−3を例に説明する。
保護素子200は、第3出力端子パッドO3近傍に配置される。保護素子200の第1n+型領域201は、第2主面S2の第3出力端子パッドO3と、第1主面S1のFET3−3のドレイン電極36を接続する縦型金属層65と直流的に接続する。保護素子200の第2n+型領域202は、縦型抵抗VR3−3である。さらに保護素子200と第3制御端子パッドC3との間に、高周波信号の漏れを防止するため、第2主面S2において、高抵抗HR3−4を接続する(図16)。また、第1主面S1において、保護素子200とFET3−3のゲート電極27との間に、高周波信号の漏れを防止するため、高抵抗HR3−3を接続する(図14)。
縦型抵抗VR3−3と、上記2つの高抵抗(高抵抗HR3−4、HR3−3)がFET3−3のゲート電極27にシリーズ接続されて、第3制御抵抗CR3の一部を構成する。
共通入力端子パッドIと第1および第2制御端子パッドC1、C2間においては、それぞれのパッドの周囲に配置した裏面n+型領域130rによって、他の保護素子200’が接続される。
以下、第1制御端子パッドC1と共通入力端子パッドI間の保護素子200’について説明するが、第2制御端子パッドC2側も同様である。
共通入力端子パッドIおよび第1制御端子パッドC1がコンタクトする第2主面S2の基板11表面には、アイソレーション向上のため裏面n+型領域130rが設けられる。共通入力端子パッドIと、第1制御端子パッドC1の対向する辺において、それぞれのパッドと接続する裏面n+型領域130rを、所定の離間距離(例えば4μm)で近接して配置し、これによりn−i−n型保護素子200’を形成する。このような場合、保護素子200’の長さ(裏面n+型領域130rが所定の離間距離で対向する長さ)は短い方が寄生容量を低減できるので好ましく、各パッドの最長辺の2分の1以下とする。
これにより、FET1−1、FET2−1およびFET3−1のソース−ゲート間と、FET1−3、FET2−3およびFET3−3のドレイン−ゲート間に保護素子200(および保護素子200’)を接続できる。
図17および図18には、第4実施形態の保護素子200を示す。図17は図13のg−g線断面図である。
図17に示す保護素子200は、第1実施形態と同様で保護素子200の両端子が同様の構成を有するものである。
すなわち、バイアホール55a、55bは基板11の第1主面S1から第2主面S2に達し、基板11を貫通して設けられる。バイアホール55aは、例えば第1n+型領域201側とし、共通入力端子パッドIに対応して設けられる。このとき第2n+型領領域202側のバイアホール55bは第3制御端子パッドC3に対応して設けられる。ここでは、バイアホール55はいずれのパッドとも重畳せず、バイアホール55aは、共通入力端子パッドIに接続する表面配線金属層30sと重畳し、バイアホール55bは、第3制御端子パッドC3に接続する裏面配線金属層30rと重畳する。バイアホール55の大きさは、10μm×10μm程度であれば十分である。表面配線金属層30sは、FET1−3のソース電極35を構成する第3層目の金属層であり、裏面配線金属層30rは、表面配線金属層30sと同じ構成の金属層である。
そしてバイアホール55a、55bの側壁はそれぞれ縦型金属層65a、65bで被覆される。ここではバイアホール55内に縦型金属層65が充填される場合を示すが、少なくともバイアホール55の側壁が縦型金属層65で被覆されていればよい。これにより表面配線金属層30sと縦型金属層65a、および裏面配線金属層30rと縦型金属層65bがそれぞれ電気的に接続する。
更に、縦型金属層65の外周に縦型n+型領域155が設けられ、直流的に接続する。互いに対向する縦型n+型領域155の一部が、それぞれ第1n+型領域201および第2n+型領域202となる。すなわち、第1n+型領域201は、縦型金属層65a、表面配線金属層30sを介して共通入力端子パッドIと接続する。一方第2n+型領域202は、縦型金属層65b、裏面配線金属層30rを介して、第3制御端子パッドC3と接続する。第1n+型領域201と第2n+型領域202の間には、絶縁領域203(GaAs基板11)が配置され、保護素子200となる。
縦型金属層65と、表面配線金属層30sおよび裏面配線金属層30rとは、オーミック性を向上させるためそれぞれ表面オーミック金属層10sおよび裏面オーミック金属層10rを介してコンタクトする。表面オーミック金属層10sは、各FETの第1層目のソース電極15およびドレイン電極16を構成する金属層である。また裏面オーミック金属層10rは、表面オーミック金属層10sと同じ構成の金属層である。表面オーミック金属層10sおよび裏面オーミック金属層10rは、バイアホール55より大きければよい。
表面オーミック金属層10s、裏面オーミック金属層10rにコンタクトする、第1主面S1、第2主面S2の基板表面には、それぞれ表面n+型領域130sおよび裏面n+型領域130rが設けられる。これらは、表面オーミック金属層10s、裏面オーミック金属層10rよりはみ出して設けられ、アイソレーション向上に寄与する。
表面配線金属層30sは、パッシベーション膜となる窒化膜60saに設けた開口部を介して表面オーミック金属層10sとコンタクトする。表面配線金属層30s上はジャケットコート膜となる窒化膜60sbで被覆される。
裏面金属層30rも同様に、パッシベーション膜となる窒化膜60raに設けた開口部を介して裏面オーミック金属層10rとコンタクトする。裏面配線金属層30r上はジャケットコート膜となる窒化膜60rbで被覆される。
例えば、図17に示す保護素子200を形成するために、高周波信号が伝搬する縦型金属層65aとDC電位(又は高周波GND電位、以下同様)の縦型金属層65bとが隣り合って配置される。このような場合、縦型金属層65a、65bのうちどちらか電位の低い方から高い方に向かって空乏層が広がる。すなわち、スイッチ回路装置においては高周波信号もDC電位も時々刻々電位が変わるため、そのときどきの電位関係に応じて、どちらか電位の低い方から高い方に向かって空乏層が広がる。そして空乏層が隣り合う縦型金属層65に達した場合に高周波信号が漏れる。
しかし、本実施形態では、第1n+型領域201、第2n+型領域202によって、縦型金属層65間に広がる空乏層の変化による高周波信号の漏れを防止できる。
従って、保護素子200として、スイッチ回路装置のスイッチング素子の1段目のFETのソース−ゲート間を静電破壊から保護し、尚かつこれらの間で漏れる高周波信号を抑制することができ、スイッチ回路装置のアイソレーションを向上できる。
尚、縦型金属層65a、65bは、縦型n+型領域155によってその外周を囲まれているので、保護素子200とは異なる他の縦型金属層65との間においても、高周波信号の漏れを防止できる。
特に、第1出力端子パッドO1、第2出力端子パッドO2、第3出力端子パッドO3には、それぞれ異なる高周波信号が伝搬するので、縦型n+型領域155として縦型金属層65の周囲に設けることにより、何れの方向に対しても空乏層の延びを抑制できる。
図18は、図13のh−h線断面図であり、第2実施形態と同様の保護素子200を接続した場合である。
第3出力端子パッドO3は、第2主面S2に設けられ、基板11を貫通するバイアホール55の側壁に設けられた縦型金属層65を介して、第1主面S1の表面配線金属層30sと電気的に接続する。すなわち、バイアホール55は第3出力端子パッドO3と重畳し、バイアホール55内に充填された縦型金属層65は、第3出力端子パッドO3と接続する。保護素子200の第1n+型領域201となる縦型n+型領域155は、バイアホール55の側壁の縦型金属層65とコンタクトし、縦型金属層65に沿って設けられる。第3出力端子パッドO3を構成する裏面配線金属層30rは、裏面オーミック金属層10rを介して縦型金属層65と接続する。また、第3出力端子パッドO3よりはみ出して、アイソレーション向上のための裏面n+型領域130rが設けられる。
保護素子200の第2n+型領域202は、縦型抵抗VR3−3である。縦型抵抗VR3−3は、基板11の第1主面S1から第2主面S2に達して不純物のイオン注入により設けられる。縦型抵抗VR3−3は、第1主面S1の表面において数μm程度の面積を有し、抵抗値は他の縦型抵抗VRと同様に10KΩ程度である。ただし、この場合においては高抵抗HR3−3(10KΩ)と高抵抗HR3−4(10KΩ)により制御抵抗としては既に十分な抵抗値(20KΩ)がシリーズに接続されているため、制御抵抗を構成する縦型VR3−3としての抵抗値は低くても良い。第1主面S1においては、表面n+型領域130sおよび表面オーミック金属層10s、表面配線金属層30sを介してFET3−3のゲート電極27に接続する。一方第2主面S2側は、裏面n+型領域130rによって第3制御端子パッドC3(裏面配線金属層30r)に接続する。これ以外の構成は、図17と同様であるので、説明は省略する。
これにより、スイッチ回路装置を構成するスイッチング素子の3段目のFETのゲート−ドレイン間に保護素子200を接続できる。
またこの保護素子200も第2主面S2の第3制御端子パッドC3からFET3−3のゲート電極への制御信号経路の途中に形成されている。そのため静電破壊からの保護効果を大きくすることができる。
縦型抵抗VR3−3は不純物の拡散領域であり、半絶縁性の基板11との間に接合は形成されない。従って、縦型抵抗VR3−3側面には空乏層は発生しない。
一方、第3出力端子パッドO3に接続する縦型金属層65と基板11とのショットキー接合からは空乏層が広がる。ここで、第3出力端子パッドO3の縦型金属層65を伝搬する高周波信号の電位と、第3制御端子パッドC3に印加される電位は時々刻々変化する。そして、第3出力端子パッドO3を伝搬する高周波信号の電位が第3制御端子パッドC3の電位より低い時間帯も発生する。この時間帯において、縦型金属層65から基板11に空乏層が広がり、縦型抵抗VR3−3(又はそれに接続する第3制御端子パッドC3)に達すると、高周波信号が漏れてインサーションロスが増大する。
しかし、本実施形態では、保護素子200の第1n+型領域201により、縦型金属層65からの空乏層の広がりを抑制できるので、インサーションロスの増大を抑制できる。
また保護素子200の第1n+型領域201をその一部とする縦型n+型領域155は、保護素子200以外の伝導領域に対しても、空乏層の広がりを抑制できる。
尚、図の如く第2n+型領域202側には縦型金属層65が設けられないが、図17と同様に第2n+型領域202側に縦型金属層65が設けられ、縦型抵抗VR3−3の抵抗値が実質0Ωになっても良い。なぜなら第3制御抵抗CR3の一部として、FET3−3のゲート電極27に接続する抵抗の抵抗値としては、前述の如く、HR3−3の10KΩおよびHR3−4の10KΩと計20KΩの、既に十分な抵抗値がシリーズに接続されているためである。
図19は、ゲート配線21が直接接続する縦型抵抗VRを示す図であり、図13のi−i線断面図である。尚縦型抵抗VR3−2を例に説明するが、縦型抵抗VR1−1、VR1−2、VR2−1、VR2−2も同様である。
例えばFET3−2のゲート電極27を束ねたゲート配線21は、動作領域108外で、表面配線金属層30sおよび表面オーミック金属層10sを介して、縦型抵抗VR3−2と接続する。表面配線金属層30sは、窒化膜60saに設けた開口部を介して表面オーミック金属層10sおよびゲート配線21とコンタクトする。表面配線金属層30s上は窒化膜60sbで被覆される。
縦型抵抗VR3−2は第1主面S1から第2主面S2に達して設けられ、第2主面S2の表面において裏面オーミック金属層10rを介して裏面配線金属層30rに接続する。裏面配線金属層30rは、窒化膜60raに設けた開口部を介して、裏面オーミック金属層10rとコンタクトし、裏面配線金属層30rの表面は窒化膜60rbで被覆される。裏面配線金属層30rは、裏面配線Wの一部であり、裏面配線Wを介して第3制御端子パッドC3に接続する。また、縦型抵抗VR1−1、VR2−1においては、裏面配線金属層30rはそれぞれ第1制御端子パッドC1、第2制御端子パッドC2の一部である。
第1主面S1および第2主面S2の表面には、縦型n+型領域155と同様の理由から表面n+型領域130sおよび裏面n+型領域130rが設けられ、アイソレーション向上を図っている。表面n+型領域130sは、表面オーミック金属層10sおよびゲート配線21の下方に連続してこれらよりはみ出して設けられる。また、裏面n+型領域130rは、裏面オーミック金属層10rよりはみ出して設けられる。
スイッチ回路装置の制御抵抗は、5KΩ以上の高い抵抗値が必要である。従って、所定の抵抗値を得るために制御抵抗をチップ表面で引き回す必要があり、チップの小型化を阻んでいる。しかし、本実施形態によれば、基板11の垂直方向の厚みを利用して縦型抵抗VRを形成できる。これによってチップ表面での制御抵抗CRの占有面積を小さくできるので、チップの小型化が実現する。
図20は、第2主面S2において、裏面配線金属層30rと裏面n+型領域130rを接続する高抵抗HR3−4を示す図であり、図13のj−j線断面図である。
高抵抗HR3−4は、第2主面S2にイオン注入により設けたn型領域であり、不純物濃度は1〜5×1017cm−3程度である。高抵抗HR3−4の一端は、裏面n+型領域130rを介して縦型抵抗VR3−3に接続し、他端は、裏面n+型領域130r、裏面オーミック金属層10rを介して、裏面配線金属層30rに接続する。尚、第1主面S1においては窒化膜60sが設けられるのみである。
図21および図22は、第5実施形態を示す。第5の実施形態はHEMT(High Electron Mobility Transistor:高電子移動度トランジスタ)でスイッチング素子を構成するスイッチ回路装置の場合である。平面図は第4実施形態と同様である。図21(A)が、動作領域108の断面図(図14のf−f線断面に相当)、図21(B)が、保護素子200の断面図(図13のg−g線断面に相当)、図21(C)が、保護素子200の断面図(図13のh−h線断面に相当)である。また図22が縦型抵抗VRを示す図であり、図13のi−i線断面に相当する。更に図23が、高抵抗の断面図であり、図23(A)が図14のk−k線断面に相当し、図23(B)が図14のl−l線断面に相当する。また、第1〜第3実施形態と同様の構成については説明を省略する。
図21(A)の如く、基板11は、半絶縁性GaAs基板131上にノンドープのバッファ層132を積層し、バッファ層132上に、電子供給層となるn+型AlGaAs層133、チャネル(電子走行)層となるノンドープInGaAs層135、電子供給層となるn+型AlGaAs層133を順次積層したものである。電子供給層133とチャネル層135間には、スペーサ層134が配置される。
バッファ層132は、不純物が添加されていない高抵抗層であり、その膜厚は、数千Å程度である。上側の電子供給層133上には、ノンドープ層を積層し、所定の耐圧とピンチオフ電圧を確保している。ここでは例えば第1ノンドープ層(AlGaAs層)141、第2ノンドープ層(InGaP層)142、第3ノンドープ層(AlGaAs層)143を積層する。その上に化学的に安定な安定層(InGaP層)140を配置し、更にキャップ層となるn+型GaAs層137を最上層に積層している。キャップ層137には高濃度の不純物が添加されており、その不純物濃度は、1〜5×1018cm−3程度である。
電子供給層133、第1〜第3ノンドープ層141〜143、スペーサ層134は、チャネル層135よりバンドギャップが大きい材料が用いられる。また電子供給層133には、n型不純物(例えばSi)が2〜4×1018cm−3程度に添加されている。
そして、このような構造により、電子供給層133であるn+型AlGaAs層のドナー不純物から発生した電子が、チャネル層135側へ移動し、電流パスとなるチャネルが形成される。この結果、電子とドナー・イオンは、ヘテロ接合界面を境として空間的に分離されることになる。電子はチャネル層135を走行するが、ドナー・イオンが存在しないためクーロン散乱の影響が非常に少なく、高電子移動度を持つことができる。
HEMTの動作領域108は、バッファ層132に達する絶縁化領域50によって一点鎖線の如く他の領域と分離される。絶縁化領域50は、電気的に完全な絶縁ではなく、不純物(B+)をイオン注入することによりエピタキシャル層にキャリアトラップを設け、絶縁化した領域である。つまり、絶縁化領域50にもエピタキシャル層として不純物は存在しているが、絶縁化のためのB+注入により不活性化されている。
動作領域108の、高濃度不純物が添加されたキャップ層137を部分的に除去することにより、ソース領域137sおよびドレイン領域137dを設ける。ソース領域137sおよびドレイン領域137dには表面オーミック金属層10sで形成されるソース電極15、ドレイン電極16が接続し、その上層には表面配線金属層30sによりソース電極35、ドレイン電極36が形成される。
また、第1主面S1の動作領域108において、ゲート電極27が配置される部分のキャップ層137および安定層140をエッチングにより除去して、第3ノンドープ層143を露出し、ゲート金属層20をショットキー接続させてゲート電極27を形成する。具体的には、ゲート電極27の最下層金属(Pt)の一部は熱処理により埋め込まれて第1ノンドープ層41に達する。すなわちショットキー接合の形状を湾曲させることにより、逆バイアス印加時の電界集中を緩和し、高耐圧を実現している。
HEMTのエピタキシャル構造はキャップ層137を含んでいる。キャップ層137の不純物濃度は1〜5×1018cm−3程度と高濃度であるため、キャップ層137の配置されている領域は機能的には高濃度(n+型)の不純物領域といえる。
図21(B)の如く、HEMTで構成されたスイッチング素子の1段目のFETのソース−ゲート間に接続する保護素子200は、第1主面S1から第2主面S2まで、基板11を貫通し、互いに対向する2つの縦型n+型領域155とその間に挟まれた絶縁化領域50で構成される。すなわち2つの縦型n+型領域155は第1n+型領域201および第2n+型領域202であり、絶縁化領域50は絶縁領域203である。それぞれの縦型n+型領域155は第1主面S1から第2主面S2まで、基板11を貫通するバイアホール55の内側表面にイオン注入により形成され、各バイアホール55の少なくとも側壁を被覆する縦型金属層65とコンタクトしている。
HEMTではアイソレーション向上のための表面n+型領域130sも絶縁化領域50で分離され、キャップ層137を含む半導体層により構成される。一方、裏面n+型領域130r、および第2主面S2に設けられる高抵抗(n型領域)は、第2主面S2の表面に不純物をイオン注入して形成する。これ以外の構成は、図17と同様であるので、説明は省略する。
図21(C)の如く、各電極パッドは裏面配線金属層30rによって第2主面S2に設けられる。また各電極パッドに対応し、第1主面S1から第2主面S2まで、基板11を貫通するバイアホール55が設けられる。バイアホール55の少なくとも側壁は縦型金属層65で被覆され、これにより各電極パッドとHEMTで構成されたスイッチング素子が接続される。具体的には、図21(C)は第3出力端子パッドO3(3段目のFET)に接続する保護素子200を示す断面図である。
保護素子200の第1n+型領域201となる縦型n+型領域155は、バイアホール55の側壁の縦型金属層65とコンタクトし、縦型金属層65に沿って設けられる。第3出力端子パッドO3を構成する裏面配線金属層30rは、裏面オーミック金属層10rを介して縦型金属層65と接続する。また、第3出力端子パッドO3よりはみ出して、アイソレーション向上のための裏面n+型領域130rが設けられる。
保護素子200の第2n+型領域202は、縦型抵抗VR3−3である。縦型抵抗VR3−3は、基板11の第1主面S1から第2主面S2に達して不純物のイオン注入により設けられる。縦型抵抗VR3−3は、第1主面S1の表面において数μm程度の面積を有し、抵抗値は10KΩ程度である。第1主面S1においては、表面n+型領域130sおよび表面オーミック金属層10s、表面配線金属層30sを介してFET3−3のゲート電極27に接続する。表面n+型領域130sは、絶縁化領域50により分離されたキャップ層137を含む領域である。一方第2主面S2側は、裏面n+型領域130rによって第3制御端子パッドC3(裏面配線金属層30r)に接続する。裏面n+型領域130rは、第2主面S2の表面にイオン注入により形成される。これ以外の構成は、図18と同様であるので、説明は省略する。
これにより、スイッチング素子の3段目のFETのゲート−ドレイン間に保護素子200を接続できる。
図22は、ゲート配線21に直接接続する縦型抵抗VR3−2を示す断面図である。
ゲート配線21は、ゲート電極27と同様に第3ノンドープ層43上に設けられ、最下層金属(Pt)の一部が埋め込まれて第1ノンドープ層41に達する。表面オーミック金属層10sはキャップ層137上に設けられ、表面配線金属層30sは、パッシベーション膜となる窒化膜60saに設けた開口部を介してゲート配線21および表面オーミック金属層10sとコンタクトする。それらを覆ってジャケットコート膜となる窒化膜60sbが設けられる。
縦型抵抗VRは、第1主面S1から第2主面S2に達する伝導領域であり、n型不純物(濃度1×1017cm−3以上)をイオン注入したn型不純物領域である。
第3制御抵抗CR3(第1制御抵抗CR1、第2制御抵抗CR2も同様)は所望の抵抗値を有する距離(長さ)および幅を確保して、他の領域と絶縁化領域50により分離される。第3制御抵抗CR3は、低抵抗LR3、高抵抗HR3、縦型抵抗VR3により構成される。低抵抗LR3(LR1およびLR2も同様)は絶縁化領域により分離されキャップ層137を含む領域で構成される。
図23は、高抵抗HRを示す断面図である。
高抵抗HR3は、絶縁化領域50によって分離され、キャップ層137を除去してキャップ層137より下の半導体層を露出した領域により構成される。高抵抗HR1、HR2も同様である。
すなわち高抵抗HR3はキャップ層137をエッチングしたリセス部101を有し、リセス部101両端に接続のためのコンタクト部102となるキャップ層137が残存する。コンタクト部102は図の如くそのまま低抵抗LR3のキャップ層137に連続して接続するか、あるいは抵抗素子電極(不図示)を設けて第3制御抵抗CR3の一部として配線などに接続するための領域である。抵抗素子電極は、HEMTの表面オーミック金属層10sおよび表面配線金属層30sにより、ソース電極およびドレイン電極と同様に形成できる。
そして図の場合には、リセス部101の底部に第3ノンドープ層143が露出する。このように、第3ノンドープ層143が露出するリセス部101を設けることにより、コンタクト部102、チャネル層135が抵抗体の電流経路となり、チャネル層135が実質的な抵抗層となる。そして、チャネル層135はキャップ層137よりシート抵抗が数倍高い(例えば400Ω/□)ため、これにより短い距離で高抵抗値を有する高抵抗HR3が得られる。本実施形態ではリセス部101を設けることによりシート抵抗Rs=400Ω/□程度の高抵抗HR3とする。リセス部101は、例えば50μm程度の長さである。
第1主面S1において、低抵抗LR3の主要電流経路は、不純物濃度が高く膜厚も厚いキャップ層137である。キャップ層137のシート抵抗はRs=100Ω/□程度である。低抵抗LR3のみで高い抵抗値(5KΩ以上)を得るにはその幅を十分狭くするか、長さを十分確保する方法がある。実際にはパターンニングの微細化に限界があるため、長さで所望の抵抗値を確保する必要がある。従って、抵抗が大きくなるとチップ上でパッドや素子の隙間に納まり切れず抵抗を配置するためだけに特別のスペースを準備する必要が発生し、チップ面積が大きくなってしまう問題がある。そこで本実施形態では、キャップ層137を除去してシート抵抗が高いチャネル層135を、実質的な抵抗層とする高抵抗HR3を採用する。これによりチップ周辺などの空きスペースに十分納まるため、特にチップサイズを増大する必要が無くなる。
尚、高抵抗は不純物注入領域や、キャップ層をエッチングして下層の半導体層を露出した領域でなくてもよく、例えば蒸着されたNiCrなどにより形成された金属抵抗でも良い。
また、表面n+型領域130sおよび裏面n+型領域130rは、これらとコンタクトする金属層(表面オーミック金属層10s、裏面オーミック金属層10r、表面配線金属層30s、裏面配線金属層30r、またはゲート配線21)の下方全面に配置される場合を示したが、これらの金属層の下方周辺部で金属層よりはみ出して設けられてもよい。また金属層から5μm以下程度離間して金属層の周辺に設けられてもよい。


本発明を説明するための断面図である。 本発明を説明するための(A)平面図、(B)平面図、(C)側面図である。 本発明を説明するための(A)平面概要図、(B)断面図、(C)等価回路図である。 本発明を説明するための(A)平面概要図、(B)断面図、(C)等価回路図である。 本発明を説明するための断面図である。 本発明を説明するための断面図である。 本発明を説明するための断面図である。 本発明を説明するための断面図である。 本発明を説明するための平面図である。 本発明を説明するための平面概要図である。 本発明を説明するための(A)平面図、(B)平面図、(C)側面図である。 本発明を説明するための回路図である。 本発明を説明するための平面図である。 本発明を説明するための平面図である。 本発明を説明するための断面図である。 本発明を説明するための平面図である。 本発明を説明するための(A)平面図、(B)断面図である。 本発明を説明するための(A)平面図、(B)断面図である。 本発明を説明するための断面図である。 本発明を説明するための断面図である。 本発明を説明するための断面図である。 本発明を説明するための断面図である。 本発明を説明するための断面図である。
符号の説明
10s 表面オーミック金属層
10r 裏面オーミック金属層
11 半絶縁性基板
12 チャネル層
15、35 ソース電極
16、36 ドレイン電極
27 ゲート電極
18、137s ソース領域
19、137d ドレイン領域
20 ゲート金属層
21 ゲート配線
30s 表面配線金属層
30r 裏面配線金属層
50 絶縁化領域
53 下部電極
54 上部電極
55 バイアホール
65 縦型金属層
130s 表面n+型領域
130r 裏面n+型領域
170 浮遊不純物領域
131 GaAs基板
132 バッファ層
133 電子供給層
134 スペーサ層
135 チャネル層
137 キャップ層
140 安定層
141 第1ノンドープ層
142 第2ノンドープ層
143 第3ノンドープ層
155 縦型n+型領域
60、60s、60sa、60sb、60ra、60rb 窒化膜
80 バンプ
100 被保護素子
101 リセス部
102 コンタクト部
108 動作領域
180 第1チップ
190 第2チップ
200 保護素子
201 第1n+型領域
202 第2n+型領域
203 絶縁領域
VR1、VR2、VR3 縦型抵抗
HR1、HR2、HR3 高抵抗
LR1、LR2、LR3 低抵抗
IN 共通入力端子
Ctl1 第1制御端子
Ctl2 第2制御端子
Ctl3 第3制御端子
OUT1 第1出力端子
OUT2 第2出力端子
OUT3 第2出力端子
I 共通入力端子パッド
C 制御端子パッド
C1 第1制御端子パッド
C2 第2制御端子パッド
C3 第3制御端子パッド
O 出力端子パッド
O1 第1出力端子パッド
O2 第2出力端子パッド
O3 第3出力端子パッド
CR1 第1制御抵抗
CR2 第2制御抵抗
CR3 第3制御抵抗
F1 第1のFET群
F2 第2のFET群
F3 第3のFET群
P、P1、P2、P10、P20 パッド
W 配線

Claims (17)

  1. 化合物半導体基板と、
    前記基板の第1主面に設けられた被保護素子と、
    前記被保護素子の端子と対応して前記基板の第2主面に設けられた電極パッドと、
    前記基板を貫通して設けられたバイアホールと、
    前記バイアホールの側壁に設けられ、前記電極パッドと前記被保護素子を接続する金属層と、
    前記金属層の周囲に設けられ、前記第1主面から前記第2主面に達する第1伝導領域と、
    前記第1伝導領域と対向して設けられ前記第1主面から前記第2主面に達する第2伝導領域と、
    前記第1伝導領域と前記第2伝導領域の周囲に配置された絶縁領域と、
    を具備し、
    前記第1伝導領域および前記第2伝導領域を保護素子の2端子として、前記被保護素子の2端子にそれぞれ接続し、前記被保護素子の静電破壊電圧を向上させることを特徴とする化合物半導体装置。
  2. 前記第1伝導領域は、前記金属層と直流的に接続することを特徴とする請求項1に記載の化合物半導体装置。
  3. 前記第1伝導領域および前記第2伝導領域を、前記被保護素子の静電気に弱い接合の2端子にそれぞれ接続することを特徴とする請求項1に記載の化合物半導体装置。
  4. 前記第1伝導領域および前記第2伝導領域を、前記被保護素子の静電気に弱い容量の2端子にそれぞれ接続することを特徴とする請求項1に記載の化合物半導体装置。
  5. 前記基板を貫通する他のバイアホールと、前記第2主面に設けられた他の電極パッドと、前記他のバイアホールの側壁に設けられ前記他の電極パッドと前記被保護素子を接続する他の金属層とを有し、前記第2伝導領域は、前記他の金属層の周囲に設けられ、該他の金属層と直流的に接続することを特徴とする請求項1に記載の化合物半導体装置。
  6. 前記第2主面に設けられた他の電極パッドを有し、前記第2伝導領域は前記他の電極パッドと直流的に接続することを特徴とする請求項1に記載の化合物半導体装置。
  7. 前記バイアホールは内部に前記金属層が充填されることを特徴とする請求項1に記載の化合物半導体装置。
  8. 化合物半導体基板と、
    前記基板の第1主面に設けられ、共通入力端子、出力端子および制御端子を有するスイッチ回路装置と、
    前記基板の第2主面に設けられ、前記共通入力端子、出力端子および制御端子にそれぞれ接続する共通入力端子パッド、出力端子パッド、および制御端子パッドと、
    前記制御端子パッドと前記スイッチ回路装置を構成するスイッチング素子を接続する接続手段と、
    前記基板を貫通して設けられたバイアホールと、
    前記バイアホールの側壁に設けられ、少なくとも1つの前記パッドと前記スイッチング素子とを接続する金属層と、
    前記金属層の周囲に設けられ、前記第1主面から前記第2主面に達する第1伝導領域と、
    前記第1伝導領域と対向して設けられ前記第1主面から前記第2主面に達する第2伝導領域と、
    前記第1伝導領域と前記第2伝導領域の周囲に配置された絶縁領域と、
    を具備し、
    前記第1伝導領域および前記第2伝導領域を保護素子の2端子として、前記スイッチ回路装置の2端子にそれぞれ接続し、前記スイッチ回路装置の静電破壊電圧を向上させることを特徴とする化合物半導体装置。
  9. 前記第1伝導領域は、前記金属層と直流的に接続することを特徴とする請求項8に記載の化合物半導体装置。
  10. 前記基板を貫通する他のバイアホールと、前記第2主面に設けられた他の電極パッドと、前記他のバイアホールの側壁に設けられ前記他の電極パッドと前記被保護素子を接続する他の金属層とを有し、前記第2伝導領域は、前記他の金属層の周囲に設けられ、該他の金属層と直流的に接続することを特徴とする請求項8に記載の化合物半導体装置。
  11. 前記第2主面に設けられた他の電極パッドを有し、前記第2伝導領域は前記他の電極パッドと直流的に接続することを特徴とする請求項8に記載の化合物半導体装置。
  12. 前記第2伝導領域は前記接続手段の一部であることを特徴とする請求項8に記載の化合物半導体装置。
  13. 前記接続手段は制御抵抗であることを特徴とする請求項8に記載の化合物半導体装置。
  14. 前記第1伝導領域および前記第2伝導領域を、前記出力端子パッドおよび前記制御端子パッドにそれぞれ接続することを特徴とする請求項8に記載の化合物半導体装置。
  15. 前記バイアホールは内部に前記金属層が充填されることを特徴とする請求項8に記載の化合物半導体装置。
  16. 前記共通入力端子パッドに高周波アナログ信号が伝搬することを特徴とする請求項8に記載の化合物半導体装置。
  17. 前記第1伝導領域および前記第2伝導領域を、前記共通入力端子パッドおよび前記制御端子パッドにそれぞれ接続することを特徴とする請求項8に記載の化合物半導体装置。
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