JP2007115603A - 配線基板、配線基板の製造方法、電気光学装置および電子機器 - Google Patents

配線基板、配線基板の製造方法、電気光学装置および電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】画素領域内に設けられた材料の変質・劣化を確実に防止し得る配線基板、かかる配線基板を容易に製造可能な配線基板の製造方法、配線基板を備えた信頼性の高い電気光学装置および電子機器を提供すること。
【解決手段】図1に示すアクティブマトリックス型発光装置10は、基板21と、この基板21上に形成された回路部22とを有している。この回路部22上に、各駆動用TFT24に対応して、画素領域が形成され、各画素領域内には、それぞれ有機EL素子1が設けられている。そして、隣接する画素領域同士は、第1隔壁部31および第2隔壁部32により構成される隔壁部(バンク)35により区画されている。この隔壁部35のうち、第2隔壁部32がプラズマ重合膜で構成されている。本発明の配線基板は、このような隔壁部35と、前述の基板21とを有するものである。
【選択図】図1

Description

本発明は、配線基板、配線基板の製造方法、電気光学装置および電子機器に関するものである。
例えば、光透過性を有する基板と、この基板上に形成されたバンク(隔壁)により画成された複数の画素領域内に、発光部を形成したマトリクス型発光装置が知られている。
ここで、前述のバンクには、各画素領域に配置される各種の機能材料を隔て、汚染源となる気相成分または液相成分がバンクを透過して、機能材料が汚染または変質・劣化するのを防止する機能が求められる。
このような技術的要請に対応するため、例えば、バンクを蒸着重合によるフッ素含有高分子膜で構成したマトリクス型発光装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1のマトリクス型発光装置では、バンクが、高い撥液性を示すフッ素含有高分子膜で構成されているため、製造工程中や、完成後における液相成分の透過を防止することができる。
一方で、このフッ素含有高分子膜は、蒸着重合により形成されたものである。この蒸着重合では、原料モノマーを基板上に堆積させるとともに、重合して高分子膜を形成することができる。
しかしながら、このような蒸着重合により得られた高分子膜は、原料モノマーを基板上に堆積させ、重合して得られたものであるため、堆積時の空疎な構造が反映されて密度が低い。このため、気相成分の透過を十分に防止することができず、画素領域に配置される機能材料の劣化を十分に防止することができないという問題がある。
特開2003−77678号公報
本発明の目的は、画素領域内に設けられた材料の変質・劣化を確実に防止し得る配線基板、かかる配線基板を容易に製造可能な配線基板の製造方法、配線基板を備えた信頼性の高い電気光学装置および電子機器を提供することにある。
上記目的は、下記により達成される。
本発明の配線基板は、基板と、
該基板の一方の面側に設けられた膜と、を備え、
前記一方の面側には前記膜の形成されていない部分を有し、前記膜はバンクであり、該バンクの少なくとも一部がプラズマ重合膜で構成されていることを特徴とする。
これにより、バンクで囲まれた空間内に設けられた材料の変質・劣化を確実に防止し得る配線基板が得られる。
本発明の配線基板では、前記バンクは、複数の画素領域を区画することが好ましい。
これにより、画素領域内に設けられた材料の変質・劣化を確実に防止し得る配線基板が得られる。
本発明の配線基板では、前記プラズマ重合膜の密度は、1.8〜2.2g/cmであることが好ましい。
これにより、プラズマ重合膜は、より緻密なものとなり、気相成分等の透過を確実に防止し得るものとなる。
本発明の配線基板では、前記プラズマ重合膜は、主としてフッ素系の高分子で構成されていることが好ましい。
これにより、プラズマ重合膜は高い撥水性を示し、液状材料の付着や透過等をより確実に防止することができる。また、画素領域内への液状材料の供給位置精度を高めるセルフアライメントの効果も奏する。
本発明の配線基板の製造方法は、基板を収納したチャンバ内に、ガス状の原料を供給する第1の工程と、
前記原料をプラズマ重合することにより、前記基板の一方の面側にプラズマ重合膜の形成される部分と形成されない部分とを設ける第2の工程と、を有し、
前記プラズマ重合膜が、少なくともバンクの一部を構成することを特徴とする。
これにより、バンクで囲まれた空間内に設けられた材料の変質・劣化を確実に防止し得る配線基板を容易に製造することができる。
本発明の配線基板の製造方法では、前記バンクは、複数の画素領域を区画することが好ましい。
これにより、画素領域内に設けられた材料の変質・劣化を確実に防止し得る配線基板を容易に製造することができる。
本発明の配線基板の製造方法では、前記第2の工程において、前記バンクを包含する領域に、前記原料をプラズマ重合して得られた重合物を堆積させ、該重合物の不要部分をエッチングで除去することにより、前記プラズマ重合膜を得ることが好ましい。
これにより、バンクのパターンを有するプラズマ重合膜を効率よく得ることができる。
本発明の配線基板の製造方法では、前記エッチング用のガスは、CFを主成分とするものであることが好ましい。
これらのフッ素系ガスは、プラズマ重合により容易に重合して、緻密で撥液性に優れた重合物を形成し得るものである。
本発明の配線基板の製造方法では、前記原料は、CHF、CおよびCのうちの少なくとも1種を主成分とするものであることが好ましい。
これにより、効率よくパターニングすることができる。さらに、エッチングによりプラズマ重合膜中に新たにフッ素原子が導入されるため、より撥液性の高いバンクが得られることになる。
本発明の配線基板の製造方法では、前記原料は、フッ素を含有する液状物質を気化させたものを主成分とするものであることが好ましい。
これにより、原料の取り扱いを容易に行うことができる。
本発明の配線基板の製造方法では、前記フッ素を含有する液状物質は、C18、C、CおよびCのうちの少なくとも1種を主成分とするものであることが好ましい。
これらの液状物質は、常温下で液体状態にあるため、気化させるためのエネルギーが少なく、容易に気化させることができるものである。
本発明の配線基板の製造方法では、前記プラズマ重合におけるプラズマ出力を設定することにより、前記プラズマ重合膜の密度を調整することが好ましい。
これにより、原料の気体分子とプラズマとが接触した際に、気体分子に付与されるプラズマエネルギーを調整して、プラズマ重合膜の重合度を制御することができる。したがって、プラズマ出力を適宜設定することにより、プラズマ重合膜の密度を容易に調整することができる。
本発明の配線基板の製造方法では、前記プラズマ重合における原料の流量および雰囲気圧力の少なくとも一方を設定することにより、前記プラズマ重合膜の成膜速度を調整することが好ましい。
これにより、プラズマ重合を生じる確率を制御することができ、その結果、成膜速度を容易に調整することができる。このため、成膜速度を調整して、効率よく重合物を形成することができ、プラズマ重合膜の形成効率を高めることができる。
本発明の電気光学装置は、本発明の配線基板と、
該配線基板の各前記画素領域内にそれぞれ設けられた機能層とを有することを特徴とする。
これにより、信頼性の高い電気光学装置が得られる。
本発明の電気光学装置では、前記基板と前記機能層との間に設けられ、各前記画素領域に露出する画素電極と、
各前記画素電極に接続されたスイッチング素子を含む回路部とを有し、
当該電気光学装置は、前記機能層として、発光層を含む半導体層を備えた発光装置であることが好ましい。
これにより、信頼性の高い発光装置である電気光学装置が得られる。
本発明の電子機器は、本発明の電気光学装置を有することを特徴とする。
これにより、信頼性の高い電子機器が得られる。
以下、本発明の配線基板、配線基板の製造方法、電気光学装置および電子機器について、好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
まず、本発明の電気光学装置を適用したアクティブマトリクス型発光装置の一例について説明する。
<アクティブマトリクス型発光装置>
図1は、本発明の電気光学装置を適用したアクティブマトリクス型発光装置の一例を示す縦断面図、図2〜図3は、図1に示すアクティブマトリクス型発光装置の製造方法を説明するための図であり、図4は、プラズマ重合装置の構成を示す模式図である。なお、以下の説明では、図1〜図4中の上側を「上」、下側を「下」と言う。
図1に示すアクティブマトリクス型発光装置(以下、単に「発光装置」と言う。)10は、TFT回路基板(対向基板)20と、このTFT回路基板20上に設けられた有機EL素子(有機半導体素子)1と、TFT回路基板20に対向する上基板9とを有している。
TFT回路基板20は、基板21と、この基板21上に形成された回路部22とを有している。
基板21は、発光装置10を構成する各部の支持体となるものであり、上基板9は、例えば、有機EL素子1を保護する保護膜等として機能するものである。
また、本実施形態の発光装置10は、上基板9側から光を取り出す構成(トップエミッション型)であるため、上基板9は、実質的に透明(無色透明、着色透明、半透明)とされ、一方、基板21は、特に、透明性は要求されない。
このような基板21には、各種ガラス材料基板および各種樹脂基板のうち比較的硬度の高いものが好適に用いられる。
一方、上基板9には、各種ガラス材料基板および各種樹脂基板のうち透明なものが選択され、例えば、石英ガラス、ソーダガラスのようなガラス材料や、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレン、シクロオレフィンポリマー、ポリアミド、ポリエーテルサルフォン、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリアリレートのような樹脂材料等を主材料として構成される基板を用いることができる。
基板21の平均厚さは、特に限定されないが、1〜30mm程度であるのが好ましく、5〜20mm程度であるのがより好ましい。一方、上基板9の平均厚さも、特に限定されないが、0.1〜30mm程度であるのが好ましく、0.1〜10mm程度であるのがより好ましい。
回路部22は、基板21上に形成された下地保護層23と、下地保護層23上に形成された駆動用TFT(スイッチング素子)24と、第1層間絶縁層25と、第2層間絶縁層26とを有している。
駆動用TFT24は、半導体層241と、半導体層241上に形成されたゲート絶縁層242と、ゲート絶縁層242上に形成されたゲート電極243と、ソース電極244と、ドレイン電極245とを有している。
このような回路部22上に、各駆動用TFT24に対応して、画素領域が形成され、各画素領域内には、それぞれ有機EL素子1が設けられている。また、隣接する画素領域同士は、第1隔壁部31および第2隔壁部32により構成される隔壁部(バンク)35により区画されている。
隔壁部35の開口の形状は、例えば、円形、楕円形、四角形、六角形等の多角形等、いかなるものであってもよい。
また、隔壁部35の開口の形状を多角形とする場合には、角部は丸みを帯びているのが好ましい。これにより、正孔輸送層5および発光層6を、後述するような、液状材料を用いて形成する際に、これらの液状材料を、隔壁部35の内側の空間(画素領域)の隅々にまで確実に供給することができる。
第1隔壁部31の構成材料は、耐熱性、撥液性、インク溶剤耐性、下地層との密着性等を考慮して選択される。
このような材料としては、例えば、アクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂のような有機材料や、SiOのような無機材料が挙げられる。
特に、陰極3が酸化物材料を主材料として構成される場合には、第1隔壁部31の構成材料としては、SiOを用いるのが好ましい。これにより、陰極3と第1隔壁部31との密着性の向上を図ることができる。
本実施形態では、第2隔壁部32がプラズマ重合膜で構成されている。プラズマ重合膜は、比較的緻密であるため、例えば、各画素領域内に設けられた有機EL素子1の材料成分や水蒸気のような気相成分等が、第2隔壁部32中を透過するのを防止することができる。これにより、各画素領域内の材料や、第2隔壁部32自体の変質・劣化を防止または抑制することができる。その結果、有機EL素子1の表示性能等の低下を防止するとともに、信頼性および耐久性(寿命)の向上を図ることができる。
このようなプラズマ重合膜は、その密度が1.8〜2.2g/cm程度であるのが好ましく、1.9〜2.1g/cm程度であるのがより好ましい。密度が前記範囲内であれば、プラズマ重合膜は、より緻密なものとなり、気相成分等の透過を確実に防止し得るものとなる。
また、このプラズマ重合膜は、例えば、フッ素系、炭化水素系、有機シリコン系等の各高分子で構成することができるが、特に、主としてフッ素系の高分子で構成されるのが好ましい。これにより、かかるプラズマ重合膜で構成された第2隔壁部32は、フッ素原子に起因する撥液性と、この撥液性に伴う耐湿性を示すものとなる。
なお、本実施形態では、第2隔壁部32がプラズマ重合膜で構成されている場合について説明したが、隔壁部35の全体、または少なくとも画素領域内を臨む面付近が、プラズマ重合膜で構成されていてもよい。
このような隔壁部35の高さは、陰極3、発光層6および正孔輸送層5の合計の厚さに応じて適宜設定され、特に限定されないが、1〜2μm程度とするのが好ましい。かかる高さとすることにより、十分に隔壁としての機能が発揮される。
また、隔壁部35の幅は、特に限定されないが、画素領域の幅の30%以下であるのが好ましく、20%以下であるのがより好ましい。これにより、画素領域の面積を十分に得ることができ、発光装置10の輝度を高めることができる。また、このように画素領域に対して幅の狭い隔壁部35の形成に、本発明は好適に適用できる。
さらに、画素の形状がオーバル(長円)形状である場合、画素の長軸方向を縦とすると、隔壁部35の幅は、画素の横幅の40〜80%程度であるのが望ましく、画素の50〜60%程度であるのがより望ましい。隔壁部35は、緻密質のプラズマ重合膜で構成されているため、前記範囲のように比較的小さい(細い)ものであっても、十分にその機能を維持することができる。換言すれば、画素領域が小さい場合でも、それに合わせて隔壁部35を細くし、画素領域の面積を最大限に確保して輝度を高めることが可能となる。これにより、より高精細かつ高輝度の発光装置10を実現することが可能となる。
本実施形態では、各有機EL素子1の陰極3は、画素電極を構成し、各駆動用TFT24のドレイン電極245に配線27により電気的に接続されている。また、正孔輸送層5および発光層6は、各有機EL素子1に対して個別に形成されており、陽極8は、共通電極とされている。
発光装置10は、単色表示であってもよく、各有機EL素子1に用いる発光材料を選択することにより、カラー表示も可能である。
以下、有機EL素子1について詳述する。
図1に示すように、有機EL素子1は、陰極3と、陽極8と、陰極3と陽極8との間に、陰極3側から発光層6および正孔輸送層5の順で積層された有機半導体層(積層体)が設けられている。
また、本実施形態では、発光層6および正孔輸送層5が、発光装置10の発光機能を担う機能層を構成している。
陰極3は、発光層6に電子を注入する電極である。
この陰極3の構成材料(陰極材料)としては、仕事関数の小さい材料を用いるのが好ましい。
このような陰極材料としては、Li、Mg、Ca、Sr、La、Ce、Er、Eu、Sc、Y、Yb、Ag、Cu、Al、Cs、Rbまたはこれらを含む合金等が挙げられ、これらのうちの少なくとも1種を用いることができる。
特に、陰極材料として合金を用いる場合には、Ag、Al、Cu等の安定な金属元素を含む合金、具体的には、MgAg、AlLi、CuLi等の合金を用いるのが好ましい。かかる合金を陰極材料として用いることにより、陰極3の電子注入効率および安定性の向上を図ることができる。
陰極3の平均厚さは、特に限定されないが、10nm〜200nm程度であるのが好ましく、50〜150nm程度であるのがより好ましい。陰極3の厚さが薄すぎると、陰極3の機能が充分に発揮されなくなるおそれがあり、一方、陰極3が厚過ぎると、有機EL素子1の発光効率等の特性が低下するおそれがある。
一方、陽極8は、正孔輸送層5に正孔を注入する電極である。
この陽極8の構成材料(陽極材料)としては、仕事関数が大きく、導電性に優れ、また透光性を有する材料を用いるのが好ましい。
このような陽極材料としては、例えば、ITO(酸化インジウムと酸化亜鉛との複合物)、SnO2、Sb含有SnO2、Al含有ZnO等の酸化物、Au、Pt、Ag、Cuまたはこれらを含む合金等が挙げられ、これらのうちの少なくとも1種を用いることができる。
陽極8の平均厚さは、特に限定されないが、100〜3000nm程度であるのが好ましく、500〜2000nm程度であるのがより好ましい。陽極8の厚さが薄すぎると、陽極8としての機能が充分に発揮されなくなるおそれがあり、一方、陽極8が厚過ぎると、陽極材料の種類等によっては、光の透過率が著しく低下し、有機EL素子1の構成がトップエミッション型の場合、実用に適さなくなるおそれがある。
なお、陽極材料には、例えば、ポリチオフェン、ポリピロール等の導電性樹脂材料を用いることもできる。
正孔輸送層5は、陽極8から注入された正孔を発光層6まで輸送する機能を有するものである。
この正孔輸送層5の構成材料(正孔輸送材料)としては、例えば、ポリアリールアミン、フルオレン−アリールアミン共重合体、フルオレン−ビチオフェン共重合体、ポリ(N−ビニルカルバゾール)、ポリビニルピレン、ポリビニルアントラセン、ポリチオフェン、ポリアルキルチオフェン、ポリヘキシルチオフェン、ポリ(p−フェニレンビニレン)、ポリチニレンビニレン、ピレンホルムアルデヒド樹脂、エチルカルバゾールホルムアルデヒド樹脂またはその誘導体等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、前記化合物は、他の化合物との混合物として用いることもできる。一例として、ポリチオフェンを含有する混合物としては、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン/スチレンスルホン酸)(PEDOT/PSS)等が挙げられる。
このような正孔輸送層5の平均厚さは、特に限定されないが、10〜150nm程度であるのが好ましく、50〜100nm程度であるのがより好ましい。
なお、陽極8と正孔輸送層5との間には、例えば、陽極8からの正孔注入効率を向上させる正孔注入層を設けるようにしてもよい。
この正孔注入層の構成材料(正孔注入材料)としては、例えば、銅フタロシアニンや、4,4‘,4‘‘−トリス(N,N−フェニル−3−メチルフェニルアミノ)トリフェニルアミン(m−MTDATA)等が挙げられる。
ここで、陰極3と陽極8との間に通電(電圧を印加)すると、正孔輸送層5中を移動した正孔が発光層6に注入され、また、陰極3から電子が発光層6に注入され、この発光層6において正孔と電子とが再結合する。そして、発光層6ではエキシトン(励起子)が生成し、このエキシトンが基底状態に戻る際にエネルギー(蛍光やりん光)を放出(発光)する。
発光層6の構成材料(発光材料)としては、例えば、ベンゾチアジアゾールのようなチアジアゾール系化合物、1,3,5−トリス[(3−フェニル−6−トリ−フルオロメチル)キノキサリン−2−イル]ベンゼン(TPQ1)、1,3,5−トリス[{3−(4−t−ブチルフェニル)−6−トリスフルオロメチル}キノキサリン−2−イル]ベンゼン(TPQ2)のようなベンゼン系化合物、フタロシアニン、銅フタロシアニン(CuPc)、鉄フタロシアニンのような金属または無金属のフタロシアニン系化合物、トリス(8−ヒドロキシキノリノレート)アルミニウム(Alq)、ファクトリス(2−フェニルピリジン)イリジウム(Ir(ppy))のような低分子系のものや、ジオクチルフルオレンのようなフルオレン系高分子、オキサジアゾール系高分子、トリアゾール系高分子、カルバゾール系高分子のような高分子系のものが挙げられ、これらの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
なお、正孔輸送層5は、必要に応じて設ければよく、省略することもできる。
発光層6の平均厚さは、特に限定されないが、10〜150nm程度であるのが好ましく、50〜100nm程度であるのがより好ましい。
なお、陰極3と発光層6との間には、例えば、陰極3から注入された電子を発光層6まで輸送する機能を有する電子輸送層を設けるようにしてもよい。さらには、この電子輸送層と陰極3との間に、陰極3から電子輸送層への電子の注入効率を向上させる電子注入層を設けるようにしてもよい。
電子輸送層の構成材料(電子輸送材料)としては、例えば、1,3,5−トリス[(3−フェニル−6−トリ−フルオロメチル)キノキサリン−2−イル]ベンゼン(TPQ1)、1,3,5−トリス[{3−(4−t−ブチルフェニル)−6−トリスフルオロメチル}キノキサリン−2−イル]ベンゼン(TPQ2)のようなベンゼン系化合物(スターバースト系化合物)、ナフタレンのようなナフタレン系化合物、フェナントレンのようなフェナントレン系化合物、クリセンのようなクリセン系化合物、ペリレンのようなペリレン系化合物、アントラセンのようなアントラセン系化合物、ピレンのようなピレン系化合物、アクリジンのようなアクリジン系化合物、スチルベンのようなスチルベン系化合物、BBOTのようなチオフェン系化合物、ブタジエンのようなブタジエン系化合物、クマリンのようなクマリン系化合物、キノリンのようなキノリン系化合物、ビスチリルのようなビスチリル系化合物、ピラジン、ジスチリルピラジンのようなピラジン系化合物、キノキサリンのようなキノキサリン系化合物、ベンゾキノン、2,5−ジフェニル−パラ−ベンゾキノンのようなベンゾキノン系化合物、ナフトキノンのようなナフトキノン系化合物、アントラキノンのようなアントラキノン系化合物、オキサジアゾール、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(PBD)、BMD、BND、BDD、BAPDのようなオキサジアゾール系化合物、トリアゾール、3,4,5−トリフェニル−1,2,4−トリアゾールのようなトリアゾール系化合物、オキサゾール系化合物、アントロンのようなアントロン系化合物、フルオレノン、1,3,8−トリニトロ−フルオレノン(TNF)のようなフルオレノン系化合物、ジフェノキノン、MBDQのようなジフェノキノン系化合物、スチルベンキノン、MBSQのようなスチルベンキノン系化合物、アントラキノジメタン系化合物、チオピランジオキシド系化合物、フルオレニリデンメタン系化合物、ジフェニルジシアノエチレン系化合物、フローレンのようなフローレン系化合物、フタロシアニン、銅フタロシアニン、鉄フタロシアニンのような金属または無金属のフタロシアニン系化合物、8−ヒドロキシキノリン アルミニウム(Alq)、ベンゾオキサゾールやベンゾチアゾールを配位子とする錯体のような各種金属錯体等が挙げられる。
その他、電子輸送層の構成材料(電子輸送材料)としては、例えば、オキサジアゾール系高分子(ポリオキサジアゾール)、トリアゾール系高分子(ポリトリアゾール)等の高分子系の材料を用いることもできる。
電子輸送層の平均厚さは、特に限定されないが、1〜100nm程度であるのが好ましく、20〜50nm程度であるのがより好ましい。
また、電子注入層の構成材料(電子注入材料)としては、例えば、8−ヒドロキシキノリン、オキサジアゾール、または、これらの誘導体(例えば、8−ヒドロキシキノリンを含む金属キレートオキシノイド化合物)等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上組み合わせて(例えば、複数層の積層体等として)用いることができる他、各種の無機絶縁材料や、各種の無機半導体材料等を用いることができる。
無機絶縁材料や無機半導体材料を主材料として電子注入層を構成することにより、電流のリークを有効に防止して、電子注入性を向上させることや、耐久性の向上を図ることができる。
このような無機絶縁材料としては、例えば、アルカリ金属カルコゲナイド(酸化物、硫化物、セレン化物、テルル化物)、アルカリ土類金属カルコゲナイド、アルカリ金属のハロゲン化物およびアルカリ土類金属のハロゲン化物等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。これらを主材料として電子注入層を構成することにより、電子注入性をより向上させることができる。
アルカリ金属カルコゲナイドとしては、例えば、LiO、LiO、NaS、NaSe、NaO等が挙げられる。
アルカリ土類金属カルコゲナイドとしては、例えば、CaO、BaO、SrO、BeO、BaS、MgO、CaSe等が挙げられる。
アルカリ金属のハロゲン化物としては、例えば、CsF、LiF、NaF、KF、LiCl、KCl、NaCl等が挙げられる。
アルカリ土類金属のハロゲン化物としては、例えば、CaF、BaF、SrF、MgF、BeF等が挙げられる。
また、無機半導体材料としては、例えば、Ba、Ca、Sr、Yb、Al、Ga、In、Li、Na、Cd、Mg、Si、Ta、SbおよびZnのうちの少なくとも1つの元素を含む酸化物、窒化物または酸化窒化物等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、このような無機材料で電子注入層を構成する場合、この無機材料は、微結晶または非晶質であることが好ましい。これにより、電子注入層は、より均質なものとなるため、ダークスポット等の画素欠陥を減少させることができる。
ここで、本発明の配線基板は、基板21と、この基板21の一方の面側(上側)に設けられ、各画素領域を区画する隔壁部(バンク)35とを有するものである。かかる配線基板は、プラズマ重合膜で構成された第2隔壁部32が緻密質であることから、画素領域内に設けられた材料成分や気相成分等が第2隔壁部32中を透過するのを防止することができる。これにより、このような配線基板は、画素領域内の材料の変質・劣化を防止または抑制し得るものとなる。
また、本発明の電気光学装置は、この配線基板と、配線基板の複数の画素領域内にそれぞれ設けられた前述の機能層(例えば、正孔輸送層5および発光層6)とを有するものである。このような電気光学装置としては、例えば、カラーフィルタ基板を備えた液晶装置等が挙げられる。すなわち、機能層として、R(赤)、G(緑)、B(青)の各色要素のフィルタ層を適用することにより、フィルタ層の変質・劣化を確実に防止または抑制し得る液晶装置を実現することができる。
このような発光装置10は、本発明の配線基板の製造方法を適用した製造方法により、次のようにして製造される。
なお、以下では、隔壁部35の原料として、フッ素系ガスを用いた場合を代表に説明する。
[1]まず、図2(a)に示すようなTFT回路基板20を用意する。
[1−A]まず、基板21を用意し、基板21上に、例えば、TEOS(テトラエトキシシラン)や酸素ガスなどを原料ガスとして、プラズマCVD法等により、平均厚さが約200〜500nmの酸化シリコンを主材料として構成される下地保護層23を形成する。
[1−B]次に、下地保護層23上に、駆動用TFT24を形成する。
[1−Ba]まず、基板21を約350℃に加熱した状態で、下地保護層23上に、例えばプラズマCVD法等により、平均厚さが約30〜70nmのアモルファスシリコンを主材料として構成される半導体膜を形成する。
[1−Bb]次いで、半導体膜に対して、レーザアニールまたは固相成長法等により結晶化処理を行い、アモルファスシリコンをポリシリコンに変化させる。
ここで、レーザアニール法では、例えば、エキシマレーザでビームの長寸が400mmのラインビームを用い、その出力強度は、例えば200mJ/cm程度に設定される。また、ラインビームについては、その短寸方向におけるレーザー強度のピーク値の90%に相当する部分が各領域毎に重なるようにラインビームを走査する。
[1−Bc]次いで、半導体膜をパターニングして島状とし、各島状の半導体膜241を覆うように、例えば、TEOS(テトラエトキシシラン)や酸素ガスなどを原料ガスとして、プラズマCVD法等により、平均厚さが約60〜150nmの酸化シリコンまたは窒化シリコン等を主材料として構成されるゲート絶縁層242を形成する。
[1−Bd]次いで、ゲート絶縁層上に、例えば、スパッタ法等により、アルミニウム、タンタル、モリブデン、チタン、タングステンなどの金属を主材料として構成される導電膜を形成した後、パターニングし、ゲート電極243を形成する。
[1−Be]次いで、この状態で、高濃度のリンイオンを打ち込んで、ゲート電極243に対して自己整合的にソース・ドレイン領域を形成する。なお、不純物が導入されなかった部分がチャネル領域となる。
[1−C]次に、駆動用TFT24に電気的に接続されるソース電極244およびドレイン電極245を形成する。
[1−Ca]まず、ゲート電極243を覆うように、第1層間絶縁層25を形成した後、コンタクトホールを形成する。
[1−Cb]次いで、コンタクトホール内にソース電極244およびドレイン電極245を形成する。
[1−D]次に、ドレイン電極245と陽極8とを電気的に接続する配線(中継電極)27を形成する。
[1−Da]まず、第1層間絶縁層25上に、第2層間絶縁層26を形成した後、コンタクトホールを形成する。
[1−Db]次いで、コンタクトホール内に配線27を形成する。
以上のようにして、TFT回路基板20が得られる。
[2]次に、TFT回路基板20上に有機EL素子1を形成する。
[2−A]まず、図2(b)に示すように、TFT回路基板20が備える第2層間絶縁層26上に、配線27に接触するように陰極(画素電極)3を形成する。
この陰極3は、ゲート電極243と同様にして形成することができる。
[2−B]次に、図2(c)に示すように、第2層間絶縁層26上に、各陰極3を区画するように、隔壁部35を形成する。
[2−Ba]まず、第2層間絶縁層26上に、第1隔壁部31を形成する。
第1隔壁部31は、陰極3および第2層間絶縁膜26を覆うように、液相プロセスや気相プロセスを経て絶縁膜を形成した後、フォトリソグラフィー法とエッチング法とを組み合わせてパターニングすること等により形成することができる。
[2−Bb]次に、第1隔壁部31上に、第2隔壁部32を形成する。
この第2隔壁部32は、例えば、図4に示すプラズマ重合装置100を用いてプラズマ重合法により形成することができる。
図4に示すプラズマ重合装置100は、真空ポンプ110が接続された真空チャンバ120を備え、この真空チャンバ120内に、電極130およびステージ140が設けられている。
電極130は、真空チャンバ120の上部に絶縁体121を介して取り付けられ、真空チャンバ120の外部に配設された高周波電源150に接続されている。この高周波電源150により高周波電力が出力される。
この高周波電力の出力(プラズマ出力)は、5〜500W程度であるのが好ましく、10〜100W程度であるのがより好ましい。
また、高周波電力の周波数は、特に限定されず、例えば一般的な工業用周波数である13.56MHzとすることができる。
ステージ140は、第1隔壁部31が形成されたTFT回路基板20(被処理基板)が載置されるものであり、真空チャンバ120の下部に、電極130と対向するように配設されている。このステージ140には、TFT回路基板20の温度を調整する温度調節機構が設けられている。
また、真空チャンバ120には、ガス供給管160および原料供給管170が接続されている。
ガス供給管160には、ガス供給源180が流量制御弁161を介して接続されている。この流量制御弁161の開閉操作によって、真空チャンバ120へ供給されるガスの流量が調整される。
また、ガス供給源180より供給する添加ガスとしては、例えば、アルゴン、ヘリウム、窒素等が挙げられるが、これらの中でも、アルゴンを用いるのが好ましい。
原料供給管170には、原料ガスを収納する原料容器190が流量制御弁171を介して接続されている。この原料容器190の下部にはヒータ191が設置され、原料容器190内の原料が液状物質である場合に、ヒータ191で液状物質を加熱して気化させ、ガス状にすることができる。
原料ガスは、真空チャンバ120の負圧により吸引され、原料供給管170を通って真空チャンバ120に供給される。この真空チャンバ120へ供給される原料ガスの流量は、流量制御弁171の開閉操作によって制御される。
次に、このプラズマ重合装置100を用いて、第2隔壁部32を形成する方法について説明する。
まず、前記工程[2−Bb]で隔壁部35を形成したTFT回路基板20を、真空チャンバ120内のステージ140上に配置する。
次に、原料ガスを原料容器190内に導入する。
その後、ポンプ110を作動させることにより、真空チャンバ120内の圧力を設定値まで減圧する。
この減圧による真空チャンバ120内の圧力は、1Torr程度以下であるのが好ましく、1×10−4Torr程度以下であるのがより好ましい。
次に、ステージ140の温度調整機構を調整することにより、TFT回路基板20の温度を、原料ガスのプラズマ重合反応が促進されるように温度を設定する。
このTFT回路基板20の温度は、25℃以上であるのが好ましく、25〜100℃程度であるのがより好ましい。
次に、必要に応じて、酸素ガスをガス供給管160から真空チャンバ120内に供給する。
そして、第1隔壁部31の表面に対して、一般的な酸素プラズマ処理を施す。これにより、第1隔壁部31の表面に水酸基等の官能基を導入することができ、後述する第2隔壁部32との密着性を高めることができる。
酸素プラズマ処理の後、必要に応じて、再度、真空チャンバ120内の圧力を設定値まで減圧する。
次に、添加ガスをガス供給管160から、原料ガスを原料供給管170から、それぞれ真空チャンバ12内に供給する。
添加ガスの流量は、10〜500sccm程度であるのが好ましい。
一方、原料ガスの流量は、1〜100sccm程度であるのが好ましく、30〜70sccm程度であるのがより好ましい。
また、原料ガスの供給後の真空チャンバ12内の雰囲気圧力は、0.01〜1Torr程度であるのが好ましく、0.1〜0.5Torr程度であるのがより好ましい。
次に、高周波電源150よって高周波電力を電極130に印加する。これにより、真空チャンバ120内にアルゴンプラズマが生成する。そして、このアルゴンプラズマの電子衝突励起によって原料ガスが活性化され、TFT回路基板20の表面近傍で重合反応を生じ、重合物が堆積する。
真空チャンバ120内に供給されるフッ素系の原料ガスとしては、例えば、CHF、C、C、C等が挙げられる。
フッ素系ガスは、プラズマ重合により、フッ素原子を含有する緻密質の重合物を形成することができる。
さらに、前述したように、このようにして得られた重合物は、フッ素原子に起因する撥液性と、かかる撥液性に伴う耐湿性を示すものとなる。
また、フッ素系ガスの中でも、CHF、CおよびCのうちの少なくとも1種を主成分とするものが好ましい。これらのフッ素系ガスは、プラズマ重合により容易に重合して、緻密で撥液性に優れた重合物を形成し得るものである。
さらに、気体分子中のフッ素原子の含有率が高いため、より撥液性の高い重合物を得ることができる。
また、本発明に用いられる原料ガスは、フッ素を含有する液状物質を気化させたものを主成分とするものでもよい。これにより、原料の取り扱いを容易に行うことができる。
このようなフッ素を含有する液状物質としては、例えば、C18、C、CおよびCのうちの少なくとも1種を主成分とするものが好ましい。これらの液状物質は、常温下で液体状態にあるため、気化させるためのエネルギーが少なく、容易に気化させることができるものである。
高周波電力を印加する時間(重合物の形成時間)は、10〜60分程度であるのが好ましく、20〜30分程度であるのがより好ましい。
なお、このようにして重合物を成膜した後、この重合物に加熱処理(アニール処理)を行うようにしてもよい。これにより、重合物とTFT回路基板20表面との架橋反応が促進され、重合物の硬度が増すこととなり、TFT回路基板20と重合物の密着性がより強固なものとなる。
この熱処理は、窒素雰囲気等の不活性ガス雰囲気下、100〜450℃程度×1〜10分程度で行うのが好ましく、150〜230℃程度×1〜3分程度で行うのがより好ましい。
なお、本実施形態では、原料ガスがフッ素系ガスである場合を代表に説明したが、原料ガスとしては、メタン、エタン、エチレンのような炭化水素系ガス、シラン、メチルシランのような有機シリコン系ガス等を主成分とするものであってもよい。
次に、得られた重合物のうち、形成すべき隔壁部35のパターン以外の不要部分をエッチングで除去することによりパターニングを行う。これにより、隔壁部35のパターンを有するプラズマ重合膜を効率よく得ることができる。
この場合、プラズマ重合膜のパターニングの方法としては、プラズマエッチングのようなドライエッチング、ウエットエッチングのような各種エッチング等が挙げられるが、プラズマエッチングを用いるのが好ましい。プラズマエッチングによれば、プラズマ重合膜やTFT回路基板20等の汚染を防止しつつ、パターニングを施すことができる。
また、プラズマエッチングに用いるエッチング用ガス(エッチャント)としては、フッ素系ガスが好ましく、CFを主成分とするものがより好ましい。CFは、プラズマエッチングの際に、炭素原子とフッ素原子とに容易に解離して活性種となる。そして、この活性種が重合物に作用(例えば、反応、衝突等)することにより、重合物の不要部分が除去され、効率よくパターニングすることができる。
さらに、エッチングによりプラズマ重合膜中に新たにフッ素原子が導入されるため、より撥液性の高い第2隔壁部32が得られることになる。
なお、前述のプラズマ重合に先立って、TFT回路基板20の上側(第1隔壁部31の上面)に、第2隔壁部32の目的とするパターンに対応するパターンの開口部を有するマスクを設け、その後、プラズマ重合を行うようにしてもよい。
この場合、マスクを設けるだけでプラズマ重合膜のパターニングを行うことができるため、容易に、かつ効率よく第2隔壁部32を形成することができる。このため、第2隔壁部32の製造コストを削減することができる。
ここで、従来、この第2隔壁部32は、液相プロセスや蒸着等の成膜方法で形成されて膜により構成されていた。
このうち、液相プロセスにより形成された膜は、比較的緻密な膜となるものの、膜中に溶媒や重合開始剤の未反応物等が残留していた。このため、この膜で構成されたバンクでは、膜中の残留成分が画素領域内の材料中に溶出して、悪影響を及ぼす問題を生じていた。
一方、蒸着により形成された膜は、分子量の大きな分子ユニットが堆積して形成された膜となるため、緻密性に乏しく低密度なものとなる。このため、この膜で構成されたバンクを、画素領域内の材料成分や気相成分が容易に透過するという問題があった。
これに対し、本発明のように、プラズマ重合膜で構成された第2隔壁部32は、緻密質であり、かつ残留成分の溶出等を生じないことから、各画素領域内の材料の変質・劣化を確実に防止し得るものとなる。
また、プラズマ重合の際に、原料ガスの流量および雰囲気圧力の少なくとも一方を適宜設定することにより、得られる重合物(プラズマ重合膜)の成膜速度を調整することができる。
具体的には、例えば、原料ガスの流量を前述の範囲内で大きくすることにより、成膜速度を速くすることができる。また、プラズマ重合の際の雰囲気圧力を前述の範囲内で大きくすることによっても、成膜速度を速くすることができる。
このように原料ガスの流量や雰囲気圧力を設定することにより、プラズマ重合を生じる確率を制御することができ、その結果、成膜速度を容易に調整することができる。このため、成膜速度を調整して、効率よく重合物を形成することができ、プラズマ重合膜の形成効率を高めることができる。
このようにして調整される成膜速度は、特に限定されるものではないが、5〜70nm/min程度に調整されるのが好ましく、10〜50nm/min程度に調整されるのがより好ましい。成膜速度が前記範囲内であれば、特に効率よく重合物を得ることができる。
一方、高周波電力の出力(プラズマ出力)を適宜設定すれば、得られる重合物、すなわちプラズマ重合膜の密度を調整することができる。
例えば、プラズマ出力を前述の範囲内で大きくすることにより、得られるプラズマ重合膜の密度を高めることができる。
これにより、原料ガスの気体分子とプラズマとが接触した際に、気体分子に付与されるプラズマエネルギーを調整して、プラズマ重合膜の重合度を制御することができる。したがって、プラズマ出力を適宜設定することにより、プラズマ重合膜の密度を容易に調整することができる。
さらに、プラズマ重合装置100の構成(例えば、電極130とステージ140との間の距離等)を設定することによっても、成膜速度やプラズマ重合膜の密度等を調整することができる。
以上のようにして、第2隔壁部32が得られる。
[2−C]次に、図3(d)のように、各陰極3上に、それぞれ、発光層6および正孔輸送層5をこの順で積層するように形成する。
[2−Ca]まず、各陰極3上に、それぞれ、発光層6を形成する。
この発光層6は、前述したような気相プロセスや液相プロセスにより形成することができるが、中でも、インクジェット法(液滴吐出法)を用いた液相プロセスにより形成するのが好ましい。インクジェット法を用いることにより、発光層6の薄膜化、画素サイズの微小化を図ることができる。また、発光層形成用の液状材料を、隔壁部35の内側(画素領域内)に選択的に供給することができるため、液状材料のムダを省くことができる。また、インクジェット法を用いることにより、複数色の発光層6を設ける場合には、各色毎にパターンの塗り分けを容易に行うことができるという利点もある。
また、本発明では、第2隔壁部32がプラズマ重合膜で構成され、比較的緻密質であることから、画素領域内に供給された液状材料が第2隔壁部32を透過したり、第2隔壁部32中の成分が溶出して、画素領域内の液状材料を汚染するのをより確実に防止することができる。
さらに、本実施形態では、第2隔壁部32がフッ素系の高分子で構成されているため、高い撥液性を示し、液状材料の付着や透過等をより確実に防止することができる。このため、液状材料が第2隔壁部32の不本意な箇所に付着するのを防止する効果も奏する。
また、第2隔壁部32に付着した液状材料は、フッ素に伴う撥液性によって画素領域内に移動するため、画素領域内への液状材料の供給位置精度を高めるセルフアライメントの効果をも奏する。
特に、第1隔壁部31が親液性の高いSiO等の材料で構成されている場合には、このセルフアライメントの効果がより顕著なものとなる。
インクジェット法を用いた液相プロセスは、具体的には、発光層形成用の液状材料を、インクジェットプリント装置のヘッドから吐出し、各陰極3上に供給し、脱溶媒または脱分散媒した後、必要に応じて、150℃程度で短時間の加熱処理を施す。
この脱溶媒または脱分散媒は、減圧雰囲気に放置する方法、熱処理(例えば50〜60℃程度)による方法、窒素ガスのような不活性ガスのフローによる方法等が挙げられる。さらに、追加の熱処理(150℃程度で短時間)で行うことにより、残存溶媒を除去する。
用いる液状材料は、前述したような発光材料を溶媒または分散媒に溶解または分散することにより調製される。
また、液状材料の調製に用いる溶媒または分散媒としては、例えば、硝酸、硫酸、アンモニア、過酸化水素、水、二硫化炭素、四塩化炭素、エチレンカーボネイト等の各種無機溶媒や、メチルエチルケトン(MEK)、アセトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン(MIBK)、メチルイソプロピルケトン(MIPK)、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、メタノール、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール(DEG)、グリセリン等のアルコール系溶媒、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、1,2−ジメトキシエタン(DME)、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)、テトラヒドロピラン(THP)、アニソール、ジエチレングリコールジメチルエーテル(ジグリム)、ジエチレングリコールエチルエーテル(カルビトール)等のエーテル系溶媒、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、フェニルセロソルブ等のセロソルブ系溶媒、ヘキサン、ペンタン、ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶媒、トルエン、キシレン、ベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒、ピリジン、ピラジン、フラン、ピロール、チオフェン、メチルピロリドン等の芳香族複素環化合物系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMA)等のアミド系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化合物系溶媒、酢酸エチル、酢酸メチル、ギ酸エチル等のエステル系溶媒、ジメチルスルホキシド(DMSO)、スルホラン等の硫黄化合物系溶媒、アセトニトリル、プロピオニトリル、アクリロニトリル等のニトリル系溶媒、ギ酸、酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸等の有機酸系溶媒のような各種有機溶媒、または、これらを含む混合溶媒等が挙げられる。
なお、陰極3上に供給された液状材料は、流動性が高く(粘性が低く)、水平方向(面方向)に広がろうとするが、陰極3が隔壁部35により囲まれているため、所定の領域以外に広がることが阻止され、発光層6(有機EL素子1)の輪郭形状が正確に規定される。
[2−Cb]次に、各発光層6上(陰極3のTFT回路基板20と反対側)に、正孔輸送層5を形成する。
この正孔輸送層5も、気相プロセスや液相プロセスにより形成することができるが、前述したのと同様の理由から、インクジェット法(液滴吐出法)を用いた液相プロセスにより形成するのが好ましい。
[2−D]次に、図3(e)のように、各正孔輸送層5上および各隔壁部35上に、すなわち、各正孔輸送層5および各隔壁部35を覆うように、各共通の陽極8を形成する。
この陽極8は、例えば、スパッタ法、真空蒸着法、CVD法等を用いた気相プロセスや、スピンコート法(パイロゾル法)、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイヤーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェット印刷法等を用いた液相プロセス等で形成することができる。
なお、これらの方法は、陽極8の構成材料の熱安定性や、溶媒への溶解性等の物理的特性および/または化学的特性を考慮して選択される。
なお、本実施形態では、正孔輸送層5および隔壁部35の全面に、陽極8を形成することから、マスクを用いる必要がないため、これらの形成には、真空蒸着法を用いた気相プロセス等が好適に用いられる。
以上のようにして、有機EL素子1が製造される。
[3] 次に、上基板9を用意し、図3(f)のように、上基板9により陽極8を覆うようにして、陽極8と上基板9とを接合する。
この陽極8と上基板9との接合は、陽極8と上基板9との間に、エポキシ系の接着剤を介在させた状態で、この接着剤を乾燥させること等により行うことができる。
この上基板9は、有機EL素子1を保護する保護基板としての機能を有する。このような上基板9を、陽極8上に設けることにより、有機EL素子1が酸素や水分に接触するのを防止または低減できることから、有機EL素子1の信頼性の向上や、変質・劣化の防止等の効果を得ることができる。
以上のような工程を経て、発光装置10を製造することができる。
<電子機器>
このような発光装置(本発明の電気光学装置)10は、各種の電子機器に組み込むことができる。
図5は、本発明の電子機器を適用したモバイル型(またはノート型)のパーソナルコンピュータの構成を示す斜視図である。
この図において、パーソナルコンピュータ1100は、キーボード1102を備えた本体部1104と、表示部を備える表示ユニット1106とにより構成され、表示ユニット1106は、本体部1104に対しヒンジ構造部を介して回動可能に支持されている。
このパーソナルコンピュータ1100において、表示ユニット1106が備える表示部が前述の発光装置10で構成されている。
図6は、本発明の電子機器を適用した携帯電話機(PHSも含む)の構成を示す斜視図である。
この図において、携帯電話機1200は、複数の操作ボタン1202、受話口1204および送話口1206とともに、表示部を備えている。
携帯電話機1200において、この表示部が前述の発光装置10で構成されている。
図7は、本発明の電子機器を適用したディジタルスチルカメラの構成を示す斜視図である。なお、この図には、外部機器との接続についても簡易的に示されている。
ここで、通常のカメラは、被写体の光像により銀塩写真フィルムを感光するのに対し、ディジタルスチルカメラ1300は、被写体の光像をCCD(Charge Coupled Device)などの撮像素子により光電変換して撮像信号(画像信号)を生成する。
ディジタルスチルカメラ1300におけるケース(ボディー)1302の背面には、表示部が設けられ、CCDによる撮像信号に基づいて表示を行う構成になっており、被写体を電子画像として表示するファインダとして機能する。
ディジタルスチルカメラ1300において、この表示部が前述の発光装置10で構成されている。
ケースの内部には、回路基板1308が設置されている。この回路基板1308は、撮像信号を格納(記憶)し得るメモリが設置されている。
また、ケース1302の正面側(図示の構成では裏面側)には、光学レンズ(撮像光学系)やCCDなどを含む受光ユニット1304が設けられている。
撮影者が表示部に表示された被写体像を確認し、シャッタボタン1306を押下すると、その時点におけるCCDの撮像信号が、回路基板1308のメモリに転送・格納される。
また、このディジタルスチルカメラ1300においては、ケース1302の側面に、ビデオ信号出力端子1312と、データ通信用の入出力端子1314とが設けられている。そして、図示のように、ビデオ信号出力端子1312にはテレビモニタ1430が、デ−タ通信用の入出力端子1314にはパーソナルコンピュータ1440が、それぞれ必要に応じて接続される。さらに、所定の操作により、回路基板1308のメモリに格納された撮像信号が、テレビモニタ1430や、パーソナルコンピュータ1440に出力される構成になっている。
なお、本発明の電子機器は、図5のパーソナルコンピュータ(モバイル型パーソナルコンピュータ)、図6の携帯電話機、図7のディジタルスチルカメラの他にも、例えば、テレビや、ビデオカメラ、ビューファインダ型、モニタ直視型のビデオテープレコーダ、ラップトップ型パーソナルコンピュータ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳(通信機能付も含む)、電子辞書、電卓、電子ゲーム機器、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、防犯用テレビモニタ、電子双眼鏡、POS端末、タッチパネルを備えた機器(例えば金融機関のキャッシュディスペンサー、自動券売機)、医療機器(例えば電子体温計、血圧計、血糖計、心電表示装置、超音波診断装置、内視鏡用表示装置)、魚群探知機、各種測定機器、計器類(例えば、車両、航空機、船舶の計器類)、フライトシミュレータ、その他各種モニタ類、プロジェクター等の投射型表示装置等に適用することができる。
以上、本発明の配線基板、配線基板の製造方法、電気光学装置および電子機器を、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれらに限定されるものでない。
また、本発明の配線基板の製造方法は、任意の目的の工程が1または2以上追加されていてもよい。
次に、本発明の具体的実施例について説明する。
1.発光装置の製造
以下の各実施例および比較例では、それぞれ、10個の発光装置を製造した。
(実施例1)
<1> まず、平均厚さ5mmの透明なガラス基板を用意し、このガラス基板上に、前述したようにして回路部を形成した。
<2> 次に、回路部上に、真空蒸着法により、平均厚さ100nmのAl膜と、平均厚さ30nmのCa膜をそれぞれ形成した後、フォトリソグラフィー法およびエッチング法によりパターニングして、陰極(画素電極)を得た。
<3> 次に、各陰極の縁部を覆うように、スパッタ法により、平均厚さ150nmのSiO膜を形成した後、パターニングして、第1隔壁部を形成した。
<4> 次に、第1隔壁部を形成したガラス基板を、図4に示すプラズマ重合装置の真空チャンバ内に収納した。
そして、9×10−5Torrまで減圧した後、真空チャンバ内に酸素ガスを導入しつつ、以下の条件で酸素プラズマ処理を施した。
・雰囲気圧力 :0.2Torr
・酸素ガス流量 :30sccm
・プラズマ出力 :200W
・高周波電力周波数:13.56MHz
・処理時間 :1分間
<5> 次に、再度、9×10−5Torrまで減圧した後、真空チャンバ内にアルゴンガス(添加ガス)とCHFガス(原料)を導入し、以下の条件でCHFのプラズマ重合を行い、プラズマ重合膜を得た。なお、得られたプラズマ重合膜の密度は、2.0g/cmであった。
・雰囲気圧力 :0.2Torr
・CHFガス流量:50sccm
・プラズマ出力 :25W
・高周波電力周波数:13.56MHz
・処理時間 :30分
・成膜速度 :20nm/min
<6> 次に、CFをエッチャントとしたプラズマエッチングにより、プラズマ重合膜をパターニングして、第2隔壁部を得、第1隔壁部と第2隔壁部で構成された隔壁部を得た。
<7> 次に、隔壁部の内側に、インクジェット法により、ポリジオクチルフルオレンと、F8BT(ジオクチルフルオレンとベンゾチアジアゾールの共重合体)の混合溶液を供給して、陰極上に平均厚さ50nmの発光層を形成した。
<8> 次に、スパッタ法により、平均厚さ1500nmのITO膜を形成し、陽極を得た。
<9> 次に、陽極上に、エポキシ系接着剤を介して、平均厚さ1mmのポリイミド基板を接着した。これにより、発光装置を製造した。
(実施例2)
CHFガスを、Cガスに変更した以外は、前記実施例1と同様にして発光装置を製造した。
(実施例3)
CHFガスに代えて、C18を気化させたガスを用いた以外は、前記実施例1と同様にして発光装置を製造した。なお、得られたプラズマ重合膜の密度は、2.1g/cmであった。
(実施例4)
プラズマ重合の際のプラズマ出力を、10Wに変更した以外は、前記実施例1と同様にして発光装置を製造した。なお、得られたプラズマ重合膜の密度は、1.8g/cmであった。
(実施例5)
CHFガスの流量を100sccmとした以外は、前記実施例1と同様にして発光装置を製造した。
なお、プラズマ重合の際の成膜速度は、50nm/minであった。
(実施例6)
プラズマ重合の際の雰囲気圧力を、0.4Torrに変更した以外は、前記実施例1と同様にして発光装置を製造した。
なお、プラズマ重合の際の成膜速度は、30nm/minであった。
(実施例7)
前記工程<4>に先立って、形成すべき第2隔壁部のパターンに対応するパターンの開口部を有するマスクを、第1隔壁部および陰極上に重ねた後、前記工程<5>を行い、さらに、前記工程<6>を省略した以外は、前記実施例1と同様にして発光装置を製造した。
(比較例)
第2隔壁部を、蒸着重合により形成されたフッ素含有ポリイミド膜で構成した以外は、前記実施例1と同様にして発光装置を製造した。
なお、このような第2隔壁部は、前記工程<4>〜<5>を以下のように変更して形成した。
まず、真空蒸着装置に、蒸着源(原料)として、2、2’−ビス(トリフルオロメチル)−4、4’−ジアミノビフェニル(TFDB)と、2、2’−ビス(3、4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物(6FDA)とを用意した。
次に、前記工程<3>で第1隔壁部を形成したガラス基板を、真空蒸着装置内に収納し、蒸着を行った。
次に、蒸着膜を300℃×30分で加熱して、原料を重合させ、フッ素含有ポリイミド膜を得た。
2.評価
各実施例および比較例の発光装置について、それぞれ、発光輝度(cd/m)が初期値の半分になる時間(半減期)を測定した。
なお、発光輝度の測定は、直流電源から陽極と陰極との間に6Vの電圧を印加することで行った。
そして、比較例の発光装置で測定された半減期を基準値として、各実施例の発光装置で測定された半減期を、それぞれ、以下の4段階の基準に従って評価した。
◎:比較例の発光装置の半減期に対し、1.50倍以上である
○:比較例の発光装置の半減期に対し、1.25倍以上、1.50倍未満である
△:比較例の発光装置の半減期に対し、1.00倍以上、1.25倍未満である
×:比較例の発光装置の半減期に対し、0.75倍以上、1.00倍未満である
この評価結果を、以下の表1に示す。
Figure 2007115603
表1に示すように、各実施例の発光装置では、いずれも、比較例の発光装置より半減期が長く、長寿命化が図られていた。
この結果は、第2隔壁部をプラズマ重合膜で構成したことにより、製造時の発光材料等の汚染・劣化を防止したこと、また、製造後も吸湿等から発光材料を保護して、発光輝度の低下を防止したこと等に起因すると考えられる。
本発明の発光装置を適用したアクティブマトリクス型発光装置の一例を示す縦断面図である。 図1に示すアクティブマトリクス型発光装置の製造方法を説明するための図である。 図1に示すアクティブマトリクス型発光装置の製造方法を説明するための図である。 プラズマ重合装置の構成を示す模式図である。 本発明の電子機器を適用したモバイル型(またはノート型)のパーソナルコンピュータの構成を示す斜視図である。 本発明の電子機器を適用した携帯電話機(PHSも含む)の構成を示す斜視図である。 本発明の電子機器を適用したディジタルスチルカメラの構成を示す斜視図である。
符号の説明
1……有機EL素子 3……陰極 5……正孔輸送層 6……発光層 8……陽極 9……上基板 10……発光装置 20……TFT回路基板 21……基板 22……回路部 23……下地保護層 24……駆動用TFT 241……半導体層 242……ゲート絶縁層 243……ゲート電極 244……ソース電極 245……ドレイン電極 25……第1層間絶縁層 26……第2層間絶縁層 27……配線 31……第1隔壁部 32……第2隔壁部 35……隔壁部 100……プラズマ重合装置 110……真空ポンプ 120……真空チャンバ 121……絶縁体 130……電極 140……ステージ 150……高周波電源 160……ガス供給管 161、171……流量制御弁 170……原料供給管 180……ガス供給源 190……原料容器 191……ヒータ 1100……パーソナルコンピュータ 1102……キーボード 1104……本体部 1106……表示ユニット 1200……携帯電話機 1202……操作ボタン 1204……受話口 1206……送話口 1300……ディジタルスチルカメラ 1302……ケース(ボディー) 1304……受光ユニット 1306……シャッタボタン 1308……回路基板 1312……ビデオ信号出力端子 1314……データ通信用の入出力端子 1430……テレビモニタ 1440……パーソナルコンピュータ

Claims (16)

  1. 基板と、
    該基板の一方の面側に設けられた膜と、を備え、
    前記一方の面側には前記膜の形成されていない部分を有し、前記膜はバンクであり、該バンクの少なくとも一部がプラズマ重合膜で構成されていることを特徴とする配線基板。
  2. 前記バンクは、複数の画素領域を区画する請求項1に記載の配線基板。
  3. 前記プラズマ重合膜の密度は、1.8〜2.2g/cmである請求項1または2に記載の配線基板。
  4. 前記プラズマ重合膜は、主としてフッ素系の高分子で構成されている請求項1ないし3のいずれかに記載の配線基板。
  5. 基板を収納したチャンバ内に、ガス状の原料を供給する第1の工程と、
    前記原料をプラズマ重合することにより、前記基板の一方の面側にプラズマ重合膜の形成される部分と形成されない部分とを設ける第2の工程と、を有し、
    前記プラズマ重合膜が、少なくともバンクの一部を構成することを特徴とする配線基板の製造方法。
  6. 前記バンクは、複数の画素領域を区画する請求項5に記載の配線基板の製造方法。
  7. 前記第2の工程において、前記バンクを包含する領域に、前記原料をプラズマ重合して得られた重合物を堆積させ、該重合物の不要部分をエッチングで除去することにより、前記プラズマ重合膜を得る請求項5または6に記載の配線基板の製造方法。
  8. 前記エッチング用のガスは、CFを主成分とするものである請求項7に記載の配線基板の製造方法。
  9. 前記原料は、CHF、CおよびCのうちの少なくとも1種を主成分とするものである請求項5ないし8のいずれかに記載の配線基板の製造方法。
  10. 前記原料は、フッ素を含有する液状物質を気化させたものを主成分とするものである請求項5ないし8のいずれかに記載の配線基板の製造方法。
  11. 前記フッ素を含有する液状物質は、C18、C、CおよびCのうちの少なくとも1種を主成分とするものである請求項10に記載の配線基板の製造方法。
  12. 前記プラズマ重合におけるプラズマ出力を設定することにより、前記プラズマ重合膜の密度を調整する請求項5ないし11のいずれかに記載の配線基板の製造方法。
  13. 前記プラズマ重合における原料の流量および雰囲気圧力の少なくとも一方を設定することにより、前記プラズマ重合膜の成膜速度を調整する請求項5ないし12のいずれかに記載の配線基板の製造方法。
  14. 請求項2ないし4のいずれかに記載の配線基板と、
    該配線基板の各前記画素領域内にそれぞれ設けられた機能層とを有することを特徴とする電気光学装置。
  15. 前記基板と前記機能層との間に設けられ、各前記画素領域に露出する画素電極と、
    各前記画素電極に接続されたスイッチング素子を含む回路部とを有し、
    当該電気光学装置は、前記機能層として、発光層を含む半導体層を備えた発光装置である請求項14に記載の電気光学装置。
  16. 請求項14または15に記載の電気光学装置を有することを特徴とする電子機器。
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