JP5879741B2 - 発光素子、表示装置および電子機器 - Google Patents

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本発明は、発光素子、表示装置および電子機器に関するものである。
有機エレクトロルミネッセンス素子(いわゆる有機EL素子)は、陽極と陰極との間に少なくとも1層の発光性有機層を介挿した構造を有する発光素子である。このような発光素子では、陰極と陽極との間に電界が印加されることにより、発光層に対して陰極側から電子が注入されるとともに陽極側から正孔が注入され、発光層中で電子と正孔が再結合することにより励起子が生成し、この励起子が基底状態に戻る際に、そのエネルギー分が光として放出される。
このような発光素子としては、例えば、陰極と陽極との間に、2層以上の発光層を有するものが知られており(例えば、特許文献1参照。)、かかる構成とすることで、発光素子の高発光効率化や高寿命化を図ること等が検討されている。
しかしながら、これらの発光素子では、各発光層をほぼ同時に発光させた状態で、長寿命化を図ることが検討されており、その寿命は、最も長寿命の発光層の寿命に依存してしまう。そのため、発光素子の十分な高寿命化を図ることは難しかった。
特開2006−324233号公報
本発明の目的は、陰極と陽極の間に同色の光を発光する複数の発光層を備え、これら複数の発光層を、時間差をもって発光させることで長寿命化が図られた発光素子、さらにかかる発光素子を備える表示装置および電子機器を提供することにある。
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の発光素子は、陽極と、
陰極と、
前記陽極と前記陰極との間に設けられた第1の発光層と、
前記陰極と前記第1の発光層との間に設けられた前記第1の発光層の発光色と同色の光を発光する第2の発光層とを有し、
さらに、前記第1の発光層と前記第2の発光層との間に、前記第1の発光層側から、電子注入層と正孔輸送層とがこの順で接触して積層された積層体を有し、
前記電子注入層は、前記第1の発光層に接触し、Cs CO を含有し、前記電子注入層の平均厚さが、0.1nm以上、5nm以下であり、
前記正孔輸送層は、前記第2の発光層に接触し、アミン系化合物を含有し、前記正孔輸送層の平均厚さが、5nm以上、30nm以下であり、
前記陽極と前記陰極との間に電圧を印加する初期状態では、前記第2の発光層が発光することなく前記第1の発光層が選択的に発光し、
前記陽極と前記陰極との間に電圧を印加する連続駆動時では、前記第1の発光層の劣化に伴って、前記第2の発光層が発光することを特徴とする。
これにより、陽極と陰極との間に電圧を印加して発光素子を発光させた初期には、第1の発光層を選択的に発光させ、この第1の発光層の発光光が減衰した連続駆動時には、第2の発光層を発光させることにより、これら発光層を、時間差をもって発光させることができるため、発光素子の長寿命化が図られる。
また、前記第1の発光層は、前記電子注入層に接触していることにより、電子注入層に含まれる構成材料が、正孔輸送層側に拡散することとなり、さらに、前記第2の発光層は、前記正孔輸送層に接触していることで、正孔輸送層によりブロックされた電子を、第2の発光層に注入することができる。
また、初期状態における第2の発光層の劣化を確実に防止することができる。
また、第1の発光層の劣化に伴って、第2の発光層が発光する構成とすることで、発光素子としての寿命を長寿命なものとすることができる。
本発明の発光素子では、前記第1の発光層のフォトルミネッセンス発光の中心波長と、前記第2の発光層のフォトルミネッセンス発光の中心波長との差が±50nm以下であることが好ましい。
このようにフォトルミネッセンス発光の中心波長の差を±50nm以下とすることで、第1の発光層の発光時と、第2の発光層の発光時とにおける色調の変化を最小限に留めることができる。
本発明の発光素子では、前記第1の発光層および前記第2の発光層の発光色は、青色であることが好ましい。
青色の発光光を発光する青色発光層(特に、液相プロセスを用いて形成された青色発光層)は、一般的に寿命が短いため、このような青色発光層を備える発光素子に、本発明の発光素子を適用するのが有効である。
発明の表示装置は、本発明の発光素子を備えることを特徴とする。
これにより、信頼性の高い表示装置を得ることができる。
本発明の電子機器は、本発明の表示装置を備えることを特徴とする。
これにより、信頼性の高い電子機器を得ることができる。
本発明の表示装置を適用したディスプレイ装置の実施形態を示す縦断面図である。 本発明の電子機器を適用したモバイル型(またはノート型)のパーソナルコンピュータの構成を示す斜視図である。 本発明の電子機器を適用した携帯電話機(PHSも含む)の構成を示す斜視図である。 本発明の電子機器を適用したディジタルスチルカメラの構成を示す斜視図である。 実施例1の発光素子を模式的に示した縦断面図である。 比較例1の発光素子を模式的に示した縦断面図である。 実施例1、比較例1の発光素子における発光輝度の経時変化を示すグラフである。 実施例1の発光素子の発光輝度が初期から80%となった時点における発光光の発光波長を示すグラフである。 実施例1の発光素子の発光輝度が初期から70%となった時点における発光光の発光波長を示すグラフである。 実施例1の発光素子の発光輝度が初期から60%となった時点における発光光の発光波長を示すグラフである。 実施例1の発光素子の発光輝度が初期から50%となった時点における発光光の発光波長を示すグラフである。
以下、本発明の発光素子、表示装置および電子機器を添付図面に示す好適な実施形態について説明する。
(表示装置)
まず、本発明の発光素子を説明するのに先立って、本発明の発光素子を備える表示装置(本発明の表示装置)について説明する。
なお、以下では、本発明の表示装置を、ディスプレイ装置に適用した場合を一例に説明する。
図1は、本発明の表示装置を適用したディスプレイ装置の実施形態を示す縦断面図である。
図1に示すディスプレイ装置100は、基板21と、サブ画素100R、100G、100Bに対応して設けられた複数の発光素子1R、1G、1Bと、各発光素子1R、1G、1Bをそれぞれ駆動するための複数の駆動用トランジスタ24とを有している。
なお、本実施形態において、ディスプレイ装置100は、各発光素子1R、1G、1Bが光R、G、Bを発光すると、その光R、G、Bを基板21側から透過させるボトムエミッション構造のディスプレイパネルである。
基板21上には、複数の駆動用トランジスタ24が設けられ、これらの駆動用トランジスタ24を覆うように、絶縁材料で構成された平坦化層22が形成されている。
各駆動用トランジスタ24は、シリコン等の半導体材料からなる半導体層241と、半導体層241上に形成されたゲート絶縁層242と、ゲート絶縁層242上に形成されたゲート電極243と、ソース電極244と、ドレイン電極245とを有している。
また、平坦化層22上には、各駆動用トランジスタ24に対応して、発光素子(有機EL素子)1R、1G、1Bが設けられている。
発光素子1Rは、平坦化層22上に、陽極3と、正孔注入層41と、第1の赤色発光層51Rと、電子注入層61と、正孔輸送層43と、第2の赤色発光層52Rと、電子輸送層62と、陰極8とがこの順に積層されている。
また、発光素子1Gは、平坦化層22上に、陽極3と、正孔注入層41と、第1の緑色発光層51Gと、電子注入層61と、正孔輸送層43と、第2の緑色発光層52Gと、電子輸送層62と、陰極8とがこの順に積層されている。
さらに、発光素子1Bは、平坦化層22上に、陽極3と、正孔注入層41と、第1の青色発光層51Bと、電子注入層61と、正孔輸送層43と、第2の青色発光層52Bと、電子輸送層62と、陰極8とがこの順に積層されている。
かかる構成の発光素子1R、1G、1Bの隣接するもの同士の間には、隔壁31が設けられ、これにより各発光素子1R、1G、1Bが個別に設けられている。
本実施形態では、各発光素子1R、1G、1Bにおいて、陽極3、正孔注入層41および第1の発光層51R、51G、51Bが隔壁31で区画されることにより個別に設けられている。そして、第1の発光層51R、51G、51B上に形成される各層の内、第2の発光層52R、52G、52Bを除く、電子注入層61、正孔輸送層43、電子輸送層62および陰極8が一体的に設けられている。かかる構成とすることで、各発光素子1R、1G、1Bの陽極3は、画素電極を構成し、さらに、各発光素子1R、1G、1Bの陰極8は、共通電極を構成する。また、各発光素子1R、1G、1Bの陽極3は、各駆動用トランジスタ24のドレイン電極245に導電部(配線)27により電気的に接続されている。
このように、発光素子1R、1G、1Bを備えるディスプレイ装置100において、発光素子1R、1G、1Bの作動を駆動用トランジスタ24を用いて制御することにより、すなわち発光素子1R、1G、1Bへの電圧の印加を制御することにより、ディスプレイ装置100のフルカラー表示が可能となる。
かかる構成の発光素子1R、1G、1Bに本発明の発光素子が適用されるが、これら発光素子1R、1G、1Bの詳細については後に説明する。
さらに、これらの発光素子1R、1G、1B上には、本実施形態では、これらを覆うように、エポキシ樹脂で構成されたエポキシ層35が形成されている。
そして、エポキシ層35上に、これらを覆うように封止基板20が設けられている。これにより、発光素子1R、1G、1Bの気密性が確保され、酸素や水分の浸入を防止できることから、発光素子1R、1G、1Bの信頼性の向上を図ることができる。
以上説明したようなディスプレイ装置100は、各発光素子1R、1G、1Bを同時に発光させることで単色表示が可能であり、各発光素子1R、1G、1Bを組み合わせて発光させることでフルカラー表示も可能となる。
かかる構成のディスプレイ装置100において、各発光素子1R、1G、1Bに、本発明の発光素子が適用される。以下、これら発光素子1R、1G、1Bについて、順次説明する。
(発光素子1B)
発光素子(青色発光素子)1Bは、正孔注入層41と、第1の青色発光層(第1の発光素子)51Bと、電子注入層61と、正孔輸送層43と、第2の青色発光層(第2の発光層)52Bと、電子輸送層62とが、陽極3側からこの順に積層された積層体が、陽極3と陰極8との間に介挿されてなるものである。
換言すれば、発光素子1Bは、陽極3と、陰極8と、陽極3と陰極8との間に設けられた第1の青色発光層51Bと、陰極8と第1の青色発光層51Bとの間に設けられた第2の青色発光層52Bとを有し、さらに、第1の青色発光層51Bと第2の青色発光層52Bとの間に、第1の青色発光層51B側から電子注入層61と正孔輸送層43とがこの順で積層された積層体46を有するものである。
かかる構成の発光素子1Bにおいて、陽極3および陰極8は、それぞれ、個別電極および共通電極を構成し、陽極3は正孔注入層41に正孔を注入する電極として機能し、陰極8は電子輸送層62に電子を注入する電極として機能する。
以下、発光素子1Bを構成する各部について順次説明する。
[陽極3]
陽極3は、正孔注入層41に正孔を注入する電極である。
この陽極3の構成材料としては、特に限定されないが、仕事関数が大きく、導電性に優れる材料が好適に用いられる。
陽極3の構成材料としては、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)、In、SnO、フッ素添加SnO、Sb添加SnO、ZnO、Al添加ZnO、Ga添加ZnO等の金属酸化物、Au、Pt、Ag、Cuまたはこれらを含む合金等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
このような陽極3の平均厚さは、特に限定されないが、10nm以上、200nm以下程度であるのが好ましく、30nm以上、150nm以下程度であるのがより好ましい。
なお、ディスプレイ装置100を、ボトムエミッション構造のディスプレイパネルとする場合、陽極3には光透過性が求められるため、上述した構成材料のうち、光透過性を有する金属酸化物が好適に用いられる。
[正孔注入層41]
正孔注入層41は、陽極3からの正孔注入を容易にする機能を有し、かつ、本実施形態では、陽極3からの正孔を第1の青色発光層51Bにまで輸送する機能を有するものである。
この正孔注入層41の構成材料(正孔注入材料)としては、特に限定されないが、後述する、正孔注入層41の形成工程において、液相プロセスを用いて形成し得るように、導電性高分子材料(または導電性オリゴマー材料)に電子受容性ドーパントを添加したイオン伝導性正孔注入材料が好適に用いられる。
このようなイオン伝導性正孔注入材料としては、例えば、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)−ポリ(スチレンスルホン酸)(PEDOT/PSS)のようなポリチオフォン系正孔注入材料や、ポリアニリン−ポリ(スチレンスルホン酸)(PANI/PSS)のようなポリアニリン系正孔注入材料や、下記一般式(1)で表わされるオリゴアニリン誘導体と、下記一般式(4)で表わされる電子受容性ドーパントとで塩を形成してなるオリゴアニリン系正孔注入材料が挙げられる。
Figure 0005879741
[式中、R、RおよびRは、それぞれ独立して未置換もしくは置換の一価炭化水素基またはオルガノオキシ基を示し、AおよびBは、それぞれ独立して下記一般式(2)または下記一般式(3)で表される二価の基であり、R〜R11、はそれぞれ独立して水素原子、水酸基、未置換もしくは置換の一価炭化水素基またはオルガノオキシ基、アシル基、またはスルホン酸基であり、mおよびnは、それぞれ独立して1以上の正数で、m+n≦20を満足する。]
Figure 0005879741
Figure 0005879741
[式中、Dは、ベンゼン環、ナフタレン環、アトラセン環、フェナントレン環または複素環を表し、R12、R13は、それぞれ独立してカルボキシル基またはヒドロキシル基を表す。]
このような正孔注入層の平均厚さは、特に限定されないが、5nm以上、150nm以下程度であるのが好ましく、10nm以上、100nm以下程度であるのがより好ましい。
なお、この正孔注入層41は、発光素子1Bを構成する、陽極3および第1の青色発光層51Bの構成材料の種類およびその膜厚等の組み合わせによっては省略することもできる。
[第1の青色発光層51B]
第1の青色発光層51Bは、青色に発光する青色発光材料を含んで構成され、陽極3と陰極8との間に電圧を印加することで、青色の光を発光する機能を有する。
このような第1の青色発光層51Bの構成材料は、特に限定されないが、後述する、第1の青色発光層51Bの形成工程において、液相プロセスを用いて形成し得るように、溶液化または分散液化できることが望ましい。そこで、第1の青色発光層51Bの構成材料としては、溶媒または分散媒に、溶解または分散することができる、高分子青色発光材料および低分子青色発光材料が好適に用いられ、例えば、下記一般式(5)で表わされる高分子青色発光材料(American Dye Source社製、「ADS136BE」)が挙げられる。
Figure 0005879741
このような第1の青色発光層51Bの平均厚さは、特に限定されないが、10nm以上、150nm以下程度であるのが好ましく、20nm以上、100nm以下程度であるのがより好ましい。
[積層体46]
積層体46は、第1の青色発光層51B側から、電子注入層61と正孔輸送層43とがこの順で積層されたものである。
発光素子1Bにおいて、積層体46は、この積層体46で輸送されるキャリア(正孔および電子)の量を経時的に制御することにより、陽極3と陰極8との間に電圧を印加する初期状態では、第2の青色発光層52Bを発光させることなく、第1の青色発光層51Bを選択的に発光させ、連続駆動時では、第1の青色発光層51Bの劣化に伴って、第2の青色発光層52Bを発光させる機能を発揮する。
なお、陽極3と陰極8との間に電圧を印加した初期状態では第1の青色発光層51Bが選択的に発光し、その後の連続駆動による、この第1の青色発光層51Bの劣化に伴って第2の青色発光層52Bが発光するメカニズムについては後に詳述する。
[電子注入層61]
電子注入層61は、積層体46を構成する層の1つであり、第1の青色発光層51Bに接する層である。
この電子注入層61の構成材料としては、例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類金属、アルカリ金属塩(酸化物、フッ化物、塩化物等)、アルカリ土類金属塩(酸化物、フッ化物、塩化物等)、希土類金属塩(酸化物、フッ化物、塩化物等)、金属錯体等のような電子注入材料(金属系材料)が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
電子注入層61をこのような電子注入材料(金属系材料)を主材料として構成されるものとすることで、陽極3と陰極8との間に電圧を印加する初期状態では、積層体46を介した、第2の青色発光層52Bから第1の青色発光層51Bへの電子の注入効率をより向上させることができる。さらに、連続駆動時では、第1の青色発光層51Bへの電子の注入をブロックする電子ブロック層としての機能を発揮する。なお、かかる現象が生じるメカニズムについては後に詳述する。
アルカリ金属としては、例えば、Li、Na、K、Rb、Csが挙げられる。また、アルカリ土類金属としては、例えば、Mg、Ca、Sr、Baが挙げられる。さらに、希土類金属としては、例えば、Nd、Sm、Y、Tb、Euが挙げられる。
アルカリ金属塩としては、例えば、LiF、LiCO、LiCl、NaF、NaCO、NaCl、CsF、CsCO、CsClが挙げられる。また、アルカリ土類金属塩としては、例えば、CaF、CaCO、SrF、SrCO、BaF、BaCOが挙げられる。さらに、希土類金属塩としては、例えば、SmF、ErFが挙げられる。
金属錯体としては、例えば、8−キノリノラトリチウム(Liq)やトリス(8−キノリノラト)アルミニウム(Alq)等の8−キノリノールなしいその誘導体を配位子とする有機金属錯体が挙げられる。
また、電子注入層61の形成プロセスは、真空蒸着法(蒸着法)やスパッタ法のような気相プロセスを用いても良いし、インクジェット法やスリットコート法のような液相プロセスを用いても良い。
なお、電子注入層61は、2種以上の電子注入層が積層される形で形成されていても良い。これによって、積層体46の発光素子1Bにおけるキャリア注入動作が的確に行われる。
電子注入層61の平均厚さは、特に限定されないが、0.01nm以上、10nm以下程度であるのが好ましく、0.1nm以上、5nm以下程度であるのがより好ましい。電子注入層61の平均厚さをかかる範囲内に設定することにより、積層体46の発光素子1Bにおけるキャリア注入動作が的確に行われる。
[正孔輸送層43]
正孔輸送層43は、積層体46を構成する層の1つであり、第2の青色発光層52Bに接する層である。
この正孔輸送層43の構成材料としては、特に限定されないが、後述する、正孔輸送層43の形成工程において、真空蒸着法のような気相プロセスを用いて形成し得るように、例えば、N,N’−ジフェニル−N,N’−ジ(m−トリル)−ベンジジン(TPD)、下記式(8)で表わされるビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニル]ベンジジン(α−NPD)、下記式(9)で表わされる化合物のようなベンジジン誘導体等のアミン系化合物、銅フタロシアニン等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
Figure 0005879741
このような正孔輸送層43の平均厚さは、特に限定されないが、1nm以上、50nm以下程度であるのが好ましく、5nm以上、30nm以下程度であるのがより好ましい。正孔輸送層43の平均厚さをかかる範囲内に設定することにより、積層体46の発光素子1Bにおけるキャリア注入動作が的確に行われる。
[第2の青色発光層52B]
第2の青色発光層52Bは、青色に発光する青色発光材料を含んで構成され、陽極3と陰極8との間に電圧を印加することで、青色の光を発光する機能を有する。
この第2の青色発光層52Bの構成材料としては、特に限定されないが、後述する、第2の青色発光層52Bの形成工程において、気相プロセスを用いて形成し得るものが好適に用いられ、例えば、下記式(10)で表わされるスチリル誘導体の青色発光材料が挙げられる。
Figure 0005879741
また、その他に第2の青色発光層52Bの構成材料としては、青色発光材料をゲスト材料としてホスト材料にドープしたものが用いられる。ホスト材料は、正孔と電子とを再結合させて励起子を生成するとともに、その励起子のエネルギーを青色発光材料に移動(フェルスター移動またはデクスター移動)させる機能を有する。このホスト材料の機能により、ゲスト材料である青色発光材料が効率よく励起され、発光する。
ここで、ホスト材料としては、例えば、下記式(11)、下記式(12)および下記式(13)で表わされるアントラセン誘導体、4,4’−ビス(9−カルバゾールイル)−2,2’−ビフェニル(CBP)、ビス(2−メチル−8−キノリノネート)−4−(フェニルフェノレート)アルミニウム(BAlq)、N,N−ジカルバゾイル−3,5−ベンゼン(mCP)、4,4’−ビス(9−カルバゾイル)−2,2’−ジメチル−ビフェニル(CDBP)、N,N’−ジカルバゾール−1,4−ジメチルベンゼン(DCP)2,7−ビス(ジフェニルフォスフィンオキシド)−9,9−ジメチルフルオレン(P06)、3,5−ビス(9−カルバゾイル)テトラフェニルシラン(SimCP)、W−ビス(トリフェニルシリル)ベンゼン(UGH3)が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることもできる。また、ゲスト材料としての青色発光材料としては、例えば、下記式(14)、下記式(15)および下記式(16)で表わされるスチリル誘導体が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることもできる。
Figure 0005879741
なお、このようなゲスト材料およびホスト材料を用いる場合、第2の青色発光層52B中におけるゲスト材料の含有量(ドープ量)は、ホスト材料に対して重量比で0.1%以上、20%以下程度であるのが好ましく、0.5%以上、10%以下程度であるのがより好ましい。ゲスト材料の含有量をこのような範囲内とすることで、発光効率を最適化することができる。
このような第2の青色発光層52Bの平均厚さは、特に限定されないが、5nm以上、100nm以下程度であるのが好ましく、10nm以上、50nm以下程度であるのがより好ましい。
なお、第2の青色発光層52Bのフォトルミネッセンス発光(PL発光)の中心波長と、第1の青色発光層51Bのフォトルミネッセンス発光の中心波長との差は、±50nm以下であるのが好ましく、±25nm以下であるのがより好ましい。これにより、第1の青色発光層51Bの発光時と、第2の青色発光層52Bの発光時とにおいて、発光素子1Bの発光光に色調の変化が生じてしまうのを、最小限に留めることができる。
[電子輸送層62]
電子輸送層62は、陰極8から電子輸送層62に注入された電子を第2の青色発光層52Bに輸送する機能を有するものである。また、電子輸送層62は、第2の青色発光層52Bから電子輸送層62へ通過しようとする正孔をブロックする機能を有する場合もある。
電子輸送層62の構成材料(電子輸送材料)としては、特に限定されないが、後述する、電子輸送層62の形成工程において、気相プロセスを用いて形成し得るように、例えば、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(Alq)や8−キノリノラトリチウム(Liq)等の8−キノリノールなしいその誘導体を配位子とする有機金属錯体などのキノリン誘導体、2−(4−tert−ブチルフェニル)−5−(4−ビフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(tBu−PBD)、2,5−ビス(1−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール(BND)のようなオキサジアゾール誘導体、3−(4−ビフェニル)−4−フェニル−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,2,4−トリアゾール(TAZ)のようなトリアゾール誘導体、下記式(17)で表わされる化合物のようなシロール誘導体、ピリジン誘導体、ピリミジン誘導体、キノキサリン誘導体、下記式(18)で表わされる化合物のような含窒素複素環誘導体等が好適に用いられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
Figure 0005879741
電子輸送層62の平均厚さは、特に限定されないが、1nm以上、100nm以下程度であるのが好ましく、5nm以上、50nm以下程度であるのがより好ましい。これにより、第2電子注入層63から注入された電子を好適に第2の青色発光層52Bに輸送することができる。
なお、この電子輸送層62は、発光素子1Bを構成する第1の青色発光層51B、電子注入層61、正孔輸送層43、第2の青色発光層52B、および陰極8の構成材料の種類およびその膜厚等の組み合わせによっては省略することもできる。
[陰極8]
陰極8は、電子輸送層62に電子を注入する電極である。
この陰極8の構成材料としては、仕事関数の小さい材料を用いるのが好ましい。陰極8の構成材料のとしては、後述する、陰極8の形成工程において、気相プロセスを用いて形成し得るように、例えば、Li、Mg、Ca、Sr、La、Ce、Er、Eu、Sc、Y、Yb、Ag、Cu、Al、Cs、Rb、Auまたはこれらを含む合金等が用いられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて(例えば、複数層の積層体等)用いることができる。
特に、本実施形態のように、ボトムエミッション構造のディスプレイ装置100とする場合、陰極8には光透過性が求められず、陰極8の構成材料のとしては、例えば、Al、Ag、AlAg、AlNd等の金属または合金が好ましく用いられる。かかる金属または合金を陰極8の構成材料として用いることにより、陰極8の電子注入効率および安定性の向上を図ることができる。
このような陰極8の平均厚さは、特に限定されないが、50nm以上、1000nm以下程度であるのが好ましく、100nm以上、500nm以下程度であるのがより好ましい。
なお、ディスプレイ装置100がトップエミッション構造の表示装置である場合、陰極8の構成材料としては、MgAg、MgAl、MgAu、AlAg等の金属または合金を用いるのが好ましい。かかる金属または合金を陰極8の構成材料として用いることにより、陰極8の光透過性を維持しつつ、陰極8の電子注入効率および安定性の向上を図ることができる。
このような陰極8の平均厚さは、特に限定されないが、1nm以上、50nm以下程度であるのが好ましく、5nm以上、20nm以下程度であるのがより好ましい。
なお、かかる構成の発光素子1Bの陽極3、正孔注入層41、第1の青色発光層51B、電子注入層61、正孔輸送層43、第2の青色発光層52B、電子輸送層62および陰極8の各層の間には、任意の層が設けられていてもよい。
例えば、正孔注入層41と第1の青色発光層51Bとの間には、正孔注入層41から注入された正孔を赤色発光層5Rまで輸送する機能を有する正孔輸送層が設けられていてもよい。
この正孔輸送層の構成材料としては、特に限定されないが、後述する、ディスプレイ装置100の製造方法において、液相プロセスを用いて形成し得るように、例えば、下記一般式(21)で表わされるトリフェニルアミン系ポリマー等のアミン系化合物が好適に用いられる。
Figure 0005879741
このような正孔輸送層の平均厚さは、特に限定されないが、5nm以上、100nm以下程度であるのが好ましく、10nm以上、50nm以下程度であるのがより好ましい。
さらに、陰極8と電子輸送層62との間には、陰極8から電子輸送層62への電子の注入効率を向上させる機能を有する電子注入層が設けられていてもよい。
電子注入層の構成材料(電子注入材料)としては、特に限定されないが、例えば、前述の電子注入層61の構成材料として挙げたものと同様のものを用いることができる。
なお、この電子注入層および電子注入層61の構成材料(電子注入材料)は、それぞれ、これらを挾持する2つの層の構成材料の組み合わせに応じて、最適な注入効率が得られるものが選択されるため、電子注入層の構成材料と電子注入層61の構成材料とは、同一であっても異なっていてもよい。
電子注入層の平均厚さは、特に限定されないが、0.01nm以上、100nm以下程度であるのが好ましく、0.1nm以上、10nm以下程度であるのがより好ましい。
かかる構成の発光素子1Bにおいて、上述したように、積層体46は、電子注入層61と正孔輸送層43とが、陽極3(第1の青色発光層51B)側からこの順に積層された構成をなしている。
このような積層体46は、第2の青色発光層52Bから積層体46に注入される電子の量を、陽極3と陰極8との間に電圧を印加して発光素子1Bを発光させた初期と、第1の青色発光層51Bの発光光が減衰した連続駆動時とに対して選択的に制御する層である。すなわち、積層体46は、発光素子1Bを発光させた初期と、第1の青色発光層51Bの発光光が減衰した後とにおいて、キャリアの流れが選択される機能を有する層である。
具体的には、発光素子1Bのように、積層体46の陽極3側で、電子注入層61に第1の青色発光層51Bが接触していると、陽極3と陰極8との間に電圧を印加して発光素子1Bを発光させた初期には、積層体46は、第2の青色発光層52Bから積層体46に流れてくる電子を第1の青色発光層51Bに円滑に注入する(キャリア注入動作)。このため、第2の青色発光層52Bにおいて、正孔と電子との再結合が的確に抑制または防止されるため、陽極3と陰極8との間に電圧を印加して発光素子1Bを発光させた初期では、第2の青色発光層52Bは、青色発光しないか、青色発光したとしてもその発光は的確に抑制される。これに対して、第1の青色発光層51Bには、陰極8側から第2の青色発光層52Bを介して電子が供給(注入)されるとともに、陽極3側から正孔が供給(注入)される。そして、第1の青色発光層51Bでは、正孔と電子とが再結合し、この再結合によって励起子(エキシトン)が生成し、励起子が基底状態に戻る際にエネルギーを蛍光やりん光として放出するため、発光素子1Bを発光させた初期には、第1の青色発光層51Bが青色発光する。
その後、第1の青色発光層51Bの発光光が減衰した頃には、積層体46は第1の青色発光層51Bから積層体46に流れてくる電子をブロックし、これら電子を第1の青色発光層51Bに留める(キャリアブロック動作)。このため、第1の青色発光層51Bにおいて、陽極3側から供給(注入)された正孔と、陰極8側から供給(注入)された電子とが、再結合しやすくなる。この再結合によって励起子(エキシトン)が生成し、励起子が基底状態に戻る際にエネルギーを蛍光やりん光として放出するため、第1の青色発光層51Bは、第1の青色発光層51Bの発光光が減衰した際に、効率良く発光する。
このように、積層体46は、陽極3と陰極8との間に電圧を印加した初期状態と、第1の青色発光層51Bの劣化が進行した連続駆動時とでは、キャリア注入動作を行ったり、キャリアブロック動作を行ったりする。
以下、陽極3と陰極8との間に電圧を印加した初期状態における積層体46の挙動と、第1の青色発光層51Bの劣化が進行した連続駆動時における積層体46の挙動が異なる理由を、正孔注入層41がイオン伝導性の正孔注入材料(金属系材料)を含有する場合を一例に説明する。
まず、陽極3と陰極8との間に電圧を印加して発光素子1Bを発光させた初期では、電子注入層61を構成している電子注入材料(金属系材料)が、正孔輸送層43内に拡散し、これにより、正孔輸送層43が有する電子ブロック機能が大きく低下する。その結果、第2の青色発光層52Bから正孔輸送層43へ電子が円滑に注入される。さらに、第1の青色発光層51Bと、正孔輸送層43との間に存在する電子注入層61の機能により、正孔輸送層43から、第1の青色発光層51Bへの電子の注入も円滑に行われる。
以上より、陽極3と陰極8との間に電圧を印加した初期状態では、積層体46は、第2の青色発光層52Bから積層体46に流れてくる電子を、それぞれ、第1の青色発光層51Bに円滑に注入する(キャリア注入動作)。すなわち、積層体46は、第2の青色発光層52Bから、第1の青色発光層51Bに、電子(キャリア)を円滑に流す動作を行う。
その結果、陽極3と陰極8との間に電圧を印加した初期では、第2の青色発光層52Bの発光が抑制され、第1の青色発光層51Bが選択的に発光する。
一方、第1の青色発光層51Bの発光光が減衰した連続駆動時では、正孔輸送層43に拡散していた電子注入材料がさらに拡散し、正孔輸送層43中における含有量が低下する。これにより、低下していた正孔輸送層43の電子ブロック機能が回復(向上)することとなる。その結果、第2の青色発光層52Bから正孔輸送層43へ流れてくる電子が、正孔輸送層43によってブロックされ、これに接触して設けられた第2の青色発光層52B内に留まる。以上より、第1の青色発光層51Bの発光光が減衰した連続駆動時には、積層体46は第2の青色発光層52Bから積層体46に流れてくる電子をブロックし、これら電子を第2の青色発光層52Bに留める(キャリアブロック動作)。すなわち、積層体46は、第2の青色発光層52Bから流れてくる電子(キャリア)の流れを抑制する動作を行う。
その結果、陽極3と陰極8との間に電圧を印加する連続駆動時では、第1の青色発光層51Bの劣化に伴って、第2の青色発光層52Bが発光する。
(発光素子1G)
発光素子(緑色発光素子)1Bは、正孔注入層41と、第1の緑色発光層(第1の発光素子)51Gと、電子注入層61と、正孔輸送層43と、第2の緑色発光層(第2の発光層)52Gと、電子輸送層62とが、陽極3側からこの順に積層された積層体が、陽極3と陰極8との間に介挿されてなるものである。
発光素子1Gにおいて、積層体46は、電子注入層61と正孔輸送層43とが、第1の緑色発光層51G側からこの順に積層された積層体により構成される。また、発光素子1Gにおいて、陽極3および陰極8は、それぞれ、個別電極および共通電極を構成し、陽極3は正孔注入層41に正孔を注入する電極として機能し、陰極8は電子輸送層62に電子を注入する電極として機能する。
以下、発光素子1Gについて説明するが、前述した発光素子1Bとの相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
発光素子1Gは、第1の青色発光層51Bに代えて第1の緑色発光層51Gを備え、第2の青色発光層52Bに代えて第2の緑色発光層52Gを備えること以外は、前述の発光素子1Bと同様の構成のものである。
[第1の緑色発光層51G]
第1の緑色発光層51Gは、緑色に発光する緑色発光材料を含んで構成され、陽極3と陰極8との間に電圧を印加することで、緑色の光を発光する機能を有する。
このような第1の緑色発光層51Gの構成材料は、特に限定されないが、後述する、第1の緑色発光層51Gの形成工程において、液相プロセスを用いて形成し得るように、溶液化または分散液化できることが望ましい。そこで、第1の緑色発光層51Gの構成材料としては、溶媒または分散媒に、溶解または分散することができる、高分子緑色発光材料および低分子緑色発光材料が好適に用いられ、例えば、下記一般式(19)および下記一般式(20)で表わされる高分子緑色発光材料が挙げられる。
Figure 0005879741
このような第1の緑色発光層51Gの平均厚さは、特に限定されないが、10nm以上、150nm以下程度であるのが好ましく、20nm以上、100nm以下程度であるのがより好ましい。
[第2の緑色発光層52G]
第2の緑色発光層52Gは、緑色に発光する緑色発光材料を含んで構成され、陽極3と陰極8との間に電圧を印加することで、緑色の光を発光する機能を有する。
この第2の緑色発光層52Gの構成材料としては、特に限定されないが、後述する、第2の緑色発光層52Gの形成工程において、気相プロセスを用いて形成し得るものが好適に用いられ、例えば、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(Alq)が挙げられ、その他、緑色発光材料をゲスト材料としてホスト材料にドープしたものが用いられる。ホスト材料は、正孔と電子とを再結合させて励起子を生成するとともに、その励起子のエネルギーを緑色発光材料に移動(フェルスター移動またはデクスター移動)させる機能を有する。このホスト材料の機能により、ゲスト材料である緑色発光材料が効率よく励起され、発光する。
ここで、ホスト材料としては、例えば、第2の青色発光層52Bのホスト材料として挙げたのと同様のものを用いることができる。また、ゲスト材料としての緑色発光材料としては、例えば、Fac-tris(2-phenypyridine)iridium(Ir(ppy))、Bis(2- phenyl-pyridinato-N,C2)iridium(acetylacetone)(Ppy2Ir(acac))のようなイリジウム錯体等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることもできる。
なお、このようなゲスト材料およびホスト材料を用いる場合、第2の緑色発光層52G中におけるゲスト材料の含有量(ドープ量)は、ホスト材料に対して重量比で0.1%以上、20%以下程度であるのが好ましく、0.5%以上、10%以下程度であるのがより好ましい。ゲスト材料の含有量をこのような範囲内とすることで、発光効率を最適化することができる。
このような第2の緑色発光層52Gの平均厚さは、特に限定されないが、5nm以上、100nm以下程度であるのが好ましく、10nm以上、50nm以下程度であるのがより好ましい。
なお、かかる構成の発光素子1Gの陽極3、正孔注入層41、第1の緑色発光層51G、電子注入層61、正孔輸送層43、第2の緑色発光層52G、電子輸送層62および陰極8の各層の間には、任意の層が設けられていてもよい。
(発光素子1R)
発光素子(赤色発光素子)1Rは、正孔注入層41と、第1の赤色発光層(第1の発光素子)51Rと、電子注入層61と、正孔輸送層43と、第2の赤色発光層(第2の発光層)52Rと、電子輸送層62とが、陽極3側からこの順に積層された積層体が、陽極3と陰極8との間に介挿されてなるものである。
発光素子1Rにおいて、積層体46は、電子注入層61と正孔輸送層43とが、第1の赤色発光層51R側からこの順に積層された積層体により構成される。また、発光素子1Rにおいて、陽極3および陰極8は、それぞれ、個別電極および共通電極を構成し、陽極3は正孔注入層41に正孔を注入する電極として機能し、陰極8は電子輸送層62に電子を注入する電極として機能する。
以下、発光素子1Rについて説明するが、前述した発光素子1Bとの相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
発光素子1Rは、第1の青色発光層51Bに代えて第1の赤色発光層51Rを備え、第2の青色発光層52Bに代えて第2の赤色発光層52Rを備えること以外は、前述の発光素子1Bと同様の構成のものである。
[第1の赤色発光層51R]
第1の赤色発光層51Rは、赤色に発光する赤色発光材料を含んで構成され、陽極3と陰極8との間に電圧を印加することで、赤色の光を発光する機能を有する。
このような第1の赤色発光層51Rの構成材料は、特に限定されないが、後述する、第1の赤色発光層51Rの形成工程において、液相プロセスを用いて形成し得るように、溶液化または分散液化できることが望ましい。そこで、第1の赤色発光層51Rの構成材料としては、溶媒または分散媒に、溶解または分散することができる、高分子赤色発光材料および低分子赤色発光材料が好適に用いられ、例えば、下記一般式(6)および下記一般式(7)で表わされる高分子赤色発光材料が挙げられる。
Figure 0005879741
このような第1の赤色発光層51Rの平均厚さは、特に限定されないが、10nm以上、150nm以下程度であるのが好ましく、20nm以上、100nm以下程度であるのがより好ましい。
[第2の赤色発光層52R]
第2の赤色発光層52Rは、赤色に発光する赤色発光材料を含んで構成され、陽極3と陰極8との間に電圧を印加することで、赤色の光を発光する機能を有する。
この第2の赤色発光層52Rの構成材料としては、特に限定されないが、後述する、第2の赤色発光層52Rの形成工程において、気相プロセスを用いて形成し得るものが好適に用いられ、例えば、赤色発光材料をゲスト材料としてホスト材料にドープしたものが用いられる。ホスト材料は、正孔と電子とを再結合させて励起子を生成するとともに、その励起子のエネルギーを赤色発光材料に移動(フェルスター移動またはデクスター移動)させる機能を有する。このホスト材料の機能により、ゲスト材料である赤色発光材料が効率よく励起され、発光する。
ここで、ホスト材料としては、例えば、第2の青色発光層52Bのホスト材料として挙げたのと同様のものを用いることができる。また、ゲスト材料としての赤色発光材料としては、例えば、Bis(2-2'-benzothienyl)-pyridinato-N,C3)Iridium(acetylacetonate)(Btp2Ir(acac))のようなイリジウム錯体、2,3,7,8,12,13,17,18-Octaethyl-21H,23H-porphine,platinum(II)(PtOEP)のようなプラチナ錯体ルブレン等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることもできる。
なお、このようなゲスト材料およびホスト材料を用いる場合、第2の赤色発光層52R中におけるゲスト材料の含有量(ドープ量)は、ホスト材料に対して重量比で0.1%以上、20%以下程度であるのが好ましく、0.5%以上、10%以下程度であるのがより好ましい。ゲスト材料の含有量をこのような範囲内とすることで、発光効率を最適化することができる。
このような第2の赤色発光層52Rの平均厚さは、特に限定されないが、5nm以上、100nm以下程度であるのが好ましく、10nm以上、50nm以下程度であるのがより好ましい。
なお、かかる構成の発光素子1Rの陽極3、正孔注入層41、第1の赤色発光層51R、電子注入層61、正孔輸送層43、第2の赤色発光層52R、電子輸送層62および陰極8の各層の間には、任意の層が設けられていてもよい。
(ディスプレイ装置100の製造方法)
以上のようなディスプレイ装置100は、例えば、次のようにして製造することができる。
[1]まず、基板21を用意し、形成すべきサブ画素100R、100G、100Bに対応するように、複数の駆動用トランジスタ24を形成したのち、これら駆動用トランジスタ24を覆うように平坦化層22を形成する(第1の工程)。
[1−A]まず、基板21を用意し、基板21上に、駆動用トランジスタ24を形成する。
[1−Aa]まず、基板21上に、例えばプラズマCVD法等により、平均厚さが30nm以上、70nm以下程度のアモルファスシリコンを主材料として構成される半導体膜を形成する。
[1−Ab]次いで、半導体膜に対して、レーザアニールまたは固相成長法等により結晶化処理を行い、アモルファスシリコンをポリシリコンに変化させる。
ここで、レーザアニール法では、例えば、エキシマレーザでビームの長寸が400mmのラインビームを用い、その出力強度は、例えば200mJ/cm程度に設定される。
[1−Ac]次いで、半導体膜をパターニングして島状とすることで半導体層241を得、これら島状の半導体層241を覆うように、例えば、TEOS(テトラエトキシシラン)や酸素ガスなどを原料ガスとして、プラズマCVD法等により、平均厚さが60nm以上、150nm以下程度の酸化シリコンまたは窒化シリコン等を主材料として構成されるゲート絶縁層242を形成する。
[1−Ad]次いで、ゲート絶縁層242上に、例えば、スパッタ法等により、アルミニウム、タンタル、モリブデン、チタン、タングステンなどの金属を主材料として構成される導電膜を形成した後、パターニングし、ゲート電極243を形成する。
[1−Ae]次いで、この状態で、高濃度のリンイオンを打ち込んで、ゲート電極243に対して自己整合的にソース・ドレイン領域を形成する。なお、不純物が導入されなかった部分がチャネル領域となる。
[1−B]次に、駆動用トランジスタ24に電気的に接続されるソース電極244およびドレイン電極245を形成する。
[1−Ba]まず、ゲート電極243を覆うように、第1平坦化層を形成した後、コンタクトホールを形成する。
[1−Bb]次いで、コンタクトホール内にソース電極244およびドレイン電極245を形成する。
[1−C]次に、ドレイン電極245と、各陽極3とを電気的に接続する配線(中継電極)27を形成する。
[1−Ca]まず、第1平坦化層上に、第2平坦化層を形成した後、コンタクトホールを形成する。
[1−Cb]次いで、コンタクトホール内に配線27を形成する。
なお、[1−B]工程および[1−C]工程において形成された第1平坦化層および第2平坦化層により平坦化層22が構成される。
[2]次に、平坦化層22上に、各配線27に対応するように、陽極(個別電極)3を形成する(第2の工程)。
この陽極3は、平坦化層22上に、陽極3の構成材料を主材料として構成される薄膜を形成した後、パターニングすることにより得ることができる。
[3]次に、平坦化層22上に、各陽極3を区画するように、すなわち、各発光素子1R、1G、1B(サブ画素100R、100G、100B)を形成する領域を区画するように、隔壁(バンク)31を形成する(第3の工程)。
隔壁31は、各陽極3を覆うように平坦化層22上に、絶縁膜を形成した後、各陽極3が露出するようにフォトリソグラフィー法等を用いてパターニングすること等により形成することができる。
ここで、隔壁31の構成材料は、耐熱性、撥液性、インク溶剤耐性、平坦化層22等との密着性等を考慮して選択される。
具体的には、隔壁31の構成材料としては、例えば、アクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂、エポキシ系樹脂のような有機材料や、SiOのような無機材料が挙げられる。
また、隔壁31の開口の形状は、四角形の他、例えば、円形、楕円形、六角形等の多角形等、いかなるものであってもよい。
なお、隔壁31の開口の形状を多角形とする場合には、角部は丸みを帯びているのが好ましい。これにより、正孔注入層41および発光層5R、5G、5Bを、後述するような液状材料を用いて形成する際に、これらの液状材料を、隔壁31の内側の空間の隅々にまで確実に供給することができる。
このような隔壁31の高さは、発光素子1R、1G、1Bの厚さに応じて適宜設定され、特に限定されないが、0.5μm以上、5μm以下程度とするのが好ましい。かかる高さとすることにより、十分に隔壁(バンク)としての機能が発揮される。
なお、インクジェット法によって、正孔注入層41および発光層5R、5G、5Bを形成する場合、隔壁31が形成された基板21は、プラズマ処理されることが望ましい。具体的には、隔壁31が形成された基板21の表面を、まずOガスを処理ガスとしてプラズマ処理する。これにより陽極3の表面と隔壁31の表面(壁面を含む)が活性化され親液化する。次に、CF等のフッ素系ガスを処理ガスとしてプラズマ処理する。これにより、有機材料である感光性樹脂からなる隔壁31の表面のみにフッ素系ガスが反応して撥液化される。これによって、隔壁31の隔壁としての機能がより効果的に発揮される。
[4]次に、発光素子1Rを形成すべき領域に位置する隔壁31の内側には、正孔注入層41および第1の赤色発光層51Rを形成し、発光素子1Gを形成すべき領域に位置する隔壁31の内側には、正孔注入層41および第1の緑色発光層51Gを形成し、さらに、発光素子1Bを形成すべき領域に位置する隔壁31の内側には、正孔注入層41および第1の青色発光層51Bを形成する(第4の工程)。この第4の工程について、発光素子1R、1G、1B毎に以下に詳述する。
[発光素子1B]
発光素子1Bを形成すべき領域に位置する隔壁31の内側に、正孔注入層41および第1の青色発光層51Bをこの順番に形成する。それぞれの層を形成する工程を正孔注入層41形成工程、第1の青色発光層51B形成工程とし、以下に詳述する。
[正孔注入層41形成工程]
まず、正孔注入層41をインクジェット法によって塗布する。具体的には、正孔注入材料を含有する正孔注入層41形成用のインク(液状材料)を、インクジェットプリント装置のヘッドから吐出し、各陽極3上に塗布する(塗布工程)。
ここで、正孔注入層形成用のインクの調製に用いる溶媒(インク溶媒)または分散媒(インク分散媒)としては、例えば、硝酸、硫酸、アンモニア、過酸化水素、水、二硫化炭素、四塩化炭素、エチレンカーボネイト等の各種無機溶媒や、メチルエチルケトン(MEK)、アセトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン(MIBK)、メチルイソプロピルケトン(MIPK)、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、メタノール、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール(DEG)、グリセリン等のアルコール系溶媒、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、1,2−ジメトキシエタン(DME)、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)、テトラヒドロピラン(THP)、アニソール、ジエチレングリコールジメチルエーテル(ジグリム)、ジエチレングリコールエチルエーテル(カルビトール)等のエーテル系溶媒、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、フェニルセロソルブ等のセロソルブ系溶媒、ヘキサン、ペンタン、ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶媒、シクロヘキサン、テトラリン等の脂環式炭化水素系溶媒、トルエン、キシレン、ベンゼン、トリメチルベンゼン、テトラメチルベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒、ピリジン、ピラジン、フラン、ピロール、チオフェン、メチルピロリドン等の芳香族複素環化合物系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMA)等のアミド系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化合物系溶媒、酢酸エチル、酢酸メチル、ギ酸エチル等のエステル系溶媒、ジメチルスルホキシド(DMSO)、スルホラン等の硫黄化合物系溶媒、アセトニトリル、プロピオニトリル、アクリロニトリル等のニトリル系溶媒、ギ酸、酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸等の有機酸系溶媒のような各種有機溶媒、または、これらを含む混合溶媒等が挙げられる。
なお、陽極3上に塗布された液状材料は、流動性が高く(粘性が低く)、水平方向(面方向)に広がろうとするが、陽極3が隔壁31により囲まれているため、所定の領域以外に広がることが阻止され、正孔注入層41の輪郭形状が正確に規定される。
次に、塗布した正孔注入層41に対して後処理を施す(後処理工程)。具体的には、各陽極3上に塗布した正孔注入層形成用のインク(液状材料)を乾燥し、正孔注入層41を形成する。この乾燥によって、溶媒または分散媒を除去することができる。乾燥の手法としては、減圧雰囲気に放置する方法、熱処理(例えば40℃以上、80℃以下程度)による方法、窒素ガスのような不活性ガスのフローによる方法等が挙げられる。さらに、必要に応じて、正孔注入層41が形成された基板21を100℃以上、300℃以下程度で加熱(ベーク)する。この加熱により、乾燥後に正孔注入層41の膜内に残留した溶媒または分散媒を、取り除くことができる。また、加熱により架橋し溶媒に対して不溶化するような正孔注入材料を用いている場合は、この加熱によって正孔注入層41を不溶化させることもできる。また、この加熱後、正孔注入層41の未不溶化部分を除去するために、正孔注入層41が形成された基板21の表面を溶媒によってリンス(洗浄)することもある。このリンスによって、正孔注入層41の未不溶化部分が、正孔注入層41の上に形成される第1の青色発光層51Bに、混入することを防ぐことができる。
[第1の青色発光層51B形成工程]
第1の青色発光層51B形成工程では、まず、第1の青色発光層51Bを正孔注入層41上に、正孔注入層41形成工程と同様のインクジェット法によって塗布し、次に塗布した第1の青色発光層51Bに対して正孔注入層41形成工程と同様の後処理を施す。ただし、第1の青色発光層51B形成用のインクに用いるインク溶媒またはインク分散媒や、後処理の手法や条件等は、第1の青色発光層51Bの形成に適したものを適宜選択する。
以上の、正孔注入層41形成工程、第1の青色発光層51B形成工程には、インクジェット法を用いることが好ましい。インクジェット法では、インクの吐出量およびインク滴の着弾位置を、基板の面積の大小に関わらず高精度に制御できるため、かかる方法を用いることにより、正孔注入層41の薄膜化、画素サイズの微小化、さらにはディスプレイ装置100の大面積化を図ることができる。また、各層を形成するためのインク(液状材料)を、隔壁31の内側に選択的に供給することができるため、インクのムダを省くことができる。
ただし、これら、正孔注入層41形成工程、第1の青色発光層51B形成工程には、インクジェット法に限らず、例えば、スパッタ法、真空蒸着法、CVD法等の気相プロセスや、スピンコート法(パイロゾル法)、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイヤーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法等の液相プロセスも用いることができる。
[発光素子1G]
発光素子1Gを形成すべき領域に位置する隔壁31の内側に、正孔注入層41および第1の緑色発光層51Gをこの順番に発光素子1Bと同様の手法を用いて形成する。ただし、正孔注入層41、第1の緑色発光層51Gのそれぞれの層において、層の形成用のインクに用いるインク溶媒またはインク分散媒や、後処理の手法や条件等は、それぞれの層の形成に適したものを適宜選択する。
[発光素子1R]
発光素子1Rを形成すべき領域に位置する隔壁31の内側に、正孔注入層41および第1の赤色発光層5Rをこの順番に発光素子1Bと同様の手法を用いて形成する。ただし、正孔注入層41、第1の赤色発光層51Rのそれぞれの層において、層の形成用のインクに用いるインク溶媒またはインク分散媒や、後処理の手法や条件等は、それぞれの層の形成に適したものを適宜選択する。
以上のように、正孔注入層41および第1の発光層5R、5G、5Bの各層をインクジェット法によって形成する場合、各層は塗布工程と後処理工程を経て完全に形成されるが、各層の塗布工程は、他の層の塗布工程と同時に行っても良いし、各層の後処理工程は、他の層の後処理工程と同時に行っても良い。
[5]次に、第1の赤色発光層51R、第1の緑色発光層51G、第1の青色発光層51Bおよび隔壁31に重なるように、すなわち、隔壁31の平坦化層22と接している面と反対側の全面を覆うように、電子注入層61を形成する(第5の工程)。
これにより、各発光素子1R、1G、1Bに共通の電子注入層61が一括(一体的)に形成される。
この電子注入層61も、前記工程[発光素子1B]で説明した気相プロセスや液相プロセスにより形成することができるが、中でも、気相プロセスを用いるのが好ましい。気相プロセスを用いることにより、第1の赤色発光層51R、第1の緑色発光層51G、第1の青色発光層51Bと電子注入層61との間での層溶解を防止しつつ、電子注入層61を確実に形成することができる。
[6]次に、電子注入層61の全面を覆うように、正孔輸送層43を形成する(第6の工程)。これにより、各発光素子1R、1G、1Bに共通の正孔輸送層43が一括に形成される。
[7]次に、正孔輸送層43を覆うように、発光素子1Rを形成すべき領域に対応する位置には、第2の赤色発光層52Rを形成し、発光素子1Gを形成すべき領域に対応する位置には、第2の緑色発光層52Gを形成し、さらに、発光素子1Bを形成すべき領域に対応する位置には、第2の青色発光層52Bを形成する(第7の工程)。これにより、各発光素子1R、1G、1Bに対応して、第2の赤色発光層52R、第2の緑色発光層52Gおよび第2の青色発光層52Bがそれぞれ形成される。
これら第2の赤色発光層52R、第2の緑色発光層52Gおよび第2の青色発光層52Bの形成は、例えば、これらを形成すべき領域の形状に対応した開口部を有するマスクをそれぞれ用意し、正孔輸送層43の各領域に対応する位置に、第2の赤色発光層52R、第2の緑色発光層52Gおよび第2の青色発光層52Bを形成するための材料をそれぞれ選択的に供給することにより行うことができる。
また、これら第2の赤色発光層52R、第2の緑色発光層52Gおよび第2の青色発光層52Bも、前記工程[発光素子1B]で説明した気相プロセスや液相プロセスにより形成することができるが、中でも、気相プロセスを用いるのが好ましい。気相プロセスを用いることにより、正孔輸送層43と、第2の赤色発光層52R、第2の緑色発光層52G、第2の青色発光層52Bとの間での層溶解を防止しつつ、第2の発光層52R、52G52Bを確実に形成することができる。その結果、液相プロセスを用いる場合と比較して、長寿命な第2の発光層52R、52G、52Bが成膜される。
[8]次に、第2の赤色発光層52R、第2の緑色発光層52G、第2の青色発光層52Bおよび正孔輸送層43の全面を覆うように、電子輸送層62を形成する(第8の工程)。これにより、各発光素子1R、1G、1Bに共通の電子輸送層62が一括に形成される。
[9]次に、電子輸送層62の全面を覆うように、陰極8を形成する(第9の工程)。これにより、各発光素子1R、1G、1Bに共通の陰極8が一括に形成される。
なお、前記工程[6]、[8]、[9]で形成する各層も、前記工程[発光素子1B]で説明した気相プロセスや液相プロセスにより形成することができるが、中でも、気相プロセスを用いるのが好ましい。気相プロセスを用いることにより、隣接する層同士間における層溶解を防止しつつ、形成すべき層を確実に形成することができる。
また、前記工程[発光素子1R]、[発光素子1G]および[発光素子1B]において、それぞれ、第1の発光層51R、51G、51Bをインクジェット法のような液層プロセスを用いて成膜することにより、発光色の異なる第1の発光層51R、51G、51Bを容易に塗り分け、かつディスプレイ装置100の大面積化を容易に実現することができる。加えて、前記工程[6]および[7]において、それぞれ、正孔輸送層43および第2の発光層52R、52G、52Bを気相プロセス(気相成膜法)を用いて形成することにより、発光素子1R、1G、1Bは、実用レベルの発光寿命を十分に備えるものとなる。
また、前記工程[5]および[6]において、それぞれ、各発光素子1R、1G、1Bに共通の電子注入層61および正孔輸送層43を一括して形成する構成とした、すなわち電子注入層61および正孔輸送層43で構成される積層体46を一体的に形成する構成としたことから、高精細マスクを用いて、発光素子1Bに対して選択的に電子注入層61および正孔輸送層43を成膜する必要がないため、工程の簡略化、さらにはディスプレイ装置100の大面積化を容易に図ることができる。
以上のようにして、駆動用トランジスタ24に対応して、複数の赤色、緑色および青色にそれぞれ発光する発光素子1R、1G、1Bが形成される。
[11] 次に、封止基板20を用意し、陰極8と封止基板20との間にエポキシ系の接着剤を介在させた後、この接着剤を乾燥させる。
これにより、エポキシ層35を介して、封止基板20で陰極8を覆うように陰極8と封止基板20とを接合することができる。
この封止基板20は、各発光素子1R、1G、1Bを保護する保護基板としての機能を発揮する。このような封止基板20を、陰極8上に設ける構成とすることで、発光素子1R、1G、1Bが酸素や水分に接触するのをより好適に防止または低減できることから、発光素子1R、1G、1Bの信頼性の向上や、変質・劣化の防止等の効果をより確実に得ることができる。
以上のような工程を経て、各発光素子1R、1G、1Bが封止基板20により封止されたディスプレイ装置(本発明の表示装置)100が完成される。
なお、本実施形態では、発光素子1R、1G、1Bの各発光素子に、本発明の発光素子を適用する場合について説明したが、かかる場合に限定されず、これら発光素子1R、1G、1Bのうちの少なくとも1つに本発明の発光素子が適用されていればよいが、発光素子1Bに、本発明の発光素子を適用するのが好ましい。
ここで、青色の発光光を発光する青色発光層(特に、液相プロセスを用いて形成された青色発光層)は、一般的に寿命が短い。そのため、本実施形態で説明したように、第1の青色発光層51Bを、液相プロセスを用いて形成した場合、この第1の青色発光層51Bは、他の発光素子1R、1Gが備える第1の発光層51R、51Gと比較してその寿命が短くなる。そのため、発光素子1Bを、第2の青色発光層52Bを備える構成とすることで、発光素子1Bの長寿命化を図ることができ、その結果、発光素子1Bは、実用レベルの発光寿命特性を十分に備えるものとなる。
(電子機器)
このようなディスプレイ装置100(本発明の表示装置)は、各種の電子機器(本発明の電子機器)に組み込むことができる。
図2は、本発明の電子機器を適用したモバイル型(またはノート型)のパーソナルコンピュータの構成を示す斜視図である。
この図において、パーソナルコンピュータ1100は、キーボード1102を備えた本体部1104と、表示部を備える表示ユニット1106とにより構成され、表示ユニット1106は、本体部1104に対しヒンジ構造部を介して回動可能に支持されている。
このパーソナルコンピュータ1100において、表示ユニット1106が備える表示部が前述のディスプレイ装置100で構成されている。
図3は、本発明の電子機器を適用した携帯電話機(PHSも含む)の構成を示す斜視図である。
この図において、携帯電話機1200は、複数の操作ボタン1202、受話口1204および送話口1206とともに、表示部を備えている。
携帯電話機1200において、この表示部が前述のディスプレイ装置100で構成されている。
図4は、本発明の電子機器を適用したディジタルスチルカメラの構成を示す斜視図である。なお、この図には、外部機器との接続についても簡易的に示されている。
ここで、通常のカメラは、被写体の光像により銀塩写真フィルムを感光するのに対し、ディジタルスチルカメラ1300は、被写体の光像をCCD(Charge Coupled Device)などの撮像素子により光電変換して撮像信号(画像信号)を生成する。
ディジタルスチルカメラ1300におけるケース(ボディー)1302の背面には、表示部が設けられ、CCDによる撮像信号に基づいて表示を行う構成になっており、被写体を電子画像として表示するファインダとして機能する。
ディジタルスチルカメラ1300において、この表示部が前述のディスプレイ装置100で構成されている。
ケースの内部には、回路基板1308が設置されている。この回路基板1308は、撮像信号を格納(記憶)し得るメモリが設置されている。
また、ケース1302の正面側(図示の構成では裏面側)には、光学レンズ(撮像光学系)やCCDなどを含む受光ユニット1304が設けられている。
撮影者が表示部に表示された被写体像を確認し、シャッタボタン1306を押下すると、その時点におけるCCDの撮像信号が、回路基板1308のメモリに転送・格納される。
また、このディジタルスチルカメラ1300においては、ケース1302の側面に、ビデオ信号出力端子1312と、データ通信用の入出力端子1314とが設けられている。そして、図示のように、ビデオ信号出力端子1312にはテレビモニタ1430が、デ−タ通信用の入出力端子1314にはパーソナルコンピュータ1440が、それぞれ必要に応じて接続される。さらに、所定の操作により、回路基板1308のメモリに格納された撮像信号が、テレビモニタ1430や、パーソナルコンピュータ1440に出力される構成になっている。
なお、本発明の電子機器は、図2のパーソナルコンピュータ(モバイル型パーソナルコンピュータ)、図3の携帯電話機、図4のディジタルスチルカメラの他にも、例えば、テレビや、ビデオカメラ、ビューファインダ型、モニタ直視型のビデオテープレコーダ、ラップトップ型パーソナルコンピュータ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳(通信機能付も含む)、電子辞書、電卓、電子ゲーム機器、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、防犯用テレビモニタ、電子双眼鏡、POS端末、タッチパネルを備えた機器(例えば金融機関のキャッシュディスペンサー、自動券売機)、医療機器(例えば電子体温計、血圧計、血糖計、心電表示装置、超音波診断装置、内視鏡用表示装置)、魚群探知機、各種測定機器、計器類(例えば、車両、航空機、船舶の計器類)、フライトシュミレータ、その他各種モニタ類、プロジェクター等の投射型表示装置等に適用することができる。
以上、本発明の発光素子、表示装置および電子機器を、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれらに限定されるものでない。
例えば、前記実施形態では、表示装置は、発光素子として、赤色、緑色および青色の光を発光するものを備える場合としたが、この場合に限定されず、黄色や橙色のような光を発光する発光素子を備えるものであってもよい。この場合、これら黄色や橙色の光を発光する発光素子にも本発明の発光素子を適用することができる。
次に、本発明の具体的実施例について説明する。
1.発光素子の製造
(実施例1)
<1> まず、平均厚さ1.0mmの透明なガラス基板を基板321として用意した。次に、この基板321上に、スパッタ法により、平均厚さ50nmのITO膜を形成することで陽極303(ITO電極)を形成した。
そして、陽極303が形成された基板321をアセトン、2−プロパノールの順に浸漬し、超音波洗浄した後、酸素プラズマ処理を施した。
<2> 次に、陽極303上に、インクジェット法を用いて、1.0wt%PEDOT/PSS水分散液を塗布した後、このPEDOT/PSS水分散液を乾燥した後、大気中にて基板321を加熱することで、PEDOT/PSSで構成される平均厚さ50nmのイオン伝導性の正孔注入層341を形成した。
<3> 次に、正孔注入層341上に、インクジェット法を用いて、以下に示す構成材料を供給し、乾燥した後、窒素雰囲気中にて基板321を加熱した。これにより、正孔注入層341上に、平均厚さ60nmの第1の緑色発光層351Gを形成した。
ここで、第1の緑色発光層351Gの構成材料としては、ホスト材料としてCBPを用い、ゲスト材料としてIr(ppy)を用いた。また、第2の緑色発光層中のゲスト材料(ドーパント)の含有量(ドープ濃度)は、ホスト材料に対して重量比で5.0%とした。
なお、この第1の緑色発光層351Gのフォトルミネッセンス発光(PL発光)の中心波長は、515nmである。
<4> 次に、第1の緑色発光層351G上に、CsCOを蒸着源として真空蒸着法にて形成した平均厚さ0.5nmのCsを含む蒸着膜を形成し、電子注入層361とした。
ここで、Csを「含む薄膜」とは、少なくともCs塩を構成する金属材料であるCs単体を含む薄膜となっていることを意味しており、金属含有層が蒸着材料である金属塩を含んでいても良い。発明者は、別途行った予備実験により以下に示すような現象を観察しており、真空蒸着した膜がCs塩のみからなる膜ではなく、Cs単体を含む膜となっていることを間接的に確かめている。
具体的には、CsCOを蒸着源として形成した蒸着膜にAlの蒸着膜を積層したものを大気に曝すと、Alの表面が激しく発砲し、表面に顕著な凹凸が生じることが確認された。蒸着膜としてCsCOが成膜されているならば、積層したAl膜に顕著な変化は起きないはずである。これは蒸着膜がCs単体を含むため、大気暴露によって急激にCs単体部が酸化や吸湿をしたためであると考えられる。
<5> 次に、電子注入層361上に、真空蒸着法を用いて、α−NPDで構成される平均厚さ10nmの正孔輸送層343を形成した。
<6> 次に、正孔輸送層343上に、真空蒸着法を用いてトリス(8−キノリノラト)アルミニウム(Alq)で構成される平均厚さ20nmの第2の緑色発光層352Gを形成した。
なお、この第2の緑色発光層352Gのフォトルミネッセンス発光(PL発光)の中心波長は、525nmである。
<7> 次に、第2の緑色発光層352G上に、真空蒸着法を用いて、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(p−フェニルフェノラト)アルミニウム(BAlq)で構成される平均厚さ20nmの電子輸送層362を形成した。
<8> 次に、電子輸送層362上に、真空蒸着法を用いてAlで構成される、平均厚さ100nmの陰極308を形成した。
<9> 次に、形成した各層を覆うように、ガラス製の保護カバー(封止部材)を被せ、エポキシ樹脂により固定、封止した。
以上の工程により、図5に示すようなボトムエミッション構造を有する実施例1の発光素子を製造した。
(比較例1)
電子注入層361、正孔輸送層343、第2の緑色発光層352Gおよび電子輸送層362の形成を省略して、陽極303と陰極308との間に、正孔注入層341と第1の緑色発光層351Gとが積層された構成をなす、図6に示すようなボトムエミッション構造を有する比較例1の発光素子を製造した。
2.評価
実施例1および比較例1の発光素子について、それぞれ、初期輝度が1,000cd/mとなるように発光素子に定電流を流し、初期輝度の50%程度となるまで、その輝度を測定した。
そして、実施例1の発光素子については、初期輝度の80%、70%、60%および50%となった時点における発光光の発光波長を測定した。
これらの結果を図7〜図11に示す。
なお、図7では、実施例1および比較例1の発光素子の初期輝度を、基準として規格した値をそれぞれ示した。
図7から明らかなように、実施例1の発光素子では、比較例1の発光素子と比較して、発光素子の長寿命化が図られていることが判った。
また、図8〜11から明らかなように、実施例1の発光素子において、定電流を流した初期から一定時間流した後では、発光波長の中心波長が長波長側にシフトしていることが判った。このことから、定電流を流した初期では、PL発光の中心波長が低波長の第1の緑色発光層351Gが主に発光し、その後、この第1の緑色発光層351Gの発光光が減衰するにしたがって、PL発光の中心波長が高波長の第2の緑色発光層352Gが主に発光しているものと推察された。
1R……赤色発光素子 1G……緑色発光素子 1B……青色発光素子 3、303……陽極 41、341……正孔注入層 43、343……正孔輸送層 46……積層体 51R……第1の赤色発光層 51G、351G……第1の緑色発光層 51B……第1の青色発光層 52R……第2の赤色発光層 52G、352G……第2の緑色発光層 52B……第2の青色発光層 61、361……電子注入層 62、362……電子輸送層 8、308……陰極 100……ディスプレイ装置 100R、100G、100B……サブ画素 20……封止基板 21、321……基板 22……平坦化層 24……駆動用トランジスタ 241……半導体層 242……ゲート絶縁層 243……ゲート電極 244……ソース電極 245……ドレイン電極 27……配線 31……隔壁 35……エポキシ層 1100……パーソナルコンピュータ 1102……キーボード 1104……本体部 1106……表示ユニット 1200……携帯電話機 1202……操作ボタン 1204……受話口 1206……送話口 1300……ディジタルスチルカメラ 1302……ケース(ボディー) 1304……受光ユニット 1306……シャッタボタン 1308……回路基板 1312……ビデオ信号出力端子 1314……データ通信用の入出力端子 1430……テレビモニタ 1440……パーソナルコンピュータ

Claims (5)

  1. 陽極と、
    陰極と、
    前記陽極と前記陰極との間に設けられた第1の発光層と、
    前記陰極と前記第1の発光層との間に設けられた前記第1の発光層の発光色と同色の光を発光する第2の発光層とを有し、
    さらに、前記第1の発光層と前記第2の発光層との間に、前記第1の発光層側から、電子注入層と正孔輸送層とがこの順で接触して積層された積層体を有し、
    前記電子注入層は、前記第1の発光層に接触し、CsCOを含有し、前記電子注入層の平均厚さが、0.1nm以上、5nm以下であり、
    前記正孔輸送層は、前記第2の発光層に接触し、アミン系化合物を含有し、前記正孔輸送層の平均厚さが、5nm以上、30nm以下であり、
    前記陽極と前記陰極との間に電圧を印加する初期状態では、前記第2の発光層が発光することなく前記第1の発光層が選択的に発光し、
    前記陽極と前記陰極との間に電圧を印加する連続駆動時では、前記第1の発光層の劣化に伴って、前記第2の発光層が発光することを特徴とする発光素子。
  2. 前記第1の発光層のフォトルミネッセンス発光の中心波長と、前記第2の発光層のフォトルミネッセンス発光の中心波長との差が±50nm以下である請求項1に記載の発光素子。
  3. 前記第1の発光層および前記第2の発光層の発光色は、青色である請求項1または2に記載の発光素子。
  4. 請求項1ないしのいずれかに記載の発光素子を備えることを特徴とする表示装置。
  5. 請求項に記載の表示装置を備えることを特徴とする電子機器。
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