JP2007114607A - 非磁性一成分現像用トナー - Google Patents

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Abstract

【課題】保存安定性、低温定着性、耐オフセット性、環境安定性、環境保全のいずれにも優れた改善効果を発揮する電子写真用トナーを提供する。
【解決手段】現像ローラ及び該現像ローラ上に形成されるトナーの薄層を均一に規制し且つ該トナーに電荷を付与する導電性規制ブレードを備えた現像装置を用いる非磁性一成分現像方式において使用される、結着樹脂、着色剤及び離型剤からなる非磁性一成分現像用トナーであって、重量平均分子量(Mw)が30万以上100万以下である非晶性ポリエステル(A)、重量平均分子量(Mw)が1千以上3万以下である非晶性ポリエステル(B)、融点が80℃〜140℃である生分解性樹脂(C)、及び融点が70℃〜110℃のワックス(W)からなる非磁性一成分現像用トナー。
【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真法等において形成される静電潜像の現像に用いられる電子写真用トナー、ならびに該トナーを用いた現像方法に関する。
電子写真方式を用いた画像形成処理は、光導電性物質を含む感光体の表面を一様に帯電させる帯電過程、その感光体の表面を露光して静電潜像を形成する露光過程、感光体表面の静電潜像をトナー像に顕像化する現像過程、感光体表面に担持されたトナー像を用紙の表面に転写する転写過程、及び、加熱及び加圧等の手段によってトナー像を用紙上に定着させる定着過程からなる。
これらのうち、現像過程における方式として、トナー及びキャリアによって構成された現像剤を用いる二成分現像方式と、キャリアを含まないトナーのみからなる現像剤を用いる一成分現像方式が知られており、近年、保守が容易で装置の小型軽量化及びコストの低廉化を図ることができる等の利点から、一成分現像方式が広く採用されている。
一成分現像方式を用いた画像形成では、感光体に近接して配置される現像ローラと、現像ローラにトナーを供給する供給ローラと、現像ローラに当接して現像ローラの周面のトナーに対して薄層化及び電荷付与を行う規制ブレードとを備えた現像装置を用いるものがある。この現像方式において感光体の表面に形成された静電潜像を適正に顕像化するためには、現像ローラ上に常に安定したトナーの薄層を形成する必要がある。また、近年、画像形成装置の高速化及び長寿命化が進展し、さらに、フルカラーの画像形成用として非磁性一成分現像方式が採用されているが、フルカラー画像形成用のトナーに用いられる結着樹脂は軟化点が低いため、黒色用トナーに比較して規制ブレードにトナーが融着及び固着し易く、規制ブレードに対するトナーの融着や固着が生じると現像ローラの周面に均一なトナーの薄層が形成されず、画像上に白筋等が発生して画質の低下を招く問題がある。また、トナーに充分な電荷が与えられず、画像上の下地カブリの発生や、画像形成装置内にトナーが飛散する等の問題を生じる。
一方、定着工程には、熱ローラ定着等の接触加熱定着方式やオーブン定着等の非接触加熱方式などが用いられている。接触方式は熱効率がよいことが特徴で、非接触方式に比べて、定着に必要な温度を下げることができ、省エネルギー化や複写機の小型化に有効である。しかしながら、この接触式加熱定着法においては、定着時に溶融したトナーの一部が熱ローラーに移り、後続の転写紙等に転写されるオフセット現像という問題が生じやすい。この現象を防止するため、従来より、熱ローラの表面をフッ素系樹脂等の離型性の優れた材料で加工したり、熱ローラの表面にシリコーンオイル等の離型剤を塗布したりしている。しかし、シリコーンオイル等を用いる方法は、定着装置が大きく複雑になるので、コスト高となったりトラブルの原因となることが考えられ好ましくない。
これらの問題に対して、下記特許文献1には結着樹脂及び現像剤担持体表面における樹脂層の溶解度パラメーターの差を規定し、ワックスの種類及び酸価を特定することにより、非磁性一成分現像方式におけるトナーの融着を防止した経時安定性、耐オフセット性の優れたトナーについて開示している。
しかしながら、特許文献1に開示された技術によると、結着樹脂及び現像剤担持体表面における樹脂層の溶解度パラメーターの差を規定し、ワックスの種類及び酸価を特定することにより、トナー中の分散状態を向上することができ、非磁性一成分現像における融着や高温オフセット性に優れたトナーを得ることは可能であるが、低温領域における定着性についての記述はされていない。
また、下記特許文献2には、トナーのガラス転移温度及び1/2流出開始温度を特定し、かつ結着樹脂の1/2流出開始温度とワックスの融点との差を規定することにより良好で安定した現像性を有し、かつ、定着装置に定着オイルを塗布することなく良好な定着性、光沢性、透明性、離型性を有するカラートナーについて開示している。
特許文献2に開示された技術によると、トナーのガラス転移温度を規定することにより、長期の撹拌においてもトナーの変形、微粉化などの発生が無く、現像ローラへのトナーのフィルミングやトナーを薄層化するためのブレード等の部材への融着が防止でき、さらに、1/2流出開始温度を特定し、かつ結着樹脂の1/2流出開始温度とワックスの融点との熱特性の関係を近づけることにより、トナー中でのワックスの分散が良好になり、一成分現像装置における長期の撹拌においてもトナーの表面からワックスが染み出したり、ワックスが脱離することが防止され、現像ローラへのトナーのフィルミングや、トナーを薄層化するためのブレード等の部材へのトナーの融着が防止できるとしている。しかしながら、結着樹脂の1/2流出開始温度とワックスの融点との熱特性の関係を近づけることにより、トナー中でのワックスの分散が良好になり、一成分現像装置におけるブレードなどへのトナーの固着・融着は防止できるが、低温領域におけるワックスの染み出し効果は期待できないため低温定着性に対する効果は得られない。
さらに、下記特許文献3には、2種以上の非晶性結着樹脂、結晶性結着樹脂及びワックスを混合し、非晶性結着樹脂の融点、ガラス転移点及びクロロホルム不溶分率を規定し、また、結晶性結着樹脂の融点、ワックスの融点及び針入度を特定し、さらに、結晶性結着樹脂とワックスの比率を限定することにより、保存安定性、定着性、耐オフセット性及び環境安定性のいずれにも優れた電子写真用トナーについて開示されている。
しかしながら、低温定着性に主に起因する結晶性樹脂及びワックスのトナー中の含有量についての記載はない。結晶性樹脂及びワックスはその含有量が増大すると分散性が低下し、非磁性一成分現像において、規制ブレードなどの部材への融着を引き起こす。また、結晶性樹脂やワックスはトナーの透明性を低下させるため、フルカラートナーの色再現特性などに悪影響を及ぼし、使用できない。
一方、近年、電子写真方式の複写機、プリンターから発生する回収トナーは、販売メーカーが回収する機運が高まっているが、回収後は産業廃棄物として大部分が焼却または埋め立てられているのが現状である。特許文献4に記載の如く、保存安定性、低温定着性、耐オフセット性及び環境安定性のいずれにも優れた改善効果を発揮する電子写真用トナーであっても、生分解性がないため、土中に永久に残存してしまうという問題を抱えてしまっており、廃棄物処理、環境保全の見地から、望ましくない。特許文献5に記載の如く、ポリ乳酸系生分解性樹脂を混合することで優れた生分解性を発揮する試みがなされているものもあるが、軟化点が170(℃)と高く、低温定着性を満足するものではない。
特開平6−324514号公報 特開平11‐249341号公報 特開2003−57875号公報 特開2005−10400号公報 特開2001−166537号公報
かかる現状から、本発明は保存安定性、低温定着性、耐オフセット性及び環境安定性、更に、環境保全のいずれにも優れた改善効果を発揮する電子写真用トナーを提供することにある。
本発明者らは、鋭意研究した結果、現像ローラ及び該現像ローラ上に形成される該トナーの薄層を均一に規制し、且つ該トナーに電荷を付与する導電性規制ブレードを備えた現像装置を用いる非磁性一成分現像方式において、特定の非晶性ポリエステル、特定の生分解性樹脂、及び特定のワックスを用い、これらの質量比を特定の範囲とすることで上記課題が解決されることを見出し、本発明に到った。
即ち、第1に、本発明のトナーは、現像ローラ及び該現像ローラ上に形成されるトナーの薄層を均一に規制し且つ該トナーに電荷を付与する導電性規制ブレードを備えた現像装置を用いる非磁性一成分現像方式において使用される、少なくとも結着樹脂、着色剤及び離型剤からなる非磁性一成分現像用トナーであって、重量平均分子量(Mw)が30万以上100万以下である非晶性ポリエステル(A)、重量平均分子量(Mw)が1千以上3万以下である非晶性ポリエステル(B)、融点が80℃〜140℃、好ましくは80℃〜130℃である生分解性樹脂(C)、及び融点が70℃〜110℃、好ましくは70℃〜100℃のワックス(W)からなり、非晶性ポリエステル〔樹脂(A)+樹脂(B)〕に対する〔樹脂(C)+外添されたワックス(W)〕の質量比〔樹脂(C)+外添されたワックス(W)〕/〔樹脂(A)+樹脂(B)〕が1(%)〜15(%)、好ましくは1(%)〜13(%)を満たし、且つ、外添によりワックス(W)を非晶性ポリエステル100(質量部)に対して0.5(質量部)〜5(質量部)、好ましくは0.5(質量部)〜4(質量部)含有することを特徴とする非磁性一成分現像用トナーである。
通常、分子量の小さい結着樹脂は、加熱定着時に溶融粘度が低下し、トナー間の凝集力が低下することにより定着部材に付着する。すなわち、高温オフセット性に影響を及ぼし、分子量の大きい結着樹脂は加熱定着時に充分に溶融されずに定着部材に付着する低温オフセットの要因の一つである。本発明では、重量平均分子量(Mw)が30万以上100万以下の非晶性ポリエステル(A)と1千以上3万以下の非晶性ポリエステル(B)を後述するように(A):(B)の混合比率が40:60〜60:40の範囲で組み合わせることにより、広い非オフセット領域を得ることが可能となる。一方、重量平均分子量(Mw)が30万以上100万以下の非晶性ポリエステルを用いた場合の弊害として、低温領域におけるトナーの弾性が高いために、紙繊維への染み込みが困難になり、紙との密着性の低下、いわゆる低温領域における定着性能の低下が起こることになる。そこで、融点が80℃〜140℃の生分解性樹脂、あるいは70℃〜110℃のワックスを用いることにより、低温定着性を向上させることが可能となる。なお、生分解性樹脂及びワックスの融点をそれぞれ80℃〜140℃及び70℃〜110℃とする理由は、融点がこれらの温度範囲よりも低い場合にはトナーとしての耐久性やブロッキング性に支障をきたし、これらの温度範囲よりも高い場合には低温領域におけるトナーの定着性に効果を発揮しないためである。
ところで、生分解性樹脂は、非晶性ポリエステルとの相溶性が高いため、一成分現像方式における規制ブレードへの固着・融着に影響を与えないが、低温領域において溶融染み出し効果を発揮し難い。一方、ワックスはポリエステルとの相溶性が悪く、分散性が低いため、低温領域において溶融染み出し効果は高いが、一成分現像方式における規制ブレードへの固着・融着を引き起こしやすい性質を有している。そこで、ワックス(W)を非晶性ポリエステル100(質量部)に対して0.5(質量部)〜5(質量部)含有させることにより、低温領域における染み出し効果が高く、かつ一成分現像方式における規制ブレードへの固着・融着の生じないように適正化することができる。なお、ワックスを適量含有させることにより、低温領域における溶融染み出し効果により高い低温定着性が得られるものの、含有量が増加すると分散性が悪くなり、一成分現像方式における規制ブレードへの固着・融着が生じ、フルカラー用では透明性に影響を及ぼすことになる。
非晶性ポリエステルに対するワックス及び生分解性樹脂の質量比率〔樹脂(C)+ワックス(W)〕/〔樹脂(A)+樹脂(B)〕を1(%)〜15(%)とすることにより、低温定着性に優れ、一成分現像方式における規制ブレードへの固着・融着の無いトナーが得られる。
第2に、本発明は、現像ローラ及び該現像ローラ上に形成されるトナーの薄層を均一に規制し且つ該トナーに電荷を付与する導電性規制ブレードを備えた現像装置を用いる非磁性一成分現像方式において使用される、少なくとも結着樹脂、着色剤及び離型剤からなる非磁性一成分現像用トナーであって、重量平均分子量(Mw)が30万以上100万以下であり融点が70℃〜110℃のワックス(W)を内添した非晶性ポリエステル(A)、重量平均分子量(Mw)が1千以上3万以下である非晶性ポリエステル(B)、融点が80℃〜140℃である生分解性樹脂(C)で構成され、〔樹脂(C)+内添されたワックス(W)〕/〔樹脂(A)−内添されたワックス(W)+樹脂(B)〕の質量比が1(%)〜15(%)を満たし、且つ、内添されているワックス(W)が非晶性ポリエステル100(質量部)に対して0.5(質量部)〜5(質量部)で含有されていることを特徴とする非磁性一成分現像用トナーである。
ワックスは、非晶性ポリエステルとの相溶性が低いため、内添することにより非晶性ポリエステル中のワックス分散径を小さく制御することが可能となる。従って、ワックスの分散径を小さくする効果により、低温領域における定着性を維持しつつ、非磁性一成分現像方式における規制ブレードへ固着・融着のより生じ難いトナーを生成することが可能となる。
上記第1及び第2の本発明のトナーは、非晶性ポリエステル(A)及び(B)の酸価が5(mgKOH/g)〜20(mgKOH/g)であることが好ましい。結着樹脂である酸価が5(mgKOH/g)〜20(mgKOH/g)の非晶性ポリエステル(A)及び(B)を用いることにより、ワックスとの相溶性が向上するため、結着樹脂に対する分散性が向上し、非磁性一成分現像剤における規制ブレードに対するトナーの固着・融着の問題を解消することができる。酸価が5(mgKOH/g)よりも小さくなると、ワックスとの相溶性に対して効果がなく、また、酸価が20(mgKOH/g)よりも大きくなると、外部環境、とりわけ湿度に対する影響を大きく受け、環境安定性に問題が生じることになる。
本発明の非晶性ポリエステル樹脂(A)、(B)は、通常、構成モノマーとして2価以上のアルコール単量体成分と2価以上のカルボン酸、カルボン酸無水物、カルボン酸エステル等のカルボン酸単量体成分を原料モノマーとして縮重合することによって得られる。特に非晶性ポリエステルは、上記の単量体に少なくとも3価以上の多価アルコール単量体及び/又は3価以上の多価カルボン酸単量体等を用いて縮重合することによって得られる。好ましい2価のアルコール単量体成分は、ビスフェノールAのアルキレン(炭素数2又は3)オキサイド付加物(平均付加モル数1〜10)、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA等である。また、好ましい3価以上のアルコール単量体成分は、ソルビトール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、グリセロール、トリメチロールプロパン等が挙げられる。
また酸成分としての、2価のカルボン酸単量体成分としては、各種ジカルボン酸、炭素数1〜20のアルキル基又はアルケニル基で置換されたコハク酸、これらの酸の無水物及びアルキル(炭素数1〜12)エステル等が挙げられ、好ましくは、マレイン酸、フマル酸、テレフタル酸及び炭素数2〜20のアルケニル基で置換されたコハク酸である。また好ましい3価以上のカルボン酸成分は、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)及びその酸無水物、アルキル(炭素数1〜12)エステル等である。ポリエステルの製造方法は、特に限定されることなく、上記の2価以上のアルコール単量体とカルボン酸単量体等を組み合わせてエステル化反応、又はエステル交換反応により製造することができる。原料モノマーを重合させる際には、反応を促進させるため、酸化ジブチル錫等の通常使用されているエステル化触媒等を適宜使用してもよい。
これらのうち、ポリエステル成分は、前記した如く2価以上のアルコール単量体成分と2価以上のカルボン酸、カルボン酸無水物、カルボン酸エステル等のカルボン酸単量体成分を原料モノマーとして縮重合によって得ることができる。また、ポリエステル・ポリアミド又はポリアミド中のアミド成分を形成するために用いる原料モノマーとしては、公知の各種ポリアミン、アミノカルボン酸類、アミノアルコール等が挙げられ、好ましくはヘキサメチレンジアミン及びε−カプロラクタムである。
本発明において、非晶性ポリエステル樹脂(A):(B)の混合比率は、40:60〜60:40の範囲が好適である。非晶性ポリエステル樹脂(A)の混合比率が40より小さいと高温定着性で不良(高温オフセット)が発生しやすくなり、逆に60を越えると低温定着性で不良(低温オフセット)が起こりやすくなるからであり、非晶性ポリエステル樹脂(A)と(B)を組み合わせる効果を発揮できなくなるからである。
非晶性ポリエステル(A)としては、重量平均分子量(Mw)が30万以上100万以下、Mw/Mnが3〜10、Tgが90〜150℃、酸価が5(mgKOH/g)〜20(mgKOH/g)、水酸基価が30(mgKOH/g)〜50(mgKOH/g)であるものが好適に使用でき、一方、非晶性ポリエステル樹脂(B)としては、重量平均分子量(Mw)が1千以上3万以下、Mw/Mnが5〜100、Tgが50〜70℃、酸価が5(mgKOH/g)〜20(mgKOH/g)、水酸基価が20(mgKOH/g)〜50(mgKOH/g)であるものが好適に使用できる。
上記第1及び第2の本発明のトナーにおいては、外添あるいは内添によって含有されるワックス(W)が極性を有していることが好ましい。本発明におけるワックス(W)の極性とは、極性を有する官能基を構造の中に有していることをさし、具体的な官能基には、−COOH基(カルボキシル基)、−OH基(水酸基)、−COO−基(エステル基)等があげられる。極性を有するワックス(W)の例としては、ポリプロピレン、ポリエチレン等の低分子量ワックス、分子構造中にカルボキシル基やカルボキシル基に金属塩を有するワックス、低分子量ポリオレフィン系ポリオール(水酸基を有する)、脂肪酸エステルやカルナウバワックスやライスワックス(エステル基を有する)等があげられる。また、極性を有するワックス(W)は官能基を有する単量体の単独重合体であっても、共重合体であってもよい。カルボキシル基を有する単量体の一例としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマール酸等のエチレン性不飽和カルボン酸や無水マレイン酸などがよく用いられる。極性を有するワックスを用いることにより、とりわけ酸価を有する結着樹脂としての非晶性ポリエステル(A)及び(B)に対する相溶性が向上するため、結着樹脂としての非晶性ポリエステル(A)及び(B)に対する分散性が向上するとともに、トナー製造時にワックスが脱離しにくくなりフィルミングの問題も解消することができる。また、このようなワックスを含有させることにより、非磁性一成分現像方式における規制ブレードに対するトナーの固着の問題を解消することができる。
上記第1及び第2の本発明のトナーは、ワックス(W)の酸価が1(mgKOH/g)〜17(mgKOH/g)であることが好ましく、3(mgKOH/g)〜15(mgKOH/g)であることがより好ましい。酸価が1(mgKOH/g)〜17(mgKOH/g)としているのは、1(mgKOH/g)より小さいと結着樹脂との相溶性が向上せず、分散性も向上しないため、非磁性一成分現像方式における規制ブレードにおける融着が生じることになり、一方、ワックスの酸価が17(mgKOH/g)よりも大きくなると、ワックスの相溶性が向上し、分散性が良好となりすぎ、低温領域における溶融染み出し効果が発揮できなくなるからである。
上記第1及び第2の本発明のトナーは、25(℃)におけるワックス(W)の針入度が0.5以上2以下であることが好ましい。針入度は硬さを示す指標であり、その値が小さいほど硬いことを示すものである。トナー中のワックスの分散状態が良好であっても、トナーの製造時の粉砕工程においてワックスの存在する部分で粉砕され、トナー粒子を形成することが多いため、トナー表面には少なからずワックスは存在している。非磁性一成分現像方式においては、トナーは規制ブレード部との大きなストレスにより帯電する方式であるため、トナー表面のワックスの針入度が2よりも大きいと、規制ブレードにおける固着・融着が生じ難く、ワックスの針入度が0.5未満では、ワックスが硬すぎて分散がうまく行えない。
また、本発明においては、新規な現像方法が開発された。すなわち、本発明の現像方法は、上記第1及び第2の本発明のトナーを現像ローラに対して15(gf/cm)〜50(gf/cm)の線圧で押圧して用いることを特徴とする。現像ローラの周面に対する規制ブレードの圧接力が15(gf/cm)より小さい場合にはトナーの薄層の厚さが均一になり難く、該圧接力が50(gf/cm)より大きい場合には長期間の使用により規制ブレードに対するトナーの融着・固着を生じ易くなる。したがって、本発明の現像方法は、上記の線圧条件下で実施することを特徴とし、この方法によれば、現像ローラの周面に規定量のトナーの薄層が安定して形成されるとともに、長期間の使用によっても規制ブレードにトナーの融着・固着を生じない。なお、線圧は、(株)ミツトヨのハイトゲージHDM-Aを用いて常法に従って測定した。
第4に、本発明のトナーは、ワックスの酸価が11(mgKOH/g)〜17(mgKOH/g)の範囲内の数値を有する非磁性一成分現像用トナーの組み合わせからなる非磁性フルカラー用トナーであって、該現像装置としてシアン、マゼンタ、及びイエローを順次画像形成するフルカラー用画像形成装置に使用されることを特徴とする非磁性フルカラー用トナーである。
フルカラー画像は、シアン、マゼンタ、イエローの重ねあわせにより形成され、人間の目は外部光が各トナー層において吸収され、下地の紙において反射した光を認識し、色を識別している。ワックスや結晶性樹脂はトナーとして画像形成後も、再結晶化し、ドメインとして存在するが、とりわけ分散の困難なワックスは、外部光をドメインで乱反射し、フルカラー画像の色相や各色の重ね合わせによる色再現特性に悪影響を及ぼすことになる。ワックスの酸価を11(mgKOH/g)〜17(mgKOH/g)としているのは、この数値範囲内であれば、低温領域における定着性を良好に維持することができるからであり、この数値範囲外では、フルカラー画像において色相や色再現特性に悪影響を生じ得るため望ましくない。
本発明によれば、現像ローラ及び該現像ローラ上に形成されるトナーの薄層を均一に規制し、且つ該トナーに電荷を付与する導電性規制ブレードを備えた現像装置を用いる非磁性一成分現像方式において使用される非磁性一成分現像用トナーであって、特定の非晶性ポリエステル、特定の生分解性樹脂、及び特定のワックスからなり、これらの質量比を特定の範囲に規定することにより、充分な非オフセット領域及び高い定着性能を有し、且つ非磁性一成分現像装置における規制ブレードへの固着や融着が無いために画像形成状態の安定なトナーが提供される。
また、本発明によれば、ワックスを内添することにより、低温における定着性を維持したままで分散性が向上でき、非磁性一成分現像方式の規制ブレード部における固着や融着が無く、帯電性やトナー付着量が安定で画像形成状態を良好に維持できるトナーが提供される。
また、本発明によれば、非晶性ポリエステルの酸価が5(mgKOH/g)以上とすることにより、ワックスの分散性が向上し、非磁性一成分現像方式の規制ブレード部における固着や融着が無く、画像形成状態を良好に維持することができ、一方、酸価を20(mgKOH/g)以下とすることにより、環境安定性の良好で低温領域において定着性の良好なトナーが提供される。
また、本発明によれば、極性ワックスを用いることにより、ワックスの分散性が向上し、非磁性一成分現像方式の規制ブレード部における固着や融着が無く、帯電性やトナー付着量が安定で画像形成状態を良好に維持できるトナーが提供される。
また、本発明によれば、ワックス(W)の酸価を3(mgKOH/g)以上とすることで、ワックスの分散性が向上し、非磁性一成分現像方式の規制ブレード部における固着や融着が無く、帯電性やトナー付着量が安定で画像形成状態を良好に維持することができ、一方、酸価を15(mgKOH/g)以下とすることにより、低温領域において定着性の良好なトナーが提供される。
また、本発明によれば、針入度が0.5以上2以下のワックスを用いることにより、規制ブレード部によるストレスに対し固着や融着がなく、帯電性やトナー付着量が安定で画像形成状態を良好に維持できるトナーが提供される。
また、本発明によれば、現像ローラに対する導電性規制ブレードの線圧を特定範囲とすることで、現像ローラの周面に均一なトナーの薄層を長期間にわたって安定して形成することができるとともに、規制ブレードに対するトナーの融着や固着の発生を防止することができ、かつ、トナーに充分な電荷を帯電させることができ、画像形成状態を良好に維持できるトナーが提供される。
更に、本発明によれば、現像ローラ及び該現像ローラ上に形成される該トナーの薄層を均一に規制し且つ該トナーに電荷を付与する導電性規制ブレードを備えた現像装置が、シアン、マゼンタ、及びイエローを順次画像形成するフルカラー用画像形成装置であって、ワックスの酸価を11(mgKOH/g)〜17(mgKOH/g)とすることにより、低温領域における良好な定着性とフルカラー用トナーとして重要な因子である良好な透過特性を有するフルカラー用トナーが提供される。
以下に本発明の実施の形態について詳述する。
本発明の実施形態に係る非磁性一成分現像方法が適用される画像形成装置の要部の構成を図1に示す。画像形成装置の内部には、矢印A方向に回転自在に支持した感光体ドラム5の周面に対向する現像装置6が設けられている。現像装置6は、矢印B方向に回転する現像ローラ1、規制ブレード2、矢印C方向に回転する供給ローラ3、及び矢印D方向に回転する攪拌ローラ4を備えており、内部に非磁性一成分トナー(以下、単にトナーという。)を収納している。なお、感光体ドラム5の周面は、現像装置6に対向する前に、帯電器7及び図外の光学系装置に対向している。感光体ドラム5の周面は、帯電器7によって単一極性の電荷を均一に付与された後、光学系装置から画像光の照射を受け、静電潜像が形成されている。
現像ローラ1は、ウレタンゴム、シリコンゴム、NBR、EPDM又は天然ゴムを素材として円柱形状に形成されており、矢印B方向に回転自在に支持されている。現像ローラ1は、周面に薄層化したトナーを担持しており、感光体ドラム5の周面において静電潜像が形成された部分に当接して接触現像方式により静電潜像をトナー像に顕像化する。
規制ブレード2は、SUS、アルミニウム又はリン青銅等の金属材料によって先端部に折曲部を有しない平板状に形成されており、先端部2aが支持部2bよりも現像ローラ1の回転方向の上流側で現像ローラ1の周面に圧接し、現像ローラ1の周面に規定量の厚さのトナー薄層を形成する。
供給ローラ3は、ウレタンスポンジ等を素材として円柱形状に形成されており、矢印C方向に回転してトナーを現像ローラ1の周面に供給する。攪拌ローラ4は、矢印D方向に回転自在に支持されており、現像装置6内に収納されたトナーを攪拌し、トナーに所定の電荷を帯電させる。
本発明において、用いられる結着樹脂は特定の非晶性ポリエステル樹脂である。非晶性ポリエステル樹脂として、適切な酸価を有するものを選択すれば、トナーの熱特性制御の観点から、フルカラー用のトナーとしても好適である。
次に、本発明に使用される生分解性樹脂(C)は、電子写真用トナーの低温定着性と耐ブロッキング性(保存性)を改善するために結着樹脂中に均一に分散配合するものであり、特に融点は、示差走査熱量分析(以下、DSCと略す)による吸熱ピーク温度で表され、保存性と低温定着性の観点から通常60(℃)〜140(℃)であり、好ましくは80℃〜120℃である。
本発明に用いる生分解性樹脂(C)としては、乳酸系ポリマー、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート・アジペート、ポリブチレンサクシネート・テレフタレート、ポリエチレンサクシネート、及びポリブチレンサクシネート・カーボネート等のポリアルキレンサクシネート、ポリグリコール酸、ポリカプロラクトン、ポリヒドロキシ酪酸、ポリヒドロキシ吉草酸、ヒドロキシ酪酸・ヒドロキシ吉草酸共重合体等が挙げられる。これらのうち、乳酸系ポリマーが特に好ましい。これらの生分解性樹脂(C)としては、Mwが2000〜100000、Mw/Mnが1.5〜3であることが好ましい。
上記乳酸系ポリマーとしては、ポリ乳酸、または乳酸と他のヒドロキシカルボン酸とのコポリマーが挙げられる。コモノマーとして用いられる他のヒドロキシカルボン酸としては、グリコール酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシ吉草酸、ヒドロキシペンタン酸、ヒドロキシカプロン酸、ヒドロキシヘプタン酸等が例示される。
これらの乳酸系ポリマーは、L−乳酸、D−乳酸および他のヒドロキシカルボン酸の中から必要とする構造のものを選んで原料とし、脱水重縮合することにより得ることができる。好ましくは、乳酸の環状二量体であるラクチド、グリコール酸の環状二量体であるグリコリド、およびカプロラクトン等から必要とする構造のものを選んで開環重合することにより得ることができる。
ラクチドには、L−乳酸の環状二量体であるL−ラクチド、D−乳酸の環状二量体であるD−ラクチド、D−乳酸とL−乳酸とが環状二量化したメソ−ラクチド、およびD−ラクチドとL−ラクチドとのラセミ混合物であるDL−ラクチドがある。本発明ではいずれのラクチドも用いることができる。
本発明で使用するポリ乳酸の製造方法としては特に限定されず、従来公知の方法を用いることができる。例えば、乳酸の二量体であるラクチドを溶融し、公知の重合触媒(例えばオクチル酸スズ、アルミニウムアセチルアセトナート、酢酸亜鉛、テトラブチルチタネート等)を使用して加熱開環重合させる方法や、加熱及び減圧による直接脱水重縮合を行う方法等が挙げられる。
本発明のトナーにおいてその着色剤としては、イエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの各色について、公知のものを種々用いることができる。
イエロートナーの着色剤としては、例えば、カラーインデックスにより分類されるC.I.ピグメントイエロー1、C.I.ピグメントイエロー5、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー15若しくはC.I.ピグメントイエロー17等のアゾ系顔料、又は、黄色酸化鉄若しくは黄土等の無機系顔料を用いることができる。また、染料としては、例えば、C.I.アジットイエロー1等のニトロ系染料、又は、C.I.ソルベントイエロー2、C.I.ソルベントイエロー6、C.I.ソルベントイエロー14、C.I.ソルベントイエロー15、C.I.ソルベントイエロー19若しくはC.I.ソルベントイエロー21等の油溶性染料を用いることができる。特に、C.I.ピグメントイエロー17等のベンジジン系顔料が色味の点から好ましい。
マゼンタトナーの着色剤としては、例えば、C.I.ピグメントレッド49、C.I.ピグメントレッド57、C.I.ピグメントレッド81、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ソルベントレッド19、C.I.ソルベントレッド49、C.I.ソルベントレッド52、C.I.ベーシックレッド10又はC.I.ディスパーズレッド15等を用いることができ、特に、C.I.ピグメントレッド122等のキナクリドン系顔料が色味の点から好ましい。
シアントナーの着色剤としては、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ソルベントブルー55、C.I.ソルベントブルー70、C.I.ダイレクトブルー25又はC.I.ダイレクトブルー86等を用いることができ、特に、C.I.ピグメントブルー15等の銅フタロシアニン顔料が色味の点から好ましい。
ブラックトナーの着色剤としては、カーボンブラックが好適である。カーボンブラックとしては、チャンネルブラック、ロースブラック、ディスクブラック、ガスファーネスブラック、オイルファーネスブラック、アセチレンブラックなどの、従来公知の様々なカーボンブラックの中から、適宜選択すればよい。
着色剤の添加量としては、非晶性ポリエステル100(質量部)に対して0.5(質量部)〜20(質量部)であるのが最も好適である。
本発明に用いられるワックスは、天然ワックスとして、動物由来の蜜蝋、鯨蝋、セラック蝋、植物由来のカルナバ蝋、木蝋、米糠蝋(ライスワックス)、キャンデリラワックス、石油由来のパラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、鉱物由来のモンタンワックス、オゾケライトなどがあり、また合成ワックスとしては、フィッシャートロプシュワックス、ポリエチレンワックス、油脂系合成ワックス(エステル、ケトン類、アミド)、水素化ワックスなどがあるが、低温領域における染み出し効果を発揮するために、示差走査熱量分析(DSC)による吸熱ピークが80〜110℃であるものであればよい。特にワックスの種類は限定されるものではないが、好ましくは、合成することによって得られる炭化水素系合成ワックス、或いは、石油系のワックスがよい。これらの中でも、ポリ塩化ビニルやポリカーボネートからなる極性を有するワックスが、本発明のトナーに好適に使用できる。炭化水素系合成ワックスは次の2種類に大別される。1種類目はフィッシャー・トロプシュ(Fischer−Tropsch)ワックスと呼ばれているもので、一酸化炭素と水素を反応させることにより生成することができる。他の一種はポリエチレンワックスと呼ばれているもので、エチレンの重合やポリエチレンの熱分解により生成することができる。
DSCはJIS−K7122−1987に準じて測定し、吸熱ピークの温度を融点とする。
さらに本発明に用いられるワックスは、好ましくは極性を有するものであれば良く、さらに好ましくは酸価が1(mgKOH/g)〜15(mgKOH/g)のものであれば良い。一旦出来上がったワックスを原料として化学的・物理的手段で加工もしくは変性し、極性を持たせることが可能となる。変性ワックスとしては酸化ワックスと合成樹脂等をブレンドした配合ワックスに大別することができる。酸化ワックスは、原料のワックスを薬品や空気中の酸素で酸化することにより生成される。また、配合ワックスは機械的強度が小さいという欠点を補う為、相溶性の良い合成樹脂(エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、合成ロジン等)を適当量ブレンドしたものである。
さらに、本発明に用いられるワックスは、針入度が2以下であることが好ましい。針入度は、JISの規格(K−2235−5.4)に定められた方法により、ワックスの硬さを求める測定法である。測定温度25℃で定められた針に100(g)の荷重をかけ、5秒間で試料にどの位(mm)侵入するかを求め、その10倍の数値で表すもので、実際の測定に際しては、RIGO社の自動ちょう度計RPM−101を使用した。
本発明の実施形態に係る非磁性一成分現像方法に用いるトナーには、トナーの摩擦帯電性を制御する目的で、電荷制御剤を配合することができる。この電荷制御剤は、トナーの帯電特性に応じて、正電荷制御用及び負電荷制御用がある。正電荷制御用の電荷制御剤としては、塩基性窒素原子を有する有機化合物、例えば、塩基性染料、第4級アンモニウム塩、アミノピリジン、ピリミジン化合物、多核ポリアミノ化合物、アミノシラン類又はニグロシンベース等を用いることができる。負帯電用の電荷制御剤としては、オイルブラック若しくはスピロンブラック等の油溶性染料、含金属アゾ染料、ナフテン酸金属塩、アルキルサリチル酸の金属塩、脂肪酸石鹸又は樹脂酸石鹸等を用いることができる。
電荷制御剤の添加量は、非晶性ポリエステル100(質量部)に対して0.1(質量部)〜10(質量部)、好ましくは0.5(質量部)〜8(質量部)、より好ましくは1(質量部)〜8(質量部)である。なお、カラー用トナーとしては、無色のサリチル酸またはサリチル酸とアルキルアルコールのエステルの金属錯化合物である、オリエント化学工業(株)製「ボントロンE−84」、日本カーリット(株)製「LR−147」等が好ましいが、必須ではない。
本発明の実施形態に係る非磁性一成分現像方法に用いるトナーには、無機微粒子及び樹脂微粒子が外添される。無機微粒子としては、例えば、脂肪酸金属塩、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸鉛、酸化亜鉛粉末、酸化アルミ粉末、酸化チタン粉末又は微粉末シリカ等を用いることができる。また、樹脂微粒子としては、メラミン系樹脂を用いる。
本発明の実施形態に係る非磁性一成分現像方法に用いるトナーのトナー粒子としては、平均粒径3(μm)〜15(μm)のものを用いる。特に高画質画像を得るためには、平均粒径が9(μm)以下の小粒径トナーを用い、画質の向上を図るためには5(μm)〜8(μm)の小粒径トナーが好適である。
トナーは、上述した結着樹脂及び着色剤等の添加剤を、乾式ブレンダ、ヘンシェルミキサー又はボールミル等によって均一に予備混合して得られた混合物を、例えば、ハンドミキサ、ロール、又は、一軸若しくは二軸の押出混練機等の混練装置を用いて均一に溶融混練した後、得られた混練物を冷却して粉砕し、さらに、必要に応じて分級して製造される。得られたトナーは、上述した無機微粒子及び樹脂微粒子を外添剤として添加した後、篩等によって凝集物や異物を除去して製品化される。
〔実施例1〜7及び比較例1〜8〕
[トナー作製]
重量平均分子量(Mw)が30万以上100万以下である非晶性ポリエステル(A)50質量部、重量平均分子量(Mw)が1千以上3万以下である非晶性ポリエステル(B)50質量部とを固定し、表1に示される生分解性樹脂(C)及びワックス(W)の質量部、融点を変化させて、帯電制御剤としてアルキルサリチル酸の金属塩を2(質量部)と、着色剤としてシアントナー用着色剤C.I.ピグメントブルー15を5(質量部)とを、ヘンシェルミキサーにて前混合後、二軸押出混練機にて溶融混練した。この混練物をカウンタージェットミルにて微粉砕した後、ロータリー式分級機にて過粉砕されたトナーを分級除去し平均粒径7.5(μm)のトナーを作製した。分級したトナーに、流動化剤として平均粒径12(nm)の疎水性コロイダルシリカを外添処理し評価用トナーとした。
[使用した非晶性ポリエステル樹脂の合成]
上記の実施例1〜7及び比較例1〜8の[トナー作製]において用いた非晶性ポリエステル樹脂(A),(B)の製造方法を以下に説明する。
非晶性ポリエステル樹脂(A)
温度計、攪拌機を備えたオートクレーブに、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン 15mol%、ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン 35mol%、テレフタル酸 15mol%、フマール酸 35mol%を仕込み、150〜220℃で180分間加熱して縮合反応を行い、次いで、240℃に昇温した後、反応系の圧力を徐々に減じて30分後に10mmHgとし、70分間反応を続けた。その後、オートクレーブ中を窒素ガスで置換し、大気圧とした。温度を200℃に保ち無水トリメリット酸 0.025mol%を加え、70分間反応を行い、非晶性ポリエステル樹脂(A)を得た。
得られた非晶性ポリエステル樹脂(A)について、後述するテトラヒドロフラン(THF)可溶分をゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)にて重量平均分子量(Mw)を測定したところ、Mwは500000であり、また後述する方法にて酸価を測定したところ、15KOHmgであった。なお、組成比や反応条件等を変えれば、所望の重量平均分子量となる非晶性ポリエステル樹脂(A)を得ることができる。
非晶性ポリエステル樹脂(B)
温度計、撹拌機を備えたオートクレーブ中に、1,5−ナフタレンジカルボン酸メチルエステル 38mol%、ジメチルテレフタレート 96mol%、ジメチルイソフタレート 58mol%、エチレングリコール 136mol%および触媒としてテトラブトキシチタネート 0.1mol%を仕込み、150〜220℃で180分間加熱してエステル交換反応を行った。次いで、240℃に昇温した後、反応系の圧力を徐々に減じて30分後に10mmHgとし、70分間反応を続けた。その後、オートクレ−ブ中を窒素ガスで置換し、大気圧とした。温度を200℃に保ち無水トリメリット酸 10mol%を加え、70分間反応を行い、非晶性ポリエステル樹脂(B)を得た。
得られた非晶性ポリエステル樹脂(B)について、後述するテトラヒドロフラン(THF)可溶分をゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)にて重量平均分子量(Mw)を測定したところ、Mwは10000であり、また後述する方法にて酸価を測定したところ、14KOHmgであった。なお、組成比や反応条件等を変えれば、所望の重量平均分子量となる非晶性ポリエステル樹脂(B)を得ることができる。
Figure 2007114607
〈物性値測定方法〉
〔分子量測定〕
昭和電工(株)製 SYSTEM−11装置を用い、
・カラム: 東ソー(株)製 TSK gel GMH XL2本 (直列)
・測定温度:40(℃)
・試料溶液:0.25(質量%)のテトラヒドロフラン溶液
・注入量:100(μl)
・検出器:屈折率検出器
にて測定した。
なお、分子量校正曲線は、標準ポリスチレンを用いて作成した。
〔融点測定〕
JIS−K7122−1987に準じて測定し、吸熱ピークの温度を融点とした。
上記実施例1〜7及び比較例1〜8の[トナー作製]においては、以下に記す4種類の生分解性樹脂(C)(ポリ乳酸(C−1)〜(C−4))を用いた。以下にその製造方法を説明する。
[製造例1]<ポリ乳酸(C−1)>(実施例1、2等での生分解性樹脂(C))
L−ラクチド30(kg)、DL−ラクチド20(kg)、オクチル酸スズ15(g)を重合反応槽に仕込み、窒素雰囲気下、200(℃)で3(時間)加熱開環重合させて、L−乳酸とD−乳酸のモル比(L/D)が4、融点86(℃)のポリ乳酸(C−1)を得た。このポリ乳酸(C−1)を実施例1〜3、6〜14及び比較例1〜5、7、9〜15において用いた(表1参照)。
[製造例2]<ポリ乳酸(C−2)>(実施例4、5で使用の生分解性樹脂(C))
[製造例1]と同様の方法により、L−乳酸とD−乳酸のモル比(L/D)が20、融点135(℃)のポリ乳酸(C−2)を得た。このポリ乳酸(C−2)を実施例4,5において用いた(表1参照)。
[製造例3]<ポリ乳酸(C−3)>(比較例6の生分解性樹脂(C))
[製造例1]と同様の方法により、L−乳酸とD−乳酸のモル比(L/D)が4、融点75(℃)のポリ乳酸(C−3)を得た。このポリ乳酸(C−3)を比較例6において用いた(表1参照)。
[製造例4]<ポリ乳酸(C−4)>(比較例8の生分解性樹脂(C))
[製造例1]と同様の方法により、L−乳酸とD−乳酸のモル比(L/D)が0.05、融点144(℃)のポリ乳酸(C−4)を得た。このポリ乳酸(C−4)を比較例8において用いた(表1参照)。
[定着性評価]
上記作製のトナーを、市販複写機(シャープ(株)ARC260)を用いて、普通紙(坪量80g/3.31m2)上にトナー付着量が0.6(mg/cm2)となるように50(mm)×50(mm)のベタ画像を転写し、定着部のローラ表面が120(℃)〜200(℃)と変化できるように改造した市販複写機(シャープ(株)製 ARC260)にて定着することにより、定着性評価用画像を作成した。評価用画像のベタ部分を中心に、830(g)荷重を10秒間かけることにより折り曲げ、トナーの剥がれ具合を目視により観察し、定着性の評価とした。定着性評価の基準としては、評価用画像を前記のようにして荷重をかけることによって折り曲げた後、目視にて、トナーの剥がれが殆ど観察されなかった温度を定着性良好温度とし、その温度が140(℃)未満のものを◎、140(℃)〜150(℃)のものを○、155(℃)〜165(℃)のものを△、165(℃)より高いものを×として4段階で評価した。
[一成分現像実写テストによる耐久性(固着・融着)評価]
上記作製のトナーを市販の非磁性一成分現像装置を有する複写機(シャープ(株)ARC260)に装着し、常温常湿下において白ベタ画像を20,000枚実写したのちに、該現像装置の規制ブレード部における固着・融着の状況をブロワーによって規制ブレード上のトナーを吹き飛ばし、その後、光学顕微鏡により規制ブレードの表面の状態を確認した。また、透明テープを現像ローラの周面に貼付した後に白紙上に再度貼付し、白筋の有無等を視認した。規制ブレードにおける固着・融着や白筋が全く観察されなかったものを○、規制ブレード部の両端における少量の融着、あるいは現像ローラの両端に少量の白筋が観察されたものを△、全面に融着、あるいは白筋が観察されたものを×として3段階で評価した。
[現像ローラ上のトナー付着量及び帯電量の測定]
上記実写テストの初期及び20,000枚実写後の現像ローラ上の周面に付着したトナーを吸引した際のカウンタチャージを測定し、トナーの電荷量及び吸引した質量を測定して比電荷を求めた。また、透明テープを現像ローラの周面における吸引跡に貼付した後に白紙上に再度貼付して吸引面積を測定し、単位面積当りのトナーの付着量を求めた。初期と20,000枚実写した後の帯電量の変化率が5(%)未満のものを◎、5(%)〜10(%)のものを○、10(%)〜20(%)のものを△、20(%)より大きいものを×と評価した。付着量についても同様に、変化率が5(%)未満のものを◎、5(%)〜10(%)のものを○、10(%)〜15(%)のものを△、15(%)より大きいものを×として4段階で評価した。
[生分解性評価]
トナーを厚さ約50(μm)のフィルム状に溶融成形し、土壌中に12ケ月放置し、以下の基準で評価した。
○:フィルム形状が大部分消失した。
△:フィルム形状の約半分が消失し、他の半分がそのまま残っていた。
×:フィルム形状がそのまま残っていた。
上記作製のトナーの評価結果を表2に示す。
Figure 2007114607
[総合評価基準]
上記表2の総合評価基準は、以下の通りである。
◎: 極めて良好(各評価について、○と◎のみ)
○: 良好(各評価について、○のみ)
△: 実使用上問題なし(各評価の内に、△が1つ以上ある場合)
×: 実使用上問題あり(各評価の内に、×が1つ以上ある場合)
実施例1〜7においては、それぞれ低温領域における良好な定着性能と、非磁性一成分現像方式の規制ブレード部における固着や融着が無く、帯電性やトナー付着量が安定で画像形成状態を良好に維持することができる。実施例7では、付着量の変化率において、とりわけ良好な結果が得られている。これは、ワックスを内添することにより、ワックスの分散性が向上し、規制ブレードにおける融着を完全に防止できるため、トナー付着量を安定に維持することができたことによると考えられる。
一方、比較例1及び3においては、低温領域において溶融染み出し効果を有するワックス(W)の含有比率が少ないため、ワックスの充分な染み出し効果が得られず、165(℃)を超えた温度で定着しても、充分な定着強度が得られなかった。また、比較例1においては、生分解性樹脂(C)の含有比率が少ないため、比較例1のみ生分解性がよくなかった。
比較例2及び4においては、樹脂(C)もしくはワックス(W)の含有比率が多いため、充分な定着性が得られたが、分散性が悪く、トナー表面に低融点のワックスや結晶性樹脂が多量存在するため、実写テストにおいて規制ブレードにおけるストレスにより融着が生じ、それぞれ現像ローラ上に白筋が発生した。
比較例5については、ワックスの含有量は適正化されており、分散性は良好であると考えられるため、規制ブレードにおいて観察された融着は両端では少量であったが、帯電量やトナー付着量の変化率が大きく、安定した画像形成状態を維持することはできなかった。これは、トナー表面に存在する少量のワックスの融点が低いために、長時間の規制ブレードにおけるストレスにより、固着・融着が発生したものと考えられる。比較例7については、ワックスの融点が高すぎるために、充分な定着強度が得られなかった。
また、比較例6については、樹脂(C)の融点が低すぎるため、電子写真用トナーの耐ブロッキング性を改善できなかった。比較例8については、樹脂(C)の融点が高いため、低温領域において、充分に溶融できず粘度が高いために、紙繊維への染み込み効果が得られなかったものと考えられる。なお、これら実施例1〜7、比較例1〜8においては、非晶性ポリエステル(A)と非晶性ポリエステル(B)の混合比率はそれぞれ50質量部としたが、混合比率を40:60〜60:40の範囲で変化させても同様の結果が得られている。
〔実施例8〜12及び比較例9〜15〕
[トナーの作製]
実施例1〜7に用いた非晶性ポリエステル(A)と非晶性ポリエステル(B)との混合比率を変化させて得られる混合物100質量部と、融点が86℃の生分解性樹脂(C)5(質量部)と、表3に示す酸価、融点、及び針入度を有するワックス(W)0.5(質量部)〜5(質量部)と、帯電制御剤としてアルキルサリチル酸の金属塩を2(質量部)と、着色剤としてシアントナー用着色剤C.I.ピグメントブルー15を5(質量部)とを、ヘンシェルミキサーにて前混合後、二軸押出混練機にて溶融混練した。この混練物をカウンタージェットミルにて微粉砕した後、ロータリー式分級機にて過粉砕されたトナーを分級除去し平均粒径7.5(μm)のトナーを作製した。分級したトナーに、流動化剤として平均粒径12(nm)の疎水性コロイダルシリカを外添処理し評価用トナーとした(表1参照)。
[定着性評価、一成分現像実写テストによる耐久性(固着・融着)評価、現像ローラ上のトナー付着量及び帯電量の測定]
市販の非磁性一成分現像装置を有する複写機(シャープ(株)ARC260)の規制ブレード線圧を変更できるように改造し、上記作製のトナーを、表3に示すブレード線圧を有する現像装置に装着し、常温常湿下において白色ベタ画像を20,000枚実写した後に、光学顕微鏡により規制ブレードの表面の状態を確認した。なお、光学顕微鏡による確認は、該現像装置の規制ブレード部における固着・融着の状況をブロワーによって規制ブレード上のトナーを吹き飛ばしてから行なった。また、透明テープを現像ローラの周面に貼付した後に白紙上に再度貼付し、白筋の有無等を視認した。なお、規制ブレードにおける固着・融着や白筋が全く観察されなかったものを○、規制ブレード部の両端における少量の融着、あるいは現像ローラの両端に少量の白筋が観察されたものを△、全面に融着、あるいは白筋が観察されたものを×と評価した。なお、定着性評価、現像ローラ上のトナー付着量及び帯電量の測定については実施例1〜7と同様の方法にて行った。
上記作製のトナーの評価結果についても、上記の表2にあわせて示してある。
実施例8〜12においては、非晶性ポリエステルトータル、あるいはワックスの酸価を規定することにより、ワックスが適度に分散状態を保つことが可能となり、それぞれ低温領域における良好な定着性能と、非磁性一成分現像方式の規制ブレード部における固着や融着が無く、帯電性やトナー付着量が安定で画像形成状態を良好に維持することができるトナーを得ることができた。また、実施例13,14においては、硬さの指標である針入度が0.5〜2のワックスを用いており、規制ブレード部分に固着が発生しなかった。
これに対し、比較例9及び11においては、非晶性ポリエステルトータルあるいはワックスの酸価が低いため、分散性が充分に良好であるとは言えず、ややトナー付着量の安定性に欠け、それに起因して、変化率が小さく、安定した帯電量を維持しているとはいえなかった。比較例10では樹脂の酸価が高すぎるために、長期ランニング中において評価環境の影響を受け、帯電量が低下し、付着量が上昇する現象が観察された。
比較例12においては、ワックスの酸価が高いために分散性が良好であり、非磁性一成分現像方式の規制ブレード部における固着や融着が無く、帯電性やトナー付着量が安定であったが、低温領域における染み出し効果が充分に得られず、定着性がやや不充分な結果となった。定着性良好温度は165(℃)であった。
また、分散性が改善されたとはいえ、トナー作製の粉砕工程時に、ワックスの存在する箇所において粉砕されやすく、トナー表面にはワックスが存在する可能性が高いものと推測される。比較例13は、硬さの指標である針入度が3のワックスを用いており、規制ブレード部分に固着しやすく、その結果、付着量の変化率のやや大きいトナーとなった。
比較例14については、規制ブレードに対するストレスが小さいために、規制ブレードへの固着や融着は全く生じなかったが、層厚規制がやや不安定となり、付着量や帯電量の安定性がやや不安定なトナーとなった。ここで、層厚規制とは、現像ローラ上に形成される現像剤の厚さを現像ローラ軸の長手方向で均一に制御することを言う。
また、比較例15については、規制ブレードの線圧が大きいため、一定した層厚規制が可能となるが、ストレスが大きすぎるために、若干の固着・融着が生じ、その結果、付着量もやや安定性の欠ける結果となった。
〔実施例15,16及び比較例16,17〕
[トナーの作製]
非晶性ポリエステル(A)50質量部と非晶性ポリエステル(B)50質量部よりなる100質量部(非晶性ポリエステルトータルでの酸価が14.8(mgKOH/g))と、融点が86(℃)の生分解性樹脂(C)5(質量部)と、表3に示す酸価及び融点を有するワックス(W)4(質量部)と、帯電制御剤としてアルキルサリチル酸の金属塩を2(質量部)と、着色剤としてマゼンタトナー用着色剤C.I.Pig.R−122を5(質量部)とを、ヘンシェルミキサーにて前混合後、二軸押出混練機にて溶融混練した。この混練物をカウンタージェットミルにて微粉砕した後、ロータリー式分級機にて過粉砕トナーを分級除去し、平均粒径7.5(μm)のトナーを作製した。分級したトナーに、流動化剤として平均粒径12(nm)の疎水性コロイダルシリカを外添処理し、評価用トナーとした。
Figure 2007114607
[定着性評価]
上記作製のトナーを、市販複写機(シャープ(株)ARC260)を用いて、普通紙(坪量80g/3.31m2)上にトナー付着量が0.6(mg/cm2)となるように50(mm)×50(mm)のベタ画像を転写し、定着部のローラ表面が120(℃)〜200(℃)の範囲で温度可変できるように改造した市販複写機(シャープ(株)製 ARC260)を用いて定着することにより、定着性評価用画像を作成した。
こうして得た評価用画像のベタ部分を中心に、830(g)荷重を10秒間かけることにより折り曲げ、トナーの剥がれ具合を目視により観察し、定着性の評価を行った。折り曲げ後の目視にてほとんどトナーの剥がれが観察されなかった温度を定着性良好温度とし、その温度が140(℃)未満のものを◎、140(℃)〜150(℃)のものを○、155(℃)〜165(℃)のものを△、165(℃)より高いものを×と評価した。評価が高いもの(◎)ほど低温定着性が優れており、評価が低いもの(×)ほど低温定着性が優れていないことを意味している。
[透過特性評価]
加熱及び加圧により、上記作製トナーの6(μm)の厚みを有する分光透過特性の評価サンプルを作製した。分光光度計UV−3300(日立製作所(株))により本評価サンプルの分光透過特性を測定した。430(nm)及び680(nm)における分光透過率の値を表4に示す。
Figure 2007114607
マゼンタトナーにおいて、430(nm)あるいは680(nm)付近における透過性は、彩度の高い発色を得るために有用であり、さらに、フルカラートナーとして用いる際に、トナーを重ね合わせ発色するという点においても重要であることから、430(nm)においては透過率が60%以上、680(nm)においては透過率が85%以上であることがそれぞれ必要となる。実施例15及び16では、高い定着性とともに、高い発色性、色再現性を有したトナーが得られる。比較例16においては、各波長において透過率が低いため、フルカラートナーとして用いるためには満足なものではなく、改良の余地があるものであった。これに対して、比較例17については、発色性や色再現性の高いフルカラー用トナーが得られたが、低温領域における定着性が弱く、定着良好温度が170(℃)であった。なお、本発明の実施例においてはマゼンタトナーについて記載しているが、シアントナー及びイエロートナーについても同様の評価及び測定を行ったところ、同様な傾向を有する結果が得られた。また、これらの実施例15,16及び比較例16,17においては、非晶性ポリエステル(A)と非晶性ポリエステル(B)の混合比率はそれぞれ50質量部としたが、混合比率を40:60〜60:40の範囲で変化させても同様の結果が得られている。
本発明の非磁性一成分現像用トナーを用いた非磁性一成分現像方式において適用される画像形成装置の要部の構成例を示す図である。
符号の説明
1 現像ローラ
2 規制ブレード
3 供給ローラ
4 攪拌ローラ
5 感光体ドラム
6 現像装置
7 帯電器

Claims (10)

  1. 現像ローラ及び該現像ローラ上に形成されるトナーの薄層を均一に規制し且つ該トナーに電荷を付与する導電性規制ブレードを備えた現像装置を用いる非磁性一成分現像方式において使用される、少なくとも結着樹脂、着色剤及び離型剤からなる非磁性一成分現像用トナーであって、重量平均分子量(Mw)が30万以上100万以下である非晶性ポリエステル(A)、重量平均分子量(Mw)が1千以上3万以下である非晶性ポリエステル(B)、融点が80℃〜140℃である生分解性樹脂(C)、及び、融点が70℃〜110℃のワックス(W)からなり、非晶性ポリエステル〔樹脂(A)+樹脂(B)〕に対する〔樹脂(C)+ワックス(W)〕の質量比〔樹脂(C)+ワックス(W)〕/〔樹脂(A)+樹脂(B)〕が1(%)〜15(%)を満たし、且つ、ワックス(W)を外添により非晶性ポリエステル100(質量部)に対して0.5(質量部)〜5(質量部)含有することを特徴とする非磁性一成分現像用トナー。
  2. 現像ローラ及び該現像ローラ上に形成されるトナーの薄層を均一に規制し且つ該トナーに電荷を付与する導電性規制ブレードを備えた現像装置を用いる非磁性一成分現像方式において使用される、少なくとも結着樹脂、着色剤及び離型剤からなる非磁性一成分現像用トナーであって、重量平均分子量(Mw)が30万以上100万以下であり融点が70℃〜110℃のワックス(W)を内添した非晶性ポリエステル(A)、重量平均分子量(Mw)が1千以上3万以下である非晶性ポリエステル(B)、融点が80℃〜140℃である生分解性樹脂(C)で構成され、〔樹脂(C)+ワックス(W)〕/〔樹脂(A)−ワックス(W)+樹脂(B)〕の質量比が1(%)〜15(%)を満たし、且つ、内添されたワックス(W)を非晶性ポリエステル100(質量部)に対して0.5(質量部)〜5(質量部)で含有することを特徴とする非磁性一成分現像用トナー。
  3. 非晶性ポリエステル(A)及び(B)の酸価が5(mgKOH/g)〜20(mgKOH/g)であることを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の非磁性一成分現像用トナー。
  4. ワックス(W)が極性を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の非磁性一成分現像用トナー。
  5. ワックス(W)の酸価が3(mgKOH/g)〜17(mgKOH/g)であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の非磁性一成分現像用トナー。
  6. 25(℃)におけるワックス(W)の針入度が0.5以上2以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の非磁性一成分現像用トナー。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の非磁性一成分現像用トナーが、現像ローラに対して15〜50(gf/cm)の線圧で導電性規制ブレードを押圧して用いられることを特徴とする現像方法。
  8. ワックスの酸価が11(mgKOH/g)〜17(mgKOH/g)の範囲内である請求項1〜6のいずれか一項に記載の非磁性一成分現像用トナーの組み合わせからなる非磁性フルカラー用トナーであって、該現像装置としてのシアン、マゼンタ、及びイエローを順次画像形成するフルカラー用画像形成装置に使用されることを特徴とする非磁性フルカラー用トナー。
  9. 生分解性樹脂(C)がポリ乳酸であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の非磁性一成分現像用トナー。
  10. 生分解性樹脂(C)がポリ乳酸であることを特徴とする請求項8に記載の非磁性フルカラー用トナー。

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