JP2007113698A - 摩擦材接着方法 - Google Patents

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浩 出井
Katsuhiro Kikuchi
克浩 菊地
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Abstract

【課題】環境負荷が少なく、安定した皮膜生成、接着品質が得られる摩擦材接着方法を提供する。
【解決手段】セラミックス薄膜を生成する際、プレッシャプレートをセラミックス前駆体溶液に浸漬処理し、濃度と引き上げ速度から付着量を制御し、その後加熱することにより、前駆体からセラミックスの析出反応を行なうプレッシャプレートへのセラミックス薄膜を形成するので、低環境負荷、接着品質の安定化を実現できる。また、浸漬処理は物理的な付着のみであり、化学反応を伴わないため、スラッジの発生はなく、水洗、湯洗工程も必要なく、廃液処理は不要である。更に、付着量の制御から安定した皮膜の形成が可能である。更にまた、加熱は浸漬処理後あるいは摩擦材成形後の加熱を併用することも可能である。
【選択図】なし

Description

本発明は、産業機械、鉄道車両、二輪車、商用車、乗用車等のブレーキに用いるブレーキパッドの製造に際して、プレッシャプレートに摩擦材を接着させる摩擦材接着方法に関する。
自動車等のディスクブレーキ用のブレーキパッド等に使用される摩擦部材は、予め洗浄、表面処理を施し、接着剤を塗布した金属製プレッシャプレートと摩擦材の予備成形物とを重ね、この状態で成形用金型内で熱成形し、熱処理、塗装、焼き付け、研磨等の工程を経て製造されている。
このような摩擦部材において、金属製のプレッシャプレート表面に錆が発生することによりプレッシャプレートと摩擦材との接着強度が低下してしまうという問題がある。
このため、プレッシャプレートに対する表面処理として、特開2002−322583号公報(特許文献1)と特開2002−48174号公報(特許文献2)に記載された発明が提案されている。
特許文献1に記載された発明は、「摩擦部材の裏金(プレッシャプレート)に対してアルカリ水溶液による脱脂処理と表面を粗にするブラスト加工処理とを行って摩擦部材の裏金を表面処理するに当たり、アルカリ水溶液としてリン酸塩又は炭酸塩の少なくとも一種を用いることを特徴とする」ものである。
また、特許文献2に記載された発明は、「裏金(プレッシャプレート)と、この裏金表面に接合された繊維基材と結合材と充填材とを主成分とする非石綿系摩擦材組成物を成形、硬化してなる非石綿系摩擦材との間にリン酸金属塩の化成処理皮膜を形成してなる摩擦部材において、上記摩擦部材のJIS D4422に準拠して測定した新品時の破断荷重
が9MPa以上であり、かつせん断後の裏金表面に摩擦材が付着している面積のせん断前の裏金表面に摩擦材が付着している面積に対する割合(接着面積率)が90%以上であることを特徴とする」ものである。
特開2002−322583号公報 特開2002−48174号公報
しかしながら、特許文献1,2に記載された発明は、摩擦材とプレッシャプレートとの接着に於いて、プレッシャプレートに化成処理等のリン酸塩皮膜生成を行なっているが、リン酸塩皮膜生成を行うと、化成処理の液更新、水洗、湯洗工程からの廃水に伴う廃液処理、スラッジの埋め立て処分といった環境負荷の問題があった。
また、化成処理は条件による反応制御が難しく、安定した皮膜生成、接着品質を得にくいという問題もあった。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は環境負荷が少なく、安定した皮膜生成、接着品質が得られる摩擦材接着方法を提供することにある。
本発明は、上記のような問題点を解決するため、下記の手段を採用した。
すなわち、本発明の摩擦材接着方法は、ブレーキパッドのプレッシャプレートに摩擦材を接着させる摩擦材接着方法において、
前記プレッシャプレートの表面にセラミックス皮膜(薄膜層)を形成する工程と、
前記表面にプライマーを塗布した後、接着剤を塗布する工程と、
前記摩擦材の予備成形品を重ねて熱成形する工程と、
を含むことを特徴とする。
また、本発明の摩擦材接着方法において、前記セラミックス皮膜(薄膜層)の形成は、前記プレッシャプレートをセラミックス前駆体溶液に浸漬後、引き上げ、加熱して行うことを特徴とする。
本発明は、セラミックス薄膜を生成する際、プレッシャプレートをセラミックス前駆体溶液に浸漬処理し、濃度と引き上げ速度から付着量を制御し、その後加熱することにより、前駆体からセラミックスの析出反応を行なうプレッシャプレートへのセラミックス薄膜を形成するので、低環境負荷、接着品質の安定化を実現できる。また、浸漬処理は物理的な付着のみであり、化学反応を伴わないため、スラッジの発生はなく、水洗、湯洗工程も必要なく、廃液処理は不要である。更に、付着量の制御から安定した皮膜の形成が可能である。更にまた、本発明では、加熱は浸漬処理後あるいは摩擦材成形後の加熱を併用することも可能である。
従って、本発明によれば、プレッシャプレートへのセラミックス皮膜(薄膜層)形成により、低環境負荷、接着品質の安定化を実現できる摩擦材接着方法を提供できる。
以下、本発明である摩擦材接着方法を実施するための最良の形態を例示的に詳しく説明する。なお、以下の実施の形態は車両のブレーキに使用するブレーキパッドの製法に応用したものであって金属板からなるプレッシャプレート(被塗布物、裏板)の表面に摩擦材を接着剤により接着するものである。
そして、摩擦材には、鉄、銅、アルミニウム等の金属粉、アラミド短繊維、アラミドパルプ、セルロース等の有機繊維、チタン酸カリウム繊維、ガラス繊維等の無機繊維、スチール繊維等の金属繊維、黒鉛、二硫化モリブデン等の潤滑材、ジルコニア、マグネシア等の研削材、カシューダスト、ゴムダスト等の有機摩擦調整材、硫酸バリウム、炭酸カルシウム等の充填材、及びフェノールレジン、ゴム変性フェノールレジン等の熱硬化性レジン等が配合されたものが用いられる。
また、接着剤は、後述する熱成形工程を経るため、又はブレーキをかけたときの摩擦熱が150℃以上の高温になるために、耐熱性を必要とし、そのために熱硬化性接着剤や合成ゴム系接着剤が用いられる。このような熱硬化性接着剤や合成ゴム系接着剤としては、例えば、アクリルニトリル−ブタジエンゴム(NBR)等のゴム系接着剤や、ニトリルゴムに対し少なくとも2倍以上のフェノールレジンを配合したニトリルゴムフェノール系接着剤、或いはフェノール系やエポキシ系樹脂の熱硬化性接着剤を挙げることができる。熱成形条件としては、例えば20〜50Mpa、150〜200℃、3〜15分であり、続いて熱処理条件としては、180〜230℃、1〜10時間である。
この実施の形態に係る摩擦材接着方法は、図1の「実施例」処理工程に示すように、プレッシャプレートの表面を脱脂、洗浄の後乾燥させる前処理工程と、乾燥したプレッシャプレートの表面にセラミックス皮膜(薄膜層)を形成する工程と、前記表面を加熱し、プ
ライマーを塗布した後、接着剤を塗布する工程と、前記摩擦材の予備成形品を重ねて熱成形し、ブレーキパッドを製造する工程と、を有する。
また、この実施の形態に係る摩擦材接着方法では、セラミックス皮膜(薄膜層)を形成する工程は、プレッシャプレートをセラミックス前駆体溶液に浸漬後、引き上げ、加熱することで行う。更に詳しく説明すると、セラミックス薄膜生成はプレッシャプレートをセラミックス前駆体溶液に浸漬処理し、濃度と引き上げ速度から付着量を制御する。その後、プレッシャプレートを加熱することにより前駆体からセラミックスの析出反応を行なう。
この実施の形態において、セラミックス皮膜の厚みは100nm〜2000nmであり、望ましくは300nm〜1000nmである。また、樹脂は出発原料としてセラミックス前駆体溶液中に溶解させ、皮膜中での複合化比率は3〜20wt%である。
セラミックスの種類としてはアルミナ、シリカ、遷移金属酸化物および水酸化物等が挙げられる。また、セラミックス含有樹脂はポリビニルブチラール(PVB)、ポリビニルアルコール(PVA)、SBR、NBR等の熱可塑性、ゴム系樹脂が挙げられる。
そして、プライマーあるいは接着剤がPVB含有樹脂の場合、セラミックスへの添加樹脂もPVBが望ましい。また、接着に使用されるプライマー、接着剤は溶剤、粉体タイプ共可能である。
かかるプレッシャプレートへのセラミックス薄膜形成により、低環境負荷、接着品質の安定化を実現する。なお、この実施の形態に係る浸漬処理は、物理的な付着のみであり、化学反応(特許文献1,2の処理)を伴わないため、スラッジの発生はなく、水洗、湯洗工程も必要なく、廃液処理は不要である。また、付着量の制御から安定した皮膜の形成が可能である。更に、加熱は浸漬処理後あるいは摩擦材成形後の加熱を併用することも可能である。
更に、この実施の形態に係る摩擦材接着方法によれば、皮膜はセラミックスによる表面張力の高さから接着剤とのぬれ性は良好であり、皮膜にはナノサイズの樹脂を分散させることにより、可とう性を与え、熱衝撃性を向上し、また、接着剤とセラミックス皮膜との密着力向上を図り、従来より性能の優れた接着系を形成することができる。
次に、実施例(この実施の形態の技術)と比較例(従来の技術)を説明して、これらを比較する。
[実施例の説明]
1)セラミックス皮膜生成処理
セラミックス前駆体溶液は、金属アルコキシド(テトラエトキシシラン;シリコンとエタノールの化合物)、酢酸、水をエタノール中に1:4:3のモル比で混合溶解後、70℃×3H加温でlmo1/lまで濃縮し、PVB(分子量300,000)のエタノール溶液を添加したもの(図2,3の「実施例1」参照)と添加しないもの(図2,3の「実施例2」参照)を準備した。
そして、有機溶剤にて脱脂洗浄したブレーキパッド用プレッシャプレートおよびテストピース(SS材:接着面積20mm×20mm=400mm2)をセラミックス前駆体溶
液に浸漬後、一定速度(200mm/min)で引き上げ、加熱は350°C×3Hで500nmのシリカ系セラミックス皮膜を生成した。
2)摩擦材、テストピース(鉄−鉄)作成
上記にてセラミックス皮膜を施したプレッシャプレートに溶剤型プライマーを塗布、予
備硬化後、接着剤を塗布、乾燥し、予備成形品との熱成形、加熱を行ないブレーキパッドを製造した。
セラミックス皮膜を施したテストピースは、接着面のみ溶剤型接着剤に浸漬後、一定速度で引き上げ、80℃×IHの熱風乾燥を行ない、2枚のテストピースの接着部位を貼り合せ、lMpaで加圧した状態にて200℃×1H加熱し、接着品を作成した。
[比較例の説明]
比較例として化成処理(リン酸鉄:皮膜重量=0.6g/m2)を施したプレッシャプ
レートを使った摩擦材およびテストピース接着品を作成した(図1〜3の「比較例」参照)。なお、この比較例では、プライマー、接着剤共フェノール樹脂系の組成品を使用した。
[実施例、比較例の接着評価結果]
次に、実施例、比較例の接着評価結果を図2および図3に示す。
図2および図3に示すように、実施例1,2ともに摩擦材せん断強度は、比較例と同等以上であった。
次に、実際の接着強度を表すテストピース(鉄−鉄)でのせん断試験では実施例1,2ともに比較例を上回っており、特にPVBを添加した実施例1が優れた結果を示した。
ブレーキパッドの作製工程の流れ図であり、本発明(実施例)と従来技術(比較例)を示す。 本発明(実施例)と従来技術(比較例)との比較において、摩擦材せん断試験結果を示す図である。 本発明(実施例)と従来技術(比較例)との比較において、テストピース(鉄−鉄)せん断試験結果を示す図である。

Claims (2)

  1. ブレーキパッドのプレッシャプレートに摩擦材を接着させる摩擦材接着方法において、
    前記プレッシャプレートの表面にセラミックス皮膜を形成する工程と、
    前記表面にプライマーを塗布した後、接着剤を塗布する工程と、
    前記摩擦材の予備成形品を重ねて熱成形する工程と、
    を含むことを特徴とする摩擦材接着方法。
  2. 前記セラミックス皮膜の形成は、前記プレッシャプレートをセラミックス前駆体溶液に浸漬後、引き上げ、加熱して行う請求項1に記載の摩擦材接着方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010082559A1 (ja) * 2009-01-19 2010-07-22 日本パーカライジング株式会社 ディスクブレーキパッド及びその製造方法
WO2011040498A1 (ja) 2009-09-30 2011-04-07 曙ブレーキ工業株式会社 接着剤

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