JP4751248B2 - 摩擦部材の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車や産業機械等に使用される摩擦部材の製造方法の技術に関する。
自動車や産業機械等のブレーキやクラッチ等に使用される摩擦部材の製造方法として、脱脂処理、洗浄処理、乾燥処理が行われたプレッシャプレートの表面にプライマー処理を施し、プライマー処理後に接着剤を塗布し、熱を加えて成形処理を行う技術が知られている。
従来の摩擦材の製造方法として、特許文献1には、裏金(プレッシャプレート)に対してアルカリ水溶液による脱脂処理と表面を粗にするブラスト加工処理とを行って摩擦部材の裏金を表面処理するに当たり、アルカリ水溶液としてリン酸塩又は炭酸塩の少なくとも一種を用いることで、裏金に錆を発生させずに、スラッジやゲル化を引き起こさないようにすることが記載されている。
また、特許文献2には、裏金に対して必要に応じてウエットブラストを施した後、リン酸金属塩の化成処理皮膜の形成工程を行う前に表面調整剤で表面調整すること、及び化成皮膜工程において反応調整剤を添加した化成処理液を用いることのいずれか一方又は両方を行うことで摩擦部材を得ることが記載されている。
特開2002−322583号公報 特開2002−48174号公報
従来の摩擦材の製造方法では、プレッシャプレートにリン酸塩等の化成処理を施しており、化成処理液の更新、水洗、湯洗工程からの排水に伴う廃液処理、スラッジの埋め立て処分といった環境負荷の問題を生じていた。このような環境負荷の問題を解決すべく、本発明者等は、プレッシャプレートをセラミックス前躯体溶液に浸漬し、引き上げ、加熱することでプレッシャプレートにセラミックス薄膜を形成する方法を見出した。この方法によれば、化成処理を施すことなく摩擦部材を製造することができる。しかしながら、この方法は、セラミックス前躯体溶液を用いた湿式処理を必要とするものであり、この溶液の寿命が短いことによる貯蔵保安上の問題と、ガスの発生及び臭いの発生という環境衛生上の問題があった。
また、従来の摩擦部材の製造方法及び上記セラミック薄膜を形成する方法では、接着剤の塗布前にプライマー処理が行われるのが一般的である。プライマー処理を行うことで接着剤の接着性を向上させることができる。しかし、プライマー処理は、液状のプライマー剤を塗布するため、プライマー剤塗布後にプライマー剤を乾燥させる必要があった。また、プライマー処理は、プレッシャプレートの表面にプライマー剤により薄膜のプライマー層を形成してこの上に接着剤を塗布するため、プライマー層自体がプレッシャプレートから剥離することも懸念されていた。したがって、プライマー処理を行うことなく従来の摩擦部材と同等又はこれ以上の品質を確保できる摩擦部材の製造方法の開発が望まれていた。
本発明では、上記の問題に鑑みなされたものであり、化成処理を施さないことで環境負荷を少なくし、安定した皮膜生成、接着品質が得られると共に、プライマー処理を行うことなく従来の摩擦部材と同等又はこれ以上の品質を確保できる摩擦部材の製造方法を提供
することを課題とする。
本発明では、上述した課題を解決するため以下の手段を採用した。すなわち、本発明に係る摩擦部材の製造方法は、摩擦部材のプレッシャプレートを洗浄する洗浄工程と、前記洗浄工程を行った前記プレッシャプレートの表面に乾燥条件下で所定の粒径の投射材を投射する投射工程と、前記投射工程を行った前記プレッシャプレートの表面に粉体接着剤を塗布する接着剤塗布工程と、前記接着剤塗布工程を行った前記プレッシャプレートの表面に摩擦材の予備成形物を接合して成形処理を行う成形処理工程と、を備える。
本発明によれば、プレッシャープレートの化成処理を行わないので従来に比べて環境負荷を少なくすることができる。また、乾式で投射材を投射し、粉体接着剤を塗布することで、溶剤等は使用しないため、環境衛生上の問題や溶剤の貯蔵保安上の問題を解消することができるとともに、接着品質の安定した摩擦材の製造方法を提供することができる。また、本発明によれば、プレッシャプレートの表面を投射材で粗面にした後、接着剤を直接投射材により形成した皮膜上に塗布することで、プライマー処理を省略することができ、プライマー層自体がプレッシャプレートから剥離する懸念も解消でき、接着性が向上して品質が安定する。すなわち、従来の摩擦部材と同等又はこれ以上の品質を確保することができる。
洗浄工程では、摩擦部材のプレッシャプレートを洗浄する。摩擦部材とは、例えばブレーキパッドである。なお、摩擦部材はこれに限定されるわけではなく、ブレーキシュー、クラッチプレート等であってもよい。
前記洗浄工程は、前記プレッシャプレートの油分を除去する脱脂処理と、前記脱脂処理を行った前記プレッシャプレートを乾燥する乾燥処理と、を有するものとすることができる。脱脂処理では、プレッシャプレートのプレス加工等において付着した潤滑油や防錆油を取り除く。プレッシャプレートに付着した油分の除去は、有機溶剤、例えばアセトンにより行うことができるが、水溶性の脱脂液を用いることが好ましい。なお、プレッシャプレートの洗浄の方法としては、湯洗が例示でき、乾燥処理では、洗浄後のプレッシャプレートを恒温炉で乾燥する。
投射工程では、前記洗浄工程を行った前記プレッシャプレートの表面に乾燥条件下で所定の粒径の投射材を投射する。投射材を投射することによりプレッシャプレートの表面に微細な凹凸を形成することができる。また、投射材をプレッシャプレートの表面に付着させて所定の厚さを有する皮膜を形成することができる。プレッシャプレートの表面に微細な凹凸を形成することで、接着面積が増加し、その結果粉体接着剤との接着性が向上する。また、乾燥条件下で投射することで、プライマー処理で必要とされた乾燥処理を省くことができる。なお、乾燥条件下での投射材の投射は、例えば投射材の投射を圧縮空気を用いて投射する。投射は、投射材の種類、投射速度、投射角度、投射量等をプレッシャプレートの材質、特に硬度等を考慮して設計することが好ましい。
接着剤塗布工程では、前記投射工程を行った前記プレッシャプレートの表面に粉体接着剤を塗布する。プレッシャプレートの表面に粉体接着剤を塗布するとは、より具体的にはプレッシャプレートの表面に形成される皮膜上に粉体接着剤を塗布することを意味する。すなわち、プライマー層を介さずにプレッシャプレートの表面の上に直接接着剤を塗布する点で、本発明に係る摩擦部材の製造方法は、従来の摩擦材の製造方法とは異なる。なお、粉体接着剤には、フェノール樹脂が例示される。
成形処理工程では、前記接着剤塗布工程を行った前記プレッシャプレートの表面に別途
予備成形した摩擦材の予備成形物を重ね合わせて成形処理を行う。これにより、摩擦材とプレッシャプレートとが一体となった摩擦部材を形成することができる。なお、成形処理では、熱を加えて行うことが好ましく、これにより、摩擦材とプレッシャプレートとの一体性をより高めることができる。摩擦材は、摩擦材の原材料を所定の配合にて混合し、加圧により予備成形し、板状体に成形する。摩擦材の原材料には、鉄、アルミニウム、亜鉛等の金属粉、スチール繊維、アラミド繊維、セラミック繊維等の非石綿繊維、黒鉛、二硫化モリブデン等の固体潤滑材、ゴムダスト、カシューダスト等の有機摩擦調整材、ジルコニア、マグネシア、炭化珪素等の研削材、硫酸バリウム、炭酸カルシウム等の充填材、フェノール樹脂等の結合材等、従来一般的に用いられているものを用いることができる。
また、本発明に係る摩擦部材の製造方法において、前記投射工程は、前記洗浄工程を行った前記プレッシャプレートの表面に粒径が100〜200μmの投射材を前記プレッシャプレートの表面と略直交する方向から0.3〜0.5MPaの圧力で投射するようにしてもよい。
投射材の粒径は、プレッシャプレートの表面に形成される微細な凹凸の形状、すなわち表面粗さを左右する。本発明において、皮膜の厚さは、20〜30μmであることが好ましい。また、プレッシャプレートの表面の表面粗さは、算術平均粗さ(Ra)の値が2〜3μmであることが好ましい。そして、上記のような表面粗さ及び皮膜を形成するため、投射材の粒径は、100〜200μmとすることが好ましく、より好ましくは150μmである。そして、100〜200μmの粒径の投射材をプレッシャプレートの略直交する方向から投射することで微細な凹凸を有する皮膜を形成することができる。また、投射する際の圧力は、0.3〜0.5MPaとすることで、効果的に微細な凹凸を有する皮膜を形成することができる。
なお、前記投射工程における投射材の投射は、投射時の前記投射材の流量を10〜20g/minとし、投射時間を50〜70secで行うことが好ましい。前述した粒径や圧力等の条件に加えて上記の条件下で投射することで、より効率よく厚さが20〜30μmの皮膜であって、その皮膜の表面に算術平均粗さ(Ra)の値が2〜3μmの微細な凹凸を形成することができる。
また、本発明に係る摩擦部材の製造方法において、前記投射材は、前記プレッシャプレートよりも硬度の高いセラミックスであることが好ましい。上述したように、投射は、投射材の種類等を考慮して設計することが好ましく、投射材の粒径、硬度を考慮することは非常に重要である。そして、本発明では、プレッシャプレート自体が硬度の高い材料であるため、セラミックス系の硬度の高い投射材を用いることで、安定した皮膜を生成することができる。なお、セラミックス系の投射材には、アルミナや炭化ケイ素等が例示できる。
また、本発明に係る摩擦部材の製造方法において、前記接着剤塗布工程は、前記投射工程を行った前記プレッシャプレートの表面に粒径が20〜30μmの粉体接着剤を静電塗布するものでもよい。
接着剤の塗布を粉体接着剤による静電塗布とすることで、粉体接着剤を微細な凹凸が形成された皮膜の表面に均一に付着させることができる。これにより、接着性が向上し、プレッシャプレートに摩擦材をより確実に接着することができる。静電塗布は、アースされたプレッシャプレートに帯電させた粉体接着剤を塗布することで行う。なお、上述したように投射により形成するプレッシャプレートの表面の皮膜は、粉体接着剤が塗布されることで接着剤の下地層として機能する。
投射材の粒径は、皮膜やその表面に形成される微細な凹凸の表面粗さに基づいて決定することが好ましいが、粉体接着剤の粒径を考慮して決定することもできる。具体的には、投射材の粒径を粉体接着剤の粒径よりも大きくすることで粉体接着剤の曲面よりも大きい曲面を有する微細な凹凸を形成することができる。その結果、粉体接着剤をこの微細な凹凸を形成する曲面に効果的に塗布、すなわち付着させることができる。
また、本発明に係る摩擦部材の製造方法において、前記成形処理工程は、前記接着剤塗布工程を行った前記プレッシャプレートを100〜140℃の温度で加熱する予備加熱処理と、前記予備加熱処理を行った前記プレッシャプレートと前記摩擦材の予備成形物に20〜100MPaの圧力の下で130〜200℃の熱を加える熱成形処理と、前記熱成形処理を行って前記プレッシャプレートと前記摩擦材の予備成形物とが接合された前記摩擦部材に150〜300℃の熱を1〜15時間加える加熱処理と、を有するとすることができる。
予備加熱処理では、前記接着剤塗布工程を行った前記プレッシャプレートに100℃〜140℃の熱を加える。なお、熱を加える際は、前記接着剤塗布工程を行った前記プレッシャプレートに前記摩擦材の予備成形物を重ね合わせた状態で行ってもよい。また、熱を加える時間は、5〜15分程度でよい。予備加熱処理を行うことで、接着剤塗布工程で塗布された接着剤を硬化前のフロー状態にすることができ、次工程の熱成形工程において、摩擦材のポーラス部に接着剤が浸透しやすくなる。その結果、摩擦材の接着強度の増大が促進される。
熱成形処理では、前記予備加熱処理を行った前記プレッシャプレートと前記摩擦材の予備成形物に20〜100MPaの圧力の下で130〜200℃の熱を加える。これにより、摩擦材が最終的な厚さに圧縮成形され、摩擦材とプレッシャプレートとが接合される。また、加熱処理では、熱成形処理を行って前記摩擦材が接合された前記プレッシャプレートに150〜300℃の熱を1〜15時間加える。この加熱処理は、アフターキュアとも称され、加熱処理を行うことで結合材及び接着剤の硬化が行われ、摩擦材の強度の向上が図られる。また、加熱処理によれば、プレッシャプレートと摩擦材との接着強度の向上を図ることができる。
本発明によれば、化成処理を施さないことで環境負荷を少なくし、安定した皮膜生成、接着品質が得られると共に、プライマー処理を行うことなく従来の摩擦部材と同等又はこれ以上の品質を確保できる摩擦部材の製造方法を提供することができる。
次に、本発明に係る摩擦部材の製造方法の実施形態について図面に基づいて説明する。なお、本実施形態においては、車両のブレーキパッド用のプレッシャプレートを製造する場合を例に説明する。但し、本発明に係る摩擦部材の製造方法は、以下に限定されるわけではない。
<接着方法>
図1は、第1の実施形態に係る摩擦部材の製造方法を示すフロー図である。以下、このフロー図に基づいて説明する。ステップS01では、ブレーキパッド用のプレッシャプレート10の脱脂処理を行う。プレッシャプレート10は、板金プレス工程により得ることができる。脱脂処理では、板金プレス工程においてプレッシャプレート10の表面に付着した潤滑油や防錆剤を水溶性脱脂液を用いて取り除く。
ステップS02では、脱脂処理を行ったプレッシャプレート10を洗浄する。具体的には、プレッシャプレート10を湯洗する。そして、ステップS03では、洗浄後のプレッシャプレート10を乾燥する。具体的には、洗浄後のプレッシャプレート10を乾燥炉で温度80℃で1〜2分程度乾燥する。
ステップS04では、プレッシャプレートに10に投射材1を投射する。図2は、プレッシャプレート10に投射材1を投射する状態を示す図である。同図にも示すように、本実施形態においては、粒径150μmのアルミナからなる投射材1を乾燥空気をキャリアガス2として直径1.2mmのノズル3より0.3〜0.5MPaの圧力で鉛直方向からプレッシャプレート10の表面に投射する。なお、本実施形態においては、投射時の投射材1の流量は10〜20g/min、投射時間は60secで行った。これにより、プレッシャプレート10の表面には、厚さが25μmであって、その表面に算術平均粗さ(Ra)の値が2〜3μmの微細な凹凸を有する皮膜が形成される。なお、符号4は、プレッシャプレート10を搬送するコンベアである。
ステップS05では、プレッシャプレート10の表面、より詳細には皮膜の上に粉体接着剤を塗布する。具体的には、プレッシャプレート10の表面に粒径25μmのフェノール樹脂系の粉体接着剤をコロナ荷電方式で静電塗布する。すなわち、帯電させた粉体接着剤をアースされたプレッシャプレート10の表面に塗布する。そして、粉体接着剤を塗布後、温度130℃の下で、約15分加熱することで、厚さ30〜40μmの接着層を形成する。
ステップS06では、摩擦材の予備成形物をプレッシャプレート10の接着層の上に重ね合わせて予備加熱処理を行う。より詳細には、摩擦材の予備成形物とプレッシャプレート10とを重ね合わせた状態で約100〜140℃の熱を約5〜15分間加える。これにより、接着剤を硬化前のフロー状態にすることができる。
ステップS07では、予備加熱を行ったプレッシャプレート10に熱成形処理を行う。より詳細には、予備加熱処理を行ったプレッシャプレート10と摩擦材の予備成形物とに20〜100MPaの圧力の下で130〜200℃の熱を加える。これにより、摩擦材の成形と摩擦材とプレッシャプレートとの接着を同時に行うことができる。
ステップS08では、熱成形処理の完了したプレッシャプレート10の加熱処理(アフターキュア)を行う。より詳細には、150〜300℃の熱を1〜15時間加える。これにより、摩擦材中の結合材と接着剤の硬化が完了する。
<従来例との比較>
次に、従来技術の摩擦部材の製造方法の一例について説明し、更に上述した第1の実施形態に係る摩擦部材の製造方法と従来技術の摩擦部材の製造方法と比較して説明する。
図3は、従来技術の摩擦部材の製造方法の一例である。まず、ステップS11から13では、プレッシャプレートの脱脂処理、洗浄処理、乾燥処理を行う。なお、脱脂処理、洗浄処理、乾燥処理は、第1の実施形態に係る摩擦部材の製造方法で説明したステップS01〜03と同様の手順により行うことができる。したがって、その詳細な説明は省略する。
ステップS14では、プレッシャプレートをセラミックス前躯体溶液に浸漬する。セラミックス前躯体溶液は、トリエトキシメチルシランと酢酸を1:4のモル比で溶媒であるエタノールに混合溶解し、ポリビニルブラチールを皮膜中での比率で5wt%添加し、温度70℃で3時間加温し、1モル/lまで濃縮することで生成する。
ステップS15では、前躯体溶液に浸漬されているプレッシャプレートを一定速度800mm/minで引き上げ、温度150℃で3時間加熱する。これにより、プレッシャプレートの表面には、厚み500〜1000nmの皮膜が形成される。その後、所定時間冷却した後、リン酸鉄皮膜を更に生成してプライマー処理、すなわちプライマー剤をリン酸鉄皮膜の上に塗布する(ステップS16)。なお、リン酸鉄皮膜は、皮膜重量0.4〜0.8g/mとした。また、プライマー剤には、フェノール系樹脂を用い、プライマー層の厚みは5〜20μmとした。
ステップS17では、プライマー処理を行ったプレッシャプレートに予備硬化処理を行う。そして、ステップS18では接着剤を塗布する。接着剤には、熱硬化性接着剤を用いた。ステップS19では、接着剤塗布後のプレッシャプレートを乾燥する。プレッシャプレートを乾燥後、ステップS20〜22では、プレッシャプレートの加熱処理、熱成形処理、加熱処理を行う。なお、予備加熱処理、熱成形処理、熱養生処理は、上述した第1の実施形態に係る摩擦部材の製造方法で説明したステップS06〜08と同様の手順により行うことができる。したがって、その詳細な説明は省略する。
以上説明した従来技術の摩擦部材の製造方法と第1の実施形態に係る摩擦部材の製造方法を比較すると、従来技術に係る摩擦部材の製造方法は、リン酸鉄皮膜を生成するといった化成処理を行うとともに、プライマー処理を行っている。しかし、第1の実施形態に係る摩擦部材の製造方法によれば、化成処理及びプライマー処理を行なわないので、化成処理やプライマー処理で必要とされる溶剤等を使用しないため、化成処理液の更新、水洗等といった環境負荷を少なくすることができる。
また、第1の実施形態に係る摩擦部材の製造方法は、溶剤を用いず乾燥条件下で投射材を投射するので、溶液の貯蔵保安上の問題を生じることもない。また、臭気による作業者への影響が少なくなり、作業者の安全を確保することができ、環境衛生上の問題も低減することができる。
また、第1の実施形態に係る摩擦部材の製造方法では、従来必要とされたプライマー処理を行わずに摩擦材の接着を行っており、工程数が少なくなっている。これにより、第1の実施形態に係る摩擦部材の製造方法によれば、設備費の低減、省スペース化、ランニングコストの低減を実現することができる。
また、第1の実施形態に係る摩擦部材の製造方法により製造されたブレーキパッドは、プライマー層を持たないことから、プライマー層を有するブレーキパッドで懸念される剥離が抑制され、接着性が向上して品質が安定する。すなわち、従来の摩擦部材と同等又はこれ以上の品質を確保することができる。図4は、第1の実施形態に係る摩擦部材の製造方法により製造されたブレーキパッドと従来技術の摩擦部材の製造方法により製造されたブレーキパッドとのせん断試験結果を示す図である。なお、本試験は、JASO規格に基づいて行った。
図4に示すように、常温及び高温のそれぞれの条件下において、第1の実施形態に係る摩擦部材の製造方法により製造されたブレーキパッド(本実施例)は、従来技術の摩擦部材の製造方法により製造されたブレーキパッド(従来例)と同等のせん断力を有していることが確認された。このように、第1の実施形態に係る摩擦部材の製造方法によれば、プライマー処理を行うことなく従来と同等の品質を有するブレーキパッドを提供することができる。
第1の実施形態に係る摩擦部材の製造方法を示すフロー図である。 プレッシャプレート10に投射材1を投射する状態を示す図である。 従来技術における摩擦部材の製造方法の一例である。 せん断試験結果を示す図である。
符号の説明
1・・・投射材
2・・・キャリアガス
3・・・ノズル
4・・・コンベア
10・・・プレッシャプレート

Claims (4)

  1. 摩擦部材のプレッシャプレートを洗浄する洗浄工程と、
    前記洗浄工程を行った前記プレッシャプレートの表面に、乾燥ガスをキャリアガスとして、所定の粒径の、前記プレッシャプレートよりも硬度の高いセラミックスからなる投射材を投射し凹凸を有するセラミックスの皮膜を形成する投射工程と、
    前記投射工程を行った前記プレッシャプレートの表面に粉体接着剤を塗布する接着剤塗布工程と、
    前記接着剤塗布工程を行った前記プレッシャプレートの表面に摩擦材の予備成形物を接合して成形処理を行う成形処理工程と、を備える摩擦部材の製造方法。
  2. 前記投射工程は、前記洗浄工程を行った前記プレッシャプレートの表面に粒径が100〜200μmの投射材前記プレッシャプレートの表面と略直交する方向から0.3〜0.5MPaの圧力で投射される、請求項1に記載の摩擦部材の製造方法。
  3. 前記接着剤塗布工程は、前記投射工程を行った前記プレッシャプレートの表面に粒径が20〜30μmの粉体接着剤静電塗布される、請求項1又は2に記載の摩擦部材の製造方法。
  4. 前記成形処理工程は、前記接着剤塗布工程を行った前記プレッシャプレートを100〜140℃の温度で加熱する予備加熱処理と、前記予備加熱処理を行った前記プレッシャプレートと前記摩擦材の予備成形物に20〜100MPaの圧力の下で130〜200℃の熱を加える熱成形処理と、前記熱成形処理を行って前記プレッシャプレートと前記摩擦材の予備成形物とが接合された前記摩擦部材に150〜300℃の熱を1〜15時間加える加熱処理と、を有する請求項1から請求項何れか1項に記載の摩擦部材の製造方法。
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