JP2000219750A - ブレーキ用摩擦材 - Google Patents

ブレーキ用摩擦材

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JP2000219750A
JP2000219750A JP11025233A JP2523399A JP2000219750A JP 2000219750 A JP2000219750 A JP 2000219750A JP 11025233 A JP11025233 A JP 11025233A JP 2523399 A JP2523399 A JP 2523399A JP 2000219750 A JP2000219750 A JP 2000219750A
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fiber
friction material
resin
fibers
aramid pulp
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JP11025233A
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Yosuke Sasaki
要助 佐々木
Michinori Yanagi
道則 柳
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Akebono Brake Industry Co Ltd
Original Assignee
Akebono Brake Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 摩擦材に使用する繊維基材としてアラミドパ
ルプ又はアラミド繊維を用いた場合において、その摩擦
材に対する相手材の摩耗を低減し、かつ車両発進時のク
リープグー音が低減するブレーキ用摩擦材を得る。 【解決手段】 耐透水性のある樹脂でコーティングされ
たアラミドパルプ又はアラミド繊維を含む摩擦材用材料
を用いることを特徴とするブレーキ用摩擦材。前記コー
ティングした耐透水性のある樹脂の量がアラミドパルプ
又はアラミド繊維に対し重量比で1:99〜6:94で
あることが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車、鉄道車
両、産業機械等のブレーキに使用されるブレーキ用摩擦
材に関し、特に耐フェード性を向上させたブレーキ用摩
擦材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ブレーキ用摩擦材の製造プロセス
においては、繊維基材、充填材、摩擦調整材、結合材等
からなる摩擦材用材料を混練し、予備成形し、その予備
成形体を熱成形し、それを研磨、仕上げ加工する工程が
取られている。このうち、繊維基材は、摩擦材全体を補
強する作用をするものであって、その種類は有機繊維、
金属繊維、無機繊維であって、そのうちの有機繊維が主
として使用されているが、有機繊維の中でも耐熱性が優
れており、強度が大きいという点でアラミド繊維(例え
ば特開平9−59597号公報)、又はアラミドパルプ
(特開平9−249874号公報)が多く使用されてい
る。
【0003】従来廃棄されていたものを有効利用するこ
とを目的として、アラミド繊維に合成樹脂を含浸し、乾
燥して得られる複合物を解繊してなる合成樹脂アラミド
繊維複合物を配合してなる摩擦材も提案されている(特
開平8−302337号公報)。しかしながら、その目
的のために、この技術では、アラミド繊維に含浸させる
合成樹脂量(アラミド繊維:合成樹脂=80重量部:2
0重量部)が多い。そのため、ブレーキ時の摩擦熱で合
成樹脂が熱分解し、耐フェード性が悪くなる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、良好な耐フ
ェード性を得るとともに、摩擦材に使用する繊維基材と
してアラミドパルプ又はアラミド繊維を用いた場合にお
いて、吸湿時のみならず、水濡れ時におけるクリープグ
ー音(自動変速機を備えた車両において、クリープ発進
時に生じる低周波音)を効果的に低減する摩擦材を得る
ことを目的とするものである。また、本発明は、摩擦材
に使用する繊維基材としてアラミドパルプ又はアラミド
繊維を用いた場合において、その摩擦材に対する相手材
の摩耗量を低減する摩擦材を得ることを目的とするもの
である。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記課題を
解決するための手段を検討したところ、アラミドパルプ
又はアラミド繊維を耐透水性のある樹脂でコーティング
すれば、アラミドパルプ又はアラミド繊維の吸湿性を著
しく低下させることができ、さらにアラミドパルプ又は
アラミド繊維と結合材である熱硬化性樹脂との濡れ性が
良くなって結合力が増して、摩擦材の摩耗が減り、結果
として相手材の摩耗も減ることを見いだした。本発明
は、下記の手段により前記の課題を解決することができ
た。 (1)耐透水性のある樹脂でコーティングされたアラミ
ドパルプ又はアラミド繊維を含む摩擦材用材料を用いる
ことを特徴とするブレーキ用摩擦材。 (2)前記コーティングした耐透水性のある樹脂の量が
アラミドパルプ又はアラミド繊維に対し重量比で1:9
9〜6:94であることを特徴とする前記(1)記載の
ブレーキ用摩擦材。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明においては、使用する樹脂
はアラミドパルプ又はアラミド繊維に対してコーティン
グした際、それらが吸湿しないようにするため、耐透水
性のある樹脂としては、例えばエポキシ樹脂、ポリイミ
ド樹脂、ポリアミド樹脂などが挙げられるが、それらの
中でもエポキシ樹脂が好ましい。アラミドパルプ又はア
ラミド繊維に対する耐透水性のある樹脂の使用量は、少
量でよく、その重量比でいうと、(アラミドパルプ又は
アラミド繊維):(耐透水性のある樹脂)は99:1〜
94:6の範囲で使用すればよい。その樹脂の使用量が
1%未満であるとその効果がなく、6%を超えると樹脂
が熱分解してガス化し、耐フェード性が悪くなる。
【0007】その摩擦材の製造における摩擦材の配合に
際しては、前記したコーティングされたアラミドパルプ
又はアラミド繊維以外の摩擦材材料に関しては、通常用
いられる材料を用いて行うことができる。併用される補
強用の繊維基材としては、耐熱性有機繊維、無機繊維、
金属繊維が使用される。前記した耐熱性有機繊維として
は、例えば芳香族ポリアミド繊維、耐炎性アクリル繊維
が挙げられ、無機繊維としては例えばチタン酸カリウム
繊維やアルミナ繊維等のセラッミク繊維、ガラス繊維、
カーボン繊維、ロックウール等が挙げられ、また金属繊
維としては例えば銅繊維やスチール繊維が挙げられる。
【0008】無機充填材としては、例えば銅やアルミニ
ウム、亜鉛等の金属粒子、バームキュライトやマイカ等
の鱗片状無機物、硫酸バリウムや炭酸カルシウム等の粒
子が挙げられ、有機充填材としては、例えば合成ゴムや
カシューダスト等が挙げられる。熱硬化性樹脂バインダ
としては、例えばフェノール樹脂(ストレートフェノー
ル樹脂、ゴム等による各種変性フェノール樹脂を含
む)、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、シアン酸エステル
樹脂等を挙げることができる。また、摩擦調整材として
は、例えばアルミナやシリカ、マグネシア、ジルコニ
ア、酸化クロム、石英等の金属酸化物等を、固体潤滑剤
としては、例えばグラファイトや二硫化モリブデン等を
挙げることができる。摩擦材の組成としては、種々の組
成割合をとることができるが、第1表に示す範囲とする
ことが好適である。第1表において「アラミドパルプ」
とあるのは前記樹脂でコーティングしたアラミドパルプ
を指すものである。
【0009】
【表1】
【0010】摩擦材の製造においては、周知の製造工程
により行うことができ、例えば、予備成形、熱成形、加
熱、研磨等の工程を経て摩擦材を作製することができ
る。ディスクブレーキ用摩擦パットの製造工程において
は、板金プレスにより所定の形状に成形され、脱脂処理
及びプライマー処理が施され、そして接着剤が塗布され
たプレッシャープレートと、耐熱性有機繊維や無機繊
維、金属繊維等の繊維基材と、無機・有機充填材、摩擦
調整材及び熱硬化性樹脂バインダ等の粉末原料とを配合
し、攪拌により十分に均質化した原材料を常温にて所定
の圧力で成形(予備成形)して作製した予備成形体と
を、熱成形工程において所定の温度及び圧力で熱成形し
て両部材を一体に固着し、アフタキュアを行い、最終的
に仕上げ処理を施す工程が行われており、このような工
程により製造することができる。
【0011】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。ただし、本発明はこれらの実施例のみに限定される
ものではない。
【0012】実施例1 −摩擦材の製造例− (コーティングしたアラミドパルプの製造)エポキシ樹
脂を水に懸濁させた懸濁液(濃度10%)にアラミドパ
ルプを浸漬した後、乾燥させることにより、アラミドパ
ルプに対する重量割合で2%のエポキシ樹脂で繊維の表
面をコーティングしたアラミドパルプを得た。 (摩擦材の組成)摩擦材の製造を行う際の摩擦材の組成
として、配合例を第2表に示す。
【0013】
【表2】
【0014】(製造工程)常法により、配合材料を攪拌
機に投入し、各材料が十分分散するまで攪拌を行った。
前記攪拌物を各々予備成形、熱成形、加熱、研磨等の工
程を経て摩擦材完成品を作製した。 (1)予備成形 上記攪拌物を予備プレスの金型に投入し、常温にて20
0kgf/cm2 の圧力で1分間加圧してブレーキパッ
ト形状に予備成形した。 (2)熱成形 得られた予備成形品をプレッシャープレートがセットさ
れた熱プレスの金型内に移し、150℃、450kg/
cm2 の加熱加圧中に10秒間隔で5回ガス抜きを行っ
た後、150℃、450kg/cm2 で4分間熱成形し
た。
【0015】(3)加熱 熱成形後、更に加熱炉内で、250℃で3時間加熱して
アフタキュアした。 (4)研磨 アフタキュア後、平面研磨機にて所定厚さに研磨して摩
擦材完成品(ブレーキパッド)を得た。
【0016】実施例2 −摩擦材の製造例− (コーティングしたアラミドパルプの製造)エポキシ樹
脂を水に懸濁させた懸濁液(濃度10%)にアラミドパ
ルプを浸漬した後、乾燥させることにより、アラミドパ
ルプに対する重量割合で5%のエポキシ樹脂でコーティ
ングされたアラミドパルプを得た。 (摩擦材の組成、製造)実施例1と同様の摩擦材の組成
とし、同じ製造方法で摩擦材を製造した。また、比較の
ために、エポキシ樹脂コーティングしていないアラミド
パルプを用いた摩擦材を製造した。
【0017】試験例 上記した実施例1〜2で製造した摩擦材を用いてその性
能を以下のようにして試験した。また比較のために前記
比較用の摩擦材についても同様に試験した。前記実施例
で用いたコーティングアラミドパルプの組成を第3表に
示す。
【0018】
【表3】
【0019】(性能試験1)完成した乗用車用摩擦パッ
ドをフルサイズダイナモ試験機でロータの摩耗テストを
実施した。新品のロータ及び摩擦パッドを用いて初速5
0km/h、減速度0.3G、制動開始前のロータ温度
がそれぞれ50、100、200、300、400℃に
て1000回の制動後のロータ摩耗量(μm)を測定し
た。 (試験結果)その結果は第4表に示す。実施例1、2と
も比較例と比べ、ロータの摩耗量は少なくなっている。
【0020】
【表4】
【0021】(性能試験2)上記の配合例にてエポキシ
樹脂でコーティングしたアラミドパルプを用いて作製し
た摩擦パッド(本発明品)と、コーティングしていない
アラミドパルプを用いて作製した摩擦パッド(比較品)
により、吸湿時及び水濡れ時におけるクリープグー音の
発生について試験を行った。
【0022】<試験方法>新品ロータ及び上記試料の摩
擦パッドを用いたディスクブレーキを取付けた車両を1
km毎の走行後に初速50km/hでブレーキをかけて
停車させ、200km走行により摩擦パッドとロータと
の十分な摺り合わせが得られた後に、次の試験を行っ
た。
【0023】(1)吸湿時試験 車両を20℃の室温、湿度95%(クリープグー音の出
やすい湿度)の環境室に12時間放置して、20km/
hの速度で0.2Gの減速度の制動を行い、クリープグ
ー音の発生について、官能試験を行った。 (2)水濡れ時試験 ロータと摩擦パッドに、ホースで毎分10リットルの水
を左右輪にそれぞれ1分づつ、計2分回かけ、そして、
20km/hの速度で0.2Gの減速度の制動を行い、
クリープグー音の発生について、官能試験を行った。 (試験結果)その結果は第5表に示す。
【0024】
【表5】
【0025】実施例1〜2ともに、吸湿時試験、水濡れ
時試験の両方において、クリープグー音の発生が少なか
った。これに対し比較例は、吸湿時試験、水濡れ時試験
の両方において、クリープグー音の発生レベルが大であ
った。
【0026】
【発明の効果】本発明によれば、耐透水性繊維でコーテ
ィングされたアラミドパルプ又はアラミド繊維を用いる
ことにより、相手材の摩耗を低減し、かつ車両発進時に
おけるクリープグー音の発生を低減することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3J058 BA21 BA34 BA73 EA32 GA07 GA68 GA73 GA74 GA92 4F071 AA42A AA56 AH07 DA01 DA02

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 耐透水性のある樹脂でコーティングされ
    たアラミドパルプ又はアラミド繊維を含む摩擦材用材料
    を用いることを特徴とするブレーキ用摩擦材。
  2. 【請求項2】 前記コーティングした耐透水性のある樹
    脂の量がアラミドパルプ又はアラミド繊維に対し重量比
    で1:99〜6:94であることを特徴とする請求項1
    記載のブレーキ用摩擦材。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008274194A (ja) * 2007-05-07 2008-11-13 Toyota Motor Corp 摩擦部材およびブレーキパッド
CN101839294A (zh) * 2010-05-20 2010-09-22 湖南博云汽车制动材料有限公司 一种公交车用非金属陶瓷基鼓式刹车片及其制备方法
KR20110028465A (ko) * 2008-06-27 2011-03-18 발레오 마테리오 드 프릭시옹 건식 클러치 라이닝 및 관련 제조 방법

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