JP2007112955A - ポリエチレン用易剥離性接着剤及びその構造物 - Google Patents

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Abstract

【課題】ポリエチレンを被着面とする容器、シート等の構成物に対し易剥離性を有する接着剤及びその構造物を提供する。
【解決手段】ポリエチレン系樹脂(A)40〜87wt%、結晶性ポリプロピレン系樹脂(B)10〜40wt%、低分子量ポリエチレンワックス(C)3〜20wt%からなることを特徴とするポリエチレン用易剥離性接着剤及びその構造物を提供する。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリエチレンを被着面とする容器、シート等の構成物に対し易剥離性を有する接着剤及びその構造物に関する。更に詳しくは、ポリエチレン系樹脂(A)40〜87wt%、結晶性ポリプロピレン系樹脂(B)10〜40wt%、低分子量ポリエチレンワックス(C)3〜20wt%からなることを特徴とするポリエチレン用易剥離性接着剤及びその構造物に関するものである。
近年、産業廃棄物の問題から食品用容器は、ポリスチレンやポリ塩化ビニル製から燃焼時に有害ガスを発生しないポリエチレンやポリプロピレン製に替わりつつある。特にポリエチレンを使用した容器またはポリエチレンを紙に積層した容器が使用されてきている。例えば、紙にポリエチレンを押出ラミネートし、カップ状にしたヨーグルト用容器やマヨネーズ、ケチャップ等用のポリエチレンを主成分とする多層容器、点滴ボトルなどのポリエチレン製容器等が挙げられる。
前述の容器には、輸送時には破袋すること無く安全な取扱いが可能で、しかも開封時には女性や子供でも開けられるような易剥離性を有した接着剤が必要である。そのための接着剤として、例えば、1)ポリエチレンに対し基本的に接着しにくい樹脂(例えば、ポリプロピレン)にポリエチレンと接着可能な樹脂(例えば、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等)を混合した組成物、2)エチレン−酢酸ビニル共重合体に粘着付与剤及び低分子量ワックス等を混合したいわゆるホットメルト組成物、3)上記ホットメルトタイプを押出し可能にした高分子量タイプのホットメルト組成物、4)低密度ポリエチレンに高分子量ポリブテンをブレンドした組成物(例えば、特許文献1参照)、5)ポリエチレン系樹脂、結晶性のポリブテン樹脂、低分子量ワックスからなるポリエチレン用易剥離性接着剤(例えば、特許文献2参照)等が挙げられる。
特開平1−315443号公報 特開2003−129018号公報
しかしながら、上記組成物では種々問題点が有り、ポリエチレン製容器に対する易剥離性接着剤としては満足できるものではなかった。すなわち、1)の組成物は互いに相溶し難い樹脂を混合させるため加工性が劣り、また紙カップ容器をシールする場合に必要な段差を埋めるのに十分な柔軟性が無く、液漏れを防止するのには適していない。また、接着強度が高くなると接着剤が筋状に破壊するいわゆる糸引き現象が起こり、剥離後の外観が悪くなる。2)の組成物は紙カップ容器の段差を埋めるのに十分な流動性とシール強度を持っているが、加工時には特別なコーターが必要であり、また耐熱性が劣るためヒートシール時に容器内部に接着剤が混入する危険性がある。3)の組成物は耐熱性に優れているものの、ポリエチレンとの接着強度が高く、易剥離性とならない。ヒートシール温度が低い程接着強度は低くなる事から、使用温度を限定してシールする方法が考えられるが、温度依存性が高いため接着強度のバラツキが大きく、製品として品質に問題が有る。4)の組成物において、低密度ポリエチレンのJIS K6922−1に準拠して測定したメルトマスフローレイト(以下、MFR)が20g/10分以下では、本発明の目的の一つであるポリエチレンがラミネートされた紙容器またはシートに対して剥離強度が高すぎて紙が破壊するいわゆる紙剥けが発生してしまう。剥離性を維持しようとして低密度ポリエチレンのMFRを20〜70g/10分にすると溶融張力が低く、押出ラミネート加工性に劣るものとなってしまう。5)の接着剤では、紙容器の内面に積層されているポリエチレン層の厚みが40μm以上である場合は問題無く使用できるものの、紙容器の内面に積層されているポリエチレン層が、例えば30μm程度に薄くなるとポリエチレン層のフィルム強度が弱くなり破壊しやすくなるため、紙剥け現象が発生しやすくなる欠点があった。またポリブテンは一般的に高価であるため配合物も高価になる欠点があった。
そこで、本発明は、ポリエチレン製容器、シート、ポリエチレンをラミネートした紙容器、またはポリエチレンを被着面とした多層容器、多層シート等の構成物に対して、押出ラミネート加工が可能で、内容物を保護するのに十分なヒートシール強度を持ちながら易剥離性をもちかつ安価な接着剤及びその構造物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行なった結果、ポリエチレン系樹脂、結晶性ポリプロピレン系樹脂及び低分子量ポリエチレンワックスを特定量配合したポリエチレン用易剥離性接着剤が、加工性に優れ、かつ少なくとも一面がポリエチレンである被着面に対して易剥離性接着剤として優れていることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、ポリエチレン系樹脂(A)40〜87wt%、結晶性ポリプロピレン系樹脂(B)10〜40wt%、低分子量ポリエチレンワックス(C)3〜20wt%からなることを特徴とするポリエチレン用易剥離性接着剤及びその構造物に関するものである。
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明において用いられるポリエチレン系樹脂(A)は、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン等のポリエチレン系樹脂であれば特に限定されるものではなく、その中でも押出ラミネート加工性の面から低密度ポリエチレンが好ましく、特に高圧法で製造される低密度ポリエチレンが好ましい。また、ポリエチレン系樹脂(A)のJIS K6922−1に準拠して測定したメルトマスフローレイトは、特に制限はなく、その中でも10〜50g/10分が好ましい。
そして、具体的なポリエチレン系樹脂(A)としては、例えば東ソー株式会社製の低密度ポリエチレン(商品名:ペトロセン)を使用することができる。
本発明において用いられる結晶性ポリプロピレン系樹脂(B)は、プロピレンの単独重合体またはプロピレンとエチレンとの共重合体からなる結晶性のポリマーであれば特に制限はなく、その中でもプロピレンとエチレンのランダム共重合体であることが好ましい。また、結晶性ポリプロピレン系樹脂(B)のJIS K7210に準拠して測定したメルトマスフローレイトは、特に制限はなく、その中でも1〜30g/10分であることが好ましく、特に0.5〜10g/10分であることが好ましい。
そして、具体的な結晶性ポリプロピレン系樹脂(B)としては、例えば日本ポリプロ株式会社製の結晶性ポリプロピレン系樹脂(商品名:ノバテックPP)を使用することができる。
本発明において用いられる低分子量ポリエチレンワックス(C)は、GPC法による数平均分子量が1,000〜10,000のポリエチレンワックスであり、該低分子量ポリエチレンワックスは、エチレンの重合によって得られる重合型と、分子量の高いポリエチレンを熱分解することによって得られる分解型のどちらでも使用できる。
そして、具体的な低分子量ポリエチレンワックス(C)としては、例えば三洋化成工業株式会社製の低分子量ポリエチレンワックス(商品名:サンワックス)を使用することができる。
本発明のポリエチレン用易剥離性接着剤では、押出ラミ加工性に優れる接着剤となることから、ポリエチレン系配合物(ポリエチレン系樹脂(A)+低分子量ポリエチレンワックス(C))のJIS K6922−1に準拠して測定したメルトマスフローレイト(MFR(A+C))は、40〜400g/10分であることが好ましく、特に、50〜350g/10分であることが好ましい。また、JIS K6922−1に準拠して測定した全配合物(ポリエチレン系樹脂(A)+結晶性ポリプロピレン系樹脂(B)+低分子量ポリエチレンワックス(C))のメルトマスフローレイト(MFR(A+B+C))は、10〜50g/10分であることが好ましい。
本発明のポリエチレン用易剥離性接着剤の組成は、ポリエチレン系樹脂(A)40〜87wt%、結晶性ポリプロピレン系樹脂(B)10〜40wt%、低分子量ポリエチレンワックス(C)は3〜20wt%である。これらの配合量の中でも、特に低分子量ポリエチレンワックス(C)の配合量は、5〜15wt%であることが好ましい。
ポリエチレン系樹脂(A)の配合量が40wt%未満では加工性が劣りまた剥離時に糸引き現象(接着剤が糸状に伸びて剥離する)が発生する。ポリエチレン系樹脂(A)の配合量が87wt%を超えた配合では被着体であるポリエチレンとの接着性強度が高くなりすぎてしまう。また、結晶性ポリプロピレン系樹脂(B)の配合量が10wt%未満ではポリエチレン成分が多くなり、被着体であるポリエチレンとの接着強度が高くなり、すなわち被着体である紙容器の内貼りとして使用されているポリエチレンフィルムとの接着強度が高くなり紙の繊維を破壊しながら剥離(材質破壊)してしまう。また、結晶性ポリプロピレン系樹脂(B)の配合量が40wt%を超えると接着強度は低下するものの配合物の押出安定性が劣るようになる。さらに、低分子量ポリエチレンワックス(C)の配合量が20wt%を超えると、全配合物の溶融張力が低くなるため押出ラミ加工性が低下してしまう。また、低分子量ポリエチレンワックス(C)の配合量が3wt%未満の場合、ポリエチレン系樹脂(A)と、結晶性ポリプロピレン系樹脂(B)の分散性が低下すること及び剥離時に糸引き現象が発生しやすくなってしまう。
本発明のポリエチレン用易剥離性接着剤には、通常のポリオレフィン系樹脂に配合される添加剤、すなわち酸化防止剤、滑剤、帯電防止剤、防曇剤、ブロッキング防止剤等の添加剤を、本発明のポリエチレン用易剥離性接着剤の性能を阻害しない限り必要量添加することができる。
本発明のポリエチレン用易剥離性接着剤の調製は、特に制限はなく、例えばポリエチレン系樹脂(A)、結晶性ポリプロピレン系樹脂(B)、低分子量ポリエチレンワックス(C)及び必要に応じて、滑剤、酸化防止剤、帯電防止剤等を所定量ドライブレンドし、単軸または二軸押出機で溶融混練しながら直径2〜3mm程度のストランド状に押出し、冷却固化した後、回転刃でカットすることによりペレット状のポリエチレン用易剥離性接着剤を得ることができる。
本発明のポリエチレン用易剥離性接着剤の構造物としては、特に制限はなく、例えばポリエチレン用易剥離性接着剤を少なくとも片面に有する構造物が挙げられる。そして、ポリエチレン用易剥離性接着剤の被着体としては、特に制限はなく、例えば低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンー不飽和カルボンエステル共重合体等が挙げられる。
本発明のポリエチレン用易剥離性接着剤の構造物の製造方法は、特に制限はなく、例えばペレット化された本発明のポリエチレン用易剥離性接着剤を用い、通常ポリエチレン樹脂の成形に用いられる方法、すなわちキャスト成形またはインフレーション成形によって単層フィルム化した後、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンー不飽和カルボンエステル共重合体等と共押出しすることにより構造体を製造する方法を用いることができる。
本発明のポリエチレン用易剥離性接着剤の構造物は、ポリエチレン用易剥離性接着剤を少なくとも片面に有し、かつ被着体を有するものが好ましく、さらに基材を有していても良い。そして、該基材としては特に制限はなく、例えばポリエステルフィルム、ポリアミドフィルム、ポリプロピレンフィルム等のプラスチックフィルム;紙;アルミ箔等が挙げられ、その中でもポリエステルフィルム、紙、アルミ箔が好ましく、特にアルミ箔が好ましい。なお、基材を張り合わせる際には、ポリエステル系接着剤等の接着剤を介して貼り合わせることが好ましい。
基材を貼り合わせる方法としては、例えばドライラミネーションまたはサンドイッチラミネーション、押出ラミネーションにより、ポリエステルフィルム、ポリアミドフィルム、ポリプロピレンフィルム等の延伸または未延伸フィルムと積層することができる。より具体的には、例えば二軸延伸された15μm厚みのポリアミドフィルムと予め30μm厚みにキャスト成形された本発明の構造体フィルムをポリエステル系接着剤(大日精化製 セイカボンドE263等)でドライラミネートする方法;12μm厚みのポリエステルフィルムとアルミ蒸着された12μmのポリエステルフィルムを貼り合わせたフィルムに、イソシアネート系アンカーコート剤(日本曹達株式会社製 チタボンドT120等)を塗布した面と、30μmの本発明の構造体フィルムを、低密度ポリエチレン(東ソー株式会社製 ペトロセン213)を押し出すことによりサンドイッチラミネーションする方法等が挙げられる。
なお、押出ラミネーションを行なう場合は、ポリエステルフィルムやポリアミドフィルム等のプラスチックフィルムや紙またはアルミ箔などの基材に予めアンカーコート剤(以下AC剤)を塗布したり、加工時にオゾン処理をする事により、各種プラスチックフィルム、アルミ箔等と積層することが好ましい。アルミ箔と接着性の良い樹脂(例えば、エチレンとアクリル酸の共重合体などアルミ箔へ押出ラミネーションをしたときの剥離強度が2N/15mm以上となる樹脂)と共押出ラミネーションを行なうことにより、AC剤を使用しなくてもアルミ箔に積層することも可能である。
また、ポリエチレン樹脂を予めラミネートしてある基材に対しては、ダイレクトに押出ラミネートすることも可能である。ここでいうポリエチレン樹脂とは、本発明のポリエチレン用易剥離性接着剤と接着が可能であり、実際に蓋材として使用し容器から剥離するときに層間剥離しないような接着強度が出るものであれば特に制限は無く、例えば低密度ポリエチレン;直鎖状低密度ポリエチレン;エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレンーアクリル酸共重合体、エチレンーメタアクリル酸共重合体等のエチレン−不飽和カルボン酸共重合体;等が挙げられる。具体的なポリエチレン樹脂を予めラミネートしてある基材に対するダイレクトに押出ラミネートする方法としては、例えば二軸延伸された12μm厚みのポリエステルフィルムに、イソシアネート系アンカーコート剤(日本曹達株式会社製 チタボンドT120等)を使用して予め低密度ポリエチレン(東ソー株式会社製 ペトロセン213)をラミネート加工し、その上に本発明のポリエチレン用易剥離性接着剤を20μm押出ラミネートする方法が挙げられる。
本発明のポリエチレン用易剥離性接着剤の構造体は、例えば蓋材、より好ましくはポリエチレン製容器蓋材として用いることができる。構造体を接着する対象物としては、例えば板紙に低密度ポリエチレンをラミネートされた構成物を製罐することにより得られるラミネート容器が挙げられ、より具体的には、例えばヨーグルトやカップ麺用の紙カップ等;ポリエチレンの単層ブロー容器である洗剤容器、輸液バッグ等;多層ブロー容器であるケチャップやマヨネーズ用容器等が挙げられる。
また、本発明のポリエチレン用易剥離性接着剤を接着する対象物は、少なくとも被着面がポリエチレンであればよく、構成中に塩化ビニリデンやエチレン−ビニルアルコール共重合体あるいはアルミ等のバリアー性のある包装資材が使用されている容器またはシートでも構わない。
以上述べたとおり、本発明のポリエチレン用易剥離性接着剤は押出し成形が可能で、ポリオレフィン系樹脂でありながらポリエチレンとの易剥離性接着剤として使用可能であり、少なくとも一面がポリエチレンである容器、シート等に対する接着剤として有用である。
本発明のポリエチレン用易剥離性接着剤の構造物は、被接着面となるポリエチレンと凝集剥離をし、シール温度に影響されない安定した接着性能を有する事ができる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、断りのない限り用いた試薬等は市販品を用いた。以下に、実施例に用いた測定法を示す。
〜メルトマスフローレイト(MFR)〜
ポリエチレン樹脂(A)と低分子量ポリエチレンワックス(C)の配合物のMFR(A+C)及び全配合物(ポリエチレン樹脂(A)+結晶性ポリプロピレン系樹脂(B)+低分子量ポリエチレンワックス(C))のMFR(A+B+C)は、JIS K6922−1に準拠して測定した。
また、結晶性ポリプロピレン系樹脂(B)のMFRはJIS K7210に準拠して測定した。
〜低分子量ポリエチレンワックス(C)の数平均分子量測定〜
GPCにより測定した。
実施例1
ポリエチレン系樹脂(A)としてMFRが23g/10分の低密度ポリエチレン(東ソー株式会社製 ペトロセン208)50wt%、結晶性ポリプロピレン系樹脂(B)としてMFRが6.5g/10分の結晶性ポリプロピレン(日本ポリプロ株式会社製 ノバテックPPFW4BT)35wt%、低分子量ポリエチレンワックス(C)としてGPCによる数平均分子量が2,600の低分子量ワックス(三洋化成株式会社製 サンワックス151−P)15wt%を配合した。さらに、前記ポリエチレン系樹脂(A)、結晶性ポリプロピレン系樹脂(B)、低分子量ポリエチレンワックス(C)の合計100重量部に対して、滑剤としてエルカ酸アミド0.1重量部(日本精化株式会社製 ニュートロンS)、酸化防止剤としてフェノール系酸化防止剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製、イルガノックス1010、以下、Ir1010と記す)0.05重量部を添加し、ドライブレンドした後、40ミリの単軸押出機で樹脂温度180℃で溶融混練し、直径3mmのストランド状に押出し、冷却固化した後、回転刃でカットし、ペレット状のポリエチレン用易剥離性接着剤を得た。この配合物中のポリエチレン系樹脂(A)と低分子量ポリエチレンワックス(C)の配合によるMFR(A+C)は、本配合と同比率となるように混合物を溶融混練、固化したものを別途に作成しMFRを測定した結果、141g/10分であった。同様に別途合成した全配合物のMFR(A+B+C)は38g/10分であった。
予め二軸延伸されたポリエステルフィルム(東洋紡績株式会社製、東洋紡エステルフィルム。以下、PET)(12μm)にイソシアネート系アンカーコート剤(日本曹達株式会社製 チタボンドT120)を使用し、低密度ポリエチレン(東ソー株式会社製 ペトロセン213)を押出しラミネーターを用いて樹脂温度310℃で25μm積層し、更にエチレンー酢酸ビニル共重合体(以下EVAと称す。東ソー株式会社製、ウルトラセン541)を20μm押出ラミ加工し3層フィルムを得た(PET/PE/EVA)。
この3層フィルムのEVA面にペレット状のポリエチレン用易剥離性接着剤を20μm厚みとなるように樹脂温度230℃で押出ラミネート加工し、構造物を得た。この構造物を、内面に30μm厚みの低密度ポリエチレンが積層された紙カップ容器(フランジ部外径100mm)の開口部に蓋材として、構造物の接着剤面が接触する様に重ねヒートシール機(サニーパック株式会社製)で加熱接着させた。ヒートシール条件は、150℃、20kg/カップ、0.5秒とした。室温で冷却後、本発明の構造体を紙カップ容器から90度の角度で剥し、イマダ株式会社製のプッシュプルゲージを使用し剥離強度を測定した。同時に剥離時の糸引き(接着剤が糸状に伸びて剥離する)現象の有無、及び材質破壊(紙カップのポリエチレンが紙から剥離する)現象の発生の有無を確認した。また造粒時及びラミネート加工時の加工安定性についても評価を行なった。なお、加工安定性は、ラミ加工時の溶融膜が蛇行したり、または相溶性不良による均一膜ができないものを不良とし、それ以外を良好とした。
これらの結果を表1に示す。
実施例2
実施例1に記載の低密度ポリエチレンを58wt%に、結晶性ポリプロピレンを30wt%に、低分子量ポリエチレンワックスを12wt%にした以外は実施例1と同様に、ポリエチレン用易剥離性接着剤、構造物を得、実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。なお、MFR(A+C)は90g/10分、MFR(A+B+C)は32g/10分であった。
実施例3
実施例1に記載の低密度ポリエチレンを55wt%に、結晶性ポリプロピレンを35wt%に、低分子量ポリエチレンワックスを10wt%にした以外は実施例1と同様に、ポリエチレン用易剥離性接着剤、構造物を得、実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。なお、MFR(A+C)は70g/10分、MFR(A+B+C)は25g/10分であった。
実施例4
実施例1に記載の低密度ポリエチレンを40wt%に、結晶性ポリプロピレンを40wt%に、低分子量ポリエチレンワックスを20wt%にした以外は実施例1と同様に、ポリエチレン用易剥離性接着剤、構造物を得、実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。なお、MFR(A+C)は320g/10分、MFR(A+B+C)は48g/10分であった。
実施例5
実施例1に記載の低密度ポリエチレンを75wt%に、結晶性ポリプロピレンを18wt%に、低分子量ポリエチレンワックスを7wt%にした以外は実施例1と同様に、ポリエチレン用易剥離性接着剤、構造物を得、実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。なお、MFR(A+C)は45g/10分、MFR(A+B+C)は28g/10分であった。
実施例6
紙(坪量50g/m)とアルミ箔(以下、ALと称す)(7μm)を、低密度ポリエチレン(東ソー株式会社製、ペトロセン213)を接着剤として樹脂温度310℃で押出ラミネート加工することにより3層(紙/PE/AL)の基材を作成した。この基材のアルミ箔面に、エチレンーアクリル酸共重合体(三井デュポン社製、ニュクレルN−0908C)と実施例1で得たポリエチレン用易剥離性接着剤を、樹脂温度260℃で共押出ラミネートし構造物を得、実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。なお、MFR(A+C)は141g/10分、MFR(A+B+C)は38g/10分であった。
なお、エチレンーアクリル酸共重合体の厚みは20μm、実施例1で得たポリエチレン用易剥離性接着剤の厚みは10μmとした。
比較例1
実施例1に記載の低密度ポリエチレンを35wt%、結晶性ポリプロピレンを50wt%にした以外は実施例1と同様に、ポリエチレン用易剥離性接着剤を得ようとしたが、結晶性ポリプロピレン量が多く、押出不良の為、ポリエチレン用易剥離性接着剤は得られなかった。なお、MFR(A+C)は207g/10分、MFR(A+B+C)は25g/10分であった。
比較例2
実施例1に記載の低密度ポリエチレンを65wt%、結晶性ポリプロピレンを35wt%に、低分子量ポリエチレンワックスを0wt%にした以外は実施例1と同様に、ポリエチレン用易剥離性接着剤、構造物を得、実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。押出ラミ加工時成形性が不安定でありまた糸引き現象も発生した。剥離強度は6N/15mmであった。なお、MFR(A+C)は23g/10分、MFR(A+B+C)は11g/10分であった。
比較例3
実施例1に記載の低密度ポリエチレンを40wt%、低分子量ポリエチレンワックスを25wt%とした以外は実施例1と同様に、ポリエチレン用易剥離性接着剤を得ようとしたが、低分子量ポリエチレンワックスが多く、押出不良の為、ポリエチレン用易剥離性接着剤は得られなかった。なお、MFR(A+C)は470g/10分、MFR(A+B+C)は80g/10分であった。
比較例4
実施例1に記載の低密度ポリエチレンを80wt%、結晶性ポリプロピレン系樹脂を5wt%とした以外は実施例1と同様に、ポリエチレン用易剥離性接着剤、構造物を得、実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。なお、MFR(A+C)は80g/10分、MFR(A+B+C)は70g/10分であった。押出ラミネート加工時成膜安定性は良好であったものの、ヒートシール後の剥離時接着力が高く紙基材の材質破壊が発生した。
Figure 2007112955
Figure 2007112955

Claims (8)

  1. ポリエチレン系樹脂(A)40〜87wt%、結晶性ポリプロピレン系樹脂(B)10〜40wt%、低分子量ポリエチレンワックス(C)3〜20wt%からなることを特徴とするポリエチレン用易剥離性接着剤。
  2. ポリエチレン系樹脂(A)、結晶性ポリプロピレン系樹脂(B)、低分子量ポリエチレンワックス(C)からなる組成物で、ポリエチレン系配合物((A)+(C))のJIS K6922−1に準拠して測定したメルトマスフローレイト(以下、MFR(A+C))が40〜400g/10分であり、JIS K6922−1に準拠して測定した全配合物のメルトマスフローレイト(以下、MFR(A+B+C))が10〜50g/10分であることを特徴とする請求項1に記載のポリエチレン用易剥離性接着剤。
  3. ポリエチレン系樹脂(A)が高圧法で製造される低密度ポリエチレンであり、JIS K6922−1に準拠して測定したメルトマスフローレイトが10〜50g/10分であることを特徴とする請求項1又は2に記載のポリエチレン用易剥離性接着剤。
  4. 結晶性ポリプロピレン系樹脂(B)がプロピレンとエチレンのランダム共重合体であり、JIS K7210に準拠して測定したメルトマスフローレイトが0.5〜10g/10分であることを特徴とする請求項1又は2に記載のポリエチレン用易剥離性接着剤。
  5. 請求項1から4に記載のポリエチレン用易剥離性接着剤を、少なくとも片面に有する構造物。
  6. ポリエチレン用易剥離性接着剤を、少なくとも片面に有しかつ基材がアルミ箔であることを特徴とする請求項5に記載の構造物。
  7. 構造物が、蓋材であることを特徴とする請求項5又は6に記載の構造物。
  8. 構造物が、ポリエチレン製容器蓋材であることを特徴とする請求項5〜7に記載の構造物。
JP2005308265A 2005-10-24 2005-10-24 ポリエチレン用易剥離性接着剤及びその構造物 Expired - Fee Related JP4904770B2 (ja)

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