JP2002241716A - 熱融着フィルム及びそれからなる包装体 - Google Patents

熱融着フィルム及びそれからなる包装体

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Abstract

(57)【要約】 【課題】耐ブロッキング性等に優れ、低密度ポリエチレ
ン層からなる熱シール層と熱融着した際の熱融着強度の
温度依存性が小さく、流通時・倉庫保管時には被包装物
が漏れ出る虞がない熱融着強度を有しながら被包装物を
取出す際には、容易に剥離得る熱融着フィルム及び包装
体を開発することにある。 【解決手段】低密度ポリエチレン(A)99〜55重量
%とプロピレン重合体(B)1〜45重量%の低密度ポ
リエチレン組成物(C)からなる熱融着層を有すること
を特徴とする熱融着フィルム、それを用いた易開封性包
装材料、容器蓋材及び相対する面が、低密度ポリエチレ
ン(A)99〜55重量%とプロピレン重合体(B)1〜
45重量%の低密度ポリエチレン組成物(C)からなる
熱融着層と低密度ポリエチレン層からなる熱シール層を
備えたことを特徴とする包装体を提供するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、低密度ポリエチレン組成
物からなる易剥離性、開封時のソフト感、耐ブロッキン
グ性、衛生性、製膜加工性、ラミネート加工性に優れた
熱融着層を備えた熱融着フィルム、かかる熱融着フィル
ムからなる蓋材及びそれを用いた包装体に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】せんべい、ポテトチップス等のス
ナック菓子包装、あるいはゼリー、ミルク、ヨーグル
ト、プリン、とうふ、乳酸飲料等の食品包装や、ブリス
ター包装、その他日用品や雑貨等の包装として、ボト
ル、カップ、ないしトレー状のプラスチック容器をプラ
スチックラミネートフィルムないしアルミ箔ラミネート
フィルムからなる蓋材でシールした包装が広く採用され
ている。このような包装に要求されることは、流通経路
に耐える機械的な強度、衛生性の保持ができるシール強
度および使用時における開封性の良さである。
【0003】そのような包装に使われる資材の一つとし
て、一方を易開封性(イージーピール性)フィルムと呼
ばれる範疇のフィルムを、最内層である熱融着層とした
袋に、あるいは蓋材に用いた包装体が広く利用されてい
る。しかし、これまで提案されている各種の熱融着層
は、密封するためのヒートシール強度は高いが、開封時
のイージーピール性は必ずしも十分ではなく、両者の間
に適度なバランスをとることが求められている。ここで
イージーピール性に求められている特性は、単に開封性
の容易さのみならず、開封後に開封部に糸引き現象等に
よる樹脂断片の付着残留物がなく、開封部の外観の良さ
をも含めた総合評価であり、それによってその良否が判
定されている。
【0004】かかる欠点を解決する手段として、エチレ
ン−ビニルエステル共重合体、低結晶性または非晶性の
エチレン共重合体と粘着付与剤とからなるヒートシール
性樹脂組成物(特公昭63−29894号公報)、低密
度ポリエチレンとポリブテン−1からなる層を用いる易
開封性複合フィルム(特開平10−337829号公
報)、エチレン−αオレフィン共重合体、プロピレン−
エチレン共重合体及び低密度ポリエチレンからなる易開
封性ヒートシール用樹脂組成物(特開平2−18554
7号公報)等種々提案されている。
【0005】しかしながら、低密度ポリエチレンをラミ
ネートした紙容器の蓋材に、かかる構成のシール材を用
いても見かけ上の密封シールをすることは可能である
が、容器表面にラミネートした低密度ポリエチレンと完
全シ−ルとなり、開封した場合に紙容器の低密度ポリエ
チレンが剥離して紙剥けした状態で、強い強度で剥離し
てしまう傾向が強く、開封強度、見栄えで良くない虞が
ある。特に、紙くず等が内容物に落下したりして、内容
物と一緒に食べてしまう可能性があったり、容器が変形
して内容物がこぼれてしまう可能性がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、耐ブロッキ
ング性、ソフトな開封性、衛生性、加工性に優れ、低密
度ポリエチレン層からなる熱シール層と熱融着した際の
熱融着強度の温度依存性が小さく、輸送時等には被包装
物が漏れ出る虞がない熱融着強度を有しながら被包装物
を取出す際には、容易に剥離し、剥離時にソフトで紙容
器表面にコ−ト・押出しされた低密度ポリエチレンとの
間で糸引き等が無く、綺麗な凝集剥離・界面剥離・層間
剥離等で剥離するフィルム及び包装体を得るべく、又、
夏場の気候のような場合に気温が30℃以上の時、ある
いは流通時・倉庫保管時で50〜60℃程度の高温時に
おける保管時においてもシ−ル部、特に容器の段差と蓋
材シ−ルの部分でのエアリ−ク・パンクしない耐熱性が
あり、つまり容器としての封緘性に優れている易開封性
可能な熱融着フィルム及び包装体を得るべく、種々検討
した。
【0007】
【課題を解決するための手段】
【発明の概要】本発明は、低密度ポリエチレン(A)9
9〜55重量%とプロピレン重合体(B)1〜45重量
%の低密度ポリエチレン組成物(C)からなる熱融着層
を有することを特徴とする熱融着フィルム、それを用い
た易開封性包装材料、容器蓋材及び相対する面が、低密
度ポリエチレン(A)99〜55重量%とプロピレン重
合体(B)1〜45重量%の低密度ポリエチレン組成物
(C)からなる熱融着層と低密度ポリエチレン層からな
る熱シール層を備えたことを特徴とする包装体に関す
る。
【0008】
【発明の具体的説明】低密度ポリエチレン(A) 本発明に係わる低密度ポリエチレン(A)は、通常、密
度が0.905〜0.935g/cm、好ましくは
0.910〜0.935g/cm、MFR(ASTM
D1238 荷重2160g、温度190℃)が0.
5〜30g/10分、好ましくは1〜10g/10分の
高圧下で重合されるエチレンの単独重合体、若しくは5
重量%以下の、他のα−オレフィンあるいは酢酸ビニル
等のビニル化合物との共重合体で、通常高圧法低密度ポ
リエチレンと呼ばれている低密度ポリエチレン、及びエ
チレンと炭素数が3〜10のα−オレフィン、例えばプ
ロピレン、ブテン−1、ヘプテン−1、ヘキセン−1、
オクテン−1、4−メチル−ペンテン−1とのランダム
共重合体で、分子量分布(重量平均分子量:Mw、と数
平均分子量:Mn、との比:Mw/Mnで表示)が通常
1.5〜4.0、好ましくは1.8〜3.5の範囲にあ
る、通常、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)と
呼ばれているエチレン・α―オレフィンランダム共重合
体等である。これらの中でも高圧法低密度ポリエチレン
が熱融着層に用いた場合に、低温シ−ル性に優れ、しか
も熱融着面を剥離した際に、凝集剥離を起こし、且つ剥
離面での糸引きが生ぜず綺麗な剥離面が得られるので好
ましい。
【0009】プロピレン重合体(B) 本発明に係わるプロピレン重合体(B)は、一般にポリ
プロピレンの名称で製造・販売されている樹脂で、通
常、密度が0.890〜0.930g/cm、MFR
(ASTM D1238 荷重2160g、温度230
℃)が0.5〜60g/10分、好ましくは0.5〜1
0g/10分のプロピレンの単独重合体若しくはプロピ
レンと他の少量のα−オレフィン、例えばエチレン、ブ
テン、ヘキセン−1等とのランダムあるいはブロック共
重合体である。
【0010】低密度ポリエチレン組成物(C) 本発明に係わる低密度ポリエチレン組成物(C)は、前
記、低密度ポリエチレン(A)が99〜55重量%、好
ましくは98〜60重量%とプロピレン重合体(B)が
1〜45重量%、好ましくは2〜40重量%とからな
り、通常、MFR(ASTM D1238 荷重216
0g、温度190℃)が0.1〜20g/10分、好ま
しくは0.5〜10g/10分の範囲にある。プロピレ
ン重合体(B)の量が1重量%未満では低密度ポリエチ
レン層と熱融着した際に、ヒートシール強度が強くなり
過ぎて易剥離性に劣る傾向にあり、一方45重量%を越
えると低温ヒートシール性、開封強度・実用上での封緘
性・密封性(耐熱性)に劣る傾向にある。
【0011】又、本発明に係わる低密度ポリエチレン
(A)、プロピレン重合体(B)あるいはその低密度ポリ
エチレン組成物(C)には、本発明の目的を損なわない
範囲で、通常用いられる酸化防止剤、耐候安定剤、帯電
防止剤、防曇剤等の添加剤を必要に応じて配合すること
ができる。特に、アンチブロッキング剤、スリップ剤を
配合することによって、フィルム成形時、ラミネート加
工時、包装作業時等における加工性や作業性を向上させ
ることができる。
【0012】熱融着フィルム 本発明に係わる熱融着フィルムは種々公知の方法で製造
できる。例えば、低密度ポリエチレン(A)とプロピレ
ン重合体(B)とを所定の量で混合した後、直接フィル
ム成形機に投入してT−ダイ、環状ダイ等を用いてフィ
ルムにする方法、予め低密度ポリエチレン(A)、プロ
ピレン重合体(B)とを所定の量で混合して押出機等で
溶融混練して低密度ポリエチレン組成物(C)を得た
後、T−ダイ、環状ダイ等を用いてフィルム成形する方
法が例示できる。熱融着フィルムは単層でも用いられる
が、補強層として上記低密度ポリエチレンを始め、中密
度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリブテン、エ
チレン・酢酸ビニル共重合体等のオレフィン系重合体あ
るいは後述の熱可塑性樹脂からなる補強材との積層フィ
ルムを得る場合には、熱融着層となる低密度ポリエチレ
ン組成物(C)と補強層に用いる樹脂とを多層ダイを用
いて共押出し熱融着フィルムとしても良い。又、予め得
られた補強材に低密度ポリエチレン組成物(C)を押出
しラミネートあるいは押出しコーティングして熱融着層
を有する積層体としても良いし、あるいは夫々別個に得
たフィルムを貼り合せて熱融着層を有する積層体として
も良い。又、蓋材として用いる場合は、前記製法で得た
熱融着層を備えた単層あるいは積層フィルム若しくはシ
ート状の積層体をそのまま蓋材として用いても良いし、
印刷して用いても良い。更に印刷されたあるいはされて
いない紙、アルミ箔等と貼り合せて蓋材にしても良い。
又、用途によっては予め容器形状に合わせてカットして
蓋材にしても良い。
【0013】熱融着フィルムの厚さは、用途に応じて適
宜決め得るが、通常、通常1〜1000μm、好ましく
は2〜100μmの範囲にある。熱融着フィルムを単層
フィルムとして用いる場合は、成形加工上、5μm以上
の厚さが必要であるが、熱融着フィルムを補強層との積
層体として用い得る場合は、熱融着層を1μmと薄くし
ても優れたシール特性を発揮できる。
【0014】基材層 本発明に係わる熱融着層に積層される基材層としては、
たとえば、ポリエチレンテレフタレートに代表されるポ
リエステルフィルム、ポリアミドフィルム、ポリプロピ
レンフィルム等の熱可塑性樹脂製フィルム、アルミニュ
ーム箔、紙等が挙げられる。かかる熱可塑性樹脂製フィ
ルムからなる補強材は無延伸であっても一軸あるいは二
軸延伸フィルムあるいはシ−ト等のあらゆる基材であっ
ても良い。勿論、基材層は1層でも2層以上としても良
い。
【0015】熱シール層 本発明に係わる熱シール層は、被包装材料に合わせて低
密度ポリエチレンを公知の方法でフィルム、シート、ト
レー、カップ、ボトル等の種々の形状とすることができ
る。フィルム若しくはシートの場合は、上記熱融着フィ
ルムと同様な方法で製造し得る。トレー若しくはカップ
の場合は、一旦上記方法でシートを製造した後、真空成
形、圧空成形等の熱成形によりトレー、カップ等の容器
とすることにより製造し得る。又、カップあるいはボト
ルの場合は射出成形、射出中空成形(インジェクション
ブロー)、中空成形等により容器として成形し得る。更
に用途によっては紙等の上記補強材に低密度ポリエチレ
ンを押出しラミネートあるいは押出しコーティング等に
より積層してもよい。かかる低密度ポリエチレンは、熱
融着フィルムに用いる低密度ポリエチレン(A)と同一
の範疇のものであるが、個々の物性は同一であっても異
なっていてもよい。
【0016】容器蓋材 本発明の易開封性包装体に係わる容器蓋材は、前記熱融
着フィルムを最内層としてなる。容器蓋材とする場合に
は、通常前記熱融着フィルムに基材層として例示される
種々材料が積層される。
【0017】容器 本発明の易開封性包装体に係わる容器は、前記低密度ポ
リエチレンからなる熱シール層を最内層としてなる。容
器とする場合は、通常低密度ポリエチレンからなる熱シ
ール層に例えば紙等の基材層として積層される材料が積
層される。容器はシート、トレー、カップ、ボトル等の
形状が例示できるがそれらに限定はされない。
【0018】
【実施例】次に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説
明するが、本発明はその要旨を越えない限りこれらの実
施例に制約されるものではない。
【0019】実施例及び比較例で使用した原料は次の通
りである。 (1)低密度ポリエチレン:LDPE(高圧法低密度ポ
リエチレン):三井化学社製(商品名;ミラソン、銘柄
名;M12P)密度0.927g/cm3、MFR3.
0g/10分、融点114℃ (2)プロピレン重合体−1(PP−1) エチレン含量3モル%・ブテン含量1.6モル%のプロ
ピレンランダム共重合体:密度0.90g/cm3、M
FR7.0g/10分、融点138℃ (3)プロピレン重合体−2(PP−2) プロピレン単独重合体:密度0.91g/cm3、MF
R7.0g/10分、融点161℃ (4)プロピレン重合体−3(PP−3) プロピレン単独重合体:密度0.91g/cm3、MF
R2.0g/10分、融点160℃ (5)エチレン重合体−1(シングルサイト触媒重合直
鎖状低密度ポリエチレン): 三井化学社製(商品名;エボリュー、銘柄名;SP25
40)密度0.925g/cm3、MFR4g/10
分、融点120℃ (6)エチレン重合体−2(直鎖状低密度ポリエチレ
ン) 三井化学社製(商品名;ウルトゼックス、銘柄名;UZ
3523L)密度0.935g/cm3、MFR2.1
g/10分、融点123℃
【0020】実施例1 熱融着層となるLDPE:97重量%とPP―1:3重
量%をドライブレンドした低密度ポリエチレン組成物
と、基材層となるエチレン重合体(エチレン重合体−
1:エチレン重合体−2=30重量%:70重量%を混
合したもの)を別々の押出機に供給し、Tダイ法によっ
て熱融着層/基材層なる構成の2層共押出フイルムから
なる熱融着フィルムを得た。フィルムの総厚は30μm
で、各層の厚みは熱融着層:補強層=4:26μmであ
った。
【0021】実施例2 実施例1で用いた低密度ポリエチレン組成物に代えて、
LDPE:95重量%とPP―1:5重量%をドライブ
レンドした低密度ポリエチレン組成物を用いる以外は実
施例1と同様に行い、熱融着層:基材層=4:26μm
の熱融着フィルムを得た。
【0022】実施例3 実施例1で用いた低密度ポリエチレン組成物に代えて、
LDPE:90重量%とPP―1:10重量%をドライ
ブレンドした低密度ポリエチレン組成物を用いる以外は
実施例1と同様に行い、熱融着層:基材層=4:26μ
mの熱融着フィルムを得た。
【0023】実施例4 実施例1で用いた低密度ポリエチレン組成物に代えて、
LDPE:80重量%とPP―1:20重量%をドライ
ブレンドした低密度ポリエチレン組成物を用いる以外は
実施例1と同様に行い、熱融着層:基材層=4:26μ
mの熱融着フィルムを得た。
【0024】実施例5 実施例1で用いた低密度ポリエチレン組成物に代えて、
LDPE:70重量%とPP―1:30重量%をドライ
ブレンドした低密度ポリエチレン組成物を用いる以外は
実施例1と同様に行い、熱融着層:基材層=4:26μ
mの熱融着フィルムを得た。
【0025】実施例6 実施例1で用いた低密度ポリエチレン組成物に代えて、
LDPE:60重量%とPP―1:40重量%をドライ
ブレンドした低密度ポリエチレン組成物を用いる以外は
実施例1と同様に行い、熱融着層:基材層=4:26μ
mの熱融着フィルムを得た。
【0026】実施例7 実施例1で用いた低密度ポリエチレン組成物に代えて、
LDPE:97重量%とPP―2:3重量%をドライブ
レンドした低密度ポリエチレン組成物を用いる以外は実
施例1と同様に行い、熱融着層:基材層=4:26μm
の熱融着フィルムを得た。
【0027】実施例8 実施例1で用いた低密度ポリエチレン組成物に代えて、
LDPE:95重量%とPP―2:5重量%をドライブ
レンドした低密度ポリエチレン組成物を用いる以外は実
施例1と同様に行い、熱融着層:基材層=4:26μm
の熱融着フィルムを得た。
【0028】実施例9 実施例1で用いた低密度ポリエチレン組成物に代えて、
LDPE:90重量%とPP―2:10重量%をドライ
ブレンドした低密度ポリエチレン組成物を用いる以外は
実施例1と同様に行い、熱融着層:基材層=4:26μ
mの熱融着フィルムを得た。
【0029】実施例10 実施例1で用いた低密度ポリエチレン組成物に代えて、
LDPE:97重量%とPP―3:3重量%をドライブ
レンドした低密度ポリエチレン組成物を用いる以外は実
施例1と同様に行い、熱融着層:基材層=4:26μm
の熱融着フィルムを得た。
【0030】実施例11 実施例1で用いた低密度ポリエチレン組成物に代えて、
LDPE:95重量%とPP―3:5重量%をドライブ
レンドした低密度ポリエチレン組成物を用いる以外は実
施例1と同様に行い、熱融着層:基材層=4:26μm
の熱融着フィルムを得た。
【0031】実施例12 実施例1で用いた低密度ポリエチレン組成物に代えて、
LDPE:90重量%とPP―3:10重量%をドライ
ブレンドした低密度ポリエチレン組成物を用いる以外は
実施例1と同様に行い、熱融着層:基材層=4:26μ
mの熱融着フィルムを得た。
【0032】比較例1 実施例1で用いた低密度ポリエチレン組成物に代えて、
LDPEを用いる以外は実施例1と同様に行い、熱融着
層:基材層=4:26μmの熱融着フィルムを得た。
【0033】比較例2 実施例1で用いた低密度ポリエチレン組成物に代えて、
LDPE:50重量%とPP―1:50重量%をドライ
ブレンドした低密度ポリエチレン組成物を用いる以外は
実施例1と同様に行い、熱融着層:基材層=4:26μ
mの熱融着フィルムを得た。
【0034】比較例3 実施例1で用いた低密度ポリエチレン組成物に代えて、
LDPE:30重量%とPP―1:70重量%をドライ
ブレンドした低密度ポリエチレン組成物を用いる以外は
実施例1と同様に行い、熱融着層:基材層=4:26μ
mの熱融着フィルムを得た。
【0035】比較例4 実施例1で用いた低密度ポリエチレン組成物に代えて、
PP―1を用いる以外は実施例1と同様に行い、熱融着
層:基材層=4:26μmの熱融着フィルムを得た。各
実施例、比較例及び参考例で得られたフィルムの特性値
は以下の方法で測定した。
【0036】実施例13 実施例1で用いたのと同じ構成で、熱融着フィルム層の
厚さのみを代えて、熱融着層:基材層=6.6:43.
4μmの熱融着フィルムを得た。
【0037】実施例14 実施例2で用いたのと同じ構成で、熱融着フィルム層の
厚さのみを代えて、熱融着層:基材層=6.6:43.
4μmの熱融着フィルムを得た。
【0038】実施例15 実施例3で用いたのと同じ構成で、熱融着フィルム層の
厚さのみを代えて、熱融着層:基材層=6.6:43.
4μmの熱融着フィルムを得た。
【0039】実施例16 実施例7で用いたのと同じ構成で、熱融着フィルム層の
厚さのみを代えて、熱融着層:基材層=6.6:43.
4μmの熱融着フィルムを得た。
【0040】実施例17 実施例8で用いたのと同じ構成で、熱融着フィルム層の
厚さのみを代えて、熱融着層:基材層=6.6:43.
4μmの熱融着フィルムを得た。
【0041】実施例18 実施例9で用いたのと同じ構成で、熱融着フィルム層の
厚さのみを代えて、熱融着層:基材層=6.6:43.
4μmの熱融着フィルムを得た。
【0042】実施例19 実施例10で用いたのと同じ構成で、熱融着フィルム層
の厚さのみを代えて、熱融着層:基材層=6.6:4
3.4μmの熱融着フィルムを得た。
【0043】実施例20 実施例11で用いたのと同じ構成で、熱融着フィルム層
の厚さのみを代えて、熱融着層:基材層=6.6:4
3.4μmの熱融着フィルムを得た。
【0044】実施例13 実施例12で用いたのと同じ構成で、熱融着フィルム層
の厚さのみを代えて、熱融着層:基材層=6.6:4
3.4μmの熱融着フィルムを得た。
【0045】(1)ヒ−トシ−ル性の評価: 積層フィルム:厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレン
テレフタレ−トフィルム(PET)に、上記各実施例お
よび比較例で得られた熱融着フィルムの基材層とをウレ
タン系接着剤を用いてドライラミネ−ションにより積層
して、積層フィルムとした。 被着体:前記積層フィルムと熱融着(ヒートシール)
する被着体は、以下の種類の被着体を用いた。 a.厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレ−
トフィルム(PET)に被着層として、厚さ20μmの
高圧法低密度ポリエチレン(密度:0.923g/cm
3)を押出ラミネ−トした積層フィルム。 b.厚さ15μmの二軸延伸ポリアミドフィルム(O−
NY)に被着層として、厚さ50μmの直鎖状低密度ポ
リエチレン(密度:0.915g/cm3)を押出ラミ
ネ−トした積層フィルム。 c.厚さ300μmのポリプロピレンシ−ト。 d.積層フィルム。 ヒートシール試験: 1)上記積層フィルムの熱融着層面と上記各被着体の被
着層面を重ね合せ、所定の温度で、幅5mmのシールバ
ーを用い、0.2MPaの圧力で1秒間シールした後放
冷した。これから15mm幅の試験片を切り取りクロス
ヘッド速度500mm/minでヒートシール部を剥離
し、その強度をヒートシール強度とした。耐熱水処理後
の適正は上記方法でヒートシールした試験片を90℃の
熱水中で1日間放置した冷却したのち自然乾燥し、上記
方法でヒートシール強度を測定した。 2)被着体a.との評価は、凝集剥離を○、界面剥離を
△、完全ヒ−トシ−ルされているものを×、糸引きがあ
り層間剥離傾向のあるものを□とした。強度的には、1
〜10N/15mmの範囲にあり、凝集剥離するものが
適している。 3)被着体b.との評価は、凝集剥離を○、界面剥離を
△、完全ヒ−トシ−ルされているものを×とした。 4)被着体c.との評価は、凝集剥離を○、界面剥離を
△とした。 5)被着体d.との評価は、凝集剥離を○、界面剥離を
△、完全ヒ−トシ−ルされているものを×とした。
【0046】(2)容器との封緘性及び開封性の評価 包装体の調整:内面に高圧法低密度ポリエチレンがラ
ミネートされた紙基材製容器〔東罐興業株式会社製:タ
イプAC−430EP(無地)〕と上記各実施例及び比
較例で得た熱融着フィルムとを、エ−シンパック工業株
式会社製のエ−シンパックシ−ラ半自動O型タイプを用
いて、温度180℃、1容器に対してのヒ−トシ−ル実
圧力900N、シ−ル時間1秒で口部を熱融着(カップ
シ−ル)した。 封緘性の評価:株式会社サン科学製のシ−ルテスタ−
FKTタイプを用い、上記調整法で得た包装体の破裂強
度を測定した。尚、破裂強度試験は熱処理しない容器及
び60℃のオ−ブンで24時間熱処理した後、23℃・
相対湿度65%の雰囲気下で24時間放置後の熱処理し
た容器で行った。封緘性の評価は、熱処理しない容器と
熱処理した容器との破裂強度の低下が3MPa以下で且
つ熱処理後の破裂強度が12MPa以上のものを◎、熱
処理後の破裂強度が10MPaを越えるものを○、熱処
理後の破裂強度が10MPa前後のものを△、熱処理後
の破裂強度が10MPa未満のものを×とした。 開封性の評価:破裂強度を測定したサンプルを用い
て、手で熱融着フィルムを剥離し、以下の基準で開封性
を評価した。 a.開封強度:ホットメルト材でシールされたスナック
容器(市販品)の開封強度と比較して、同程度のもの:
◎、少し弱めのもの:○、弱めなもの:△、弱いもの:
×、強いもの:××とした。 b.開封時の糸引き: 糸引きなし:◎、微量あり:○、少しあり:△、多数あ
り:× c.紙剥け:熱融着フィルムを紙基材製容器から剥離し
た際に、紙の内面にラミネートされた高圧法低密度ポリ
エチレンと紙とが剥離する現象を紙剥けと称し、それぞ
れ、紙剥けなし:◎、微量あり:○、容器開封部の1/
4未満に紙剥けあり:△、容器開封部の1/4以上の紙
剥けあり:×として評価した。
【0047】各実施例、比較例及び参考例で得られたフ
ィルムの特性値を表1及び表2に示す。
【0048】
【表1】
【0049】
【表2】
【0050】
【表3】
【0051】
【発明の効果】本発明の熱融着フィルムは、低密度ポリ
エチレンとプロピレン重合体との組成物とが特定の割合
で混合された熱融着層を有する熱融着フィルムである。
かかる熱融着フィルムを用いて当該フィルムを熱融着層
とした包装袋等の包装材、あるいは被着材である各種ポ
リエチレン、ポリプロピレンを用いた包装材は、被包装
物を包装する際に、低温ヒ−トシ−ル性(低温熱融着
性)があり、ヒ−トシ−ル温度幅も広く、又、得られた
包装体を、ボイル処理した際にもヒートシール(熱融
着)部の強度の変化も少なく、且つ適度なヒートシール
強度を有しているので、開封時にはソフトに容易に開封
できるという特性を有している。又、本発明の熱融着フ
ィルムはブロキング性にも優れているので加工時の粉振
り加工が不要で、ラミネート品のエ−ジング温度を一般
のフィルム並以下に低くすることも必要なく、そのまま
包装材料に加工することができる。
【0052】本発明の蓋材を用いた紙容器は、熱融着強
度の温度依存性が小さく、輸送時等には被包装物が漏れ
出る虞がない熱融着強度を有しながら、被包装物を取出
す際には容易に剥離し、剥離時にソフトで紙容器表面の
低密度ポリエチレン層との間で糸引き等が無く、且つ紙
剥けの発生がなく、綺麗な凝集剥離で剥離する。又、夏
場の気候のような場合に気温が30℃以上、あるいは流
通時・倉庫保管時での50〜60℃程度の高温下におけ
る保管時にもシ−ル部、特に容器の段差と蓋材シ−ルの
部分での空気漏れ、あるいはパンクしない耐熱性、つま
り容器としての封緘性に優れているという特徴を有して
いる。
【0053】かかる特徴を活かして、本発明の熱融着フ
ィルム、易開封性包装材料、容器蓋材あるいはこれら材
料を用いた容器等の包装体は、広く各種のヨ−グルト、
プリン、ゼリ−、スナック、麺などの紙ポリ容器の食品
包装やブリスタ−包装、その他日用品や雑貨等の袋物包
装、ボトル、カップ、ないしトレ−のプラスチックス容
器などのシ−ル材等の包装体として好適に利用すること
ができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B65D 65/40 B65D 65/40 D 4J002 77/20 77/20 H 4J004 C08J 5/18 CES C08J 5/18 CES 4J040 C08L 23/06 C08L 23/06 C09J 123/06 C09J 123/06 //(C08L 23/06 (C08L 23/06 23:10) 23:10) Fターム(参考) 3E067 AA11 AB16 BA03A BA07A BA10A BB01A BB15A BB16A BB25A BC07A CA18 CA24 EA06 EA35 EB27 EE59 GD08 3E084 AA24 AA25 CC03 CC08 FD13 HC08 3E086 AD04 AD05 AD06 AD23 BA04 BA14 BA15 BB41 BB51 CA01 CA07 CA11 CA35 4F071 AA18 AA20 AH05 BB06 BC01 BC02 4F100 AK06A AK07A AK63 AL05A AT00B BA02 GB15 GB17 GB18 JL01 JL12 JL12A JL14 4J002 BB031 BB142 BP022 BP032 GG01 4J004 AA02 AA07 AB03 CA02 CA04 CA06 CA08 CB02 CC02 DB01 FA06 GA01 4J040 DA021 DA102 JA09 JB01 LA01 LA06 NA06 NA08

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】低密度ポリエチレン(A)99〜55重量
    %とプロピレン重合体(B)1〜45重量%の低密度ポ
    リエチレン組成物(C)からなる熱融着層を有すること
    を特徴とする熱融着フィルム。
  2. 【請求項2】低密度ポリエチレン(A)が高圧法低密度
    ポリエチレンである請求項1記載の熱融着フィルム。
  3. 【請求項3】基材層の少なくとも片面に請求項1若しく
    は2記載の熱融着層が積層されてなる易開封性包装材料
  4. 【請求項4】請求項3記載の易開封性包装材料からなる
    容器蓋材。
  5. 【請求項5】相対する面が、低密度ポリエチレン(A)
    99〜55重量%とプロピレン重合体(B)1〜45重
    量%の低密度ポリエチレン組成物(C)からなる熱融着
    層と低密度ポリエチレン層からなる熱シール層を備えた
    ことを特徴とする包装体。
  6. 【請求項6】低密度ポリエチレン(A)が高圧法低密度
    ポリエチレンである請求項5記載の包装体。
  7. 【請求項7】低密度ポリエチレン組成物(C)からなる
    熱融着層を備えた蓋材と低密度ポリエチレン層からなる
    熱シール層が紙基材に積層されてなる容器からなる請求
    項5若しくは6記載の包装体。
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