JPWO2017104621A1 - チューブ容器用トップシール材 - Google Patents

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Abstract

容器口部のシール面が軟化点の異なる複数の異なる材料で構成されている容器であっても、安定した開封強度、及び易開封性を実現する、チューブ容器用トップシール材を提供することを目的とする。
本発明は、チューブ容器の口部をシールするためのトップシール材10であって、
前記チューブ容器の口部がシールされる面において、軟化点がそれぞれ異なる樹脂を含む2以上の樹脂層の断面が表出しており、かつ前記2以上の樹脂層のうちの1つが、他の樹脂層の樹脂よりも低い軟化点を有する低軟化点樹脂を含み、
前記トップシール材10は、最外層としての基材層1a、及び最内層としてのシーラント層3を少なくとも有し、
前記シーラント層3は、2種以上の樹脂がブレンドされた、海島構造を有するブレンド樹脂から構成されており、前記海島構造の海部分を構成する樹脂3aが、前記口部の低軟化点樹脂とヒートシールされる樹脂であり、かつ前記海島構造の島部分を構成する樹脂3bが、前記海島構造の海部分を構成する樹脂3a及び前記口部の低軟化点樹脂よりも軟化点が高い樹脂である、
チューブ容器用トップシール材10に関する。

Description

本発明は、チューブ容器用トップシール材に関する。
食品、薬品、化粧品などを収納する容器の蓋材は、高い気密性を維持しかつ輸送時の開封を防止するために、容器と強く接着されることが望まれているのに対して、できるだけ容易に開封できることが求められている。
そのような容器の例として、チューブ容器がある。チューブ容器の口部のための蓋材(トップシール材)として、例えば、特許文献1には、ポリエチレンテレフタレート樹脂/アルミニウム箔/アクリロニトリル樹脂の順で積層されたトップシール材が開示されている。
特許文献2には、PETフィルム/酸化珪素蒸着膜/接着剤層/印刷層/PETフィルム/接着剤層/ポリエチレン系イージーピール性樹脂フィルムの順で積層されたトップシール材が開示されている。バリア層である酸化珪素蒸着膜によって、気密性、内容物の保存性等を向上させつつ、イージーピール性樹脂をシーラント層に用いることによって開封性を高めている。
イージーピール性樹脂は、樹脂中に非相溶系又は部分相溶系の他の熱可塑性樹脂をブレンドして得られており、一般的には、微細な球状ドメイン相(島)がマトリックス相(海)に分散した海島構造を形成している。
特許文献2には、イージーピール性樹脂として、例えば低密度ポリエチレンにポリブテン−1及びポリスチレン系樹脂をブレンドした樹脂を用いることが開示されている。
特許文献3には、PETフィルム/印刷層/接着剤層/酸化珪素蒸着膜/PETフィルム/接着剤層/ポリエチレン系イージーピール性樹脂フィルムの順で積層されたトップシール材が開示されている。ここでは、イージーピール性樹脂として、ポリエチレン系樹脂にポリスチレン系樹脂をブレンドした樹脂を用いることが開示されている。
特開平10−1149号公報 特開2005−8246号公報 特開2006−27631号公報
従来技術のトップシール材では、容器口部のシール面は、単一の層で構成されることが想定されている。容器口部のシール面が、複数の層で構成される場合の課題、特に軟化点が異なる材料からなる複数の層で構成される場合の課題については、従来技術において言及されていない。
容器口部のシール面が、複数の層で構成される容器として、例えば、ポリエチレン(PE)/エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)/ポリエチレン(PE)の順に積層された多層ブローチューブが挙げられる。
このようなチューブ容器において、トップシール材をシールするための条件が最適条件より強い場合においては、例えばシール温度が高い場合、シール時間が長い場合、シール圧力が高い場合等においては、チューブ容器口部の複数の層のうち、低軟化点の材料の層は軟化し、高軟化点の材料の層は軟化せずそのままの形状を保つ場合がある。そのため、高軟化点の材料の層がトップシール材のシーラント層を貫通し、それにより内容物が、基材層/シーラント層間に侵入して、トップシール材にデラミネーションを生じさせる恐れがある。
また、イージーピール性樹脂を利用したトップシール材において、軟化点が高い樹脂をマトリクス相(海)として使用し、軟化点が低い樹脂をドメイン相(島)として用いた場合、例えば特許文献3に記載されているように、高軟化点材料であるポリエチレン系樹脂(海)に低軟化点材料であるポリスチレン系樹脂(島)を分散させたブレンド樹脂をイージーピール性樹脂として用いた場合、開封強度にばらつきが生じたり、易開封性が低下したりするなどの不具合が生じる場合がある。これは、シール温度が低すぎる時には、島部分を構成するポリスチレンと容器口部のポリエチレンとの間の擬似接着が生じるためであると考えられる。また、シール温度が高すぎる時には、シーラント層の海島構造が壊れるからであると考えられる。
本発明は、従来技術の課題を背景になされたものであり、容器口部のシール面が軟化点の異なる複数の異なる材料で構成されている容器であっても、安定した開封強度、及び易開封性を実現する、チューブ容器用トップシール材を提供することを目的とする。
上記の課題は、以下の態様を有する本発明により解決することができる。
《態様1》
チューブ容器の口部をシールするためのトップシール材であって、
前記チューブ容器の口部がシールされる面において、軟化点がそれぞれ異なる樹脂を含む2以上の樹脂層の断面が表出しており、かつ前記2以上の樹脂層のうちの1つが、他の樹脂層の樹脂よりも低い軟化点を有する低軟化点樹脂を含み、
前記トップシール材は、最外層としての基材層、及び最内層としてのシーラント層を少なくとも有し、
前記シーラント層は、2種以上の樹脂がブレンドされた、海島構造を有するブレンド樹脂から構成されており、前記海島構造の海部分を構成する樹脂が、前記口部の低軟化点樹脂とヒートシールされる樹脂であり、かつ前記海島構造の島部分を構成する樹脂が、前記海島構造の海部分を構成する樹脂及び前記口部の低軟化点樹脂よりも軟化点が高い樹脂である、
チューブ容器用トップシール材。
《態様2》
前記チューブ容器が、軟化点がそれぞれ異なる樹脂を含む2以上の樹脂層の積層体で構成されており、かつ前記チューブ容器の口部がシールされる面において前記積層体の前記2以上の樹脂層の断面が表出している、ブローチューブ容器である、態様1に記載のチューブ容器用トップシール材。
《態様3》
前記シーラント層の前記海島構造の海部分を構成する樹脂の軟化点は、前記口部の低軟化点樹脂の軟化点の±15℃以内である、態様1又は2に記載のチューブ容器用トップシール材。
《態様4》
前記シーラント層の前記海島構造の海部分を構成する樹脂の軟化点は、前記口部の低軟化点樹脂の軟化点よりも低い、態様1〜3のいずれか一項に記載のチューブ容器用トップシール材。
《態様5》
前記口部の低軟化点樹脂はポリエチレン系樹脂であり、かつ前記シーラント層の前記海島構造の海部分を構成する樹脂はポリエチレン系樹脂であり、かつ前記海島構造の島部分を構成する樹脂はポリプロピレン系樹脂である、態様1〜4のいずれか一項に記載のチューブ容器用トップシール材。
《態様6》
チューブ容器の口部をシールするためのトップシール材であって、
前記チューブ容器の口部がシールされる面において、軟化点がそれぞれ異なる樹脂を含む2以上の樹脂層の断面が表出しており、かつ前記2以上の樹脂層のうちの1つが、他の樹脂層の樹脂よりも低い軟化点を有する低軟化点樹脂を含み、
前記トップシール材は、最外層としての基材層、及び最内層としてのシーラント層を少なくとも有し、
前記シーラント層は、2種以上の樹脂がブレンドされた、海島構造を有するブレンド樹脂から構成されており、前記海島構造の海部分が、軟化点が90℃以上130℃以下のポリエチレン系樹脂を含み、前記海島構造の島部分が、軟化点が110℃以上170℃以下でありかつ前記海部分のポリエチレン系樹脂の軟化点よりも高い、ポリプロピレン系樹脂を含む、
チューブ容器用トップシール材。
《態様7》
前記基材層と前記シーラント層との間にバリア層を有する、態様1〜6のいずれかに一項に記載のチューブ容器用トップシール材。
《態様8》
態様1〜7のいずれか一項に記載のトップシール材、及び前記トップシール材でその口部がシールされているチューブ容器であって、前記チューブ容器の口部がシールされる面において、軟化点がそれぞれ異なる樹脂を含む2以上の樹脂層の断面が表出しており、かつ前記2以上の樹脂層のうちの1つが、他の樹脂層の樹脂よりも低い軟化点を有する低軟化点樹脂を含むチューブ容器を有する、トップシール材付きチューブ容器。
《態様9》
前記口部の低軟化点樹脂が、軟化点が90℃以上130℃以下のポリエチレン系樹脂である、態様8に記載のトップシール材付きチューブ容器。
《態様10》
内容物を充填できるように端部が開放されている、態様8又は9に記載のトップシール材付きチューブ容器。
《態様11》
内容物が充填されている、態様8又は9に記載のトップシール材付きチューブ容器。
本発明によれば、容器口部のシール面が軟化点の異なる複数の異なる材料で構成されている容器であっても、安定した開封強度、及び易開封性を実現する、チューブ容器用トップシール材を提供することができる。
本発明のトップシール材の積層構造を示す断面図である。 本発明のトップシール材をチューブ容器口部のシール面に貼り合わせたチューブ容器の一例を示す断面図である。 本発明のチューブ容器の層構造の概略図である。
〈トップシール材〉
本発明のチューブ容器用トップシール材は、チューブ容器の口部をシールするために用いられる。例えば図2(a)に示すように、本発明のチューブ容器用トップシール材10は、チューブ容器の口部40をシールして、食品、医薬品、化粧品、又は工業製品等の内容物50の保存安定性等を高めるものである。なお図2の符号20は、チューブ容器口部に装着するキャップを示している。
図2(b)に示すように、開口している端部(開放端部60)を有するチューブ容器の口部40を、本発明のチューブ容器用トップシール材10であらかじめシールしておき、そして開放端部60からチューブ容器に内容物を充填した後に、チューブ容器の開放端部60を閉鎖することで内容物入りチューブ容器を得てもよい。また、図2(c)に示すように、端部が閉鎖されているチューブ容器口部40から内容物50を充填した後に、本発明のチューブ容器用トップシール材10で口部40をシールして、内容物入りチューブ容器を得てもよい。
1つの態様において、本発明のチューブ容器用トップシール材は、最外層としての基材層、最内層としてのシーラント層を少なくとも有する。また、基材層とシーラント層との間にさらにバリア層を有していてもよく、バリア層とシーラント層との間にさらに第2の基材層を有していてもよい。さらに基材層、随意のバリア層、随意の第2の基材層、及びシーラント層のいずれか2層の間に、接着層を有していてもよい。
1つの態様において、本発明のチューブ容器用トップシール材のシーラント層は、2種以上の樹脂がブレンドされた、海島構造を有するブレンド樹脂から構成されており、海島構造の海部分を構成する樹脂が、容器口部の低軟化点樹脂とヒートシールされる樹脂であり、海島構造の島部分を構成する樹脂が、海島構造の海部分を構成する樹脂、及び容器口部の低軟化点樹脂よりも軟化点が高い樹脂である。
例えば、図1に例示するように、本発明のチューブ容器用トップシール材10は、基材層1a、随意のバリア層2、随意の第2の基材層1b、及びシーラント層3を有する。そしてシーラント層3は、海島構造の海部分を構成する樹脂3aと、海島構造の島部分を構成する樹脂3bとのブレンド樹脂から構成されている。
1つの態様において、本発明のトップシール材によってシールされるチューブ容器は、チューブ容器の口部がシールされる面において、軟化点がそれぞれ異なる樹脂を含む2以上の樹脂層の断面が表出しているチューブ容器である。そして1つの態様において、2以上の樹脂層のうちの1つが、他の樹脂層の樹脂よりも低い軟化点を有する低軟化点樹脂を含む。
1つの態様において、本発明のトップシール材によってシールされるチューブ容器は、軟化点がそれぞれ異なる樹脂を含む2以上の樹脂層の積層体で構成されており、かつ前記チューブ容器の口部がシールされる面に2以上の樹脂層の断面が表出している、ブローチューブ容器であってもよい。
例えば、図3に例示するように、チューブ容器口部40のシール面では、低軟化点樹脂層4aと他の樹脂層4bとが表出している。1つの態様において、本発明のチューブ容器用トップシール材10は、基材層1a、随意のバリア層2、随意の第2の基材層1b、及びシーラント層3を含み、上記チューブ容器口部40のシール面にシーラント層3の面を介して貼り合わせて用いることができる。
理論に限定されないが、本発明のチューブ容器用トップシール材は、チューブ容器口部の低軟化点樹脂と、トップシール材のシーラント層の海部分を構成する樹脂とが軟化する温度で加熱されたとしても、島部分を構成する樹脂は軟化しないため、島部分を構成する樹脂とチューブ容器口部との擬似接着は生じないため、チューブ容器口部の低軟化点樹脂と、トップシール材のシーラント層の海部分を構成する樹脂とを安定して溶着させることができると考えられる。
そのため、シール強度を強くするために、例えばシール温度を高くするなどの必要性はないため、本発明のチューブ容器用トップシール材は、低温度であってもチューブ容器口部と安定して溶着させることができると考えられる。また例えばシール温度が高いなどの最適条件より強いシール条件であっても、シーラント層の海島構造が壊れて開封強度にばらつきが生じる、易開封性が低下するなどの不具合を防止することができると考えられる。
さらに、チューブ容器口部をヒートシールしたときに溶融しない高軟化点樹脂を含む樹脂層が、トップシール材のシーラント層を貫通し、そして内容物が基材層/シーラント層間に侵入することによって引き起こされる、トップシール材のデラミネーションも発生しにくくなったと考えられる。
(基材層、及び随意の第2の基材層)
基材層は、チューブ容器用トップシール材の強度、シール時の耐熱性及び加工性、並びに開封性に必要なコシ等を保持させるために用いられる層である。上記性能のさらなる向上を図るため、最外層の基材層に加えて、随意のバリア層とシーラント層との間に、第2の基材層を積層させることが好ましい。
基材層、及び随意の第2の基材層に用いられる樹脂としては、上記性能を与えるものであれば特に制限されないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂(例えば、ナイロン、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロンMXD6)、ポリオレフィン系樹脂(ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、環状ポリオレフィン樹脂)等、並びにこれらの混合物を用いることができる。耐熱性、耐衝撃性をさらに向上させるため、上記のような各種樹脂フィルムに2軸延伸加工を施したものを使用することが好ましい。
なお、本明細書においてポリエチレン系樹脂とは、ポリマーの主鎖にエチレン基の繰返し単位を、30mol%以上、40mol%以上、50mol%以上、60mol%以上、70mol%以上、又は80mol%以上含む樹脂であり、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレン−メチルアクリレート共重合体(EMA)、エチレンビニルアセテート共重合体(EVA)、カルボン酸変性ポリエチレン、カルボン酸変性エチレンビニルアセテート共重合体、及びこれらの誘導体、並びにこれらの混合物からなる群より選択される。
本明細書においてポリプロピレン系樹脂とは、ポリマーの主鎖にプロピレン基の繰返し単位を、30mol%以上、40mol%以上、50mol%以上、60mol%以上、70mol%以上、又は80mol%以上含む樹脂であり、例えば、ポリプロピレン(PP)ホモポリマー、ランダムポリプロピレン(ランダムPP)、ブロックポリプロピレン(ブロックPP)、塩素化ポリプロピレン、カルボン酸変性ポリプロピレン、及びこれらの誘導体、並びにこれらの混合物が挙げられる。
上記の基材層、及び随意の第2の基材層には、例えば、文字、図形、絵柄、記号、その他等からなる所望の印刷模様層を設けることができ、この印刷模様層は、例えば通常のインキ組成物を使用して、オフセット印刷、グラビア印刷、フレキソ印刷、凸版印刷、その他等の印刷法によって設けることができる。
基材層、及び随意の第2の基材層の厚みは、5μm以上、10μm以上、15μm以上、20μm以上、又は30μm以上が好ましく、また200μm以下、100μm以下、又は50μm以下が好ましい。シール時の耐熱性、加工性、及び開封性等、所望の性能に合わせて、基材層及び随意の第2の基材層の厚みを選定することができる。
(バリア層)
バリア層は、水分及びガスバリア性を付与するために随意に用いられる層である。バリア層として、アルミニウム箔、アルミニウム蒸着膜を有する樹脂フィルム、無機酸化物蒸着膜を有する樹脂フィルム、エチレン−ビニルアルコール共重合体フィルム等が挙げられる。特に異物検査のための金属探知機を使用することができるため、バリア層として、無機酸化物蒸着膜を有する樹脂フィルムを用いることが好ましい。蒸着膜を形成する樹脂フィルムとして、例えば、ポリエステルフィルム(特に、ポリエチレンテレフタレートフィルム)、ポリプロピレンフィルム、ナイロンフィルム等を挙げることができ、特にこれらの延伸フィルムを用いることができる。
無機酸化物の蒸着膜としては、基本的には、金属酸化物の蒸着膜であれば使用可能であり、ケイ素(Si)、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、カリウム(K)、スズ(Sn)、ナトリウム(Na)、ホウ素(B)、チタン(Ti)、鉛(Pb)、ジルコニウム(Zr)、イットリウム(Y)等の金属の酸化物の蒸着膜を使用することができる。中でも生産性、及び価格面から、ケイ素(Si)及びアルミニウム(Al)の酸化物の蒸着膜が好ましい。無機酸化物蒸着膜は、公知の方法によって樹脂フィルムに形成することができ、例えば化学気相成長法、物理気相成長法、又は両者を併用することによって樹脂フィルムに無機酸化物蒸着膜を形成することができる。
バリア層にも、上述の基材層、及び随意の第2の基材層と同様に、印刷模様層を設けることができる。
バリア層の厚みは、好ましくは5μm以上、7μm以上、10μm以上、又は20μm以上であり、また60μm以下、50μm以下、又は40μm以下である。
(シーラント層)
本発明の1つの態様において用いられるシーラント層は、加熱によってチューブ容器口部と相互に溶着し得るヒートシール性を有し、かつイージーピール性を有する樹脂を含む層である。1つの態様において、シーラント層は、2種以上の樹脂がブレンドされた、海島構造を有するブレンド樹脂から構成されており、海島構造の海部分を構成する樹脂が、チューブ容器口部の低軟化点樹脂とヒートシールされる樹脂であり、かつ海島構造の島部分を構成する樹脂が、海島構造の海部分を構成する樹脂、及びチューブ容器口部の低軟化点樹脂よりも軟化点が高い樹脂である。
海島構造の海部分を構成する樹脂は、チューブ容器口部の低軟化点樹脂に応じて選択される。海島構造の海部分を構成する樹脂として、ポリオレフィン系樹脂(例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−αオレフィン共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、アイオノマー、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA))、共重合ポリエステル等が挙げられる。
海島構造の海部分を構成する樹脂の軟化点は、例えば130℃以下、120℃以下、110℃以下、105℃以下、又は100℃以下であってもよく、90℃以上、又は95℃以上であってもよい。
また海島構造の島部分を構成する樹脂は、海島構造の海部分を構成する樹脂に対して非相溶系又は部分相溶系の樹脂であり、チューブ容器口部の低軟化点樹脂、及び海島構造の海部分を構成する樹脂に応じて選択されるが、海島構造の島部分を構成する樹脂として、海島構造の海部分を構成する樹脂とは異なるポリオレフィン系樹脂(例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、エチレン−αオレフィン共重合体、ポリブテン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体)、ポリスチレン樹脂等が挙げられる。その他、上述の樹脂以外にも酸変性物などの樹脂の使用が可能である。
海島構造の島部分を構成する樹脂の軟化点は、例えば170℃以下、160℃以下、150℃以下、140℃以下、又は130℃以下であってもよく、110℃以上、115℃以上、又は120℃以上であってもよい。
海島構造の海部分及び島部分を構成する樹脂の他に、海島構造や凝集剥離機構をコントロールすること等を目的として、さらに複数の樹脂をブレンドすることができる。
本発明の1つの態様において、海島構造の島部分を構成する樹脂は、海島構造の樹脂の全重量に対して、3重量%以上、5重量%以上、8重量%以上、10重量%以上、20重量%以上、又は30重量%以上含有されていてもよく、50重量%以下、40重量%以下、30重量%以下、20重量%以下、10重量%以下、又は5重量%以下で含有されていてもよい。
海島構造の海部分を形成する樹脂の軟化点は、チューブ容器口部の低軟化点樹脂の軟化点の±15℃以内、±13℃以内、±10℃以内、±8℃以内、±5℃以内、又は±3℃以内であることが好ましい。シール温度の設定がより容易となり、無駄にシール温度を高く設定する必要性が少なくなるためと考えられる。
さらに好ましくは、海島構造の海部分を形成する樹脂の軟化点は、チューブ容器口部の低軟化点樹脂の軟化点よりも低いことが好ましく、チューブ容器口部の低軟化点樹脂の軟化点の−15℃以内、−13℃以内、−10℃以内、−8℃以内、−5℃以内、又は−3℃以内であることが好ましい。このような態様では、内容物が基材層/シーラント層間に侵入して引き起こされるトップシール材のデラミネーションを、さらに防ぐことができると考えられる。
本発明の1つの態様において、海島構造の島部分を構成する樹脂の軟化点は、海島構造の海部分を構成する樹脂、及びチューブ容器口部の低軟化点樹脂層の軟化点よりも高い。例えば、海島構造の島部分を構成する樹脂の軟化点は、海島構造の海部分を構成する樹脂、及びチューブ容器口部の低軟化点樹脂層の軟化点の+5℃以上、+10℃以上、+15℃以上、+20℃以上、又は+30℃以上であってよく、+100℃以下、+90℃以下、+80℃以下、+70℃以下、又は+60℃以下であってよい。
本明細書において、軟化点とは、JIS K7121に準拠して、示差走査熱量分析(DSC)を用いて測定した場合に、吸熱ピークが現れる温度をいう。例えば、本明細書において軟化点は、非晶性樹脂については、いわゆるガラス転移点であってもよく、結晶性樹脂についてはいわゆる融点であってもよい。したがって、非晶性樹脂については、ガラス転移点は軟化点と同じ測定方法によって決定することができ、結晶性樹脂については、融点は軟化点と同じ測定方法によって決定することができる。
具体的には、軟化点をDSCで測定する際には、温度23±2℃及び相対湿度50±5%において24時間以上静置した試料を、容器に約5.0mg充てんした。そして、窒素ガス流量20ml/minのもと、10℃/minの昇温速度で30℃〜200℃の間で昇温し、吸熱ピーク温度を測定した。なお、一般的なDSC測定では、測定試料が受けた熱履歴の影響を排除するために、一度昇温してから冷却し、2度目の昇温を行って、その際のデータを使用することがある。ただし、1回目の昇温時のデータの方が実際のシール時の挙動と対応することが多いため、本明細書における軟化点は、可能な限り、1回目の昇温時のDSC曲線から得られる軟化点を採用するものとする。
例えば、図4(a)は、海部分として104℃の軟化点(融点)を有する直鎖状低密度ポリエチレンと、島部分として129℃の軟化点(融点)を有するポリプロピレンとを含むブレンド樹脂のDSC曲線である。図4(b)は、海部分として110℃の軟化点(融点)を有する低密度ポリエチレンと、島部分として89℃の軟化点(ガラス転移点)を有するポリスチレンとを含むブレンド樹脂のDSC曲線である。図4(b)において、89℃のピークは小さいが、これはそのブレンド樹脂におけるポリスチレンの含有量の少なさに起因している。
本発明の1つの態様において、シーラント層は、軟化点又は融点が90℃以上130℃以下のポリエチレン系樹脂を含む海部分と、軟化点又は融点が110℃以上170℃以下であり、海部分の軟化点又は融点よりも高い、ポリプロピレン系樹脂を含む島部分を含有する、海島構造の樹脂の層であり、かつ加熱によってチューブ容器口部と相互に溶着し得るヒートシール性を有し、かつイージーピール性を有する樹脂を含む層である。例えば、その海島構造を有する樹脂は、軟化点又は融点が100℃以上120℃以下のポリエチレン系樹脂を含む海部分と、軟化点又は融点が110℃以上130℃以下のポリプロピレン系樹脂を含む島部分を含有する。また、この態様においても、シーラント層の島部分のポリプロピレン系樹脂の軟化点又は融点は、容器口部の低軟化点樹脂の軟化点又は融点よりも高いことが好ましい。
(トップシール材の製造方法)
本発明のチューブ容器用トップシール材は、基材層、随意のバリア層、随意の第2の基材層、及びシーラント層を有する積層体である。本発明のチューブ容器用トップシール材は、ドライラミネート法、サンドラミネート法等によって、基材層、随意のバリア層、随意の第2の基材層、及びシーラント層を順に貼り合わせて製造することができる。また必要に応じて、各層の接着性を高めるために、各層の接着面にあらかじめコロナ放電処理、オゾン処理、低温プラズマ処理等の処理を施し、各層を貼り合わせて本発明のチューブ容器用トップシール材を製造することもできる。ドライラミネート法は、接着剤を塗布し乾燥させた後、加圧し、接着剤を硬化させて貼り合わせる方法である。またサンドラミネート法は、貼り合わせるフィルムとの間に溶融させた各層を構成する樹脂又は接着用樹脂を押出し貼り合わせる方法である。
〈チューブ容器〉
チューブ容器は、軟化点がそれぞれ異なる樹脂を含む2以上の樹脂層の断面が、チューブ容器の口部がシールされる面において表出しており、該2以上の樹脂層の内の1つが、他の樹脂層の樹脂よりも低い軟化点を有する低軟化点樹脂を含むチューブ容器である。なお、本明細書においては、「チューブ容器」とは、端部が閉止されていない筒状体も包含する。
チューブ容器口部の低軟化点樹脂層は、上記シーラント層の海島構造の海部分を形成する樹脂に応じて選択されるが、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、メタロセン系のポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、熱可塑性エラストマー、ポリスチレン系樹脂、アイオノマー、変性ポリオレフィンと低密度ポリエチレン(LDPE)との混合物等を含むことができる。
チューブ容器口部の低軟化点樹脂の軟化点又は融点は、例えば130℃以下、120℃以下、110℃以下、105℃以下、100℃以下、又は95℃以下であってもよく、80℃以上、90℃以上、95℃以上、100℃以上、105℃以上、又は110℃以上であってもよい。例えば、口部の低軟化点樹脂は、軟化点又は融点が90℃以上130℃以下のポリエチレン系樹脂であってもよい。
チューブ容器口部の低軟化点樹脂層以外の樹脂層としては、例えば基材層、バリア性樹脂層等を挙げることができる。さらに、これらの層を接着する接着層が存在していてもよい。バリア性樹脂層は、例えばエチレン−ビニルアルコール共重合体、熱可塑性ポリエステル系樹脂、アクリルニトリル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂等から構成されていてもよい。また、基材層としては、トップシール材の基材層に関して述べた樹脂と同じ樹脂から選択される樹脂から構成されていてもよい。
例えば、低軟化点樹脂層以外の樹脂層は、軟化点が110℃以上、130℃以上、150℃以上、又は170℃以上であってもよく、250℃以下、220℃以下、200℃以下、180℃以下、又は160℃以下であってもよい。
上記チューブ容器としては、ラミネートチューブ容器、ブローチューブ容器等が挙げられる。
(ラミネートチューブ)
ラミネートチューブは、積層体を使用して、これを筒状に丸めてその重合端部をシールして筒状胴部を製造し、次いでその筒状胴部の一方の開口部に、例えば射出成形法、又は圧縮成形法等により口部、及び肩部を一体的に成形したものを高周波等により胴部に溶着して得ることができる。
この場合、チューブ容器胴部の積層材と、チューブ容器口部及び肩部の積層材は、異なった材料とすることもできるし、又は同一の材料とすることもできる。すなわち、チューブ容器口部がシールされる面において表出している、軟化点の異なる2以上の樹脂層は、チューブ容器胴部と同一の2以上の樹脂層であることもできるし、チューブ容器胴部の2以上の樹脂層とは異なる2以上の樹脂層であることもできる。
射出成形法により複数の層構成を有する口部、及び肩部を一体的に成形する方法として、ホットランナーノズルを配した金型を利用して成形する方法が知られている。複数の層構成を有する口部、及び肩部を一体的に成形した成形品として、内表面側と外表面側との二層を同じ溶融樹脂からなる層として、その間に中間層用溶融樹脂からなる層をサンドイッチさせ、二種三層の層構成を有する成形品が一般的である。
(ブローチューブ)
ブローチューブは、口部、肩部、及び胴部が一体的に成形される。ブローチューブは、押出ダイからチューブ状溶融樹脂を押出し、二つ割り金型内に導入し、金型を閉じた後に空気を吹きこみ溶融樹脂を金型に押し付けることによってブロー成形したものである。複数の層構成を有するブローチューブは、溶融樹脂を押出す押出し機を複数用い、複数の異なる樹脂をこの多層押出ダイから押し出すことで成形することができる。
この場合、チューブ容器胴部の積層材と、チューブ容器口部及び肩部の積層材は、同一の材料となる。すなわち、チューブ容器口部がシールされる面において表出している軟化点の異なる2以上の樹脂層は、チューブ容器胴部と同一の2以上の樹脂層となる。
ブローチューブもラミネートチューブと同様に、内表面側と外表面側との二層を同じ樹脂から構成し、その間の中間層を他の樹脂から構成して、二種三層の層構成を有するブローチューブが一般的である。
(その他)
二種三層の層構成を有するチューブ容器の場合、容器の内容物保存性を考慮して、中間層は上記のバリア性樹脂から構成されていることが好ましい。
さらにチューブ容器の各層を接着するために接着層を用いることができ、接着層として、変性ポリエチレン又はアイオノマー等が挙げられる。チューブ容器は、加工性等から低密度ポリエチレン/接着層/エチレン−ビニルアルコール共重合体/接着層/低密度ポリエチレンの順に積層された積層体が一般的に使用されている。
《製造例》
(実施例1)
<チューブ容器の作製>
評価用のチューブ容器をブロー成形により得た。具体的には、多層押出ダイからチューブ状溶融樹脂を押し出し、2つ割り金型内に設置し、金型を閉じた後に空気を吹きこみ、金型に溶融樹脂を押し付けることによってチューブ容器を得た。
得られたチューブ容器は、口部において「LDPE(軟化点:111℃)(厚み:370μm)/変性ポリオレフィン接着層(厚み:12μm)/EVOH(軟化点:182℃)(厚み:85μm)/変性ポリオレフィン接着層(厚み:12μm)/LDPE(軟化点:111℃)(厚み:370μm)」という層構成であった。成形したチューブ容器のサイズは、口部外径φ9.4mm、口部内径φ7.7mm、胴部外径φ24mm、厚み350μmであった。
<トップシール材の作製>
PETのコロナ処理を施した面上に接着剤を介してアルミニウム箔を積層して、積層体aを作製した。続いて、積層体aのアルミニウム箔上に接着剤を介して、第2のPETのコロナ処理を施した面を向かい合わせに積層して、積層体bを作製した。さらに第2のPETのコロナ処理を施した面上に接着剤を介してシーラント層を積層して、トップシール材を作製した。得られたトップシール材は、「PET(厚み12μm)/アルミニウム箔(厚み25μm)/PET(厚み12μm)/シーラント層(厚み30μm)」という構成を有していた。
ここで接着剤として、2液硬化型接着剤を用い、各接着剤の塗布量は3g/mとした。またシーラント層として、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)(軟化点:104℃)(海)の中に、ポリプロピレン(PP)(軟化点:129℃)(島)が分散している海島構造を有するブレンド樹脂を使用した。
チューブ容器及びトップシール材に用いた材料の各軟化点は、示差走査熱量計(EXSTAR6000、セイコーインスツル株式会社)を用いて、上述した方法によって測定した値である。
(実施例2)
実施例1と同様の手順でチューブ容器を作製した。また、シーラント層の厚みを50μmとしたこと以外は、実施例1と同様の手順で、トップシール材を作製した。
(比較例1)
実施例1と同様の手順でチューブ容器を作製した。また、シーラント層として、低密度ポリエチレン(LDPE)(軟化点:110℃)(海)の中に、ポリスチレン(PS)(軟化点:89℃)(島)が分散している海島構造を有する樹脂を使用したこと以外は、実施例1と同様の手順で、トップシール材を作製した。
(比較例2)
実施例1と同様の手順でチューブ容器を作製した。また、シーラント層として、ポリプロピレン(PP)(軟化点:161℃)(海)の中に、低密度ポリエチレン(LDPE)(軟化点:107℃)(島)が分散している海島構造を有する樹脂を使用したこと以外は、実施例1と同様の手順で、トップシール材を作製した。
(比較例3)
実施例1と同様の手順でチューブ容器を作製した。また、シーラント層として、ポリプロピレン(PP)(軟化点:161℃)(海)の中に、低密度ポリエチレン(LDPE)(軟化点:107℃)(島)が分散している海島構造を有する樹脂を使用したこと、及びシーラント層の厚みを50μmとしたこと以外は、実施例1と同様の手順で、トップシール材を作製した。
《評価》
(試験1:チューブ容器最内層の低軟化点樹脂との溶着試験)
各例のチューブ容器の胴部分、及びトップシール材をそれぞれ25mm幅の短冊状にカットした。そしてヒートシール試験機(TP−701−BS、テスター産業株式会社)を用いて、表1に記載の各温度に熱板を設定して、押圧2.5kg/cm、時間0.6秒のヒートシール条件で、各例のチューブ容器胴部の最内層(LDPE)とトップシール材のシーラント層とを熱溶着させた。その後15mm幅にカットして各例について複数のサンプルを作製した。各例のサンプルの溶着強度を、ストログラフ(VES10、株式会社東洋精機製作所)を用いて複数回測定した。
結果を表1に示す。
Figure 2017104621
実施例1及び2では、溶着強度のばらつきが少なく、広い温度領域でも十分な溶着強度が得られた。それに対して、比較例1については、海部分の樹脂の軟化点が低いために、シーラント層の海島構造が高温で破壊されることで、溶着強度にばらつきが発生すると考えられる。また、比較例2及び3では、海部分の樹脂の軟化点が高いことによって低温では海部分の樹脂が溶融しないため、低温では溶着しないと考えられる。
(試験2−1及び試験2−2:チューブ容器最内層の低軟化点樹脂との溶着試験)
ヒートシール条件を、押圧2.0kg/cm、時間0.6秒(試験2−1)、押圧2.0kg/cm、時間1.0秒(試験2−2)としたこと以外は、試験1と同様の方法で、実施例2及び比較例1のサンプルの溶着強度を測定した。
結果を表2に示す。
Figure 2017104621
試験2−1及び2−2を比較して、比較例1では、シール時間が長くなると特にシール温度が高い条件において溶着強度にばらつきが生じたのに対して、実施例2では、シール時間が長くなった場合でも安定した溶着強度が得られた。
(試験3:チューブ口元での溶着試験)
熱板を所定の温度に設定して、押圧3.0kg/cm、時間1.0秒のヒートシール条件で、実施例1及び2、並びに比較例1のトップシール材(40mm×25mm角)とチューブ容器の口部とを熱溶着させ、各例について複数のサンプルを作製した。その後、各例のサンプルの溶着強度を、ストログラフ(VES10、株式会社東洋精機製作所)を用いて複数回測定した。
結果を表3に示す。
Figure 2017104621
比較例1では、溶着強度にばらつきが生じたのに対して、実施例1及び2では、安定した溶着強度が得られた。
(試験4−1及び試験4−2:チューブ口元での溶着試験[試験条件変更])
実施例1及び比較例1について、30mm幅のトップシール材を繰り出し、チューブ容器の口部に連続的に、上部から熱板を押し当て溶着して、サンプルを作製した。そして、各例の複数のサンプルの溶着強度を、プッシュプルゲージ(9500シリーズ、アイコーエンジニアリング株式会社)を用いて測定した。溶着は、トップシール材の仮溶着をし、その後トップシール材の本溶着を行った。
結果を表4に示す。
Figure 2017104621
適性条件より強い条件(試験4−2)では、比較例1の溶着強度にばらつきがあり最大値で9.8Nと易開封しにくいサンプルも発生したのに対して、実施例1では、安定かつ適性な溶着強度を示した。
1a 基材層
1b 第2の基材層
2 バリア層
3 シーラント層
3a 海島構造の海構造を形成する樹脂
3b 海島構造の島構造を形成する樹脂
4a 低軟化点樹脂層
4b 他の樹脂層
10 チューブ容器用トップシール材
20 キャップ
40 チューブ容器口部
50 内容物
60 開放端部

Claims (11)

  1. チューブ容器の口部をシールするためのトップシール材であって、
    前記チューブ容器の口部がシールされる面において、軟化点がそれぞれ異なる樹脂を含む2以上の樹脂層の断面が表出しており、かつ前記2以上の樹脂層のうちの1つが、他の樹脂層の樹脂よりも低い軟化点を有する低軟化点樹脂を含み、
    前記トップシール材は、最外層としての基材層、及び最内層としてのシーラント層を少なくとも有し、
    前記シーラント層は、2種以上の樹脂がブレンドされた、海島構造を有するブレンド樹脂から構成されており、前記海島構造の海部分を構成する樹脂が、前記口部の低軟化点樹脂とヒートシールされる樹脂であり、かつ前記海島構造の島部分を構成する樹脂が、前記海島構造の海部分を構成する樹脂及び前記口部の低軟化点樹脂よりも軟化点が高い樹脂である、
    チューブ容器用トップシール材。
  2. 前記チューブ容器が、軟化点がそれぞれ異なる樹脂を含む2以上の樹脂層の積層体で構成されており、かつ前記チューブ容器の口部がシールされる面において前記積層体の前記2以上の樹脂層の断面が表出している、ブローチューブ容器である、請求項1に記載のチューブ容器用トップシール材。
  3. 前記シーラント層の前記海島構造の海部分を構成する樹脂の軟化点は、前記口部の低軟化点樹脂の軟化点の±15℃以内である、請求項1又は2に記載のチューブ容器用トップシール材。
  4. 前記シーラント層の前記海島構造の海部分を構成する樹脂の軟化点は、前記口部の低軟化点樹脂の軟化点よりも低い、請求項1〜3のいずれか一項に記載のチューブ容器用トップシール材。
  5. 前記口部の低軟化点樹脂はポリエチレン系樹脂であり、かつ前記シーラント層の前記海島構造の海部分を構成する樹脂はポリエチレン系樹脂であり、かつ前記海島構造の島部分を構成する樹脂はポリプロピレン系樹脂である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のチューブ容器用トップシール材。
  6. チューブ容器の口部をシールするためのトップシール材であって、
    前記チューブ容器の口部がシールされる面において、軟化点がそれぞれ異なる樹脂を含む2以上の樹脂層の断面が表出しており、かつ前記2以上の樹脂層のうちの1つが、他の樹脂層の樹脂よりも低い軟化点を有する低軟化点樹脂を含み、
    前記トップシール材は、最外層としての基材層、及び最内層としてのシーラント層を少なくとも有し、
    前記シーラント層は、2種以上の樹脂がブレンドされた、海島構造を有するブレンド樹脂から構成されており、前記海島構造の海部分が、軟化点が90℃以上130℃以下のポリエチレン系樹脂を含み、前記海島構造の島部分が、軟化点が110℃以上170℃以下でありかつ前記海部分のポリエチレン系樹脂の軟化点よりも高い、ポリプロピレン系樹脂を含む、
    チューブ容器用トップシール材。
  7. 前記基材層と前記シーラント層との間にバリア層を有する、請求項1〜6のいずれかに一項に記載のチューブ容器用トップシール材。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載のトップシール材、及び前記トップシール材でその口部がシールされているチューブ容器であって、前記チューブ容器の口部がシールされる面において、軟化点がそれぞれ異なる樹脂を含む2以上の樹脂層の断面が表出しており、かつ前記2以上の樹脂層のうちの1つが、他の樹脂層の樹脂よりも低い軟化点を有する低軟化点樹脂を含むチューブ容器を有する、トップシール材付きチューブ容器。
  9. 前記口部の低軟化点樹脂が、軟化点が90℃以上130℃以下のポリエチレン系樹脂である、請求項8に記載のトップシール材付きチューブ容器。
  10. 内容物を充填できるように端部が開放されている、請求項8又は9に記載のトップシール材付きチューブ容器。
  11. 内容物が充填されている、請求項8又は9に記載のトップシール材付きチューブ容器。
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