JP2013154943A - 蓋材 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 基材層、中間層、及び該中間層に隣接するシール層をこの順に有する積層体からなる蓋材において、該中間層は、アイオノマー樹脂からなる層であり、該シール層は、ポリエチレン樹脂からなる層であることを特徴とする、上記蓋材、及びそれを用いた包装体を提供する。
【選択図】 図1
Description
そして、その容器の開口部をシールする蓋材には、内容物の品質を確実に保護する密封性、及び、消費時に容易に開封することができる易開封性すなわちイージーピール性の両方が要求される。
この要求を満たす蓋材として、種々の層構成からなるものが提案されており、その開封の仕組みの違いにより、幾つかのタイプが存在する。
層間剥離タイプの蓋材を開封するために要する力、すなわち剥離強度(ピール強度)は、シール層と中間層との層間接着強度によって決まり、シール層と容器の被着部との接着強度には依存しない。したがって、密封時のヒートシール条件にばらつきがあったとしても、剥離強度は一定であるため、このタイプの蓋材は、安定した易開封性を示すことができる。
すなわち、基材層、中間層、及び該中間層に隣接するシール層をこの順に有する積層体からなる蓋材において、該中間層は、エチレン−メタクリル酸共重合体とアイオノマー樹脂との混合物からなる層であり、該シール層は、ポリエチレン樹脂からなる層であることを特徴とする、上記蓋材、及びそれを用いた包装体が、上記の目的を達成することを見出した。
1.基材層、中間層、及び該中間層に隣接するシール層をこの順に有する積層体からなる蓋材において、該中間層は、エチレン−メタクリル酸共重合体とアイオノマー樹脂との混合物からなる層であり、該シール層は、ポリエチレン樹脂からなる層であることを特徴とする、上記蓋材。
2.前記中間層の層厚が10〜100μmであり、前記シール層の層厚が1〜30μmであることを特徴とする、上記1に記載の蓋材。
3.前記ポリエチレン樹脂は、メルトフローレート(MFR:190℃、2.16kg荷重)が15〜80g/10分である高圧法低密度ポリエチレン(高圧法によって生成されるエチレンの単独重合体、以下「LDPE」と称する)であることを特徴とする、上記1〜3のいずれかに記載の蓋材。
4.前記中間層とシール層とが、共押出コーティング法により基材層上に積層されてなることを特徴とする、上記1〜4のいずれかに記載の蓋材。
5.前記シール層を介してヒートシールされた被シール体からの剥離が、前記シール層と前記中間層との層間剥離により行われることを特徴とする、上記1〜5のいずれかに記載の蓋材。
6.上記1〜6のいずれかに記載の蓋材と、ポリエチレン樹脂を表面にコートしたフランジ部を有する容器とからなり、該蓋材と該容器とを、該蓋材のシール層の面が容器のフランジ部と対向するように重ね合せ、ヒートシールしてなる包装体。
温度帯域が異なる異種の樹脂を有意な量で含むことがない。したがって、本発明の蓋材は、成形性に優れ、異臭の発生がなく、包装用途を限定せずに、食品や医薬品等の広範囲の内容物に対して使用することができる。
以下、本発明において使用される樹脂名は、業界において慣用されるものが用いられる。
なお、本発明において、メルトフローレート(MFR)とは、JIS K6922に準拠した手法から測定したものであり、特に記載のない限り、190℃、2.16kg荷重で測定した数値である。
また、本発明において、密度は、JIS K7112に準拠した手法から測定したものである。
図1は、本発明の蓋材を構成する積層体の層構成についてその一例を示す概略的断面図である。
図1に示されるように、本発明の蓋材を構成する積層体は、シーラント1と基材層4とからなり、シーラント1は、ポリエチレン樹脂からなるシール層2と、エチレン−メタクリル酸共重合体とアイオノマー樹脂との混合物からなる中間層3とからなる構成を基本とする。本発明の蓋材を用いて容器を密封するには、シール層2の側の接着面Pを、容器の被着面と対向するように重ね合せ、ヒートシールする。
図3に示されるように、本発明の蓋材Aのシール層2の側の接着面Pを、内容物12を充填した容器11の開口部のフランジ部13の被着面Qに対向させて重ね合せ、ヒートシールすることにより密封し、本発明の包装体Bを製造する。フランジ部13の被着面Qは、ポリエチレン樹脂でコートされており、シール層2を形成するポリエチレン樹脂と融着して、優れたシール安定性及び夾雑物シール性を示す。
本発明において、基材層としては、包装用途に応じて、蓋材として必要な強度、シール時の耐熱性、デッドホールド性、フラット性等を保持する任意の基材を使用することができる。本発明において好適に使用される基材の例としては、模造紙、クレイコート紙、クラフト紙、板紙、合成紙等の各種の紙、ポリエステル系樹脂フィルム、ポリアミド系樹脂フィルム、ポリオレフィン系樹脂フィルム等の各種樹脂フィルム、金属酸化物等の蒸着層を有する蒸着フィルム、アルミニウム箔等の金属フィルム、その他種々のバリア性フィルム、遮光性フィルム、及び、これらをラミネートした多層積層フィルムが挙げられる。フィルムのラミネートは、任意の方法により行うことができる。
基材層の層厚は、包装用途に応じて、当業者が適宜に決定することができる。
また、基材層の中間層積層面には、所望に応じて、コロナ放電処理、薬品処理、オゾン処理等の種々の表面処理を施したり、アンカーコート剤や接着剤をコーティングすればよい。
さらに、基材層の中間層積層面と反対側の表面には、所望に応じてさらなる層、例えば、文字、絵柄等の任意の印刷絵柄層やこれを保護する表面保護層を設けることができる。
本発明の蓋材において、中間層は、蓋材をヒートシールする際に、被着面の凹凸に追随して、密封性を補うクッション層としての機能を果たすと同時に、隣接して積層されるシ
ール層と基材層との接着層としても機能する。
本発明の蓋材において、中間層の層厚は、好ましくは10〜100μm、より好ましくは25〜60μmである。中間層の層厚が10μm未満では、被着面の凹凸、例えば紙製容器の糊代を張り合わせてできた繋ぎ目等に追随することができず、クッション層として機能しない。一方、層厚が100μmを超えると、均一な膜厚で製膜することが困難になる。
本発明の蓋材において、シール層は、容器の被着面と接する側の最表面、すなわち、包装体の最内層となる面を形成する層であり、ヒートシールにより溶融して、容器の被着面にコートされたポリエチレン樹脂層と接着する。
ポリエチレン樹脂としては、任意のポリエチレン、例えば低密度、中密度または高密度ポリエチレンが使用でき、またホモポリマー、コポリマーまたはグラフトポリマー等を使用できるが、好適には、密度が0.900〜0.930g/cm3の低密度ポリエチレン、特に、MFRが15〜80g/10分、より好ましくは15〜40g/10分のLDPEが使用される。
このLDPEを用いることにより、容器の被着面との高く安定したシール強度、及び、中間層との好適な剥離強度が得られる。LDPEのMFRが15g/10分未満であると、シール層の破壊強度が高まるため、包装体を開封する際に必要な初期開封抵抗、すなわち、最初にシール層を破壊するために必要な力が大きく、易開封性が損なわれる。一方、LDPEのMFRが80g/10分より大きいと、製膜性に劣る。
また、本発明において、シール層の層厚を5μm以上の厚さに設けることも可能である。このような層厚のシール層は、厳しい工程管理を必要とせずに安定して製膜することができ、さらに、高い密封性を提供することができる。
本発明の蓋材を構成する積層体の製造において、中間層とシール層とからなるシーラントは、各層の材料となる樹脂及び樹脂組成物を、Tダイ共押出機あるいは共押出インフレーション製膜機等を使用し、共押出することにより製膜される。ここで、中間層とシール層とからなる共押出フィルムを製膜し、これを、基材層を形成するフィルムとドライラミネートすることにより、本発明の蓋材を構成する積層体を製造することができる。
また、基材層を形成するフィルム上に、中間層とシール層とを直接、共押出コーティング法により積層して、該積層体を製造してもよい。
本発明の蓋材は、上記のようにして得られた積層体を、容器の開口部周辺に設けられたフランジ部の形状に合わせて打ち抜くことにより製造される。
容器のフランジ部は、ポリエチレン樹脂でコートされている。
坪量110g/m2のクレイコート紙に、紙層の中間層側に融点105℃、MFR8g/10分の低密度ポリエチレン層10μmを形成し、アルミニウム9μmと共押しラミネートを行った。
融点105℃、MFR55g/10分の低密度ポリエチレン100質量部、8μmのヒートシール層を用い、
中間層の押出し温度280℃、ヒートシール層の押出し温度250℃、ダイス温度260℃、ラインスピード80m/minで両者を共押出しラミネートし、下記構造の蓋材を作製した。
(層構成)
紙100g/PE10μm/Al9μm/エチレン−メタクリル酸共重合体とアイオノマー樹脂の混合物層30μm/ヒートシール層8μm
坪量110g/m2のクレイコート紙に、紙層の中間層側に融点105℃、MFR8g/10分の低密度ポリエチレン層10μmを形成し、アルミニウム9μmと共押しラミネートを行った。
)15質量部と、融点91℃、MFR5.0g/10分のアイオノマー樹脂(三井デュポン・ポリケミカル社製ハイミラン 1705)85質量部のブレンド層30μmの中間層を用い、
融点105℃、MFR45g/10分の低密度ポリエチレン100質量部、8μmのヒートシール層を用い、
中間層の押出し温度280℃、ヒートシール層の押出し温度250℃、ダイス温度260℃、ラインスピード80m/minで両者を共押出しラミネートし、下記構造の蓋材を
作製した。
坪量110g/m2のクレイコート紙に、紙層の中間層側に融点105℃、MFR8g/10分の低密度ポリエチレン層10μmを形成し、アルミニウム9μmと共押しラミネートを行った。
アルミニウム層の中間層側に、融点99℃、MFR8g/10分のエチレン−メタクリル酸共重合体(三井デュポン・ポリケミカル社製ニュクレル(登録商標) N0908N)5質量部と、融点91℃、MFR5.0g/10分のアイオノマー樹脂(三井デュポン・ポリケミカル社製ハイミラン 1705)95質量部のブレンド層30μmの中間層を用い、
融点105℃、MFR45g/10分の低密度ポリエチレン100質量部、8μmのヒートシール層を用い、
中間層の押出し温度280℃、ヒートシール層の押出し温度250℃、ダイス温度260℃、ラインスピード80m/minで両者を共押出しラミネートし、下記構造の蓋材を作製した。
樹脂組成物中のLDPEとして、MFR20g/10分、融点106℃のLDPEの代わりに、MFR4g/10分、融点110℃のLDPEを用いる以外は、実施例1と同様にして、クレイコート紙(坪量110g/m2)/LDPE層(層厚10μm)/アルミニウム箔(厚さ9μm)/中間層(層厚35μm)/シール層(層厚10μm)、の層構成を有する積層体を得た。
次いで、この積層体を用いて、実施例1と同様にして、蓋材及び包装体を製造した。
実施例1〜実施例3及び比較例1で得られた包装体について、易開封性、開封感、開封外観を以下の基準により評価した。結果を表1に示す。
(易開封性の評価)
JIS Z0238に定められる容器の破裂強さ試験に従って、破裂時(ヒートシール部が開封し、空気漏れが起きる)の圧力(単位kPa)を測定した。
(開封感・開封外観の評価)
各包装体について、開封時の感触を判定し、開封後のシール部の外観を目視で評価した。
2.シール層
3.中間層
4.基材層
4a.基材フィルム
4b.ガスバリア性フィルム
11.容器
12.内容物
13.フランジ部
A、A1.蓋材
B.包装体
P.蓋材の接着面
Q.フランジ部の被着面
Claims (4)
- 基材層、中間層、及び該中間層に隣接するシール層をこの順に有する積層体からなる蓋材において、
該中間層は、エチレン−メタクリル酸共重合体とアイオノマー樹脂との混合物からなる層であり、
該シール層は、メルトフローレート(MFR:190℃、2.16kg荷重)が15〜80g/10分である高圧法低密度ポリエチレンからなる層であり、
該中間層の層厚が10〜100μmであり、該シール層の層厚が1〜30μmであることを特徴とする、上記蓋材。 - 前記中間層とシール層とが、共押出コーティング法により基材層上に積層されてなることを特徴とする、請求項1に記載の蓋材。
- 前記シール層を介してヒートシールされた被シール体からの剥離が、前記シール層と前記中間層との層間剥離により行われることを特徴とする、請求項1または2に記載の蓋材。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の蓋材と、ポリエチレンを最内面にコートした容器とからなり、該蓋材と該容器とを、該蓋材のシール層の面が容器のフランジ部と対向するように重ね合せ、ヒートシールしてなる包装体。
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