JP2007112879A - 廃棄物熱分解処理システムおよび方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】バイオマス等の廃棄物を熱分解するキルン11と、キルン11で発生した熱分解ガス及びタールを冷却・凝縮して油化する油化装置12と、油化装置12によって回収された油を貯留する油回収タンク13とから構成された油化システム1と、カーボンブラック生成装置21、バグフィルタ22、スクラバ23及び脱硫器24を順次配置して構成されたカーボンブラック生成システム2とを有し、バイオマス等の廃棄物を熱分解して得られる熱分解ガス及びタールから各種油分を回収し、この各種油分を原料炭化水素としてカーボンブラック生成装置21に導入し、また、油化装置12において油に凝縮しなかったオフガスを燃焼用燃料としてカーボンブラック生成装置21に導入する。
【選択図】図1
Description
(1−1)システムの全体構成
図1は、本発明を適用した廃棄物熱分解処理システムの一つの実施形態を示す図である。この廃棄物熱分解処理システムは、大別して、バイオマス等の廃棄物を熱分解して得られる熱分解ガス及びタールから各種油分を回収する油化システム1と、この油化システム1における熱分解処理により得られた各種油分とオフガスとを利用してカーボンブラックを生成するカーボンブラック生成システム2から構成されている。
ここで、前記カーボンブラック生成装置21について詳述する。なお、本実施形態で用いられるカーボンブラック生成装置21は、オイルファーネス法を用いたものであり、図2に示すように構成されている。
次に、以上のような構成を有する廃棄物熱分解処理システムによる廃棄物熱分解処理方法について説明する。
まず、キルン11にバイオマスやその他の有機性廃棄物が投入されると、キルン11において、それらのバイオマスやその他の有機性廃棄物は、350〜850℃で熱分解される。この結果、キルン11からは、炭化物やその他の金属が残渣として取り出されると共に、熱分解ガス及びタールが生成され、この熱分解ガス及びタールは油化システム1の油化装置12に送られる。また、炭化物以外の残渣、例えば、カルシウムやシリカ、鉄、非鉄金属等は、物質資源や材料資源として回収される。また、熱分解により発生する熱は、熱エネルギーとしてシステム内あるいはシステム外に供給される。
油化システム1の油化装置12にキルン11からの熱分解ガス及びタールが導入されると、油化装置12において、熱分解ガス及びタールが冷却され、油分が凝縮されて油回収タンク13に回収される。そして、この油回収タンク13に回収された各種油分が、適宜、カーボンブラック生成装置21の原料導入ノズル38を介して、炉内に供給される。
上述したように、カーボンブラック生成装置21の燃料バーナ37を介して炉内に供給されたオフガスは、燃焼域32で燃料として燃焼されて、高温の燃焼ガスを生成する。この燃焼ガス流は燃焼域32に連設された反応域34に導かれ、ここで、原料導入ノズル38を介して炉内に供給された各種油分(原料炭化水素)と反応する。
カーボンブラック生成装置21で得られたカーボンブラック含有ガスは、後段のバグフィルタ22に送られ、このバグフィルタ22において、カーボンブラックが分離捕集されることにより、ガスが除塵される。除塵されたガスは後段のスクラバ23に送られる。
バグフィルタ22で除塵されたガスは、後段のスクラバ23に送られ、このスクラバ23において洗浄されることにより、薬品類や有価金属類がガス中から除去される。具体的な薬品類としては、例えば、アンモニア、塩化水素、シアン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸基、リン酸基、シアン基、等が取り出される。また、具体的な有価金属類としては、例えば、水銀、カリウム、ナトリウム、鉛、亜鉛、等の有価金属や、リン等の非金属有価物が取り出される。
上記のようにして得られたキルン11からの炭化物と、バグフィルタ22で捕集されたカーボンブラックとが、カーボン材料としてマテリアルリサイクル処理される。具体的には、各種の変換技術、すなわち、重力/遠心力分離、瞬爆、水分離、熱処理、放電処理、等の変換技術を用いて、フラーレン、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン等の高機能性を有するナノカーボンが生成される。
以上のように本実施形態によれば、バイオマス等の廃棄物を熱分解装置で熱分解することにより生成された熱分解ガス及びタールを、油化装置によって凝縮することにより油化して、各種油分を回収し、この油分を適宜、カーボンブラック生成装置の原料炭化水素として炉内に供給することができ、また、油化装置において油に凝縮しなかったオフガスも、カーボンブラック生成装置の燃料あるいは燃料の一部として炉内に供給することができるので、バイオマス等の廃棄物をカーボンブラックの製造に有効に利用することができる。
なお、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で他にも多種多様な変形例が実施可能である。
11…キルン(熱分解装置)
12…油化装置
13…油回収タンク
2…カーボンブラック生成システム
21…カーボンブラック生成装置
22…バグフィルタ
23…スクラバ
24…脱硫器
31…発生炉
32…燃焼域
33…原料導入域
34…カーボンブラック生成反応域
35…反応停止域
36…酸素含有ガス導入ダクト
37…燃料バーナ
38…原料導入ノズル
39…急冷用水噴射ノズル
Claims (11)
- 廃棄物を熱分解する熱分解装置と、この熱分解装置で生成されたガスを凝縮して油化する油化装置とを備えた油化システムと、
所定の燃料と酸素含有ガスとを燃焼させて得られる燃焼ガスによって加熱された高温雰囲気ゾーンに、原料炭化水素を導入してこれを熱分解する方式のカーボンブラック製造装置とを備え、
前記油化システムにより得られる生成物を、前記カーボンブラック製造装置に導入してカーボンブラックを生成することを特徴とする廃棄物熱分解処理システム。 - 前記カーボンブラック製造装置に導入される原料炭化水素が、前記油化システムにより回収される熱分解生成油であることを特徴とする請求項1に記載の廃棄物熱分解処理システム。
- 前記カーボンブラック製造装置に導入される原料炭化水素の一部として、前記熱分解装置から排出される熱分解残渣を用いることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の廃棄物熱分解処理システム。
- 前記カーボンブラック製造装置に導入される原料炭化水素の一部として、前記熱分解装置から排出される熱分解残渣から分離抽出した微細カーボン以外の残渣を用いることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の廃棄物熱分解処理システム。
- 前記カーボンブラック製造装置に導入される燃焼用の燃料の一部として、前記熱分解装置から排出される熱分解ガスを用いることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の廃棄物熱分解処理システム。
- 前記カーボンブラック製造装置に導入される燃焼用の燃料の一部として、前記油化装置によって凝縮回収されなかったオフガスを用いることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の廃棄物熱分解処理システム。
- 前記熱分解装置に導入される廃棄物が、廃プラスチックであることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一に記載の廃棄物熱分解処理システム。
- 前記熱分解装置に導入される廃棄物が、カーシュレッダーダストであることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一に記載の廃棄物熱分解処理システム。
- 前記熱分解装置に導入される廃棄物が、バイオマスであることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一に記載の廃棄物熱分解処理システム。
- 廃棄物を熱分解する熱分解装置と、この熱分解装置で生成されたガスを凝縮して油化する油化装置とを備えた油化システムにより得られる生成物を、
所定の燃料と酸素含有ガスとを燃焼させて得られる燃焼ガスによって加熱された高温雰囲気ゾーンに、原料炭化水素を導入してこれを熱分解する方式のカーボンブラック製造装置に導入してカーボンブラックを生成することを特徴とする廃棄物熱分解処理方法。 - 前記カーボンブラック製造装置に導入される原料炭化水素が、前記油化システムにより回収される熱分解生成油であることを特徴とする請求項10に記載の廃棄物熱分解処理方法。
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