JP4487017B1 - バイオマスを原料にしたバイオマスカーボンブラックの製造方法及びその装置 - Google Patents

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Abstract

バイオマスからバイオマスカーボンブラックを製造する熱分解方法及びその装置を提供することである。
バイオマス粉末を定量供給する原料供給工程と、粉末を分散させる粉末分散工程と、窒素ガス雰囲気下及び所定圧力下で、前記粉末を所定温度で加熱する予備加熱ゾーンと、前記加熱後粉末を所定温度で熱分解する熱分解ゾーンと、前記熱分解ゾーン後の熱分解を補完する熟成ゾーンの3つのゾーンからなる熱分解工程と、植物性カーボンに磁界を通過させる工程と、急冷させる工程と、植物性カーボンを捕集する工程とを含む工程設定することにより実現できた。
【選択図】図1

Description

本発明は、バイオマス原料から植物性カーボンの製造方法及びその装置に関する。さらに詳しくは、粉末のバイオマス原料からバイオマスカーボンブラックなど植物性カーボンの製造方法及び装置に関する。
従来は、高機能のカーボンブラックの製造方法としては化石燃料系物質芳香族炭化水素を高温で不完全燃焼させ、または熱分解して種々の処理工程を経て製造する方法がある。
一般的知られ最も多く使用されているカーボンブラックの製造方法としては、原料として原油やナフサ等から精製された芳香族重質油ミストを使用し、不活性雰囲気中において高温度1000°C〜2000°Cで熱分解した後に種々の処理をしてカーボンブラックを製造するオイルファーネス法が知られている(例えば特許文献1参照)。
一方、バイオマスの利用方法としては、燃焼によるエネルギー化、発酵によるエタノール生成、または古来からの木炭製造などの技術があり、その中でバイオマスを原料とする加熱技術が開示されている。
バイオマスを熱分解原料として、気流層または噴流層で熱分解反応によってガス、タール及びバイオマスチャーの生成物を得るバイオマス熱分解法であって、該熱分解反応の熱源として800°C以上の高温ガスを用いるバイオマス熱分解技術で、バイオマスを熱分解した際に生成する生成物は、揮発分を主体としたガス、タールと、固定炭素を主体にしたチャーに転換され、固形分であるバイオマスチャーをバイオマスと併用してガス原料とする技術が開示されている(例えば特許文献2参照)。
また、バイオマスを乾燥させる乾燥工程と、乾燥後のバイオマスを空気遮断状態での間接加熱により400〜900°Cの熱分解ガスと固形炭化物に分離する熱分解工程と、前記熱分解工程で得られた熱分解ガス中に含有する常温常圧で液化する高沸点液状ガスを400〜900°Cで反応する触媒を用いた改質反応によって常温常圧で液化しない水素、一酸化炭素、メタン等の低沸点のガスに変換するガス改質工程と、改質後の改質ガスを冷却、浄化してガス中の水分、腐食成分及び重金属を除去するガス冷却・浄化工程とを含んだバイオマス熱分解技術で得られた浄化後の浄化ガスを熱分解工程、または熱分解工程及び乾燥工程に導入し熱源として利用し、または得られた固形炭化物を、堆肥原料、石炭焚きの火力発電所用燃料、またはシャフト炉式廃棄物溶融炉の溶融燃料代替物として利用する技術が開示されている(例えば特許文献3参照)。
特開平9−31357号公報 特開2003−268390号公報 特開2006−225483号公報
特許文献1に記載のカーボンブラックを製造するオイルファーネス法は、化石燃料である芳香族炭化水素物質を高温環境で気化させてカーボン炭素原子を分離する方法であり、輸入に依存する原油などから精製された油を原料とし、該油を噴霧させ、1000°C〜2000°Cの燃焼ガスで燃焼させ、気化させて冷却し捕集するなどの工程を経てカーボンブラックが製造されるので、高温にしなければならないという問題があった。
また、オイルファーネス法では、液体である化石燃料を気化した液体粒子は40μ相当の大きさであるため、加熱しても粉末の表面と中心部とでは距離があるから表面と中心部との反応が異なり加熱反応の範囲は分子レベルに留まり、炭素化が原子レベルまで進行していないという問題があり、高温度かつ長時間の反応時間が必要という問題があり、装置も大きな規模になるという問題があった。
また、熱分解によるバイオマスの利用技術は、熱分解ガスを燃料としての利用、及び炭化物であるバイオマスチャーをガス原料または石炭焚きの火力発電所用燃としての利用など、熱分解ガス及び固形炭化物ともエネルギー源としての利用技術に関するものが主であり、有機物であるバイオマスを無酸素状態で加熱すると生じる化学反応によってバイオマスが炭素化する性質を考慮すると、まだ確立されてないバイオマスを原料とした炭素化技術があるという課題があった。
一般的に、炭素原子からできた粉末などのカーボン材料は、高い耐熱性、高い耐食性、高い導電性、高い伝熱性、低い熱膨張性、そして軽量性などの性質を有するが、生成条件によっては前記性質が大きく変わるという側面を有している。
したがって、新たなカーボン生成条件を折り込んだバイオマスの成分分離技術の開発によって、従来にない新たな性質を有し新たな用途が開けるカーボンができる可能性がある。
そこで、本発明の目的は、バイオマス原料からカーボンを製造する方法であって、低温度下での製造が可能であり、新たな性質を有するカーボンを生成する熱分解方法及びその装置を提供することである。
代表的なバイオマスである木材を化学組成でみると、主にセルロース、ヘミセルロース及びリグニンから組成されており、セルロースは分子式(C10)nで表されるなど蛋白質6印環構造の炭素結合の強い部分と比較的遊離し易い分子結合の部分からなる炭水化物であり炭素原子が含まれている。
また、一般的にカーボンブラックを生成するときの原料となる原油から精製されるナフサからはエチレンC、エタンC、プロピレンCまたはブタンC10などが精製されるが、いずれも炭素原子が含まれているが、結合状態は炭素結合ではなく分解して個々の炭素として取り出さなければならない。
そこで、発明者は、植物は常温で光合成のもとで化石原料に相当する分は芳香族系物質を蛋白質の形で生成し、これ等をもとにセルロースやリグニンなどの6印環炭素物質を生成している。これらの生成過程は常温であることから、低温領域の熱分解により光合成時の反応を逆にたどることにより活性度の高い炭素の生成が可能であると考えた。
そして、カーボン生成方法を分解ガスの再合成とせずに植物の光合成の過程を逆にたどるべく光合成で作られた分子結びつきの強い六印環炭素を低温で固定化し、ガス化する前に六印環炭素に分子結合している化石原料のナフサ系分子CH、CH、OH、CHまたはCOOHなどの分離を低温で行うことを考えた。
下記式Iで表されるセルロースは6印環の強い結合炭素5個からなる構造で、下記式IIで表されるリグニンは6印環の強い結合炭素6個からなる構造で、ともに分子構造は下記式IIIで表されるベンゼン分子構造に似た構造であり、前記6印環である炭素結合先のうちの1個が置き換わりCH、CH、OH、CHまたはCOOHなどと分子結合をして、新たに分子結合された分子構造が原油から精製されるナフサの成分に類似した分子構造である。
Figure 0004487017
そして、発明者は、前記分子構造における個々の分子間の結びつきは、分子や原子のエネルギー力の強弱に影響されると考えた。そして、植物と相性のよい窒素ガス雰囲気中で、セルロースやリグニンに高周波電源でプラズマ現象を作用させることによって、セルロースやリグニンなどは高分子から低分子化に変質させてセルロース骨格を消滅させ芳香環炭素を生成させて、6印環のカーボンを分子構造のまま固定化させて、一般式(III)に表すベンゼン構造のように炭素との結合が強くなく、他の結合状態の緩い分子、例えば一般式(I)に表すセルロースにおけるCHOHおよびOH、または一般式(II)の表すリグニンにおけるOH及びOCHの分離しやすい分子を遊離しガス化させることを着想した。
本発明において、「急速熱分解」とは、原料である粉末からカーボンを生成する方法であって、原料を窒素ガス雰囲気中及び低温度域で自由落下させる短時間内でプラズマ放電熱分解を実施しカーボンを生成する方法を意味する。
本発明において、「ホットウォ―ル」とは、特許第3629441号の段落[0057]に記載されている補助加熱部材と略同一物であり、特許第3629441号の図5に示す構造と略同一の構造であって、本発明の図4に示す構造をした円筒状の補助加熱部材を意味し、煉瓦やモルタル等の断熱材からなる円弧状に形成された断熱部材と、この断熱部材に嵌設されたニクロム線等の金属ヒータや黒鉛ヒータ等からなる棒状の通電発熱体とからなる構成をしている。
本発明において、「インバーターパルス電源装置」とは、特許3377501号の段落[0026]に記載されている「A/D変換器及びI/Oポートが設けられ、さらにパルス電源回路と、これを制御するCPUと、メモリを有している」電源装置と略同一の電源装置であり、本発明におけるメモリも特許3377501号の段落[0027]に記載されている「必要に応じて各種の制御情報がシリアル通信で管理制御装置から電源装置に送られ、それが指示データならば格納する」メモリと略同一であり、本発明におけるCPUも特許3377501号の段落[0028]に記載されている「メモリに格納されたデータはCPUによって随時読み出され、このCPUにより、D/A変換器を介してパルス電源回路が制御されるようになっている」CPUと略同一である。
本発明において、「窒素ガス雰囲気中」とは、窒素ガス雰囲気中であるが不活性ガス雰囲気中も含む意味であり、「分散」とは、粉末が凝集化または塊化しておらず、10μm以下のサイズで個々ばらばらの状態で気相中に満遍なく散らばっていることを意味する。
本発明において、「炭素」と「カーボン」とは一般には同義語であるが、「炭素」は元素または原子を意味する場合に使い、「カーボン」は固形炭化物を意味し炭素原子からできた粉末などの材料を示す場合に使い、「植物性カーボン」とはバイオマスから得られたカーボンを意味し、かつ用途面からはカーボンブラックを意味する。
本発明において、「二重スクリューフィーダー」とは、2本のスクリューフィーダーがそれぞれのスクリュー部分が交互になるように並設させた二重スクリュー構造で構成されていることを意味する。二重スクリューフィーダー構成にすることにより、1本のスクリューフィーダー構成の場合に比較して、絡まりやすく、定量切り出しのし難いバイオマス粉末を少量ずつ定量的に移送し切り出すことができる。
「発明が解決しようとする課題」に記載した課題を解決するために、請求項1に係るバイオマスを原料にしたバイオマスカ−ボンブラックの製造方法の発明は、バイオマス粉末を定量供給し落下させる原料供給工程と、前記落下直後の粉末を分散させる粉末分散工程と、窒素ガス雰囲気中及び所定圧力下で、前記粉末を所定温度で加熱して表面炭化する予備加熱ゾーンと、前記予備加熱ゾーン後に粉末を所定温度で放電発熱、加熱及び熱分解する熱分解ゾーンと、前記熱分解ゾーン後の熱分解熟成時間を設けた熟成ゾーンの3つのゾーンに熱分解工程を分け、熱分解ゾーンのみの1熱分解工程、予備加熱ゾーンと熱分解ゾーンからなる2熱分解工程、または予備加熱ゾーン、熱分解ゾーン及び熟成ゾーンからなる3熱分解工程のうちのいずれか一つからなる熱分解工程と、生成された植物性カーボンを捕集し計量する捕集工程と、を含む工程からなることを特徴とする。
請求項2に係るバイオマスを原料にしたバイオマスカ−ボンブラックの製造方法の発明は、請求項1において、熱分解工程後に、生成された植物性カーボンの落下路に磁界を発生させる磁化工程、及び/または生成された植物性カーボンに対しサブゼロを含む急速冷却する急冷工程を設けることを特徴とする。
請求項3に係るバイオマスを原料にしたバイオマスカ−ボンブラックの製造方法の発明は、請求項1または2において、熱分解工程が、熱分解管を加熱させる方法と、加熱された熱分解管の熱の放熱を防止する方法と、加熱された熱分解管の温度を保温する方法と、熱分解管からの粉末及び熱分解ガスの拡散を防ぐ方法とを含むことを特徴とする。
請求項4にかかるバイオマスを原料にしたバイオマスカ−ボンブラックの製造方法の発明は、請求項1乃至3のいずれかにおいて、原料供給工程、粉末分散工程、熱分解工程、磁化工程、サブゼロを含む急冷工程及び捕集工程を窒素ガス雰囲気下で、かつ所定圧力下にすることを特徴とする。
請求項5にかかるバイオマスを原料にしたバイオマスカ−ボンブラックの製造方法の発明は、請求項1乃至4のいずれかにおいて、捕集工程における植物性カーボン捕集量により原料供給工程における供給量を自動制御する方法、原料供給量により熱分解管及びホットウォールに嵌設された通電発熱体の加熱温度を自動設定する方法、熱分解工程における設定加熱温度と熱分解管及び前記通電発熱体の検知温度との差により熱分解管及び前記通電発熱体の加熱用電流を自動制御する方法、原料供給量により粉末分散工程における窒素ガス噴霧量を自動制御する方法、熱分解工程における設定圧力と熱分解管内圧力との差により窒素ガス供給量を自動制御する方法とを含む装置自動制御方法を設けることを特徴とする。
請求項6にかかるバイオマスを原料にしたバイオマスカ−ボンブラックの製造装置の発明は、バイオマス粉末を二重スクリューフィーダーにより定量供給し自由落下させる原料供給手段と、前記原料供給手段の粉末吐出部の周囲に設置した輪状ガス管に配設したノズルからの窒素ガス噴霧により自由落下直後の粉末を分散させる粉末分散手段と、窒素ガス雰囲気下及び所定圧力下で、前記粉末を所定温度で加熱して表面炭化する予備加熱ゾーンと、前記予備加熱ゾーン後に粉末を所定温度で加熱して熱分解する熱分解ゾーンと、前記熱分解ゾーン後の熱分解熟成時間を設けた熟成ゾーンの3つのゾーンに熱分解手段を分け、熱分解ゾーンのみの1熱分解手段、予備加熱ゾーンと熱分解ゾーンからなる2熱分解手段、または予備加熱ゾーン、熱分解ゾーン及び熟成ゾーンからなる3熱分解手段のうちのいずれか一つからなる熱分解手段と、生成された植物性カーボンを捕集しロードセルを設けた捕集手段と、を含む手段からなることを特徴とする。
請求項7にかかるバイオマスを原料にしたバイオマスカ−ボンブラックの製造装置の発明は、請求項6において、熱分解手段後における植物性カーボンの自由落下路の周囲に電流供給により磁界を発生させるコイルを周設した磁界発生手段を設けることを特徴とする。
請求項8にかかるバイオマスを原料にしたバイオマスカ−ボンブラックの製造装置の発明は、請求項6または7において、磁界発生手段後の植物性カーボンを急速冷却するための冷却水管又はサブゼロ処理する冷媒流路管などの急冷手段を設けることを特徴とする。
請求項9にかかるバイオマスを原料にしたバイオマスカ−ボンブラックの製造装置の発明は、請求項6乃至8のいずれかにおいて、熱分解手段が、電流供給により熱分解管内の気相温度昇温と放電現象を生じさせる熱分解管と、該熱分解管の外周を包囲するように配設させた円筒形の薄肉状の内套と、該内套の外周を包囲するように配設させた、通電発熱体を嵌設させた円筒形で分割可能な断熱部材とからなるホットウォールと、を含む手段からなることを特徴とする。
請求項10にかかるバイオマスを原料にしたバイオマスカ−ボンブラックの製造装置の発明は、請求項6乃至9のいずれかにおいて、熱分解手段における熱分解管がチタン、モリブデン、タングステン、白金及び黒鉛のうちの一つ又は複数の材質からなり、前記熱分解管内に吊設された触媒体がチタン、モリブデン、タングステン、ニッケル、鉄、セシューム、リチューム、白金及び黒鉛のうちの一つ又は複数の材質からなることを特徴とする。
請求項11にかかるバイオマスを原料にしたバイオマスカ−ボンブラックの製造装置の発明は、請求項6乃至10のいずれかにおいて、熱分解手段で生じた熱分解ガスを排気ポンプなどにより吸引し、冷却水などで液化処理するガス冷却手段を設けることを特徴とする。
請求項12にかかるバイオマスを原料にしたバイオマスカ−ボンブラックの製造装置の発明は、請求項6、または8乃至11のいずれかにおいて、原料供給手段、粉末分散手段、熱分解手段及び捕集手段に、または、原料供給手段、粉末分散手段、熱分解手段、磁化手段、急冷手段及び捕集手段に、シール手段及び窒素ガス発生及び供給手段を設けることを特徴とする。
請求項13にかかるバイオマスを原料にしたバイオマスカ−ボンブラックの製造装置の発明は、請求項6乃至12のいずれかにおいて、捕集手段における植物性カーボン捕集量により原料供給手段における供給量を二重スクリューフィーダーのサーボモーターの回転数を可変させることで原料供給量を自動制御する手段、原料供給量により熱分解管及びホットウォールに嵌設された通電発熱体の加熱温度を自動設定する手段、熱分解管及びホットウォールに嵌設された通電発熱体の加熱温度の設定温度と温度検知手段により検知された温度との差により熱分解管及びホットウォールに嵌設された通電発熱体の加熱用電流を可変させることで加熱温度を自動制御する手段、原料供給手段における供給量により粉末分散手段における窒素ガス噴霧量を圧力調整弁により自動制御する手段、及び熱分解手段における設定圧力と検知圧力との差により窒素ガス供給量を圧力調整弁により圧力を自動制御する手段を含む装置自動制御手段を設けることを特徴とする。
請求項14にかかるバイオマスを原料にしたバイオマスカ−ボンブラックの製造装置の発明は、請求項6乃至13のいずれかにおいて、粉末分散手段及び/又は捕集手段に照明灯付き観察窓を配設することを特徴とする。
請求項1に記載の発明は、バイオマス粉末を少量ずつ定量的に連続供給し、前記バイオマス粉末が自由落下直後から凝集化または塊化することがなく分散させた状態で自由落下させることができるので、個々のバイオマス粉末に対する熱分解による炭素化がすべて均一に進行させることができ、バイオマス粉末からの植物性カーボンの品質の均一化に加えて植物性カーボンの収率を向上させることができるという効果を奏する。粉末の分散化は熱分解に係る重要な因子である。
熱分解の進行過程を3つのゾーンとして捉え、かつ熱分解管33を3つ以上の複数積層構造をすることができるので、それぞれの熱分解管33ごとに異なる加熱温度を設定することができ、それぞれの熱分解管33の長さを変えることにより異なる熱分解時間を設定することができるようになったので、バイオマスの種類や大きさなどの状態、または熱分解による炭素化進行状況に適した熱分解条件を設定することが容易にできるようになり、また、前記熱分解による炭素化進行状況に適した熱分解条件の設定により生産量拡大ができるという効果を奏する。
これにより、バイオマスの種類などにより必要な熱分解時間が異なっても、熱分解ゾーンの自由落下距離により熱分解時間の変更ができ、また分割された熱分解管33ごとに熱分解温度を変えられるので、同一の熱分解塔13でバイオマス原料の材質が異なっても適した熱分解条件を設定することができるという効果を奏する。
バイオマスは熱伝導性が悪く、粉末がミリ単位の大きさであるときは熱伝導に時間がかかる。そこで、バイオマスの原料段階で100μm〜1μmの大きさにするだけでなく、熱分解ゾーン16の前段階である予備加熱ゾーン15での加熱を設定することにより、バイオマス粉末を表面炭化させ、低分子化させる。
微粒子化により、微粒子の表面と内部とも受けるエネルギーに差がなくなり、加熱やプラズマ効果で、微粒子の熱伝導度が高くなって分子や原子レベルでの分離がしやすくなり、熱分解ゾーン16において熱分解に適した加熱温度とプラズマ現象により熱分解が促進されるという効果を奏する。粉末の微粒子化、表面炭化及び低分子化は熱分解に係る重要な因子である。
本発明では、固体であるバイオマス粉末を予備加熱ゾーン15において10nm〜30nmの大きさに微粒子化するので微粒子の表面と中心部とでは距離が短縮されるので表面と中心部との反応がほぼ同時に進行し加熱反応の範囲は原子レベルで進行する。
熱分解ゾーンの後に熟成ゾーン17を設定することにより、熱分解ゾーン16の熱分解時間で炭素化が完了する原料と、熱分解ゾーン16の熱分解時間が不足した場合に熟成ゾーン17での熱分解時間を追加して炭素化が完了する原料とを同一の熱分解装置で炭素化が完了できるという効果を奏する。
カーボン生成原料として有限な資源である化石資源でなく、間伐や除伐材などの森林資源から直接産出される木材、エタノール生成カス、椰子ガラ絞りカス、茶滓、または豆腐カスなどのバイオマスを使用するので、有限の資源でなく再生可能な資源の活用という効果を奏する。
400°C〜600°Cの熱分解温度で熱分解を進行させられるので、一般的に1500°C〜2000°Cまでの加熱を要するオイルファーネス法に比べて低温度でカーボンを生成できることから省エネルギーという効果を奏する。
また、分割した熱分解管33ごとに加熱温度を変えられるので、不必要な加熱を抑制できることからエネルギー費の削減ができるという効果を奏する。
請求項2に記載の発明は、請求項1の発明と同一の効果を奏する。また、生成された微粒子の植物性カーボンの炭素原子は不完全結合方向性の不一致や不完全結晶化などの状態であり、6印環から一部の分子を分離させた状態は不安定かつ活性度が高い。
そして、生成された微粒子の植物性カーボンは、容易に分離された分子痕を残したままの不安定炭素の集合体であって、結晶、アモルファス、フラーレン及び黒鉛などからなる集合体であり、導電性を有する個々の生成カーボンのプラスマイナス方向をそれぞれ打ち消しあう集合体という特質を有している。
そこで、植物性カーボンの微粒子を磁気コイルの中を通過させ励磁することによって、微小粒子の植物性カーボン内に混在しているさまざまな結晶、アモルファス、フラーレン及び黒鉛などの導電性に等方性を発現させる。
これにより、磁化工程前の熱分解管33により生成された植物性カーボンに比較し、磁化工程以降の工程を経ることによって、導電性の発現を一定方向に揃えた植物性カーボンを製造できるという効果を奏する。
しかし、一旦導電性を有する植物性カーボンを放置しておいてそのまま反応を進行させると等方性が消滅するという不安定状態であるので、等方性を有する植物性カーボンの品質の変動及び導電性の劣化を防ぐため、冷却窒素によるサブゼロ処理によって急冷させ反応停止させる。
これにより、等方性を発現させ高い導電性を有したままた粉末植物性カーボンの組織構造を固定させることができ、熱分解後から時間が経過していても植物性カーボンに高い導電性の性質を保有させられるという効果を奏する。また、結晶の核となる物質を固溶させた状態に持ち込むことによって結晶が安定化するという効果も奏する。磁化させて急冷させることは新しい植物性カーボンの製造の重要な因子である。
オイルファーネス法における急冷方法は2000°Cに加熱した粉末を冷却した炉内を通過させる間接急冷であるのに対し、本発明における急冷方法は600°Cに加熱した粉末を通過路に設けた冷媒管に接触させる直接急冷であるので、急冷効果が極めて大きい。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2の発明と同一の効果を奏する。また、熱分解管33の熱分解熱の放熱防止及び熱分解温度の安定化をさせ、熱分解管33内の気相の上下方向及び外周方向の温度勾配をなくすことができ、熱分解管33内の気相の温度を設定値プラスマイナス1°Cで管理することができる。
これにより、自由落下中の個々のバイオマス粉末に対する熱分解進行のバラツキをなくすことができ、自由落下させたバイオマス粉末を漏れなく炭素化できるという効果を奏する。熱分解管33内の気相温度勾配をなくすことは熱分解上の重要な因子である。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかの発明と同一の効果を奏する。また、バイオマスを燃焼させずに炭素化を進行させるという効果を奏する。
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4のいずれかの発明と同一の効果を奏する。また、捕集された植物性カーボン量と、バイオマスの投入量、窒素ガス噴霧量、熱分解管33内圧力または熱分解管33温度との関連データを把握して原料投入量、窒素ガス噴霧量、窒素ガス圧力または熱分解管33および通電発熱体への供給電流値を制御することができるので、熱分解条件の最適な設定または制御を行うことができ、品質のよい植物性カーボンを製造でき、操作員の負担軽減化ができるという効果を奏する。
請求項6に記載の発明は、請求項1の発明と同じ効果を奏する。
請求項7に記載の発明は、請求項6の発明と同じ効果を奏する。また、コイル磁界により生成された植物性カーボンに等方性を発現させることができるという効果を奏する。
請求項8に記載の発明は、請求項6または7の発明と同じ効果を奏する。また、急冷により、核となる物質の固溶状態の保持により結晶化を発現させる反応停止をさせて等方性を発現させた植物性カーボンの組織構造を固定させることができ、植物性カーボンに高い導電性を有するようにすることができるという効果を奏する。
請求項9に記載の発明は、請求項6乃至8のいずれかの発明と同じ効果を奏する。また、内套34の周設によって熱分解管33の貫通部からの熱分解物質の放散を防ぐという効果を奏する。
熱分解管33への電流は、200V交流を直流に変換するインバーターパルス電源装置91、92、93、及び94により変換され、10V以下の高周波特性と矩形波パルス周期特性を備えるように設計されているので、材料固有の特性を発現できる高周波特性と矩形波パルス周期特性の組み合わせを実現させることができる。これにより、プラズマを発生させて放電現象を生じさせることができるという効果を奏することができる。
通電発熱体35を嵌設させた断熱部材36であるホットウォール87の配設により、請求項3の発明の効果と同じ効果を奏する。
また、断熱部材36によって加熱された熱分解管33からの放熱を防ぎ、通電発熱体35の加熱によって加熱された熱分解管33温度の保温ができるので熱分解管33を加熱させるためのエネルギーコストを削減させることができる。
請求項10に記載の発明は、請求項6乃至9のいずれかの発明と同じ効果を奏する。また、バイオマス粉末の炭素化過程においてバイオマス粉末の低分子化、及び植物性カーボンの固定化を促進させるという効果を奏する。
請求項11の発明は、請求項6乃至10のいずれかの発明と同じ効果を奏する。また、投入したバイオマス粉末から生成された熱分解ガスを液体燃料として有効活用を図ることができるという効果を奏する。
請求項12に記載の発明は、請求項4、または6乃至11のいずれかの発明と同じ効果を奏する。
請求項13に記載の発明は、請求項5乃至10のいずれかと同じ効果を奏する。
請求項14に記載の発明は、請求項6乃至11のいずれかの発明と同じ効果を奏する。また、バイオマス粉末の分散化状況または植物性カーボンの捕集状況を観察できるという効果を奏する。
急速熱分解装置の模式図である。 輪状窒素ガス配管及び窒素ガス噴霧ノズルの模式図である。 熱分解管の模式図で、(a)は展開図、(b)は正面図である。 ホットウォールの模式図で(a)は分解図、(b)は組立図である。 触媒体の模式図で、(a)は正面図、(b)はA−Aから見た平面図である。 二重スクリューフィーダー使用時のバイオマス粉末供給量のバラツキを表す図である。 熱分解チャンバー内の温度勾配図である。 実施例1で生成されたバイオマス炭素化物質と市販されている炭化物質との表面積比較図である。 磁化チャンバー9及び急冷兼捕集チャンバー10を使用せずに得られた植物性カーボン微粒子の10万倍にした走査型電子顕微鏡写真である。 磁化チャンバー9及び急冷兼捕集チャンバー10を使用して得られた植物性カーボン微粒子の10万倍にした走査型電子顕微鏡写真である。 急速熱分解装置のブロック図である。
1 急速熱分解装置
2 原料ホッパー部
3 二重スクリューフィーダー部
4 分散化チャンバー
5 第一熱分解チャンバー
6 第二熱分解チャンバー
7 第三熱分解チャンバー
8 第四熱分解チャンバー
9 磁化チャンバー
10 急冷兼捕集チャンバー
11 分離ガス液化部
12 原料供給部
13 熱分解塔
15 予備加熱ゾーン
16 熱分解ゾーン
17 熟成ゾーン
18 窒素ガス発生装置
21 蓋体
22 原料ホッパー
23 窒素ガス管
24 攪拌器
25 二重スクリューフィーダー
26 サーボモーター
27 粉末吐出部
28 窒素ガス噴霧ノズル
29 窒素ガス配管
31 プレート
32 冷却水管
33 熱分解管
34 内套
35 通電発熱体
36 断熱部材
37 触媒体
38 枝状触媒片
39 輪状触媒片
41 励磁コイル
42 渦状冷媒流路管
43 捕集容器
44 ロードセル
45 取り出し機構部
51 排気ポンプ
52 可撓性配管
53 液体容器
54 冷却媒体配管
61 制御部
62 制御線
63 電力線
64 動力線
71 圧力調整弁
72 圧力調整弁
73 流量調整弁
81 上側切欠部
82 下側切欠部
83 切欠部なしの縦帯状部
84 電極締結孔
87 ホットウォール
88a 熱電対
88b 熱電対
88c 熱電対
88d 熱電対
89 急冷用媒体
91 インバーターパルス電源装置
92 インバーターパルス電源装置
93 インバーターパルス電源装置
94 インバーターパルス電源装置
95 インバーターパルス電源装置
J 直径100mm熱分解管の内壁位置
K ホットウォールの内壁位置
L ホットウォールの外壁位置
以下、本発明の実施の形態と作用について説明する。
図1において、急速熱分解装置1は、粉末のバイオマス原料を貯留する原料ホッパー部2、及び原料ホッパー部2から落下する粉末のバイオマス原料を定量供給する二重スクリューフィーダー部3とからなる原料供給部12と、該二重スクリューフィーダー25からの自由落下する粉末のバイオマス原料を分散させる分散化チャンバー4と、分散化チャンバー部4から分散されて自由落下する粉末のバイオマス原料を熱分解する3ゾーンからなる熱分解塔13と、生成された植物性カーボンに磁界を通過させる磁化チャンバー9と、前記磁界を通過した植物性カーボンを急冷するとともに捕集する急冷兼捕集チャンバー10と、熱分解で発生した熱分解ガスを液化する分離ガス液化部11と、制御部61と、インバーターパルス電源装置91、92、93、94,95とから構成されている。
原料ホッパー部2内、二重スクリューフィーダー部3内、分散化チャンバー4内、熱分解塔13内、磁化チャンバー9内及び急冷兼捕集チャンバー10内は、それぞれ密封可能構造で、かつそれぞれの接合部位はシール構造を構成している。このため、急速熱分解装置1内をすべて窒素ガス雰囲気下にできるように構成され、圧力を0.1kpa〜0.3kpaで設定することができる。
インバーターパルス電源装置91、92、93、94及び95は、それぞれ熱分解チャンバー5、6、7、8または磁化チャンバー9専用に設置されている。
そして、インバーターパルス電源装置91、92、93、94及び95は、制御部61とともに、制御線62と電力線63を介して、それぞれ熱分解チャンバー5、6、7、8及び磁化チャンバー9と接続され、各熱分解ゾーンにおける熱分解管33、ホットウォール87の通電発熱体35及び磁化チャンバー9における励磁コイルと接続されている。また、各熱分解ゾーンにおける熱分解管33、ホットウォール87の通電発熱体35には熱電対88a、88b、88c及び88dを配設して温度検知を行っている。
さらに、制御部61と、圧力調整弁71、72と、サーボモーター26と、ロードセル44と、流量調整弁73と、取り出し機構部45とは、制御線62又は動力線64を介して接続されている。
原料ホッパー部2は、略円筒形状の原料ホッパー22と、原料を投入する上部の開口部を開閉する蓋体21と、投入された原料を底面近傍で攪拌するために設置した攪拌器24と、底面に設けた原料落下用の孔とから構成されている。攪拌器24は粉末が原料ホッパー22内や原料落下用の孔においてブリッジや目詰まりを生じさせないように攪拌する。
バイオマス粉末を原料ホッパー22から二重スクリューフィーダー部3へ供給させる方法として、本発明である攪拌器24で粉末を自由落下させる方法と、供給路に振動フィーダー(図なし)を設けて脈動させて移送させる方法とがあるが、振動による移送でなく自由落下させる方法の方が、粉末による目詰まり、粉末の凝集化、または塊化が生じないという効果がある。
また、原料ホッパー22には窒素ガスを供給する窒素ガス管23が接続され、原料ホッパー22内を窒素ガスで置換可能とし、圧力制御弁71で圧力を調整することができる。
窒素ガスは、熱分解塔13に併設させた窒素ガス発生装置18より供給することができる。
原料ホッパー22、二重スクリューフィーダー部3、分散化チャンバー4、第一熱分解チャンバー5、第二熱分解チャンバー6、第三熱分解チャンバー7、第四熱分解チャンバー8、磁化チャンバー9、及び急冷兼捕集チャンバー10は連通しており、原料ホッパー22に供給された窒素ガスにより、原料ホッパー22から急冷兼捕集チャンバー10に至るまで同一圧力下にするとともに窒素ガス雰囲気にすることができる。
二重スクリューフィーダー25は、2本のスクリューフィーダーのスクリュー部分が交互になるように並設させた二重スクリュー構造で構成され、サーボモーター26で駆動され回転する。また、サーボモーター26の回転数を変えることにより単位時間当たりのバイオマス原料供給量を比例して変えることができる。
二重スクリュー構造を用いる理由は、バイオマス原料は熱伝導性が悪いため熱分解管の中で効率よく熱分解を進行させるために粉末にするが、個々の粉末の集合体である粉体の流動性が悪く定量的に移送することに難点があり、気相中に満遍なく分散させるには少量ずつ定量的に供給することが必要であり、また、植物性カーボン生成量に応じてバイオマス原料の供給量を調整する際に少量単位での調整ができることが植物性カーボン生成量の最適化が図りやすくなるので、二重スクリュー構造のスクリューフィーダーを用いて原料を連続的に少量で定量ずつ切り出して熱分解管への原料供給を実現するためである。原料の少量で定量の供給は、熱分解条件の要因として、生成炭素の組成割合を左右する重要な因子である。
図6にバイオマス粉末を1g/秒設定で二重スクリューフィーダー25によって供給した場合の600秒間における秒単位の供給量を表す。図6より、1g/秒設定に対しバラツキ量がほぼ±0.2g/秒以内であって平均供給量は1.07g/秒である。
熱分解塔13の下部に配設した急冷兼捕集チャンバー10には、熱分解後の植物性カーボンの生成量を検知するロードセル44が設置され、前記ロードセル44の単位時間当たりの計量値により前記サーボモーター26の回転数を可変させる制御回路が設定されている。これにより、単位時間当たりの計量した植物性カーボン生成量に応じてバイオマス原料の供給量を増減させる制御ができる。
図1又は図2で分散化チャンバー4を説明する。熱分解塔13の上部に位置する分散化チャンバー4は、二重スクリューフィーダー25から自由落下する原料を内径100mmの熱分解管33に導くための縦横25mm角の粉末吐出部27と、該粉末吐出部27を包囲するように配設した輪状の窒素ガス配管29と、該輪状の窒素ガス配管29に均等間隔を確保して配設した窒素ガス噴霧ノズル28とから構成されている。
前記輪状の窒素ガス配管29には圧力制御弁72が配設され、ガス噴霧量を調整できる。なお、粉末吐出部27の形状は、断面が角形状または丸形状、または漏斗形状などの粉体を導くガイド形状であればよい。
粉末吐出部27を包囲するように設置した輪状の窒素ガス配管29に均等間隔で6箇所設けた直径2mm〜3mmの窒素ガス噴霧ノズル28から窒素ガスを自由落下する粉末に対しせん断方向で噴霧させることにより、粉末を凝集化や塊化させないように分散させる。窒素ガス噴霧ノズル28の数や圧力調整弁72で調整するガスの噴霧量は、自由落下する粉末が熱分解管内の気相中に満遍なく分散されるように設定する。
これにより、粉末吐出部27から自由落下する粉末は、例えば窒素ガスを窒素ガス噴霧ノズル28の孔からせん断方向で噴霧させられて分散され、その分散された状態で直径100mmの熱分解管内の気相中を粉末吐出部27からの吐出順に順次粉雪状になって自由落下する。また、粉末の分散化は、生成される植物性カーボンの炭素化進行を左右する重要な因子である。
分散化チャンバー4には、照明灯付観察窓(図示なし)が設けられ、粉末の分散状況などの自由落下状況を観察可能としている。
熱分解塔13は、熱分解チャンバーと該熱分解チャンバーの上下面に着設させたプレート31との組み合わせを複数積層させた構成としている。熱分解チャンバーは、バイオマスの熱分解の化学反応過程に従い、予備加熱ゾーン15に該当する第一熱分解チャンバー5を1つ、熱分解ゾーン16に該当する第二熱分解チャンバー6及び第三熱分解チャンバー7を2つ、及び熟成ゾーン17に該当する第四熱分解チャンバー8を1つと計4つの熱分解チャンバーによる積層構造とした。
また、4つの熱分解チャンバーにはそれぞれインバーターパルス電源装置91、92、93、94が接続されており、各電源装置、制御部61及び各熱分解チャンバー間は、制御線62と電力線63により、制御部61から各インバーターパルス電源装置に対する指示、各熱分解チャンバーから制御部61への熱分解管33や通電発熱体35の検知温度、各インバーターパルス電源装置から各熱分解チャンバーへの電流やパルス幅などの出力などが送られる。
第一熱分解チャンバー5では、1μm〜100μmの大きさのバイオマス粉末を微粒子化するとともに前記粉末の最表面を急速加熱して表面炭化を進行させる電流供給を行い、第二及び第三熱分解チャンバー6、7では、分子または原子レベルでプラズマ現象を励起させ、カーボン化とガス化を進行させる電流供給を行い、第四熱分解チャンバー8では、第二及び第三熱分解チャンバー6、7における熱分解時間では熱分解が完了しない原料の場合に熱分解としての加熱およびプラズマ現象励起を行い、第二及び第三熱分解チャンバー6、7における熱分解時間で熱分解が完了する原料の場合は低温度設定する。この熱分解過程で生成された植物性カーボンの大きさは、10nm〜30nmの大きさに微粒子化される。
第四熱分解チャンバー8を設けたことにより、第二及び第三熱分解チャンバー6、7で熱分解が完了状態になる場合は第四熱分解チャンバー8の加熱温度を下げることによって第四熱分解チャンバー8の熱エネルギーコストを低コスト化できるという効果も奏する。
各熱分解チャンバーの長さは、種々の種類のバイオマス原料についての投入微粉末量、熱分解温度、触媒及び微粉末の炭素化状況などから必要な熱分解時間を算出し、これに該当する自由落下時間から熱分解管の長さを設定する。なお、各熱分解管の長さを同一の長さまたは異なる長さとすることもできる。
第一〜第四の各熱分解チャンバー5、6、7,8は、電流供給するための電極を接続させ、一部に略縦長帯形状の貫通部を有する略円筒形状の熱分解管33と、熱分解管33内で発生した熱分解物質を拡散させないために熱分解管33の外側に隙を確保して周設した内套34と、熱分解管33で発生する熱量の外部放散防止及び保温のために内套34の外側に隙を確保して周設した通電発熱体35を内設させた断熱部材36と、断熱部材36を冷却させるために断熱部材の外周面に周設させた内部に冷却水を流す冷却水管32と、熱分解管33内で軸方向に吊設させた触媒体37とから構成される。
熱分解管33は、例えば図3に示すように、上側切欠部81を有する縦帯状部と下側切欠部82を有する縦帯状部とが、切欠部なしの縦帯状部83を挟んで交互に構成して略円筒状の形状をしている。
そして、例えば銅製の電極が電極締結孔84で熱分解管33に接続されており、加熱用電流を流すことにより熱分解管33及び該熱分解管33内の気相を昇温させる。熱分解管33温度設定は150°C〜1800°Cの範囲で可能であり、各熱分解管33ごとに前記温度設定を変えることができる。
例えば、第一熱分解チャンバー5の熱分解管温度を800°Cに設定し、第二及び第三熱分解チャンバー6、7の熱分解管温度をバイオマスの種類に適した熱分解温度である600°Cに設定し、第四熱分解チャンバー8の熱分解管温度を炭素化の進行状況に応じて、炭素化が遅れている場合は熱分解温度に、炭素化が完了している場合は熱分解温度より低い温度に設定する。なお、これらの温度設定は、あらかじめ実施してバイオマスの種類ごとにデータベース化しておく。
熱分解管33に接続した各インバーターパルス電源装置は直流高周波成形パルスを使用し、該各インバーターパルス電源装置はプラズマを生じさせることができるので、熱分解管33内の気相内の粉末に対して該プラズマは放電現象として直接電子に働きかけて原子レベルでは数万°Cの高温効果を生じさせることができる。
熱分解管33の材質は、伝熱を主目的とするが、触媒効果をもたせるときはチタン、モリブデン、タングステン、白金及び黒鉛のうちの一つ又は複数の材質から製造する。触媒の目的は、熱分解進行過程における高分子であるバイオマス粉末の微粒子化、低分子化及び炭素化の促進である。
内套34は、薄肉で両端が開口した円筒形状をしたガラス管であり、熱分解管33の外周に隙を確保して周設され、熱分解管33の貫通部からの微粉末や熱分解ガスなどの熱分解物質の放散を防止する。
図1又は図4でホットウォール87を説明する。ホットウォール87は、内套34を包囲するように形成された断熱部材36と、該断熱部材36に嵌設された通電発熱体35とから構成されており、前記断熱部材36は煉瓦やモルタル等の断熱材からなり円弧状に形成されており、前記通電発熱体35は前記断熱部材36の内面に設けられた嵌溝に嵌設されたニクロム線等の金属ヒータや黒鉛ヒータ等の前記嵌挿溝と同一の曲率半径を有するように湾曲された棒状のヒーターである。
通電発熱体35を嵌設させた断熱部材36から構成されるホットウォール87は、熱分解管33からの外部への放熱を防止し、熱分解管33内の気相の温度分布を均一に、かつ設定温度プラスマイナス1°Cに維持する効果を有し、個々の微粉末のバイオマスに対して均一な熱分解温度を伝熱させることができる。
図7に、直径100mmの熱分解管33を使用して、熱分解管33の中心部の温度850°Cに昇温させたときに、ホットウォール87を使用した場合と使用しなかった場合の温度分布を表す。
図7により、ホットウォール87を使用した場合は、熱分解塔中心からの距離50mmで熱分解管の内壁位置Jまで温度が一定で、かつ熱分解管内の気相温度をプラスマイナス1°C以内に維持している。さらにホットウォール87の内壁面の位置Kである100mm、ホットウォール87の内部の位置で熱分解塔中心からの距離120mmまで一定で、この位置から遠ざかるに従って降温しホットウォール87の外壁の位置Lで300°Cに降温している。
一方、ホットウォール87を使用しなかった場合は、熱分解管の内壁位置Jまでに既に750°Cに降温になり熱分解管内の温度が不均一であることがわかる。
また、通電発熱体35は供給される電力を変えることによって加熱量を調整することができる。
冷却水を流す冷却水管32は、断熱部材36の外周に密着させて周設され、下部の給水孔より給水し上部の排水孔より排水する構造で冷却水管32の内部に冷却水を流動させている。これにより断熱部材36の昇温を防止している。
図5において触媒体37を説明する。触媒体37は触媒であり、熱分解管33と同軸方向に吊設され、自由落下する微粉末との接触機会を確保できるように、吊設された軸から6本の放射線状に突設した枝状触媒片38と、該枝状触媒片38上に設置した輪状触媒片39とからなる組み合わせを、例えば4セットを等間隔に設置している。なお、触媒体37の構造は図5の構造に限られるものではなく、傘の骨状や金網状など細い棒状の組み合わせからなる構造であればよい。
そして、触媒体37は、高分子であるバイオマスの低分子化と、微粒子化と、炭素化とを促進する触媒であり、例えば材質としては、チタン、モリブデン、タングステン、ニッケル、鉄、セシューム、リチューム、白金及び黒鉛のうち一つ又は複数からなる。
自由落下するバイオマス微粒子が触媒と接触することにより、高分子構造のバイオマス微粒子の低分子化、10nm〜30nmレベルの微粒子化及び炭素化が促進される。
プレート31は、各熱分解チャンバーの上下面に着設された平板であり、中央部に熱分解管33の内径と同一径の孔を有している。そして冷却水の吸水口や排水口を有し、各熱分解チャンバーを構成する部品を固定化させるのに寄与している。
磁化チャンバー9は、植物性カーボンが自由落下する円筒形の落下路内に励磁コイル41を配設している。例えば、コイル直径120mmで高さ200mmで外径8mmの励磁コイル41を配設している。この励磁コイル41に直流電流が印加されて渦状に電流が流れ、励磁コイル41内部はフレミングの左手の法則によって励磁力が発生し、この磁力が急速熱分解された植物性カーボンの分子構造または原子構造に働き、前記分子構造または原子構造に等方性の発現を促し結晶生成を促進させる。また、植物性カーボン内に混在しているさまざまな結晶、アモルファス、フラーレン及び黒鉛などに等方性及び高導電性を発現させる。
高導電性を発現させることによって、コピートナーや燃料電池などの導電性を重視する領域での用途を拡大させることができる。
急冷兼捕集チャンバー10は、植物性カーボンの自由落下路に設置した、例えば内径10mmの銅製パイプを渦状に巻いた渦状冷媒流路管42と、急冷後の植物性カーボンを捕集するための捕集容器43とを含む手段とからなる。前記渦状冷媒流路管42内には冷却水またはサブゼロ処理する冷却窒素などの急冷用媒体89を流動させる。
急速熱分解された植物性カーボンはガス化しやすい成分が六印環の基本基から分離されたままで、結晶の核となる物質を固溶させた状態であり、そのまま徐冷すると結晶の核となる物質が結晶外に析出するので、その状態は不安定な構造である。
このため、急速冷却により植物性カーボンの分子活動の反応を停止させ、等方性を発現したままの分子状態で炭素固定化をさせる。ここで急速冷却しなれば、植物性カーボンの構造は、アモルファス構造やフラーレン構造が部分的に存在する構造で導電性が打ち消しあった状態となるが、この急冷により植物性カーボンの結晶化制御が行え、導電性を安定的に発現させた植物性カーボンを生成することができる。
植物性カーボンを収容した捕集容器43を移動させる取り出し機構部45により取り出すことができ、例えば取り出し機構部45で捕集容器43を回転させて斜めに傾けることによって収容された植物性カーボンを取り出すことができる。
急冷兼捕集チャンバー10には、生成された植物性カーボンの捕集状況を観察可能とする照明灯付き観察窓(図示なし)が設けられ、植物性カーボンの捕集状況を観察できる。
分離ガス液化部11は、熱分解ガスを排出するために設置された排気ポンプ51と、熱分解ガスを流動させる可撓性配管52と、冷却媒体配管54と接続された液化槽(図示なし)と、液化された燃料を収容する液体容器53とから構成されている。
液化された燃料は、ボイラー燃料などのエネルギー燃料として使用することができる。
図1または図11により本発明の制御について説明する。
制御部61及びインバーターパルス電源装置91、92、93、94、95により、ロードセル44により計量した植物性カーボン捕集量により二重スクリューフィーダー駆動用サーボモーター26の回転数を可変させることで原料供給量を自動制御することができ、設定又は自動制御された原料供給量により熱分解管33及びホットウォール87に嵌設の通電発熱体35の加熱温度を自動設定することができ、熱分解管33及びホットウォール87に嵌設の通電発熱体35の設定加熱温度と熱電対88a、88b、88c及び88dなどの温度検知手段により検知された温度との差により熱分解管33及びホットウォール87に嵌設の通電発熱体35の電流値を可変させることで加熱温度を自動制御することができ、前記原料供給量により窒素ガス噴霧ノズル28からの噴霧量を圧力調整弁72により自動制御することができ、及び熱分解塔13内の設定圧力と圧力計による検知圧力との差により窒素ガス供給量を圧力調整弁71により圧力を自動制御することができる。
次に各装置の使用について説明する。
原料ホッパー22内に、蓋体21を開にして粉末のバイオマスを投入し蓋体21を閉にする。その後、排気ポンプ51を作動させて原料ホッパー22内から急冷兼捕集チャンバー10内までを真空状態にし、その後、窒素ガス発生装置18から窒素ガスの送給を開始し原料ホッパー22内を窒素ガス雰囲気状態にし、二重スクリューフィーダー部3内、分散化チャンバー4内、熱分解塔13内、磁界発生チャンバー9内、急冷兼捕集チャンバー10内まで充満させて、例えば0.1kpa〜0.3kpaの範囲で設定した圧力下での窒素ガス雰囲気状態にする。
その後、攪拌器24を作動させて原料ホッパー22内における粉末バイオマス原料のブリッジ及び目詰まりを防止するとともに、粉末バイオマス原料を原料ホッパー22底面孔から落下させる。
二重スクリューフィーダー25は粉末原料を、例えば60g/分の少量ずつ定量移送し一定量ごとに連続して自由落下させる。そして、粉末吐出部27から自由落下する粉末に向けて、粉末吐出部27を包囲するように輪状に設置した窒素ガス配管29に均等に配設した窒素ガス噴霧ノズル28から窒素ガスを噴霧させ、粉末を分散化チャンバー4内に均一に分散させ自由落下させる。
第一乃至第四のいずれかの熱分解管5、6、7、8も100°C〜1800°Cの範囲で、バイオマス材質の種類や大きさ、または熱分解進行過程に適した温度に設定でき、通電発熱体35を内設した断熱部材36の保温効果により前記設定温度を安定化させることができる。
粉末バイオマス原料は、まず粉末のバイオマスを表面炭化させるのに適した温度である250°C〜800°Cで温度設定されて加熱され、該温度が安定的に保持され、プラズマによる放電現象を生じさせて、第一熱分解チャンバー5の熱分解管33内を触媒である触媒体37に接触しながら自由落下する過程で、非導電性バイオマスの粒子の大きさをさらに微粒子化し、短時間に表面炭化する。
そして、第二熱分解チャンバー6及び第三熱分解チャンバー7の2つの熱分解管33では、バイオマス材質の熱分解に適した温度である600°Cで温度設定されて加熱され、前記温度が安定的に保持され、プラズマによる放電現象を生じさせて、前記第二熱分解チャンバー6及び第三熱分解チャンバー7の熱分解管33内を触媒である触媒体37に接触しながら自由落下する過程で、表面炭化させられた微粒子は、熱分解が進行して、分子または原子レベルでプラズマ現象を励起させられ、カーボン化とガス化が進行する。
自由落下による予備加熱ゾーン15、熱分解ゾーン16及び熟成ゾーン17からなる熱分解領域の長さを1.8mにしているが、熱分解領域の長さはこれに限られるものではない。
微粒子バイオマスが熱分解進行状況に応じて熱分解温度を調整する第四熱分解チャンバー8の熱分解管33内を触媒である触媒体37に接触しながら自由落下する過程で、すべての微粒子バイオマスは植物性カーボンまたは熱分解ガスに変成される。
生成された植物性カーボンの形状は、球状、不定形粒子、または融解固化状態などがあり熱分解条件により定まる。また、カーボン化のための加熱温度管理は副生成の他分子のガス化を阻止しない見かけ温度で行い、該見かけ温度を熱電対88a、88b、88c及び88dで計測することができる。ここで、見かけ温度とは、プラズマそのものの直接的な測定による温度ではなく、熱電対88a、88b、88c及び88d計測による間接的な測定による温度であることをいう。
磁界発生した落下路内を自由落下させることにより、磁界が植物性カーボンの生成粒子の中で磁界作用を受ける導電性特性を持つ炭素粒子に対して働き、組織が磁界により一方向に整列し、等方性が発現される。この発現により打消し合っていた粒子のランダム性が解消して導電性を増加させることが出来る。
さらに、急冷部内で炭素粒子を急速冷却してエネルギーを奪い、等方性が発現された状態で炭素粒子の特性を安定化して植物性カーボンを取り出すことができる。
生成された植物性カーボンは、そのまま捕集容器43に収容される。捕集容器43には歪ゲージを板バネに張付けたロードセル44が取付けられこのロードセル44に生成カーボン受け皿を取付け固定してあり、時系列でカーボン生成量の把握を行い装置全体の制御系にフィードバックすることが出来るのでインテリジェントな装置となっている。
また、発生した熱分解ガスは排気ポンプ51で急冷兼捕集チャンバー10などから送出されてガス液化部11に送給され液体となって液体容器53に回収される。
次に、実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明は実施例により限定されるものでない。
まず、図1に示す急速熱分解装置1において、スギ粉末、パームヤシまたはリグニンなどの100μm〜1μmの粉末バイオマスを原料とした場合の原料供給量、ガス噴霧量または熱分解管加熱温度などの炭素化条件データを把握しておく。
スギ粉末の100μm〜1μmの粉末バイオマス原料として熱分解を行うために、原料供給量として60g/分を供給し、熱分解管内雰囲気ガスとして窒素ガス発生装置18(型式PNTN4−08−2(特型)ポエック株式会社販売)から窒素ガスを供給し、熱分解管内雰囲気ガス圧力として0.1kpaに設定し、熱分解温度として第一熱分解チャンバー5を800°C、第二熱分解チャンバー6及び第三熱分解チャンバー7を550°C、第四熱分解チャンバー5を400°Cを設定する。
次に、急速熱分解装置1を作動開始し、原料ホッパー22内の攪拌器24を10rpmで旋回させる。
制御部61による自動制御により、植物性カーボン及び熱分解ガスが生成される。
磁化チャンバー9及び急冷部兼捕集チャンバー10を使用せずに実施例1で得られた植物性カーボンと市販カーボンとの性状比較を行った。市販カーボンとして、市販カーボンAは等方性黒鉛を使用した黒鉛型のブロックを切削した後の粉末で、市販カーボンBはブラウン管や絵の具などに使用される黒鉛の微粉末で、市販カーボンCは一般的に試薬として市販されている黒鉛の粉末である。
表面積測定装置(型式Flow Sorb II 2300型 島津製作所製)を用いて、窒素雰囲気下で200°C、1時間乾燥後、吸着水分の脱離を行いBET比表面積法で測定し、植物性カーボン及び市販カーボンの表面積比較を行った。その結果、図8に示すように、本発明装置で生成した植物性カーボンと市販されているカーボンとの表面積比較をすると、市販カーボンAは4m/g、市販カーボンBは24m/g、市販カーボンCは8m/gに対し、本発明で生成された植物性カーボンは175m/gであり、市販カーボンに比較し略7倍〜略44倍の広い表面積となることがわかった。
ここで、粉末表面積をBET法で測定した結果、該粉末表面積は0.0027m/gで大きかった。そこで、微細孔測定に適したMP法で測定した結果、平均直径が0.7nmマイクロ孔0.17cm/gを有する細孔容量を持った炭素粒子群であることが解った。このことから、本願発明で生成された植物性カーボンの表面積が従来の市販カーボンに比較し大きいこと、平均細孔径が極細である優れた特性であることがわかった。なお、MP法には自動ガス/蒸気吸着量測定装置(型式BELSORP−18PLUS、日本ベル株式会社製)を使用した。
これによって、本発明で生成された植物性カーボンは、表面積が大きく且つ1nm以下の微細孔を有して従来の市販カーボンより広い表面積を有しているので、従来のカーボンとは異なる性質を発揮する可能性がある。
磁化チャンバー9及び急冷兼捕集チャンバー10を使用せずに実施例1で得られた植物性カーボンの粉末と市販カーボンの粉末との焼結性の比較を焼結装置プラズマン(エス・エス・アロイ株式会社製)を用いて、焼結条件として、雰囲気を真空、焼結温度を1060°C、焼結圧力を50MPa、圧力保持時間を10分、投入量を5.03gと設定した。その結果を表1に表す。
Figure 0004487017
表1から、本発明である急速熱分解装置から得られた植物性カーボンを用いて焼結した場合は、密度1.24g/cmの固まりとなったが、市販カーボンA、市販カーボンB及び市販カーボンCとも成形体が得られなかった。
以上の結果から、本発明の急速熱分解装置で生成した植物性カーボンを使用して焼結をすると、従来の焼結温度である2800°Cよりは低い温度で焼結ができ、従来の市販カーボンに比較して低温度での焼結性が高い。すなわち、同じカーボン材料であっても低い温度での焼結性が良いことがわかる。
この結果から、本発明の急速熱分解方法又は装置を使用することによって、バイオマス粉末から高機能を有する新しい植物性カーボンを製造することが可能であることはわかった。
実施例1の工程後に磁化チャンバー9及び急冷兼捕集チャンバー10を使用して得られた植物性カーボンの粉末と、使用しないで実施例1で得られた植物性カーボンの粉末との外観比較を走査型電子顕微鏡(日立製作所製S4100型、加速電圧15kv、100,000倍)で観察した。図9に磁化チャンバー9及び急冷部兼捕集チャンバー10を使用せずに得られた植物性カーボンの粉末を、図10に磁化チャンバー9及び急冷部兼捕集チャンバー10を使用して得られた植物性カーボンの粉末を表す。
図9及び図10より、磁化チャンバー9及び急冷兼捕集チャンバー10を使用しなかった場合は、見掛けアモルファス状無定形カーボンが観察される状態で微細化状態の確認はできるが粒子生成には至っておらず、物質としての性質の特徴が現れにくいのに対し、磁化チャンバー9及び急冷兼捕集チャンバー10を使用した場合は、フラーレン結晶状、黒鉛結晶、DLC結晶、アモルファスなどの混在が分離され、球状の微粒子が明瞭に観察されることから、物質としての性質の特徴が現われやすいことがわかる。

Claims (14)

  1. バイオマスカ−ボンブラックの製造方法であって、バイオマス粉末を定量供給し落下させる原料供給工程と、前記落下直後の粉末を分散させる粉末分散工程と、窒素ガス雰囲気中及び所定圧力下で、前記粉末を所定温度で加熱して表面炭化する予備加熱ゾーンと、前記予備加熱ゾーン後に粉末を所定温度で放電発熱、加熱及び熱分解する熱分解ゾーンと、前記熱分解ゾーン後の熱分解熟成時間を設けた熟成ゾーンの3つのゾーンに熱分解工程を分け、熱分解ゾーンのみの1熱分解工程、予備加熱ゾーンと熱分解ゾーンからなる2熱分解工程、または予備加熱ゾーン、熱分解ゾーン及び熟成ゾーンからなる3熱分解工程のうちのいずれか一つからなる熱分解工程と、生成された植物性カーボンを捕集し計量する捕集工程と、を含む工程からなることを特徴とするバイオマスを原料にしたバイオマスカ−ボンブラックの製造方法。
  2. 熱分解工程後に、生成された植物性カーボンの落下路に磁界を発生させる磁化工程、及び/または生成された植物性カーボンに対しサブゼロを含む急速冷却する急冷工程を設けることを特徴とする請求項1に記載のバイオマスを原料にしたバイオマスカ−ボンブラックの製造方法。
  3. 熱分解工程が、熱分解管を加熱させる方法と、加熱された熱分解管の熱の放熱を防止する方法と、加熱された熱分解管の温度を保温する方法と、熱分解管からの粉末及び熱分解ガスの拡散を防ぐ方法とを含むことを特徴とする請求項1または2に記載のバイオマスを原料にしたバイオマスカ−ボンブラックの製造方法。
  4. 原料供給工程、粉末分散工程、熱分解工程、磁化工程、サブゼロを含む急冷工程及び捕集工程を窒素ガス雰囲気下で、かつ所定圧力下にすることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のバイオマスを原料にしたバイオマスカ−ボンブラックの製造方法。
  5. 捕集工程における植物性カーボン捕集量により原料供給工程における供給量を自動制御する方法、原料供給量により熱分解管及びホットウォールに嵌設された通電発熱体の加熱温度を自動設定する方法、熱分解工程における設定加熱温度と熱分解管及び前記通電発熱体の検知温度との差により熱分解管及び前記通電発熱体の加熱用電流を自動制御する方法、原料供給量により粉末分散工程における窒素ガス噴霧量を自動制御する方法、熱分解工程における設定圧力と熱分解管内圧力との差により窒素ガス供給量を自動制御する方法とを含む装置自動制御方法を設けることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のバイオマスを原料にしたバイオマスカ−ボンブラックの製造方法。
  6. バイオマスカ−ボンブラックの製造装置であって、バイオマス粉末を二重スクリューフィーダーにより定量供給し自由落下させる原料供給手段と、前記原料供給手段の粉末吐出部の周囲に設置した輪状ガス管に配設したノズルからの窒素ガス噴霧により自由落下直後の粉末を分散させる粉末分散手段と、窒素ガス雰囲気下及び所定圧力下で、前記粉末を所定温度で加熱して表面炭化する予備加熱ゾーンと、前記予備加熱ゾーン後に粉末を所定温度で加熱して熱分解する熱分解ゾーンと、前記熱分解ゾーン後の熱分解熟成時間を設けた熟成ゾーンの3つのゾーンに熱分解手段を分け、熱分解ゾーンのみの1熱分解手段、予備加熱ゾーンと熱分解ゾーンからなる2熱分解手段、または予備加熱ゾーン、熱分解ゾーン及び熟成ゾーンからなる3熱分解手段のうちのいずれか一つからなる熱分解手段と、生成された植物性カーボンを捕集しロードセルを設けた捕集手段と、を含む手段からなることを特徴とするバイオマスを原料にしたバイオマスカ−ボンブラックの製造装置。
  7. 熱分解手段後における植物性カーボンの自由落下路の周囲に電流供給により磁界を発生させるコイルを周設した磁界発生手段を設けることを特徴とする請求項6に記載のバイオマスを原料にしたバイオマスカ−ボンブラックの製造装置。
  8. 磁界発生手段後の植物性カーボンを急速冷却するための冷却水管又はサブゼロ処理する冷媒流路管などの急冷手段を設けることを特徴とする請求項6または7に記載のバイオマスを原料にしたバイオマスカ−ボンブラックの製造装置。
  9. 熱分解手段が、電流供給により熱分解管内の気相温度昇温と放電現象を生じさせる熱分解管と、該熱分解管の外周を包囲するように配設させた円筒形の薄肉状の内套と、該内套の外周を包囲するように配設させた、通電発熱体を嵌設させた円筒形で分割可能な断熱部材とからなるホットウォールと、を含む手段からなることを特徴とする請求項6乃至8のいずれかに記載のバイオマスを原料にしたバイオマスカ−ボンブラックの製造装置。
  10. 熱分解手段における熱分解管がチタン、モリブデン、タングステン、白金及び黒鉛のうちの一つ又は複数の材質からなり、前記熱分解管内に吊設された触媒体がチタン、モリブデン、タングステン、ニッケル、鉄、セシューム、リチューム、白金及び黒鉛のうちの一つ又は複数の材質からなることを特徴とする請求項6乃至9のいずれかに記載のバイオマスを原料にしたバイオマスカ−ボンブラックの製造装置。
  11. 熱分解手段で生じた熱分解ガスを排気ポンプなどにより吸引し、冷却水などで液化処理するガス冷却手段を設けることを特徴とする請求項6乃至10のいずれかに記載のバイオマスを原料にしたバイオマスカ−ボンブラックの製造装置。
  12. 原料供給手段、粉末分散手段、熱分解手段及び捕集手段に、または、原料供給手段、粉末分散手段、熱分解手段、磁化手段、急冷手段及び捕集手段に、シール手段及び窒素ガス発生及び供給手段を設けることを特徴とする請求項6、または8乃至11のいずれかに記載のバイオマスを原料にしたバイオマスカ−ボンブラックの製造装置。
  13. 捕集手段における植物性カーボン捕集量により原料供給手段における供給量を二重スクリューフィーダーのサーボモーターの回転数を可変させることで原料供給量を自動制御する手段、原料供給量により熱分解管及びホットウォールに嵌設された通電発熱体の加熱温度を自動設定する手段、熱分解管及びホットウォールに嵌設された通電発熱体の加熱温度の設定温度と温度検知手段により検知された温度との差により熱分解管及びホットウォールに嵌設された通電発熱体の加熱用電流を可変させることで加熱温度を自動制御する手段、原料供給手段における供給量により粉末分散手段における窒素ガス噴霧量を圧力調整弁により自動制御する手段、及び熱分解手段における設定圧力と検知圧力との差により窒素ガス供給量を圧力調整弁により圧力を自動制御する手段を含む装置自動制御手段を設けることを特徴とする請求項6乃至12のいずれかに記載のバイオマスを原料にしたバイオマスカ−ボンブラックの製造装置。
  14. 粉末分散手段及び/又は捕集手段に照明灯付き観察窓を配設することを特徴とする請求項6乃至13のいずれかに記載のバイオマスを原料にしたバイオマスカ−ボンブラックの製造装置。
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