JP2013126932A - グラファイトナノカーボンファイバー及びその製造方法 - Google Patents
グラファイトナノカーボンファイバー及びその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2013126932A JP2013126932A JP2011277579A JP2011277579A JP2013126932A JP 2013126932 A JP2013126932 A JP 2013126932A JP 2011277579 A JP2011277579 A JP 2011277579A JP 2011277579 A JP2011277579 A JP 2011277579A JP 2013126932 A JP2013126932 A JP 2013126932A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- metal substrate
- reaction vessel
- fiber
- graphite
- scraping
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Inorganic Fibers (AREA)
- Carbon And Carbon Compounds (AREA)
Abstract
【解決手段】内部を還元雰囲気に保持しうる反応容器21と、この反応容器内に配置された触媒としての金属基板22と、この金属基板を加熱するヒーター26と、反応容器内に木質を還元雰囲気で熱分解して得られる熱分解ガスを供給する熱分解ガス供給機構25と、金属基板上に生成される炭素繊維を掻き取る掻き取り部品24と、掻き取った炭素繊維を回収する回収容器27と、反応容器内のガスを排気する排気機構28を具備した装置を用いて得られるグラファイトナノカーボンファイバーであり、前記炭素繊維はフレーク状であることを特徴とするグラファイトナノカーボンファイバー。
【選択図】図1
Description
カーボンナノ構造材料の生成法には、アーク放電法、レーザー蒸着法、化学気相成長法(CVD法)などが挙げられる。
アーク放電法では、正負のグラファイト電極間にアーク放電を起こすことでグラファイトが蒸発し、陰極先端に凝縮したカーボンの堆積物の中にカーボンナノチューブが生成される。
レーザー蒸着法は、高温に加熱した不活性ガス中に金属触媒を混合したグラファイト試料を入れ、レーザー照射することによりカーボンナノ構造材料を生成する方法である。
いずれの方法で製造した繊維状ナノカーボンも、直径が数十ナノメートルから200ナノメート、長さが数ミクロンメータから数百ミクロンの繊維状カーボンで、アスベストに似た毒性が指摘される場合がある。毒性はなくても、飛散性は高く、粉体としての取り扱いの注意が重要とされている。
図1は、グラファイトナノカーボンファイバーの製造フローの一例を示す説明図である。
まず、木質バイオマス資源1を破砕してチップ2にする。次に、そのチップ2を還元雰囲気で熱分解する熱分解炉3に外部空気を遮断しつつ入れ、熱分解ガス4と炭化物5に別ける。ここで、熱分解炉3としてはロータリーキルンを用いている。つづいて、熱分解炉3から得られた熱分解ガス4を微細炭素繊維生成炉(反応容器)6に供給し、微細炭素繊維7を生成する。微細炭素繊維生成炉6で余った余剰ガス(オフガス)8は、オフガス燃焼炉9で燃して排ガス10となる。余剰ガス配管ラインには、液封容器11内にシール液12を溜めて入口側配管を没して余剰ガスが逆流しないように工夫している。
第1の実施形態に係るグラファイトナノカーボンファイバーの製造装置について図2、図3(A)〜(C)を参照して説明する。但し、図2は同製造装置の全体図、図3(A)〜(C)は図2の製造装置において金属基板へのファイバーの堆積、掻き取りを工程順に示す説明図である。また、図2は、図1の生成炉に対応する。
図中の符号21は、内部を還元雰囲気に保持する反応容器を示す。この反応容器21内には、金属基板(触媒)22と、この金属基板22上に生成される微細炭素繊維23を掻き取りする掻き取り部品(掻き取り機構)24が配置されている。前記反応容器21には、反応容器21内に木質の熱分解ガスを供給する熱分解ガス供給機構25が接続されている。前記反応容器21の外側には、金属基板22を加熱する加熱機構としてのヒータ26、微細炭素繊維23を回収する回収容器27、反応容器21内のガスを排気する排気手段28が配置されている。
第1の実施形態では、金属基板22として、木質の熱分解ガスとの相性がもっとも良いニッケル材を用いた。触媒となる金属基板の表面には通常酸化膜が形成されているので、その膜を除外して表面を活性化させた。活性化させる方法として、表面の磨きと酸処理を施した。
まず、反応容器21の温度を680℃〜780℃、好ましくは740℃に調整して、熱分解ガスを反応容器21内に供給する。その際、反応容器内では溶融状態の金属触媒粒子に炭素原子が取り込まれる。次に、金属基板中の炭素が飽和状態になると、カーボンが金属触媒粒子から析出し結晶状に成長する。この結晶状に生成成長したのが微細炭素繊維23である。
次いで、金属基板22に数十分かけて成長した微細炭素繊維23を掻き取り部品24で掻き落として反応容器外に排出し、回収容器27に回収した。掻き取りは金属基板22に0〜5mm程度の厚さで残るように掻きとり、再び成長した微細炭素繊維23を掻き取りして繰り返した。掻き残した微細炭素繊維があっても、十分に金属触媒に炭素ガスの供給がなされるため、微細炭素繊維の生成量は低下することなく長期間一定を保つことができた。
第2の実施形態に係るグラファイトナノカーボンファイバーの製造装置について図4を参照して説明する。但し、図2,図3と同部材は同符号を付して説明を省略する。ここで、図4は、図1の生成炉に対応する。
図中の符号31は、内部を還元雰囲気に保持しうるとともに、外気と遮断可能な円筒状の縦型反応容器を示す。この反応容器31の内側には、該反応容器31と同軸状の円筒状の金属基板(触媒)32が配置されている。前記反応容器31には、金属基板32の表面に生成された微細炭素繊維23を掻き取る掻き取り機構が配置されている。ここで、掻き取り機構は、駆動装置33と、この駆動装置33に軸支された矢印A方向に回転可能な主軸34と、この主軸34に取付けられた螺旋状の掻き取り回転羽根35とから構成されている。前記反応容器31には、該反応容器内に木質の熱分解ガスを供給する分解ガス供給機構25、前記反応容器内に水素及び不活性ガスを供給するボンベガス供給機構36、反応容器内のガスを排気する排気機構28が夫々接続されている。前記反応容器31の外周部には、金属基板32を加熱する加熱機構としてのヒーター26が配置されている。前記反応容器21の下部には、掻き取った微細炭素繊維23を回収する回収容器37が接続されている。なお、図2中の符号38は、反応容器31の上部で主軸34の周囲に配置されたシール部材を示す。
まず、反応容器31の温度を680℃〜780℃、好ましくは740℃に調整して、熱分解ガスを反応容器31内に供給する。その際、溶融状態の金属触媒粒子に炭素原子が取り込まれる。次に、金属基板32中の炭素が飽和状態になると、カーボンが触媒粒子から析出し結晶状に成長する。その結晶状に生成したのが微細炭素繊維23である。
図5は、図1の熱分解炉3から出る熱分解ガス4のガス組成を分析し示した図である。図5より、熱分解ガス供給機構における熱分解温度は、400℃〜800℃が好ましいことが分かる。ここで、400℃未満では、熱分解ガス中のタール成分が増えすぎて十分な量の炭素繊維が得られない。また、800℃を超えると、熱分解ガス中のタール成分が少なすぎて、フレーク状の炭素繊維が得られない。一方、熱分解温度が600℃以上になれば熱分解ガスの主成分であるCO(一酸化炭素),CH4(メタン),CO2(二酸化炭素),N2(窒素)はほぼ一定になり、H2(水素)は熱分解温度を高めるに従って増加する傾向を示している。
図6は、掻き取った微細炭素繊維を写真撮影したもので、形状はフレーク(薄片)形状で一辺の長さが約1mm〜20mmの塊り状態であった。塊り状態のフレーク形状として回収される理由は、原料である熱分解ガスの中にタール性の有機性炭化水素分が微量含まれ、それが結合材となっていたと考えられる。その結果、回収したカーボンは塊り状態で掻き落とされ、飛散性が非常に低い形態であった。
本実施形態の製造装置は金属基板に微細炭素繊維を成長させることから、金属基板が微
細炭素繊維側に必要最低限だけ移行することから純度が極めて高くなる。また、連続生成が可能なことから大量生産を実現でき、工業的普及を可能にできる。
メカニカルセンサ、光透過性や電導性を利用したレーザ部材や透明電極、高電流密度耐性を利用した配線材料など新たな応用分野が期待できる。
Claims (5)
- 内部を還元雰囲気に保持しうる反応容器と、この反応容器内に配置された触媒としての金属基板と、この金属基板を加熱する加熱機構と、反応容器内に木質を還元雰囲気で熱分解して得られる熱分解ガスを供給する熱分解ガス供給機構と、金属基板上に生成される炭素繊維を掻き取る掻き取り機構と、掻き取った炭素繊維を回収する回収容器と、反応容器内のガスを排気する排気機構を具備した装置を用いて得られるグラファイトナノカーボンファイバーであり、
前記炭素繊維はフレーク状であることを特徴とするグラファイトナノカーボンファイバー。 - 内部を還元雰囲気に保持しうる筒状の反応容器と、この反応容器内に該反応容器と同軸状に配置された,触媒としての筒状の金属基板と、この金属基板を加熱する加熱手段と、反応容器内に木質を還元雰囲気で熱分解して得られる熱分解ガスを供給する熱分解ガス供給機構と、金属基板の内壁上に生成される炭素繊維を掻き取る螺旋状の掻き取り回転羽根を有する掻き取り機構と、掻き取った炭素繊維を回収する回収容器と、反応容器内のガスを排気する排気機構を具備した装置を用いて得られるグラファイトナノカーボンファイバーであり、
前記炭素繊維はフレーク状であることを特徴とするグラファイトナノカーボンファイバー。 - 前記熱分解ガス供給機構における熱分解温度は400℃以上800℃以下であることを特徴とする請求項1または2記載のグラファイトナノカーボンファイバー。
- さらに、前記反応容器にエタノールを供給するエタノール供給機構を備えていることを特徴とする請求項1乃至3いずれか1項記載のグラファイトナノカーボンファイバー。
- 内部を還元雰囲気に保持しうる反応容器と、この反応容器内に配置された触媒としての金属基板と、この金属基板を加熱する加熱機構と、反応容器内に木質を還元雰囲気で熱分解して得られる熱分解ガスを供給する熱分解ガス供給機構と、金属基板上に生成される炭素繊維を掻き取る掻き取り機構と、掻き取った炭素繊維を回収する回収容器と、反応容器内のガスを排気する排気機構を具備した装置を用い、フレーク状のグラファイトナノカーボンファイバーを製造することを特徴とするグラファイトナノカーボンファイバーの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011277579A JP2013126932A (ja) | 2011-12-19 | 2011-12-19 | グラファイトナノカーボンファイバー及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011277579A JP2013126932A (ja) | 2011-12-19 | 2011-12-19 | グラファイトナノカーボンファイバー及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2013126932A true JP2013126932A (ja) | 2013-06-27 |
Family
ID=48777693
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2011277579A Pending JP2013126932A (ja) | 2011-12-19 | 2011-12-19 | グラファイトナノカーボンファイバー及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2013126932A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US11495789B2 (en) | 2014-05-13 | 2022-11-08 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Composite active material |
-
2011
- 2011-12-19 JP JP2011277579A patent/JP2013126932A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US11495789B2 (en) | 2014-05-13 | 2022-11-08 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Composite active material |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
Omoriyekomwan et al. | Formation of hollow carbon nanofibers on bio-char during microwave pyrolysis of palm kernel shell | |
JP6078045B2 (ja) | 炭素酸化物を還元することによる固体炭素の製造方法 | |
Lyu et al. | Synthesis of boron-doped double-walled carbon nanotubes by the catalytic decomposition of tetrahydrofuran and triisopropyl borate | |
Mirabootalebi et al. | Methods for synthesis of carbon nanotubes—review | |
JP2020531390A (ja) | グラフェンナノリボン、グラフェンナノプレートレット及びこれらの混合物並びに合成の方法 | |
KR101376266B1 (ko) | 그라파이트 나노 카본 화이버 및 그 제조 방법 | |
Nizamuddin et al. | Microwave-assisted synthesis for carbon nanomaterials | |
Lu et al. | Carbon nanofibres from fructose using a light-driven high-temperature spinning disc processor | |
Zhang et al. | Reaction Pathway Analysis of B/Li2O in a Li–B–O System for Boron Nitride Nanotube Growth | |
JP2013126932A (ja) | グラファイトナノカーボンファイバー及びその製造方法 | |
Tarboush et al. | Potassium hydroxide as a novel catalyst for metal-free carbon nanotubes growth on powder activated carbon | |
Jiang | CVD growth of carbon nanofibers | |
JP2012172273A (ja) | グラファイトナノカーボンファイバー及びその製造方法 | |
JP2013086993A (ja) | ナノグラフェン及びその製造方法 | |
Mahmood et al. | Graphene Synthesis from Organic Substrates: A Review | |
Yaakob et al. | Carbon‐Based Nanomaterials: Synthesis and Characterizations | |
JP5874994B2 (ja) | カーボンナノチューブの製造方法 | |
JP2022518257A (ja) | グラフェンナノリボンを含む透明導電膜 | |
Roy et al. | Synthesis and Characterization of graphene from non-conventional precursors | |
Tripathi et al. | Nanocarbon synthesis using plant oil and differential responses to various parameters optimized using the Taguchi method | |
JP2014001140A (ja) | グラファイトナノカーボンファイバー及びその製造方法 | |
Firdaus et al. | Effect of Reaction Time and Catalyst Feed Rate towards Carbon Nanotubes Yields and Purity by Using Rotary Reactor | |
Jaganathan et al. | Food Waste Mixed with Carbon Nanotechnology for Energy Storage | |
Nurfazianawatie et al. | A Review of Graphene Research and Its Outputs: Waste Carbon Source and Synthesis Technique | |
Junoh et al. | Synthesis of carbon nanoparticles from tyre pyrolysis oil using CO2 laser and their characterisation |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20131205 |
|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20131212 |
|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20131219 |
|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20131226 |
|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20140109 |