JP2014001140A - グラファイトナノカーボンファイバー及びその製造方法 - Google Patents

グラファイトナノカーボンファイバー及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2014001140A
JP2014001140A JP2013205993A JP2013205993A JP2014001140A JP 2014001140 A JP2014001140 A JP 2014001140A JP 2013205993 A JP2013205993 A JP 2013205993A JP 2013205993 A JP2013205993 A JP 2013205993A JP 2014001140 A JP2014001140 A JP 2014001140A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
reaction vessel
graphite
carbon
graphite nanocarbon
nanocarbon fiber
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2013205993A
Other languages
English (en)
Inventor
Katsunori Ide
勝記 井手
Tetsuya Mine
哲哉 峰
Jun Yoshikawa
潤 吉川
Takeshi Noma
毅 野間
Masao Kon
雅夫 今
Kazutaka Koshiro
和高 小城
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP2013205993A priority Critical patent/JP2014001140A/ja
Publication of JP2014001140A publication Critical patent/JP2014001140A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Carbon And Carbon Compounds (AREA)

Abstract

【課題】木質原料から得られる寸法、形状、構造、純度の安定性が高い高機能のグラファイトカーボンナノファイバー及びその製造方法を提供することである。
【解決手段】内部を還元雰囲気に保持しうる,木質を還元雰囲気で熱分解して得られる熱分解ガスが導入される反応容器21と、この反応容器内に配置した触媒としての金属基板と、この金属基板を加熱するヒータ26と、反応容器内に炭化水素を供給する炭化水素供給手段と、気相成長法により金属基板上に生成される炭素繊維を掻き取る掻き取り部品24と、掻き取った炭素繊維を回収する回収容器27と、反応容器内のガスを排気する排気手段28を具備した装置を用いて得られるグラファイトナノカーボンファイバーであり、前記炭素繊維は、グラフェンが長手方向に多層に重なり合って形成される直径25〜250nmの線状の炭素繊維であることを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明の実施形態は、木質を原料とするグラファイトナノカーボンファイバーに関する。
カーボンナノ構造材料として、一般に炭素を含有するガスを選択した触媒金属と500℃から約1200℃程度の温度で一定時間接触させて製造された繊維状ナノ炭素を用いることが知られている。
カーボンナノ構造材料の生成法には、アーク放電法、レーザー蒸着法、化学気相成長法(CVD法)などが挙げられる。
アーク放電法では、正負のグラファイト電極間にアーク放電を起こすことでグラファイトが蒸発し、陰極先端に凝縮したカーボンの堆積物の中にカーボンナノチューブが生成される。
レーザー蒸着法は、高温に加熱した不活性ガス中に金属触媒を混合したグラファイト試料を入れ、レーザー照射することによりカーボンナノ構造材料を生成する方法である。
一般に、上記アーク放電法やレーザー蒸発法では結晶性の良いカーボンナノ構造材料が生成できるが、生成するカーボンの量が少なく大量生成に難しいと言われている。
CVD法には、反応炉の中に配置した基板にカーボンナノ構造材料を生成させる気相成長基板法と、触媒金属と炭素源を一緒に高温の炉に流動させカーボンナノ構造材料を生成する流動気相法の2つの方法がある。
しかし、上記気相成長基板法は、バッチ処理であるので大量生産が難しい。また、流動気相法は、温度の均一性が低く結晶性の良いカーボンナノ構造材料を生成するのが難しいとされている。さらに、流動気相法の発展型として、高温の炉の中に、触媒兼用流動材で流動層を形成し、炭素原料を供給して繊維状のカーボンナノ構造材料を生成する方法も知られている。しかし、炉内の温度の均一性が低く結晶性の良いカーボンナノ構造材料を生成するのが難しいと想定される。
ナノ構造材料、特にグラファイトカーボンナノファイバーは、多くの工業的用途において急速に重要性を増し、用途研究がなされている。例えば、水素の吸蔵や吸着・脱着、リチウムの吸蔵や吸着・脱着、触媒作用、窒素酸化物の吸着吸蔵などがあるが、いまだに工業的な実現が乏しいのが現状である。その理由の一つとして、構造的に均一なグラファイトカーボンナノファイバーを量産できないことが挙げられる。
しかして、寸法、形状、構造、純度などの安定性が高いグラファイトカーボンナノファイバーを低コストで効率よく量産することができるようになれば、グラファイトカーボンナノファイバーの特性を生かしたナノテクノロジー製品を低コストで大量に供給することが可能になる。
特開2000−95509号公報 特開平10−273308号公報 特開2000−86217号公報 特開2003−342840号公報
実施形態の目的は、木質原料を用いて得られる寸法、形状、構造、純度の安定性が高い高機能のグラファイトカーボンナノファイバーを提供することにある。
実施形態によれば、内部を還元雰囲気に保持しうる反応容器と、この反応容器内に配置した触媒としての金属基板と、この金属基板を加熱する加熱手段と、反応容器内に木質を還元雰囲気で熱分解して得られる熱分解ガスを供給する熱分解ガス供給手段と、金属基板上に生成される炭素繊維を掻き取る掻き取り手段と、掻き取った炭素繊維を回収する回収容器と、反応容器内のガスを排気する排気手段を具備した装置を用いて得られるグラファイトナノカーボンファイバーであり、前記炭素繊維は、グラフェンが長手方向に多層に重なり合って形成される直径25〜250nmの線状の炭素繊維であることを特徴とするグラファイトナノカーボンファイバーを提供できる。
実施形態に係るグラファイトナノカーボンファイバーの製造フローの説明図。 第1の実施形態に係るグラファイトナノカーボンファイバーの製造装置の一構成である反応容器の説明図概略図。 第2の実施形態に係るグラファイトナノカーボンファイバーの製造装置の説明図。 図1の製造フローに示す熱分解炉の熱分解温度と熱分解ガスのガス組成との関係を示す特性図。 図1の製造フローに示す熱分解炉の木質の熱分解温度と炭化物の組成との関係を示す特性図。 実施形態に係る微細炭素繊維の直径を測定した位置と測定値を開示した電子顕微鏡写真。 実施形態に係る微細炭素繊維の温度と温度差,温度差の微分,重量変化との関係を示す特性図。 実施形態に係る微細炭素繊維のラマンシフトとラマン強度との関係を示す特性図。 実施形態に係る微細炭素繊維の透過型電子顕微鏡写真。 図9のA部を拡大して示す微細炭素繊維の電子顕微鏡写真。 実施形態に係る微細炭素繊維の構造を模式的に画いた説明図。
以下、本発明の実施形態に係るグラファイトナノカーボンファイバーについて図面を参照して説明する。
図1は、グラファイトナノカーボンファイバーの製造フローの一例を示す説明図である。
まず、木質バイオマス資源1を破砕してチップ2にする。次に、そのチップ2を還元雰囲気で熱分解する熱分解炉3に外部空気を遮断しつつ入れ、熱分解ガス4と炭化物5に別ける。ここで、熱分解炉3としてはロータリーキルンを用いている。つづいて、熱分解炉3から得られた熱分解ガス4を微細炭素繊維生成炉(反応容器)6に供給し、微細炭素繊維7を生成する。微細炭素繊維生成炉6で余った余剰ガス(オフガス)8は、オフガス燃焼炉9で燃して排ガス10となる。余剰ガス配管ラインには、液封容器11内にシール液12を溜めて入り口側配管を没して余剰ガスが逆流しないように工夫している。
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態に係るグラファイトナノカーボンファイバーの製造装置について図2を参照して説明する。ここで、図2は、図1の生成炉に対応する。
図中の符号21は、内部を還元雰囲気に保持する反応容器を示す。この反応容器21内には、金属基板(触媒)22と、この金属基板22上に生成される微細炭素繊維23を掻き取りする掻き取り部品(掻き取り手段)24が配置されている。前記反応容器21には、反応容器21内に木質の熱分解ガスを供給する熱分解ガス供給手段25が接続されている。前記反応容器21の外側には、反応容器21内の金属基板22を加熱する加熱手段としてのヒータ26、微細炭素繊維23を回収する回収容器27、反応容器21内のガスを排気する排気手段28が配置されている。
第1の実施形態では、金属基板22として、木質の熱分解ガスとの相性がもっとも良いニッケル材を用いた。触媒となる金属基板の表面には通常酸化膜が形成されているので、その膜を除外して表面を活性化させた。活性化させる方法として、表面の磨きと酸処理を施した。
次に、図2の製造装置の作用について説明する。
まず、反応容器21の温度を680℃〜780℃、好ましくは740℃に調整して、熱分解ガスを反応容器21内に供給する。その際、反応容器内では金属基板22に炭素原子が取り込まれる。次に、金属基板中の炭素が飽和状態になると、カーボンが金属基板22から析出し結晶状に成長する。この結晶状に生成成長したのが微細炭素繊維23である。
次いで、金属基板22に数十分かけて成長した微細炭素繊維23を掻き取り部品24で掻き落として反応容器外に排出し、回収容器27に回収した。掻き取りは金属基板22に0〜5mm程度の厚さで残るように掻きとり、再び成長した微細炭素繊維23を掻き取りして繰り返した。掻き残した微細炭素繊維があっても、十分に金属触媒に炭素ガスの供給がなされるため、微細炭素繊維の生成量は低下することなく長期間一定を保つことができた。
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態に係るグラファイトナノカーボンファイバーの製造装置について図3を参照して説明する。ここで、図3は、図1の生成炉に対応する。
図中の符号31は、内部を還元雰囲気に保持しうるとともに、外気と遮断可能な円筒状の縦型反応容器を示す。この反応容器31の内側には、該反応容器31と同軸状の円筒状の金属基板(触媒)32が配置されている。前記反応容器31には、金属基板32の表面に生成された微細炭素繊維33を掻き取る掻き取り手段が配置されている。ここで、掻き取り手段は、駆動装置34と、この駆動装置34に軸支された矢印A方向に回転可能な主軸35と、この主軸35に取付けられた螺旋状の掻き取り回転羽根36とから構成されている。前記反応容器31には、該反応容器内に木質の熱分解ガスを供給する熱分解ガス供給手段37、前記反応容器内に水素及び不活性ガスを供給するボンベガス供給手段38、反応容器内のガスを排気する排気手段39が夫々接続されている。前記反応容器31の外周部には、金属基板32を加熱する加熱手段としてのヒータ40が配置されている。前記反応容器31の下部には、掻き取った微細炭素繊維33を回収する回収容器41が接続されている。なお、図2中の符号42は、反応容器31の上部で主軸35の周囲に配置されたシール部材を示す。
第2の実施形態では、金属基板32として、木質の熱分解ガスとの相性がもっとも良いニッケル材を用いた。触媒となる金属基板の表面には通常酸化膜が形成されているので、その膜を除外して表面を活性化させた。活性化させる方法として、表面の磨きと酸処理を施した。触媒となる円筒形状の金属基板32は炭素繊維生成過程で減肉されるので、一定期間の後に新しい基板と取り替えることができる構造となっている。
次に、図3の製造装置の作用について説明する。
まず、反応容器31の温度を680℃〜780℃、好ましくは740℃に調整して、熱分解ガスを反応容器31内に供給する。その際、金属基板32に炭素原子が取り込まれる。次に、金属基板32中の炭素が飽和状態になると、カーボンが金属基板32から析出し結晶状に成長する。その結晶状に生成したのが微細炭素繊維33である。
次に、金属基板32に数十分かけて生成した微細炭素繊維33を回転羽根36で掻き落とし、反応容器31の下部の回収容器41に回収した。掻き取りは、金属基板32に微細炭素繊維33が0〜5mm程度の厚さで残るように金属基板32と回転羽根36の先端間の距離を調整している。また、回転羽根36は駆動装置34を0.01〜0.05rpmの速度で駆動することにより連続的に掻き取るか、もしくは20分から60分毎に間欠掻き取りを行った。微細炭素繊維33が掻き取られ、その後、再び成長した微細炭素繊維33は再び掻き取られ連続生成を続けることができる。また、掻き残した微細炭素繊維があっても、十分に金属基板32に炭素ガスの供給がなされるため、微細炭素の生成量は低下することなく長期間一定を保つことができる。
次に、上記実施形態の作用を詳細に説明する。
図4は、図1の熱分解炉3から出る熱分解ガス4のガス組成を分析し示した図である。熱分解温度が600℃以上になれば熱分解ガスの主成分であるCO(一酸化炭素),CH (メタン),CO(二酸化炭素),N(窒素)はほぼ一定になり、H(水素)は熱分解温度を高めるに従って増加する傾向を示している。
図5は、図1の熱分解炉3から出る炭化物5の組成を分析し示した図である。主成分であるC(炭素),H(水素),O(酸素),N(窒素)は、熱分解温度が600℃以上でほぼ一定になっている。下記表1は、木質と炭化物A,B,C,Dと熱分解温度,含水率,揮発分,灰分,固定炭素,高位発熱量,低位発熱量,C,H,O,Nとの関係を示したものである。
図4および図5より、熱分解ガスと炭化物の組成の結果から、微細炭素繊維の製造用原料ガスとして、600℃〜800℃の範囲で一定した熱分解ガスを得られることが判る。
以上、微細炭素繊維の製造装置及び製造方法について説明していきたが、以下に生成した微細炭素繊維の寸法、形状、構造、純度について説明する。
図6は、後述するサンプル2による微細炭素繊維の直径を測定した位置と測定値を示した電子顕微鏡写真である。繊維状に絡み合って見えるのが微細炭素繊維である。図6の測定を多数点測定して太さ分布を下記表2〜6に示す。なお、表2〜6中、サンプルNoの括弧内のNoは、実機での生データのNoを示している。表2〜6では、図6で示した方法で微細炭素繊維の直径を測定し、18のサンプルを対象にデータを採取している。但し、表2のサンプル1,2は乾燥木質を対象とし、表2のサンプル3,4及び表3のサンプル5〜8は無乾燥木質を対象とし、表4のサンプル9,10は乾燥木質を対象としかつ掻き取り間隔を変更している。
また、サンプル1〜10における反応容器の温度は740℃とし、木質流量は2.3kg/hとした。さらに、表4のサンプル11,12、表5のサンプル13〜16及び表6のサンプル17,18は乾燥木質を対象とし、流量(Q)はサンプル11,12ではQ=3.27kg/h,サンプル13,14ではQ=4.31kg/h,サンプル15,16ではQ=5.04kg/h、サンプル17,18ではQ=6.63kg/hとした。さらには、サンプル11〜18における反応容器の温度は740℃とした。
表2〜6の実測データによると、直径25〜250nmの範囲に太さが分布していることが判る。平均直径は84.4〜110.8nmで、おおよそ100nmがもっとも多い直径となっている。
下記表7は、サンプル2,8,18における比表面積と嵩密度の測定結果を示す。表7によれば、比表面積は203.7〜213.7m/g(気体吸着BET法)で、他のデータも含めると、50〜220m/gであり、好ましくは170〜210m/gであった。
また、嵩密度は0.47〜0.50g/cm(定容量法)で、他のデータも含めると、0.35〜0.60g/cmであり、好ましくは0.4〜0.5g/cmであった。
図7は、サンプル2の微細炭素繊維の温度と温度差,温度差の微分(時間変化),重量変化との関係を示す特性図を示す。図7において、(a)は加熱時の微細炭素繊維の重量変化(TG)を示す曲線、(b)は加熱時の試料と基準物質の温度差(DTA)を示す曲線、(c)は示差熱電対で検出する温度差の時間に対する変化(DDTA)を示す曲線である。図7により、熱分解の開始温度(耐熱温度)が621℃であり、重量減少割合が89.6%(1000℃)であることが判る。
本手法により、3つのサンプルの測定を行った結果を下記表8に示す。表8により、熱分解開始温度(耐熱温度)が603℃から621℃に分布している。他のデータも含めると耐熱温度は530〜630℃であり、好ましくは600〜620℃である。また、表8により、重量減少率(純度)はおおよそ87%以上であった。また、他のデータを含めると75〜97%であり、好ましくは84〜97%であった。残渣物は1000℃で燃えない成分で、例えば触媒などが想定される。
図8はサンプル2の微細炭素繊維のラマンシフトとラマン強度との関係を示し、(a)はラマンスペクトルを示す曲線であり、(b)はフィッティング結果を示す曲線である。グラファイト構造のGバンド1580cm−1とグラファイト構造の欠陥に由来するDバンド1330cm−1が現れている。下記表9は、サンプル2,8,18におけるラマンスペクトルを示し、IG/ID=0.7,0.8,0.5であった。なお、IGはGバンドのX軸中心値の高さ、IDはIDバンドのX軸中心値の高さである。他のデータも含めると、IG/ID=0.5〜1.3であり、好ましくはIG/ID=0.5〜0.9である。
図9は微細炭素繊維の透過型電子顕微鏡写真を示し、触媒微粒子より両側にカーボン繊維が成長している様子がわかる。図10は図9の四角(□)で囲まれたA部を拡大した写真である。図10より、結晶化したグラフェン片が積層した構造であることが判る。
このことから、本実施形態の製造装置で製造する微細炭素繊維は、グラフェンが長手方向に多層に重なり合い、直径25〜250nmの線状グラファイトナノカーボンファイバー(GNF)であった。さらに分析すると、グラフェン間の距離は0.3〜0.4nm、そのグラフェンが重なり合って平均結晶厚さ3〜10nmの結晶子を構成し、結晶子が多層に重なり合って直径25〜250nmの線状グラファイトナノカーボンファイバーを構成していることが判った。
その構造を模式的に画いたのが図11である。図11において、(A)ほぼ丸い形状のグラファイトナノカーボンファイバー51の断面、(B)はグラフェンの塊(結晶子)52、(C)はグラフェン分散片53、(D)はグラフェン54である。
本実施形態の製造装置は金属基板に微細炭素繊維を成長させることから、金属基板が微細炭素繊維側に必要最低限だけ移行することから純度か極めて高くなる。また、連続生成が可能なことから大量生産を実現でき、工業的普及を可能にできる。
さらには、本実施形態で製造した微細炭素繊維は構造上からより小さなグラフェン形状まで分散可能と予想されることから、光電子移動度の高さを利用した電子部品、化学的な鋭敏性や化学反応を利用した化学センサーや水素貯蔵材料、機械的強度の高さを利用したメカニカルセンサ、光透過性や電導性を利用したレーザ部材や透明電極、高電流密度耐性を利用した配線材料など新たな応用分野が期待できる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
3…熱分解炉、4…熱分解ガス、5…炭化物、6…微細炭素繊維生成炉、7…微細炭素繊維、8…オフガス、9…オフガス燃焼炉、11…液封容器、21,31…反応容器、22…金属基板(触媒)、23,33…微細炭素繊維、24…掻き取り部品、25,37…熱分解ガス供給手段、26,40…ヒータ(加熱手段)、27,41…回収容器、28,39…ガス排気手段、34…駆動装置、35…主軸、32…掻き取り回転羽根、38…ボンベガス供給手段。
実施形態によれば、内部を還元雰囲気に保持しうる反応容器と、この反応容器内に配置した触媒としてのニッケル基板と、このニッケル基板を加熱する加熱手段と、反応容器内に木質を還元雰囲気で熱分解して得られる熱分解ガスを供給する熱分解ガス供給手段と、ニッケル基板上に生成される炭素繊維を掻き取る掻き取り手段と、掻き取った炭素繊維を回収する回収容器と、反応容器内のガスを排気する排気手段を具備した装置を用いて得られるグラファイトナノカーボンファイバーであり、
前記炭素繊維は、グラフェンが長手方向に多層に重なり合って形成される直径25〜250nmの線状のグラファイトナノカーボンファイバーであり、
前記グラフェン間の距離が0.3〜0.4nm、当該グラフェンが重なり合って平均結晶厚さ3〜10nmの結晶子を構成し、当該結晶子が多層に重なり合って前記線状のグラファイトナノカーボンファイバーを構成していることを特徴とするグラファイトナノカーボンファイバーを提供できる。

Claims (7)

  1. 内部を還元雰囲気に保持しうる反応容器と、この反応容器内に配置した触媒としてのニッケル基板と、このニッケル基板を加熱する加熱手段と、反応容器内に木質を還元雰囲気で熱分解して得られる熱分解ガスを供給する熱分解ガス供給手段と、ニッケル基板上に生成される炭素繊維を掻き取る掻き取り手段と、掻き取った炭素繊維を回収する回収容器と、反応容器内のガスを排気する排気手段を具備した装置を用いて得られるグラファイトナノカーボンファイバーであり、
    前記炭素繊維は、グラフェンが長手方向に多層に重なり合って形成される直径25〜250nmの線状のグラファイトナノカーボンファイバーであり、
    前記グラフェン間の距離が0.3〜0.4nm、当該グラフェンが重なり合って平均結晶厚さ3〜10nmの結晶子を構成し、当該結晶子が多層に重なり合って前記線状のグラファイトナノカーボンファイバーを構成していることを特徴とするグラファイトナノカーボンファイバー。
  2. 内部を還元雰囲気に保持しうる筒状の反応容器と、この反応容器内に該反応容器と同軸状に配置された,触媒としての筒状のニッケル基板と、このニッケル基板を加熱する加熱手段と、反応容器内に木質を還元雰囲気で熱分解して得られる熱分解ガスを供給する熱分解ガス供給手段と、ニッケル基板の内壁上に生成される炭素繊維を掻き取る螺旋状の掻き取り回転羽根を有する掻き取り手段と、掻き取った炭素繊維を回収する回収容器と、反応容器内のガスを排気する排気手段を具備した装置を用いて得られるグラファイトナノカーボンファイバーであり、
    前記炭素繊維は、グラフェンが長手方向に多層に重なり合って形成される直径25〜250nmの線状のグラファイトナノカーボンファイバーであり、
    前記グラフェン間の距離が0.3〜0.4nm、当該グラフェンが重なり合って平均結晶厚さ3〜10nmの結晶子を構成し、当該結晶子が多層に重なり合って前記線状のグラファイトナノカーボンファイバーを構成していることを特徴とするグラファイトナノカーボンファイバー。
  3. 比表面積が50〜220m/g(気体吸着BET法)であることを特徴とする請求項1または2記載のグラファイトナノカーボンファイバー。
  4. 嵩密度が0.35〜0.60g/cmであることを特徴とする請求項1または2記載のグラファイトナノカーボンファイバー。
  5. 耐熱温度が530〜630℃であることを特徴とする請求項1若しくは2記載のグラファイトナノカーボンファイバー。
  6. 純度が75〜97%であることを特徴とする請求項1または2記載のグラファイトナノカーボンファイバー。
  7. 結晶性カーボンをIG,非結晶性カーボンをIDとしたとき、IG/ID=0.5〜1.3であることを特徴とする請求項1または2記載のグラファイトナノカーボンファイバー。
JP2013205993A 2013-09-30 2013-09-30 グラファイトナノカーボンファイバー及びその製造方法 Pending JP2014001140A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013205993A JP2014001140A (ja) 2013-09-30 2013-09-30 グラファイトナノカーボンファイバー及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013205993A JP2014001140A (ja) 2013-09-30 2013-09-30 グラファイトナノカーボンファイバー及びその製造方法

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011033724A Division JP5535103B2 (ja) 2011-02-18 2011-02-18 グラファイトナノカーボンファイバー及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2014001140A true JP2014001140A (ja) 2014-01-09

Family

ID=50034683

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013205993A Pending JP2014001140A (ja) 2013-09-30 2013-09-30 グラファイトナノカーボンファイバー及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2014001140A (ja)

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61146816A (ja) * 1984-12-12 1986-07-04 Showa Denko Kk 気相法炭素繊維の製造法
JP2010013318A (ja) * 2008-07-03 2010-01-21 Toshiba Corp ナノカーボン製造装置
WO2010016395A1 (ja) * 2008-08-08 2010-02-11 株式会社 東芝 ナノカーボン生成装置
JP2010037177A (ja) * 2008-08-08 2010-02-18 Toshiba Corp ナノカーボン生成炉
JP2010042935A (ja) * 2008-08-08 2010-02-25 Toshiba Corp ナノカーボン製造装置
JP5535103B2 (ja) * 2011-02-18 2014-07-02 株式会社東芝 グラファイトナノカーボンファイバー及びその製造方法

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61146816A (ja) * 1984-12-12 1986-07-04 Showa Denko Kk 気相法炭素繊維の製造法
JP2010013318A (ja) * 2008-07-03 2010-01-21 Toshiba Corp ナノカーボン製造装置
WO2010016395A1 (ja) * 2008-08-08 2010-02-11 株式会社 東芝 ナノカーボン生成装置
JP2010037177A (ja) * 2008-08-08 2010-02-18 Toshiba Corp ナノカーボン生成炉
JP2010042935A (ja) * 2008-08-08 2010-02-25 Toshiba Corp ナノカーボン製造装置
JP5535103B2 (ja) * 2011-02-18 2014-07-02 株式会社東芝 グラファイトナノカーボンファイバー及びその製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6078045B2 (ja) 炭素酸化物を還元することによる固体炭素の製造方法
JP7290242B2 (ja) 炭素素材の製造装置
Velasquez et al. Chemical and morphological characterization of multi-walled-carbon nanotubes synthesized by carbon deposition from an ethanol–glycerol blend
JP5535103B2 (ja) グラファイトナノカーボンファイバー及びその製造方法
JP2007070166A (ja) カーボンナノ材料製造用の原料ガス製造方法およびその装置
Stefov et al. Properties assessment of multiwalled carbon nanotubes: A comparative study
JP6418690B2 (ja) カーボンナノチューブの製造装置
Saravanan et al. Techno-economics of carbon nanotubes produced by open air arc discharge method
Ziebro et al. Synthesis of nickel nanocapsules and carbon nanotubes via methane CVD
Maciel et al. Pyrolysis and auto-gasification of black liquor in presence of ZnO: An integrated process for Zn/ZnO nanostructure production and bioenergy generation
JP2012172273A (ja) グラファイトナノカーボンファイバー及びその製造方法
JP2014001140A (ja) グラファイトナノカーボンファイバー及びその製造方法
JP4487017B1 (ja) バイオマスを原料にしたバイオマスカーボンブラックの製造方法及びその装置
JP6569101B2 (ja) カーボンナノファイバーの製造方法
JP2013126932A (ja) グラファイトナノカーボンファイバー及びその製造方法
JP6455988B2 (ja) カーボンナノチューブの製造装置および製造方法
Tripathi et al. Nanocarbon synthesis using plant oil and differential responses to various parameters optimized using the Taguchi method
JP2012062241A (ja) カーボンナノチューブの製造方法およびカーボンナノチューブ
Vassilyeva et al. Synthesis of Mo2C-based material in DC arc discharge plasma under ambient air conditions
Igbokwe Optimization of the production of carbon nanotube yarns in a continuous chemical vapour deposition and application in incandescent bulb
Raghubanshi et al. Synthesis of carbon nanostructures using hydrogen storage alloys as catalysts
Dichiara In situ diagnostics for the study of carbon nanotubegrowth mechanism by floating catalyst chemical vapor deposition for advanced composite applications
Ravindra et al. Mass production of carbon nanofibers on water soluble support
JP2007246345A (ja) 気相成長炭素繊維の製造装置および製造方法
Sharon et al. Nanocarbon synthesis using plant oil and differential responses to various parameters optimized using the Taguchi method

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20131030

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20131030

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20140625

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140708

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20150407