JP2007112673A - 酸化物焼結体及びそれを用いて得られる酸化物膜、並びにその酸化物膜を含む積層体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】主としてインジウム、セリウム、スズの酸化物を含む酸化物焼結体であって、総金属元素に対するセリウム原子の比率が5〜50原子%であり、総金属元素に対するスズ原子の比率が9〜27原子%であり、残部がインジウム原子比率である。
【選択図】なし
Description
例えば、窓ガラスへの反射防止膜コーティングとしての用途を考えた場合、日常生活で最低限必要な耐酸性が求められる。ところが、耐酸性に劣る該透明導電膜を含む反射防止膜を窓ガラスにコーティングした場合、弱酸によって溶解されてしまい、反射防止効果が失われてしまう。
特許文献2には、基体と、基体上に形成された導電膜と、導電膜に電気的に接している電極とを有するプラズマディスプレイ用電磁波遮蔽シートであって、導電膜が、基体側から、酸化物層と金属層とが交互に計(2n+1)層[nは1以上の整数]積層された多層構造の導電膜であり、金属層が、Agを主成分としBiを含有することを特徴とするプラズマディスプレイ用電磁波遮蔽シートが提案されている。この電磁波遮蔽シートの酸化物層においても、前記した反射防止膜コーティングの場合と同様、最低限の耐酸性が必要であるが、特許文献2の透明導電膜では十分な耐酸性を得られなかった。
また、本発明により得られる酸化物膜は、高い屈折率を維持し、その酸化物膜を含む積層体は反射防止用途に好適に適用できるので有用である。
さらに、本発明によれば、酸化物膜中のスズ原子の比率を高めることによって、結晶化温度が高められるという新たな効果が得られることが見出されている。結晶化温度は酸化物膜の表面粗さに大きく影響するため、結晶化温度を高めることにより、本発明による非晶質酸化物膜は、合金膜層との積層化においても表面粗さを増長させることなく、光の散乱による損失の抑制が可能であり、ディスプレイへの適用も可能であり有用である。
本発明者らは、前記目的を達成するため、従来のスパッタリングターゲット及びそれによって形成される透明導電膜に対して添加効果を有する多くの元素ならびに最適な添加量を鋭意検討した。数多くのターゲット組成を選択してターゲットを作製し、その中から、主としてインジウム、セリウム、スズの酸化物を含む酸化物焼結体であり、総金属元素に対するセリウム原子の比率が5〜50原子%であり、総金属元素に対するスズ原子の比率が9〜27原子%であり、残部がインジウム原子比率であるか、あるいは、主としてインジウム、セリウム、スズ、ならびにチタンの酸化物を含む酸化物焼結体であって、総金属元素に対するセリウム原子の比率が5〜50原子%であり、総金属元素に対するスズ原子の比率が9〜27原子%であり、総金属元素に対するチタン原子の比率が5原子%以下であり、残部がインジウム原子比率であるターゲットであれば、透明導電膜を直流スパッタリング法により安定かつ高速に成膜することが可能であり、形成された透明導電膜は耐酸性に優れることを見出し、本発明に至った。
1.酸化物焼結体
本発明の酸化物焼結体は、主としてインジウム、セリウム、スズの酸化物を含む酸化物焼結体であって、総金属元素に対するセリウム原子の比率が5〜50原子%であり、総金属元素に対するスズ原子の比率が9〜27原子%であり、残部がインジウム原子比率である酸化物焼結体、あるいは、主としてインジウム、セリウム、スズ、ならびにチタンの酸化物を含む酸化物焼結体であって、総金属元素に対するセリウム原子の比率が5〜50原子%、好ましくは11〜33原子%であり、総金属元素に対するスズ原子の比率が9〜27原子%、好ましくは14〜27原子%であり、総金属元素に対するチタン原子の比率が5原子%以下、好ましくは0.1〜2原子%であり、残部がインジウム原子比率である酸化物焼結体を、スパッタリングターゲットして用いた場合に、直流スパッタリング法で安定して放電させることが可能であり、該酸化物焼結体をスパッタリングターゲットとして用いて得られる非晶質酸化物膜は、耐酸性に優れた高屈折率(n>2.05)を有する非晶質酸化物膜となることが確認されている。
本発明の酸化物焼結体は、純度4Nの酸化インジウム粉末、酸化セリウム粉末、酸化スズ粉末、および酸化チタン粉末を、総金属元素に対する各原子比率が本発明の範囲の比率となるよう配合し、有機バインダ、分散剤ならびに可塑剤とともにボールミルを48時間混合することが好ましい。上記原料となる酸化物の平均粒径は、適宜選定すれば良いが、それぞれ平均粒径3μm以下にボールミル等を用いて解砕して調整することが望ましい。ボールミルによる混合は、上記平均粒径が得られるように適宜選択すれば良いが、通常48時間程度行うことが好ましい。上記混合によって得られたスラリーを、スプレードライヤーによって噴霧乾燥し、造粒粉末を作製することが好ましい。
次に、得られた焼結体に円周加工ならびに表面研削加工を施し、所望のターゲット形状とした。加工後、焼結体をバッキングプレート用銅板にボンディング加工し、スパッタリングターゲットとする。
上記のように、本発明の酸化物焼結体ならびに酸化物焼結体をスパッタリングターゲットとして用いた場合に得られた酸化物膜は、含まれるスズ原子の比率を、従来のスパッタリングターゲットならびに透明導電膜より高めている。これによって、従来の透明導電膜になかった高い耐酸性を得ることができ、反射防止膜として用いるに好適である。
また、本発明の酸化物焼結体をスパッタリングターゲットとして用いた場合には、直流スパッタリング法によって安定かつ高速に成膜できるという特徴が損なわれることなく、さらに、形成された酸化物膜は、従来の透明導電膜と同等の高い屈折率を維持し、上記酸化物膜を含む積層体では優れた反射防止効果用途に好適であるので有用である。さらに、酸化物膜中のスズ原子の比率を高めることによって、結晶化温度が高められるという新たな効果が得られることが見出されている。結晶化温度は酸化物膜の表面粗さに大きく影響するため、結晶化温度を高めることにより、本発明の非晶質酸化物膜は、合金膜層との積層化においても表面粗さを増長させることなく、光の散乱による損失の抑制が可能であり、ディスプレイへの適用も可能であり有用である。
結晶化温度は酸化物膜の表面粗さに大きく影響する。結晶化温度が200℃程度の酸化物膜の場合、酸化物膜の表面粗さは、膜厚にもよるが、算術平均高さ(Ra)は、数nmから十数nmである。ここで、算術平均高さ(Ra)は、JIS B0601−2001の定義に基づいている。この表面粗さが、算術平均高さ(Ra)において数nmから十数nmの場合、光学的に悪影響を及ぼす場合がある。
本発明に係る積層体は、基体の片面または両面に、本発明の上記非晶質酸化物膜を少なくとも一層以上形成することを特徴とする。基体は、ガラス板、石英板、樹脂板若しくは樹脂フィルムの中から選ばれる基体であることが好ましい。必要に応じて、基体と酸化物膜の間にバリア膜や密着層を設けてもよい。
一例として、図1に、9層構造の導電膜を有する電磁波遮蔽シート1を示す。なお、この図は、実際の形状とは異なり、簡略化したものである。電磁波遮蔽シート1は、基体2に導電膜3、次いで保護膜4を積層させた構造である。さらに、導電膜3は、酸化物膜31、33、35、37、39と金属膜32、34、36、38を交互に積層させた構造をとり、酸化物膜31、39は基体2、保護膜4にそれぞれ接している。酸化物膜として、本発明の、2.05以上の高い屈折率を有する非晶質酸化物膜を用いることが好ましい。金属膜としては、屈折率0.5以下の銀系合金膜を用いることが好ましい。特に、耐エレクトロマイグレーションに優れた、銀を主成分とするビスマスを含有する銀合金が好ましい。上記の構成の電磁波遮蔽シートは、その積層体中に、本発明の屈折率2.05以上の、耐酸性に優れる、非晶質酸化物膜が用いられていることから、電磁波遮蔽シートとして好ましい経時特性を有することとなる。
スパッタリングターゲット作製
純度4Nの酸化インジウム粉末、酸化セリウム粉末、酸化スズ粉末、および酸化チタン粉末を、それぞれ平均粒径3μm以下にボールミル解砕して調整した。その後、総金属元素に対する各原子比率が所定の比率となるよう配合し、有機バインダ、分散剤ならびに可塑剤とともにボールミルによって48時間混合し、スラリーを作製した。得られたスラリーを、スプレードライヤーによって噴霧乾燥し、造粒粉末を作製した。
得られた造粒粉末をゴム型に入れ、静水圧プレス機によって191mmφ、厚さ約6mmの成形体を作製した。同様にして得られた成形体を酸素気流中にて、任意の温度で、20時間、常圧焼結した。次に、焼結体に円周加工ならびに表面研削加工を施し、直径約6inch、厚さ約5mmの形状にした。加工後、焼結体を冷却銅板にボンディングし、スパッタリングターゲットとした。
スパッタリング装置は、アネルバ製特SPF−530Hを使用した。基板にはコーニング社製7059ガラス基板を用い、ターゲット面と平行になるように配置した。基板−ターゲット間距離は60mmとした。スパッタリングガスはアルゴンガスのみ、またはアルゴンと酸素からなる混合ガスとし、酸素を0.5%の比率として、全ガス圧を0.5Paに設定した。投入パワーは200Wとした。以上の条件でDCマグネトロンスパッタリングによる成膜を行った。使用するスパッタリングターゲットによって成膜時間を調整し、膜厚100nmまたは200nmの透明導電膜を形成した。
焼結体および酸化物膜の総金属元素に対するインジウム、セリウム、スズ、およびチタンの原子比率は、ICP発光分光分析法(セイコーインスツルメンツ社製SPS4000使用)で求めたインジウム、セリウム、スズ、およびチタンの重量から算出した。酸化物膜の膜厚は、触針式膜厚計(テンコール社製Alpha Step IQ)で測定した。焼結体および酸化物の比抵抗は、四探針法(三菱化学製LORESTA−IP、MCP−T250使用)で測定した表面抵抗から算出した。
基板を含めた酸化物膜の光透過率(TS+F(%))を、分光光度計(日立製作所社製、U−4000)で測定した。同様の条件で基板のみの光透過率(TS(%))も測定し、(TS+F/TS)×100を膜自体の光透過率(TF(%))として算出した。視感度透過率は、JIS Z 8701で規定されている刺激値Yを求めた。
酸化物膜の結晶化温度は、X線回折装置(PANalytical製、CuKα線使用)を用いた、薄膜の高温X線回折測定から算出した。すなわち、回折角1°当たり2℃の割合で昇温しながら、回折角2θ=30〜40°の範囲を繰り返しスキャンし、In2O3(222)の反射によるピークが出現する前後の温度範囲を結晶化温度とした。
算術平均高さ(Ra)は、原子間顕微鏡(AFM、Digital Instruments社製Nanoscope III使用)で測定し、JIS B0601−2001に基づき算出した。
本発明に係る酸化物膜を反射膜や電磁波遮蔽シートに適用した場合に、耐酸性が求められる。耐酸性の指標として最も弱い酸の一つであるリン酸による評価を行った。評価試験として、1mlの1%リン酸水溶液を膜表面に滴下し、24時間放置した。試験後、外観の変化を目視にて観察した。この場合の基準は、膜厚の10%以上の溶解痕もしくは着色が認められた場合は「変化あり」と定めた。ただし、10%に満たないリン酸液の滴下痕程度は「変化なし」とした。目視による外観の変化がない場合は表面抵抗と光透過率の変化を調べた。
総金属元素に対するスズ原子の比率を14原子%、チタン原子の比率を0.1原子%に固定し、セリウム原子の比率を3〜60原子%の範囲となるよう、酸化インジウム粉末、酸化セリウム粉末、酸化スズ粉末、および酸化チタン粉末を配合して、上記方法により酸化物焼結体を作製し、スパッタリングターゲットに加工した。
次に、各組成のスパッタリングターゲットを用いて、直流スパッタリング法によって酸化物膜を成膜した。得られた各焼結体ならびに各酸化物膜の組成は、粉末の配合組成とほぼ同じであることを確認した。
表1に、直流スパッタリングの可否、酸化物膜の屈折率、耐リン酸性評価試験結果を示した。
表1
総金属元素に対するスズ原子の比率を21原子%、チタン原子の比率を0.4原子%に固定し、セリウム原子の比率を11〜33原子%の範囲となるよう、酸化インジウム粉末、酸化セリウム粉末、酸化スズ粉末、および酸化チタン粉末を配合した点を除いては、実施例1〜6と同様に、酸化物焼結体を作製し、スパッタリングターゲットに加工した。
さらに、得られた各焼結体ならびに各膜の組成は、粉末の配合組成とほぼ同じであることを確認した。
表2に、直流スパッタリングの可否、酸化物膜の屈折率、耐リン酸性評価試験結果を示した。
表2
総金属元素に対するセリウム原子の比率を22原子%、チタン原子の比率を2原子%に固定し、スズ原子の比率を9または27原子%となるよう、酸化インジウム粉末、酸化セリウム粉末、酸化スズ粉末、および酸化チタン粉末を配合した点を除いては、実施例1〜6と同様に、酸化物焼結体を作製し、スパッタリングターゲットに加工した。
さらに、得られた各焼結体ならびに各膜の組成は、粉末の配合組成とほぼ同じであることを確認した。
表3に、直流スパッタリングの可否、酸化物膜の屈折率、耐リン酸性評価試験結果を示した。
表3
総金属元素に対するセリウム原子の比率を22原子%、スズ原子の比率を9原子%に固定し、チタン原子の比率を0または5原子%となるよう、酸化インジウム粉末、酸化セリウム粉末、酸化スズ粉末、および酸化チタン粉末を配合した点を除いては、実施例1〜6と同様に、酸化物焼結体を作製し、スパッタリングターゲットに加工した。さらに、得られた各焼結体ならびに各膜の組成は、粉末の配合組成とほぼ同じであることを確認した。
表4に、直流スパッタリングの可否、酸化物膜の屈折率、耐リン酸性評価試験結果を示した。
表4
図1の電磁波遮蔽シート1を次のような構成で作製した。基体2を厚さ100μmのPETフィルム基板(東洋紡績社製)とした。基体2上に、導電膜3として、実施例8と同じ酸化物膜と0.5原子%ビスマスを添加した銀合金膜を交互に9層積層させた多層膜を形成した。導電膜3を構成する各膜の膜厚は、酸化物膜31、33、35、37、39を各々、40nm、80nm、80nm、80nm、35nmとし、金属膜32、34、36、38を各々、13nm、16nm、16nm、13nmとした。続いて、保護膜4として、ITO(10重量%酸化スズ添加酸化インジウム)膜を、膜厚が5nmとなるよう形成した。
総金属元素に対するセリウム原子の比率を3または55原子%となるよう、酸化インジウム粉末、酸化セリウム粉末、酸化スズ粉末、および酸化チタン粉末を配合した点を除いては、実施例1〜6と同様に、酸化物焼結体を作製し、スパッタリングターゲットに加工した。さらに、得られた各焼結体ならびに各膜の組成は、粉末の配合組成とほぼ同じであることを確認した。
表5に、直流スパッタリングの可否、酸化物膜の屈折率、耐リン酸性評価試験結果を示した。
表5
総金属元素に対するスズ原子の比率を5または30原子%となるよう、酸化インジウム粉末、酸化セリウム粉末、酸化スズ粉末、および酸化チタン粉末を配合した点を除いては、実施例10、11と同様に、酸化物焼結体を作製し、スパッタリングターゲットに加工した。さらに、得られた各焼結体ならびに各膜の組成は、粉末の配合組成とほぼ同じであることを確認した。
表6に、直流スパッタリングの可否、酸化物膜の屈折率、耐リン酸性評価試験結果を示した。
表6
総金属元素に対するセリウム原子およびスズ原子の比率を3原子%となるよう、酸化インジウム粉末、酸化セリウム粉末、酸化スズ粉末、および酸化チタン粉末を配合した点を除いては、実施例1〜6と同様に、酸化物焼結体を作製し、スパッタリングターゲットに加工した。さらに、得られた各焼結体ならびに各膜の組成は、粉末の配合組成とほぼ同じであることを確認した。
表7に、直流スパッタリングの可否、酸化物膜の屈折率、耐リン酸性評価試験結果を示した。
表7
導電膜を構成する酸化物膜をAZO(3重量%酸化アルミニウム添加酸化亜鉛)膜に変更した以外は、実施例14とほぼ同じ電磁波遮蔽シートを作製した。
実施例1〜6、比較例1、2において、得られたそれぞれの酸化物焼結体をスパッタリングターゲットとして用いた場合について、諸特性を評価した。実施例1〜6ならびに比較例1、2では、酸化物焼結体ならびに酸化物膜に含まれる総金属元素に対するセリウム原子比率による影響を調べた。
実施例7〜9では、酸化物焼結体ならびに酸化物膜に含まれる総金属元素に対するセリウム原子比率を特に11〜33原子%とした場合の評価を実施した。
はじめに直流スパッタリングの可否を評価した。表2の評価結果に示したように、総金属元素に対するセリウム原子比率が11〜33原子%において、安定した放電が可能であることが明らかとなった。
実施例10〜13、比較例3,4では、総金属元素に対するセリウム原子の比率を固定して、酸化物焼結体ならびに酸化物膜に含まれる総金属元素に対するスズ原子比率の影響を調べた。また同時に、総金属元素に対するチタン原子比率の影響も調べた。
はじめに直流スパッタリングの可否を評価した。表2の評価結果に示したように、総金属元素に対するスズ原子比率が9〜27原子%において、安定した放電が可能であったが、スズ原子30原子%では、アーク放電が頻発し、安定した放電はできなかった。
酸化物薄膜の総金属元素に対するセリウム原子ならびにスズ原子の比率の違いによる結晶化温度ならびに表面粗さの測定を行った。
実施例1の酸化物膜について高温X線回折測定を実施したところ、測定温度342℃、回折角2θ=31.32°において、最初のIn2O3(222)の反射によるピークが出現した。すなわち、結晶化は322〜342℃の温度範囲で起こることがわかった。また、表面粗さを測定したところ、算術平均高さがRa=0.41nmであり、膜表面は極めて平滑であることがわかった。実施例2、6〜9についても、同様の測定を行ったところ、結晶化温度範囲は各々、342〜362℃、382〜402℃、362〜382℃、362〜382℃、382〜402℃であり、算術平均高さはRa=0.42、0.32、0.34、0.35、0.34nmであることがわかった。
実施例14ならびに比較例6で作製した電磁波遮蔽シートの表面抵抗値および視感透過率(JIS Z 8701に規定される刺激値Y)を比較した。
表面抵抗値は、実施例14が0.87Ω/□、比較例6が0.84Ω/□を示し、ほぼ同等であった。
視感透過率は、比較例6が60.9%であるのに対し、実施例14は66.1%の高い値を示し、優位性が認められた。
2 基体
3 導電膜
31、33、35、37、39 酸化物膜
32、34、36、38 金属膜
4 保護膜
Claims (8)
- 主としてインジウム、セリウム、スズの酸化物を含む酸化物焼結体であって、総金属元素に対するセリウム原子の比率が5〜50原子%であり、総金属元素に対するスズ原子の比率が9〜27原子%であり、残部がインジウム原子比率であることを特徴とする酸化物焼結体。
- 主としてインジウム、セリウム、スズ、ならびにチタンの酸化物を含む酸化物焼結体であって、総金属元素に対するセリウム原子の比率が5〜50原子%であり、総金属元素に対するスズ原子の比率が9〜27原子%であり、総金属元素に対するチタン原子の比率が5原子%以下であり、残部がインジウム原子比率であることを特徴とする酸化物焼結体。
- 総金属元素に対するセリウム原子の比率が11〜33原子%であり、総金属元素に対するスズ原子の比率が14〜27原子%であり、総金属元素に対するチタン原子の比率が0.1〜2原子%であり、残部がインジウム原子比率であることを特徴とする請求項2に記載の酸化物焼結体。
- スパッタリングターゲットとして直流スパッタリング法で成膜することが可能であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の酸化物焼結体。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の酸化物焼結体をスパッタリングターゲットとして用い、直流スパッタリング法で得られる酸化物膜であって、主としてインジウム、セリウム、スズを含む酸化物、または、主としてインジウム、セリウム、スズ、ならびにチタンを含む酸化物からなる非晶質膜であり、かつ屈折率が2.05以上であることを特徴とする酸化物膜。
- 基体の片面または両面に、請求項5に記載の非晶質の酸化物膜を少なくとも一層以上形成してなることを特徴とする積層体。
- 反射防止膜として用いられることを特徴とする請求項6に記載の積層体。
- 電磁波遮蔽シートとして用いられることを特徴とする請求項6に記載の積層体。
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