JP2007112292A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】高速耐久性と操縦安定性とを共に向上させることのできる空気入りタイヤを提供すること。
【解決手段】ベルト層20を2層設ける。このベルト層20のベルト端25のうち、一方のベルト端25を厚側ベルト端26とし、他方のベルト端25を薄側ベルト端27とした場合に、薄側ベルト端27の位置でのベルト層20の間隔よりも、厚側ベルト端26の位置でのベルト層20の間隔を大きくする。これにより、厚側ベルト端26付近のトレッド面6で荷重を受けた場合に、厚側ベルト端26付近のベルト層20で荷重を吸収することができ、高速走行時の耐久性を向上させることができる。また、薄側ベルト端27付近のトレッド面6で荷重を受けた場合には、薄側ベルト端27付近の2層のベルト層20同士にずれが発生し難くなっているため、操縦安定性の向上させることができる。これらの結果、高速耐久性と操縦安定性とを共に向上させることができる。
【選択図】 図3

Description

本発明は、空気入りタイヤに関するものである。特に、この発明は、耐久性と操縦安定性との両立を図ることのできる空気入りタイヤに関するものである。
近年の車両は、ミニバンタイプの車両や、SUV(Sports Utility Vehicle)タイプの車両などが、使い勝手の良さにより増加しているが、これらのミニバンなどの車両は、セダンなど従来から多く使用されている車両と比較した場合、重量が重くなっている。このため、ミニバンなどに装着される空気入りタイヤは、高荷重の条件下で使用される場合が多く、このような空気入りタイヤのベルト層には、セパレーションが発生する虞があるが、従来の空気入りタイヤでは、このようなセパレーションを抑制するため、ベルト層の被覆ゴムを高弾性化するなどにより、ベルト剛性を増大させているものがある。
しかしながら、ベルト剛性を増大させると、路面追従性が低下して操縦安定性が低下したり、乗り心地が悪化したりする虞がある。そこで、従来の空気入りタイヤでは、操縦安定性や乗り心地を悪化させることなく、耐ベルトセパレーション性の向上を図っているものがある。例えば、特許文献1に記載の空気入りタイヤでは、ベルト層の被覆ゴムの弾性率を高くすると共にベルト層の層間に低弾性率の緩衝ゴム層を配置し、さらに、この緩衝ゴム層の厚さを、ベルト端部に向けて漸増させている。これにより、ベルト剛性を最適化し、操縦安定性や乗り心地を悪化させることなく、耐ベルトセパレーション性を向上させることができる。
特開2004−352040号公報
しかしながら、近年の車両では、高速巡航性能が著しく向上しているものもあり、このような車両に装着する空気入りタイヤでは、高速走行時の耐久性、及び高速走行時における操縦安定性が重要になっている。特に、近年の車両では、車両内側のキャンバー角が付けられた車両、つまり、キャンバー角がネガティブキャンバーになっている車両が多く、このような車両において、高速走行時における耐久性と操縦安定性とを両立させることは、非常に困難なものとなっていた。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、高速耐久性と操縦安定性とを共に向上させることのできる空気入りタイヤを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、この発明に係る空気入りタイヤは、トレッド部のタイヤ径方向内方にベルト層を有する空気入りタイヤにおいて、前記ベルト層は2層設けられており、前記2層のベルト層の間隔であるベルト層間厚さは、前記ベルト層のタイヤ幅方向の両端に位置するベルト端のうち、一方の前記ベルト端である薄側ベルト端における前記ベルト層間厚さよりも、他方の前記ベルト端である厚側ベルト端における前記ベルト層間厚さの方が厚くなっており、且つ、前記厚側ベルト端における前記ベルト層間厚さは、前記ベルト層のタイヤ幅方向における中央部の前記ベルト層間厚さよりも厚くなっていることを特徴とする。
この発明では、2層のベルト層のベルト層間厚さを、ベルト層のタイヤ幅方向の両端に位置する双方のベルト端で異ならせている。つまり、タイヤ幅方向の両端に位置するベルト端のうちの一方のベルト端である厚側ベルト端のベルト層間厚さは、他方のベルト端である薄側ベルト端のベルト層間厚さよりも厚くなっている。これにより、厚側ベルト端付近では、ベルト層間厚さが厚くなっているので衝撃を吸収することができ、緩衝効果を有している。また、薄側ベルト端付近では、ベルト層間厚さが薄くなっているので2層のベルト層同士がずれ難くなっており、ベルト層間におけるせん断力が確保されている。これらのため、車両の直進走行時には、厚側ベルト端寄りの部分のトレッド部を接地させて走行することにより、緩衝効果により、高速耐久性を向上させることができる。また、レーンチェンジ時やコーナリング時には、薄側ベルト端寄りの部分のトレッド部を接地させて走行することにより、ベルト層間におけるせん断力が確保されている部分で走行することができるため、操縦安定性の向上を図ることができる。これらの結果、高速耐久性と操縦安定性とを共に向上させることができる。
また、この発明に係る空気入りタイヤは、前記空気入りタイヤは、車両に装着可能なリムホイールを介して前記車両に装着可能になっており、前記厚側ベルト端は、前記車両への装着時における前記車両の幅方向の内側方向に位置していることを特徴とする。
この発明では、厚側ベルト端が車両の内側方向に位置しており、反対に、薄側ベルト端は車両の外側方向に位置している。これにより、キャンバー角がネガティブキャンバーになっている場合には、直進走行時に、車両の内側方向に位置している厚側ベルト端寄りのトレッド部を接地させることができ、緩衝効果によって直進走行時の高速耐久性を向上させることができる。また、レーンチェンジ時やコーナリング時には、コーナリングの外側方向に位置する空気入りタイヤにおける、車両の外側方向のトレッド部に荷重が作用し易くなるが、この部分の付近には薄側ベルト端が位置している。このため、レーンチェンジ時やコーナリング時における操縦安定性を向上させることができる。これらの結果、より確実に、高速耐久性と操縦安定性とを向上させることができる。
また、この発明に係る空気入りタイヤは、前記ベルト層間厚さは、前記薄側ベルト端における前記ベルト層間厚さを100とした場合に、前記厚側ベルト端における前記ベルト層間厚さが110〜150の範囲内となっていることを特徴とする。
この発明では、薄側ベルト端におけるベルト層間厚さと厚側ベルト端におけるベルト層間厚さとの相対的な関係を上記の範囲内にすることにより、厚側ベルト端におけるベルト層間厚さを、より適切な厚さにすることができる。つまり、薄側ベルト端のベルト層間厚さを100とした場合における厚側ベルト端のベルト層間厚さを110未満にした場合には、厚側ベルト端のベルト層間厚さの厚さがあまり厚くないので、厚側ベルト端付近のトレッド部が接地した場合における緩衝効果があまり向上しない虞がある。また、薄側ベルト端のベルト層間厚さを100とした場合における厚側ベルト端のベルト層間厚さを150よりも大きくした場合には、厚側ベルト端におけるベルト層間厚さが大きいため、この部分のゴム量が多くなり過ぎる虞がある。このため、車両走行時にこの部分の発熱量が増加し、耐久性が徐々に低下する虞がある。これらにより、薄側ベルト端におけるベルト層間厚さを100とした場合に、厚側ベルト端におけるベルト層間厚さが110〜150の範囲内になるようにベルト層を形成することにより、厚側ベルト端におけるベルト層間厚さを、より適切な厚さにすることができる。この結果、より確実に高速耐久性の向上を図ることができる。
また、この発明に係る空気入りタイヤは、前記厚側ベルト端のタイヤ径方向外方に位置する前記トレッド部のトレッド厚さは、前記薄側ベルト端のタイヤ径方向外方に位置する前記トレッド部のトレッド厚さよりも薄くなっていることを特徴とする。
この発明では、厚側ベルト端のタイヤ径方向外方に位置するトレッド部のトレッド厚さを、薄側ベルト端にタイヤ径方向外方に位置するトレッド厚さよりも薄くしているので、厚側ベルト端付近のトレッド部が接地した場合の発熱量を小さくすることができる。つまり、直進走行時に接地し易くなる部分である厚側ベルト端のタイヤ径方向外方に位置するトレッド部のゴムの量を低減できるので、この部分が接地した場合におけるゴムの変形量を低減でき、この部分が接地した場合の発熱を抑制することができる。この結果、発熱に起因する耐久性の低減を抑制することができ、より確実に高速耐久性の向上を図ることができる。
本発明に係る空気入りタイヤは、高速耐久性と操縦安定性とを共に向上させることができる、という効果を奏する。
以下に、本発明に係る空気入りタイヤの実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施の形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、或いは実質的に同一のものが含まれる。
(実施の形態)
以下の説明において、タイヤ幅方向とは、空気入りタイヤの回転軸と平行な方向をいい、タイヤ幅方向内方とはタイヤ幅方向において赤道面に向かう方向、タイヤ幅方向外方とは、タイヤ幅方向において赤道面に向かう方向の反対方向をいう。また、タイヤ径方向とは、前記回転軸と直交する方向をいい、タイヤ周方向とは、前記回転軸を回転の中心となる軸として回転する方向をいう。図1は、この発明に係る空気入りタイヤの要部を示す子午断面図である。同図に示す空気入りタイヤ1は、子午面方向の断面で見た場合、タイヤ径方向の最も外側となる部分に、ゴム材料からなるトレッド部5が設けられており、このトレッド部5の表面であるトレッド面6には、トレッドパターンを形成する溝部(図示省略)が複数設けられている。また、前記トレッド部5のタイヤ幅方向の端部、即ち、ショルダー部8付近からタイヤ径方向内方側の所定の位置までは、サイドウォール部7が設けられており、さらに、このサイドウォール部7のタイヤ径方向内方側には、ビード部16が設けられている。このビード部16は、当該空気入りタイヤ1の2ヶ所に設けられており、赤道面40を中心として対称になるように、赤道面40を中心としてタイヤ幅方向における両側に設けられている。また、ビード部16にはビードコア17が設けられており、ビードコア17のタイヤ径方向外方にはビードフィラー18が設けられている。
また、前記トレッド部5のタイヤ径方向内方には、ベルト層20が2層設けられている。ベルト層20のタイヤ径方向内方、及び前記サイドウォール部7の赤道面40側には、カーカス11が連続して設けられている。このカーカス11は、ビード部16でビードコア17に沿ってタイヤ幅方向外方に折り返されている。また、このカーカス11の内側、或いは、当該カーカス11の、空気入りタイヤ1における内部側には、インナーライナ15がカーカス11に沿って形成されている。
前記2層のベルト層20はクロスプライベルトとなって形成されている。つまり、各ベルト層20を形成するコード(図示省略)は、2層のベルト層20で互いに異なる角度で形成されており、さらに、赤道面40に対して、互いに反対方向に向かう方向に傾斜している。これらの2層のベルト層20は、2層のベルト層20のうち、タイヤ径方向外方に位置するベルト層20である外側ベルト層21は、2層のベルト層20のうち、タイヤ径方向内方に位置するベルト層20である内側ベルト層22よりもタイヤ幅方向における幅が狭くなっている。このため、外側ベルト層21は、全ての部分がタイヤ径方向において内側ベルト層22とタイヤ径方向に重なって形成されている。
図2は、図1のベルト層の説明図である。また、2層のベルト層20は、タイヤ径方向において離間しており、離間している2層のベルト層20の間には、層間ゴム30が配設されている。この層間ゴム30は、トレッド部5(図1参照)を形成するゴム材料と連続して形成されている。また、離間している2層のベルト層20は、ベルト層20のタイヤ幅方向における端部であるベルト端25の近傍では、ベルト端25に向かうに従って間隔が離れている。詳細には、2層のベルト層20のうち、タイヤ幅方向における幅が狭い方のベルト層20である外側ベルト層21は、ベルト端25付近では、ベルト端25から離れた位置からベルト端25に向かうに従って、内側ベルト層22から離れる方向、或いは、タイヤ径方向外方に向かう方向に湾曲しており、ベルト端25の位置で、最も外側ベルト層21と内側ベルト層22とが離れている。換言すると、ベルト端25は、外側ベルト層21のタイヤ幅方向における両端に位置しているため、双方のベルト端25付近では、外側ベルト層21のタイヤ幅方向における中央部寄りの位置からベルト端25に向かうに従って、内側ベルト層22から離れる方向に湾曲している。
さらに、離間している2層のベルト層20は、ベルト端25付近で間隔が大きくなっているが、この間隔は、外側ベルト層21の両端に位置するベルト端25で互いに異なっている。即ち、外側ベルト層21のタイヤ幅方向の両端に位置するベルト端25のうちの、一方のベルト端25は厚側ベルト端26となっており、他方のベルト端25は、薄側ベルト端27になっている。外側ベルト層21は、このうちの厚側ベルト端26付近では、薄側ベルト端27付近よりもベルト端25に向かうに従って内側ベルト層22から離れる度合いが大きくなっている。このため、厚側ベルト端26の位置での外側ベルト層21と内側ベルト層22との間隔は、薄側ベルト端27の位置での外側ベルト層21と内側ベルト層22との間隔よりも離れている。
2層のベルト層20は、このような形状で形成されているため、離間している2層のベルト層20の間隔であるベルト層間厚さは、外側ベルト層21の薄側ベルト端27におけるベルト層間厚さT2よりも、外側ベルト層21の厚側ベルト端26におけるベルト層間厚さT1の方が厚くなっている。さらに、外側ベルト層21は、ベルト端25付近でベルト端25に向かうに従って内側ベルト層22から離れるように形成されているため、外側ベルト層21のタイヤ幅方向における中央部付近では、ベルト端25における外側ベルト層21と内側ベルト層22との間隔よりも近くなっている。これにより、厚側ベルト端26におけるベルト層間厚さT1は、外側ベルト層21のタイヤ幅方向における中央部、或いは、外側ベルト層21において赤道面40上に位置する部分であるベルト層中央部28のベルト層間厚さT3よりも厚くなっている。
また、ベルト層20がこのような形状で形成されていることにより、ベルト層20間に位置する層間ゴム30は、ベルト層中央部28よりもベルト端25の方が、外側ベルト層21と内側ベルト層22との間に、より多く介在している。さらに、この層間ゴム30は、薄側ベルト端27付近よりも、厚側ベルト端26付近の方が、外側ベルト層21と内側ベルト層22との間に、より多く介在している。
なお、厚側ベルト端26におけるベルト層間厚さT1と、薄側ベルト端27におけるベルト層間厚さT2とは、薄側ベルト端27におけるベルト層間厚さT2を100とした場合に、厚側ベルト端26におけるベルト層間厚さT1が110〜150の範囲内となるように形成されるのが好ましい。
図3は、図1のA部詳細図である。ベルト層20は、このように外側ベルト層21の厚側ベルト端26と薄側ベルト端27とで、ベルト層間厚さが異なっているが、ベルト層20のタイヤ径方向外方に位置するトレッド部5のタイヤ径方向の厚さであるトレッド厚さは、厚側ベルト端26の位置と薄側ベルト端27の位置とで異なっている。詳しくは、厚側ベルト端26からトレッド部5のトレッド面6までの距離は、薄側ベルト端27からトレッド面6までの距離よりも短くなっており、これにより、厚側ベルト端26のタイヤ径方向外方に位置するトレッド部5のトレッド厚さV1は、薄側ベルト端27のタイヤ径方向外方に位置するトレッド部5のトレッド厚さV2よりも薄くなっている。
図4は、図1の空気入りタイヤを車両に装着した状態を示す要部詳細図である。この空気入りタイヤ1は、リムホイール50をビード部16(図1参照)に嵌合することにより、リムホイール50に組み付けることができるようになっており、さらに、このリムホイール50は、車両70(図5参照)に装着することができるようになっている。これにより、この空気入りタイヤ1は、車両70に装着可能なリムホイール50を介して車両70に装着可能になっている。
空気入りタイヤ1が組み付けられたリムホイール50を車両70に装着する場合には、リムホイール50を、車両70が有する取付部55に取り付ける。これにより、空気入りタイヤ1は、車両70に装着される。また、このようにリムホイール50を介して空気入りタイヤ1を車両70に装着する場合には、ベルト層20の厚側ベルト端26が、当該空気入りタイヤ1を装着する車両70の幅方向の内側方向に位置し、薄側ベルト端27が、車両70の幅方向の外側方向に位置する向きで装着する。
また、当該空気入りタイヤ1が装着される車両70は、アライメントがネガティブキャンバーになっている。このため、リムホイール50を介して空気入りタイヤ1を車両70に装着した状態で、この車両70が停止している状態、または、直進走行をしている状態では、空気入りタイヤ1は、下端側、つまり、当該空気入りタイヤ1における路面75側よりも、路面75側と反対側である上端側の方が、車両幅方向における内側方向に位置している。
このため、空気入りタイヤ1の赤道面40は、路面75に対して垂直な仮想線である垂直線60に対して傾斜する。この赤道面40が傾斜する方向は、車両70のアライメントがネガティブキャンバーであるため、空気入りタイヤ1の下端側から上端方向に向かうに従って、車両幅方向の外側方向から車両幅方向の内側方向に向かう方向に傾斜している。このように傾斜している赤道面40と垂直線60とでなす角度が、キャンバー角θとなる。なお、このキャンバー角θは、ネガティブキャンバーの場合には符号が−(マイナス)になり、ポジティブキャンバーの場合、つまり、空気入りタイヤ1の下端側よりも上端側の方が、車両幅方向における外側方向に位置するように空気入りタイヤ1が傾斜している場合には、符号が+(プラス)になる。
また、当該車両70のアライメントによって空気入りタイヤ1の赤道面40は垂直線60に対して傾斜しているため、トレッド面6も路面75に対して傾斜する傾向にある。詳細には、空気入りタイヤ1は、下端側よりも上端側の方が車両幅方向における内側方向に位置するように傾斜しており、また、ベルト層20の厚側ベルト端26が車両幅方向における内側方向に位置するように車両70に装着されているため、厚側ベルト端26近傍のトレッド面6が、路面75に接地し易くなっている。
換言すると、タイヤ幅方向における両端に位置するショルダー部8のうち、車両幅方向における内側方向に位置するショルダー部8は内側ショルダー部9となっており、車両幅方向における外側方向に位置するショルダー部8は外側ショルダー部10となっている。このショルダー部8に対して、ベルト層20は、前記厚側ベルト端26が内側ショルダー部9寄りに位置しており、薄側ベルト端27が外側ショルダー部10寄りに位置している。
ベルト層20に対してこのような位置関係となるショルダー部8は、空気入りタイヤ1が、下端側よりも上端側の方が車両幅方向における内側方向に位置するように傾斜しているため、空気入りタイヤ1の下端側では、外側ショルダー部10寄りのトレッド面6よりも内側ショルダー部9寄りのトレッド面6の方が、路面75に接地し易くなっている。即ち、薄側ベルト端27近傍のトレッド面6よりも、厚側ベルト端26近傍のトレッド面6の方が、路面75に接地し易くなっている。このため、トレッド面6が路面75に接地した場合において、車両70の重量などによりトレッド面6に作用する荷重は、外側ショルダー部10寄りの部分よりも、内側ショルダー部9寄りの部分に、より大きな荷重が作用する。この荷重は、内側ショルダー部9の近傍に位置する、厚側ベルト端26付近のベルト層20にも伝えられ、この部分でも荷重を受ける。
ベルト層20の厚側ベルト端26付近では、ベルト層間厚さが厚くなっており、外側ベルト層21と内側ベルト層22との間に介在する層間ゴム30の量が多くなっている。このため、厚側ベルト端26付近のベルト層20で荷重を受けた場合には、多量の層間ゴム30によって、荷重の変動などに起因する衝撃を吸収し易くなっている。つまり、ベルト層20の厚側ベルト端26付近は、緩衝効果が大きくなっており、例えば、車両70の高速走行時に、大きな荷重が内側ショルダー部9寄りの部分に作用した場合には、その荷重の多くは厚側ベルト端26付近のベルト層20で吸収する。
図5は、車両がコーナリングしている状態を示す図である。前記空気入りタイヤ1が装着された車両70で走行中にコーナリングをすると、車両70の重心はコーナリングの外側方向に移動する。このため、車両70のコーナリング走行中に空気入りタイヤ1に作用する荷重は、車両70の幅方向における両側に位置する空気入りタイヤ1のうち、コーナリングの内側方向に位置する空気入りタイヤ1である内側空気入りタイヤ2よりも、コーナリングの外側方向に位置する空気入りタイヤ1である外側空気入りタイヤ3に、より大きな荷重が作用する。
図6は、図5の外側空気入りタイヤの説明図である。車両70がコーナリング走行をしている場合には、荷重は内側空気入りタイヤ2よりも、外側空気入りタイヤ3に、より大きな荷重が作用するが、さらに、外側空気入りタイヤ3の外側ショルダー部10寄りのトレッド面6に、より大きな荷重が作用する。詳細には、車両70がコーナリング走行をしている場合には、コーナリングの外側方向に向かう方向に遠心力が作用するが、外側空気入りタイヤ3のトレッド面6は、路面75と接触している。このため、トレッド面6と路面75との間の摩擦力により、外側空気入りタイヤ3のトレッド面6と路面75とが接触している部分付近は、路面75に対するタイヤ幅方向における位置が移動し難くなっているが、外側空気入りタイヤ3全体には、遠心力が作用している。これにより、外側空気入りタイヤ3は、トレッド面6と路面75とが接触している部分付近で変形し、この部分よりも上端側、つまり、外側空気入りタイヤ3において、路面75から離れている部分が、コーナリングの外側方向に移動しようとする。
従って、外側空気入りタイヤ3のトレッド面6に作用する荷重は、当該外側空気入りタイヤ3の内側ショルダー部9寄りの部分よりも、外側ショルダー部10寄りの部分に、より大きな荷重が作用する。この外側ショルダー部10の近傍には、ベルト層20の薄側ベルト端27(図3参照)が位置しており、外側ショルダー部10付近に作用する荷重は、薄側ベルト端27付近のベルト層20にも伝えられ、この部分でも荷重を受ける。
ベルト層20の薄側ベルト端27付近では、ベルト層間厚さが薄くなっており、外側ベルト層21と内側ベルト層22との間に介在する層間ゴム30の量が少なくなっている。このため、薄側ベルト端27付近のベルト層20で荷重を受けた場合には、層間ゴム30の量が少ないので、この部分に荷重が作用した場合でもベルト層20の移動量は少なく、外側ベルト層21と内側ベルト層22との相対的な位置はあまり変化しない。これにより、薄側ベルト端27の近傍に位置する外側ショルダー部10付近のトレッド面6が接地した場合には、2層のベルト層20同士がずれ難くなっているので、走行が安定する。
また、車両走行時において、車両70が走行している車線を変更する走行であるレーンチェンジは、異なる方向のコーナリングを繰り返すことによって行なわれる。このため、レーンチェンジ時にもコーナリング時と同様に、外側ショルダー部10付近のトレッド面6に大きな荷重が作用し易くなっており、この荷重は、薄側ベルト端27付近のベルト層20にも伝えられる。これにより、2層のベルト層20同士がずれ難くなっている薄側ベルト端27付近のベルト層20でも荷重を受けるので、走行が安定する。
以上の空気入りタイヤ1は、2層のベルト層20のベルト層間厚さを、ベルト層20のタイヤ幅方向の両端に位置する双方のベルト端25で異ならせている。つまり、厚側ベルト端26のベルト層間厚さT1は、薄側ベルト端27のベルト層間厚さT2よりも厚くなっている。このように、厚側ベルト端26付近ではベルト層間厚さが厚くなっているので、この付近では外側ベルト層21と内側ベルト層22との間に介在する層間ゴム30の量が多くなっている。これにより、この付近に作用する荷重が変動し、衝撃が作用した場合でも、その衝撃を吸収することができる。即ち、ベルト層20の厚側ベルト端26付近に荷重が作用した場合には、緩衝効果を有して荷重を受けることができる。また、薄側ベルト端27付近では、ベルト層間厚さが薄くなっているので、この付近では、層間ゴム30の量が少なくなっている。これにより、この付近に荷重が作用した場合でも、2層のベルト層20同士がずれ難くなっている。つまり、重なるように形成されている2層のベルト層20同士に、この2層のベルト層20同士をずらす方向に荷重が作用した場合において、このずれを抑制する力、即ち、ベルト層20間におけるせん断力が確保されている。
これらのため、車両70の直進走行時には、厚側ベルト端26寄りの部分のトレッド面6を接地させて走行することにより、厚側ベルト端26付近のベルト層20の緩衝効果により、直進走行時の荷重を吸収することができる。特に、高速走行時には、大きな荷重が作用し易く、また、荷重が大きく変動し易いが、ベルト層20の緩衝効果により、高速走行時における荷重を吸収することができ、高速走行時における空気入りタイヤ1の耐久性を向上させることができる。また、レーンチェンジ時やコーナリング時には、薄側ベルト端27寄りの部分のトレッド面6を接地させて走行することにより、ベルト層20間におけるせん断力が確保されている部分で走行することができる。これにより、2層のベルト層20同士はずれ難くなり、トレッド面6は安定して路面75に接地するため、操縦安定性の向上を図ることができる。
さらに、厚側ベルト端26におけるベルト層間厚さT1は、ベルト層中央部28におけるベルト層間厚さT3よりも厚くなっている。つまり、ベルト層中央部28におけるベルト層間厚さT3は、厚側ベルト端26におけるベルト層間厚さT1よりも薄くなっており、ベルト層中央部28付近では、層間ゴム30の量が少なくなっている。これにより、ベルト層中央部28付近のベルト層20でも、せん断力が確保されている。また、この部分は、トレッド面6のタイヤ幅方向における中央部分の近傍に位置しているが、トレッド面6のこの部分は、主に車両70の直進走行時に接地する。このため、ベルト層中央部28付近のベルト層20には、車両70が直進走行をしている際に荷重が作用し易くなっており、さらに、ベルト層20のこの部分はせん断力が確保されている。従って、2層のベルト層20同士はずれ難くなり、トレッド面6は安定して路面75に接地するため、直進走行時における操縦安定性の向上を図ることができる。これらの結果、高速耐久性と操縦安定性とを共に向上させることができる。
また、前記空気入りタイヤ1は、リムホイール50を介して車両70に装着した状態では、厚側ベルト端26が車両70の幅方向における内側方向に位置しており、反対に、薄側ベルト端27は車両70の幅方向における外側方向に位置している。これにより、車両70のキャンバー角がネガティブキャンバーになっている場合には、この車両70が直進走行した際に、車両幅方向の内側方向に位置している厚側ベルト端26付近のトレッド面6を接地させることができる。このため、このトレッド面6付近に作用する荷重を、厚側ベルト端26付近のベルト層20で、緩衝効果を有して荷重を受けることができる。従って、直進走行時の高速耐久性を向上させることができる。また、レーンチェンジ時やコーナリング時には、コーナリングの外側方向に位置する空気入りタイヤ1である外側空気入りタイヤ3における、車両70の外側方向のトレッド面6に大きな荷重が作用し易くなるが、この部分の付近には薄側ベルト端27が位置している。このため、レーンチェンジ時やコーナリング時に、薄側ベルト端27付近のトレッド面6で荷重を受けることにより、その荷重は、せん断力が確保された薄側ベルト端27付近のベルト層20に伝えられる。従って、レーンチェンジ時やコーナリング時における操縦安定性を向上させることができる。これらの結果、より確実に、高速耐久性と操縦安定性とを向上させることができる。
また、薄側ベルト端27におけるベルト層間厚さT2を100とした場合に、厚側ベルト端26におけるベルト層間厚さT1が110〜150の範囲内となるようにベルト層20を形成した場合には、厚側ベルト端26におけるベルト層間厚さT1を、より適切な厚さにすることができる。つまり、薄側ベルト端27のベルト層間厚さT2を100とした場合における厚側ベルト端26のベルト層間厚さT1を110以上にすることにより、厚側ベルト端26のベルト層間厚さT1の厚さをより確実に確保できるので、厚側ベルト端26付近のトレッド面6が接地した場合における緩衝効果を、より確実に向上させることができる。
また、薄側ベルト端27のベルト層間厚さT2を100とした場合における厚側ベルト端26のベルト層間厚さT1を150以下にすることにより、厚側ベルト端26の位置での外側ベルト層21と内側ベルト層22との間に介在する層間ゴム30の量が多くなり過ぎることを抑制することができる。これにより、層間ゴム30の量が多過ぎることに起因して、車両走行時に、この部分の発熱量が増加し、耐久性が徐々に低下することを抑制できる。これらにより、薄側ベルト端27におけるベルト層間厚さT2を100とした場合に、厚側ベルト端26におけるベルト層間厚さT1が110〜150の範囲内になるようにベルト層20を形成することにより、厚側ベルト端26におけるベルト層間厚さT1を、より適切な厚さにすることができる。この結果、より確実に高速耐久性の向上を図ることができる。
また、厚側ベルト端26のタイヤ径方向外方に位置するトレッド部5のトレッド厚さV1を、薄側ベルト端27のタイヤ径方向外方に位置するトレッド厚さV2よりも薄くしているので、厚側ベルト端26付近のトレッド面6が接地した場合の発熱量を小さくすることができる。つまり、厚側ベルト端26のタイヤ径方向外方に位置するトレッド面6は、車両70の直進走行時に接地し易くなっているが、厚側ベルト端26付近のトレッド部5のトレッド厚さV1を、薄側ベルト端27付近のトレッド部5のトレッド厚さV2よりも薄くすることにより、直進走行時に接地し易い部分付近におけるトレッド部5のゴムの量を低減できる。これにより、車両70の直進走行時に、厚側ベルト端26付近のトレッド面6が接地した場合において、厚側ベルト端26とトレッド面6との間に位置するトレッド部5のゴムの変形量を低減でき、この部分が接地した場合の発熱を抑制することができる。この結果、発熱に起因する耐久性の低減を抑制することができ、より確実に高速耐久性の向上を図ることができる。
また、厚側ベルト端26付近のトレッド部5のトレッド厚さV1を、薄側ベルト端27付近のトレッド部5のトレッド厚さV2よりも薄くしているので、厚側ベルト端26付近のトレッド部5が路面75に接触した場合におけるトレッド部5のゴムの変形量を小さくすることができる。これにより、直進走行時に接触し易い部分である、厚側ベルト端26付近のトレッド面6が路面に接触した際の操縦安定性を向上させることができる。この結果、より確実に操縦安定性を向上させることができる。
なお、上述した空気入りタイヤ1では、薄側ベルト端27の位置におけるベルト層間厚さT2は、ベルト層中央部28におけるベルト層間厚さT3よりも厚くなっているが、薄側ベルト端27の位置におけるベルト層間厚さT2は、ベルト層中央部28におけるベルト層間厚さT3以下の厚さでもよい。少なくとも、厚側ベルト端26の位置におけるベルト層間厚さT1が薄側ベルト端27の位置におけるベルト層間厚さT2よりも厚くなっており、且つ、厚側ベルト端26の位置におけるベルト層間厚さT1はベルト層中央部28におけるベルト層間厚さT3よりも厚くなっていればよい。これにより、厚側ベルト端26付近のトレッド面6が路面75に接触した場合におけるベルト層20の緩衝効果を確保できると共に、薄側ベルト端27付近のトレッド面6が路面75に接触した場合におけるベルト層20のせん断力を確保できる。この結果、高速耐久性と操縦安定性とを共に向上させることができる。
また、上述した空気入りタイヤ1は、外側ベルト層21のベルト端25のうちの一方を厚側ベルト端26とし、他方を薄側ベルト端27とし、この外側ベルト層21の厚側ベルト端26のベルト層間厚さT1と薄側ベルト端27のベルト層間厚さT2とを比較しているが、ベルト層間厚さは、外側ベルト層21のベルト端25以外の位置におけるベルト層間厚さによって比較してもよい。例えば、内側ベルト層22のタイヤ幅方向における幅が、外側ベルト層21のタイヤ幅方向における幅よりも狭くなっており、内側ベルト層22の全ての部分が、タイヤ径方向において外側ベルト層21と重なって形成されている場合には、内側ベルト層22のタイヤ幅方向両端のベルト端における外側ベルト層21とのベルト層間厚さ同士を比較してもよい。つまり、内側ベルト層22のタイヤ幅方向両端に位置するベルト端のうち、一方のベルト端と外側ベルト層21とのベルト層間厚さを、他方のベルト端と外側ベルト層21とのベルト層間厚さよりも厚くすることによって、タイヤ幅方向両端に位置するベルト端におけるベルト層間厚さ同士の厚さを、互いに異ならせてもよい。ベルト層間厚さ同士を比較する際には、タイヤ幅方向における幅が狭くなっている方のベルト層20のタイヤ幅方向両端に位置するベルト端でのベルト層間厚さ同士を比較すればよく、このベルト端を有するベルト層20は、外側ベルト層21でも内側ベルト層22でも、どちらのベルト層20でもよい。2層のベルト層20のうち、タイヤ幅方向における幅が狭い方のベルト層20のベルト端の位置で、ベルト層間厚さ同士を比較し、一方のベルト層間厚さが、他方のベルト層間厚さよりも厚くなるように、2層のベルト層は形成されていればよい。これにより、高速耐久性と操縦安定性とを共に向上させることができる。
以下、上記の空気入りタイヤ1について、従来の空気入りタイヤ1と本発明の空気入りタイヤ1とについて行なった性能の評価試験について説明する。性能評価試験は、高速走行時における耐久性である高速耐久性と、操縦安定性との2項目について行なった。
試験方法は、225/45R17サイズの空気入りタイヤ1をJATMA標準リムに装着して行なった。各試験項目の評価方法は、高速耐久性については、試験を行なう空気入りタイヤ1の空気圧を250kPaに設定し、この空気入りタイヤ1に、最大荷重の90%の荷重を負荷する。さらに、キャンバー角を−4°とした状態、即ち、ネガティブキャンバーの状態で、ドラム径1707mmのドラムを使用して、以下の速度ステップにより高速耐久試験を実施した。各ステップは、60〜240km/hでは、速度変化の30km/h毎を1つのステップとし、260km/h以上では、速度変化の10km/h毎を1つのステップとする。この高速耐久試験では、各ステップで10分間走行して次のステップに移行し、試験を行なう空気入りタイヤ1が破損するまで試験を行ない、破損するまでの走行距離によって評価した。評価結果は、破損するまでの走行距離を、後述する従来例の空気入りタイヤ1の走行距離を100とする指数で示した。指数が大きいほど、高速耐久性が優れている。なお、ここでいう最大荷重とは、JATMAで規定する「最大負荷能力」、TRAで規定する「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に記載の最大値、あるいはETRTOで規定する「LOAD CAPACITY」である。
また、操縦安定性については、試験を行なう空気入りタイヤ1を車両70に装着し、この車両70で平坦な周回路を有するテストコースを80〜250km/hで走行することによって行なった。試験の評価は、このようにテストコースを走行した際のレーンチェンジ時及びコーナリング時の操舵性と、直進時の安定性とについて、専門パネラー3名による官能評価によって行なった。評価結果は、後述する従来例の空気入りタイヤ1の評価結果を100とする指数で示し、指数が大きいほど、操縦安定性が優れていることを示している。
試験を行なう空気入りタイヤ1は、本発明が4種類、本発明と比較する比較例として2種類、そして、1種類の従来例を、上記の方法で試験する。なお、試験を行なうこれらの空気入りタイヤ1は、全て2層のベルト層20を有している。このうち、従来例は、ベルト層20の、タイヤ幅方向における両端に位置するベルト端25の位置での双方のベルト層間厚さが等しくなっている。これにより、当該空気入りタイヤ1を車両70に装着した状態における内側ショルダー部9側のベルト層間厚さT1と、外側ショルダー部10側のベルト層間厚さT2は等しくなっており、これらのベルト層間厚さT1、T2は、共に1.10mmになっている。また、ベルト端25の位置でのトレッド部5のトレッド厚さ、即ち、トレッド部ゴム厚さも同様に、内側ショルダー部9側のトレッド部ゴム厚さV1と外側ショルダー部10側のトレッド部ゴム厚さV2とで等しくなっており、これらのトレッド部ゴム厚さV1、V2は、共に7.0mmになっている。また、外側ショルダー部10側のベルト層間厚さT2を100とした場合における、内側ショルダー部9側のベルト層間厚さT1と外側ショルダー部10側のベルト層間厚さT2との比率(T1/T2)は、100になっている。
また、比較例1は、内側ショルダー部9側のベルト層間厚さT1と、外側ショルダー部10側のベルト層間厚さT2は等しくなっており、これらのベルト層間厚さT1、T2は、共に0.65mmになっている。また、内側ショルダー部9側のトレッド部ゴム厚さV1と外側ショルダー部10側のトレッド部ゴム厚さV2も等しくなっており、これらのトレッド部ゴム厚さV1、V2は、共に7.0mmになっている。また、内側ショルダー部9側のベルト層間厚さT1と外側ショルダー部10側のベルト層間厚さT2との比率(T1/T2)は、100になっている。
また、比較例2は、内側ショルダー部9側のベルト層間厚さT1と、外側ショルダー部10側のベルト層間厚さT2は等しくなっており、これらのベルト層間厚さT1、T2は、共に0.80mmになっている。また、内側ショルダー部9側のトレッド部ゴム厚さV1と外側ショルダー部10側のトレッド部ゴム厚さV2も等しくなっており、これらのトレッド部ゴム厚さV1、V2は、共に7.0mmになっている。また、内側ショルダー部9側のベルト層間厚さT1と外側ショルダー部10側のベルト層間厚さT2との比率(T1/T2)は、100になっている。
また、これらの従来例、比較例1及び比較例2に対し、本発明1〜4では、タイヤ幅方向の両端に位置するベルト端25におけるベルト層間厚さが互いに異なっており、厚側ベルト端26が、空気入りタイヤ1を車両70に装着した場合における内側ショルダー部9側に位置し、薄側ベルト端27が、外側ショルダー部10側に位置している。このうち、本発明1は、内側ショルダー部9側のベルト層間厚さT1は1.30mmになっており、外側ショルダー部10側のベルト層間厚さT2は1.00mmになっている。また、内側ショルダー部9側のトレッド部ゴム厚さV1と、外側ショルダー部10側のトレッド部ゴム厚さV2は等しくなっており、これらのトレッド部ゴム厚さV1、V2は、共に7.0mmになっている。また、外側ショルダー部10側のベルト層間厚さT2を100とした場合における、内側ショルダー部9側のベルト層間厚さT1と外側ショルダー部10側のベルト層間厚さT2との比率(T1/T2)は、130になっている。
また、本発明2は、内側ショルダー部9側のベルト層間厚さT1は1.20mmになっており、外側ショルダー部10側のベルト層間厚さT2は1.00mmになっている。また、内側ショルダー部9側のトレッド部ゴム厚さV1と、外側ショルダー部10側のトレッド部ゴム厚さV2とは、共に7.0mmになっている。また、内側ショルダー部9側のベルト層間厚さT1と外側ショルダー部10側のベルト層間厚さT2との比率(T1/T2)は、120になっている。
また、本発明3は、内側ショルダー部9側のベルト層間厚さT1は1.40mmになっており、外側ショルダー部10側のベルト層間厚さT2は1.00mmになっている。また、内側ショルダー部9側のトレッド部ゴム厚さV1と、外側ショルダー部10側のトレッド部ゴム厚さV2とは、共に7.0mmになっている。また、内側ショルダー部9側のベルト層間厚さT1と外側ショルダー部10側のベルト層間厚さT2との比率(T1/T2)は、140になっている。
また、本発明4は、内側ショルダー部9側のベルト層間厚さT1は1.20mmになっており、外側ショルダー部10側のベルト層間厚さT2は1.00mmになっている。また、内側ショルダー部9側のトレッド部ゴム厚さV1は6.2mmになっており、外側ショルダー部10側のトレッド部ゴム厚さV2は7.0mmになっている。また、内側ショルダー部9側のベルト層間厚さT1と外側ショルダー部10側のベルト層間厚さT2との比率(T1/T2)は、120になっている。
これらの従来例、比較例1及び比較例2、本発明1〜4の空気入りタイヤ1を上記の方法で評価試験をし、得られた結果を表1−1及び表1−2に示す。これらの表1−1及び表1−2のうち、表1−1は、従来例、比較例1、比較例2の試験結果を表示しており、表1−2は、本発明1〜4の試験結果を表示している。
Figure 2007112292
Figure 2007112292
表1−1及び表1−2に示した上記の試験結果で明らかなように、内側ショルダー部9側のベルト層間厚さT1と外側ショルダー部10側のベルト層間厚さT2とを、共に小さくした場合には、操縦安定性は向上させることができるが、高速耐久性を向上させることが困難になる(比較例1、比較例2)。
これに対し、本発明1〜4では、外側ショルダー部10側のベルト層間厚さT2は小さくし、内側ショルダー部9側のベルト層間厚さT1を大きくしているので、高速耐久性を向上させることができると共に、操縦安定性も向上させることができる。特に、内側ショルダー部9側のベルト層間厚さT1を大きくすることにより、より高速耐久性を向上させることができる(本発明3)。また、内側ショルダー部9側のトレッド部ゴム厚さV1を小さくすることによっても、高速耐久性を向上させることができる(本発明4)。即ち、2層のベルト層20を、薄側ベルト端27におけるベルト層間厚さT2よりも厚側ベルト端26におけるベルト層間厚さT1の方が厚くなるようにし、厚側ベルト端26が内側ショルダー部9側、薄側ベルト端27が外側ショルダー部10側に位置するように配設することにより、高速耐久性と操縦安定性とを共に向上させることができる。
以上のように、本発明に係る空気入りタイヤは、2層のベルト層を有する空気入りタイヤに有用であり、特に、高速走行で使用される空気入りタイヤに適している。
この発明に係る空気入りタイヤの要部を示す子午断面図である。 図1のベルト層の説明図である。 図1のA部詳細図である。 図1の空気入りタイヤを車両に装着した状態を示す要部詳細図である。 車両がコーナリングしている状態を示す図である。 図5の外側空気入りタイヤの説明図である。
符号の説明
1 空気入りタイヤ
2 内側空気入りタイヤ
3 外側空気入りタイヤ
5 トレッド部
6 トレッド面
7 サイドウォール部
8 ショルダー部
9 内側ショルダー部
10 外側ショルダー部
20 ベルト層
21 外側ベルト層
22 内側ベルト層
25 ベルト端
26 厚側ベルト端
27 薄側ベルト端
28 ベルト層中央部
30 層間ゴム
40 赤道面
50 リムホイール
55 取付部
60 垂直線
70 車両
75 路面

Claims (4)

  1. トレッド部のタイヤ径方向内方にベルト層を有する空気入りタイヤにおいて、
    前記ベルト層は2層設けられており、
    前記2層のベルト層の間隔であるベルト層間厚さは、前記ベルト層のタイヤ幅方向の両端に位置するベルト端のうち、一方の前記ベルト端である薄側ベルト端における前記ベルト層間厚さよりも、他方の前記ベルト端である厚側ベルト端における前記ベルト層間厚さの方が厚くなっており、且つ、前記厚側ベルト端における前記ベルト層間厚さは、前記ベルト層のタイヤ幅方向における中央部の前記ベルト層間厚さよりも厚くなっていることを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 請求項1に記載の空気入りタイヤは、車両に装着可能なリムホイールを介して前記車両に装着可能になっており、
    前記厚側ベルト端は、前記車両への装着時における前記車両の幅方向の内側方向に位置していることを特徴とする空気入りタイヤ。
  3. 前記ベルト層間厚さは、前記薄側ベルト端における前記ベルト層間厚さを100とした場合に、前記厚側ベルト端における前記ベルト層間厚さが110〜150の範囲内となっていることを特徴とする請求項1または2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記厚側ベルト端のタイヤ径方向外方に位置する前記トレッド部のトレッド厚さは、前記薄側ベルト端のタイヤ径方向外方に位置する前記トレッド部のトレッド厚さよりも薄くなっていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
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