JP2007111343A - 便座又は便蓋の電動開閉装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 モータと、便座又は便蓋と共に回転する回転軸と、モータの駆動力を前記回転軸に伝達する減速歯車列と、便座又は便蓋の位置検知手段と、設定された開端位置に前記便座又は便蓋が停止するよう前記モータの動作を制御してなる制御手段を備えた便座又は便蓋の電動開閉装置において、前記開端位置から所定角度前に、開動作の速度を検出する速度検出点を設け、前記制御手段は、位置検知手段により検知した便座又は便蓋の停止位置を記憶させ、制御手段に記憶された停止位置を基に開端位置を設定するとともに、設定された開端位置に便座又は便蓋が停止するように便座又は便蓋の開動作の目標速度を設定し、速度検出点を通過した際の便座又は便蓋の速度と目標速度との差に基づいて開動作の目標速度を再設定し、再設定された目標速度により開動作の速度制御を実行する。
【選択図】 図1
Description
これは、便座や便蓋にカバーが取り付けられた場合、あるいは電動開閉装置の駆動系に経年変化が生じた場合など、電動開閉装置の負荷が変化しても、定められた位置まで開くように便座又は便蓋の開速度を制御するものであり、便座又は便蓋の開速度を制御する基準位置となる速度評価点なるものを開位置近くに固定的に設け、便座又は便蓋を電動で開いたときに開端位置(開ききった位置)まで達しなかったときに速度評価点を通過する際の開速度を速めるように制御するものである。
そこで、本発明は、便座又は便蓋の開速度を早く最適化することができる電動開閉装置を提供することを目的とする。
前記開端位置から所定角度前に、前記開動作の速度を検出する速度検出点を設け、
前記制御手段は、
前記位置検知手段により検知した便座又は便蓋の停止位置を記憶させ、前記制御手段に記憶された停止位置を基に前記開端位置を設定するとともに、
前記設定された開端位置に便座又は便蓋が停止するように前記便座又は便蓋の開動作の目標速度を設定し、
前記速度検出点を通過した際の便座又は便蓋の速度と前記目標速度との差に基づいて開動作の目標速度を再設定し、当該再設定された目標速度により開動作の速度制御を実行することを特徴とする。
本発明の便座又は便蓋の電動開閉装置は、図15のブロック図に示すように、モータ32と、便座又は便蓋と共に回転する回転軸40と、モータ32の駆動力を回転軸40に伝達する減速歯車列と、便座又は便蓋の位置検知手段(エリア検出回路71、回転検出回路70、磁石34c等)と、便座又は便蓋が設定された開端位置に停止するようモータ32の動作を制御してなる制御手段(メインCPU、ドライブ回路150)を備えている。
まず、開動作を1回乃至複数回実行して、そのときの停止位置を基にして便座又は便蓋が開き切る位置となる開端位置を設定する。その後、開端位置からモータの数パルス分手前を速度検出点として設定するとともに、次の開動作のために、開端位置でスムーズに停止するように開き角度によって変化させた目標速度を図2に示す速度制御テーブルから設定する。この状態で、開速度が定まるが、便座又は便蓋を開端位置まで確実に開くために、最大の速度が設定されている。次に、開動作を実行したときに、速度検出点を通過するときの開速度を検出し、それと目標速度との大小を比較して、次の開動作のための目標速度を図2の速度制御テーブルから再設定する。すなわち、実際の開速度が目標速度より大きいときには「テーブルNO.」を下げて([Tm−n]を[Tm−(n-1)]に変更)開端位置近傍の開速度を遅くし、実際の開速度が目標速度より小さいときには「テーブルNO.」を上げて([Tm−n]を[Tm−(n+1)]に変更)開端位置近傍での開速度を早くする。
まずは、便座又は便蓋の開端位置を設定するための動作フローについて説明する。
図3〜図5は、便蓋がロータンク等に衝突する直前となる位置で停止するようにモータの駆動を制御する電動開閉装置について、モータの駆動停止させる開端位置を定めるための第一から第三の動作フローを説明するフローチャートである。(いうまでも無いが、便座の電動開閉装置についても、適用可能である。)
このフローは、便座装置の電源を投入したときに開始する。便蓋を電動で開いたとき(S10)に、便蓋が障害物に当って停止した位置を停止位置として記憶する(S11)。そして、停止位置記憶動作の回数をカウントするチェックフラッグを「+1」する(S12)。そのときに、記憶した最新の停止位置と前回の電動開時に記憶した停止位置との比較を行い(S13)、両停止位置が異なる場合にはチェックフラッグを「0」に設定して(S14)、電動開動作に戻る。停止位置の比較(S13)において、最新の停止位置が前回の停止位置を同じ場合には、チェックフラッグがN回(例えば、3回)に達しているかどうかを確認し(S15)、チェックフラッグがN回に達していれば、最新の停止位置を開端位置として制御手段の制御値を設定する(S16)。このS10〜S15の行程をチェックフラッグがN回に達するまで繰り返し行う。
ここで、最新の停止位置と前回の停止位置の比較(S13)では、両停止位置がほぼ一致していればよいので、駆動モータがステッピングモータとした場合には、最新の停止位置が前回の停止位置±数パルス以内(好ましくは2パルス以内)かどうかを判断するようにするのが望ましい。
このフローは、便座装置の電源を投入したときに開始する。便蓋を電動で開いたとき(S20)に、便蓋が障害物に当って停止した位置を停止位置として記憶する(S21)。そして、停止位置記憶動作の回数をカウントするチェックフラッグを「+1」し(S22)、チェックフラッグがN回に達しているかどうかを確認する(S23)。チェックフラッグがN回に達していれば、N回の停止位置の記憶値のうちの最大値(便蓋が最も開いた位置)を開端位置として設定する(S24)。このS20〜S24の行程をチェックフラッグがN回に達するまで繰り返し行う。
このフローは、便座装置の電源を投入したときに開始する。便蓋を電動で開いたとき(S30)に、便蓋が障害物に当って停止した位置を停止位置として記憶する(S31)。そして、最新の停止位置を含めた停止位置の全記憶の中に一致する停止位置がN回分(例えば3回分)あるかどうかをチェックし(S32)、一致する停止位置がN回分あればその停止位置を開端位置として設定する(S33)。このS30〜S33の行程を、一致する停止位置がN回分揃うまで繰り返し行う。
また、ここで、停止位置のチェック(S32)では、停止位置がほぼ一致していれば同じ位置であると識別してよいので、駆動モータがステッピングモータである場合には、数パルス以内(好ましくは2パルス以内)かどうかで停止位置の一致を判断するようにするのが望ましい。
図6は本発明の便座又は便蓋の電動開閉装置を内蔵した便座装置10の斜視図、図7は便座又は便蓋の電動開閉装置の取付け位置を説明する為の分解斜視図、図8は便座用電動開閉装置30を内蔵した便座装置10の断面図、図9は便蓋用電動開閉装置130を内蔵した便座装置10の断面図である。図において、便器本体1の背部側のリムの上面を利用して暖房便座装置10のケーシング11を固定し、このケーシング11前側中央に凸収納部11aを形成し、この収納部11aの側壁11bに便座用電動開閉ユニット30、便蓋用電動開閉ユニット130を取付け、電動開閉ユニット30、130に便座12及び便蓋13を夫々取付けている。
図示するように、電動開閉ユニット30は、外郭を形成するケーシング31(主ケース31a及び蓋ケース31bで構成)、駆動モータ組品A(図10に示すように駆動モータ組品Aは、DCブラシモータ等により構成される駆動モータ32、駆動モータ32の出力軸32aに圧入固定される小歯車32b、駆動モータ32にネジ等を用いて固定される第1歯車固定用スペーサ33、小歯車32bと噛み合う大歯車34a及び次段へ動力を伝達する為の小歯車34bを有する第1歯車34、第1歯車34の回動軸35、スペーサ33に固定される第1歯車34の軸受36から構成される。
図11に示すように駆動モータ組品Aの組み立ては以下の手順で行われる。まずスペーサ33の軸受孔33aに軸35の一端を差込み、軸35に第1歯車34を挿入し、軸受36の軸孔36aに軸35の他端を、位置決め孔36bに位置決めボス33bを挿入し固定孔36c、36cにセルフタッピングネジ(図示無)を挿入固定し、スペーサ33に設けた下孔33cにねじ込むことで、スペーサ33、第1歯車34、軸35及び軸受36を一体化し、更に駆動モータ32の出力軸32a及び小歯車32bをスペーサ33の貫挿孔33eから第1歯車34と小歯車32bとの噛み合いに注意しながら貫挿し、ネジ挿通孔36d(軸受36)、固定孔33d(スペーサ33)からネジを差込み、駆動モータ32に設けたネジ孔32cにネジ込むことで組み立て完了する。なおネジ挿通孔36dはネジ頭よりも大きな径とし、ネジ挿通孔36d側の固定孔33dは途中(他方の固定孔33dと同一の肉厚となる位置)まではネジ頭よりも大きな径とし、途中からネジ部分が貫通する程度の径とすることで、駆動モータ32への固定用ネジ2本を共通化することができる。
このように減速歯車列の第1段目を駆動モータ32に一体化することで軸ブレ等を抑制することができ伝達効率を上げることができる。
まずキャリア63に設けた遊星軸63aに遊星歯車64を装着し、内歯車66を遊星歯車64との嵌め合いに注意しながら装着する。次に軸受65に設けた軸受凹部65aに軸63aの終端部を装着し、遊星歯車64の動作領域を確保するためにキャリア63に設けた締結スペーサ63bの細径円筒部63cを軸受65に設けた貫通孔65bに挿通しカシメることでキャリア63、遊星歯車64、軸受65及び内歯車66を一体化する(以下この一体化したものを『遊星歯車機構』という)。この遊星歯車機構の出力軸63dの外周にトレランスリング62を嵌装し、内歯車66の外周に所定間隔をおいて形成した回動防止用の複数の凹溝66aと略同一形状の凸部67e(図13参照)を有するスペーサ67を内歯車66に外装し、スペーサ67の開孔67bから出力軸63dを突出させた状態で、回転軸40の後端に設けた連結孔40a内にトレランスリング62の外周を嵌着することで遊星歯車組品Bの組み立ては完了する。なお回転軸40のフランジ40bには予めリング状の磁石61(N−Sが2つ形成されているもの)を止め輪等を用いて一体化しておく。またスペーサ67の奥側には後述するエリア検出回路71を保護する保護ブロック67cを一体に設け、67cの表面には配線処理用リブ67dを設ける。
磁石34cの磁力を検知するホールIC70aを搭載した回転検出回路70の取付孔70bにセルフタッピングネジ(図示無)を挿入し、ケーシング31aに設けた取付ボスの下孔31eにネジ固定することでケーシング31aと回転検出回路70を一体化する。次に、磁石61の磁力を検知するホールIC71a、71bを搭載したエリア検出回路71の取付孔71cにセルフタッピングネジ(図示無)を挿入し、ケーシング31aに設けた取付ボスの下孔31fにネジ固定することでケーシング31aとエリア検出回路71を一体化する。なおエリア検出回路71には駆動モータ32への通電用配線(図示無)を半田付けしており、その通電用配線の一つに直列に接続される正特性サーミスタ71dを更に半田付けしておく。この正特性サーミスタは駆動モータ32へ過電流が流れることを防止するために設けている。次に、ケーシング31aの下端部に設けたモータ収納部31cに駆動モータ組品Aを収納し、スペーサ33に形成した取付孔33fにセルフタッピングネジ(図示無)を挿入し、ケーシング31aに設けた取付ボスの下孔31dにネジ固定することでケーシング31aと駆動モータ組品Aを一体化する。
図13に示すように、駆動モータ32の外形と遊星歯車機構の外形との投影面がなす2円(Ca,Cb)を隣接して配置し、更に、2円(Ca,Cb)及び2円の外接線(Lc,Ld)によって囲まれた投影面内に第1歯車34、第2歯車37の軸を配置することによって電動開閉ユニット30をコンパクトに設計することができる。更に本実施例では、2円(Ca,Cb)の中心を通る水平線(La,Lb)と外接線(Lc,Ld)に囲まれた投影面内に第1歯車34、第2歯車37の軸を配置しているので更にコンパクトに設計することが出来る。また水平線(La,Lb)に代えて、2円(Ca,Cb)の中心を結ぶ線に対し各円の中心を通る垂線を用いることでも良い。本実施例ではこの垂線も略水平となるため、然程大きな差異では無いが、減速歯車列を水平方向に配置する場合等はこのような設計とする方が望ましい。
アシストユニット80は電動開閉ユニット30の回転軸40に回動不能に連結される連結軸81、便座12を開方向に付勢するために一端82aが連結軸81に固定されたアシストバネ82、アシストバネ82の他端82bが固定されると共にケーシング11に回動不能に連結される連結カバー83、連結カバー83と共にアシストバネ82を囲う蓋カバー84、便座12をケーシング11から着脱するための着脱レバー85、アシストユニット80を便座12に固定する為の固定部材86で構成される。
連結カバー83の開口端には溶着用リブ83iを全周に形成し、蓋カバー84を超音波溶着等で一体化する。
固定部材86には連結軸81の外形と略同一形状の連結用開口86a、便座12に回動不能に固定するために外周に沿って所定間隔毎に設けた突起86b、略L字形状の連結クランク86cを形成する。また、連結クランク86cには締結ネジ用の下孔86d、アシストユニット80(固定部材86を除く)のスラスト方向の移動を規制するストッパ86eを形成する。
RL=n・c・K
AF=RL・μ
Mt=AF・d/2
で算出することができる。
バネ定数は材料の厚さ、波のピッチ、幅、形状、高さを変更することで設定できるので、正常時に回転軸40,140に最大どの程度のトルクがかかるかを実験等で見極め、そのトルクに応じてトレランスリング62の形状を選択する。
この設定トルク以上のトルクが回転軸40に発生した場合には、トレランスリング62の波形状部62aが回転軸40、140の連結孔に食い込み固定されており、トレランスリングのリング状縁部62bがキャリア63の出力軸63dの外周を滑り、設定トルク以上の過重が電動開閉ユニット30、130内部にかかることがなく、歯車の破損等を防止することが出来る。
図17に本発明の便座装置の制御ブロック図、図18に駆動モータ32のドライバ回路図、図19にスイッチング素子Tr1、Tr2、Tr3、Tr4への通電信号波形、図20にエリア検出回路71に設けたホールIC71a、71bの出力信号波形、図19に回転検出回路に設けたホールIC70aの出力信号波形、図21〜図27に動作フローを示す。
駆動モータ32を正転する際はTr1とTr4とをオン状態、Tr2とTr3をオフ状態とし、反転の際はTr1とTr4とをオフ状態、Tr2とTr3をオン状態とし、ブレーキをかける際はTr3とTr4をオン状態、Tr1とTr2をオフ状態とする。ブレーキをかける際は座若しくは蓋の自重で駆動モータ32のシャフトが回転させられ駆動モータ32は発電機として作用するため前述のダイオードd1、d2で電動開閉制御用CPU等へ逆起電力が加わらないようにする。
また、夫々のオン時間を図19に示すような通電信号波形でDuty制御することで駆動モータ32の回転速度を制御する。なお、正転、逆転時はGを1ms(PWM駆動周波数1kHz)とし、ブレーキ時はGを8ms(PWM駆動周波数125Hz)とする。なお、ON−Duty H%とは1周期(Gms)中にオンする時間がH%であることを示しており、例えばG=1ms、H=30%であれば1周期中に0.3ms(1ms*30%)オンすることを意味する。なお、このHは回転検出回路70及びエリア検出回路71によって検知される便座若しくは便蓋の検知位置に応じた夫々の設定とする。(以下30%Duty等として記載する。)また、エリアはエリアA(閉端エリア)、エリアB(動作エリア),エリアC(開端エリア)、エリアD(異常エリア)からなる。
また最後に再度20%Dutyで便蓋を駆動するのは次の閉止動作の準備の為である。
従って、便座12閉塞時には開放側のトルクを発生することができ、これにより、便蓋用電動開閉ユニット130と略同一の構造でも便座12を持ち上げることが可能となっている。
13 便蓋
32 モータ
40 回転軸
70 回転検出回路(位置検知手段)
71 エリア検出回路(位置検知手段)
150 ドライブ回路(制御手段)
Claims (7)
- モータと、便座又は便蓋と共に回転する回転軸と、前記モータの駆動力を前記回転軸に伝達する減速歯車列と、前記便座又は便蓋の位置検知手段と、設定された開端位置に前記便座又は便蓋が停止するよう前記モータの動作を制御してなる制御手段を備えた便座又は便蓋の電動開閉装置において、
前記開端位置から所定角度前に、前記開動作の速度を検出する速度検出点を設け、
前記制御手段は、
前記位置検知手段により検知した便座又は便蓋の停止位置を記憶させ、前記制御手段に記憶された停止位置を基に前記開端位置を設定するとともに、
前記設定された開端位置に便座又は便蓋が停止するように前記便座又は便蓋の開動作の目標速度を設定し、
前記速度検出点を通過した際の便座又は便蓋の速度と前記目標速度との差に基づいて開動作の目標速度を再設定し、当該再設定された目標速度により開動作の速度制御を実行することを特徴とする便座又は便蓋の電動開閉装置。 - 前記停止位置を前記開端位置として設定することを特徴とする請求項1記載の便座又は便蓋の電動開閉装置。
- 前記停止位置が複数回連続して同じ場合に、当該停止位置を前記開端位置として設定することを特徴とする請求項1記載の便座又は便蓋の電動開閉装置。
- 前記便座又は便蓋の停止位置を前記制御手段に記憶する電動開動作を複数回実行して、複数回の電動開動作ごとに記憶された停止位置から便座又は便蓋の電動開時の開端位置を設定することを特徴とする請求項1記載の便座又は便蓋の電動開閉装置。
- 前記複数回の電動開動作ごとに記憶された停止位置のうち、前記便座又は便蓋が最も開いた位置を前記開端位置として設定することを特徴とする請求項4記載の便座又は便蓋の電動開閉装置。
- 前記複数回の電動開動作ごとに記憶された停止位置のうち、最も停止した回数が多い停止位置を前記開端位置として設定することを特徴とする請求項4記載の便座又は便蓋の電動開閉装置。
- 前記複数回の電動開動作ごとに記憶された停止位置が、所定の複数回数一致した場合に、当該停止位置を開端位置として設定することを特徴とする請求項4記載の便座又は便蓋の電動開閉装置。
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