JP2007108582A - 赤外線吸収フィルターおよび赤外線吸収パネル - Google Patents

赤外線吸収フィルターおよび赤外線吸収パネル Download PDF

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Abstract

【課題】近赤外線吸収色素を高濃度かつ均一に含有又は分散させることができ、高性能かつ耐久性に優れ、プラズマディスプレイやCCDカメラなどに利用できる近赤外線吸収フィルターを得る。
【解決手段】下記式(1)で示される繰り返し単位を含むポリカーボネート樹脂と、近赤外線吸収能を有する色素とで近赤外線吸収フィルターを構成する。
Figure 2007108582

(式中、Zは炭素数5〜7の置換基を有してもよいシクロアルキリデン基を示めす。R1aおよびR1bは同一又は異なるアルキレン鎖またはハロゲン原子を示し、m1、m2は同一又は異なる0〜4の整数を示す。)
【選択図】なし

Description

本発明は、赤外線吸収能を有する色素(赤外線吸収色素、特に近赤外線吸収色素)を含む赤外線吸収フィルター(又は赤外線吸収フィルム、特に近赤外線吸収フィルター)およびこの赤外線吸収フィルターを備えた赤外線吸収パネル(近赤外線吸収パネル)に関する。
赤外線吸収フィルター(近赤外線吸収フィルター)としては、蒸着膜処理したガラスや金属イオンを含んだリン酸塩ガラスが知られている。しかし、これらのガラス製の赤外線吸収フィルターは重くて割れやすく、曲げる等の加工が難しいという問題がある。
これらの問題を解決するために近年、赤外線吸収フィルターのプラスチック化が検討され、多くの材料が提案されている。このような近赤外線吸収フィルター材料としては、例えば、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、スチレン系樹脂、アモルファスポリオレフィン樹脂、ポリイソシアネート樹脂、ポリアリレート樹脂、セルロース系樹脂等のバインダー樹脂と、赤外線吸収色素及び色調補正用可視光吸収色素とを溶剤に溶解または均一分散させた塗工液をポリエステル等の透明フィルム上にコーティングし、溶剤を乾燥除去したフィルムが挙げられる。
これらのプラスチック赤外線吸収フィルターには、より薄い膜厚で赤外線吸収能を発現することが求められており、このため、溶剤を除去した後に形成される薄膜中の色素に偏在、凝集、表面への析出等が生じないようにバインダー樹脂中に色素が高濃度かつ均一に分散した状態である必要がある。さらにバインダー樹脂中に分散した色素は長期間の耐久性が要求され、色素間の反応、熱や光、湿分等環境による劣化がないことが必要である。
元来、赤外線吸収剤として使用される色素は光や熱、水分に対して非常に不安定なものがほとんどであり、バインダー樹脂にはこれら色素の劣化を防ぐ防御層として機能するものであることが要求される。しかしながらバインダー樹脂としてよく知られている上述の透明樹脂は十分な性能を有しておらず、その対策として種々の樹脂が提案されている。
例えば、特開平11−116826号公報(特許文献1)には、透明な高分子樹脂中に複数の色素を分散させたフィルムが開示されており、この文献には、前記透明な高分子樹脂として、フルオレン骨格を有するジオールを共重合したポリエステルを使用してもよいことが記載されている。
また、特開2000−227515号公報(特許文献2)には、近赤外線吸収色素をバインダー樹脂に分散した組成物からなるコート層を基材上へ積層して形成される近赤外線フィルターであって、前記バインダー樹脂がポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、又はポリカーボネート系樹脂から選択された近赤外線吸収フィルターが開示されている。
また、特許第3308545号公報(特許文献3)には、フタロシアニン系金属錯体などの近赤外線吸収能を有する色素を、透明な高分子樹脂中に分散させた近赤外線吸収フィルムを含む多層近赤外線吸収フィルムと、電磁波吸収層、反射防止層、紫外線吸収層のうちの少なくとも1層を有する多層赤外線吸収フィルムが開示されている。この文献には、前記高分子樹脂として、共重合ポリエステル、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、アモルファスポリオレフィン、ポリイソシアネート、ポリアリレート、トリアセチルセルロースなどの他、高濃度に色素を溶解させるため、特定の芳香族ジオールを共重合したポリエステル樹脂を例示している。
しかしながら、これらの樹脂は赤外線吸収色素を高濃度かつ均一に分散させる性能が十分ではなく、また、得られる近赤外線吸収フィルターの耐久性についても不十分であり、より高い性能を持つバインダ−樹脂が求められている。
特開平11−116826号公報(特許請求の範囲) 特開2000−227515号公報(特許請求の範囲) 特許第3308545号公報(特許請求の範囲、実施例)
従って、本発明の目的は、赤外線吸収能を有する色素(特に、近赤外線吸収色素)を高濃度かつ均一に含有又は分散させることができ、かつ耐久性に優れた赤外線吸収フィルター(近赤外線吸収フィルター)およびこの赤外線吸収フィルターを備えた赤外線吸収パネル(近赤外線吸収パネル)を提供することにある。
本発明者らは、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、本発明のポリカーボネート樹脂と赤外線吸収色素(特に近赤外線吸収色素)との組合せは、前記色素の凝集や色素間の反応を生じることなく、前記色素を前記ポリカーボネート樹脂中に高濃度かつ均一に含有又は分散でき、さらに赤外線吸収色素を、長期に亘って、劣化をおこすことなく安定に保持できる耐久性に優れた赤外線吸収フィルター(又は赤外線吸収フィルム)が得られることを見いだし、本発明を完成した。
すなわち、本発明の赤外線吸収フィルター(近赤外線吸収フィルター)は、下記式(1)で表される繰り返し単位を含むポリカーボネート樹脂と、赤外線吸収能を有する色素とで構成されている。
Figure 2007108582
(式中、Zはそれが結合している炭素原子と一緒になって、炭素原子数1〜10のアルキル基を有してもよい炭素原子数5〜7のシクロアルキリデン基を示す。R1aおよびR1bは同一又は異なり、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数6〜20のシクロアルキル基、炭素原子数6〜10のアリール基、炭素原子数7〜14のアラルキル基、炭素原子数2〜6のアルケニル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、炭素原子数1〜10のアシル基、炭素原子数1〜4のアルコキシカルボニル基、ハロゲン原子、ニトロ基及びシアノ基からなる群から選ばれた基を表わす。m1及びm2は同一又は異なる0〜4の整数を示す。)
好ましくは下記式(2)で示される繰り返し単位よりなるポリカーボネート樹脂が含まれる。
Figure 2007108582
前記赤外線吸収能を有する色素(特に、近赤外線吸収能を有する色素)は、例えば、下記式(3)〜(7)で示される化合物から選択された少なくとも1種であってもよい。
Figure 2007108582
(式中、複数のRpは同一又は異なっていてもよく、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数1〜20のアルコキシ基、炭素原子数6〜10のアリール基、炭素原子数6〜10のアリールオキシ基、炭素原子数7〜14のアラルキル基、アミノ基、アミド基、イミド基、及び炭素原子数6〜10のアリールチオ基からなる群から選ばれる基を表し、複数のaは同一又は異なり、0又は1〜4の整数を示す。aが2以上の場合六員環上で隣接するRpは互いに結合して環を形成していてもよい。Mpは、水素原子、2〜6価の金属原子又はその酸化物であり、カウンターアニオンで原子価が補われていてもよい。)
Figure 2007108582
(式中、Rt1、Rt2、Rt3およびRt4は、同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数6〜10のアリール基、炭素原子数7〜14のアラルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、炭素原子数6〜10のアリールオキシ基、又はアミノ基であり。Mt1は4配位の遷移金属原子である。)
Figure 2007108582
(式中、Rt5、Rt6、Rt7およびRt8は、同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数6〜10のアリール基、炭素原子数7〜14のアラルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、又はアミノ基であり、置換基を有していてもよい。Mt2は4配位の遷移金属原子であり、Q+は1価のカチオンである。)
Figure 2007108582
(式中、Ri1、Ri2、Ri3、Ri4、Ri5、Ri6、Ri7およびRi8は、同一又は異なって、炭素原子数1〜10のアルキル基であり、Rj1、Rj2、Rj3およびRj4は、同一又は異なって、水素原子又はフッ素原子であり、X2-は二価のアニオンである。)
Figure 2007108582
(式中、Ri9、Ri10、Ri11、Ri12、Ri13、Ri14、Ri15およびRi16は、同一又は異なって、炭素原子数1〜10のアルキル基であり、Rj5、Rj6、Rj7およびRj8は、同一又は異なって、水素原子又はフッ素原子であり、Z-は一価のアニオンである。)
前記赤外線吸収フィルターは、さらに、色調補正用色素を含んでいてもよい。
前記赤外線吸収能を有する色素の割合は、例えば、本発明のポリカーボネート樹脂100重量部に対して、0.01〜30重量部程度であってもよい。前記赤外線吸収フィルターは、赤外線(特に近赤外線)領域の光線を選択的に吸収するのが好ましい。そのため、前記赤外線吸収フィルターの450〜700nmにおける光線透過率の平均(平均光線透過率)は55%以上程度であってもよく、850〜1100nmにおける光線透過率の平均(平均光線透過率)は30%以下程度であってもよい。
前記赤外線吸収フィルターは、フィルム状であってもよく、キャスト法又はコーティング法により製膜されていてもよい。
本発明には、赤外線吸収フィルターを備えた赤外線吸収パネルも含まれる。
なお、本明細書中でいう「分散」とは、一つの相を形成する物質内に他の物質が複数の分子からなる微粒子となって散在する状態を意味するだけではなく、一つの相を形成する物質内に他の物質が単分子として散在している状態、つまりは溶解している状態も含む。
本発明では、特定構造のポリカーボネート樹脂と赤外線吸収色素(特に近赤外線吸収色素)とを組みあわせるため、赤外線吸収能を有する色素(特に、近赤外線吸収色素)を高濃度かつ均一に含有又は分散させることができ、かつ耐久性に優れた赤外線吸収フィルター(近赤外線吸収フィルター)およびこの赤外線吸収フィルターを備えた赤外線吸収パネル(近赤外線吸収パネル)を得ることができる。
本発明の赤外線吸収フィルター(近赤外線吸収フィルター)は、特定構造のポリカーボネート樹脂と、赤外線(特に近赤外線)吸収能を有する色素(赤外線吸収色素ということがある)とで構成されている。この赤外線吸収色素(近赤外線吸収色素)は、赤外線吸収フィルターに含有されており、通常、前記ポリカーボネート樹脂中に分散している。
(ポリカーボネート樹脂)
前記ポリカーボネート樹脂は、通常下記式(1)で表される単位(繰り返し単位)を含有している。
Figure 2007108582
(式中、Zはそれが結合している炭素原子と一緒になって、置換基を有してもよい炭素原子数5〜7のシクロアルキリデン基を示す。R1aおよびR1bは同一又は異なり、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数6〜20のシクロアルキル基、炭素原子数6〜10のアリール基、炭素原子数7〜14のアラルキル基、炭素原子数2〜6のアルケニル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、炭素原子数1〜10のアシル基、炭素原子数1〜4のアルコキシカルボニル基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基を示す。m1、m2は同一又は異なる0〜4の整数を示す。)
前記式(1)において、Zとしては、炭素数5〜7の置換基を有してもよいシクロアルキリデン基、好ましくはシクロヘキシリデン基などがあげられる。
前記式(1)において、置換基R1aおよびR1bとしては、アルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、s−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基などのC1-20アルキル基、好ましくはC1-8アルキル基、さらに好ましくはC1-6アルキル基など)、シクロアルキル基(シクロペンチル基、シクロへキシル基などのC5-10シクロアルキル基、好ましくはC5-8シクロアルキル基、さらに好ましくはC5-6シクロアルキル基など)、アリール基[フェニル基、アルキルフェニル基(メチルフェニル基(トリル基)、ジメチルフェニル基(キシリル基)など)などのC6-10アリール基、好ましくはC6-8アリール基、特にフェニル基など]、アラルキル基(ベンジル基、フェネチル基などのC6-10アリール−C1-4アルキル基など)、アルケニル基(ビニル基、プロぺニル基などのC2-6アルケニル基、好ましくはC2-4アルケニル基など)、炭化水素基(例えば、C1-10炭化水素基)、アルコキシ基(メトキシ基などのC1-4アルコキシ基など)、アシル基(アセチル基などのC1-6アシル基など)、アルコキシカルボニル基(メトキシカルボニル基などのC1-4アルコキシカルボニル基など)、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子など)、ニトロ基、シアノ基などが挙げられる。
好ましい置換基R1a(又はR1b)は、アルキル基(C1-6アルキル基)、シクロアルキル基(C5-8シクロアルキル基)、アリール基(C6-10アリール基)、アラルキル基(C6-8アリール−C1-2アルキル基)、アルケニル基、ハロゲン原子などであり、特にアルキル基(例えば、メチル基などのC1-4アルキル基)が好ましい。置換基R1a(又はR1b)は、単独で又は2種以上組み合わせてベンゼン環に置換していてもよい。また、置換基R1aおよびR1bは互いに同一又は異なっていてもよいが、通常、同一である。また、置換基R2a(又はR2b)は、同一のベンゼン環において、異なっていてもよく、同一であってもよい。
また、置換基R1a(又はR1b)の置換位置は、特に限定されず、置換数m1(又はm2)などに応じて、フェニル基の2〜6位(例えば、2位、3位、5位、6位、3,5−位など)の適当な位置に置換できる。
好ましい置換数m1およびm2は、0又は1〜3、さらに好ましくは0又は1〜2である。なお、置換数m1およびm2は、異なっていてもよいが、通常、同一である場合が多い。
前記式(1)において、好ましい組合せとしては、例えば、Zがシクロヘキシリデン基であり、m1およびm2が0又は1であり、置換基R1aおよびR1bがC1-10炭化水素基(特に、C1-4アルキル基などのアルキル基)である組合せなどが挙げられる。
特に好ましい前記式(1)で表される繰り返し単位には、下記式(2)で示される繰り返し単位が含まれる。
Figure 2007108582
本発明のポリカーボネート樹脂は、前記式(1)で表される単位(繰り返し単位)と下記式(8)で表される単位(繰り返し単位)からなり、前記式(1)で示される繰返し単位を50モル%以上、より好ましくは75モル%以上、最も好ましくは100モル%である。このとき、前記式(1)で表される繰り返し単位が前記式(2)で示される繰り返し単位であるのが、特に好ましい。
Figure 2007108582
(式中、R2aおよびR2bはそれぞれ独立してハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数6〜20のシクロアルキル基、炭素数6〜20のシクロアルコキシ基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基、炭素数6〜10のアリールオキシ基及び炭素数7〜20のアラルキルオキシ基からなる群から選ばれる基を表し、n1およびn2はそれぞれ独立に0〜4の整数であり、Wは、下記
Figure 2007108582
で表される基であり、ここにR3a及びR3bは同一または異なり、水素原子または炭素数1〜10の炭化水素基を表し、R4a及びR4bはそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子または炭素数1〜3のアルキル基を表す。)
本開発のポリカーボネート樹脂は、ジヒドロキシ化合物とカーボネート形成性化合物との反応により得ることができる。
(ジヒドロキシ化合物)
ジヒドロキシ化合物としては、特に限定されないが、前記式(1)の単位を有するポリカーボネート樹脂を得る場合には、下記式(1A)で表される化合物を使用できる。
Figure 2007108582
(式中、Z、R1a、R1b、m1及びm2は前記と同じ。)
上記式(1A)において、置換基(R1a、R1b)、置換数(m1、m2)の好ましい態様などは前記と同じである。
以下に代表的な前記式(1A)で表される化合物を例示する。
代表的な化合物としては、1,1−ビス(ヒドロキシフェニル)シクロアルカン類、例えば、1,1−ビス(ヒドロキシフェニル)シクロペンタン{例えば、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタンなど};1,1−ビス(ヒドロキシ−アルキルフェニル)シクロペンタン{例えば、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−プロピルフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−イソプロピルフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−n−ブチルフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−イソブチルフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス[4−ヒドロキシ−3−(1−メチルプロピル)フェニル]シクロペンタンなどの1,1−ビス(ヒドロキシ−モノC1-6アルキルフェニル)シクロペンタン;1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジエチルフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジプロピルフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジイソプロピルフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−n−ブチルフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジイソブチルフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス[4−ヒドロキシ−3,5−ビス(1−メチルプロピル)フェニル]シクロペンタンなどの1,1−ビス(ヒドロキシ−ジC1-6アルキルフェニル)シクロペンタン}、1,1−ビス(ヒドロキシ−シクロアルキルフェニル)シクロヘキサン{例えば、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−シクロヘキシルフェニル)シクロペンタンなどの1,1−ビス(ヒドロキシ−モノC5-8シクロアルキルフェニル)シクロペンタンなど}、1,1−ビス(ヒドロキシ−アリールフェニル)シクロペンタン{例えば、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−フェニルフェニル)シクロペンタンなどの1,1−ビス(ヒドロキシ−モノC6-8アリールフェニル)シクロペンタン;1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジフェニルフェニル)シクロペンタンなどの1,1−ビス(ヒドロキシ−ジC6-8アリールフェニル)シクロペンタンなど}、1,1−ビス(ヒドロキシ−アラルキルフェニル)シクロペンタン{例えば、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−ベンジルフェニル)シクロペンタンなどの1,1−ビス[ヒドロキシ−モノ(C6-8アリールC1-4アルキル)フェニル]シクロペンタン;1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジベンジルフェニル)シクロペンタンなどの1,1−ビス[ヒドロキシ−ジ(C6-8アリールC1-4アルキル)フェニル]シクロペンタンなど}、1,1−ビス(ヒドロキシ−アルケニルフェニル)シクロペンタン{例えば、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−プロペニルフェニル)シクロペンタンなどの1,1−ビス(ヒドロキシ−モノC2-4アルケニルフェニル)シクロペンタンなど}、1,1−ビス(ヒドロキシ−ハロフェニル)シクロペンタン{例えば、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−フルオロフェニル)シクロペンタンなどの1,1−ビス(ヒドロキシ−モノハロフェニル)シクロペンタン}など。1,1−ビス(ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン{例えば、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキサンなど};1,1−ビス(ヒドロキシ−アルキルフェニル)シクロヘキサン{例えば、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−プロピルフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−イソプロピルフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−n−ブチルフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−イソブチルフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス[4−ヒドロキシ−3−(1−メチルプロピル)フェニル]シクロヘキサンなどの1,1−ビス(ヒドロキシ−モノC1-6アルキルフェニル)シクロヘキサン;1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジエチルフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジプロピルフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジイソプロピルフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−n−ブチルフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジイソブチルフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス[4−ヒドロキシ−3,5−ビス(1−メチルプロピル)フェニル]シクロヘキサンなどの1,1−ビス(ヒドロキシ−ジC1-6アルキルフェニル)シクロヘキサン}、1,1−ビス(ヒドロキシ−シクロアルキルフェニル)シクロヘキサン{例えば、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−シクロヘキシルフェニル)シクロヘキサンなどの1,1−ビス(ヒドロキシ−モノC5-8シクロアルキルフェニル)シクロヘキサンなど}、1,1−ビス(ヒドロキシ−アリールフェニル)シクロヘキサン{例えば、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−フェニルフェニル)シクロヘキサンなどの1,1−ビス(ヒドロキシ−モノC6-8アリールフェニル)シクロヘキサン;1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジフェニルフェニル)シクロヘキサンなどの1,1−ビス(ヒドロキシ−ジC6-8アリールフェニル)シクロヘキサンなど}、1,1−ビス(ヒドロキシ−アラルキルフェニル)シクロヘキサン{例えば、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−ベンジルフェニル)シクロヘキサンなどの1,1−ビス[ヒドロキシ−モノ(C6-8アリールC1-4アルキル)フェニル]シクロヘキサン;1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジベンジルフェニル)シクロヘキサンなどの1,1−ビス[ヒドロキシ−ジ(C6-8アリールC1-4アルキル)フェニル]シクロヘキサンなど}、1,1−ビス(ヒドロキシ−アルケニルフェニル)シクロヘキサン{例えば、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−プロペニルフェニル)シクロヘキサンなどの1,1−ビス(ヒドロキシ−モノC2-4アルケニルフェニル)シクロヘキサンなど}、1,1−ビス(ヒドロキシ−ハロフェニル)シクロヘキサン{例えば、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−フルオロフェニル)シクロヘキサンなどの1,1−ビス(ヒドロキシ−モノハロフェニル)シクロヘキサン}など。1,1−ビス(ヒドロキシフェニル)シクロヘプタン{例えば、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘプタンなど};1,1−ビス(ヒドロキシ−アルキルフェニル)シクロヘプタン{例えば、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)シクロヘプタン、1,1−ビス(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)シクロヘプタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)シクロヘプタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−プロピルフェニル)シクロヘプタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−イソプロピルフェニル)シクロヘプタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−n−ブチルフェニル)シクロヘプタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−イソブチルフェニル)シクロヘプタン、1,1−ビス[4−ヒドロキシ−3−(1−メチルプロピル)フェニル]シクロヘプタンなどの1,1−ビス(ヒドロキシ−モノC1-6アルキルフェニル)シクロヘプタン;1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)シクロヘプタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル)シクロヘプタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジエチルフェニル)シクロヘプタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジプロピルフェニル)シクロヘプタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジイソプロピルフェニル)シクロヘプタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−n−ブチルフェニル)シクロヘプタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジイソブチルフェニル)シクロヘプタン、1,1−ビス[4−ヒドロキシ−3,5−ビス(1−メチルプロピル)フェニル]シクロヘプタンなどの1,1−ビス(ヒドロキシ−ジC1-6アルキルフェニル)シクロヘプタン}、1,1−ビス(ヒドロキシ−シクロアルキルフェニル)シクロヘプタン{例えば、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−シクロヘキシルフェニル)シクロヘプタンなどの1,1−ビス(ヒドロキシ−モノC5-8シクロアルキルフェニル)シクロヘプタンなど}、1,1−ビス(ヒドロキシ−アリールフェニル)シクロヘプタン{例えば、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−フェニルフェニル)シクロヘプタンなどの1,1−ビス(ヒドロキシ−モノC6-8アリールフェニル)シクロヘプタン;1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジフェニルフェニル)シクロヘプタンなどの1,1−ビス(ヒドロキシ−ジC6-8アリールフェニル)シクロヘプタンなど}、1,1−ビス(ヒドロキシ−アラルキルフェニル)シクロヘプタン{例えば、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−ベンジルフェニル)シクロヘプタンなどの1,1−ビス[ヒドロキシ−モノ(C6-8アリールC1-4アルキル)フェニル]シクロヘプタン;1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジベンジルフェニル)シクロヘプタンなどの1,1−ビス[ヒドロキシ−ジ(C6-8アリールC1-4アルキル)フェニル]シクロヘプタンなど}、1,1−ビス(ヒドロキシ−アルケニルフェニル)シクロヘプタン{例えば、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−プロペニルフェニル)シクロヘプタンなどの1,1−ビス(ヒドロキシ−モノC2-4アルケニルフェニル)シクロヘプタンなど}、1,1−ビス(ヒドロキシ−ハロフェニル)シクロヘプタン{例えば、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−フルオロフェニル)シクロヘプタンなどの1,1−ビス(ヒドロキシ−モノハロフェニル)シクロヘプタン}など。以上のような置換基を有する1,1−ビス(ヒドロキシフェニル)シクロアルカンなどが挙げられる。
なお、前記式(1A)で表される化合物は、シクロアルカノン類(シクロヘキサノンなど)と対応するフェノール類との反応により得ることできる。例えば、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンは、例えば、フェノールとシクロヘキサノンとの反応によって得てもよい。
(カーボネート形成性化合物)
前記ポリカーボネート樹脂の原料であるカーボネート形成性化合物(カーボネート形成性誘導体、カーボネート前駆体)とはカーボネート結合を形成することのできる化合物を意味する。このようなカーボネート形成性化合物としては、例えば、ホスゲン類(ホスゲン、ジホスゲン、トリホスゲンなど)、カーボネート類[例えば、ジアルキルカーボネート(ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネートなど)、ジアリールカーボネート(ジフェニルカーボネート、ジナフチルカーボネートなど)などの炭酸ジエステル類]などが挙げられ、中でもホスゲン、ジフェニルカーボネートが好ましく用いられる。カーボネート形成性化合物は、単独で又は2種以上組みあわせて用いてもよい。
前記ポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量は、例えば、5,000〜100,000、好ましくは8,000〜50,000、さらに好ましくは10,000〜30,000程度であってもよい。ここでいう粘度平均分子量(M)とは、塩化メチレンに前記ポリカーボネート樹脂を20℃で0.7g/dlの濃度で溶解した溶液から求めた比粘度(ηsp)を次式に挿入して求めたものである。
ηsp/C=[η]+0.45×[η]2
[η]=1.23×10-40.83 (Cは樹脂濃度で0.7である)
粘度平均分子量が小さすぎる(例えば、5,000よりも小さい)場合、前記ポリカーボネート樹脂の耐熱性が低下する虞がある。また、粘度平均分子量が大きすぎる(例えば、100,000よりも大きい)場合、前記ポリカーボネート樹脂の合成が困難となるだけでなく、溶融混練により、本発明の赤外線吸収フィルターを製造する際には溶融混練が困難となる場合があり、キャスト法もしくはコーティング法にて赤外線吸収フィルターを製造する際には溶媒に対する溶解性が低下する場合がある。
前記ポリカーボネート樹脂のガラス転移点(Tg)は、例えば、80〜250℃、好ましくは100〜200℃程度であってもよい。Tgが低すぎる(例えば、80℃よりも小さい)場合、本発明の赤外線吸収フィルターの耐熱性が低下する虞があり、Tgが高すぎる(250℃より大きい)場合、溶融混練にて本発明の赤外線吸収フィルターを製造する際には溶融混練が困難となる場合がある。
前記ポリカーボネート樹脂は、通常のポリカーボネート樹脂を製造するそれ自体公知の反応手段により製造することができる。例えば、カーボネート形成性化合物としてホスゲンを使用する反応では、通常、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ化合物、および塩化メチレン、クロロベンゼン等の溶媒の存在下でジヒドロキシ化合物とホスゲンの反応を行ってもよい。この際、反応促進のために、例えばトリエチルアミン等の第三級アミンまたはテトラ−n−ブチルアンモニウムブロマイド等の第四級アンモニウム塩、テトラ−n−ブチルホスホニウムブロマイド等のホスホニウム塩等の触媒を用いることもできる。
カーボネート形成性化合物としてジフェニルカーボネート等の炭酸ジエステルを用いる場合は、不活性ガス雰囲気下でジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとを加熱、反応させ、生成するアルコールもしくはフェノール類を留去することによって行ってもよい。この際、反応を促進するために水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属及びアルカリ土類金属の水酸化物、ホウ素やアルミニウムの水酸化物のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、4級アンモニウム塩、アルカリ金属およびアルカリ土類金属の有機酸塩、亜鉛化合物、ホウ素化合物、ケイ素化合物、ゲルマニウム化合物、スズ化合物、鉛化合物、アンチモン化合物、マンガン化合物、チタン化合物、ジルコニウム化合物等の通常エステル化反応、エステル交換反応に使用される触媒を使用することもできる。
また、前記ポリカーボネート樹脂は、その重合反応において、末端停止剤として通常使用される単官能フェノール類を用いることができる。単官能フェノール類を末端停止剤として用いた場合、末端を単官能フェノール類に由来する基によって封止でき、熱安定性に優れたポリカーボネート樹脂を得ることができる。
(赤外線吸収能を有する色素)
赤外線吸収能を有する色素は、少なくとも赤外線領域、特に、近赤外線領域(例えば、850〜1100nm程度)において吸収または吸収域を有する色素であればよい。よって、赤外線吸収能を有する色素の最大吸収波長が800〜1000nmの範囲にあることが好ましい。このような色素としては、例えば、ポリメチン系色素(ポリメチン色素、シアニン色素、アズレニウム色素、ピリリウム色素、スクアリリウム色素、クロコニウム色素など)、フタロシアニン系色素(フタロシアニン系化合物)、金属キレート系色素(インドアニリンキレート色素、インドナフトールキレート色素、アゾキレート色素、ジチオール系色素など)、アミニウム色素、イモニウム系色素(インモニウム系色素、ジインモニウム系色素など)、キノン系色素(アントラキノン系化合物、ナフトキノン系化合物など)、トリフェニルメタン系色素などが例示できる。
これらの近赤外吸収色素のうち、フタロシアニン系色素、ジチオール系色素(又はジチオレン色素)、ジインモニウム系色素が好ましい。
(フタロシアニン系色素)
フタロシアニン系色素には、例えば、下記式(3)で表される化合物などが含まれる。
Figure 2007108582
(式中、複数のRpは同一又は異なっていてもよく、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数1〜20のアルコキシ基、炭素原子数6〜10のアリール基、炭素原子数6〜10のアリールオキシ基、炭素原子数7〜14のアラルキル基、アミノ基、アミド基、イミド基、及び炭素原子数6〜10のアリールチオ基からなる群から選ばれる基を表し、置換基を有していてもよく、複数のaは同一又は異なり、0又は1〜4の整数を示す。aが2以上の場合六員環上で隣接するRpは互いに結合して環を形成していてもよい。Mpは、水素原子、2〜6価の金属原子又はその酸化物であり、カウンターアニオンで原子価が補われていてもよい。)
pで表される基(例えば、アルキル基、アミノ基など)において、置換基としては、炭化水素基[例えば、アルキル基(メチル、エチル基などのC1-6アルキル基など)、シクロアルキル基(シクロへキシル基などのC5-8シクロアルキル基など)、アリール基(フェニル基などのC6-10アリール基、好ましくはC6-8アリール基など)、アラルキル基(ベンジル基などのC6-10アリール−C1-4アルキル基など)など]、アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基などのC1-4アルコキシ基など)、アシル基(アセチル基などのC1-6アシル基など)、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子など)、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基[アミノ基、置換アミノ基(ジメチルアミノ基などのモノ又はジアルキルアミノ基(C1-4アルキルアミノ基など)など)]などが挙げられる。置換基は、単独で又は2種以上組み合わせて置換していてもよい。
前記式(3)のRpにおいて、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原
子、ヨウ素原子(好ましくは、フッ素原子、塩素原子、特に、フッ素原子)などが挙げられる。アルキル基としては、メチル基、t−ブチル基、t−アミル基(1,1−ジメチルプロピル基)、トリフルオロメチル基などのC1-20アルキル基(好ましくはC3-10アルキル基)などが挙げられ、アルコキシ基としては、ブトキシ基などの前記アルキル基に対応するアルコキシ基[例えば、C1-20アルコキシ基(好ましくはC3-10アルコキシ基)]などが挙げられる。アリール基としては、フェニル基などのC6-10アリール基(好ましくはC6-8アリール基)などが挙げられ、アリールオキシ基としては、フェノキシ基などの前記アリール基に対応するアリールオキシ基[例えば、C6-10アリールオキシ基(好ましくはC6-8アリールオキシ基)]などが挙げられる。アラルキル基としては、ベンジル基などのC6-10アリール−C1-4アルキル基(好ましくはC6-8アリール−C1-2アルキル基)などが挙げられる。
アミノ基としては、アミノ基、ジメチルアミノ基などのモノ又はジC1-10アルキルアミノ基(好ましくはモノ又はジC1-4アルキルアミノ基)、アルキリデンアミノ基(例えば、オクタデカニリデンアミノ基(−NH=CH−C1735)など)などが挙げられる。アミド基には、アシルアミド基(アセトアミド基など)などが挙げられ、イミド基としては、メチルフタルイミド基などが挙げられる。アリールチオ基としては、フェニルチオ基、p−メチルフェニルチオ基などのC6-10アリールチオ基(好ましくはC6-8アリールチオ基)などが挙げられる。また、隣接するRpは、環、例えば、アレーン環(ベンゼン環など)、シクロアルカン環(シクロアルカン環など)などの炭化水素環を形成していてもよく、このような環は、前記と同様の置換基(アルキル基など)を有していてもよい。
基Rpの置換位置は特に限定されず、ベンゼン環の3〜6位のいずれであってもよい。
前記式(3)において、Mpで表される金属原子としては、例えば、アルカリ土類金属(Mgなど)、周期表第13族金属(Alなど)、周期表第14族金属(Si、Ge、Sn、Pbなど)、遷移金属(Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Pd、Rhなど)などが挙げられる。
カウンターアニオン(又は原子価を補う基)としては、例えば、ヒドロキシル基、ハロゲン化物イオン(塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオンなど)、トリアルキルシリルオキシ基(トリヘキシルシリルオキシなどのトリC1-10アルキルシリルオキシ基など)、金属酸イオン(六フッ化アンチモン酸イオン(SbF6 -)など)、無機酸イオン(過塩素酸イオンなどのハロゲン酸イオン、六フッ化リン酸イオン(PF6 -)などのリンを含むイオン、四フッ化ホウ酸イオン(BF4 -)などのホウ素を含むイオンなど)が挙げられる。
以下に、前記式(3)で表される代表的なフタロシアニン色素を、Mp、Rp、a、お
よびカウンターアニオンの組合せを用いて下記の表に示す。なお、表中、「H」は水素原子、「F」はフッ素原子、「Cl」は塩素原子を示す。
Figure 2007108582
なお、このようなフタロシアニン系色素(フタロシアニン系金属錯体)は、市販品を利用することもできる。このような市販品としては、例えば、日本触媒(株)より以下の製品;イーエクスカラー 「814K」,「810K」,「812K」,「905B」,「IR-1」,「IR-3」が販売されており、好適に利用できる。
フタロシアニン系色素は、単独で又は2種以上組みあわせてもよい。
(ジチオール系色素)
ジチオール系色素(又はジチオレン色素)には、例えば、下記式で表される化合物などが含まれる。
Figure 2007108582
(式中、XおよびYは、同一又は異なって、酸素原子、硫黄原子、NH又はNH2を示し、Rtは、同一又は異なってシアノ基又は置換基を有していてもよいフェニル基を示し、隣接する炭素原子に置換するRtは、ベンゼン環又はナフタレン環を形成していてもよい。Mtは、4配位の遷移金属原子を示し、カウンターアニオンで原子価が補われていてもい。)
上記式において、4配位の遷移金属原子Mtとしては、例えば、Ti、V、Cr、Co、Ni、Zr、Mo、Fe、Ru、Pd、Os、Ptなどが挙げられる。好ましいMtは、Niである。また、置換基としては、前記例示の置換基と同様の置換基(例えば、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ジメチルアミノ基などの置換アミノ基など)が挙げられる。
好ましいジチオール系色素としては、下記式(4)又は(5)で表される芳香族ジチオール系金属錯体などが挙げられる。
Figure 2007108582
(式中、Rt1、Rt2、Rt3およびRt4は、同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数6〜10のアリール基、炭素原子数7〜14のアラルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、炭素原子数6〜10のアリールオキシ基、又はアミノ基であり。Mt1は4配位の遷移金属原子である。)
Figure 2007108582
(式中、Rt5、Rt6、Rt7およびRt8は、同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数6〜10のアリール基、炭素原子数7〜14のアラルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、又はアミノ基であり、置換基を有していてもよい。Mt2は4配位の遷移金属原子であり、Q+は1価のカチオンである。)
上記式(4)および(5)において、Mt1およびMt2で表される4配位の遷移金属原子としては、前記と同様の金属原子が挙げられ、特に、Niが好ましい。
また、上記式(4)および(5)において、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられ、
アルキル基としては、メチル基などのC1-10アルキル基(好ましくはC1-4アルキル基)などが挙げられ、
アリール基としてはフェニル基、ジメチルアミノフェニル基、メトキシフェニル基などのC6-10アリール基(好ましくはC6-8アリール基)などが挙げられ、
アラルキル基としては、ベンジル基などのC6-10アリール−C1-4アルキル基(好ましくはC6-8アリール−C1-2アルキル基)などが挙げられ、
アルコキシ基としては、メトキシ基、ブトキシ基などの前記アルキル基に対応するアルコキシ基[例えば、C1-10アルコキシ基(好ましくはC1-4アルコキシ基)]などが挙げられ、アミノ基としては、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基などのモノ又はジC1-10アルキルアミノ基(好ましくはモノ又はジC1-4アルキルアミノ基)などが挙げられる。
また、前記式(5)において、Q+で表される一価のカチオンとしては、テトラアルキルアンモニウムイオン(テトラブチルアンモニウムイオンなどのテトラC1-10アルキルアンモニウムイオン、好ましくはテトラC1-6アルキルアンモニウムイオンなど)、リン原子を含有するカチオン[例えば、(CH3O)3+など]などが挙げられ、テトラC1-4アルキルアンモニウムイオンが好ましい。
以下に、前記式(4)で表される代表的なジチオール系色素を、Mt1、Rt1、Rt2、Rt3およびRt4の組合せを用いて、また、前記式(5)で表される代表的なジチオール系色素を、Mt2、Rt5、Rt6、Rt7、Rt8およびQ+の組合せを用いて下記の表に示す。なお、表において、「Bu4+」とは、「テトラブチルアンモニウムイオン」を示す。
Figure 2007108582
なお、前記式(4)又は(5)で表される芳香族ジチオール系金属錯体は、市販品を用いてもよく、Mt1又はMt2で示される4配位の遷移金属原子と1,2−ジフェニル−1,2−エテンジチオール類との反応を利用して合成することもできる。1,2−ジフェニル−1,2−エテンジチオール類としては、例えば、1,2−ジフェニル−1,2−エテンジチオール、1,2−ジ(アルコキシフェニル)−1,2−エテンジチオール(例えば、1,2−ジ(4−メトキシフェニル)−1,2−エテンジチオールなどの1,2−ジ(C1-4アルコキシフェニル)−1,2−エテンジチオールなど)などが挙げられる。
ジチオール系色素(前記芳香族ジチオール系金属錯体)は、単独で又は2種以上組みあわせてもよい。特に、前記式(4)又は(5)で示される芳香族ジチオール系金属錯体は、850〜900nmの吸収が強く、リモコンなどに使用される近赤外線の波長を遮断するので、前記芳香族ジチオール系金属錯体を用いた近赤外線吸収フィルターはリモコンの誤作動防止に効果的である。
(ジインモニウム系色素)
ジインモニウム色素としては、例えば、下記式(6)又は(7)で表される化合物(芳香族ジインモニウム化合物)などが含まれる。
Figure 2007108582
(式中、Ri1、Ri2、Ri3、Ri4、Ri5、Ri6、Ri7およびRi8は、同一又は異なって、炭素原子数1〜10のアルキル基であり、Rj1、Rj2、Rj3およびRj4は、同一又は異なって、水素原子又はフッ素原子であり、X2-は二価のアニオンである。)
Figure 2007108582
(中、Ri9、Ri10、Ri11、Ri12、Ri13、Ri14、Ri15およびRi16は、同一又は異なって、炭素原子数1〜10のアルキル基であり、Rj5、Rj6、Rj7およびRj8は、同一又は異なって、水素原子又はフッ素原子であり、Z-は一価のアニオンである。)
上記式(6)又は(7)において、アルキル基としては、前記例示のアルキル基、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基などのC1-10アルキル基、好ましくはC1-8アルキル基、さらに好ましくはC1-6アルキル基などが挙げられる。また、アルキル基としては、パーフルオロアルキル基でもよく、例えば、パーフルオロメチル基、パーフルオロエチル基、パーフルオロプロピル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロペンチル基、パーフルオロヘキシル基などがあげられる。
前記式(6)において、二価のアニオンX2-としては、特に限定されず、例えば、酸素イオン(O2-)、無機酸イオン[炭酸イオン(CO3 2-)、硫酸イオン(SO4 2-)など]、有機酸イオン[シュウ酸イオン(C24 2-)など]などが挙げられる。また、前記式(7)において、一価のアニオンZ-としては、前記カウンターアニオンと同様のアニオンなどが挙げられ、特に、金属酸イオン(六フッ化アンチモン酸イオン(SbF6 -)など)、無機酸イオン(過塩素酸イオンなどのハロゲン酸イオン、六フッ化リン酸イオン(PF6 -)などのリンを含むイオン、四フッ化ホウ酸イオン(BF4 -)などのホウ素を含むイオンなど)などが好ましい。
前記式(6)又は(7)において、好ましいRi1〜Ri8(又はRi9〜Ri16)と、Rj1
〜Rj4(又はRj5〜Rj8)との組合せとしては、例えば、前者/後者=ブチル基/水素原子、ペンチル基/水素原子、ブチル基/フッ素原子などが挙げられる。
以下に、前記式(7)で表される代表的なジインモニウム系色素を、Ri9〜Ri16、Rj5〜Rj8およびZ-の組合せを用いて下記の表に示す。
Figure 2007108582
本発明の赤外線吸収フィルターを構成する赤外線吸収色素は、単独で又は二種類以上組みあわせてもよい。通常、色素の赤外線吸収波長域(特に近赤外線の吸収波長域)や最大吸収波長はやや異なるため、二種類以上の色素を用いることが好ましい。特に、フタロシアニン色素、ジチオール系色素、およびジインモニウム系色素から選択された少なくとも2種の色素を用いるのが好ましく、さらに好ましい態様では、これら3種の各色素を全て組みあわせてもよい。
前記赤外線吸収色素の割合は、本発明のポリカーボネート樹脂(又は樹脂成分)100重量部に対して、0.01〜30重量部、好ましくは0.1〜15重量部、さらに好ましくは1〜10重量部程度である。通常、0.01〜10重量部程度であってもよい。特に、フタロシアニン色素、ジチオール系色素、および/またはジインモニウム系色素を使用する場合、それぞれ、本発明のポリカーボネート樹脂(又は樹脂成分)100重量部に対して、フタロシアニン系色素の割合は、0.01〜3.0重量部(好ましくは0.05〜2.0重量部、さらに好ましくは0.1〜1.5重量部)程度、ジチオール系色素の割合は0.01〜3.0重量部(好ましくは0.05〜2.5重量部、さらに好ましくは0.1〜2.0重量部)程度、ジインモニウム系色素の割合は0.1〜10重量部(好ましくは0.2〜8.0重量部、さらに好ましくは0.5〜6.0重量部)程度であってもよい。なお、本発明の近赤外線吸収フィルターを構成するバインダー樹脂としての前記ポリカーボネート樹脂は、各種色素を均一に分散させることができ、なおかつ前記バインダー樹脂に対する前記色素の濃度を濃くすることが可能である。
なお、前記赤外線吸収色素の割合は、赤外線吸収フィルターの膜厚および本発明の赤外線吸収フィルターに組み合わせて用いることが可能な他のフィルム(電磁波吸収層など)が近赤外線吸収能を有するか否かなどに応じて調節することが好ましい。例えば、近赤外線反射特性を有する電磁波吸収層(熱線反射ガラス)と組みあわせる場合は、本発明のポリカーボネート樹脂(又は樹脂成分)100重量部に対して、フタロシアニン系色素を、0.01〜2.0重量部程度、ジチオール系色素を0.5〜2.5重量部程度、ジインモニウム系色素を0.2〜6.0重量部程度用いるのが好ましい。また、近赤外線吸収フィルムの膜厚が10μm程度で電磁波吸収層に近赤外線吸収能がないタイプを用いる場合は、本発明のポリカーボネート樹脂(又は樹脂成分)100重量部に対して、フタロシアニン系色素0.1〜1.0重量部程度、ジチオール系色素0.5〜2.0重量部程度、ジインモニウム系色素1.0〜6.0重量部程度を用いるのが好ましい。前記色素の濃度が上述の濃度範囲よりも小さい場合は、可視光の透過率は高いが、赤外線(近赤外線)吸収が小さく、赤外線吸収フィルターとして機能しない場合がある。また、各色素の濃度が上述の濃度範囲よりも大きい場合は、赤外線吸収は大きいが、可視光透過率が低くなるため好ましくない。
前記赤外線吸収フィルターは、さらに、色調補正用色素を含んでいてもよい。すなわち、本発明の赤外線吸収フィルター(特に、近赤外線吸収フィルター)においては、赤外線吸収フィルターの色調を自由に補正するために、近赤外線吸収能を有する色素とあわせて色調補正用可視光吸収色素を用いてもよい。このような色調補正は、例えば、赤外線吸収フィルターをプラズマディスプレイなどのディスプレイ用赤外線吸収フィルターとして用いる場合には特に重要である。
このような色調補正用可視光吸収色素は、可視光を吸収可能な(特に、可視光吸収帯が狭く、それ以外の波長での透過率が高い)色素であればよく、例えば、慣用の着色剤(例えば、黒色顔料、赤色顔料、緑色顔料、青色顔料などの染顔料)などを使用してもよく、赤外線吸収色素が、可視光線域に吸収を有する場合には、前記赤外線吸収色素を色調補正用色素として用いることもできる。このような色調補正用色素としては、例えば、シアニン系色素、キノン系色素、アゾ系色素、インジゴ系色素、ポリエン系色素(ポリメチン系色素など)、スピロ系色素、ポルフィリン、フタロシアニン系色素などが挙げられる。色調補正用色素は、単独で又は2種以上組みあわせてもよい。
本発明の赤外線吸収フィルターでは、赤外線(特に近赤外線)を選択的に遮断するという目的から、赤外線領域(特に近赤外領域)での光線透過性が低いこと、さらには、他の領域(特に、可視光領域)での光線透過性が高いことが重要である。本発明では、特定のバインダー樹脂と近赤外線吸収能を有する色素(および必要に応じて色調補正用色素)とを組み合わせることにより、赤外線領域(特に近赤外線領域)での光線透過率が低く、かつ可視光領域での光線透過性が高い赤外線吸収フィルターを得ることができる。具体的には、450〜700nmにおける平均光線透過率が55%以上[例えば、55〜100%、好ましくは60%以上(例えば、60〜99%)、さらに好ましくは70%以上(例えば、70〜95%)程度]であってもよく、850〜1100nmにおける平均光線透過率が30%以下[例えば、0〜30%、好ましくは15%以下(例えば、0.5〜15%)、さらに好ましくは10%以下(例えば、1〜10%)程度]であってもよい。
また、本発明の赤外線吸収フィルターには、必要に応じて、酸化防止剤、熱安定剤、難燃剤等を本発明の効果を損なわない範囲で適宜添加して用いることができる。
本発明の近赤外線吸収フィルターに用いることができる酸化防止剤は、通常、知られた酸化防止剤でよく、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤等が挙げられる。これらの中でもフェノール系酸化防止剤、特にアルキル置換フェノール系酸化防止剤が好ましい。具体的には、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−tert−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ペンタエリスリトール−テトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、N,N−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナマイド)、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネートジエチルエステル、トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、3,9−ビス{1,1−ジメチル−2−[β−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]エチル}−2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5.5)ウンデカン等が挙げられる。これらの酸化防止剤は、単独で又は2種以上組みあわせてもよい。これらの酸化防止剤の好ましい添加量の範囲は、近赤外線吸収フィルターの構成成分全体に対して0.0001〜0.05重量%程度であってもよい。
本発明の近赤外線吸収フィルターに用いることができる熱安定剤は、リン系安定剤が好ましく、例えば、ホスファイト化合物、ホスフェート化合物、ホスホナイト化合物が挙げられる。ホスファイト化合物としては、例えば、トリフェニルホスファイト、トリスノニルフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、トリデシルホスファイト、トリオクチルホスファイト、トリオクタデシルホスファイト、ジデシルモノフェニルホスファイト、ジオクチルモノフェニルホスファイト、ジイソプロピルモノフェニルホスファイト、モノブチルジフェニルホスファイト、モノデシルジフェニルホスファイト、モノオクチルジフェニルホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト等が挙げられる。
ホスフェート化合物としては、例えば、トリブチルホスフェート、トリメチルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクロルフェニルホスフェート、トリエチルホスフェート、ジフェニルクレジルホスフェート、ジフェニルモノオルソキセニルホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート、ジブチルホスフェート、ジオクチルホスフェート、ジイソプロピルホスフェート等が挙げられる。
ホスホナイト化合物としては、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,3’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−3,3’−ビフェニレンジホスホナイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4−ビフェニレンジホスホナイト等が挙げられる。
これらの中でもトリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、トリフェニルホスフェート、トリメチルホスフェートが好ましい。
これらの熱安定剤は、単独で用いてもよく、二種類以上を併用してもよい。熱安定剤は、近赤外線吸収フィルターの構成成分全体に対して、0.001〜0.5重量%であることが好ましく、0.005〜0.3重量%の範囲で含むことがより好ましい。
本発明の近赤外線吸収フィルターには、さらに、難燃剤、紫外線吸収剤、離型剤、帯電防止剤、抗菌剤、滑剤、充填剤等の添加剤やもしくは他の熱可塑性樹脂(他のポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂など)を本発明の目的を損なわない範囲で少割合で添加してもよい。
本発明の赤外線吸収フィルター(近赤外線吸収フィルター)は、用途に応じて、どのような形状又は形態であってもよいが、フィルム状(又は膜状)であるのが好ましい。このようなフィルム状の赤外線吸収フィルター(赤外線吸収フィルム)は、基板などの上に成膜されたフィルム(塗膜)であってもよく、基板などを介さない単独のフィルムであってもよい。
本発明の赤外線吸収フィルター(近赤外線吸収フィルター)は、前記のように、通常、特定の繰り返し単位を有するポリカーボネート樹脂中に赤外線吸収能を有する色素を分散させたものであり、その形状又は形態などに応じて、慣用の方法、例えば、キャスト法、コーティング法、溶融押出法(押出成形法など)などを利用して製造又は製膜できる。詳細には、前記赤外線吸収フィルターは、前記ポリカーボネート樹脂の溶液に近赤外線吸収能を有する色素を均一に分散させて得られる塗工液からキャスト法によって成膜(製膜)する方法、ガラス、スチレン系樹脂、アクリル樹脂、アモルファスポリオレフィン樹脂、セルロース系樹脂、ポリエステル樹脂やポリカーボネート樹脂等の透明なシートまたはフィルム上にコーティングして製膜するコーティング法、赤外線吸収能を有する色素と前記ポリカーボネート樹脂とをブレンドし、溶融押し出し法によって成膜する方法等の方法によって得ることができる。中でも、キャスト法又はコーティング法により製膜する(フィルム状に製膜する)方法、すなわち、前記ポリカーボネート樹脂の溶液に近赤外線吸収能を有する色素を均一に分散させて得られる塗工液からキャスト法によって成膜する方法、または前記塗工液を透明なフィルム上にコーティングして得るコーティング法が好ましい。すなわち、通常の溶融押し出し法では高温(例えば、200℃以上の温度)で成膜するため色素の熱分解が発生する虞があるのに対し、キャスト法又はコーティング法では比較的低温(例えば、150℃以下)で成膜・乾燥することが可能なため、赤外線吸収能を有する色素の熱分解を抑制又は防止することができ、溶媒に可溶もしくは均一分散さえできれば耐熱性の低い色素でも使用することができるためである。
キャスト法では、ガラス板、鏡面仕上げした金属板またはポリエステルフィルム等の上に塗工液を注ぎ、一定の隙間を持った棒で塗工液を該板の表面上に延ばした後乾燥し、適当な方法でフィルムを当該表面より剥離し、フィルムを得ることができる。このようなキャスト法では、機械化したキャスト機を用いてフィルムを作成してもよい。また、コーティング法では、バーコート法、スプレーコート法、ディップコート法、フローコート法等によってフィルム又はパネルの上に塗工液を塗布し、乾燥することでフィルム層を形成することができる。なお、連続でフィルム上にコーティングする場合は、各種のロールコーターを好ましく使用することができる。このようなコーティングでは、例えば、所定の速さ(例えば、分速数メートルから数十メートル程度)で動いているフィルム上に、T型ダイから一定速度で該塗工液を押し出し、次の乾燥ゾーンで溶媒を除去し、フィルムを巻き取る一連の工程を行う機械を用いてもよい。
前記塗工液の溶媒(詳細には、本発明の近赤外線吸収フィルターをキャスト法又はコーティング法にて作成する際に用いるポリカーボネート樹脂を溶解させ、色素を分散させる溶媒)としては、樹脂と色素との実用的な溶解性だけでなく、色素に対して不活性で、沸点が実用的に好ましい溶媒を好適に選択すればよい。このような溶剤としては、例えば、ハロゲン系有機溶媒(例えば、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタンなどの脂肪族ハロゲン化合物)、非ハロゲン系有機溶剤(例えば、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、メチルエチルケトン、アセトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノンなどのケトン類、テトラヒドロフランなどのエーテル類など)が挙げられる。溶媒は、単独で又は2種以上組みあわせてもよい。
前記塗工液の濃度は、溶媒の種類、作成するフィルターの膜厚および作成方法などにより調節する必要があるため一概にはいえないが、例えば、1〜30重量%の範囲であればよく、好ましくは5〜25重量%程度であってもよい。
本発明の近赤外線吸収フィルターの膜厚は、用いる色素の種類および濃度等により適宜調節する必要があるため一概にはいえないが、1〜100μmの範囲であればよく、好ましくは1〜50μm、さらに好ましくは1〜20μm程度であってもよい。
また、本発明には、前記赤外線吸収フィルターを備えた赤外線吸収パネル(近赤外線吸収パネル)又は赤外線吸収多層フィルムも含まれる。すなわち、前記赤外線吸収フィルターは、他の近赤外線吸収能を有するフィルム又はパネル、あるいは特定の機能を付与したフィルム又はパネルと組み合わせて、赤外線吸収多層フィルム又は赤外線吸収多層パネルを形成してもよい。特定の機能としては、例えば、電磁波吸収能、反射防止能、形状保持能が挙げられる。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。なお、実施例中、「部」とは「重量部」を意味する。
バインダー樹脂(合成例で得られた樹脂、すなわち、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂)および赤外線吸収フィルターの評価は以下の方法によって行った。
(1)粘度平均分子量(M)測定:塩化メチレンにバインダー樹脂を20℃で0.7g/dlの濃度で溶解した溶液から求めた比粘度(ηsp)を次式に挿入して求めた。
ηsp/C=[η]+0.45×[η]2
[η]=1.23×10-40.83 (Cは樹脂濃度で0.7)
(2)膜厚:ガラス基板上に塗布、乾燥して得た赤外線吸収フィルター薄膜の膜厚を、薄膜測定器(マミヤ・オーピー社製 QuoreMSPA1000)を用いて測定した。
(3)色素の凝集の有無:光学顕微鏡にて倍率500倍で観察し、赤外線吸収フィルター中の色素の凝集の有無を目視で調べた。
(4)平均可視光線透過率:近赤外分光光度計(ニレコ社 model 6500)を用い、450〜700nmでの光線透過率を測定して求めた。
(5)平均赤外線透過率:近赤外分光光度計(ニレコ社 model 6500)を用い、850〜1100nmでの光線透過率を測定して求めた。
(6)耐環境試験:赤外線吸収フィルターを、温度60℃、湿度90%の恒温恒湿環境下で600時間処理した後の光線透過率(平均可視光光線透過率および平均赤外線透過率)を、処理前の光線透過率と比較した。
[合成例1]
温度計、攪拌機、および還流冷却器を備えた反応器にイオン交換水14863部、48%水酸化ナトリウム水溶液5772部を加え、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン2148部およびナトリウムハイドロサルファイト4部を溶解し、塩化メチレン8518部を加えた後、攪拌しながら23〜27℃にてホスゲン1000部を60分間かけて吹き込んだ。ホスゲン吹き込み終了後、p−tert−ブチルフェノール38部を加え、さらにトリエチルアミン2部を添加して20〜27℃で40分間攪拌して反応を終了した。生成物を含む塩化メチレン層を希塩酸、純水にて洗浄後、塩化メチレンを蒸発させポリカーボネート樹脂を得た。得られたポリカーボネート樹脂の平均分子量は21,000であった。
[合成例2]
温度計、攪拌機、および減圧装置を備えた反応器にテレフタル酸ジメチル2235部、エチレングリコール1000部、9,9-ビス[4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル
]フルオレン4037部、酢酸カルシウム0.92部を加え撹拌しながら徐々に加熱溶融させ、180〜230℃にてエステル交換反応を行いメタノールを留去した。続けてジ−n−ブチルスズオキシド3.51部を加え290℃、100Paまで徐々に昇温、減圧しながらエチレングリコールを除去することでポリエステル樹脂を得た。得られたポリエステル樹脂の粘度平均分子量は18,400であった。
(実施例1)
合成例1で得られたポリカーボネート樹脂94部、ニッケル−ビス−1,2−ジフェニル−1,2−エテンジチオラト(みどり化学社製、MIR101)1部、フタロシアニン系色素(日本触媒社製、イーエクスカラー810K)1部、およびジインモニウム系色素(日本化薬社製、IRG022)4部をシクロペンタノン341部に加え、室温で10時間攪拌して塗工液を得た。得られた塗工液中の各色素の分散状態は良好であった。この塗工液を、ガラス板状にスピンコート法にて乾燥後の塗膜の厚さが4.0μmになるよう塗布膜を形成し、オーブンを用いて80℃にて30分乾燥させて塗膜(赤外線吸収フィルター)を得た。塗膜の外観はムラ等のない良好な状態であった。また色素の凝集を観察したところ、凝集物等は全く観察されなかった。この塗膜の400nm〜1200nmにおける光線透過率を測定し、耐環境試験を行った後、再び光線透過率のスペクトル測定を行った。耐環境試験前後の光線透過率スペクトルを図1に示す。耐環境試験前後の可視光線透過率および赤外線透過率を表4に示す。
(比較例1)
合成例2で得られたポリエステル樹脂を用いて実施例1と同様にして、塗工液、塗膜を得た。得られた塗工液は各色素を良好に分散しており、塗膜の外観はムラ等のない良好な状態であった。実施例1と同様の観察、試験を行った結果を表4に示す。
(比較例2)
帝人化成株式会社製、パンライトL−1250(2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンからなるポリカーボネート)を用いて実施例1と同様にして、塗工液、塗膜を得た。得られた塗工液は各色素を良好に分散していたが、塗膜中に色素の凝集が見られ、外観は良好ではなかった。
結果を表4に示す。
Figure 2007108582
表4からも明らかなように、実施例1で得られた赤外線吸収フィルターは色素の凝集がなく、可視光透過率が高く、かつ赤外線透過率が低い良好な赤外線吸収性能を有していた。さらに図1からも明らかなように、耐環境試験による赤外線吸収性能の劣化は見られなかった。一方、比較例1で示される赤外線吸収フィルターでは実施例と同様の赤外線吸収性能を示すが、耐環境試験によって劣化が見られた。また、比較例2では色素が凝集して均一な赤外線吸収フィルターは得られなかった。
本発明の赤外線吸収フィルター(近赤外線吸収フィルター)では、本発明の特定のポリカーボネート樹脂を用いることにより、この樹脂中に赤外線吸収色素(近赤外線吸収色素)を高濃度かつ均一に分散させることができ、色素の凝集や色素間の反応がない。このため、薄膜(例えば、数10μm程度の薄膜)で赤外線(特に、近赤外線)の遮断と可視光の透過とを両立できる。また、本発明の近赤外線吸収フィルターは、本発明の特定のポリカーボネート樹脂で構成されているとともに、赤外線吸収能(近赤外線)を有する色素が前記特定のポリカーボネート樹脂中で安定化されるため、熱や光、水分などによる劣化が著しく抑制され、長期に亘って安定した性能を維持することができる。
そのため、本発明の赤外線吸収フィルター(および赤外線吸収パネル)は、高性能でかつ耐久性が要求される種々の用途、例えば、映像出力装置や照明器具などから発生する赤外線(近赤外線)を吸収し、赤外線(特に近赤外線)領域の光を通信に使用するリモコン、赤外線通信ポートの誤作動を防止し、これらの遠隔操作機器で制御する機器の誤作動を防ぐ赤外線吸収フィルター(近赤外線フィルター)などとして利用できる。また、光学機器の受光素子や撮像素子の受光感度補正や色調補正に用いる近赤外線吸収フィルターなどとしても好適に利用できる。具体的には、本発明の赤外線吸収フィルター(および赤外線吸収パネル)は、例えば、プラズマディスプレイ(又はプラズマディスプレイの前面パネル)、固体イメージセンサー(CCD)カメラ、フォトダイオードやなどの赤外線吸収フィルター(赤外線吸収パネル)として好適に用いることができ、極めて有用である。
図1は、実施例1で得られた塗膜の耐環境試験前後の光線透過率スペクトルである。

Claims (23)

  1. 下記式(1)で示される繰り返し単位を含むポリカーボネート樹脂と、赤外線吸収能を有する色素とで構成されている赤外線吸収フィルター。
    Figure 2007108582
    (式中、Zはそれが結合している炭素原子と一緒になって、原子数5〜7のシクロアルキリデン基を示す。R1aおよびR1bは同一又は異なり、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数6〜20のシクロアルキル基、炭素原子数6〜10のアリール基、炭素原子数7〜14のアラルキル基、炭素原子数2〜6のアルケニル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、炭素原子数1〜10のアシル基、炭素原子数1〜4のアルコキシカルボニル基、ハロゲン原子、ニトロ基及びシアノ基からなる群から選ばれる基を表す。m1及びm2は同一又は異なる0〜4の整数を示す。)
  2. 式(1)が下記式(2)で示される請求項1記載の赤外線吸収フィルター。
    Figure 2007108582
  3. ポリカーボネート樹脂の全繰り返し単位100モル%中、式(1)で示される繰り返し単位が50モル%以上である請求項1記載の赤外線吸収フィルター。
  4. 式(1)が下記式(2)で示される請求項3記載の赤外線吸収フィルター。
  5. 式(1)で示される繰り返し単位100モル%からなるポリカーボネート樹脂と、赤外線吸収能を有する色素とで構成されている請求項1記載の赤外線吸収フィルター。
  6. 式(1)が、式(2)で示される請求項5記載の赤外線吸収フィルター。
  7. 赤外線吸収能を有する色素が、フタロシアニン系色素、ジチオール系色素およびジインモニウム系色素からなる群より選ばれる少なくとも一種の色素である請求項1記載の赤外線吸収フィルター。
  8. 赤外線吸収能を有する色素の最大吸収波長が800〜1000nmの範囲にある請求項1記載の赤外線吸収フィルター。
  9. 赤外線吸収能を有する色素が、フタロシアニン系色素、ジチオール系色素およびジインモニウム系色素の混合物である請求項1記載の赤外線吸収フィルター。
  10. フタロシアニン系色素が、下記式(3)
    Figure 2007108582
    式(3)中、Rは、同一または異なり、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アラルキル基、アミノ基、アミド基、イミド基またはアリールチオ基であり、Rで表される基は置換基を有していてもよく、隣接するRはそれらが結合している炭素原子と一緒になって環を形成していてもよく、aは0〜4の整数であり、Mは、水素原子、2〜6価の金属原子またはその酸化物であり、カウンターアニオンで原子価が補われていてもよい。
    で表される色素である請求項7記載の赤外線吸収フィルター。
  11. 式(3)中、Rは、フッ素原子、塩素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数6〜10のアリールオキシ基、炭素数7〜14のアラルキル基、アミノ基、アミド基、イミド基またはアリールチオ基であり、Rで表される基は、置換基として、炭素数1〜10のアルキル基、アルキリデン基、アシル基を有していてもよく、aは0〜4の整数であり、Mは、水素原子、2〜6価の金属原子またはその酸化物であり、カウンターアニオンで原子価が補われていてもよい、請求項10記載の赤外線吸収フィルター。
  12. ジチオール系色素が下記式(4)
    Figure 2007108582
    式(4)中、Rt1、Rt2、Rt3およびRt4は、同一または異なり、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基またはアミノ基であり、Rt1、Rt2、Rt3およびRt4で表される基は置換基を有していてもよく、Mt1は4配位の遷移金属原子である、
    で表される色素、および
    Figure 2007108582
    式(5)中、Rt5、Rt6、Rt7およびRt8は、同一または異なり、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ基、またはアミノ基であり、Rt5、Rt6、Rt7およびRt8で表される基は置換基を有していてもよく、Mt2は4配位の遷移金属原子であり、Qは1価のカチオンである、
    で表される色素からなる群より選ばれる少なくとも一種の色素である請求項7記載の赤外線吸収フィルター。
  13. 式(4)および式(5)中、Rt1、Rt2、Rt3、Rt4t5、Rt6、Rt7およびRt8は、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数7〜14のアラルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、アミノ基、アミド基、イミド基またはアリールチオ基であり、Rt1、Rt2、Rt3、Rt4、Rt5、Rt6、Rt7およびRt8で表される基は、置換基として、炭素数1〜10のアルキル基を有していてもよく、Mt2は、4配位の遷移金属原子であり、Qは1価のカチオンである、請求項12記載の赤外線吸収フィルター。
  14. ジインモニウム系色素が、下記式(6)
    Figure 2007108582
    式(6)中、Ri1、Ri2、Ri3、Ri4、Ri5、Ri6、Ri7およびRi8は、同一または異なり、アルキル基であり、Rj1、Rj2、Rj3およびRj4は、同一または異なり、水素原子またはフッ素原子であり、X2−は二価のアニオンである、
    で表される色素、および下記式(7)
    Figure 2007108582
    式(7)中、Ri9、Ri10、Ri11、Ri12、Ri13、Ri14、Ri15およびRi16は、同一または異なり、アルキル基であり、Rj5、Rj6、Rj7およびRj8は、同一または異なり、水素原子またはフッ素原子であり、Zは一価のアニオンである、
    で表される色素からなる群より選ばれる少なくとも一種の色素である請求項7記載の赤外線吸収フィルター。
  15. 式(6)および式(7)中、Ri9、Ri10、Ri11、Ri12、Ri13、Ri14、Ri15およびRi16が炭素数1〜10のアルキル基であり、Rj1、Rj2、Rj3、Rj4、Rj5、Rj6、Rj7およびRj8は、同一または異なり、水素原子またはフッ素原子であり、X2−は二価のアニオンであり、Zは一価のアニオンである、で表される色素である請求項14記載の赤外線吸収フィルター。
  16. 色調補正用色素を含む請求項1記載の赤外線吸収フィルター。
  17. 式(1)で示される繰り返し単位を含むポリカーボネート樹脂100重量部に対して、赤外線吸収能を有する色素の割合が0.01〜30重量部である請求項1記載の赤外線吸収フィルター。
  18. 450〜700nmにおける平均光線透過率が55%以上であり、850〜1100nmにおける平均光線透過率が30%以下である請求項1記載の赤外線吸収フィルター。
  19. キャスト法又はコーティング法により製膜されている請求項1記載の赤外線吸収フィルター。
  20. フィルム形状を有する請求項1記載の赤外線吸収フィルター。
  21. 電磁波吸収層、反射防止層又は、形状保持層から選ばれる1層以上を備える赤外線吸収パネルである請求項1記載の赤外線吸収フィルター。
  22. 電磁波吸収層、反射防止層又は、形状保持層から選ばれる1層以上を備える赤外線吸収パネルを有するディスプレイであって、請求項1記載の赤外線吸収フィルター。
  23. 請求項1の赤外線吸収フィルターを備えた赤外線吸収パネルを有するカメラ。
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