JP2007107151A - シリカ被覆炭素繊維 - Google Patents

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Abstract

【課題】高い熱伝導性と電気絶縁性とを兼ね備え、マトリックス中への分散性が高く、マトリックスとの接着性が高く、かつマトリックスとの無用な反応が抑制された、高温熱処理を必要とせずに、安価に製造可能な炭素繊維を提供する。
【解決手段】水、エタノール、及びアンモニア水の混合液に平均繊維径150nmの気相法炭素繊維を分散させ懸濁液を調製し、次に該懸濁液にテトラエトキシシラン、水、及びエタノールの混合液を徐々に添加し、シリカを炭素繊維表面に堆積させ、実質的に膜厚が均一なシリカ膜を形成して、シリカ被覆炭素繊維を得る。このシリカ被覆炭素繊維を熱処理して炭化珪素被覆炭素繊維を得る。
【選択図】なし。

Description

本発明は、シリカ被覆炭素繊維、炭化珪素被覆炭素繊維、及びそれらを用いた熱伝導性と電気絶縁性に優れた複合材料に関し、詳細には、合成樹脂、合成ゴム、金属、セラミックス等に添加して熱伝導性及び/又は電気絶縁性複合材料を得るのに好適な、高い熱伝導性を有し且つ電気絶縁性を有するシリカ被覆炭素繊維及び炭化珪素被覆炭素繊維、それらを用いた熱伝導性と電気絶縁性に優れた複合材料に関する。
電子機器の高性能化、小型化及び軽量化に伴い、様々な部品の集積度が高まっている。電気電子機器及び部品は、一般的に、廃熱を散逸させるために放熱体が設けられている。同様に個々の集積回路にも、熱を拡散若しくは放散して、ホットスポットの形成を防ぐための放熱体が設けられている。電子機器の集積度が高くなるに従って、より小さい区域により多くの部品や集積回路が組み込まれるので、廃熱の管理が不十分になると、電子機器の故障や誤動作を生じることとなる。従って、これらの電子機器や電子部品から発生する熱を効果的に拡散させ、外部へ放散させる熱対策が非常に重要な課題になっている。
電子機器の熱対策のために、高い熱伝導性を有するフィラーを配合した複合材が用いられている。熱伝導性フィラーとしては、例えば、アルミナ、窒化アルミナなどの無機系微粒子が用いられている。
ところが、アルミナや窒化アルミナなどの無機フィラーは、電気絶縁性を必要とする場合には熱伝導性に若干不満がある。フィラーによる熱伝導はフィラー微粒子同士の接触点において主に行われる。この接触点が熱伝導を律速している。アルミナや窒化アルミナなどの無機フィラーを用いた複合材では、無機フィラーが微粒子であるために、接触点における伝熱面積が小さく、且つ経由すべき接触点が多いので、無機フィラー自身が持っている高熱伝導性を大きく減殺して、複合材としては放熱性が不十分となってしまうのである。従って、放熱性の改良には、この接触点数を減らすために、例えば細い繊維状の放熱フィラーを用いることが望ましいことになる。
このような繊維状のフィラーとして炭素繊維が挙げられる。
炭素繊維は、その高強度、高弾性率、高導電性、高熱伝導性等の優れた特性から各種の複合材料に使用されている。従来から応用されてきた優れた機械的特性ばかりでなく、炭素繊維あるいは炭素材料に備わった熱伝導性を生かし、近年のエレクトロニクス技術の発展やパソコン、携帯電話、携帯端末の小型化等により、電子デバイスや部品等からの放熱用のフィラー、電磁波シールド材、静電防止材用の導電性フィラーとして、あるいは自動車の軽量化に伴い樹脂への静電塗装のためのフィラーとしての用途が期待されてきている。また、炭素材料としての化学的安定性、熱的安定性と微細構造との特徴を生かし、フラットディスプレー等の電界電子放出素材としての用途が期待されている。
炭素繊維には、大別して、有機系カーボンファイバーと、1980年代後半に開発された気相法炭素繊維(Vapor Grown Carbon Fiber;以下、「VGCF」ということがある。)とがある。
有機系カーボンファイバーは、PAN、ピッチ、レーヨン、セルロース等の繊維を熱処理し炭化することによって得られる。有機系カーボンファイバーは、その原料となる有機繊維の糸径が5〜10μm程度であるので、比較的太くてアスペクト比が小さい。
一方、気相法炭素繊維は、炭化水素等のガスを金属触媒の存在下で気相熱分解することによって得られる。この気相法によれば、直径1μm以下、数10nmまでの炭素繊維が得られることが知られている。気相法としては、例えば、ベンゼン等の有機化合物を原料とし、触媒としてのフェロセン等の有機遷移金属化合物をキャリアーガスとともに高温の反応炉に導入し、基盤上に生成させる方法(特許文献5)、浮遊状態で気相法炭素繊維を生成させる方法(特許文献6)、あるいは反応炉壁に成長させる方法(特許文献7)等が知られている。
気相法炭素繊維は、導電性や熱伝導性に優れ、比較的細くてアスペクト比が大きい。具体的には10〜200nm程度の径で、アスペクト比10〜500程度のものが量産化されている。そのために、気相法炭素繊維は、樹脂補強用フィラー、導電性あるいは熱伝導性フィラー、鉛蓄電池の添加材として利用されている。さらにVGCFは、形状や結晶構造に特徴があり、炭素六角網面の結晶が年輪状に円筒形に巻かれ積層した構造を示し、その中心部には極めて細い中空部を有する繊維である。
さらに耐酸化性や、母材との密着性等が改良された炭素繊維が提案されている。例えば、特許文献1には、カーボンブラック、黒鉛粉末、黒鉛繊維、炭素繊維などの炭素生成物を珪酸ナトリウムや珪酸カリウムのような珪酸塩を含む溶液と接触させて得られる、シリカ被覆炭素生成物が提案されている。このシリカ被覆炭素生成物をエラストマー等に充填した材料を用いることによって耐磨耗性に優れ、低い転動抵抗を持つタイヤが得られると開示している。しかし、特許文献1で得られるシリカ被覆炭素生成物は熱伝導性が十分でない。
特許文献2には、ピッチ繊維表面に低温プラズマ気相析出法で非晶質シリカを析出させ、不融化し、1000〜1500℃で炭素化して得られる酸化珪素被覆炭素繊維、また特許文献3には、ピッチ繊維表面に低温プラズマ気相析出法で非晶質シリカを析出させ、不融化し、1500〜2000℃で炭素化して得られる炭化珪素被覆炭素繊維が開示されている。しかし、特許文献2及び特許文献3で得られる炭素繊維は熱伝導性が十分でない。
ところで、炭素繊維は、一般に電気導電性であるので、絶縁性が必要な用途、例えば電子機器等には、使用することができない。
そこで、本出願人は、特許文献4において、炭素繊維を電気絶縁体で被覆することにより、熱伝導性に優れ且つ電気絶縁性を持つフィラーを提案し、具体例として、気相法炭素繊維を窒化ホウ素で被覆し、電気絶縁性と熱伝導性とを合わせ持つ炭素繊維を開示した。しかし、窒化ホウ素膜を作製するには、2000〜3000℃という高温での熱処理が必要である。
特表2002−532572号公報 特開平6−173118号公報 特開平6−173117号公報 特開2002−235279号公報 特開昭60−27700号公報 特開昭60−54998号公報 特許2778434号公報
本発明の目的は、高い熱伝導性と電気絶縁性とを兼ね備え、高温熱処理を必要とせずに、安価に製造可能な炭素繊維を提供することにある。
さらに、本発明の目的は、マトリックス中への分散性が高く、マトリックスとの接着性が高く、かつマトリックスとの無用な反応が抑制された、炭素繊維を提供することにある。
本発明者らは、特許文献2のプラズマを用いた気相析出法によって得られるシリカ被覆炭素繊維を検討したところ、シリカ膜の厚みが不均一で、ムラになっていることに気づいた。そして、この膜厚ムラによって、炭素繊維の熱伝導性が損なわれていることに気づいた。
そして、本発明者ら、さらに鋭意検討した結果、実質的に均一な厚みのシリカ膜で炭素繊維を被覆することによって、高温熱処理を必要としない安価な製造工程によって、高い熱伝導性と電気絶縁性とを兼ね備え、マトリックス中への分散性が高く、マトリックスとの接着性が高く、かつマトリックスとの無用な反応が抑制された、炭素繊維が得られることを見出し、その知見に基づいて本発明を完成するに至った。
かくして、本発明によれば、
(1)炭素繊維、及びその炭素繊維を被覆する実質的に均一な膜厚を持つシリカ膜、を含んでなるシリカ被覆炭素繊維、
(2)高熱伝導性である前記シリカ被覆炭素繊維。
(3)シリカ膜の平均厚が1000nm以下であることを特徴とする前記シリカ被覆炭素繊維、
(4)炭素繊維が気相法炭素繊維であることを特徴とする前記シリカ被覆炭素繊維、
(5)炭素繊維の格子定数C0値が、0.68nm以上であることを特徴とする前記シリカ被覆炭素繊維、
(6)炭素繊維が酸化処理をしたものであることを特徴とする前記シリカ被覆炭素繊維、
(7)炭素繊維が、質量減少率1〜10質量%になるまで空気中で加熱処理をしたものであることを特徴とする前記シリカ被覆炭素繊維、
(8)シラン系カップリング剤で処理したことを特徴とする前記シリカ被覆炭素繊維、
(9)水との接触角が3度以下であることを特徴とする前記シリカ被覆炭素繊維、及び/又は
(10)1150〜1250cm−1の赤外吸収スペクトルの吸収ピーク強度Iと1000〜1100cm−1の赤外吸収スペクトルの吸収ピーク強度Iとの比I(=I/I)が0.2以上であり、かつ屈折率が1.435以上であるシリカ膜に被覆されたことを特徴とするシリカ被覆炭素繊維、が提供される。
本発明によれば、
(11)前記シリカ被覆炭素繊維を熱処理して得られることを特徴とする炭化珪素被覆炭素繊維が提供される。
本発明によれば、
(12)イ)珪酸、ロ)水、ハ)アルカリ、及びニ)有機溶媒を必須成分とするシリカ膜形成用組成物に炭素繊維を接触させることを特徴とするシリカ被覆炭素繊維の製造方法、
(13)炭素繊維と有機溶媒と水とアルカリとからなる懸濁液を調製し、この懸濁液に、溶媒で希釈したテトラアルコキシシランを添加することを特徴とするシリカ被覆炭素繊維の製造方法、及び/又は
(14)オルガノシロキサン類及びシリコーン樹脂から選ばれる1種以上の化合物を非気相状態で炭素繊維に被覆した後、酸素含有雰囲気中で600〜1000℃の温度にて加熱することを特徴とするシリカ被覆炭素繊維の製造方法、が提供される。
さらに、本発明によれば、
(15)前記炭素繊維と、マトリックスとからなる複合材料、
(16)マトリックスが樹脂であることを特徴とする前記複合材料、
(17)マトリックスが金属であることを特徴とする前記複合材料、及び/又は
(18)マトリックスがセラミックスであることを特徴とする前記複合材料が提供され、
(19)前記炭素繊維を含有することを特徴とする放熱材料、及び/又は
(20)熱伝導度が2W/(m・K)以上で、且つ体積固有抵抗が1010Ωcm以上であることを特徴とする放熱材料、が提供され、
(21)前記放熱材料を備えた電子機器が提供される。
本発明のシリカ被覆炭素繊維は、高温熱処理工程を経ずに容易に得ることができ、高い熱伝導性と電気絶縁性とを兼ね備えている。さらに、本発明のシリカ被覆炭素繊維は、マトリックス中への分散性が高く、マトリックスとの接着性が高く、かつマトリックスとの無用な反応が抑制される。
そのため、本発明のシリカ被覆炭素繊維を含有する材料は、サーマルインターフェースマテリアルなどとして、電子機器、電子部品の廃熱管理のために好適に用いることができる。
本発明のシリカ被覆炭素繊維は、炭素繊維、及びその炭素繊維を被覆する実質的に均一な膜厚を持つシリカ膜を含んでなるものである。
(炭素繊維)
本発明のシリカ被覆炭素繊維を構成する炭素繊維としては、例えば、PAN系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維、レーヨン系炭素繊維などの有機系カーボンファイバー;気相法炭素繊維などが挙げられる。これらのうち、特に、結晶性が高く、熱伝導性の高い、気相法炭素繊維が好ましい。気相法炭素繊維は、例えば、ベンゼン等の有機化合物を原料とし、触媒としてのフェロセン等の有機遷移金属化合物をキャリアーガスとともに高温の反応炉に導入し生成し、続いて熱処理して製造される(特開昭60−54998号公報、特許2778434号公報等参照)。その繊維径は、0.01〜0.5μmで、アスペクト比10〜500程度のものである。
本発明を構成する炭素繊維は、その表面に有機化合物等に由来する熱分解物が付着していないもの、又は炭素構造の結晶性が高いものが好ましい。
熱分解物が付着していない炭素繊維又は炭素構造の結晶性が高い炭素繊維は、例えば、不活性ガス雰囲気下で、炭素繊維、好ましくは気相法炭素繊維を焼成(熱処理)することによって得られる。具体的には、熱分解物が付着していない炭素繊維は、約800〜1500℃でアルゴン等の不活性ガス中で熱処理することによって得られる。また、炭素構造の結晶性が高い炭素繊維は、約2000〜3000℃でアルゴン等の不活性ガス中で熱処理することによって得られる。なお、本発明ではシリカを被覆する工程で熱処理を行うので、原材料として用いる炭素繊維は、上記のような焼成(熱処理)を予め行った炭素繊維でなくてもよい。
本発明を構成する炭素繊維は、シリカ膜との密着性を高めるために、炭素繊維表面に官能基が存在していることが好ましい。表面に官能基が多く存在する炭素繊維として、前述の800〜1500℃で熱処理した炭素繊維、及び酸化処理した炭素繊維が挙げられる。
炭素繊維を酸化処理する方法としては、乾式法と湿式法とがある。乾式法の一例としては、空気中で400〜800℃で熱処理する方法が挙げられる。湿式法の一例としては、発煙硫酸中に浸漬する方法が挙げられる。乾式法による酸化処理では、原料炭素繊維を質量減少率1〜10質量%になるまで空気中で加熱処理することが好ましい。
本発明を構成する炭素繊維は、格子定数C0が好ましくは0.68nm以上のものである。格子定数がこの値以上のものは表面官能基の存在数が多くなり、シリカ膜との接着力が強くなる。
本発明を構成する炭素繊維は、気相法等で得られた長繊維を粉砕又は解砕したものであってもよい。また、炭素繊維はフロック上に凝集したものであってもよい。
(シリカ膜)
本発明のシリカ被覆炭素繊維を構成するシリカ膜は、前記炭素繊維を被覆しており、実質的に均一な膜厚を持つものである。膜厚が実質的に均一であれば、膜厚を薄くしても繊維全体が被覆されており、絶縁性が保たれる。具体的には、膜厚分布が平均膜厚の±30%以内であることが好ましく、±10%以内であることがより好ましい。
シリカ膜の平均厚は、好ましくは1000nm以下、より好ましくは1〜100nm、特に好ましくは5〜20nmである。1000nmを超えると、熱伝導性が十分でなくなる。この範囲内の平均厚を持つことによって、高い熱伝導性と電気絶縁性とを兼ね備えることができる。なお、あまりに平均厚が小さくなると、電気絶縁性が得られない傾向にある。
本発明を構成するシリカ膜は、1150〜1250cm−1の赤外吸収スペクトルの吸収ピーク強度Iと1000〜1100cm−1の赤外吸収スペクトルの吸収ピーク強度Iとの比I(=I/I)が0.2以上であり、かつ屈折率が1.435以上である。
なお、シリカ膜の膜厚及び屈折率は、シリカ被覆炭素繊維を合成する際に系内に共存させておいた、シリコンウエハー上に形成されるシリカ膜を用いて測定することができる。このシリコンウエハーには、炭素繊維上に形成されるシリカ膜と同じシリカ膜が形成されている。そして、膜厚及び分布の測定は、透過型電子顕微鏡で撮影した写真から無作為に選択した5箇所について膜厚を計測することにより行った。膜厚測定に関しては、段差計を用いることもできる。屈折率はエリプソメーターにより行った。また、シリカ膜の赤外吸収スペクトルは、シリカ被覆炭素繊維をKBr法により測定した。
本発明のシリカ被覆炭素繊維を構成するシリカ膜の被覆方法として、例えば、液相堆積法と、ポリシロキサン法の二つの方法が挙げられる。
(液相堆積法)
液相堆積法は、イ)珪酸、ロ)水、ハ)アルカリ、及びニ)有機溶媒を必須成分とするシリカ膜形成用組成物を用いて炭素繊維上にシリカを析出させる方法である。
シリカ膜形成用組成物の一成分である珪酸は、例えば化学大辞典(共立出版(株) 昭和44年3月15日発行 第七刷)の『珪酸』の項に示される、オルト珪酸、及びその重合体である、メタ珪酸、メソ珪酸、メソ三珪酸、メソ四珪酸等である。
珪酸は、例えば、テトラアルコキシシラン(Si(OR)、Rは炭化水素基)具体的にはテトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラノーマルプロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラノーマルブトキシシラン、等)に、水、アルカリ、有機溶媒を添加し、撹拌し、加水分解反応を進めることによりシリカ膜形成用組成物中で生成させてもよい。この方法は取扱いあるいは操作が容易で実用的であり好ましい。中でもテトラエトキシシランは好ましい材料である。また、テトラハロゲン化シランに水、アルカリ、有機溶媒を添加し、加水分解する方法や、水ガラスにアルカリ、有機溶媒を添加する方法や、水ガラスを陽イオン交換樹脂にて処理し、アルカリ、有機溶媒を添加する方法を用いても得ることができる。珪酸の原料として用いる、テトラアルコキシシラン、テトラハロゲン化シラン、水ガラスは特に制限はなく、工業用、あるいは試薬として広く一般に用いられているものでよいが、好ましくはより高純度のものが適している。また、本発明で用いるシリカ膜形成用組成物には、上記の珪酸原料の未反応物を含んでいても構わない。
珪酸の量に特に制限はないが、好ましくは珪素の濃度として0.0001〜5モル/リットルの範囲である。珪素濃度が0.0001モル/リットル未満ではシリカ膜の堆積速度が極めて遅く実用的ではない。また、5モル/リットルを越えると、被膜を形成せずに、シリカ粒子が組成物中に生成する場合がある。
珪素濃度は、珪酸の原料、例えばテトラエトキシシランの添加量より算出できるが、組成物を原子吸光分析により測定することもできる。測定は、珪素の波長251.6nmのスペクトルを分析線とし、フレームは、アセチレン/亜酸化窒素によるものを用いるとよい。
シリカ膜形成用組成物の一成分である水は、特に限定しないが、濾過等により粒子を除去した水が好ましい。水中に粒子が含まれると、製品中に不純物として混入するので好ましくない場合がある。水は、有機溶媒/水比が容量比で0〜5の範囲の量で使用できる。この範囲を外れると、成膜できなかったり、成膜速度が極端に落ちる場合がある。更に、好ましくは、有機溶媒/水比が2〜5の範囲である。有機溶媒/水比が2〜5の範囲では、用いるアルカリの種類が限定されない。これを外れる範囲すなわち、有機溶媒/水比が0〜2では、アルカリ金属を含まないアルカリ、例えば、アンモニア、炭酸水素アンモニウム、炭酸アンモニウム等を用いれば成膜ができる。
シリカ膜形成用組成物の一成分であるアルカリは、特に限定しないが、例えば、アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機アルカリ類、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等の無機アルカリ塩類、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、アニリン、コリン、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、グアニジン等の有機アルカリ類、蟻酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、蟻酸モノメチルアミン、酢酸ジメチルアミン、乳酸ピリジン、グアニジノ酢酸、酢酸アニリン等の有機酸アルカリ塩を用いることができる。中でも、アンモニア、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、蟻酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムが特に好ましい。またアルカリは、工業用、あるいは試薬として広く一般に用いられているものでもよいが、好ましくはより高純度のものが適している。アルカリは、これらの内1種を単独でも、また2種類以上組み合わせて用いてもよい。
成膜速度を上げるには、成膜温度を上げることが有効である。この場合には、成膜温度で揮発、分解しにくいアルカリ、および有機溶媒を用いることが好ましい。
アルカリの添加量は、例えば、炭酸ナトリウムの場合0.002モル/リットル程度の微量添加で成膜可能であるが、1モル/リットル程度の大量の添加を行ってもかまわない。しかし、固形アルカリを溶解しない量添加すると、炭素繊維中に不純物として混入するので好ましくない。
アルカリ金属を主成分として含まないアルカリを用いることにより、アルカリ金属含有量の少ないシリカ被覆炭素繊維を作成できる。中でも、成膜速度、残留物除去のしやすさから、アンモニア、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウムが特に好ましい。
シリカ膜形成用組成物に用いる有機溶媒は均一溶液を形成し得る有機溶媒が好ましい。例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ペンタノール等のアルコール類、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル・アセタール類、アセトアルデヒド、アセトン、ジアセトンアルコール、メチルエチルケトン等のケトン類、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール等の多価アルコール誘導体等を用いることができる。これらの中では、アルコール類が好ましく、特にエタノールが好ましい。有機溶媒は、これらの内1種を単独でも、また2種類以上組み合わせて用いてもよい。
本発明で用いられる有機溶媒には、特に制限はなく、工業用、あるいは試薬として広く一般に用いられているものでよいが、好ましくはより高純度のものが適している。
本発明のシリカ膜形成用組成物の調製は、一般的な溶液調製法で出来る。例えば、所定の量のアルカリと水を有機溶媒に添加、撹拌した後、テトラエトキシシランを添加、撹拌する等が挙げられるが、これらの混合の順番は何れが先でも、被膜形成が可能である。水とテトラエトキシシランを混合する際、双方とも有機溶媒で希釈することが、反応の制御性の点で好ましい。
次いで、炭素繊維をシリカ膜形成用組成物に浸漬し、所定温度に保持する。これによりシリカ膜を形成できる。シリカ膜形成用組成物を予め調製しておき、その中に炭素繊維を投入し、シリカ膜を堆積させる方法;炭素繊維を容器に入れておき、シリカ膜形成用組成物を炭素繊維の存在下で調製する方法等の一般的な手法を用いることができる。シリカ膜形成用組成物、炭素繊維を投入する順番は、何れが先でも被膜形成が可能である。
ここで、本発明者らは、炭素繊維と有機溶媒と水とアルカリにより懸濁液を作成した後、溶媒で希釈したテトラアルコキシシランを経時的に投入すると、緻密性の良好なシリカ膜を形成でき、これにより、工業的に有用な連続プロセスを構成できることも見いだした。
シリカ膜は堆積により成長するので、成膜時間を長くすれば膜厚を厚くできる。勿論、シリカ膜形成用組成物中の珪酸が、被膜の形成により大部分消費された場合には、成膜速度は著しく低下するが、消費された珪酸相当分を順次添加することにより、連続して実用的な成膜速度で被膜の堆積を行うことができる。また、珪酸成分をシリカ膜の量見合いにすれば、シリカ膜形成用組成物中に炭素繊維を所定時間保持し、珪酸成分を消費せしめ、シリカ膜を堆積させ、シリカ被覆炭素繊維として系外に取り出し、引き続いて珪酸成分を添加することにより、該組成物を、次の炭素繊維への被膜堆積に用いることができ、生産性の高い連続プロセスを構築できることも見いだした。
シリカ膜形成中のシリカ膜形成用組成物の温度は、特に限定しないが、好ましくは10℃〜100℃の範囲、より好ましくは20℃〜50℃である。温度が高い程、成膜速度が増加するが、温度が高すぎると組成物中の成分が揮発して溶液組成を一定に保つことが困難になる場合がある。
シリカ膜形成後、固・液の分離を行う。方法は濾過、遠心沈降、遠心分離等の一般的な分離法を用いることができる。
分離後、固形分を乾燥する。方法は自然乾燥、温風乾燥、真空乾燥、スプレードライ等の一般的な乾燥法を用いることができる。
(ポリシロキサン法)
ポリシロキサン法は、オルガノシロキサン類及びシリコーン樹脂から選ばれる1種以上の化合物を非気相状態で炭素繊維と接触させ、次いで酸素含有雰囲気中で600〜1000℃の温度で加熱して、炭素繊維表面にシリカ膜を形成する方法である。
オルガノシロキサン類又はシリコーン樹脂の例としては、メチルハイドロジェンポリシロキサン、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ビフェニルポリシロキサン、アルキル変性シリコーン、アルコキシ変性シリコーン、トリメチルシロキシケイ酸、アクリルシリコーン、シリコーンレジンなどが挙げられる。上記のオルガノシロキサン類又はシリコーン樹脂は、常温で液状及び/又は固体状態を示すものが用いられる。固体状態のもの、具体的には固体状のシリコーン樹脂は、溶剤に溶解して使用することができる。
好ましいオルガノシロキサン類又はシリコーン樹脂は、メチルハイドロジェンポリシロキサンやジメチルポリシロキサンであり、より好ましくはメチルハイドロジェンポリシロキサンである。さらに、これらの化合物の中でも、珪素原子数が8〜100の範囲にあるものが、均一処理に優れるために特に好ましい。
ポリシロキサン法では、充分な電気絶縁性を得るために、非気相状態で炭素繊維と、オルガノシロキサン類及びシリコーン樹脂から選ばれる1種以上の化合物を接触させる。非気相状態とは、固体/液体、固体/固体の状態で、炭素繊維と、オルガノシロキサン類及びシリコーン樹脂から選ばれる1種以上の化合物を接触させることを言う。
接触方法として、例えば、アルコール、塩化メチレン、トルエン、水、揮発性シリコーン等の溶媒中で、炭素繊維と、オルガノシロキサン類及びシリコーン樹脂から選ばれる1種以上の化合物を混合し、よく撹拌・分散し、次いで溶媒を除去する方法(湿式法);炭素繊維と、オルガノシロキサン類及びシリコーン樹脂から選ばれる1種以上の化合物をミキサーなどの混合装置を用いて混合する方法(乾式法)とがある。
接触させる際に、ビーズミル、ボールミル、自由粉砕機、ジェットミル等を使用して微粉砕を行ったり、接触処理中または後に200℃位までの予備加熱処理を行うことも可能である。予備加熱処理を行った場合、その後の加熱処理工程で低沸点成分の蒸発による引火の問題が避けられるため好ましい。さらに、オルガノシロキサン類とシリコーン樹脂は2種以上を併用することも可能である。
ポリシロキサン法では、酸素含有雰囲気下で加熱処理を行う。具体的には、空気中、酸素中、または酸素と他の気体の混合系の中で、600〜1000℃の温度範囲、好ましくは600〜800℃の温度範囲にて加熱処理を行う。600℃未満では、酸化珪素の皮膜が得られにくいため電気絶縁性が充分でなく、また1000℃を超えると、炭素繊維どうしの融着が生じ、熱伝導性の低下を招くことがある。また、この加熱処理の時間は、加熱温度、使用した化合物によって異なり、例えば、1分間〜2日間が挙げられるがこれに限定されるものではない。一般的には、工業的に有利な0.5〜12時間の範囲が好ましく、特に上記設定温度での加熱時間(昇温、下温時間を含めない)としては2〜6時間が好ましい。また、昇温のスピードとしては早い方が安定した品質のシリカ被覆炭素繊維が得られることから好ましい。ポリシロキサン法で得られたシリカ被覆炭素繊維は、前記加熱処理の後、焼成してもよいし、焼成しなくてもよい。
本発明のシリカ被覆炭素繊維は、その水との接触角が3度以下であるものが好ましい。
また、本発明のシリカ被覆炭素繊維は、シラン系カップリング剤で処理したものであることが好ましい。
接触角が小さいこと、あるいはシラン系カップリング剤で処理したことによって、後述するマトリックスとの密着性が良くなり、良好な複合材料を得やすくなる。
(炭化珪素被覆炭素繊維)
本発明のシリカ被覆炭素繊維を熱処理することにより、炭素とシリカが反応して、炭化珪素被覆炭素繊維を得ることができる。炭化珪素(熱伝導率100Wm−1−1)はシリカ(熱伝導率15Wm−1−1)に比べて熱伝導率が高いので、より高い熱伝導性を持ったフィラーが得られる。また、シリカ膜と炭素繊維が反応するので原子の相互拡散が起こり膜が剥離しにくくなる。
本発明のシリカ被覆炭素繊維、又は炭化珪素被覆炭素繊維は、電気絶縁性に優れ、具体的には、嵩密度0.8g/cmに圧密したときの比抵抗が好ましくは10Ωcm以上、好ましくは10Ωcm以上、より好ましくは10Ωcm以上である。
(複合材料)
本発明の複合材料は、前記本発明のシリカ被覆炭素繊維、又は炭化珪素被覆炭素繊維(以下、これらを併せて「シリカ被覆炭素繊維等」という。)と、マトリックスとからなるものである。
複合材料に用いるマトリックスには、樹脂、ゴム、セラミックス、金属を用いることができる。
樹脂としては、熱硬化性樹脂および熱可塑性樹脂のどちらも使用することができ、特に制限はない。
熱可塑性樹脂としては、成形分野で使用される樹脂であれば特に制限はなく、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、液晶ポリエステル(LCP)等のポリエステルや、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリブテンー1(PB−1)、ポリブチレン等のポリオレフィンや、スチレン系樹脂の他、ポリオキシメチレン(POM)、ポリアミド(PA)、ポリカーボネート(PC),ポリメチレメタクリレート(PMMA)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリフェニレンエーテル(PPE)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリスルフォン(PSU)、ポリエーテルスルフォン、ポリケトン(PK)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、ポリアリレート(PAR)、ポリエーテルニトリル(PEN)、フェノール(ノボラック型など)フェノキシ樹脂、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などのフッ素系樹脂、更にポリスチレン系、ポリオレフィン系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリブタジエン系、ポリイソプレン系、フッ素系等の熱可塑性エラストマー等やこれらの共重合体、変性体、および2種類以上ブレンドした樹脂でもよい。
また、耐衝撃性を更に向上させるために、上記熱可塑性樹脂にその他のエラストマーもしくはゴム成分を添加してもよい。エラストマーとしては、EPRやEPDMのようなオレフィン系エラストマー、スチレンとブタジエンの共重合体から成るSBR等のスチレン系エラストマー、シリコーン系エラストマー、ニトリル系エラストマー、ブタジエン系エラストマー、ウレタン系エラストマー、ナイロン系エラストマー、エステル系エラストマー、フッ素系エラストマー、天然ゴムおよびそれらのエラストマーに反応部位(二重結合、無水カルボキシル基等)を導入した変性物のようなものが挙げられる。
熱硬化性樹脂としては、成形分野で使用される樹脂であれば特に制限はなく、例えば、不飽和ポリエステル、ビニルエステル、エポキシ、フェノール(レゾール型)、ユリア・メラミン、ポリイミド等や、これらの共重合体、変性体、及び2種類以上ブレンドした樹脂などを使用することができる。また、耐衝撃性を更に向上させるために、上記熱硬化性樹脂にエラストマーもしくはゴム成分を添加してもよい。
複合材料中のシリカ被覆炭素繊維等の含有量は、樹脂100質量部に対して、好ましくは1〜40質量部、より好ましくは3〜15質量部、特に好ましくは5〜10質量部である。シリカ被覆炭素繊維等の含有量により複合材料の熱伝導率を制御することができる。
なお、本発明の複合材料には、本発明の効果を妨げない範囲で、必要に応じて、硬度、強度、導電性、成形性、耐久性、耐候性、耐水性等を改良する目的で、更にガラスファイバー、ウィスカー、金属酸化物、有機繊維、紫外線安定剤、酸化防止剤、離型剤、滑剤、撥水剤、増粘剤、低収縮剤、親水性付与剤等の添加剤を添加することができる。
本発明の複合材料は、樹脂が熱可塑性樹脂である場合は、熱可塑性樹脂とシリカ被覆炭素繊維等とを2軸押出し機やラボプラストミルなどの混錬機で混錬させて樹脂中にシリカ被覆炭素繊維等を分散させる。次いで、種々の成形機を用いて所望の形に成形する。例えば、押出し成形機でフィルム成形ダイスを使用してフィルムを作成したり、射出成形機により、複雑な形状の成形体を得ることができる。
樹脂が熱硬化性樹脂である場合は、熱硬化性樹脂の原料液とシリカ被覆炭素繊維等とを混合分散させ、成形し、そして加熱によって硬化させる。成形法としては、キャスト成形、押出成形、遠心注入法などを用いることができる。
また、前述のエラストマーもしくはゴムをマトリックスとして使用することができる。
また、マトリックスには、あらゆる金属が使用できる。例えば、アルミ、チタン、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、モリブデン、ニオブ、タンタル、タングステン、白金、金、銀など、およびこれらの合金を使用できる。特に複合化の際に炭素と化合物を形成するような金属、例えばアルミは、炭素繊維の強度を維持する上で有効である。
また、マトリックスには、あらゆるセラミックスが使用できる。例えば、酸化珪素、窒化珪素、炭化珪素、酸化アルミ、窒化アルミ、酸化チタン、窒化チタン、炭化チタンなどを用いることができる。
本発明の放熱材料は、前記本発明のシリカ被覆炭素繊維、又は炭化珪素被覆炭素繊維を含有するものである。
また、本発明の複合材料又は放熱材料は、その熱伝導率が、好ましくは2W/(m・K)以上、より好ましくは5W/(m・K)以上である。熱伝導率の測定は、JIS A−1412の平板比較法、円筒法、平板直接法やレーザーフラッシュ法などの非定常法で行うことができる。
さらに、本発明の複合材料又は放熱材料は、絶縁性が要求される用途では、その体積固有抵抗が、1010Ωcm以上であることが好ましく、1014Ωcm以上であることがより好ましい。体積固有抵抗の測定は、4探針法で測定することができる。
本発明の複合材料又は放熱材料は、高い熱伝導性を有するので、高い放熱性を要求される分野において有用である。例えば、発熱性の高い半導体素子、抵抗などの封止用樹脂、あるいは軸受けなどの高い摩擦熱が発生する部品;発電機、電動機、変圧器、変流器、電圧調整器、整流器、インバーター、継電器、電力用接点、開閉器、遮断機、ナイフスイッチ、他極ロッド、電気部品キャビネット、ソケット、リレーケースなどの電気機器部品用途;センサー、LEDランプ、コネクター、小型スイッチ、コイルボビン、コンデンサー、バリコンケース、光ピックアップ、発振子、各種端子板、変成器、プラグ、プリント基板、チューナー、スピーカー、マイクロフォン、ヘッドフォン、小型モーター、磁気ヘッドベース、パワーモジュール、液晶、FDDキャリッジ、FDDシャーシ、ハードディスクドライブ部品(ハードディスクドライブハブ、アクチュエーター、ハードディスク基板など)、DVD部品(光ピックアップなど)、モーターブラッシュホルダー、パラボラアンテナ、コンピューター関連部品などの電子部品;VTR部品、テレビ部品、アイロン、ヘアードライヤー、炊飯器部品、電子レンジ部品、音響部品、照明部品、冷蔵庫部品、エアコン部品、タイプライター部品、ワードプロセッサー部品などの家庭用若しくは事務用電気製品部品;
オフィスコンピューター関連部品、電話器関連部品、ファクシミリ関連部品、複写機関連部品、洗浄用治具、モーター部品、ライター、タイプライターなどの機械関連部品;顕微鏡、双眼鏡、カメラ、時計などの光学機器若しくは精密機械関連部品;オルタネーターターミナル、オルタネーターコネクター,ICレギュレーター、ライトディヤー用ポテンシオメーターベース、排気ガスバルブなどの各種バルブ、燃料関係・排気系・吸気系各種パイプ、エアーインテークノズルスノーケル、インテークマニホールド、燃料ポンプ、エンジン冷却水ジョイント、キャブレターメインボディー、キャブレタースペーサー、排気ガスセンサー、冷却水センサー、油温センサー、ブレーキパットウェアーセンサー、スロットルポジションセンサー、クランクシャフトポジションセンサー、エアーフローメーター、ブレーキパッド摩耗センサー、エアコン用サーモスタットベース、暖房温風フローコントロールバルブ、ラジエーターモーター用ブラッシュホルダー、ウォーターポンプインペラー、タービンベイン、ワイパーモーター関係部品、デュストリビューター、スタータースイッチ、スターターリレー、トランスミッション用ワイヤーハーネス、ウィンドウォッシャーノズル、エアコンパネルスイッチ基板、燃料関係電磁気弁用コイル、ヒューズ用コネクター、ホーンターミナル、電装部品絶縁板、ステップモーターローター、ランプソケット、ランプリフレクター、ランプハウジング、ブレーキピストン、ソレノイドボビン、エンジンオイルフィルター、点火装置ケースなどの自動車・車両関連部品に適用できる。
本発明の複合材料又は放熱材料は、電気絶縁性にも優れているので、これら用途のうち、電子機器に好適である。
本発明により、熱伝導性が良い、1000℃以下の熱処理で作製できるフィラーを提供することができ、特に電子デバイス等の放熱板等の複合材料用の放熱フィラーとして用いることができる。
以下に実施例、比較例を挙げて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、以下において、部及び%は特に断りのない限り質量基準である。
(実施例1)
1000ミリリットルビーカーに水106ミリリットル、エタノール(純正化学製)480ミリリットルおよび29%アンモニア水20ミリリットル(純正化学製)を仕込み混合した。その混合液に炭素繊維(昭和電工製:平均繊維径150nm、気相法炭素繊維)28グラムを分散させ、懸濁液1を調製した。
別に、テトラエトキシシラン(ナカライテスク製)105ミリリットルと水39.5ミリリットルとエタノール65.5ミリリットルとを混合し、溶液1を調製した。
マグネチックスターラーで撹拌している懸濁液1に、溶液1を2時間かけて一定速度で添加し、添加終了後1時間熟成した。溶液1の添加中及び熟成中は20℃に温度を保った。次いで、熟成液を吸引濾過して、固形分を80℃で12時間温風乾燥し、シリカ被覆炭素繊維を得た。
KBr法により、シリカ被覆炭素繊維の透過赤外吸収スペクトル(日本分光製FT−IR−8000)を測定したところ、1000〜1200cm−1にSi−O−Si伸縮振動由来の吸収が観測されたが、2800〜3000cm−1にCーH伸縮振動由来の吸収は観測されず、生成した被膜がシリカであることが同定された。
更に、1150〜1250cm−1の赤外吸収スペクトルの吸収ピーク強度Iと1000〜1100cm−1の赤外吸収スペクトルの吸収ピーク強度Iの比I(=I/I)が、0.5であった。シリカ膜の屈折率は、エリプソメーター(ULVAC製 LASSER ELLIPSOMETER ESM−1A)で測定したところ、1.446であった。
シリカ膜の平均厚は、無作為に選択した5箇所の平均で20nmであり、測定値は全て平均膜厚の±10%の範囲にあった。
(実施例2)
実施例1で得られたシリカ被覆炭素繊維40部とポリエチレンテレフタレート60部とを混合して、複合材料を調製した。複合材料中の炭素繊維はマトリックス中に無秩序に(すなわち無配向に)分散していた。この複合材料の熱伝導率は、レーザーフラッシュ法による測定で2Wm−1−1であった。また、体積固有抵抗は2x1015Ωcmであった。
(実施例3)
気相法炭素繊維(昭和電工製:平均繊維径150nm)92部と、メチルハイドロジェンポリシロキサン(KF−99P、信越化学工業社製)8部とをイソプロピルアルコール(IPA)中に投入しよく撹拌した。次いで該液を減圧下に加熱してIPAを除去した。固形分を高温焼成炉を用いて空気中で800℃で2時間加熱処理し、目的とするシリカ被覆炭素繊維を得た。但し、高温焼成炉は、被焼成物を投入後、室温から連続的に昇温させ、800℃で2時間維持した後、空冷によって冷やした。
得られたシリカ被覆炭素繊維のシリカ膜の平均厚は、無作為に選択した5箇所の平均で15nmであり、測定値は全て平均膜厚の±30%の範囲にあった。
(実施例4)
気相法炭素繊維(昭和電工製:平均繊維径150nm)95部を攪拌し、それにメチルハイドロジェンポリシロキサン(KF−9901、信越化学工業社製)5部をスプレー散布した。次いで180℃にて1時間予備加熱処理した。さらに、高温焼成炉を用いて空気中で700℃で1時間加熱処理し、目的とするシリカ被覆炭素繊維を得た。
得られたシリカ被覆炭素繊維のシリカ膜の平均厚は、無作為に選択した5箇所の平均で10nmであり、測定値は全て平均膜厚の±30%の範囲にあった。
以上の結果から、シリカ膜が均一な厚さで炭素繊維を覆っている本発明のシリカ被覆炭素繊維は、熱伝導性が高く、且つ電気絶縁性にも優れていることがわかる。

Claims (21)

  1. 炭素繊維、及び
    その炭素繊維を被覆する実質的に均一な膜厚を持つシリカ膜
    を含んでなるシリカ被覆炭素繊維。
  2. 高熱伝導性である請求項1に記載のシリカ被覆炭素繊維。
  3. シリカ膜の平均厚が1000nm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載のシリカ被覆炭素繊維。
  4. 炭素繊維が気相法炭素繊維であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のシリカ被覆炭素繊維。
  5. 炭素繊維の格子定数C0値が、0.68nm以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のシリカ被覆炭素繊維。
  6. 炭素繊維が酸化処理をしたものであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のシリカ被覆炭素繊維。
  7. 炭素繊維が、質量減少率1〜10質量%になるまで空気中で加熱処理をしたものであることを特徴とする請求項6に記載のシリカ被覆炭素繊維。
  8. シラン系カップリング剤で処理したことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のシリカ被覆炭素繊維。
  9. 水との接触角が3度以下であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のシリカ被覆炭素繊維。
  10. 1150〜1250cm−1の赤外吸収スペクトルの吸収ピーク強度Iと1000〜1100cm−1の赤外吸収スペクトルの吸収ピーク強度Iとの比I(=I/I)が0.2以上であり、かつ屈折率が1.435以上であるシリカ膜に被覆されたことを特徴とするシリカ被覆炭素繊維。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載のシリカ被覆炭素繊維を熱処理して得られることを特徴とする、炭化珪素被覆炭素繊維。
  12. イ)珪酸、ロ)水、ハ)アルカリ、及びニ)有機溶媒を必須成分とするシリカ膜形成用組成物に炭素繊維を接触させることを特徴とするシリカ被覆炭素繊維の製造方法。
  13. 炭素繊維と有機溶媒と水とアルカリとからなる懸濁液を調製し、この懸濁液に、溶媒で希釈したテトラアルコキシシランを添加することを特徴とするシリカ被覆炭素繊維の製造方法。
  14. オルガノシロキサン類及びシリコーン樹脂から選ばれる1種以上の化合物を非気相状態で炭素繊維に被覆した後、酸素含有雰囲気中で600〜1000℃の温度にて加熱することを特徴とするシリカ被覆炭素繊維の製造方法。
  15. 請求項1〜11のいずれかに記載の炭素繊維と、マトリックスとからなる、複合材料。
  16. マトリックスが樹脂であることを特徴とする請求項15に記載の複合材料。
  17. マトリックスが金属であることを特徴とする請求項15に記載の複合材料。
  18. マトリックスがセラミックスであることを特徴とする請求項15に記載の複合材料。
  19. 請求項1〜11のいずれかに記載の炭素繊維を含有することを特徴とする放熱材料。
  20. 熱伝導度が2W/(m・K)以上で、且つ体積固有抵抗が1010Ωcm以上であることを特徴とする請求項19に記載の放熱材料。
  21. 請求項19または20に記載の放熱材料を備えた電子機器。
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