JP2007107015A - 環状ポリスルフィドを加硫剤として含む氷雪路用ゴム組成物及びそれを用いた氷雪路用空気入りタイヤ - Google Patents

環状ポリスルフィドを加硫剤として含む氷雪路用ゴム組成物及びそれを用いた氷雪路用空気入りタイヤ Download PDF

Info

Publication number
JP2007107015A
JP2007107015A JP2006348663A JP2006348663A JP2007107015A JP 2007107015 A JP2007107015 A JP 2007107015A JP 2006348663 A JP2006348663 A JP 2006348663A JP 2006348663 A JP2006348663 A JP 2006348663A JP 2007107015 A JP2007107015 A JP 2007107015A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rubber
rubber composition
weight
cyclic polysulfide
parts
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2006348663A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4290723B2 (ja
Inventor
Motofumi Sai
源文 崔
Satoyuki Matsumura
智行 松村
Naoya Amino
直也 網野
Kazuhiro Takase
一浩 高瀬
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yokohama Rubber Co Ltd
Original Assignee
Yokohama Rubber Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yokohama Rubber Co Ltd filed Critical Yokohama Rubber Co Ltd
Priority to JP2006348663A priority Critical patent/JP4290723B2/ja
Publication of JP2007107015A publication Critical patent/JP2007107015A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4290723B2 publication Critical patent/JP4290723B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/80Technologies aiming to reduce greenhouse gasses emissions common to all road transportation technologies
    • Y02T10/86Optimisation of rolling resistance, e.g. weight reduction 

Landscapes

  • Tires In General (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

【課題】ウェット性能、氷雪路性能などに優れた氷雪路用タイヤ用ゴム組成物の提供。
【解決手段】硫黄加硫可能なゴム(A)100重量部並びに加硫剤として式(I):
Figure 2007107015

(式中、Rは置換もしくは非置換のC2〜C20アルキレン基、置換もしくは非置換のC2〜C20オキシアルキレン基又は芳香族環を含むアルキレン基を示し、nは1〜20の整数であり、xは平均2〜6の数である)
の環状ポリスルフィド(B)0.1〜30重量部を含む氷雪路用ゴム組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は環状ポリスルフィドを加硫剤として含み、硫黄加硫可能なゴムの各種加硫物性(例えば場合によっては他の特定の成分と組合せて、耐熱老化性、発熱性、破断特性、耐疲労特性、ウェット性能、グリップ性能、氷雪路制動性、高速耐久性、転がり抵抗、横断安定性、高硬度、高強度、高伸びなど)を改良したゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤに関する。
硫黄加硫による架橋ゴムはポリスルフィド結合を含むため、耐熱性と加硫もどり性が劣る。これらの耐熱性と加硫もどり性の問題を改良するため、テトラスルフィドポリマーや環状ポリスルフィドなどの加硫剤が有効であることが知られている(非特許文献1及び特許文献1)。特に環状ポリスルフィドは架橋効率の面から好まれるが、いままで報告されている環状ポリスルフィドの製造法はその長い製造工程や高い原料が用いられるなどの問題により実用性に欠けている(特許文献2及び特許文献3)。
近年、空気入りタイヤについての種々の改良が行なわれている。そのような種々の改良の中で、耐熱老化性をあげようとして特許文献4にはEV架橋(即ち加硫促進剤を多量配合してポリスルフィド結合の比率を減らす)する方法が提案されているが、これには動的疲労性に劣るという問題があった。そこで耐熱老化性と動的疲労性のトレードオフを解決する方法が特許文献3に記載されているが、未だ十分とはいえないのが現状である。
また、空気入りタイヤのタイヤトレッド用ゴムとしては、耐摩耗性やグリップ力の向上が必要であるため引張強さや破断伸びの大きいゴム組成物が求められていた。一方、タイヤトレッド用のゴムは劣化しやすく、経時変化によってトレッドが硬化し、グリップが低下するばかりでなく、場合によってはトレッドの剥離などを引き起こす危険もあった。高性能タイヤのグリップ持続性を改良するために、例えば加硫剤や加硫促進剤による検討がされているが、特にフィラー量が多いゴム組成物においては、グリップの高さと持続性を満足いくレベルで両立させることはできていない(特許文献5及び特許文献6参照)。
アンダートレッド用のゴムとしては、高速耐久性の向上のために、高い引張強さ及び破断伸びを示すゴム組成物が求められていた。一方で、操縦安定性改良のための高硬度なアンダートレッドや、低燃費性改善のための低tanδなアンダートレッドも要求されており、これらの物性はトレードオフの関係にあった。このような観点から、高硬度で、かつ、強度、伸びが高く、tanδの上昇のないゴム組成物が望まれている。
更に近年の空気入りタイヤについての種々の改良の中でビードフィラー用のゴムとしては、耐疲労性の向上のために、高い引張強さ及び破断伸びを示すゴム組成物が求められている(例えば特許文献7参照)。一方で、操縦安定性改良のための高硬度なビードフィラーや、低燃費性改善のための低tanδなビードフィラーも要求されており(例えば特許文献8参照)、これらの物性はトレードオフの関係にあった。このような観点から、高硬度で、かつ、強度、伸びが高くtanδの上昇のないゴム組成物が望まれている。
更に、従来の空気入りタイヤのインナーライナーにはブチルゴム又はハロゲンブチルゴムなどのブチルゴム類が一般に使用されているが(例えば特許文献9参照)、ブチルゴム類はカーボンブラックなどの補強性に乏しいため、ブチルゴム類の組成物は機械物性に劣り、その利用用途に限界があった。
更に、空気入りタイヤのベルトコートコンパウンドには高い剛性が求められるが、剛性を上げようとしてカーボンブラックを増量したり、加硫剤である硫黄や加硫促進剤を増量すると、伸びが低下して耐疲労性が悪化し、その結果、ベルトの端部でセパレーションが起こりタイヤに不具合が発生するので、高い剛性及び伸びを確保する必要性がある(特許文献10)。また、高い接着性を付与するために硫黄を大量に配合することが提案されているが(特許文献11)、それが原因で耐熱老化性の悪化を招いており、耐熱老化性を上げるには老化防止剤を増量すれば良いが、ワイヤ(金属)との接着を阻害するおそれがあるという問題がある。
特開平10−120788号 特開昭58−122944号公報 特開2002−293783号公報 特開平6−57040号公報 特開2001−348461号公報 特開平10−151906号公報 特開2002−105249号公報 特開平5−51487号公報 特開平10−87884号公報 特開2001−226528号公報 特開2000−233603号公報 山崎升ら:日本ゴム協会1981年研究発表会要旨集、P.532−17
従って、本発明は従来の硫黄加硫の少なくとも一部に代えて環状ポリスルフィドを用いることにより、前述のような従来の空気入りタイヤ業界における種々の問題点を解決して、加硫ゴムの各種物性、特にウェット性能、グリップ性能、氷雪路制動性などの物性を改善した氷雪路用ゴム組成物及びそれを用いた氷雪路用空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明に従えば、(A)硫黄加硫可能なゴム100重量部並びに、加硫剤として、式(I):
Figure 2007107015
(式中、Rは置換もしくは非置換のC2〜C20アルキレン基、置換もしくは非置換のC2〜C20オキシアルキレン基又は芳香族環を含むアルキレン基を示し、nは1〜20の整数であり、xは平均2〜6の数である)
の環状ポリスルフィド(B)0.1〜30重量部を含んでなる氷雪路用ゴム組成物が提供される。
本明細書中及び添付した請求の範囲中において使用する単数形(a,an,the)は、文脈からそうでないことが明白な場合を除いては複数の対象を含むものと理解されたい。
本発明においては、ゴム組成物中の加硫剤として従来の硫黄の少なくとも一部(場合によっては全部)に代えて、前記式(I)の環状ポリスルフィド(B)を配合する。このような環状ポリスルフィドは例えば以下のようにして製造することができる。即ち、前記式(I)の環状ポリスルフィドは、式:X−R−X(式中、Xは、それぞれ独立に、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、好ましくは塩素、臭素のハロゲン原子を表し、Rは、置換もしくは非置換のC2〜C20のアルキレン基、置換もしくは非置換のC2〜C20のオキシアルキレン基又は芳香族環を含むアルキレン基、好ましくは前記置換もしくは非置換のC2〜C18、更に好ましくはC4〜C10のアルキレン基を示し、これらの置換基としてはフェニル、ベンジル、ビニル、シリル、エポキシ、イソシアネートなどがあげられる)のジハロゲン化合物とアルカリ金属の多硫化物M−Sx−M(式中、Mはアルカリ金属、例えばナトリウム、カリウム、リチウムなどであり、xは2〜6の整数、好ましくは3〜5である)とを、親水性溶媒又は親水性及び親油性溶媒性非相溶性混合溶媒中で2相系で反応させることによってか、又はM−Sx−Mの溶液(溶媒としては水及びC1 〜C4 脂肪族アルコールを用いることができ、水の使用が最も好ましい)中にX−R−XをM−Sx−MとX−R−Xとが界面で反応するような速度で添加して反応させることによって、製造される(特開2002−293783号公報参照)。なお、後者の方法でX−R−Xの添加速度が速すぎると、X−R−Xの濃度が高くなり、界面以外での反応も起こり、分子間の反応が優先され鎖状になるので好ましくない。従って、M−Sx−MとX−R−Xの反応をできるだけ不均一系で界面だけで反応させることが環状ポリスルフィドを得るのに好ましい。
前記一般式X−R−X及び式(I)の基Rとしては、例えばエチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン、ヘキシレン、オクチレン、ノニレン、デシレン、1,2−プロピレンなどの直鎖又は分岐鎖のアルキレン基があげられ、これらのアルキレン基はフェニル基、ベンジル基などの置換基で置換されていてもよい。基Rとしては更にオキシアルキレン基を含むアルキレン基、例えば基(CH2CH2O)p及び基(CH2)q(式中、pは1〜5の整数であり、qは0〜2の整数である)が任意に結合したオキシアルキレン基を含むアルキレン基とすることができる。好ましい基Rは
−CH2CH2OCH2CH2−,−(CH2CH2O)2CH2CH2−,
−(CH2CH2O)3CH−CH2−,−(CH2CH2O)4CH2CH2−,
−(CH2CH2O)5CH2CH2−,−(CH2CH2O)2CH2−,
−CH2CH2OCH2OCH2CH2−であり、特にxは平均として3〜5が好ましく、3.5〜4.5が更に好ましい。nは好ましくは1〜15の整数であり、更に好ましくは1〜10、一層好ましくは1〜5の整数である。
前記ジハロゲン化合物と前記アルカリ金属多硫化物との反応は、当量反応であり、実用的には両化合物を0.95:1.0〜1.0:0.95(当量比)で反応させ、好ましくは50〜120℃、更に好ましくは70〜100℃の温度で実施する。
本発明に用いる親水性溶媒又は親水性/親油性溶媒の非相溶性混合溶媒については特に限定はなく、実際の反応系においては、親水性溶媒単独又は非相溶で2相を形成する任意の混合溶媒系を用いることができる。具体的には、例えば親水性溶媒としては、水の他、メタノール、エタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール等のアルコール類をあげることができ、これらは任意の混合物として使用することもできる。またこれらの親水性溶媒と混合して使用される親油性溶媒としては、トルエン、キシレン、ベンゼン等の芳香族炭化水素類、ペンタン、ヘキサン等の脂肪族炭化水素類、ジオキサン、ジブチルエーテル等のエーテル類、酢酸エチル等のエステル類などをあげることができ、これらは任意の混合物として使用することもできる。
前記ジハロゲン化合物と前記アルカリ金属の多硫化物との親水性溶媒中で又は非相溶性混合溶媒系で反応させる界面での反応は、当量反応であり、実用的には両化合物を0.95:1〜1:0.95(当量比)で反応させ、反応温度は好ましくは50〜120℃、更に好ましくは70〜100℃である。反応させるジハロゲン化合物は、2種類以上のジハロゲン化合物であることが好ましい。よって、ジハロゲン化合物としては例えばジクロロエチルホルマール及びジクロロエタンの混合物と、金属多硫化物として、例えば多流化ソーダとを反応させるのが好ましい。
前記反応において触媒は必要ではないが、場合によって触媒として4級アンモニウム塩、ホスホニウム塩、クラウンエーテルなどを用いることができる。例えば、(CH34+Cl-,(CH34+Br-,(C494+Cl-,(C494+Br-,C1225+(CH33Br-,(C494+Br-,CH3+(C653-,C1633+(C493Br-,15−crown−5,18−crown−6,ベンゾ−18−crown−6等を用いることができる。特にアルキレン骨格の環状ポリスルフィド(B)を製造する場合には、触媒の使用が好ましい。
本発明において使用する前記環状ポリスルフィド(B)はジエン系ゴム100重量部に対し0.1〜20重量部、好ましくは0.5〜20重量部配合する。この配合量が少な過ぎると加硫剤としての効果が現われず、加硫ゴムの強度低下などが発生するので好ましくなく、逆に多過ぎると加硫度が上がりすぎたり、粘度が下がりすぎるので好ましくない。
本発明において成分(A)として使用する硫黄加硫可能なゴムとしては、従来よりタイヤ、その他用として一般的に使用されている任意のゴム、例えば各種天然ゴム(NR)、各種ポリイソプレンゴム(IR)、各種ポリブタジエンゴム(BR)、各種スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム、クロロプレンゴム(CR)などのジエン系ゴム及びそれらの部分水添物や(ハロゲン化)ブチルゴム(IIR)、エチレン−プロピレンジエン共重合体ゴム(EPDM)、アクリルゴム(ACM)などをあげることができ、これらは単独又は任意のブレンドとして使用することができる。
本発明によれば、天然ゴム及び/又はポリブタジエンゴムを主体とした硫黄加硫可能なゴム100重量部、前記式(I)(式中、xは平均2〜6の数、nは1〜20の整数、Rは置換もしくは非置換のC2〜C20アルキレン基、置換もしくは非置換のC2〜C20オキシアルキレン基又は芳香族を含むアルキレン基を示す)で表される環状ポリスルフィド0.1〜10重量部並びにポリスチレン換算の重量平均分子量が10万以下の軟化剤10〜100重量部を含む氷雪路に適したタイヤトレッド用ゴム組成物が提供される。
前記本発明のゴム組成物は、前記環状ポリスルフィドを加硫剤として用いることにより、高いグリップ性能、破壊強度、グリップ持続性、耐久性、操縦安定性を改良することができる。
本発明のゴム組成物に配合する前記式(I)の環状ポリスルフィドは、例えば前述の方法によって製造することができる。
本発明のゴム組成物には、前記環状ポリスルフィド(B)を、ゴム(A)100重量部に対し、0.1〜10重量部、好ましくは0.2〜8重量部配合する。この配合量が少な過ぎると所望の効果が得られず、逆に多過ぎるとスコーチしやすくなり、コスト高にもなるので好ましくない。但し、本発明の第二の態様では、環状ポリスルフィドと硫黄とを合計量が0.5〜5重量部、好ましくは0.6〜4.8重量部でかつ環状ポリスルフィドと硫黄との合計量に対する環状ポリスルフィドの量の比が0.1〜2(重量比)、好ましくは0.2〜1.9(重量比)となる量で配合する。
本発明では、前記環状ポリスルフィドと共に、天然ゴム(NR)及び/又はポリブタジエンゴム(BR)を主体とした硫黄加硫可能なゴム並びにポリスチレン換算の重量平均分子量が10万以下、好ましくは5000〜90000の軟化剤10〜100重量部、好ましくは12〜90重量部を含む氷雪路に適したタイヤトレッド用ゴム組成物が提供される。
タイヤトレッド用のゴムとしては、耐摩耗性の向上やグリップ力の向上のために、高い引張強さ及び破断伸びを示すゴム組成物が求められていた。また、トレッド用のゴムは劣化し易く、経時劣化によってトレッドが硬化する。氷雪路タイヤの場合は、トレッドの効果によって大幅にその氷雪路走行性能が低下する。このような観点から、強度、伸びが高く、その性能を長期に渡って持続可能なゴム組成物が必要であるが、本発明によれば氷雪路タイヤトレッド用として十分なグリップを発現するために天然ゴム(NR)を主体とし、Tgが−100℃〜−50℃であるのが好ましい。更にカーボンブラック及び/又はシリカを合せて、ゴム100重量部に対し、40〜100重量部配合するのが好ましく、特にカーボンブラックは、N2SAが80m2/g以上150m2/g未満のものを使用するのが好ましい。本発明によれば、熱膨張性熱可塑性樹脂又は膨張黒鉛を、ゴム100重量部当り、1〜15重量部配合することにより氷雪路走行性能が向上するので好ましい。
前記熱膨張性熱可塑性樹脂は、熱によって膨張して気体封入熱可塑性樹脂となる熱膨張性熱可塑性樹脂であって、ジエン系ゴム100重量部に対し、1〜15重量部、好ましくは、2〜10重量部を用いる。この配合量が1重量部より少な過ぎると所望の氷雪路走行性能が得られず、逆に15重量部よりも多過ぎるとゴム組成物の耐摩耗性の低下が著しくなるので好ましくない。
この熱膨張性熱可塑性樹脂の膨張前の粒子径は、特に限定されないが、膨張前で5〜300μmであるものが好ましく、さらに好ましくは粒径10〜200μmのものである。
前記熱膨張性熱可塑性樹脂は熱により気化して気体を発生する液体を熱可塑性樹脂に内包した熱膨張性熱可塑性樹脂粒子であり、この粒子をその膨張開始温度以上の温度、通常130〜190℃の温度で加熱して膨張させて、その熱可塑性樹脂からなる外殻中に気体を封入した気体封入熱可塑性樹脂粒子となる。
このような熱膨張性熱可塑性樹脂としては、例えば、現在、スウェーデンのEXPANCEL社より商品名「エクスパンセル091DU−80」もしくは「エクスパンセル092DU−120」等として、又は松本油脂社より商品名「マツモトマイクロスフェアーF−85」もしくは「マツモトマイクロスフェアーF−100」等として入手可能である。
前記の気体封入熱可塑性樹脂粒子の外殻成分を構成する熱可塑性樹脂としては、その膨張開始温度が100℃以上、好ましくは120℃以上で、最大膨張温度が150℃以上、好ましくは160℃以上のものが好ましく用いられる。そのような熱可塑性樹脂としては、例えば(メタ)アクリロニトリルの重合体、また(メタ)アクリロニトリル含有量の高い共重合体が好適に用いられる。その共重合体の場合の他のモノマー(コモノマー)としては、ハロゲン化ビニル、ハロゲン化ビニリデン、スチレン系モノマー(メタ)アクリレート系モノマー、酢酸ビニル、ブタジエン、ビニルピリジン、クロロプレン等のモノマーが用いられる。なお、上記の熱可塑性樹脂は、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、トリアクリルホルマール、トリアリルイソシアヌレート等の架橋剤で架橋可能にされていてもよい。架橋形態については、未架橋が好ましいが、熱可塑性樹脂としての性質を損わない程度に部分的に架橋していてもかまわない。
前記の熱により気化して気体を発生する液体としては、例えばn−ペンタン、イソペンタン、ネオペンタン、ブタン、イソブタン、ヘキサン、石油エーテルのような炭化水素類、塩化メチル、塩化メチレン、ジクロロエチレン、トリクロロエタン、トリクロルエチレンのような塩素化炭化水素のような液体が挙げられる。
本発明の膨張黒鉛は、ジエン系ゴム100重量部に対し、1〜15重量部、好ましくは2〜8重量部配合され、上記の熱膨張性熱可塑性樹脂と併用することもできる。この配合量が少な過ぎると氷雪路走行性能が得られないので好ましくなく、逆に多過ぎるとゴム表面と氷結路面間のミクロレベルにおける接触面積が低下するために、氷上摩擦力が低下するので好ましくない。また配合量が多過ぎる場合にはゴム組成物の耐摩耗性及び機械的強度が低下するので好ましくない。
膨張黒鉛(Expandable Graphite)は黒鉛粒子の層間に熱により気化する物質を内包する粒子サイズ30〜600μm、好ましくは100〜350μmの粉体物質であり、加硫時の熱によって膨張して黒鉛膨張体(Expanded Graphite)となることが好ましい。
膨張黒鉛は炭素原子から形成されたシートが層状に重なった構造をしており、硫酸や硝酸などとともに酸処理(インターカレーション処理)することによって得られる。この膨張黒鉛は例えば加熱によりその層間物質の気化によって高膨張させて黒鉛膨張体(又は発泡黒鉛)とすることができる。膨張処理前は材質が硬いために混合による品質低下が起りにくく、また一定温度にて不可逆的に膨張するため、タイヤの加硫によってゴムマトリックス内部に空間を伴う異物を容易に形成させることができる。このようなゴムを用いたタイヤのトレッド部は摩耗時に表面凹凸が適度に形成され、氷とタイヤの接触面上の水膜を効率よく除去することによって氷上摩擦力の向上に働く。
膨張黒鉛は既に公知の材料であり、公知の製法によって製造される。一般的には強酸物質と酸化剤との混合液に黒鉛粒子を浸漬し、インターカレーション処理により黒鉛粒子の層間に酸を挿入させて製造する。例えば強酸物質としては濃硫酸、酸化剤として硝酸が使われ、これにより粒子の層間に硫酸が挿入された膨張黒鉛が得られる。膨張黒鉛は熱処理によって層間化合物が揮発することによって層間が開き、膨張する。層間物質に硫酸が用いられる膨張黒鉛は通常300℃以上での熱処理によって膨張するが、層間物質の改質や他の低沸点酸化合物(例えば硝酸)の使用又は併用によって、膨張開始温度を300℃以下に下げた膨張黒鉛が製造、市販されている。本発明で対象となるジエン系ゴムを主成分としたゴム組成物の加工温度は200℃以下であり、本発明では膨張開始温度が190℃以下の膨張黒鉛を用いることによって所定の効果が発揮される。
このような膨張開始温度が190℃以下の膨張黒鉛としては、例えば巴工業より米国のUCAR Graphtech社製の「グラフガード160−50」又は「グラフガード160−80」等が市販されており、入手可能である。
膨張黒鉛は用語的には酸処理を行った直後の未膨張品(Expandable)を示すが、熱処理後の既膨張品(Expanded)のことを呼ぶ場合もある。本発明にてゴム組成物として配合される膨張黒鉛は熱処理前の未膨張品である。
本発明においては、膨張黒鉛はゴム組成物の混練工程、押出し成形工程で膨張せず、加硫工程にて膨張させることが望ましく、膨張開始温度が好ましくは120〜190℃、更に好ましくは140〜170℃のものが用いられる。膨張開始温度が120℃未満であると、膨張黒鉛が混練り時、又は押出し加工時に膨張し、ゴム比重が工程途中で変化することにより加工性が損なわれるおそれがある。また、膨張開始温度が190℃を超える場合には加硫工程での加工温度を190℃以上に設定しなければならず、ゴム組成物の主成分であるジエン系ゴム分子の熱劣化が著しくなる傾向にある。
一方、膨張黒鉛は炭素原子からなる骨格構造をとっているためにゴムマトリックスやカーボンブラックとの親和性が良好であり、ゴムに配合添加しても加硫ゴムの耐摩耗性能の低下が少ないという利点がある。
本発明に従ったゴム組成物は、常法に従って、氷雪路用空気入りタイヤのトレッド部、トレッドベース部などの各種用途製品などに用いることができる。
本発明のゴム組成物には、前記した必須成分に加えて、その他の補強剤(フィラー)、加硫又は架橋促進剤、各種オイル、老化防止剤、可塑性剤などのタイヤ用、その他一般ゴム用に一般的に配合されている各種添加剤を配合することができ、かかる配合物は一般的な方法で混練、加硫して組成物とし、加硫又は架橋するのに使用することができる。これらの添加剤の配合量は貯蔵弾性率を前記範囲内に満足させる等の本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。これらの添加剤の配合量は貯蔵弾性率を前記範囲内に満足させる等の本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。
以下、実施例によって本発明を更に説明するが、本発明の範囲をこれらの実施例に限定するものでないことはいうまでもない。
実施例I−1〜I−4及び比較例I−1〜I−3サンプルの調製
表I−1に示す配合において、加硫系を除く各成分を16リットルのバンバリーミキサーで5分間混練し、160±2℃に達したときに放出してマスターバッチを得た。このマスターバッチに加硫系をオープンロールで混練し、ゴム組成物を得た。
次に得られたゴム組成物を15×15×0.2cmの金型中で160℃で30分間加硫して加硫ゴムシートを作製し、以下に示す試験法でゴム物性を測定した。結果は表I−1に示す。
ゴム物性評価試験法
ウェット制動性能:各コンパウンドをトレッド部に使用したサイズ195/65R15のタイヤを作成し、排気量2000ccの車に装着して約6ヶ月間のうちに市街地を約20,000km走行した後に、水深1mmで散水したアスファルト路面のテストコートで、初速度100kmからの制動距離を測定し、比較例I−1の値を100とした指数で示した。数字が大きい方が制動距離が短く、優れることを示す。
Figure 2007107015
表I−1脚注
NIPOL 9526:日本ゼオン(株)製スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(スチレン含量:35%、50phr 油展、Tg=−35℃)
NIPOL 1712:日本ゼオン(株)製スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(スチレン含量:23.5%、37.5phr 油展、Tg=−51℃)
NIPOL 1220:日本ゼオン(株)製ポリブタジエンゴム(非油展、Tg=−100℃)
DIA I:三菱化学(株)製カーボンブラック(N2 SA=114m2 /g)
Nipsil AQ:日本シリカ工業製湿式シリカ
Si−69:デグッサ製シランカップリング剤
SANTOFLEX 6PPD:FLEXSYS製老化防止剤
酸化亜鉛3種:正同化学工業(株)製
ビーズステアリン酸:日本油脂(株)製ステアリン酸
デゾレックス3号:昭和シェル石油(株)製プロセスオイル
SANTOCURE CBS:FLEXSYS製加硫促進剤
金華印油入微粉硫黄:鶴見化学工業(株)製硫黄
環状ポリスルフィドI−1:特開2002−293783号公報の実施例3の方法に従って合成した、式(I)において、R=(CH26、x(平均)=4及びn=1〜5の環状ポリスルフィド
環状ポリスルフィドI−2:特開2002−293783号公報の実施例2の方法に従って合成した、式(I)において、R=(CH22O(CH2)O(CH22、x(平均)=4及びn=1〜2の環状ポリスルフィド
実施例I−5〜I−9及び比較例I−4〜I−7
表I−2に示す配合において、加硫系を除く各成分(重量部)を16リットルのバンバリーミキサーで5分間混練し、150℃に達したときに放出してマスターバッチを得た。このマスターバッチに加硫系をオープンロールで混練し、ゴム組成物を得た。
次に得られたゴム組成物を15×15×0.2cmの金型中で150℃で40分間加硫して2mm厚の加硫ゴムシートを作製し、以下に示す試験法でゴム物性を測定した。結果は表I−2に示す。
ゴム物性評価試験法
M300変化率:100℃で24時間熱老化させた前後の300%モジュラスの変化率を示す。この変化率が10%以下であると、グリップが安定して良好である。
グリップ性評価:上記ゴム組成物をトレッドにした195/55R15タイヤを試作し、一周4.41kmのコースを走行した際のグリップ性能を5段階にて官能評価したものである。数値が大きい程グリップ良好である。なお、表I−2において、各実施例が300%モジュラス変化率とグリップ性が良いことを表す。
Figure 2007107015
表I−2脚注
SBR:日本ゼオン製NIPOL 9526(スチレン含量:35%)
カーボンSAF:三菱化学製ダイアブラックA
シリカ:デグッサ製ULTRASIL 7000GR
促進剤CBS:大内新興化学製ノクセラー CZ−G
促進剤TOT−N:大内新興化学製ノクセラー TOT−N
硫黄:鶴見化学製
環状ポリスルフィドI−3:前記環状ポリスルフィドI−1に同じ
実施例I−10〜I−14及び比較例I−8〜I−10
表I−3に示す配合において、加硫系を除く各成分(重量部)を16リットルのバンバリーミキサーで5分間混練し、160℃に達したときに放出してマスターバッチを得た。このマスターバッチに加硫系をオープンロールで混練し、ゴム組成物を得た。
次に得られたゴム組成物を15×15×0.2cmの金型中で160℃で30分間加硫して2mm厚の加硫ゴムシートを作製し、以下に示す試験法でゴム物性を測定した。結果は表III−3に示す。
ゴム物性評価試験法
氷上制動性能:各コンパウンドをトレッド部に使用したサイズ195/65R15のタイヤを作成し、排気量2000ccの車に装着して約6ヶ月間のうちに市街地を約20,000km走行した後に、氷温度−5℃の氷盤路テストコースで、初速度40kmからの制動距離を測定し、比較例I−8の値を100とした指数で示した。数字が大きい方が制動距離が短く、優れることを示す。
Figure 2007107015
表I−3脚注
天然ゴム TSR20:SIR20(Tg=−70℃)
NIPOL 1441:日本ゼオン(株)製ポリブタジエンゴム(37.5phr 油展、Tg=−101℃)
DIA I:三菱化学(株)製カーボンブラック(N2 SA=114m2 /g)
Nipsil AQ:日本シリカ工業製湿式シリカ
Si−69:デグッサ製シランカップリング剤
SANTOFLEX 6PPD:FLEXSYS製老化防止剤
酸化亜鉛3種:正同化学工業(株)製
ビーズステアリン酸:日本油脂(株)製ステアリン酸
デゾレックス3号:昭和シェル石油(株)製プロセスオイル
SANTOCURE CBS:FLEXSYS製加硫促進剤
金華印油入微粉硫黄:鶴見化学工業(株)製硫黄
環状ポリスルフィドI−4:前記環状ポリスルフィドI−1に同じ
環状ポリスルフィドI−5:前記環状ポリスルフィドI−2に同じ
実施例I−15〜I−18及び比較例I−11〜I−12
表I−4に示す配合において、加硫系を除く各成分(重量部)を16リットルのバンバリーミキサーで5分間混練し、160℃に達したときに放出してマスターバッチを得た。このマスターバッチに加硫系をオープンロールで混練し、ゴム組成物を得た。
次に得られたゴム組成物を15×15×0.2cmの金型中で160℃で30分間加硫して2mm厚の加硫ゴムシートを作製し、以下に示す試験法でゴム物性を測定した。結果は表I−4に示す。
ゴム物性評価試験法
キャップ部の厚さが最大で7mm、ベース部の厚さが2mmの2層構造トレッドを有するタイヤに対して、各コンパウンドをベース部に使用したサイズ195/65R15のタイヤを作成し以下の試験に供した。
高速耐久試験:ドラム径1707mmでJIS D 4230、JIS高速耐久性試験終了後、30分毎に10km/hr加速してタイヤが破壊するまで試験を続行した。この結果を比較例I−11の値を100とした指数で示した。数字が大きい方が走行距離が長く、優れることを示す。
転がり抵抗:ドラム径1707mmの室内ドラム式タイヤ転動抵抗試験機によって測定した。測定条件は、JATMA Y/B2003年版を準用した。数字が大きい方が転がり抵抗が小さく、優れることを示す。
操縦安定性:一定間隔でパイロンが立てられているスラローム試験路を実車走行し、その平均速度により操縦安定性を評価し、比較例I−11の値を100とする指数値で示した。この指数値が大きい程操縦安定性が優れている。
Figure 2007107015
表I−4脚注
天然ゴム TSR20:SIR20
NIPOL 1502:日本ゼオン(株)製スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(スチレン含量:23.5%)
DIA E:三菱化学(株)製カーボンブラック(N2 SA=41m2 /g)
SANTOFLEX 6PPD:FLEXSYS製老化防止剤
酸化亜鉛3種:正同化学工業(株)製
ビーズステアリン酸:日本油脂(株)製ステアリン酸
デゾレックス3号:昭和シェル石油(株)製プロセスオイル
SANTOCURE NS:FLEXSYS製加硫促進剤
金華印油入微粉硫黄:鶴見化学工業(株)製硫黄
環状ポリスルフィドI−6:前記環状ポリスルフィドI−1に同じ
環状ポリスルフィドI−7:前記環状ポリスルフィドI−2に同じ
標準例II−1
30%多硫化ソーダ(Na24)水溶液119.7g(0.2mol)をトルエン50gの混合溶媒中、テトラブチルアンモニウムプロマイド0.64g(1mol%)を入れ、ジクロロエチルホルマール34.6g(0.2mol)をトルエン30gに溶解し、90℃で30分滴下し、さらに5時間反応させた。反応後、有機相を分離し減圧下90℃で濃縮した後、環状ポリスルフィドII−1を45.0g(収率97.8%)を得た。得られた環状ポリスルフィドはGPCで確認したところ数平均分子量570であった。
実施例II−1
1,2−ジクロロエタン1.98g(0.02mol)と30%多硫化ソーダ(Na24)水溶液1197g(2mol)とをトルエン500gの混合溶媒中、テトラブチルアンモニウムプロマイド0.64g(0.1mol%)を入れ、50℃で2時間反応させた。続いて、ジクロロエチルホルマール311.0g(1.8mol)をトルエン300gに溶解し、反応温度を90℃に上げ、1時間滴下し、さらに5時間反応させた。反応後、有機相を分離し減圧下90℃で濃縮した後、環状ポリスルフィドII−2を405g(収率96.9%)で得た。得られた環状ポリスルフィドはGPCで確認したところ数平均分子量530であった。
実施例II−2
1,2−ジクロロエタン1.98g(0.02mol)と30%多硫化ソーダ(Na24)水溶液119.7g(0.2mol)をトルエン50gの混合溶媒中、テトラブチルアンモニウムプロマイド0.64g(1mol%)を入れ、50℃で2時間反応させた。続いて、ジクロロエチルホルマール31.1g(0.18mol)をトルエン30gに溶解し、反応温度を90℃に上げ、30分滴下し、さらに5時間反応させた。反応後、有機相を分離し減圧下90℃で濃縮した後、環状ポリスルフィドIX−3を43.8g(収率98%)で得た。得られた環状ポリスルフィドはGPCで確認したところ数平均分子量630であった。
Figure 2007107015
標準例II−2、実施例II−3〜II−4及び比較例II−1
サンプルの調製
表II−2に示す配合において、加硫促進剤と硫黄を除く成分を密閉型ミキサーで混練し、マスターバッチを得た。このマスターバッチに加硫促進剤と硫黄をオープンロールで混練し、ゴム組成物を得た。
次に得られたゴム組成物を15×15×0.2cmの金型中で150℃で30分間加硫して加硫ゴムシートを調製し、以下に示す試験法で加硫ゴムの物性を測定した。結果は表II−2に示す。
ゴム物性評価試験法
100%及び300%モジュラス(MPa):JIS K6251に準拠して測定
破断強度TB(MPa):JIS K6251に準拠して測定
破断伸びEB(%):JIS K6251に準拠して測定
Figure 2007107015
表II−2脚注
*1:RSS #3
*2:東海カーボン(株)製シーストN
*3:正同化学(株)製亜鉛華3
*4:花王(株)製ビーズステアリン酸
*5:大内新興化学(株)製ノクラック6C
*6:大内新興化学(株)製ノクセラーNS−F
*7:軽井沢精錬所(株)製油処理硫黄
*8:標準例II−1参照
*9:実施例II−1参照
*10:実施例II−2参照
本発明によれば、以上の通り、2種類以上のジハロゲン化合物を用いて金属の多硫化物と縮合反応させることにより、ゴム組成物中に加硫剤として配合した場合に、ゴム組成物の粘度上昇を超えず、また加硫効率の低下も生ずることなく耐熱老化性が優れるゴム組成物を得ることができるので空気入りタイヤ用として有用である。
本発明に従ったゴム組成物は、高いグリップ性能、破壊強度、グリップ持続性、ウェット性能、氷雪路性能、耐久性、操縦安定性を改良することができるので、例えば氷雪路用空気入りタイヤのトレッドのキャップ部やベース部として有用である。

Claims (8)

  1. 硫黄加硫可能なゴム(A)100重量部、加硫剤として式(I):
    Figure 2007107015
    (式中、Rは置換もしくは非置換のC2〜C20アルキレン基、置換もしくは非置換のC2〜C20オキシアルキレン基又は芳香族環を含むアルキレン基を示し、nは1〜20の整数であり、xは平均2〜6の数である)
    の環状ポリスルフィド(B)0.1〜30重量部並びにポリスチレン換算の重量平均分子量が10万以下の軟化剤10〜100重量部を含んでなる氷雪路タイヤトレッド用ゴム組成物。
  2. 硫黄加硫可能なゴム(A)が天然ゴム及び/又はポリブタジエンゴムを主体とした硫黄加硫可能なゴムであり、式(I)で表される環状ポリスルフィドの配合量が0.1〜10重量部である氷雪路タイヤトレッド用の請求項1に記載のゴム組成物。
  3. 硫黄加硫可能なゴム(A)の平均ガラス転移温度(Tg)が−100℃〜−50℃である請求項1又は2に記載の氷雪路タイヤトレッド用ゴム組成物。
  4. 硫黄加硫可能なゴム(A)100重量部に対して、シリカ及び/又は窒素吸着比表面積(N2SA)が85m2/g以上150m2/g未満のカーボンブラックを合計量で40〜100重量部を更に含む請求項1〜3のいずれか1項に記載の氷雪路タイヤトレッド用ゴム組成物。
  5. 前記環状ポリスルフィドが、式:X−R−X(式中、Xはそれぞれ独立にハロゲン原子を表し、Rは置換もしくは非置換のC2〜C20のアルキレン基又はオキシアルキレン基又は芳香族を含むアルキレン基を示す)のジハロゲン化合物と、式M−Sx−M(式中、Mはアルカリ金属であり、xは2〜6の整数である)のアルカリ金属の多硫化物とを、親水性溶媒又は親水性/親油性溶媒の非相溶性混合溶媒中で2相系で反応させたものである請求項1〜4のいずれか1項に記載の氷雪路タイヤトレッド用ゴム組成物。
  6. 熱膨張性熱可塑性樹脂又は熱膨張性黒鉛を更に配合した請求項1〜5のいずれか1項に記載の氷雪路タイヤトレッド用ゴム組成物。
  7. 前記式(I)の環状ポリスルフィド(B)がジクロロエチルホルマール及びジクロロエタンの2種のジハロゲン化合物と式(III):
    M−Sx−M (III)
    (式中、Mは周期律表IA族の金属であり、Xは平均3より大きく6以下の数である)
    の金属多硫化物とを親水性溶媒又は親水性溶媒と親油性溶媒との非相溶性混合溶媒系中で相間移動触媒の存在下又は不存在下に、50〜150℃の温度で反応させて得られるものである請求項1〜6のいずれか1項に記載の氷雪路タイヤトレッド用ゴム組成物。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載のゴム組成物をタイヤトレッド部に用いた氷雪路用空気入りタイヤ。
JP2006348663A 2003-10-14 2006-12-25 環状ポリスルフィドを加硫剤として含む氷雪路用ゴム組成物及びそれを用いた氷雪路用空気入りタイヤ Expired - Fee Related JP4290723B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006348663A JP4290723B2 (ja) 2003-10-14 2006-12-25 環状ポリスルフィドを加硫剤として含む氷雪路用ゴム組成物及びそれを用いた氷雪路用空気入りタイヤ

Applications Claiming Priority (11)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003353974 2003-10-14
JP2003364613 2003-10-24
JP2003383943 2003-11-13
JP2003383808 2003-11-13
JP2003383849 2003-11-13
JP2003385220 2003-11-14
JP2003386800 2003-11-17
JP2003388197 2003-11-18
JP2003390979 2003-11-20
JP2003397146 2003-11-27
JP2006348663A JP4290723B2 (ja) 2003-10-14 2006-12-25 環状ポリスルフィドを加硫剤として含む氷雪路用ゴム組成物及びそれを用いた氷雪路用空気入りタイヤ

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005514684A Division JPWO2005035647A1 (ja) 2003-10-14 2004-10-13 環状ポリスルフィドを加硫剤として含むゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007107015A true JP2007107015A (ja) 2007-04-26
JP4290723B2 JP4290723B2 (ja) 2009-07-08

Family

ID=38033116

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006348663A Expired - Fee Related JP4290723B2 (ja) 2003-10-14 2006-12-25 環状ポリスルフィドを加硫剤として含む氷雪路用ゴム組成物及びそれを用いた氷雪路用空気入りタイヤ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4290723B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009024043A (ja) * 2007-07-17 2009-02-05 Sumitomo Rubber Ind Ltd タイヤ用ゴム組成物および空気入りタイヤ
WO2009031347A1 (ja) * 2007-09-05 2009-03-12 Sumitomo Rubber Industries, Ltd. スタッドレスタイヤ用ゴム組成物およびそれを用いたスタッドレスタイヤ
JP2010235661A (ja) * 2009-03-30 2010-10-21 Yokohama Rubber Co Ltd:The タイヤトレッド用ゴム組成物
JP2011105789A (ja) * 2009-11-12 2011-06-02 Sumitomo Rubber Ind Ltd スタッドレスタイヤ用ゴム組成物及びスタッドレスタイヤ
JP2011162020A (ja) * 2010-02-08 2011-08-25 Bridgestone Corp 空気入りタイヤ
JP2017075227A (ja) * 2015-10-14 2017-04-20 住友ゴム工業株式会社 タイヤ

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009024043A (ja) * 2007-07-17 2009-02-05 Sumitomo Rubber Ind Ltd タイヤ用ゴム組成物および空気入りタイヤ
WO2009031347A1 (ja) * 2007-09-05 2009-03-12 Sumitomo Rubber Industries, Ltd. スタッドレスタイヤ用ゴム組成物およびそれを用いたスタッドレスタイヤ
JP2009079206A (ja) * 2007-09-05 2009-04-16 Sumitomo Rubber Ind Ltd スタッドレスタイヤ用ゴム組成物およびそれを用いたスタッドレスタイヤ
US8592510B2 (en) 2007-09-05 2013-11-26 Sumitomo Rubber Industries, Ltd. Rubber composition for studless tire and studless tire using thereof
JP2010235661A (ja) * 2009-03-30 2010-10-21 Yokohama Rubber Co Ltd:The タイヤトレッド用ゴム組成物
JP2011105789A (ja) * 2009-11-12 2011-06-02 Sumitomo Rubber Ind Ltd スタッドレスタイヤ用ゴム組成物及びスタッドレスタイヤ
US8329799B2 (en) 2009-11-12 2012-12-11 Sumitomo Rubber Industries, Ltd. Rubber composition for studless tire and studless tire
JP2011162020A (ja) * 2010-02-08 2011-08-25 Bridgestone Corp 空気入りタイヤ
JP2017075227A (ja) * 2015-10-14 2017-04-20 住友ゴム工業株式会社 タイヤ

Also Published As

Publication number Publication date
JP4290723B2 (ja) 2009-07-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPWO2005035647A1 (ja) 環状ポリスルフィドを加硫剤として含むゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤ
JP6884150B2 (ja) トレッドを含むタイヤ
JP5440028B2 (ja) 空気入りタイヤ
CN106574078B (zh) 胎面用橡胶组合物和充气轮胎
JP2007039499A (ja) タイヤ用ゴム組成物
WO2008078822A1 (ja) タイヤ用ゴム組成物
JP4290723B2 (ja) 環状ポリスルフィドを加硫剤として含む氷雪路用ゴム組成物及びそれを用いた氷雪路用空気入りタイヤ
JP6423208B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP2013213129A (ja) タイヤ用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ
JP2016037532A (ja) 空気入りタイヤ
JP4290725B2 (ja) 環状ポリスルフィドを加硫剤として含むタイヤトレッド用ゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤ
JP5515867B2 (ja) タイヤトレッド用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ
JP2013023537A (ja) タイヤトレッド用ゴム組成物
JP2006249324A (ja) タイヤ用ゴム組成物
JP4290724B2 (ja) 環状ポリスルフィドを加硫剤として含むランフラットタイヤのサイド補強用ゴム組成物及びそれを用いたランフラット性能を有する空気入りタイヤ
JP3553890B2 (ja) タイヤ用ゴム組成物及びそれを用いるタイヤの製造方法
JP6435818B2 (ja) ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ
JP2021519724A (ja) トレッドを含むタイヤ
JP5617316B2 (ja) タイヤトレッド用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ
JP2005320374A (ja) タイヤトレッド用ゴム組成物
JP2021526479A (ja) トレッドを含むタイヤ
JP2003105138A (ja) 氷上性能が改良されたタイヤトレッド用ゴム組成物の製造方法
JP4215799B2 (ja) 環状ポリスルフィドを加硫剤として含むゴム組成物を用いたランフラットタイヤ用中子体及びそれを用いたランフラット性能を有する空気入りタイヤ
JP2014084361A (ja) タイヤ用ゴム組成物
JP6180948B2 (ja) タイヤ用加硫ゴム組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20080222

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20080325

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080401

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080602

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20081007

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20081202

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090303

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090401

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4290723

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120410

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120410

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120410

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130410

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130410

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130410

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140410

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees