JP4215799B2 - 環状ポリスルフィドを加硫剤として含むゴム組成物を用いたランフラットタイヤ用中子体及びそれを用いたランフラット性能を有する空気入りタイヤ - Google Patents

環状ポリスルフィドを加硫剤として含むゴム組成物を用いたランフラットタイヤ用中子体及びそれを用いたランフラット性能を有する空気入りタイヤ Download PDF

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Description

本発明は環状ポリスルフィドを加硫剤として含み、硫黄加硫可能なゴムの各種加硫物性(例えば場合によっては他の特定の成分と組合せて、耐熱老化性、発熱性、破断特性、耐疲労特性、ウェット性能、グリップ性能、氷雪路制動性、高速耐久性、転がり抵抗、横断安定性、高硬度、高強度、高伸びなど)を改良したゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤに関する。
硫黄加硫による架橋ゴムはポリスルフィド結合を含むため、耐熱性と加硫もどり性が劣る。これらの耐熱性と加硫もどり性の問題を改良するため、テトラスルフィドポリマーや環状ポリスルフィドなどの加硫剤が有効であることが知られている(非特許文献1及び特許文献1)。特に環状ポリスルフィドは架橋効率の面から好まれるが、いままで報告されている環状ポリスルフィドの製造法はその長い製造工程や高い原料が用いられるなどの問題により実用性に欠けている(特許文献2及び特許文献3)。
近年、空気入りタイヤについての種々の改良が行なわれている。そのような種々の改良の中で、耐熱老化性をあげようとして特許文献4にはEV架橋(即ち加硫促進剤を多量配合してポリスルフィド結合の比率を減らす)する方法が提案されているが、これには動的疲労性に劣るという問題があった。そこで耐熱老化性と動的疲労性のトレードオフを解決する方法が特許文献3に記載されているが、未だ十分とはいえないのが現状である。
また、空気入りタイヤのタイヤトレッド用ゴムとしては、耐摩耗性やグリップ力の向上が必要であるため引張強さや破断伸びの大きいゴム組成物が求められていた。一方、タイヤトレッド用のゴムは劣化しやすく、経時変化によってトレッドが硬化し、グリップが低下するばかりでなく、場合によってはトレッドの剥離などを引き起こす危険もあった。高性能タイヤのグリップ持続性を改良するために、例えば加硫剤や加硫促進剤による検討がされているが、特にフィラー量が多いゴム組成物においては、グリップの高さと持続性を満足いくレベルで両立させることはできていない(特許文献5及び特許文献6参照)。
アンダートレッド用のゴムとしては、高速耐久性の向上のために、高い引張強さ及び破断伸びを示すゴム組成物が求められていた。一方で、操縦安定性改良のための高硬度なアンダートレッドや、低燃費性改善のための低tanδなアンダートレッドも要求されており、これらの物性はトレードオフの関係にあった。このような観点から、高硬度で、かつ、強度、伸びが高く、tanδの上昇のないゴム組成物が望まれている。
更に近年の空気入りタイヤについての種々の改良の中でビードフィラー用のゴムとしては、耐疲労性の向上のために、高い引張強さ及び破断伸びを示すゴム組成物が求められている(例えば特許文献7参照)。一方で、操縦安定性改良のための高硬度なビードフィラーや、低燃費性改善のための低tanδなビードフィラーも要求されており(例えば特許文献8参照)、これらの物性はトレードオフの関係にあった。このような観点から、高硬度で、かつ、強度、伸びが高くtanδの上昇のないゴム組成物が望まれている。
空気入りタイヤが自動車などの走行中にパンクやバーストなどによって内圧が急激に低下した場合でも、一定距離を走行できる緊急走行可能性を有するランフラットタイヤに対するニーズがあり、かかるニーズに応えて多くの提案がなされている。かかる提案として、例えば特許文献9及び特許文献10には、空気入りタイヤの内空洞部のリム上にランフラット用支持体(中子体)を装着し、それによってパンク等をした空気入りタイヤを支持することによりランフラット走行を可能にする技術が開示されている。このようなランフラットタイヤのサイド補強層に用いられるゴムは、低発熱性と高硬度が要求されるために、多量のポリブタジエンゴム(BR)配合や高架橋密度の配合となっている。しかしながら、サイド補強ゴムは厳しい耐熱性と耐疲労性が求められるために、耐熱性をあげようとしてEV架橋(即ち加硫促進剤を硫黄より多く配合して、モノ、ジスルフィド結合の割合を増加)すると屈曲疲労性が劣り、逆に通常の架橋(即ち硫黄を促進剤より多くしてポリスルフィドの割合を多く)すると屈曲疲労性は改善されるが、耐熱性や老化物性が悪化するという二律背反の問題を抱えていた。
またサイド補強ゴム配合は多量のポリブタジエンゴム配合のため、新品(老化前)でも破断伸びが低いため、長期走行後(老化後)のランフラット耐久性に限界があった。またランフラットタイヤはサイド部が厚いので、加硫の際タイヤの内部に熱が伝わりにくく、高温加硫では表面付近と内部の物性差が大きくなり、低温加硫では生産性が悪いという問題があった。
ランフラット用中子体1は、図1に示すように、空気入りタイヤ2の内空洞部3に配置され、環状金属シェル4及び弾性リング5とから構成され、リム6に支持されている。ランフラット用中子の弾性リングには低発熱性と高硬度が求められるが、低発熱を保ちながら高硬度化する(架橋密度を上げる)と、破断伸びが小さくなるために、ランフラット走行時の耐久性に限界があるという問題があった。また、中子体1の弾性リングは常にリムに接触しているため、通常走行中にブレーキから発生する熱がリムに伝わり、長期間に渡りかなりの高温にさらされる。そのためゴムの耐熱老化性が悪いと、ランフラット状態になったときに所望の性能を発揮できないという問題があった。
更に、従来の空気入りタイヤのインナーライナーにはブチルゴム又はハロゲンブチルゴムなどのブチルゴム類が一般に使用されているが(例えば特許文献11参照)、ブチルゴム類はカーボンブラックなどの補強性に乏しいため、ブチルゴム類の組成物は機械物性に劣り、その利用用途に限界があった。
更に、空気入りタイヤのベルトコートコンパウンドには高い剛性が求められるが、剛性を上げようとしてカーボンブラックを増量したり、加硫剤である硫黄や加硫促進剤を増量すると、伸びが低下して耐疲労性が悪化し、その結果、ベルトの端部でセパレーションが起こりタイヤに不具合が発生するので、高い剛性及び伸びを確保する必要性がある(特許文献12)。また、高い接着性を付与するために硫黄を大量に配合することが提案されているが(特許文献13)、それが原因で耐熱老化性の悪化を招いており、耐熱老化性を上げるには老化防止剤を増量すれば良いが、ワイヤ(金属)との接着を阻害するおそれがあるという問題がある。
特開平10−120788号 特開昭58−122944号公報 特開2002−293783号公報 特開平6−57040号公報 特開2001−348461号公報 特開平10−151906号公報 特開2002−105249号公報 特開平5−51487号公報 特開平10−297226号公報 特表2001−519279号公報 特開平10−87884号公報 特開2001−226528号公報 特開2000−233603号公報 山崎升ら:日本ゴム協会1981年研究発表会要旨集、P.532−17
従って、本発明は従来の硫黄加硫の少なくとも一部に代えて環状ポリスルフィドを用いることにより、前述のような従来の空気入りタイヤ業界における種々の問題点を解決して、加硫ゴムの各種物性を改善したゴム組成物を用いて弾性リングを構成したランフラットタイヤ用中子体及びそれを用いた空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明に従えば、(A)硫黄加硫可能なゴム100重量部並びに、加硫剤として、式(I):
Figure 0004215799
(式中、Rは置換もしくは非置換のC2〜C20アルキレン基、置換もしくは非置換のC2〜C20オキシアルキレン基又は芳香族環を含むアルキレン基を示し、nは1〜20の整数であり、xは平均2〜6の数である)
の環状ポリスルフィド(B)0.1〜30重量部を含んでなるゴム組成物を用いて弾性リングを構成したランフラットタイヤ用中子体が提供される。
本明細書中及び添付した請求の範囲中において使用する単数形(a,an,the)は、文脈からそうでないことが明白な場合を除いては複数の対象を含むものと理解されたい。
本発明においては、ゴム組成物中の加硫剤として従来の硫黄の少なくとも一部(場合によっては全部)に代えて、前記式(I)の環状ポリスルフィド(B)を配合する。このような環状ポリスルフィドは例えば以下のようにして製造することができる。即ち、前記式(I)の環状ポリスルフィドは、式:X−R−X(式中、Xは、それぞれ独立に、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、好ましくは塩素、臭素のハロゲン原子を表し、Rは、置換もしくは非置換のC2〜C20のアルキレン基、置換もしくは非置換のC2〜C20のオキシアルキレン基又は芳香族環を含むアルキレン基、好ましくは前記置換もしくは非置換のC2〜C18、更に好ましくはC4〜C10のアルキレン基を示し、これらの置換基としてはフェニル、ベンジル、ビニル、シリル、エポキシ、イソシアネートなどがあげられる)のジハロゲン化合物とアルカリ金属の多硫化物M−Sx−M(式中、Mはアルカリ金属、例えばナトリウム、カリウム、リチウムなどであり、xは2〜6の整数、好ましくは3〜5である)とを、親水性溶媒又は親水性及び親油性溶媒性非相溶性混合溶媒中で2相系で反応させることによってか、又はM−Sx−Mの溶液(溶媒としては水及びC1 〜C4 脂肪族アルコールを用いることができ、水の使用が最も好ましい)中にX−R−XをM−Sx−MとX−R−Xとが界面で反応するような速度で添加して反応させることによって、製造される(特開2002−293783号公報参照)。なお、後者の方法でX−R−Xの添加速度が速すぎると、X−R−Xの濃度が高くなり、界面以外での反応も起こり、分子間の反応が優先され鎖状になるので好ましくない。従って、M−Sx−MとX−R−Xの反応をできるだけ不均一系で界面だけで反応させることが環状ポリスルフィドを得るのに好ましい。
前記一般式X−R−X及び式(I)の基Rとしては、例えばエチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン、ヘキシレン、オクチレン、ノニレン、デシレン、1,2−プロピレンなどの直鎖又は分岐鎖のアルキレン基があげられ、これらのアルキレン基はフェニル基、ベンジル基などの置換基で置換されていてもよい。基Rとしては更にオキシアルキレン基を含むアルキレン基、例えば基(CH2CH2O)p及び基(CH2)q(式中、pは1〜5の整数であり、qは0〜2の整数である)が任意に結合したオキシアルキレン基を含むアルキレン基とすることができる。好ましい基Rは
−CH2CH2OCH2CH2−,−(CH2CH2O)2CH2CH2−,
−(CH2CH2O)3CH−CH2−,−(CH2CH2O)4CH2CH2−,
−(CH2CH2O)5CH2CH2−,−(CH2CH2O)2CH2−,
−CH2CH2OCH2OCH2CH2−であり、特にxは平均として3〜5が好ましく、3.5〜4.5が更に好ましい。nは好ましくは1〜15の整数であり、更に好ましくは1〜10、一層好ましくは1〜5の整数である。
前記ジハロゲン化合物と前記アルカリ金属多硫化物との反応は、当量反応であり、実用的には両化合物を0.95:1.0〜1.0:0.95(当量比)で反応させ、好ましくは50〜120℃、更に好ましくは70〜100℃の温度で実施する。
本発明に用いる親水性溶媒又は親水性/親油性溶媒の非相溶性混合溶媒については特に限定はなく、実際の反応系においては、親水性溶媒単独又は非相溶で2相を形成する任意の混合溶媒系を用いることができる。具体的には、例えば親水性溶媒としては、水の他、メタノール、エタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール等のアルコール類をあげることができ、これらは任意の混合物として使用することもできる。またこれらの親水性溶媒と混合して使用される親油性溶媒としては、トルエン、キシレン、ベンゼン等の芳香族炭化水素類、ペンタン、ヘキサン等の脂肪族炭化水素類、ジオキサン、ジブチルエーテル等のエーテル類、酢酸エチル等のエステル類などをあげることができ、これらは任意の混合物として使用することもできる。
前記ジハロゲン化合物と前記アルカリ金属の多硫化物との親水性溶媒中で又は非相溶性混合溶媒系で反応させる界面での反応は、当量反応であり、実用的には両化合物を0.95:1〜1:0.95(当量比)で反応させ、反応温度は好ましくは50〜120℃、更に好ましくは70〜100℃である。反応させるジハロゲン化合物は、2種類以上のジハロゲン化合物であることが好ましい。よって、ジハロゲン化合物としては例えばジクロロエチルホルマール及びジクロロエタンの混合物と、金属多硫化物として、例えば多流化ソーダとを反応させるのが好ましい。
前記反応において触媒は必要ではないが、場合によって触媒として4級アンモニウム塩、ホスホニウム塩、クラウンエーテルなどを用いることができる。例えば、(CH34+Cl-,(CH34+Br-,(C494+Cl-,(C494+Br-,C1225+(CH33Br-,(C494+Br-,CH3+(C653-,C1633+(C493Br-,15−crown−5,18−crown−6,ベンゾ−18−crown−6等を用いることができる。特にアルキレン骨格の環状ポリスルフィド(B)を製造する場合には、触媒の使用が好ましい。
本発明において使用する前記環状ポリスルフィド(B)はジエン系ゴム100重量部に対し0.1〜20重量部、好ましくは0.5〜20重量部配合する。この配合量が少な過ぎると加硫剤としての効果が現われず、加硫ゴムの強度低下などが発生するので好ましくなく、逆に多過ぎると加硫度が上がりすぎたり、粘度が下がりすぎるので好ましくない。
本発明において成分(A)として使用する硫黄加硫可能なゴムとしては、従来よりタイヤ、その他用として一般的に使用されている任意のゴム、例えば各種天然ゴム(NR)、各種ポリイソプレンゴム(IR)、各種ポリブタジエンゴム(BR)、各種スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム、クロロプレンゴム(CR)などのジエン系ゴム及びそれらの部分水添物や(ハロゲン化)ブチルゴム(IIR)、エチレン−プロピレンジエン共重合体ゴム(EPDM)、アクリルゴム(ACM)などをあげることができ、これらは単独又は任意のブレンドとして使用することができる。
本発明においては、加硫ゴムの耐熱老化性及び発熱性にすぐれた、ランフラットタイヤ用中子体の弾性リング用として有用なゴム組成物を開発することを目的とし、前記硫黄加硫可能なゴムとして、天然ゴム及び/又はポリイソプレンゴム100重量部に、加硫剤として前記式(I)(式中、Rは−(CH2m −(式中、mは2〜20の整数である)であり、nは1〜15の整数、好ましくは1〜10、より好ましくは1〜5であり、xは平均4より大きく6以下の数である)の環状ポリスルフィド1〜30重量部を含むゴム組成物を用いたランフラットタイヤ用中子体が提供される。
本発明では、以下の実施例にも示すように、天然ゴム及び/又はポリイソプレンを用いて耐熱老化性及び発熱性にすぐれたゴム組成物が提供される。
本発明の好ましい態様では前記式(I)の環状ポリスルフィドは少なくとも2種のジハロゲン化合物(例えば、ジクロロエチルホルマール、ジクロロエタン)と、式(III):
M−Sx−M (III)
(式中、Mは周期律表IA族の金属であり、Xは平均3より大きく6以下の数である)
の金属多硫化物(例えば多硫化ソーダ)とを親水性溶媒又は親水性溶媒と親油性溶媒との非相溶性混合溶媒系中で相間移動触媒の存在下又は不在下に、50〜150℃、好ましくは50〜120℃の温度で反応させて得られる。この環状ポリスルフィドは1種のジハロゲン化合物を用いた場合に比べて、粘度が低く、加硫効率の高い加硫剤が得られる。
本発明において、前記反応は、好ましくは、適当な相間触媒の存在下に50〜150℃の温度、好ましくは50〜120℃の温度で反応させる。相間触媒の例としては、4級アンモニウム塩、ホスホニウム塩、クラウンエーテル、脂肪酸金属塩などを用いることができる。例えば、(CH34+Cl-,(CH34+Br-,(C494+Cl-,(C494+Br-,C1225+(CH33Br-,(C494+Br-,CH3+(C653-,C1633+(C493Br-,15−crown−5,18−crown−6,Benzo−18−crown−6や、RCOO-Na+,RSO3 -Na+,(RO)2PO2 -Na+(式中、Rはアルキル基を示す)等が挙げられる。
本発明によれば、ランフラットタイヤのサイド補強ゴムの欠点である低破断伸びを大幅に改善できると共に、耐熱性と耐疲労性とを両立させ、また耐老化性も向上させることを目的とし、(i)ガラス転移温度(Tg)が−80℃以下のポリブタジエンゴム50重量部以上を含むゴム100重量部、(ii)窒素吸着比表面積(N2SA)が70m2/g以下のカーボンブラック20〜70重量部及び(iii)式:X−R−X(式中、Xはそれぞれ独立にハロゲン原子を表し、Rは置換もしくは非置換のC2〜C20のアルキレン基、置換もしくは非置換のC2〜C20のオキシアルキレン基又は芳香族環を含むアルキレン基を示す)のジハロゲン化合物と、式:M−Sx−M(式中、Mはアルカリ金属であり、xは2〜6の整数である)のアルカリ金属の多硫化物とを反応させて得られる前記式(I)(式中、xは平均2〜6の数、nは1〜15の整数、Rは置換もしくは非置換のC2〜C20アルキレン基、置換もしくは非置換のC2〜C20オキシアルキレン基又は芳香族環を含むアルキレン基を示す)で表される環状ポリスルフィド2〜15重量部を含むランフラットタイヤのサイド補強用ゴム組成物が提供され、また、前記ゴム組成物をサイド部の内側に断面三日月状に挿入されるサイド補強ゴム及び/又はビードフィラーに用いた、ランフラット性能を有する空気入りタイヤが提供される。
本発明に従えば、前記環状ポリスルフィドを加硫剤として用いることにより、サイド補強ゴムの欠点であった低破断伸びを大幅に改善できるとともに、ポリスルフィド結合の割合を減らしつつ架橋の柔軟性を付与することで耐熱性と耐疲労性を両立することができ、更に耐老化性も向上させることできる。
本発明において使用するゴム成分は、合計ゴム量100重量部に対し、Tgが−80℃以下(好ましくは−85〜−110℃)のポリブタジエンゴム(BR)を50重量部以上、好ましくは55〜80重量部含む必要がある。このBRの配合量が少な過ぎると低発熱性を満足できないので好ましくない。
本発明においてポリブタジエンゴム(BR)に加えて使用されるゴム成分としては、従来よりタイヤ、その他用として一般的に使用されている任意のジエン系ゴム、例えば天然ゴム(NR)、ポリイソプレンゴム(IR)、各種スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム(NBR)、及びこれらの部分水添物、変性物、エチレン−プロピレンゴム(EPDM)などをあげることができ、これらは単独又は任意のブレンドとして使用することができる。
本発明のゴム組成物に使用されるカーボンブラックは従来からタイヤ用などとして一般的に使用されているカーボンブラックとすることができるが、その窒素吸着比表面積(N2SA)(JIS K6217−2に準拠して測定)は70m2/g以下、好ましくは20〜65m2/gである必要がある。この窒素吸着比表面積が大き過ぎるとゴムの発熱が大きくなり、ランフラット耐久性を悪化させるので好ましくない。前記カーボンブラックは、ゴム成分100重量部に対し、20〜70重量部、好ましくは30〜60重量部配合する。この配合量が少な過ぎるとゴムが柔か過ぎてパンク時に車重を支持できないので好ましくなく、逆に多過ぎると発熱が大きくなるので好ましくない。
本発明のゴム組成物に配合する前記式(I)の環状ポリスルフィドは、例えば前述のようにして製造することができる。
本発明のゴム組成物には、必要に応じ、スルフェンアミド系加硫促進剤(例えば、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N′−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)やチウラム系加硫促進剤(例えば、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、テトラベンジルチウラムジスルフィド、テトラキス(2−エチルヘキシル)チウラムジスルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド)を加硫促進剤として、ゴム100重量部当り、好ましくは1〜5重量部、更に好ましくは1.5〜4重量部使用することによって、より架橋効率を高め、耐熱性と耐疲労性を向上させることができるので好ましい。
本発明に従ったゴム組成物は、常法に従って、ランフラットタイヤのサイド部内側に断面三日月状に挿入されるサイド補強ゴム及び/又はビードフィラーに用いることができる。また環状ポリスルフィド架橋はリバージョンが起こりにくいので、タイヤ加硫の際少なくともサイド部内側(ブラダー側)を高温で加硫しても内部まで物性変化を少なくすることができ、加硫生産性を向上させることができる。
本発明に係るゴム組成物には、前記した必須成分に加えて、カーボンブラック、シリカなどの補強剤(フィラー)、加硫促進剤、各種オイル、老化防止剤、可塑剤、シランカップリング剤などのタイヤ用、その他一般ゴム用に一般的に配合されている各種添加剤を配合することができ、かかる配合物は一般的な方法で混練して組成物とし、加硫するのに使用することができる。これらの添加剤の配合量も本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。
以下、本発明について、図1に示す実施形態により具体的に説明する。図1は本発明のタイヤホイール用中子体の代表的な実施態様の要部を示す子午線断面図である。
図1に示すように、本発明に係るランフラットタイヤ用中子体1は空気入りタイヤ2の空洞部3に挿入される環状金属シェル4と、ゴム状弾性体リング5とから形成される。このランフラットタイヤ用中子体1は、外径が空気入りタイヤ2の空洞部3の内面と一定距離を保つように空洞部3の内径よりも小さな形状をし、かつその内径は空気入りタイヤのビード部の内径と略同一の寸法に形成されている。このランフラットタイヤ用中子体1は、空気入りタイヤ2の内側に挿入された状態で空気入りタイヤ2と共にホイールのリム6に組み込まれ、タイヤホイール中子体が構成される。このタイヤホイール中子体が自動車などに装着されて走行中に空気入りタイヤがパンクなどすると、そのパンクして潰れたタイヤ2がランフラットタイヤ用中子体1の外周面に支持された状態になって、ランフラット走行が可能となる。
以上の通り、本発明のタイヤホイール組立体のランフラットタイヤ用中子体は、環状金属シェルと弾性リングとから構成されており、環状金属シェル4は、外側にパンクなどをしたタイヤを支えるため連続した支持面を形成し、内側は左右の側壁を脚部とした形状をしている。外側の支持面は、種々の形状をとることができ、例えば図1に示すようなその周方向に直交する横断面の形状が外側に凸曲面になるような形状のものの他、平坦なものやその凸曲面のタイヤ軸方向に並ぶ数が3以上のものや、2以上の凸曲面から構成され、その凹部に断面が円状の弾性リングを配してランフラット走行時の衝撃緩和能力を付与させたり、そして/又は、環状金属シェルをゴム状弾性体で分離させて金属シェルの側壁が直接リムと当接し、安定した係合状態を維持できるようにした形状などとすることができる(特願2002−271795号参照)。このように支持面を形成するような場合にも金属とゴム状弾性体との接着を本発明に従って高めればタイヤのランフラット走行持続距離を伸ばすことができる。
弾性リングは、環状金属シェルの両脚部の端部にそれぞれ取り付けられ、そのまま左右のリム上に当接することにより環状金属シェルを支持する。このゴム状弾性リングはゴムから構成され、パンクなどをしたタイヤから環状金属シェルが受ける衝撃や振動を緩和すると共に、リムに対する滑り止めの作用をし、環状金属シェルをリム上に安定支持する。
ランフラット用中子体1を構成する環状金属シェル4とゴム状弾性リング5とは強固な接着力を有するが、好ましくは所定の接着面積を確保するのが良い。リム作業時やランフラット走行時の負荷はリム径R(インチ)により無次元化され、接着面積をS(cm2 )としたときに、その比S/Rが4.5cm2 /インチ以上、好ましくは8〜20cm2 /インチであると良い。ここで接着面積とは環状金属シェルの片側端部における金属とゴム状弾性体との接着面積、即ちその周方向に直交する横断面における環状金属シェル端部のゴム状弾性体と接している金属シェルの表/裏面及び端面を周方向に一周させた全接着面積をいう。
さらに、環状金属シェル4とゴム状弾性リング5との接着面は軸方法と、径方向とによって構成されることが良く、両者が略同等であると一層好ましい。かかることによってランフラット走行時に発生する軸方向、径方向の力の双方に耐える構造が形成される。
図1において、ランフラット用中子体1、空気入りタイヤ2、リム6は、ホイールの回転軸(図示せず)を中心として共軸に環状に形成されている。なお、金属シェル4の寸法には特に限定はないが、好ましくは厚さ0.5〜3.0mm、幅は左右タイヤビードトウの間隔と略等しくする。
本発明のタイヤホイール中子体は、パンクなどをしたタイヤを介して自動車などの重量を支えるようにするため、環状金属シェル4は金属材料から構成する。そのような金属としては、鉄、ステンレススチール、アルミニウム、チタン及びそれらの合金などを例示することができる。
リム組み性を容易にすべく、弾性リング断面形状において、窪みや切り欠き加工した場合には、局所的応力集中が発生しやすい。上記伸び特性が確保されていると、リム組み時に、弾性リングの損傷がなくなり、好ましく利用される。然るに本発明に従えば、環状ポリスルフィドを配合するので、弾性リングに窪みや切り欠きのあるものでも、伸びが確保されているためにリム組み中の損傷を防止でき、好ましい。
以下、実施例によって本発明を更に説明するが、本発明の範囲をこれらの実施例に限定するものでないことはいうまでもない。
環状ポリスルフィド1
30%多硫化ソーダ(Na24)水溶液89.76g(0.15mol)に水80g、硫黄4.8g(0.15mol)及び触媒としてテトラブルチアンモニウムブロミド1.16g(0.0045mol)を入れて80℃で2時間反応させた後、トルエン100gを加え、90℃で1,6−ジクロロヘキサン23.3g(0.15mol)を1時間滴下し、さらに4時間反応させた。反応終了後、有機相を分離し減圧下90℃で濃縮した後、xが平均5の式で示される環状ポリスルフィドを35.2g(収率95%)で得た。
1HNMR(270MHz,CDCI3)δ(ppm):1.4-1.9(8H,-CH2-),2.9-3.3(4H,-S-CH2-).
Figure 0004215799
(xは平均5であり、nは1〜4の数である。)
環状ポリスルフィド2
特開2002−293783号公報の実施例2の方法に従って合成した、式(I)において、R=(CH22O(CH2)O(CH22、x(平均)=4及びn=1〜2の環状ポリスルフィド
基準例1、参考例1〜4及び比較参考例1
本発明のゴム加硫剤の配合物性を評価するため以下の試験を行なった。
ゴムへの配合(重量部)は表I−1に示す通りである。
Figure 0004215799
表I−1脚注
*1:Nipol BR1220 (Tg=−100℃)(日本ゼオン)
*2:TSR 20
*3:ダイアブラックE (三菱化学,N2SA=33m2/g)
*4:ショウブラックN339 (昭和キャボット,N2SA=90m2/g)
*5:亜鉛華#3 (正同化学)
*6:ビーズステアリン酸 (花王)
*7:クリステックスHSOT20 (フレクシス)
*8:前記合成環状ポリスルフィド1
*9:前記合成環状ポリスルフィド2
*10:ノクセラーNS−F (大内新興化学製スルフェンアミド系)
*11:ノクセラーTOT−N (大内新興化学製チウラム系)
上記表I−1に示す配合(重量部)のゴム組成物を8インチのオープンロールで混合した後、160℃及び20分の加硫条件でゴムを加硫した。その結果を表I−1に示す。試験方法は以下の通りである。
100%モジュラス:JIS K6251(JIS 3号ダンベル形状)に準拠して測定。
破断強度TB:JIS K6251(JIS 3号ダンベル形状)に準拠して測定。
破断伸びEB:JIS K6251(JIS 3号ダンベル形状)に準拠して測定。
デマチャ屈曲亀裂成長試験:JIS K6260に準拠し、あらかじめ切れ込みを入れた加硫ゴム試験片をチャック間65mm、ストローク20mm、屈曲速度300rpmにて屈曲させ、1000回屈曲ごとに亀裂の成長長さを測定し、亀裂がサンプル両端部まで達したときの回数を表に示した。回数が多いほど耐クラック成長性が優れていることを示す。
ゴム発熱性:ランフラット走行時のサイド補強ゴムの発熱性を以下の試験で評価した。
厚さ5mm、幅25mmの加硫ゴムシートをデマチャ屈曲亀裂成長試験機に取り付け、ストローク40mm、屈曲速度300rpmで屈曲させ、30分後のサンプル中央部の表面温度を非接触式の温度計にて測定した。温度が高いほど屈曲によるゴムの発熱性が高いことを示す。
基準例1は従来のサイド補強ゴムの例でこのゴムを基準として評価した。参考例1は環状ポリスルフィド1を硫黄の半量置換したもので、耐熱老化性が向上し、耐クラック成長性も向上した。比較参考例1はカーボンが規定外のもので、屈曲による発熱性が大きかった。参考例2は環状ポリスルフィド1を硫黄と全量置換したもので、耐熱老化性がさらに向上し、耐クラック成長性も向上した。参考例3は加硫促進剤にチウラム系を使用した例で、さらに耐熱老化性が向上している。参考例4は環状ポリスルフィド2を使用した例で、耐熱老化性がさらに向上し、クラック成長性も大幅に向上している。
標準例1及び実施例1〜5
本発明のゴム組成物の配合物性を評価するため以下の試験を行なった。
ゴム組成物の配合(重量部)は表II−1に示す通りである。
Figure 0004215799
表II−1脚注
*1:TSR20
*2:HTC100(新日化カーボン)
*3:亜鉛華#3(正同化学)
*4:ビーズステアリン酸(花王)
*5:ノクラック6C(大内新興化学)
*6:ナフテン酸コバルト(Co含量10%)(大日本インキ化学)
*7:ヒタノール2501Y(日立化成)
*8:油処理硫黄(軽井沢精錬所)
*9:前記環状ポリスルフィド1
*10:ノクセラーDM(チアゾール系)(大内新興化学)
*11:ノクセラーTOT−N(チウラム系)(大内新興化学)
*12:ノクセラーNS−F(スルフェンアミド系)(大内新興化学)
*13:ケムロック205(LORD社)
上記表II−1に示す配合(重量部)のゴム組成物のうち加硫剤を除いた成分を16リットルの接線式ミキサーで混合した後、加硫剤を8インチのオープンロールで混合した後、160℃及び20分の加硫条件でゴムを加硫した。その結果を表II−1に示す。試験方法は以下の通りである。
100%モジュラス:JIS K6251(JIS 3号ダンベル形状)に準拠して測定
破断強度TB:JIS K6251(JIS 3号ダンベル形状)に準拠して測定
破断伸びEB:JIS K6251(JIS 3号ダンベル形状)に準拠して測定
ランフラット耐久試験:標準例1及び実施例1〜5の配合を弾性リングに使用した中子体を作成し、16×6.5JJのリム、205/55R16タイヤの内部に組み込んだ。これを排気量2.5リットルの乗用車の右前輪に装着し、空気圧を0kPaとして、楕円周回路を時速90km/hで反時計回りに走行させ、ドライバーが異常を感じ走行を中止するまでの距離を測定した。結果は標準例1の値を100とした指数で表示し、数値が大きいほど耐久性に優れることを示す。
標準例1は従来の典型的な弾性リング配合で、この組成物の物性とランフラット走行距離を基準として、他の例の評価を行なった。実施例1は加硫剤を適切量配合した例で、標準例1より低いモジュラスでもランフラット性能は同等であった。実施例2は硫黄と環状ポリスルフィドを併用し、その比率を適切にした例で、ゴム物性が良くなり、ランフラット性能が向上した。実施例3は促進剤をチウラム系にした場合で、さらにランフラット性能が向上した。実施例4は促進剤をスルフェンアミド系にして促進剤比率を上げた場合で、さらにランフラット性能が向上した。実施例5は弾性リング用ゴム組成物に有機酸コバルトとアルキルフェノール樹脂とを配合した例で、シェルに接着剤を塗布することなく直接接着が可能となった。
環状ポリスルフィド3
30%多硫化ソーダ(Na24)水溶液119.7g(0.2mol)をトルエン50gの混合溶媒中、テトラブチルアンモニウムプロマイド0.64g(1mol%)を入れ、ジクロロエチルホルマール34.6g(0.2mol)をトルエン30gに溶解し、90℃で30分滴下し、さらに5時間反応させた。反応後、有機相を分離し減圧下90℃で濃縮した後、環状ポリスルフィド3を45.0g(収率97.8%)を得た。得られた環状ポリスルフィドはGPCで確認したところ数平均分子量570であった。
環状ポリスルフィド4
1,2−ジクロロエタン1.98g(0.02mol)と30%多硫化ソーダ(Na24)水溶液1197g(2mol)とをトルエン500gの混合溶媒中、テトラブチルアンモニウムプロマイド0.64g(0.1mol%)を入れ、50℃で2時間反応させた。続いて、ジクロロエチルホルマール311.0g(1.8mol)をトルエン300gに溶解し、反応温度を90℃に上げ、1時間滴下し、さらに5時間反応させた。反応後、有機相を分離し減圧下90℃で濃縮した後、環状ポリスルフィド4を405g(収率96.9%)で得た。得られた環状ポリスルフィドはGPCで確認したところ数平均分子量530であった。
環状ポリスルフィド5
1,2−ジクロロエタン1.98g(0.02mol)と30%多硫化ソーダ(Na24)水溶液119.7g(0.2mol)をトルエン50gの混合溶媒中、テトラブチルアンモニウムプロマイド0.64g(1mol%)を入れ、50℃で2時間反応させた。続いて、ジクロロエチルホルマール31.1g(0.18mol)をトルエン30gに溶解し、反応温度を90℃に上げ、30分滴下し、さらに5時間反応させた。反応後、有機相を分離し減圧下90℃で濃縮した後、環状ポリスルフィド5を43.8g(収率98%)で得た。得られた環状ポリスルフィド5はGPCで確認したところ数平均分子量630であった。
Figure 0004215799
基準例2、参考例5及び6並びに比較参考例1
サンプルの調製
表III−2に示す配合において、加硫促進剤と硫黄を除く成分を密閉型ミキサーで混練し、マスターバッチを得た。このマスターバッチに加硫促進剤と硫黄をオープンロールで混練し、ゴム組成物を得た。
次に得られたゴム組成物を15×15×0.2cmの金型中で150℃で30分間加硫して加硫ゴムシートを調製し、以下に示す試験法で加硫ゴムの物性を測定した。結果は表III−2に示す。
ゴム物性評価試験法
100%及び300%モジュラス(MPa):JIS K6251に準拠して測定
破断強度TB(MPa):JIS K6251に準拠して測定
破断伸びEB(%):JIS K6251に準拠して測定
Figure 0004215799
表III−2脚注
*1:RSS #3
*2:東海カーボン(株)製シーストN
*3:正同化学(株)製亜鉛華3
*4:花王(株)製ビーズステアリン酸
*5:大内新興化学(株)製ノクラック6C
*6:大内新興化学(株)製ノクセラーNS−F
*7:軽井沢精錬所(株)製油処理硫黄
*8:表III−1参照
*9:表III−1参照
*10:表III−1参照
本発明によれば、以上の通り、2種類以上のジハロゲン化合物を用いて金属の多硫化物と縮合反応させることにより、ゴム組成物中に加硫剤として配合した場合に、ゴム組成物の粘度上昇を超えず、また加硫効率の低下も生ずることなく耐熱老化性が優れるゴム組成物を得ることができるので空気入りタイヤのキャップ、ベルト、ホース、コンベアベルトなどとして有用である。
本発明のゴム組成物はランフラット性能及び耐熱老化性に優れるので、例えばランフラットタイヤ用中子体の弾性リングなどとして有用である。
本発明に係るタイヤホイール中子体の一実施態様の要部を示す子午線断面図である。
符号の説明
1 ランフラット用中子体
2 空気入りタイヤ
3 空洞部
4 環状金属シェル
5 弾性リング
6 リム

Claims (10)

  1. タイヤ/リムの内空洞に、環状金属シェル及びそれをリムに支持させる弾性リングを含んでなるランフラットタイヤの中子体において、硫黄加硫可能なゴム(A)100重量部並びに加硫剤として式(I):
    Figure 0004215799
    (式中、Rは置換もしくは非置換のC2〜C20アルキレン基、置換もしくは非置換のC2〜C20オキシアルキレン基又は芳香族環を含むアルキレン基を示し、nは1〜20の整数であり、xは平均2〜6の数である)
    の環状ポリスルフィド(B)0.1〜30重量部を含んでなるゴム組成物を用いて弾性リングを構成したランフラットタイヤ用中子体。
  2. 前記式(I)(但し、式中nは1〜15の整数である)で表される環状ポリスルフィド(B)及び硫黄(D)を(D)/(B)(重量比)が0〜2の硫黄(D)を更に含む請求項1に記載の中子体。
  3. 前記環状ポリスルフィド(B)及び前記硫黄(D)の合計量が1〜20重量部である請求項1又は2に記載の中子体。
  4. 前記弾性リング用ゴム組成物の加硫促進剤としてスルフェンアミド系及び/又はチウラム系加硫促進剤を用い、その配合量が環状ポリスルフィド(B)及び硫黄(D)の合計量に対し重量比で0.5〜4.0倍である請求項1〜3のいずれか1項に記載の中子体。
  5. 前記弾性リング用ゴム組成物が有機酸コバルトをコバルト元素含有量で0.1〜5重量部、かつ/又はレゾール型アルキルフェノール樹脂を1〜6重量部更に含む請求項1〜4のいずれか1項に記載の中子体。
  6. タイヤの呼び内径をR(インチ)、弾性リングと環状金属シェルとのゴム/金属の接着面積をS(cm2)としたときに、S/Rが4.5cm2/インチ以上である請求項1〜5のいずれか1項に記載の中子体。
  7. 環状金属シェルと弾性リングとの接着面が略軸方向面と略径方向面の少なくとも2面によって構成されている請求項1〜6のいずれか1項に記載の中子体。
  8. 弾性リングの断面が、中子体径方向の略中央部の外側に、窪み及び/又は切り欠きを有する請求項1〜7のいずれか1項に記載の中子体。
  9. 前記式(I)の環状ポリスルフィド(B)がジクロロエチルホルマール及びジクロロエタンの2種のジハロゲン化合物と式(III):
    M−Sx−M (III)
    (式中、Mは周期律表IA族の金属であり、Xは平均3より大きく6以下の数である)
    の金属多硫化物とを親水性溶媒又は親水性溶媒と親油性溶媒との非相溶性混合溶媒系中で相間移動触媒の存在下又は不存在下に、50〜150℃の温度で反応させて得られるものである請求項1〜8のいずれか1項に記載の中子体。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の中子体を用いたランフラット性能を有する空気入りタイヤ。
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