JP2007210565A - ランフラットタイヤホイール組立体 - Google Patents

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JP2007210565A JP2006035585A JP2006035585A JP2007210565A JP 2007210565 A JP2007210565 A JP 2007210565A JP 2006035585 A JP2006035585 A JP 2006035585A JP 2006035585 A JP2006035585 A JP 2006035585A JP 2007210565 A JP2007210565 A JP 2007210565A
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武 穂高
Tomoaki Sugiyama
智明 杉山
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Abstract

【課題】ランフラット用支持体の耐久性およびランフラット走行性を改善することが可能なランフラットタイヤ組立体の提供。
【解決手段】タイヤと、前記タイヤが装着されたリムを有するホイールと、前記タイヤの内面と前記リムとの間に形成された内空洞部130に配設されたランフラット用支持体110とを有し、ランフラット用支持体110が、環状金属支持部材140、及び環状金属支持部材の縁部に延在する一対のゴム状弾性体150,151を含んで成るランフラットタイヤホイール組立体100であって、前記ゴム状弾性体をジエン系ゴム100重量部に対し特定の構造を有するアミノ化合物を0.1〜5重量部と前記アミノ化合物に対して1〜20重量%のメチレン供与体とを含むゴム組成物から構成した。
【選択図】図1

Description

本発明は、損傷又は空気抜け状態において、相当の距離を走行できる空気入りタイヤ(以下、ランフラットタイヤという)に用いるタイヤホイール組立体に関し、更に詳しくはタイヤとリムとの間に形成された内空洞部に配設される環状金属支持部材及びゴム状弾性体から成るランフラット用支持体のゴム状弾性体の耐老化性を向上させるとともにかかるゴム状弾性体を高弾性化することにより、耐久性及びランフラット走行時の走行性を改善したタイヤホイール組立体に関する。
空気入りタイヤが自動車などの走行中にパンクやバーストなどによって内圧が急激に低下した場合でも、その状態のまま相当の距離を走行できる緊急走行能を有するランフラットタイヤに対するニーズがあり、かかるニーズに応えて多くの提案がなされている。かかる提案として、例えば特許文献1及び2などには、空気入りタイヤの内空洞部のリムの上にランフラット用支持体(中子体)を装着し、それによってパンク等をした空気入りタイヤを支持することによりランフラット走行を可能にする技術が提案されている。
前記ランフラット用支持体は、外周側を支持部にした環状の金属支持部材を有し、その両縁部に一対のゴム状弾性体を取り付け、ゴム状弾性体を介して環状金属支持部材がリム上に支持されるような構造をしている。このランフラット用支持体を用いる技術は、従来の一般的な空気入りタイヤのホイール及びリムに特別の改造を加えることなく、ホイール及びリムをそのまま使用できるため、従来の空気入りタイヤの製造、加工、取付設備をそのまま利用できるという利点を有している。
しかしながら、前記したランフラット用支持体を用いる技術は、汎用性、組み付け性において優れるが、環状金属支持部材に対するゴム状弾性体の接着面における接着力がランフラット用支持体の耐久性に大きな影響を及ぼし、その耐久性を大きく左右するという問題がある。従って、ランフラット用支持体を装着したタイヤホイール組立体におけるランフラット用支持体の耐久性を向上させ、かつランフラット走行距離をより長くするには、ランフラット用支持体を構成する環状金属支持部材とゴム状弾性体との間の接着性及びそれらの耐久性を改良する必要がある。
かかる観点から環状金属支持部材とゴム状弾性体との接着力を高めるいくつかの提案がなされている。例えば、特許文献3には接着剤による接着が、特許文献4には電解重合処理による接着が、特許文献5には電解重合及びパーオキサイド配合による接着が、そして特許文献6には高硫黄含量及びレゾール型アルキルフェノール樹脂配合による直接接着が提案されている。特許文献6の技術では環状金属支持部材(スチール)とゴムとの接着を良好にするために、従来は別個の接着剤を用いたり特殊な表面処理を施したりしていたのを、ゴムコンパウンド側を高硫黄配合及び樹脂配合系にすることによりゴム状弾性体と金属(スチール)を直接接着させることを可能とした。またそれ以後も金属とゴム状弾性体を直接接着させる方法として、アセチルアセトナートを配合したり、シリカを配合したり、ナフテン酸鉄を配合したりすることが提案された。しかしながら、これらのゴムと金属とを結合するための直接接着性のコンパウンドは、特殊配合剤を含むためにコストアップにつながるという問題や、加硫成型時にモールド表面へゴムが密着若しくは付着したりするなどの問題や、更に高硫黄配合とした直接接着性のコンパウンドでは、耐老化性が不十分であるという問題があり、実用化への障害となっている。また、ランフラット用支持体の耐久性を向上させることに加えて、ランフラット走行時の走行性を改善することがますます求められており、カーボンブラックなどの充填剤を増量する方法や、硫黄などの架橋剤を増量する方法などによりゴム状弾性体を高弾性化し、ランフラット走行時の走行性を改善できると考えられるが、これらの方法により、ゴム状弾性体を高弾性化すると、破断特性、特に切断時伸びが低下してしまう問題があることが知られている。
特開平10−297226号公報 特表2001−519279号公報 特開2004−074857号公報 特開2004−074855号公報 特開2004−074854号公報 特開2004−106692号公報
従って、本発明の目的は、ランフラットタイヤホイール組立体のランフラット用支持体を構成する環状金属支持部材とゴム状弾性体のうちゴム状弾性体の耐老化性を改良してランフラット用支持体の耐久性を改善するとともにランフラット走行時の走行性を改善することにある。
本発明に従えば、タイヤと、前記タイヤが装着されたリムを有するホイールと、前記タイヤの内面と前記リムとの間に形成された内空洞部に配設されたランフラット用支持体とを有し、前記ランフラット用支持体が、(A)環状金属支持部材、及び(B)前記環状金属支持部材の縁部に延在する一対のゴム状弾性体を含んで成るランフラットタイヤホイール組立体であって、前記ゴム状弾性体をジエン系ゴム100重量部に対し下記一般式(I):
Figure 2007210565
(式中、R1 は水素又はアミノ基であり、R2 は水素、アミノ基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜20個のシクロアルキル基及び炭素数6〜20個のアリール基からなる群から選ばれる基であり、nは1〜10の整数である)
により表されるアミノ化合物又はそれらの混合物を0.1〜5重量部とこのアミノ化合物に対して1〜20重量%のメチレン供与体とを含むゴム組成物から構成したことを特徴とするランフラットタイヤホイール組立体が提供される。
本発明では、ランフラット用支持体のゴム状弾性体として、ジエン系ゴムを主剤とするゴム組成物に上記一般式(I)により表されるアミノ化合物とこのアミノ化合物に対して1〜20重量%のメチレン供与体を配合したものを使用することによって、当該ゴム状弾性体の耐老化性を向上させるとともに破断特性を低下させずに弾性を高め、その結果、タイヤホイール組立体の耐久性及びランフラット走行時の走行性を改善できる。
本発明によれば、タイヤと、前記タイヤが装着されたリムを有するホイールと、前記タイヤの内面と前記リムとの間に形成された内空洞部に配設されたランフラット用支持体とを有し、前記ランフラット用支持体が、(A)環状金属支持部材、及び(B)前記環状金属支持部材の縁部に延在する一対のゴム状弾性体を含んで成るランフラットタイヤホイール組立体において、前記ゴム状弾性体をジエン系ゴム100重量部に対し上記一般式(I)により表されるアミノ化合物を0.1〜5重量部とこのアミノ化合物に対して1〜20重量%のメチレン供与体を含むゴム組成物から構成することにより、ゴム状弾性体の耐老化性が向上するとともに、破断特性を低下させずに弾性を高め、ランフラット走行時の走行性を改善できることを見出したものである。
本発明のタイヤホイール組立体において、ゴム状弾性体に配合剤として用いられる上記アミノ化合物又はそれらの混合物は、好ましくは、JIS K2207の環球法による130℃以下の軟化点を有する。
当該アミノ化合物における置換基R2の炭素数1〜20個のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、イソブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、イソヘキシル基、ネオヘキシル基、イソオクチル基、t−ブチル基、t−ペンチル基、t−オクチル基、ビニル基、アリル基、イソプロペニル基、ベンジル基、フェネチル基、ジフェニルメチル基、プロペニル基、2−メチルアリル基、2−ブテニル基などが挙げられ、また、炭素数3〜20個のシクロアルキル基としては、例えば、シクロへキシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロオクチル基、2−メチルシクロヘキシル基、2−エチルシクロヘキシル基、2−シクロへキセン−1−イル基、シクロヘキサニル基、1,3−シクロヘキサジエニル基などが挙げられる。更に、炭素数6〜20個のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、トリル基、キシリル基、クメニル基、メシチル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、t−ブチルフェニル基、ビフェニル基などが挙げられる。
また、当該アミノ化合物は、例えば、商品名PR−TR−01、PR−TR−02(いずれも住友ベークライト製)などとして混合物の形態で入手可能であるが、また、例えば、アニリン93kg、工業用塩酸93L、及び水930Lを用いて得られる塩酸アニリン溶液に、150Lのホルマリンを加えて1〜2時間反応させた後に、5%苛性ソーダ溶液で中和、濾過、水洗、乾燥させることによっても得ることができる。
また、本発明のゴム組成物に配合されるメチレン供与体としては、ヘキサメチレンテトラミン、ヘキサメトキシメチロールメラミン、ペンタメトキシメチロールメラミン、ヘキサメトキシメチルメラミン、ヘキサエトキシメチルメラミン、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒドアンモニア、α−ポリオキシメチレン、多価メチロールアセチレン尿素及びそれらの誘導体等が挙げられ、これらを単独で、あるいは組み合わせて使用することができる。これらのうち、特に、ヘキサメチレンテトラミン、ヘキサメトキシメチロールメラミン、ペンタメトキシメチロールメラミンなどの使用が好ましい。
本発明のゴム状弾性体を構成するゴム組成物には、ジエン系ゴム100重量部に対して、前記アミノ化合物0.1〜5重量部、好ましくは2〜5重量部と、当該アミノ化合物の1〜20重量%、好ましくは1〜15重量%に相当する量の前記メチレン供与体が併用して配合される。当該アミノ化合物の配合量が、1重量部未満では所期の作用効果を発揮することができず、逆に5重量部を超えると、ゴムとしての柔軟性が低下するので好ましくない。また、当該メチレン供与体の配合量が、アミノ化合物の1重量%未満であるときは所期の作用効果を発揮することができず、逆にアミノ化合物の20重量%を超えるときは、ゴム用加硫促進剤としての働きが強くなり架橋系に悪い影響を与えるので好ましくない。
本発明におけるジエン系ゴムとしては、天然ゴム(NR)、ポリイソプレンゴム(IR)、各種スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、各種ポリブタジエンゴム(BR)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)等のジエン系合成ゴムを単独で、あるいはこれら二種以上を併用して用いることができる。
上記ゴム状弾性体を形成するために使用されるゴム組成物に配合される硫黄は、従来よりタイヤその他の各種ゴム製品を得るためのゴム組成物に加硫剤として配合されている任意の硫黄であることができ、ゴム100重量部当り好ましくは2〜10重量部、更に好ましくは3〜6重量部配合する。この配合量が少な過ぎるとゴムと金属との間に十分な接着力を得ることができないので好ましくなく、逆に多過ぎると、得られるゴムの耐老化性が低下するので好ましくない。
本発明においては、環状金属支持部材に対するゴム状弾性体の接着性を改善するために、更に、アルキルフェノール樹脂を、ジエン系ゴム100重量部当り、好ましくは1〜6重量部、更に好ましくは2〜5重量部配合することができる。この配合量が少な過ぎると接着力を十分に高めることができないので好ましくなく、逆に多過ぎると、ゴムの加工時にスコーチが起こりやすくなるので好ましくない。
本発明において使用することができるアルキルフェノール樹脂は公知の材料であり、具体的には日立化成工業(株)からヒタノール2501Yなどとして市販されている。
本発明の好ましい態様においては、前記ゴム組成物として、接着界面の反応を更に促進する観点から、ジエン系ゴム100重量部当り、有機コバルト錯体又は有機酸コバルト塩をコバルト元素含有率で好ましくは0.1〜5重量部、更に好ましくは0.1〜1重量部配合する。有機コバルト錯体又は有機酸コバルト塩の配合量が少な過ぎると、所望の接着力の増大効果が十分得られず、逆に多過ぎるとコバルトがゴムの老化を促進するので好ましくない。そのような有機コバルト錯体及び有機酸コバルト塩の具体例としては、ナフテン酸コバルト、ホウ酸ネオデカン酸コバルト、ステアリン酸コバルト、ロジン酸コバルト、アセチルアセトナートコバルトなどが挙げられ、中でもアセチルアセトナートコバルトの使用が好ましい。
本発明の好ましい態様によれば、また、耐熱老化性改善の観点から、前記ゴム組成物は、ジエン系ゴム100重量部に対して補強性充填剤としてのカーボンブラック及びシリカを合計40〜90重量部含む。カーボンブラックとシリカとの配合割合は、10:1〜1:2であることが好ましい。更に、シリカを配合する場合には、シリカとゴムとの十分な結合を確保するために、シリカの重量に対して1〜20重量%、好ましくは5〜15重量%のシランカップリング剤を配合するのが好ましい。カーボンブラックやシリカについては従来通りのものを使用でき、またシランカップリング剤についても従来通りのものを使用でき、かかるシランカップリング剤の具体例として、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィドなどを挙げることができる。
本発明に係るゴム組成物には、更に、通常の加硫又は架橋剤、加硫又は架橋促進剤、脂肪酸、金属酸化物、カーボンブラック及びシリカ以外の補強剤、各種オイル、老化防止剤、充填剤、可塑剤、その他一般ゴム用又はタイヤゴム用に配合されている各種配合剤を配合することができ、かかる配合剤は、一般的な方法で混練してゴム組成物とし、加硫又は架橋することができる。これら配合剤の配合量も、本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。
本発明に従ったゴム状弾性体を作製する方法には特に限定はなく、例えば押出機により作製することができる。このようなゴム状弾性体と環状金属支持部材との接着は、例えばゴム状弾性体を金属支持部材と成形し、その後モールド内で熱処理することでゴムの加硫と同時にゴムと金属間の直接接着が進行することによって実施することができる。
以下、本発明を添付図面に示す好ましい実施形態により具体的に説明する。図1、図2及び図3は本発明のタイヤホイール組立体(車輪)の代表的な実施態様の要部を示す子午線断面図である。
例えば、図1に示すように、本発明に係るタイヤホイール組立体100において、ランフラット用支持体110は空気入りタイヤ120の内空洞部130に配設されており、このランフラット用支持体は環状金属支持部材140とゴム状弾性体150,151とから構成される。環状金属支持部材140は、当該支持部材の外周側に周方向に沿って延在する支持部160と、この支持部160をリム170に対して支持する側部180,181と、環状金属支持部材140をゴム状弾性体150,151に取り付けるための縁部190,191から成る。ランフラット用支持体110は、支持部160が空気入りタイヤ120の内面と一定距離を保つように内空洞部130内に配設され、かつその内径が空気入りタイヤのビード部の内径と略同一の寸法になるように形成される。ランフラット用支持体110は、空気入りタイヤ120の内側に挿入された状態で空気入りタイヤ120と共にホイールのリム170に組み込まれ、タイヤホイール組立体100が形成される。このタイヤホイール組立体100が自動車などに装着されて走行中に空気入りタイヤがパンクなどすると、そのパンクして潰れたタイヤ120が支持部160で支持された状態になって、ランフラット走行が可能になる。支持部は、種々の形状をとることができ、例えば図1に示すように平坦な形状、或いは、図2に示すようにタイヤ径方向の横断面の形状が波形の形状をとることができる。タイヤ径方向の横断面において、径方向外側に凸状である曲面のタイヤ軸方向に並ぶ数は図2に示すように2つに限らず、3つ以上のもの、更には1つのものでもよい。支持部は、例えば図3に示すように径方向外側に凸状の曲面を2つ有するか又はそれ以上有する場合、それら凸状曲面の間に存在する凹状曲面上に配設された断面が円状の1つ以上の弾性リング355によってランフラット走行時の衝撃緩和能力をさらに高めることができる。環状金属支持部材を側部においてゴム状弾性体を介して複数に分断させ、そして環状金属支持部材の縁部をリム370と当接させることができる。図1及び2に示されている態様では、ゴム状弾性体150,151,250,251は環状金属支持部材140,240の両縁部にそれぞれ取り付けられており、そしてゴム状弾性体150,151,250,251はリム170,270に当接されている。図3に示されている態様では、ゴム状弾性体350,351は、環状金属支持部材の分断された側部380,381の間にそれぞれ取り付けられており、環状金属支持部材340の縁部390’’,391’’がリム370上に当接されていることによって、環状金属支持部材340をリム370に対して支持する。
上記ゴム状弾性体は主にゴムから構成され、パンクなどをしたタイヤから環状金属支持部材140,240又は340が受ける衝撃や振動を緩和すると共に、リム170,270又は370に対する滑り止めの作用をし、環状金属支持部材をリム170,270又は370上に安定に支持する。このように環状金属支持部材を形成するような場合にも、金属とゴム状弾性体との接着を本発明に従って高めればタイヤのランフラット走行持続距離をより長くすることができる。
図4に示すように、ゴム状弾性体を、本発明のゴム組成物から形成された第1のゴム部材と、上記アミノ化合物とメチレン供与体を含まない第2のゴム部材とで構成し、第1のゴム部材を、ゴム状弾性体450と環状金属支持部材440の縁部490との接着部近傍の領域450Aに設け、他の領域450Bを第2のゴム部材で構成することができる。接着部近傍の領域450Aの体積若しくはタイヤ径方向断面積には限定はなく、環状金属支持部材とゴム状弾性体が所望通りの高い接着強度を示すものであれば十分であり、断面形は様々な形状にできる。なお、第2のゴム部材としては、従来通り耐熱劣化特性に優れたゴム(高フィラー配合、低硫黄配合)を配置すればよい。第2のゴム部材は、本発明のゴム組成物から形成される第1のゴム部材と同様に、ジエン系ゴム、補強性充填剤としてのカーボンブラックなど、ジエン系ゴムの加硫のために通常配合される硫黄などの加硫剤及び加硫促進剤などを含むものである。図4に示されるようなゴム状弾性体を作製する方法には特に限定はなく、例えば二層押出機を使用して本発明に従った第1のゴム部材と第2のゴム部材を同時に押し出すことによって作製することができる。このようなゴム状弾性体と環状金属支持部材との接着は、例えばゴム状弾性体を金属支持部材と成形し、その後モールド内で熱処理することでゴムの加硫と同時にゴムと金属間の直接接着が進行することによって実施できる。
図5に示すように、本発明のランフラット用支持体510を構成する環状金属支持部材540とゴム状弾性体550,551との間に強固な接着力を達成するために、環状金属支持部材540とゴム状弾性体550,551との間に所定の接着面積を確保するのが良い。ランフラット走行時の負荷はリム径R(インチ)に影響され、接着面積をS(cm2)としたときに、その比S/Rが4.5cm2/インチ以上、好ましくは8〜20cm2/インチであるのが好ましい。ここで接着面積とは環状金属支持部材の片側縁部における当該金属支持部材とゴム状弾性体との接着部の総面積、即ち環状金属支持部材の縁部における金属支持部材の両側及び端部とゴム状弾性体との間の接着部の面積をそれらの周方向に合計した総面積をいう。
さらに、環状金属支持部材がゴム状弾性体に強固に取り付けられるように、図5に示すように、環状金属支持部材の縁部が屈曲していることが好ましい。環状金属支持部材とゴム状弾性体との接着面は軸方向と径方向とによって構成されることが好ましく、かかる構成にすることによってランフラット走行時に発生するタイヤ軸方向及びタイヤ径方向の力の双方に耐える構造となる。環状金属支持部材の縁部が、例えば波状に屈曲していれば、接着面積が増して、接着力が増大し、その結果、環状金属支持部材をゴム状弾性体に強固に取り付けることができるが、環状金属支持部材の縁部は何らかの形状で屈曲していれば同様な効果が得られる。
図1,2及び3において、ランフラット用支持体、空気入りタイヤ、リムはホイールの回転軸(図示せず)を共通の軸として環状に形成されている。なお、環状金属支持部材の寸法には特に限定はないが、好ましくは厚さ0.5〜3.0mmであり、幅は左右のタイヤビードトウの間隔と略等しくする。
本発明のタイヤホイール組立体において、パンクなどをしたタイヤを介して自動車などの重量を支えるようにするため、環状金属支持部材を構成する金属材料の具体例としては、鉄鋼、ステンレススチール、アルミニウム合金などを挙げることができる。
前記ゴム状弾性体の環状金属支持部材との接着面近傍以外を構成するゴムとしては環状金属支持部材を安定に支持することができれば、任意の汎用ゴムから構成してもよく、例えば、ゴムとしては、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム共重合体、ポリブタジエンゴム、ブチルゴムなどを挙げることができる。
前記汎用ゴムには、前記したゴム成分に加えて、カーボンブラックやシリカなどのその他の補強剤(フィラー)、加硫又は架橋剤、加硫又は架橋促進剤、各種オイル、老化防止剤、可塑剤などのタイヤ用、その他一般ゴム用に一般的に配合されている各種添加剤を配合することができ、かかる添加剤は一般的な方法で混練、加硫して組成物とし、加硫又は架橋するのに使用することができる。これらの添加剤の配合量は本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。
以下、実施例によって本発明を更に説明するが、本発明の範囲をこれらの実施例に限定するものでないことはいうまでもない。
比較例1〜2及び実施例1
ゴム状弾性体サンプルの調製
表Iに示す配合において、加硫促進剤と硫黄を除く成分を2リットルの密閉型ミキサーで5分間混練し、150℃に達するまで混合し、これに表1に示す量の加硫促進剤と硫黄を加えて、80℃×3分間混合し、ゴム状弾性体サンプルを作製した。
Figure 2007210565
表1脚注
*1:RSS#3
*2:東海カーボン(株)製シーストN
*3:ローディア社製ZEOSIL 165GR
*4:デグッサ社製Si69
*5:正同化学工業(株)製酸化亜鉛3種
*6:FLEXSYS社製SANTOFLEX 6PPD
*7:住友ベークライト(株)製のPR−TR−01(R1 =水素、R2 =アミノ基、n=10以下の混合物)
*8:大内新興化学工業(株)製ノクセラーH
*9:キシダ化学(株)製アセチルアセトナートコバルト(II)
*10:日立化成工業(株)製ヒタノール2501Y
*11:日立化成工業(株)製不溶性硫黄
次に、得られた比較例1〜2及び実施例1のゴム組成物から得たゴム状弾性体サンプルを鉄鋼製の金属支持部材に接着させ(150℃で60分間)、タイヤサイズを205/55R16 89V、リムサイズ16×6 1/2JJとして本発明のランフラットタイヤホイール組立体及び比較用タイヤホイール組立体をそれぞれ作製した。
耐久性試験
2500cc乗用車に上記タイヤホイール組立体を装着し、前右側のタイヤ内空気圧を0kPaとし、他の3ヶ所のタイヤ内空気圧は200kPaとして、90km/hrで故障するまで走行させた。結果は比較例1の走行距離を100として下記表2に示す。数値が大きいほど耐久性が良いことを示す。
Figure 2007210565
本発明のランフラットタイヤホイール組立体の一実施態様の要部を示す子午線断面図である。 本発明のランフラットタイヤホイール組立体の他の実施態様の要部を示す子午線断面図である。 本発明のランフラットタイヤホイール組立体の更に他の実施態様の要部を示す子午線断面図である。 本発明のランフラットタイヤホイール組立体の環状金属支持部材とゴム状弾性体の接着部の一例を示す部分拡大図である。 本発明のランフラットタイヤホイール組立体の環状金属支持部材とゴム状弾性体との接着面の一例を示す図である。
符号の説明
100,200,300 ランフラットタイヤホイール組立体
110,210,310,510 ランフラット用支持体
120,220,320 空気入りタイヤ
130,230,330 内空洞部
140,240,340,341,342,440,540 環状金属支持部材
150,151,250,251,350,351,450,550,551 ゴム状弾性体
160,260,360 支持部
170,270,370 リム
180,181,280,281,380,381 側部
190,191,290,291,390,390’,390’’,391,391’,391’’,490 縁部
355 弾性リング

Claims (8)

  1. タイヤと、前記タイヤが装着されたリムを有するホイールと、前記タイヤの内面と前記リムとの間に形成された内空洞部に配設されたランフラット用支持体とを有し、前記ランフラット用支持体が、(A)環状金属支持部材、及び(B)前記環状金属支持部材の縁部に延在する一対のゴム状弾性体を含んで成るランフラットタイヤホイール組立体であって、前記ゴム状弾性体をジエン系ゴム100重量部に対し下記一般式(I):
    Figure 2007210565
    (式中、R1 は水素又はアミノ基であり、R2 は水素、アミノ基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜20個のシクロアルキル基及び炭素数6〜20個のアリール基からなる群から選ばれる基であり、nは1〜10の整数である)
    により表されるアミノ化合物又はそれらの混合物を0.1〜5重量部と前記アミノ化合物に対して1〜20重量%のメチレン供与体とを含むゴム組成物から構成したことを特徴とするランフラットタイヤホイール組立体。
  2. 前記ゴム組成物が、ジエン系ゴム100重量部に対して有機コバルト錯体又は有機酸コバルト塩をコバルト元素含有率で0.1〜5重量部含む請求項1記載のランフラットタイヤホイール組立体。
  3. 前記有機コバルト錯体がアセチルアセトナートコバルトであることを特徴とする請求項2記載のランフラットタイヤホイール組立体。
  4. 前記ゴム組成物が、さらにジエン系ゴム100重量部に対して40〜90重量部の補強性充填剤としてのカーボンブラック及びシリカと、前記シリカに対して1〜20重量%のシランカップリング剤とを含み、前記カーボンブラックとシリカとの割合が10:1〜1:2である請求項1〜3のいずれか1項に記載のランフラットタイヤホイール組立体。
  5. 前記ランフラット用支持体のゴム状弾性体が前記環状金属支持部材と前記リムとの間に配置され、前記環状金属支持部材を支持する構造とした請求項1〜4のいずれか1項に記載のランフラットタイヤホイール組立体。
  6. 前記環状金属支持部材が鉄鋼又はステンレス製である請求項1〜5のいずれか1項に記載のランフラットタイヤホイール組立体。
  7. インチ単位で表したリム径をRとし、前記ゴム状弾性体と前記環状金属支持部材との間の接着面の平方センチメートル単位で表した面積をSとした場合の比S/Rが4.5cm2/インチ以上である請求項1〜6のいずれか1項に記載のランフラットタイヤホイール組立体。
  8. 前記環状金属支持部材と前記ゴム状弾性体との接着面が略軸方向面と略径方向面とによって構成されている請求項1〜7のいずれか1項に記載のランフラットタイヤホイール組立体。
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