JP2007245862A - ランフラットタイヤホイール組立体 - Google Patents

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Abstract

【課題】リム組み作業性並びにランフラット走行時の耐久性及び走行性が改善されたランフラットタイヤホイール組立体を提供すること。
【解決手段】タイヤの内面と前記リムとの間に形成された内空洞部に配設されたランフラット用支持体が、環状金属支持部材440、一対のゴム状弾性体450を含んで成るランフラットタイヤホイール組立体であって、前記ゴム状弾性体が第1のゴム部材450Aと前記第1のゴム部材に結合された第2のゴム部材450Bから成り、前記ゴム状弾性体が前記第1のゴム部材を介して前記環状金属支持部材の縁部に結合されており、前記第2のゴム部材が、ジエン系ゴム、並びに補強性充填剤としてのカーボンブラック及びシリカ、を含んで成り、前記カーボンブラック及びシリカの合計量が、80〜120重量部であり、その重量比が90/10〜50/50であることを特徴とするランフラットタイヤホイール組立体。
【選択図】図4

Description

本発明は、損傷又は空気抜け状態において相当の距離を走行できるランフラットタイヤホイール組立体に関し、さらに詳しくはリム組み作業性並びにランフラット走行時の耐久性及び走行性が改善されたランフラットタイヤホイール組立体に関する。
空気入りタイヤが自動車などの走行中にパンクやバーストなどによって内圧が急激に低下した場合でも、その状態のまま相当の距離を走行できる緊急走行能を有するランフラットタイヤ組立体に対するニーズがあり、かかるニーズに応えて多くの提案がなされている。かかる提案として、例えば特許文献1及び2などには、空気入りタイヤの内空洞部のリムの上にランフラット用支持体(中子体)を装着し、それによってパンク等をした空気入りタイヤを支持することによりランフラット走行を可能にする技術が提案されている。
前記ランフラット用支持体は、外周側を支持部にした環状の金属支持部材を有し、その両縁部に一対のゴム状弾性体を取り付け、ゴム状弾性体を介して金属支持部材がリム上に支持されるような構造をしている。このランフラット用支持体を用いる技術は、従来の一般的な空気入りタイヤのホイール及びリムに特別の改造を加えることなく、ホイール及びリムをそのまま使用できるため、従来の空気入りタイヤの製造、加工、組み立て設備をそのまま利用できるという利点を有している。
しかしながら、従来のランフラット用支持体は、汎用性において優れるが、環状金属支持部材に対するゴム状弾性体の接着力が不十分であり耐久性に劣っていた。一般的に、かかるランフラット用支持体では、環状金属支持部材に対するゴム状弾性体の接着力がランフラット走行時のタイヤホイール組立体の耐久性を大きく左右する。従って、ランフラット走行距離をより長くするためにランフラットタイヤホイール組立体の耐久性を高めるには、ランフラット用支持体を構成する金属支持部材とゴム状弾性体との間の接着性及びそれらの耐久性を改良する必要がある。
かかる観点から金属支持部材とゴム状弾性体との接着力を高めるいくつかの提案がなされている。例えば、特許文献3には接着剤による接着が、特許文献4には電解重合処理による接着が、特許文献5には電解重合及びパーオキサイド配合による接着が、そして特許文献6には高硫黄含量及びレゾール型アルキルフェノール樹脂配合による接着が提案されている。特許文献6の技術では環状金属支持部材(スチール)とゴムとの接着を良好にするために、従来は別個の接着剤を用いたり特殊な表面処理を施したりしていたのを、ゴムコンパウンド側を高硫黄配合及び樹脂配合系にすることによりゴム状弾性体と金属(スチール)を直接接着させることを可能とした。またそれ以後も金属とゴム状弾性体を直接接着させる方法として、アセチルアセトナートを配合したり、シリカを配合したり、ナフテン酸鉄を配合したりすることを開発した。しかしながら、これらのゴムと金属とを直接結合するためのいわゆる直接接着性のコンパウンドは、特殊配合剤を含むためにコストアップにつながるという問題や、加硫成型時にモールド表面へゴムが密着若しくは付着したりするなどの問題や、さらに高硫黄配合としたかかる直接接着性のコンパウンドでは、耐老化性が不十分であるという問題があり、実用化への障害となっている。また、ランフラット用支持体の耐久性を向上せることに加えて、ランフラット走行時の走行性を改善することがますます求められており、カーボンブラックなどの充填剤を増量する方法や、硫黄などの架橋剤を増量する方法などによりゴム状弾性体を高弾性化し、ランフラット走行時の走行性を改善できると考えられるが、これらの方法により、ゴム状弾性体を高弾性化すると、リム組み作業性が低下することに加えて、破断特性、特に切断時伸びが低下して耐久性が低下してしまう問題がある。従って、リム組み作業性並びにランフラット走行時の耐久性及び走行性が改善されたランフラットタイヤホイール組立体が求められている。
特開平10−297226号公報 特表2001−519279号公報 特開2004−074857号公報 特開2004−074855号公報 特開2004−074854号公報 特開2004−106692号公報
従って、本発明の目的は、リム組み作業性並びにランフラット走行時の耐久性及び走行性が改善されたランフラットタイヤホイール組立体を提供することにある。
本発明者は、上記の課題を解決すべく鋭意研究した結果、タイヤと、タイヤが装着されたリムを有するホイールと、タイヤの内面と前記リムとの間に形成された内空洞部に配設されたランフラット用支持体とを有し、ランフラット用支持体が、(A)環状金属支持部材、及び(B)環状金属支持部材の縁部に延在する一対のゴム状弾性体を含んで成るランフラットタイヤホイール組立体において、ゴム状弾性体として第1のゴム部材と第1のゴム部材に結合された第2のゴム部材から成る構成のものを採用し、第1のゴム部材を介してゴム状弾性体を環状金属支持部材の縁部に結合し、第2のゴム部材に、補強性充填剤としてカーボンブラックに加えてシリカを、カーボンブラック対シリカの重量比が90/10〜50/50となるように、ジエン系ゴム100重量部あたりのそれらの合計量で80〜120重量部添加することによって、当該ゴム部材の常温(20℃)での弾性が低下してランフラット用支持体のリム組み作業性が改善されること及びランフラット走行時に当該ゴム部材が経験するであろう高温(およそ100℃)での弾性が高くなることを見出した。さらに、本発明者は、上記第2のゴム部材を上記割合のカーボンブラック及びシリカを含むゴム組成物から形成することによって、驚くべきことに、ランフラット走行に対する耐久性も改善されることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明によれば、タイヤと、前記タイヤが装着されたリムを有するホイールと、前記タイヤの内面と前記リムとの間に形成された内空洞部に配設されたランフラット用支持体とを有し、ランフラット用支持体が、(A)環状金属支持部材、及び(B)環状金属支持部材の縁部に延在する一対のゴム状弾性体を含んで成るランフラットタイヤホイール組立体であって、ゴム状弾性体が第1のゴム部材と第1のゴム部材に結合された第2のゴム部材から成り、ゴム状弾性体が第1のゴム部材を介して環状金属支持部材の縁部に結合されており、第2のゴム部材が、
(i)ジエン系ゴム、並びに
(ii)補強性充填剤としてのカーボンブラック及びシリカ、
を含んで成り、カーボンブラック及びシリカの合計量が、ジエン系ゴム100重量部あたり80〜120重量部であり、第2のゴム部材におけるカーボンブラック対シリカの重量比が90/10〜50/50であることを特徴とするランフラットタイヤホイール組立体が提供される。
本発明の一対のゴム状弾性体と環状金属支持部材を含んで成るランフラット用支持体を有するタイヤホイール組立体は、ランフラット用支持体のゴム状弾性体を、環状金属支持部材の縁部に結合される第1のゴム部材と、当該第1のゴム部材に結合される第2のゴム部材から構成し、第2のゴム部材に補強性充填剤としてカーボンブラックに加えてシリカを配合することによって、環状金属支持部材とゴム状弾性体の間の強い結合を達成するとともに、ゴム状弾性体のリム組み作業性の改善を達成したものである。従って、本発明のランフラットタイヤホイール組立体は、改善されたランフラット走行時の耐久性及び走行性並びにリム組み作業性を有する。
本発明において、ランフラット用支持体に使用される一対のゴム状弾性体は、第1のゴム部材と当該第1のゴム部材に結合された第2のゴム部材から構成される。第1のゴム部材と第2のゴム部材とは一体的に形成されていてもよい。第2のゴム部材は、さらに、一体的に結合された2以上のゴム部材から成っていてもよい。第1のゴム部材及び第2のゴム部材は、両方とも、ジエン系ゴム、補強性充填剤としてのカーボンブラックなど、ジエン系ゴムの加硫のために通常配合される硫黄などの加硫剤及び加硫促進剤などを含むものであるが、ただし、第2のゴム部材が、カーボンブラック及びシリカを、ジエン系ゴム100重量部あたりの合計量で80〜120重量部含んで成り、前記第2のゴム部材におけるカーボンブラック対シリカの重量比が90/10〜50/50であることを条件とする。第2のゴム部材に、補強性充填剤としてカーボンブラック及びシリカをかかる量及び割合で添加することによって、当該ゴム部材の常温(20℃)での弾性が低下してリムに対するランフラット用支持体の組み付け性が改善され、また、ランフラット走行時に当該ゴム部材が経験するであろう高温(およそ100℃)での弾性が高くなることによりランフラット走行時の走行性及びランフラット走行に対する耐久性も改善される。
本発明においてランフラットタイヤホイール組立体とは、図1に示すように、ホイールのリム170に空気入りタイヤ120とランフラット用支持体110を組み付けたものをいう。リム170は、空気入りタイヤ120のサイズに対応した通常のリムであり、空気入りタイヤ120は、ビード部においてリム170に固定される通常の構造のものである。
上記第1及び第2のゴム部材に使用されるジエン系ゴムとしては、天然ゴム(NR)、ポリイソプレンゴム(IR)、ブチルゴム(IIR)、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、ポリブタジエンゴム(BR)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)等のジエン系合成ゴムを単独で、あるいはこれらのうちの2種以上を併用して用いることができる。第2のゴム部材は、環状金属支持部材を安定に支持することが特に要求されるが、本発明に従えば、これらのジエン系ゴムを用いて、かかる要求を満足するゴム部材を製造できる。
上記第1及び第2のゴム部材のうち少なくとも第2のゴム部材は、ジエン系ゴムに補強性充填剤として通常添加されるカーボンブラックを含む。
第1のゴム部材は、耐熱老化性改善の観点から、補強性充填剤としてカーボンブラック及びシリカを10/1〜1/2の重量比でジエン系ゴム100重量部あたりの合計量で40〜90重量部と、さらにシリカの総重量に対して1〜20重量%のシランカップリング剤とを含んで成るゴム組成物を加硫することにより得ることが好ましい。
第2のゴム部材は、上記のとおり、ジエン系ゴム100重量部あたりの合計量で80〜120重量部のカーボンブラック及びシリカを含んで成り、前記第2のゴム部材におけるカーボンブラック対シリカの重量比が90/10〜50/50であるゴム組成物を加硫することにより得られる。
第1及び第2のゴム部材に添加することのできるカーボンブラックとしては、例えばHAF、FEF、GPFなどが挙げられる。カーボンブラックは、好ましくは10〜120m2/g、より好ましくは50〜100m2/gの窒素吸着比表面積(N2SA)を有する。カーボンブラックのN2SAが10m2/g未満であると、補強性が不十分であるという欠点があり、120m2/gを超えるとランフラット走行時の発熱性が悪化するという欠点がある。なお、本明細書の記載において、「窒素吸着比表面積(N2SA)」とは、ATSM D3037に準じて測定される比表面積(単位m2/g)を意味する。
上記第1及び第2のゴム部材に使用することのできるシリカは、好ましくは40〜500m2/g、より好ましくは100〜250m2/gの窒素吸着比表面積(N2SA)を有する。N2SAが40m2/g未満であると、充填量を高めることができるが、補強性が乏しく、ランフラット走行時の走行性及び耐久性を改善できない。N2SAが500m2/gを超えるシリカは、凝集性が高いことからゴム成分に分散させるのが困難である。カーボンブラック及びシリカが上記の量及び割合でジエン系ゴムに配合され、得られるゴム部材の特性に悪影響を及ぼさない限り、他の補強用充填剤を任意の割合で配合できる。他の補強用充填剤としては、例えば、タルク、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、炭酸マグネシウム等が挙げられる。
第1のゴム部材に配合することのできるシランカップリング剤は、シリカ含有ジエン系ゴム組成物に通常使用されているものを使用でき、かかるシランカップリング剤の具体例としては、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィドなどが挙げられる。シランカップリング剤は、1種で、又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。シランカップリング剤の配合量は、シリカの配合量及び選択されたシランカップリング剤のタイプに応じて、当業者であれば適宜設定できる。
上記ゴム状弾性体の第1及び第2のゴム部材を形成するために使用されるゴム組成物に配合される硫黄は、タイヤその他の各種ゴム製品を得るためのゴム組成物に加硫剤として配合されている任意の硫黄であることができ、ジエン系ゴム100重量部当り好ましくは2〜10重量部、さらに好ましくは3〜6重量部配合する。この配合量が少な過ぎると、例えば第1のゴム部材では、当該ゴム部材と環状金属支持部材との間に十分な接着力を得ることができないので好ましくなく、逆に多過ぎると、得られる各ゴム部材の耐老化性が低下し、その結果ゴム状弾性体の耐老化性が低下するので好ましくない。
本発明においては、環状金属支持部材に対するゴム状弾性体の接着性を改善するために、第1のゴム部材に、さらに、レゾール型アルキルフェノール樹脂を、ジエン系ゴム100重量部当り、好ましくは1〜6重量部、さらに好ましくは2〜5重量部配合することが好ましい。この配合量が少な過ぎると接着力を十分に高めることができないので好ましくなく、逆に多過ぎると、ゴムの加工時にスコーチが起こりやすくなるので好ましくない。
本発明において使用できるレゾール型アルキルフェノール樹脂は、下記一般式:
Figure 2007245862
により表されるものである。レゾール型アルキルフェノール樹脂は、公知の材料であり、例えば日立化成工業(株)からヒタノール2501Yなどとして市販されている。
本発明の好ましい態様においては、前記ゴム組成物として、接着界面の反応をさらに促進する観点から、ジエン系ゴム100重量部あたり、有機コバルト錯体又は有機酸コバルト塩をコバルト元素含有率で好ましくは0.1〜5重量部、さらに好ましくは0.1〜1重量部配合する。有機コバルト錯体又は有機酸コバルト塩の配合量が少な過ぎると、所望の接着力の増大効果が十分得られず、逆に多過ぎるとコバルトがゴムの老化を促進するので好ましくない。そのような有機コバルト錯体及び有機酸コバルト塩の具体例としては、ナフテン酸コバルト、ホウ酸ネオデカン酸コバルト、ステアリン酸コバルト、ロジン酸コバルト、アセチルアセトナートコバルトなどが挙げられ、中でもアセチルアセトナートコバルトの使用が好ましい。
本発明において、上記第1及び第2のゴム部材を製造するために使用されるゴム組成物には、さらに、ゴム配合物に一般的に使用される加硫又は架橋剤、加硫又は架橋促進剤、脂肪酸、金属酸化物、各種オイル、老化防止剤、充填剤、可塑剤、その他一般ゴム用又はタイヤゴム用に配合されている各種配合剤を配合することができ、かかる配合剤は、一般的な方法で混練してゴム組成物とし、加硫又は架橋することができる。これら配合剤の配合量も、本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。
本発明に従ったゴム状弾性体を作製する方法には特に限定はなく、例えば押出機により作製することができる。このようなゴム状弾性体と環状金属支持部材との接着は、例えばゴム状弾性体を金属支持部材と成形し、その後モールド内で熱処理することでゴムの加硫と同時にゴムと金属間の直接接着が進行することによって実施することができる。
以下、本発明を添付図面に示す好ましい実施形態により具体的に説明する。図1、図2及び図3は本発明のタイヤホイール組立体(車輪)の代表的な実施態様の要部を示す子午線断面図である。
例えば、図1に示すように、本発明に係るランフラットタイヤホイール組立体100において、ランフラット用支持体110は空気入りタイヤ120の内空洞部130に配設されており、このランフラット用支持体は環状金属支持部材140とゴム状弾性体150,151とから構成される。環状金属支持部材140は、当該支持部材の外周側に周方向に沿って延在する支持部160と、この支持部160をリム170に対して支持する側部180,181と、環状金属支持部材140をゴム状弾性体150,151に取り付けるための縁部190,191から成る。ランフラット用支持体110は、支持部160が空気入りタイヤ120の内面と一定距離を保つように内空洞部130内に配設され、かつその内径が空気入りタイヤのビード部の内径と略同一の寸法になるように形成される。ランフラット用支持体110は、空気入りタイヤ120の内側に挿入された状態で空気入りタイヤ120と共にホイールのリム170に組み込まれ、ランフラットタイヤホイール組立体100が形成される。このランフラットタイヤホイール組立体100が自動車などに装着されて走行中に空気入りタイヤがパンクなどすると、そのパンクして潰れたタイヤ120が支持部160で支持された状態になって、ランフラット走行が可能になる。支持部は、種々の形状をとることができ、例えば図1に示すように平坦な形状、或いは、図2に示すようにタイヤ径方向の横断面の形状が波形の形状をとることができる。タイヤ径方向の横断面において、径方向外側に凸状である曲面のタイヤ軸方向に並ぶ数は図2に示すように2つに限らず、3つ以上のもの、さらには1つのものでもよい。支持部は、例えば図3に示すように径方向外側に凸状の曲面を2つ有するか又はそれ以上有する場合、それら凸状曲面の間に存在する凹状曲面上に配設された断面が円状の1つ以上の弾性リング355によってランフラット走行時の衝撃緩和能力をさらに高めることができる。環状金属支持部材を側部においてゴム状弾性体を介して複数に分断させ、そして金属支持部材の縁部をリム370と当接させることができる。図1及び2に示されている態様では、ゴム状弾性体150,151,250,251は環状金属支持部材140,240の両縁部にそれぞれ取り付けられており、そしてゴム状弾性体150,151,250,251はリム170,270に当接されている。図3に示されている態様では、ゴム状弾性体350,351は、環状金属支持部材の分断された側部380,381の間にそれぞれ取り付けられており、環状金属支持部材340の縁部390’’,391’’がリム370上に当接されていることによって、環状金属支持部材340をリム370に対して支持する。
上記ゴム状弾性体は主にゴムから構成され、パンクなどをしたタイヤから環状金属支持部材140,240又は340が受ける衝撃や振動を緩和すると共に、リム170,270又は370に対する滑り止めの作用をし、環状金属支持部材をリム170,270又は370上に安定に支持する。このように環状金属支持部材を形成するような場合にも、金属とゴム状弾性体との接着を本発明に従って高めればタイヤのランフラット走行持続距離をより長くすることができる。
図4に示すように、本発明において、ゴム状弾性体は、上記第1及び第2のゴム部材とで構成し、第1のゴム部材を、ゴム状弾性体450と環状金属支持部材440の縁部との接着部近傍の領域450Aに設け、他の領域450Bを第2のゴム部材で構成することができる。接着部近傍の領域450Aの体積若しくはタイヤ径方向断面積には限定はなく、環状金属支持部材とゴム状弾性体が所望通りの高い接着強度を示すものであれば十分であり、断面形状は様々な形状にできる。図4に示されるようなゴム状弾性体を作製する方法には特に限定はなく、例えば二層押出機を使用して本発明に従う2種のゴム組成物、あるいは第2のゴム部材がさらに2以上のゴム部材から構成される場合には、3種以上のゴム組成物を同時押出する多層押出機を使用して3種以上のゴム組成物を同時に押し出すことによって作製することができる。このようなゴム状弾性体と環状金属支持部材との接着は、例えばゴム状弾性体を金属支持部材と成形し、その後モールド内で熱処理することでゴムの加硫と同時にゴムと金属間の直接接着が進行することによって実施できる。
図5に示すように、本発明のランフラット用支持体510を構成する環状金属支持部材540とゴム状弾性体550,551との間に強固な接着力を達成するために、環状金属支持部材540とゴム状弾性体550,551との間に所定の接着面積を確保するのが良い。ランフラット走行時の負荷はリム径R(インチ)に影響され、接着面積をS(cm2)としたときに、その比S/Rが4.5cm2/インチ以上、好ましくは8〜20cm2/インチであるのが好ましい。ここで接着面積とは環状金属支持部材の片側縁部における当該金属支持部材とゴム状弾性体との接着部の総面積、即ち環状金属支持部材の縁部における金属支持部材の両側及び端部とゴム状弾性体との間の接着部の面積をそれらの周方向に合計した総面積をいう。
さらに、環状金属支持部材がゴム状弾性体に強固に取り付けられるように、図5に示すように、環状金属支持部材の縁部が屈曲していることが好ましい。環状金属支持部材とゴム状弾性体との接着面は軸方向と径方向とによって構成されることが好ましく、かかる構成にすることによってランフラット走行時に発生するタイヤ軸方向及びタイヤ径方向の力の双方に耐える構造となる。環状金属支持部材の縁部が、例えば波状に屈曲していれば、接着面積が増して、接着力が増大し、その結果、環状金属支持部材をゴム状弾性体に強固に取り付けることができるが、環状金属支持部材の縁部は何らかの形状で屈曲していれば同様な効果が得られる。
図1,2及び3において、ランフラット用支持体、タイヤ、リムはホイールの回転軸(図示せず)を共通の軸として環状に形成されている。なお、金属支持部材の寸法には特に限定はないが、好ましくは厚さ0.5〜3.0mmであり、幅は左右のタイヤビードトウの間隔と略等しくする。
本発明のタイヤホイール組立体において、パンクなどによって内圧が急激に低下した場合に当該タイヤホイール組立体が装着された自動車などの重量を支えるようにするため、環状金属支持部材を構成する金属材料の具体例としては、鉄鋼、ステンレススチール、アルミニウム合金などを挙げることができる。
以下、実施例によって本発明をさらに説明するが、本発明の範囲をこれらの実施例に限定するものでないことはいうまでもない。
比較例1〜3及び実施例1〜2
下記表1に示す配合に従って、加硫促進剤と硫黄を除く成分を2リットルの密閉型ミキサーで約5分間、150℃に達するまで混合した。その後、加硫促進剤と硫黄を加えて80℃で3分間混合し、最後に150℃で30分間の条件で加硫し、加硫済みゴム組成物を作製した。
Figure 2007245862
粘弾性試験
比較例1〜3及び実施例1〜2の加硫済みゴム組成物からJIS K7244に準拠して試料を作製し、20℃及び100℃で試験を行った。試験結果は、比較例1の値を100と表したときの相対値として表した。相対値の数値が大きいほど、貯蔵弾性率E’が高いこと、すなわち変形により大きな力が必要であることを示す。
Figure 2007245862
比較例4
比較例3の配合に従うゴム組成物から厚さ約1mmの未加硫の第1のゴム部材を形成し、この未加硫の第1のゴム部材を金属支持部材の縁部に配置し、その後、この未加硫の第1のゴム部材上に比較例1の配合に従うゴム組成物から形成された未加硫の第2のゴム部材を図4に示したように重ね合わせて金属支持部材の縁部に未加硫のゴム状弾性体を形成し、次いでこの未加硫のゴム状弾性体を加硫(150℃で30分間)により金属支持部材の縁部に接着させることによりランフラット用支持体を形成した。
比較例5
未加硫の第2のゴム部材を比較例2の配合に従う未加硫のゴム組成物から形成したことを除き、比較例4と同様にランフラット用支持体を作製した。
実施例3
未加硫の第2のゴム部材を実施例1の配合に従う未加硫のゴム組成物から形成したことを除き、比較例4と同様にランフラット用支持体を作製した。
実施例4
未加硫の第2のゴム部材を実施例2の配合に従う未加硫のゴム組成物から形成したことを除き、比較例4と同様にランフラット用支持体を作製した。
ランフラット走行耐久試験
比較例4〜5及び実施例3〜4のランフラット用支持体を使用して、タイヤサイズを205/55R16 89V、リムサイズ16×6 1/2JJとして本発明のランフラットタイヤホイール組立体及び比較用タイヤホイール組立体をそれぞれ作製した。
なお、接着面積Sとリム径Rの比S/Rは、比較例4及び5並びに実施例3及び4のいずれの場合でも、16.25cm2 /インチであった。
次に、2500cc乗用車に上記タイヤホイール組立体を装着し、前右側のタイヤ内空気圧を0kPaとし、他の3ヶ所のタイヤ内空気圧は200kPaとして、90km/hrで故障するまで走行させた。結果は比較例1の走行距離を100としたときの相対値で表し、下記表3にランフラット走行時の耐久性(「ランフラット耐久性」と記す)として示す。相対値の数値が大きいほど、ランフラット耐久性が優れていることを示す。
Figure 2007245862
本発明のランフラットタイヤホイール組立体の一実施態様の要部を示す子午線断面図である。 本発明のランフラットタイヤホイール組立体の他の実施態様の要部を示す子午線断面図である。 本発明のランフラットタイヤホイール組立体のさらに他の実施態様の要部を示す子午線断面図である。 本発明のランフラットタイヤホイール組立体の環状金属支持部材とゴム状弾性体の接着部の一例を示す部分拡大図である。 本発明のランフラットタイヤホイール組立体の環状金属支持部材とゴム状弾性体との接着面の一例を示す図である。
符号の説明
100,200,300 ランフラットタイヤホイール組立体
110,210,310,510 ランフラット用支持体
120,220,320 空気入りタイヤ
130,230,330 内空洞部
140,240,340,341,342,440,540 環状金属支持部材
150,151,250,251,350,351,450,550,551 ゴム状弾性体
160,260,360 支持部
170,270,370 リム
180,181,280,281,380,381 側部
190,191,290,291,390,390’,390’’,391,391’,391’’,490 縁部
355 弾性リング

Claims (9)

  1. タイヤと、前記タイヤが装着されたリムを有するホイールと、前記タイヤの内面と前記リムとの間に形成された内空洞部に配設されたランフラット用支持体とを有し、前記ランフラット用支持体が、(A)環状金属支持部材、及び(B)前記環状金属支持部材の縁部に延在する一対のゴム状弾性体を含んで成るランフラットタイヤホイール組立体であって、前記ゴム状弾性体が第1のゴム部材と前記第1のゴム部材に結合された第2のゴム部材から成り、前記ゴム状弾性体が前記第1のゴム部材を介して前記環状金属支持部材の縁部に結合されており、前記第2のゴム部材が、
    (i)ジエン系ゴム、並びに
    (ii)補強性充填剤としてのカーボンブラック及びシリカ、
    を含んで成り、前記カーボンブラック及びシリカの合計量が、前記ジエン系ゴム100重量部あたり80〜120重量部であり、前記第2のゴム部材におけるカーボンブラック対シリカの重量比が90/10〜50/50であることを特徴とするランフラットタイヤホイール組立体。
  2. 前記第2のゴム部材が、一体的に結合された2以上のゴム部材から成ることを特徴とする請求項1に記載のランフラットタイヤホイール組立体。
  3. 前記第1のゴム部材が、
    (a)ジエン系ゴムと、
    (b)前記ジエン系ゴム100重量部あたり2〜10重量部の硫黄と、
    (c)前記ジエン系ゴム100重量部あたり1〜6重量部のレゾール型アルキルフェノール樹脂、
    を含むゴム組成物から形成されたことを特徴とする請求項1又は2に記載のランフラットタイヤホイール組立体。
  4. 前記ゴム組成物が、さらに、(d)前記ジエン系ゴム100重量部に対して有機コバルト錯体又は有機酸コバルト塩をコバルト元素含有率で0.1〜5重量部含むことを特徴とする請求項3に記載のランフラットタイヤホイール組立体。
  5. 前記有機コバルト錯体がアセチルアセトナートコバルトであることを特徴とする請求項4に記載のランフラットタイヤホイール組立体。
  6. 前記ランフラット用支持体のゴム状弾性体が前記環状金属支持部材と前記リムとの間に配置され、環状金属支持部材を支持する構造としたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のランフラットタイヤホイール組立体。
  7. 前記環状金属支持部材が鉄鋼又はステンレス製であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のランフラットタイヤホイール組立体。
  8. インチ単位で表したリム径をRとし、前記ゴム状弾性体と前記金属支持部材との間の接着面の平方センチメートル単位で表した面積をSとした場合の比S/Rが4.5cm2/インチ以上であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のランフラットタイヤホイール組立体。
  9. 前記環状金属支持部材と前記ゴム状弾性体との接着面が略軸方向面と略径方向面とによって構成されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のランフラットタイヤホイール組立体。
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