JP6884150B2 - トレッドを含むタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、スタッドを設けることなく(スタッドレスタイヤとしても知られている)氷または薄氷で覆われた地面を転動できる一方、タイヤのクラウン補強材が錆びることを抑制できる、「冬用タイヤ」に適したトレッドを有するタイヤに関する。
本発明は、より詳細には、典型的に−5℃〜0℃の温度範囲内で直面する「融氷」条件下での転動に特に適した冬用タイヤのトレッドに関する。
一般的な問題点:このような範囲内では、車両の通過中のタイヤの圧力により、これらのタイヤのグリップ性に有害な薄い水の膜で覆われた氷の表面溶融が生じる。
引用リスト
特許文献
特許文献1:国際公開第2010/009850号パンフレット
特許文献2:国際公開第2012/052331号パンフレット
融氷上でのグリップ性を改善するために、本出願人らによって出願された特許出願((特許文献1)および(特許文献2))は、効果的な表面微細粗さをもたらすことができる特定のゴム組成物を含むトレッドを有するタイヤを記載し、この表面微細粗さは、特定の微粒子によるものであり、かつ補強およびヒステリシス特性に不利になることなく融氷条件下でトレッドおよびトレッドを含むタイヤの氷上でのグリップ性を改善することを可能にする。
これらの微粒子は、トレッドの表面で突出しており、地面自体の表面削りに対する磨耗作用であるという欠点なしに、かつ乾燥地面上の著しく悪化した道路挙動なしに周知の爪機能を果たす。次いで、ゴムマトリックスから徐々に排出された後、それらは、貯蔵容積としておよび氷の表面の水の膜を排出するための流路として作用するマイクロキャビティをリリースする。これらの条件下では、トレッド表面と氷との接触はもはや潤滑されず、したがって摩擦係数は改善される。
しかしながら、砂利および/または路面の凍結防止剤が広がる冬の道路での車両の通過中、トレッドが特定のゴム組成物を含むことにより、タイヤのクラウン補強材の錆を促進する危険性がある。車両の通過中、砂利がトレッドの表面を傷付ける恐れがあり、これにより水および凍結防止剤がクラウン補強材へ浸透する可能性があり、これがタイヤのクラウン補強材の錆を促進する可能性がある。
この特定の問題は本発明によって解決された。ここで、その研究を継続するなかで、本出願人らは、表面部分および内側部分がタイヤのトレッドを形成する新規かつ特定のゴム複合構造を発見した。それは、タイヤのクラウン補強材が錆びることを抑制しながら、融氷条件下でタイヤのトレッドの氷上でのグリップ性を改善することを可能にする。
タイヤは、回転軸を中心とした回転の幾何学的形状を有しているため、タイヤの幾何学的形状は、タイヤの回転軸を含む子午線面で一般に記載され、タイヤの方向の以下の定義が本出願において理解される:
− 半径方向は、タイヤの回転軸に垂直な方向である。
− 軸方向は、タイヤの回転軸に平行な方向である。
− 円周方向は、子午線面に垂直な方向である。
タイヤの回転軸に垂直でありかつタイヤのトレッド面の中央を通過する平面は、タイヤの赤道面と称される。
以下において、「半径方向に」、「軸方向に」および「円周方向に」という表現は、それぞれ「半径方向において」、「軸方向において」および「円周方向において」を意味する。「半径方向に内側に(半径方向内側にまたは半径方向内方に)、またはそれぞれ半径方向に外側に(半径方向外側にまたは半径方向外方に)」という表現は、「〜よりも半径方向においてタイヤの回転軸を起点にして、それぞれより近いまたはより離れる」ことを意味する。「軸方向に内側に(軸方向内側にまたは軸方向内方に)、またはそれぞれ軸方向に外側に(軸方向外側にまたは軸方向外方に)」という表現は、「〜よりも軸方向において赤道面を起点にして、それぞれより近いまたはより離れる」ことを意味する。所与の要素の半径方向、軸方向および円周方向の各寸法は、この要素の「半径方向の厚さまたは高さ」、「軸方向の幅」および「円周方向の長さ」とも示される。
本記載において、他に明示的に示されない限り、示された百分率(%)は全て重量%である。
略語「phr」は、エラストマーまたはゴムの(いくつかのエラストマーが存在する場合には各エラストマーの合計の)100部あたりの重量部を意味する。
「a〜b」という表現で示される値の任意の間隔は、「a」より大きく「b」より小さい値の範囲を表す(すなわち、限界値aおよびbは除外される)。一方、「aからbまで」という表現で示される値の任意の間隔は、「a」から「b」までの値の範囲を意味する(すなわち、厳密な限界値aおよびbを含む)。
本記載中、他に明示的に示されない限り、各Tg(ガラス転移温度)は、標準ASTM D3418(1999)に従うDSC(示差走査熱量測定)によって既知の方法で測定される。
「基づく」という表現は、本出願では、成分のいくつかが組成物の様々な製造段階中、特に加硫(硬化)中に少なくとも部分的に相互に反応できるか、または反応するように意図された状態で使用される種々の成分の反応の混合物および/または生成物を含む組成物を意味すると理解すべきである。
[1]本発明の第1の態様は、2つのサイドウォール(3)によって延長されたクラウン(2)を有するタイヤ(1)であり、サイドウォール(3)が2つのビード(4)によって終端され、カーカス補強材(5)がクラウン(2)およびサイドウォール(3)中に延在し、かつビード(4)に固定され、クラウン(2)が、カーカス補強材(5)と、クラウン(2)を形成するトレッド(7)との間に円周方向に配置されたクラウン補強材(6)によって補強され、前記トレッド(7)が、少なくとも2つの半径方向に重ねられた部分(8、9)を含み、少なくとも2つの半径方向に重ねられた部分(8、9)が、少なくともトレッドが新しくかつ硬化した状態にあるとき、転動中に地面と接触するように意図され、ゴム組成物Aから作製された表面部分(8)と、表面部分(8)に(好ましくは隣接して)半径方向内側に配置され、ゴム組成物Bから作製された内側部分(9)とを含み、ゴム組成物AおよびBのそれぞれが、少なくともジエンエラストマーと、50〜150phrの補強フィラーと、20〜160phrの可塑剤と、微粒子とを含み、ゴム組成物A中の微粒子のCで示される含有量が2〜40phrであり、前記含有量Cが、ゴム組成物B中の微粒子のCで示される含有量よりも多い。
本出願人によって発見されたタイヤのトレッドを形成する表面部分および内側部分を有する新規かつ特定のゴム複合構造は、タイヤのクラウン補強材が錆びることを抑制しながら、融氷条件下でタイヤのトレッドの氷上でのグリップ性を改善することを可能にする。
本発明のさらなる態様は、以下の通りであり得る。
[2]CがCの0〜80重量%である、[1]に記載のタイヤ。
[3]Cが1〜10phrである、[1]または[2]に記載のタイヤ。
[4]Cが3〜30phrである、[1]〜[3]のいずれか1つに記載のタイヤ。
[5]微粒子が、体積基準のメジアン粒径と体積粒度分布の幅とを有し、体積基準のメジアン粒径および体積粒度分布の幅の両方が、ISO規格13320−1に従うレーザ回折法によって測定され、以下の関係:
− 50μm<D50<150μm、
− 0.50<Span<1.50
を満たし、ここで、
− D50が、体積粒度分布から得られる累積分布の50%に対応する体積基準の中間粒径であり、
− Span=(D90−D10)/D50であり、および
− D10およびD90が、累積粒子分布のそれぞれ10体積%および90体積%に対応する粒径である、[1]〜[4]のいずれか1つに記載のタイヤ。
[6]微粒子が、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水溶性硫酸塩の微粒子である、[1]〜[5]のいずれか1つに記載のタイヤ。
[7]アルカリ金属またはアルカリ土類金属が、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウムおよびそれらの混合物からなる群から選択される、[6]に記載のタイヤ。
[8]前記水溶性硫酸塩が、硫酸マグネシウム、硫酸カリウムおよびそれらの混合物からなる群から選択される、[6]または[7]に記載のタイヤ。
[9]水溶性硫酸塩が硫酸マグネシウムである、[6]〜[8]のいずれか1つに記載のタイヤ。
[10]微粒子が、少なくとも1種の金属酸化物または金属水酸化物の中空微粒子である、[1]〜[5]のいずれかに1つに記載のタイヤ。
[11]ゴム組成物Aおよびゴム組成物B中のジエンエラストマーが、天然ゴム、合成ポリイソプレン、ポリブタジエン、ブタジエンコポリマー、イソプレンコポリマーおよびそれらの混合物からなる群から選択される、[1]〜[10]のいずれか1つに記載のタイヤ。
[12]ゴム組成物A中のジエンエラストマーが、50phrを超える天然ゴムまたは合成ポリイソプレンを含む、[11]に記載のタイヤ。
[13]ゴム組成物A中のジエンエラストマーが、90%超のcis−1,4結合の含有量を有する、50phr超のポリブタジエンを含む、[11]に記載のタイヤ。
[14]ゴム組成物B中のジエンエラストマーが、20phrを超えるブタジエンコポリマーを含む、[11]〜[13]のいずれか1つに記載のタイヤ。
[15]ブタジエンコポリマーが、スチレン−ブタジエンコポリマー、スチレン−ブタジエンイソプレンコポリマーおよびそれらの混合物からなる群から選択される、[14]に記載のタイヤ。
[16]ブタジエンコポリマーがスチレン−ブタジエンコポリマーである、[15]に記載のタイヤ。
[17]補強フィラーが、カーボンブラック、無機フィラーおよびそれらの混合物からなる群から選択される、[1]〜[16]のいずれか1つに記載のタイヤ。
[18]無機フィラーがシリカである、[17]に記載のタイヤ。
[19]ゴム組成物AおよびBのそれぞれの補強フィラーの含有量が60〜120phrである、[1]〜[18]のいずれか1つに記載のタイヤ。
[20]可塑剤が、液体可塑剤、炭化水素樹脂およびそれらの混合物からなる群から選択される、[1]〜[19]のいずれか1つに記載のタイヤ。
[21]液体可塑剤が、ポリオレフィン系油、ナフテン系油、パラフィン系油、留出芳香族抽出物(Distillate Aromatic Extracts)(DAE)油、中間抽出溶媒和物(Medium Extracted Solvates)(MES)油、処理留出芳香族抽出物(Treated Distillate Aromatic Extracts)(TDAE)油、残留芳香族抽出物(Residual Aromatic Extracts)(RAE)油、処理残留芳香族抽出物(Treated Residual Aromatic Extracts)(TRAE)油、安全残留芳香族抽出物(Safety Residual Aromatic Extracts)(SRAE)油、鉱油、植物油、エーテル可塑剤、リン酸エステル系可塑剤、スルホネート可塑剤およびそれらの混合物からなる群から選択される、[20]に記載のタイヤ。
[22]炭化水素樹脂が、シクロペンタジエンホモポリマーまたはコポリマー樹脂、ジシクロペンタジエンホモポリマーまたはコポリマー樹脂、テルペンホモポリマーまたはコポリマー樹脂、C画分ホモポリマーまたはコポリマー樹脂、C画分ホモポリマーまたはコポリマー樹脂、α−メチルスチレンホモポリマーまたはコポリマー樹脂およびそれらの混合物からなる群から選択される、[20]に記載のタイヤ。
[23]ゴム組成物AおよびBのそれぞれの可塑剤の含有量が20〜120phrである、[1]〜[22]のいずれか1つに記載のタイヤ。
[24]内側部分(9)が表面部分(8)に隣接する、[1]〜[23]のいずれか1つに記載のタイヤ。
本発明のタイヤは、4×4(四輪駆動)車両およびSUV(スポーツ用多目的車両)車両を含む乗用自動車、二輪車(特にオートバイ)、ならびにまたバンおよび重量車(すなわち、地下鉄、バスもしくは大型道路輸送車両(貨物車、トラクター、トレーラー)、または農業車両もしくは土木機械などのオフロード車両から特に選択される産業車両に装備するように特に意図されている。
本発明およびその利点は、以下の説明および実践例に照らし合わせて容易に理解されるであろう。
本発明の他の特徴および利点は、本発明の目的の実施形態を非限定的な例として示す添付図面を参照して以下に述べる説明から明らかになる。
本発明の一実施形態のタイヤ断面図の概略図を示す。
添付の図1は、本発明の一実施形態による寸法205/55R16のタイヤ(1)を半径方向の断面において概略的に(特に特定のスケールではない)示している。
図1は、タイヤ(1)が、2つのサイドウォール(3)によって延長されたクラウン(2)を有し、サイドウォールが、2つのビード(4)で終端され、カーカス補強材(5)がクラウン(2)およびサイドウォール(3)中に延在し、かつ2つのビードワイヤ(4a、4b)に巻き付くことによりビード(4)に固定され、カーカス補強材(5)の折返し部(5a、5b)が、例えばリム(11)に取り付けられたタイヤ(1)の外側に向けられることを示している。
クラウン(2)は、カーカス補強材(5)と、クラウン(2)を形成するトレッド(7)との間に円周方向に配置されたクラウン補強材(6)によって補強され、少なくとも部分的に織物および/または金属ベルトであるクラウン補強材(6)は、例えば、金属製のコードで補強された少なくとも2つの重ねられた交差プライから形成される。
トレッド(7)は、表面部分(8)と、表面部分(8)に(好ましくは隣接して)半径方向内側に位置付けられた内側部分(9)とを含み、表面部分(8)は、内側部分(9)が作製されるゴム組成物Bと異なるゴム組成物Aから作製される。
さらに、トレッド(7)は、図1に示すように、円周方向に延在する主溝(10)の1つまたは複数を含み、半径方向において、表面部分(8)の厚さは1〜8mmであり、内側部分(9)の厚さは1〜6mmであり、主溝の深さは約9mmである。
本発明のタイヤのトレッドを形成するゴム組成物AおよびBのそれぞれは、少なくともジエンエラストマーを含むという必須の特徴を有する。
「ジエン」エラストマー(または「ゴム」、これら2つの用語は同義であるとみなされる)は、ジエンモノマー(共役していてもいなくてもよい2つの炭素−炭素二重結合を有するモノマー)から少なくとも部分的に得られる(すなわちホモポリマーまたはコポリマー)(1種または複数種のものと理解される)エラストマーを意味することが公知の方法で理解されるべきである。
これらのジエンエラストマーは、公知の方法において、2つのカテゴリー:「本質的に不飽和の」ものおよび本質的に飽和した」ものに分類することができる。ブチルゴム、例えばジエンとEPDMタイプのα−オレフィンとのコポリマーなどは、本質的に飽和したジエンエラストマーのカテゴリーに含まれ、ジエン由来の単位の含有量が低いかまたは非常に低く、常に15%(mol%)未満である。対照的に、本質的に不飽和のジエンエラストマーは、15%(mol%)を超えるジエン由来の単位(共役ジエン)含有量を有する、共役ジエンモノマーから少なくとも部分的に得られるジエンエラストマーを意味すると理解される。「本質的に不飽和の」ジエンエラストマーのカテゴリーにおいて、「高度に不飽和の」ジエンエラストマーは、特に、50%を超えるジエン由来の単位(共役ジエン)の含有量を有するジエンエラストマーを意味すると理解される。
ポリブタジエン(BR)、合成ポリイソプレン(IR)、天然ゴム(NR)、ブタジエンコポリマー、イソプレンコポリマーおよびそれらの混合物からなる群から選択される、高度に不飽和タイプの少なくとも1種類のジエンエラストマー、特にジエンエラストマーをゴム組成物AおよびB中に使用することが好ましい。そのようなコポリマーは、より好ましくは、ブタジエン/スチレンコポリマー(SBR)、イソプレン/ブタジエンコポリマー(BIR)、イソプレン/スチレンコポリマー(SIR)、イソプレン/ブタジエン/スチレンコポリマー(SBIR)およびそのようなコポリマーの混合物からなる群から選択される。
好ましくは以下のものが適している:ポリブタジエン、特に4%〜80%の1,2−単位の含有量を有するものまたは80%を超えるシス−1,4単位の含有量を有するもの、ポリイソプレン、ブタジエン/スチレンコポリマー、特に5重量%〜50重量%、より特に20%〜40%のスチレン含有量、4%〜65%のブタジエン部分の1,2−結合の含有量、および20%〜80%のトランス−1,4結合の含有量を有するもの、ブタジエン/イソプレンコポリマー、特に5重量%〜90重量%のイソプレン含有量および−40℃〜−80℃のガラス転移温度を有するもの、またはイソプレン/スチレンコポリマー、特に5重量%〜50重量%のスチレン含有量および−25℃〜−50℃のTgを有するもの。
ブタジエン/スチレン/イソプレンコポリマーの場合、5重量%〜50重量%、より特に10%〜40%のスチレン含有量と、15重量%〜60重量%、より特に20%〜50%のイソプレン含有量と、5重量%〜50重量%、より特に20%〜40%のブタジエン含有量と、4%〜85%のブタジエン部分の1,2−単位の含有量と、6%〜80%のブタジエン部分のトランス−1,4−単位の含有量と、5%〜70%のイソプレン部分の1,2+3,4−単位の含有量と、10%〜50%のイソプレン部分のトランス−1,4−単位の含有量とを有するもの、より一般的には−20℃〜−70℃のTgを有するいずれかのブタジエン/スチレン/イソプレンコポリマーが特に適している。
本発明の特に好ましい実施形態によれば、ゴム組成物AおよびB中のジエンエラストマーは、天然ゴム、合成ポリイソプレン、90%を超えるシス−1,4結合の含有量を有するポリブタジエン、ブタジエン/スチレンコポリマーおよびそれらの混合物からなる群から選択される。
より特定的かつ好ましい実施形態によれば、ゴム組成物A中のジエンエラストマーは、大部分を占める、すなわち50phrを超える(「phr」はエラストマー100部あたりの重量部を意味することを思い起こされたい)天然ゴム(NR)または合成ポリイソプレン(IR)である。より好ましくは、前記天然ゴムまたは合成ポリイソプレンは、好ましくは90%を超えるシス−1,4結合の含有量を有するポリブタジエン(BR)とのブレンドとして使用される。
より特定的かつ好ましい実施形態によれば、ゴム組成物A中のジエンエラストマーは、大部分を占める、すなわち50phrを超える天然ゴム(NR)または合成ポリイソプレン(IR)である。より好ましくは、前記天然ゴムまたは合成ポリイソプレンは、好ましくは90%を超えるシス−1,4結合の含有量を有するポリブタジエン(BR)とのブレンドとして使用される。
別の特定的かつ好ましい実施形態によれば、ゴム組成物A中のジエンエラストマーは、大部分を占める、すなわち50phrを超える、シス−1,4結合の含有量が90%を超えるポリブタジエン(BR)である。より好ましくは、前記ポリブタジエンは、したがって、天然ゴムまたは合成ポリイソプレンとのブレンドとして使用される。
別の特定的かつ好ましい実施形態によれば、ゴム組成物A中のジエンエラストマーは、NR(またはIR)とBRとの2成分ブレンド(混合物)、またはNR(もしくはIR)、BRおよびSBRの3成分ブレンドである。好ましくは、そのようなブレンドの場合、組成物は25〜75phrのNR(またはIR)と75〜25phrのBRとを含み、それに第3のエラストマー(3成分ブレンド)が30phr未満、特に20phr未満の含有量で関連付けられても関連付けられなくてもよい。この第3のエラストマーは、好ましくはSBRエラストマー、特に溶液SBR(「SSBR」)である。さらにより好ましくは、このようなブレンドの場合、組成物は、35phrから65phrまでのNR(またはIR)および65phrから35phrまでのBRを含む。使用されるBRは、好ましくは、90%を超える、より好ましくは95%を超えるシス−1,4結合の含有量を有するBRである。
別の特定的かつ好ましい実施形態によれば、ゴム組成物B中のジエンエラストマーは、20phrを超える(特に20〜100phrの)、好ましくは40phrを超える(特に40〜80phrの)のブタジエンコポリマーを含む。特に、ブタジエンコポリマーは、スチレン−ブタジエンコポリマー、スチレン−ブタジエンイソプレンコポリマーおよびそれらの混合物からなる群から選択される。より詳細には、ブタジエンコポリマーはスチレン−ブタジエンコポリマーである。
ジエンエラストマー以外の合成エラストマー、実際にさらにエラストマー以外のポリマー、例えば熱可塑性ポリマーも、少量で、本発明によるタイヤのトレッドを形成するゴム組成物AおよびB中のジエンエラストマーと組み合わせることができる。
本発明によるタイヤのトレッドを形成するゴム組成物AおよびBのそれぞれは、50〜150phrの補強フィラーを含むという別の本質的な特徴を有する。
カップリング剤が既知の方法でそれと混合される、タイヤの製造に使用できるゴム組成物を補強するその能力について知られている補強フィラーのいずれかの種類、例えばカーボンブラックなどの有機フィラーまたはシリカなどの補強無機フィラーを使用することができる。
そのような補強フィラーは、典型的にはナノ粒子からなり、その平均サイズ(重量基準)は、500nm未満、一般に20〜200nm、特におよび好ましくは20〜150nmである。
タイヤのトレッドに従来使用される全てのカーボンブラック、特にHAF、ISAFまたはSAFタイプのブラック(「タイヤグレード」ブラック)がカーボンブラックとして適している。後者の中では、例えば、N115、N134、N234、N326、N330、N339、N347、またはN375ブラックなど、100、200または300シリーズ(ASTMグレード)の補強用カーボンブラックがより特定的に挙げられる。カーボンブラックは、例えば、マスターバッチの形態でイソプレンエラストマーにあらかじめ組み込まれていてもよい(例えば、出願国際公開第97/36724号パンフレットまたは国際公開第99/16600号パンフレットを参照されたい)。
カーボンブラック以外の有機フィラーの例として、出願国際公開第2006/069792号パンフレット、国際公開第2006/069793号パンフレット、国際公開第2008/003434号パンフレットおよび国際公開第2008/003435号パンフレットに記載されているような官能化ポリビニル有機フィラーを挙げることができる。
「補強無機フィラー」という用語は、ここで、いずれかの無機または鉱物フィラーであり、その色およびその起源(天然または合成)を問わず、カーボンブラックとは対照的に「白色フィラー」または時に「透明フィラー」としても知られ、タイヤの製造用に作られたゴム組成物を中間カップリング剤以外の手段なしにそれのみで補強することができ、換言すると、その補強的役割において、従来のタイヤグレードのカーボンブラックに取って代わることができるいずれかの無機または鉱物フィラーを意味するように理解すべきであり、このようなフィラーは、一般に、その表面にヒドロキシル(−OH)基が存在することにより、公知の方法で特徴付けられる。
ケイ質タイプの鉱物フィラー、特にシリカ(SiO)またはアルミナタイプの鉱物フィラー、特にアルミナ(Al)は、補強無機フィラーとして特に適している。使用されるシリカは、当業者に知られているいずれかの補強用シリカであることができ、特に450m/g未満、好ましくは30m/gから400m/gまで、特に両方とも60〜300m/gのBET表面およびCTAB比表面を示すいずれかの沈降または発熱性シリカである。高分散性のもの(「HD沈降シリカ」)として、例えば、EvonikからのUltrasil 7000およびUltrasil 7005シリカ、RhodiaからのZeosil 1165 MP、1135 MPおよび1115 MPシリカ、PPGからのHi−Sil EZ150Gシリカ、HuberからのZeopol 8715、8745および8755シリカが挙げられる。補強アルミナの例として、Bai’kowskiからの「Baikalox A125」または「Baikalox CR125」アルミナ、Condeaからの「APA−100RDX」アルミナ、Degussaからの「Aluminoxid C」アルミナまたは住友化学からの「AKP−G015」アルミナが挙げられ得る。
好ましくは、ゴム組成物AおよびBのそれぞれの補強フィラーは、カーボンブラック、無機フィラーおよびそれらの混合物からなる群から選択される。無機フィラーは、より好ましくはシリカである。
好ましくは、ゴム組成物AおよびBのそれぞれの合計補強フィラー含有量は、60〜120phr、特に70〜100phrである。
別の特定の実施形態によれば、ゴム組成物A中の補強フィラーは、無機フィラー、特にシリカを主に含み、そのような場合、無機フィラー、特にシリカは、好ましくは70phrより多い含有量で少量のカーボンブラックと組み合わせてまたは組み合わせないで存在し、カーボンブラックは、存在する場合、好ましくは20phr未満、より好ましくは10phr未満(例えば0.1〜10phr)の含有量で使用される。
本発明の第1の態様、すなわち融氷上での最適化されたグリップ性の探索とは無関係に、シリカなどの補強無機フィラーの大部分を占める使用は、濡れたまたは雪に覆われた地面上でのグリップ性の観点からも有利である。
本発明の別の可能な実施形態によれば、ゴム組成物B中の補強フィラーは、カーボンブラックと、シリカなどの補強無機フィラーとの同様の量のブレンドを含み、そのような場合、無機フィラー、特にシリカの含有量およびカーボンブラックの含有量は、好ましくはそれぞれ25〜75phr、より特定的にはそれぞれ30〜50phrである。
補強無機フィラーをジエンエラストマーに結合するために、無機フィラー(その粒子の表面)とジエンエラストマーとの間の化学的および/または物理的性質の満足できる結合をもたらすように意図された少なくとも二官能性カップリング剤(または結合剤)が周知の方法で使用される。特に、二官能性オルガノシランまたはポリオルガノシロキサンが使用される。
例えば、出願国際公開第03/002648号パンフレット(または米国特許出願公開第2005/016651号明細書)および国際公開第03/002649号パンフレット(米国特許出願公開第2005/016650号明細書)に記載されているように、その特定の構造に応じて「対称」または「非対称」と称されるシランポリスルフィドが特に使用される。以下の一般式(I):
(I)Z−A−Sx−A−Z
に対応する「対称」シランポリスルフィドであり、式中、
− xは、2から8まで(好ましくは2から5まで)の整数であり、
− Aは、二価の炭化水素基(好ましくはC〜C18アルキレン基またはC〜C12アリーレン基、より特定的にはC〜C10、特にC〜Cアルキレン、特にプロピレン)であり、
− Zは、以下の式:
Figure 0006884150
の1つに対応し、式中、
− R基は、非置換であるか置換されかつ互いに同一または異なり、C〜C18アルキル、C〜C18シクロアルキルまたはC〜C18アリール基(好ましくはC〜Cアルキル、シクロヘキシルまたはフェニル基、特にC〜Cアルキル基、より特定的にはメチルおよび/またはエチル)を示し、
− R基は、非置換であるか置換されかつ互いに同一または異なり、C〜C18アルコキシまたはC〜C18シクロアルコキシ基(好ましくはC〜CアルコキシおよびC〜Cシクロアルコキシから選択される基、さらにより好ましくはC〜Cアルコキシから選択される基、特にメトキシルおよびエトキシル)を示す)が特に適切であり、上記の定義は限定されない。シランポリスルフィドの例として、ビス((C〜C)アルコキシ(C〜C)アルキルシリル(C〜C)アルキル)ポリスルフィド(特にジスルフィド、トリスルフィドまたはテトラスルフィド)、例えば、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)またはビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ポリスルフィドなどがより特定的に挙げられる。これらの化合物の中で、式[(CO)Si(CHのビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド(TESPTと略記される)、または式[(CO)Si(CHS]のビス(トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド(TESPDと略記される)が特に使用される。好ましい例として、特許出願国際公開第02/083782号パンフレット(または米国特許第7 217 751号明細書)に記載されているような、ビス(モノ(C〜C)アルコキシジ(C〜C)アルキルシリルプロピル)ポリスルフィド(特にジスルフィド、トリスルフィドまたはテトラスルフィド)、より特定的にビス(モノエトキシジメチルシリルプロピル)テトラスルフィドも挙げられる。
アルコキシシランポリスルフィド以外のカップリング剤として、特許出願国際公開第02/30939号パンフレット(または米国特許第6 774 255号明細書)および国際公開第02/31041号パンフレット(または米国特許出願公開第2004/051210号明細書)に記載されているものなど、二官能性POS(ポリオルガノシロキサン)またはヒドロキシシランポリスルフィド(R=上記式(I)のOH)、または例えば特許出願国際公開第2006/125532号パンフレット、国際公開第2006/125533号パンフレットおよび国際公開第2006/125534号パンフレットに記載されているものなど、アゾジカルボニル官能基を有するシランまたはPOSが特に挙げられる。
本発明によるゴム組成物において、ゴム組成物AおよびBのそれぞれにおけるカップリング剤の含有量は、好ましくは1〜12phr、より好ましくは2〜8phrである。
当業者は、別の性質、特に有機性の補強フィラーが本節に記載の補強無機フィラーと均等なフィラーとして使用されてもよいが、ただし、この補強フィラーは、シリカなどの無機層で被覆されるか、またはさもなければ機能部位、特にヒドロキシルをその表面に含み、フィラーとエラストマーとの間の結合を形成するためにカップリング剤の使用を必要とすることを理解するであろう。
本発明によるタイヤのトレッドを形成するゴム組成物AおよびBのそれぞれは、20〜160phrの可塑剤を含むという別の本質的な特徴を有する。
ゴム組成物AおよびBのそれぞれにおける可塑剤の含有量は、好ましくは20〜120phrである。特に、ゴム組成物A中の可塑剤の含有量は30〜100phr、より特定的には40〜80phrである。有利には、ゴム組成物B中の可塑剤の含有量は20〜80phr、より有利には20〜40phrである。不可欠な可塑剤が別の不可欠な可塑剤と混合して使用される場合、含有量は2種以上の可塑剤の合計含有量を意味すると理解すべきである。
好ましくは、可塑剤は、液体可塑剤、(固体)炭化水素樹脂およびそれらの混合物からなる群から選択される。
液体可塑剤は20℃で(大気圧下で)液体であり、その役割はエラストマーと補強フィラーとを希釈することによってマトリックスを軟化させることであり、そのTgは定義上−20℃未満、好ましくは−40℃未満である。
ジエンエラストマーに関してその可塑化特性が知られている芳香性または非芳香性を問わないいずれかの拡張油(extending oil)、いずれかの液体可塑剤を使用することができる。周囲温度(20℃)において、これらの可塑剤またはこれらの油は、多かれ少なかれ粘性であり、液体(すなわち、留意点として、最終的にそれらの容器の形状をとる能力を有する物質)であり、これは特に性質的に周囲温度で固体である可塑化炭化水素樹脂と対照的である。
ポリオレフィン系油、ナフテン系油(低粘度または高粘度、特に水素添加されているかまたはそれ以外のもの)、パラフィン系油、DAE(留出芳香族抽出物)油、MES(中間抽出溶媒和物)油、TDAE油(処理留出芳香族抽出物)、RAE油(残留芳香族抽出物)、TRAE油(処理残留芳香族抽出物)、SRAE油(安全残留芳香族抽出物)、鉱油、植物油、エーテル可塑剤、エステル可塑剤(例えばリン酸エステル系可塑剤)、スルホネート可塑剤およびそれらの混合物からなる群から選択される液体可塑剤が特に適している。
好ましい実施形態によれば、液体可塑剤は、MES油、TDAE油、ナフテン系油、植物油およびそれらの混合物からなる群から選択される。
リン酸エステル系可塑剤としては、例えば、12〜30個の炭素原子を含有するもの、例えばリン酸トリオクチルを挙げることができる。エステル可塑剤の例としては、特にトリメリテート、ピロメリテート、フタレート、1,2−シクロヘキサンジカルボキシレート、アジペート、アゼレート、セバケート、グリセロールのトリエステル、およびそれらの混合物からなる群から選択される化合物を挙げることができる。上記トリエステルの中では、好ましくは不飽和C18脂肪酸、すなわちオレイン酸、リノール酸、リノレン酸、およびそれらの混合物からなる群から選択された不飽和脂肪酸から主に(50重量%超、より好ましくは80重量%超)構成されたグリセロールトリエステルを挙げることができる。より好ましくは、合成由来または天然由来(例えばヒマワリまたはナタネ植物油の場合)を問わず、使用される脂肪酸は、50重量%超、より好ましくは80重量%からがオレイン酸から構成される。高含有量のオレイン酸を含むそのようなトリエステル(トリオレアート)はよく知られており、例えば、それらは、タイヤ用トレッド中の可塑剤として出願国際公開第02/088238号パンフレットに記載されている。
炭化水素樹脂は、固体可塑剤(20℃で)であり、例えば出願国際公開第2005/087859号パンフレット、国際公開第2006/061064号パンフレットおよび国際公開第2007/017060号パンフレットに記載されているように、+20℃を超える、好ましくは+30℃を超えるTgを示す。
炭化水素樹脂は、本質的に炭素および水素に基づく、従って「可塑化」であると追加的に記載されている場合、ジエンエラストマー組成物中に本質的に混和性である、当業者に周知のポリマーである。それらは、例えば、R.Mildenberg、M.ZanderおよびG.Collinによる「Hydrocarbon Resins」という名称の論文(New York、VCH、1997、ISBN 3−527−28617−9)に記載され、その第5章は、特にタイヤゴム分野におけるその用途に充てられている(5.5.「Rubber Tires and Mechanical Goods」)。それらは、脂肪族もしくは芳香族、または脂肪族/芳香族タイプ、すなわち脂肪族および/または芳香族モノマーに基づくものであってもよい。それらは天然または合成であってもよく、石油系(そのような場合、石油系樹脂の名称でも知られている)であってもなくてもよい。それらは、好ましくは排他的に炭化水素であり、すなわち、それらは炭素原子および水素原子のみを含む。
好ましくは、可塑化炭化水素樹脂は、以下の特徴の少なくとも1つ、より好ましくは全てを示す:
− 20℃を超える(より好ましくは40〜100℃)のTg、
− 400〜2000g/mol(より好ましくは500〜1500g/mol)の数平均分子量(Mn)、
− 3未満、より好ましくは2未満の多分散指数(PI)(注意:PI=Mw/Mn、Mwは重量平均分子量Mwである)。
炭化水素樹脂のマクロ構造(Mw、MnおよびPI)は、立体排除クロマトグラフィー(SEC):溶媒テトラヒドロフラン、温度35℃、濃度1g/l、流速1ml/分、注入前に0.45μmの空隙率を有するフィルターを通して濾過した溶液、ポリスチレン標準によるムーア較正、一連の3つの「Waters」カラム(「Styragel」HR4E、HR1およびHR0.5)のセット、示差屈折計(「Waters 2410」)およびそれに関連する操作ソフトウェア(「Waters Empower」)による検出によって測定される。
特に好ましい実施形態によれば、可塑化炭化水素樹脂は、シクロペンタジエン(CPDと略記される)ホモポリマーまたはコポリマー樹脂、ジシクロペンタジエン(DCPDと略記される)ホモポリマーまたはコポリマー樹脂、テルペンホモポリマーまたはコポリマー樹脂、C画分ホモポリマーまたはコポリマー樹脂、C画分ホモポリマーまたはコポリマー樹脂、α−メチルスチレンホモポリマーまたはコポリマー樹脂およびそれらの混合物からなる群から選択される。より好ましくは、上記のコポリマー樹脂の中で、(D)CPD/ビニル芳香族コポリマー樹脂、(D)CPD/テルペンコポリマー樹脂、(D)CPD/C画分コポリマー樹脂、(D)CPD/C画分コポリマー樹脂、テルペン/ビニル芳香族コポリマー樹脂、テルペン/フェノールコポリマー樹脂、C画分/ビニル芳香族コポリマー樹脂、C画分/ビニル芳香族コポリマー樹脂、およびそれらの混合物からなる群から選択されるものが使用される。
「テルペン」という用語は、ここで、既知の方法において、α−ピネン、β−ピネンおよびリモネンモノマーを組み合わせ、好ましくはリモネンモノマーが使用され、この化合物は、3つの可能なアイソマー:L−リモネン(左旋性エナンチオマー)、D−リモネン(右旋性エナンチオマー)または他のジペンテン、右旋性および左旋性エナンチオマーのラセミ体の形態において既知の方法で存在する。スチレン、α−メチルスチレン、オルト−、メタ−、またはパラ−メチルスチレン、ビニルトルエン、パラ−(tert−ブチル)スチレン、メトキシスチレン、クロロスチレン、ヒドロキシスチレン、ビニルメシチレン、ジビニルベンゼン、ビニルナフタレン、またはC画分(またはより一般的にC〜C10画分)から得られるいずれかのビニル芳香族モノマーが、例えばビニル芳香族モノマーとして適している。好ましくは、ビニル芳香族化合物は、スチレンまたはC画分(またはより一般的にC〜C10画分)から得られるビニル芳香族モノマーである。好ましくは、ビニル芳香族化合物は、検討中のコポリマー中のモル分率として表される副モノマーである。
本発明によるタイヤのトレッドを形成するゴム組成物AおよびBのそれぞれは、微粒子を含むという他の本質的な特徴を有する。
ゴム組成物AおよびB中の微粒子は、トレッドが新しい場合およびまたタイヤが摩耗している場合、例えば、内側部分(9)が接触面に現れている場合、タイヤのトレッドの氷上での、特に融氷条件下でのグリップ性を改善することを可能にする。
例えば、微粒子は、少なくとも1種の金属酸化物または金属水酸化物の中空微粒子、水溶性金属塩の微粒子またはそれらの混合物である。
特定の例では、金属酸化物または金属水酸化物中の金属は、アルミニウム、ケイ素、ジルコニウム、遷移金属およびそれらの混合物または合金からなる群から選択され、より特定的な例では、金属酸化物は、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、アルミニウム−ケイ素酸化物およびそれらの混合物からなる群から選択され、金属水酸化物は、水酸化アルミニウム、水酸化ケイ素、アルミニウム−ケイ酸水酸化物およびそれらの混合物からなる群から選択され、さらにより特定的な例では、中空微粒子は、アルミノシリケートの中空微粒子である。
別の特定の例では、水溶性金属塩中の塩は、塩化物、炭酸塩、硫酸塩およびそれらの混合物からなる群から選択され、水溶性金属塩中の金属は、アルカリ金属またはアルカリ土類金属である。
好ましくは、微粒子は、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水溶性硫酸塩の微粒子である。
水溶性、すなわち水中での溶解性(それは所与の1種類の温度および1種類の圧力での水中の溶解物質の最大重量であることに留意されたい)は、有機または無機である化合物の一般的によく知られている普遍の物理学(特に“Handbooks of Chemistry and Physic”で得ることができる)の1つである。
当業者は、水溶性硫酸塩の微粒子が少なくとも部分的に水に溶解できることを認識している。好ましくは、1気圧に等しい圧力下で0℃の水中での微粒子の溶解度は、1g/100mlより高く、より好ましくは2g/100mlより高く、さらにより好ましくは4g/100mlより高い。
好ましい実施形態によれば、アルカリ金属(alkali metal)またはアルカリ金属(alkaline metal)は、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)およびそれらの混合物からなる群から選択される。
より好ましい実施形態によれば、水溶性硫酸塩は、硫酸マグネシウム、硫酸カリウムおよびそれらの混合物からなる群から選択される。さらにより好ましくは、水溶性硫酸塩は硫酸マグネシウムである。
より好ましい実施形態によれば、水溶性硫酸塩は、硫酸マグネシウム、硫酸カリウムおよびそれらの混合物からなる群から選択される。さらにより好ましくは、水溶性硫酸塩は硫酸マグネシウムである。
好ましい実施形態によれば、微粒子は、体積基準の特定のメジアン粒径(D50)と体積粒度分布の特定の幅(Span)とを有し、体積基準の特定のメジアン粒径(D50)および体積粒度分布の特定の幅(Span)の両方がISO規格13320−1に従うレーザ粒径法によって測定され、以下の関係:
− 50μm<D50<150μm、
− 0.50<Span<1.50
を満たす。
50は、体積粒度分布から得られる累積分布の50(体積)%に対応する体積基準のメジアン粒径(直径)であり、すなわち体積基準の粒径であり、微粒子の50%がD50より小さい直径を有し、微粒子の別の50%がD50より大きい直径を有する。所望の表面粗さと、ゴム組成物Aおよび氷間の適切な接触との間で最適に妥協するためにD50は75μm〜125μmであると好ましい。
体積粒度分布の幅であるSpanは既知の方法で測定され、以下の式:
− Span=(D90−D10)/D50
に従って定義され、好ましくは、Spanは0.75〜1.25であり、式中:
10およびD90は、累積分布のそれぞれ10(体積)%および90(体積)%に対応する微粒子の直径(粒径)である。
好ましい実施形態によれば、D10は30μmより大きく、より好ましくは40μmより大きく、特に50μmより大きい。
前の実施形態と組み合わされるまたはされない好ましい実施形態によれば、D90は180μm未満、より好ましくは160μm未満、特に150μm未満である。
本発明によるタイヤのトレッドを形成するゴム組成物AおよびBの別の本質的な特徴として、ゴム組成物A中の微粒子のCで示される含有量は2〜40phrであり、前記含有量Cはゴム組成物B中の微粒子のCで示される含有量よりも多い。CとCとの差により、タイヤ(1)のクラウン補強材(6)が錆びることを抑制することができる。
さらに、目標とする技術的効果(適切な微小粗さの生成)、融氷上のグリップ性能およびコスト間で最適な妥協点を得るために、Cは、好ましくは3〜30phr、より好ましくは4〜20phr、さらにより好ましくは5から10phrまでである。
好ましい実施形態によれば、CはCの0〜80重量%(好ましくは10〜70重量%、より好ましくは20〜60phr、さらにより好ましくは30〜50重量%)である。
別の好ましい実施形態によれば、Cは1〜10phr、好ましくは1〜8phr、より好ましくは1〜6phr、さらにより好ましくは2phrから4phrまでである。
本発明によるタイヤのトレッドを形成するゴム組成物AおよびBのそれぞれはまた、タイヤ用、特に冬用タイヤ用のトレッドの製造用に意図されたエラストマー組成物に一般的に使用される通常の添加剤、例えば、抗オゾンワックス、化学的抗オゾン剤(chemical antiozonants)、酸化防止剤などの保護剤、補強樹脂、メチレン受容体(例えばフェノールノボラック樹脂)もしくはメチレン供与体(例えばHMTまたはH3M)、硫黄、または硫黄および/もしくは過酸化物および/もしくはビスマレイミドの供与体のいずれかをベースとする架橋系、加硫促進剤、または加硫活性剤などの全部または一部を含む。
これらの組成物はまた、カップリング剤が使用される場合、カップリング活性化剤、無機フィラーを被覆するための剤、またはより一般的には、公知の方法において、ゴムマトリックス中のフィラーの分散の改善によりおよび組成物の粘度の低下により、未加工状態でのそれらの加工特性を改善することができる加工助剤を含むことができ、これらの剤は、例えば、アルキルアルコキシシラン、ポリオール、ポリエーテル、アミン、またはヒドロキシル化または加水分解性ポリオルガノシロキサンなどの加水分解性シランである。
本発明の表面および内側部分(8、9)を構成するゴム組成物AおよびBのそれぞれは、当業者に周知の一般的手順に従って2つの連続する製造段階を用いて適切なミキサー内で製造される:130℃〜200℃、好ましくは145℃〜185℃の最高温度までの高温での熱機械加工または混練の第1段階(時に「非生産的」段階と記載される)、それに続く、典型的には120℃未満、例えば60℃〜100℃の低温での機械加工の第2段階(時に「生産的」段階と記載される)、架橋または加硫系が組み込まれる仕上げ段階。
本発明のタイヤ(1)のトレッド(2)の表面部分(8)または内側部分(9)を形成する組成物Aまたは組成物Bの製造に使用できるプロセス、例えばおよび好ましくは、以下のステップ:
− ミキサー内でジエンエラストマーに可塑剤を補強フィラー、微粒子間において組み込むステップであって、全てが130℃〜200℃の最高温度に達するまで1回以上熱機械的に混練されるステップ、
− 混合された混合物を100℃未満の温度に冷却するステップ、
− 続いて架橋系を組み込むステップ、
− 120℃未満の最高温度まで全てを混練するステップ、
− このようにして得られたゴム組成物Aまたはゴム組成物Bを、タイヤ(1)の表面部分(8)もしくは内側部分(9)またはトレッド(2)の形態で押し出すかまたはカレンダー加工するステップである。
例として、第1の(非生産的)段階は単一の熱機械的段階で実施され、その間、必要な全ての成分、任意選択的な追加の被覆剤または加工助剤、および様々な他の添加剤が、架橋系を除いて、標準的な内部ミキサーなどの適切なミキサーに導入される。第1の非生産的段階中にこのようにして得られた混合物を冷却した後、次いで架橋系を低温においてオープンミルなどの一般に外部ミキサーに組み込み、次いで全てを数分間、例えば5〜15分にわたって混合する(生産的段階)。
適切な架橋系は、好ましくは硫黄および第1の加硫促進剤、特にスルフェンアミドタイプの促進剤をベースとする。この加硫系には、第1の非生産的段階中および/または生産段階中に組み込まれる、酸化亜鉛、ステアリン酸、グアニジン誘導体(特にジフェニルグアニジン)等などの様々な既知の第2の促進剤または加硫活性剤が添加される。硫黄の含有量は、好ましくは0.5〜3.0phrであり、第1促進剤の含有量は、好ましくは0.5〜5.0phrである。
硫黄の存在下でジエンエラストマーの加硫の促進剤として作用できるいずれかの化合物の促進剤(第1または第2)として、特にチアゾールタイプの促進剤およびその誘導体として、チウラムタイプの促進剤または亜鉛ジチオカルバメートが使用され得る。これらの促進剤は、より好ましくは、2−メルカプトベンゾチアジルジスルフィド(「MBTS」と略される)、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾール−スルフェンアミド(「CBS」と略される)、N,N−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド(「DCBS」)、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド(「TBBS」)、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンイミド(「TBSI」)、亜鉛ジベンジルジチオカルバメート(「ZBEC」)、テトラベンジルチウラムジスルフィド(「TBZTD」)およびそれらの混合物からなる群から選択される。
このようにして得られた最終組成物は、続いて、例えばシートまたはプラークの形態で特に実験室での特性評価のためにカレンダー加工されるか、またはさもなければ冬用タイヤトレッドの一部として直接使用できるゴム成形要素の形態で押し出される。
このようにして得られた最終組成物は、続いて、例えばシートまたはプラークの形態で特に実験室での特性評価のためにカレンダー加工されるか、またはさもなければ冬用タイヤトレッドの一部として直接使用できるゴム成形要素の形態で押し出される。
本発明によるタイヤ(1)を製造するために、微粒子のある濃度を有するゴム組成物Aとしての均一なゴム組成物の第1の層と、第1の層よりも低い濃度を有するゴム組成物Bとしての別の均一なゴム組成物の第2の層とを形成し、次いで第2の層の上に第1の層を重ね合わせて未加工トレッドバンドを得た後、タイヤを組み立てて成形することもできる。好ましくは、表面部分(8)を形成する第1の層は、タイヤの新しい状態で道路に接触するように配置される。内側部分(9)を形成する第2層は、表面部分(8)に(好ましくは隣接して)半径方向内側に位置付けられる。
加硫(または硬化)は、一般に130℃〜200℃の温度において、特に硬化温度、採用されている加硫系、および検討中の組成物の加硫速度に応じて、例えば5〜90分で変化し得る十分な時間にわたり公知の方法で行われる。
本発明は、未加工状態(すなわち硬化前)および硬化状態(すなわち架橋または加硫後)の両方の上記のタイヤに関する。
好ましい範囲および/または物質のそれぞれを含む上記態様または実施形態のそれぞれは、本発明の他の態様または実施形態のいずれか1つに適用されてもよい。
本発明を以下の非限定的な実施例によってさらに説明する。
以下の試験において、図1に示すタイヤクロス部分を有する、すなわちそれぞれゴム組成物AおよびBのそれぞれを含む表面部分および内側部分を含むトレッドを有する5つのタイヤ(T−1(基準)、T−2、T−3(比較例)、T−4およびT−5(本発明による例)として識別される)を比較する。組成物AおよびBは、ジエンエラストマーをベースとし、シリカおよびカーボンブラックのブレンドで補強され、(微粒子として)硫酸マグネシウム微粒子のわずかな量(ゴム組成物Aにおいて5または10phr、ゴム組成物Bにおいて2または4phr)と組み合わされまたは組み合わされず、微粒子は、国際公開第2012/052331 A号パンフレットに示されているような適切なふるい分けによって得られ、ISO13320−1に従う(株式会社堀場製作所によって提供されるデータ処理ソフトウェア(P2000074001Hバージョン4.11)を備えた「Partica LA−950V2」による)レーザ回折法によって測定されたD50、Span(同じくD10およびD90)によって定義される比体積分布を有する。
5つのタイヤのゴム組成物AおよびBの配合物(表1−phrで表される種々の生成物の含有量)を表1に示す。加硫系は硫黄およびスルフェンアミドから構成される。補強フィラー(この例では、補強無機フィラーとしてのシリカ、その関連カップリング剤および少量のカーボンブラック)、可塑剤、ミリ粒子または微粒子のそれぞれ、ジエンエラストマー(またはジエンエラストマーのブレンド)および種々の他の成分(加硫系を除く)を、約60℃の初期容器温度を有する内部ミキサーに連続的に導入した。ミキサーは約70%満たされた(容量%)。次いで、熱機械的加工(非生産的段階)を1段階で実施し、これは、165℃の最大「低下」温度に達するまで合計約3〜4分続けた。このようにして得られた混合物を回収し、冷却した後、硫黄およびスルフェンアミドタイプの促進剤を30℃で外部ミキサー(ホモフィニッシャー)上で組合せ、全てのものを適切な時間(例えば5〜12分)混合した(生産的段階)。
ラジアルカーカス乗用車用冬用タイヤのためのこれらのタイヤは、従来通り製造され、タイヤのトレッドの表面部分および内側部分を形成するゴム組成物AおよびBを除き全ての点で同一であった。内側部分は、表面部分に対しおよびそれに隣接して半径方向内側に位置付けられる。
全てのタイヤは公称タイヤ空気圧下で自動車の前輪および後輪に取り付けられ、最初に、微粒子を表面部分の表面に露出させるようにサーキットで約10,000km、乾燥した地面上で転動させた。
続いて、タイヤ空気圧220kPaの下でタイヤの各セットが6.5J×16のリムに取り付けられた4つの全ての車輪上に載せられた1,400ccの乗用車を、−2℃の温度において氷で覆われた道路上で走行させ、アンチロックブレーキシステム(ABS)が作動している間、突然の縦方向の制動中に20km/hから5km/hまでの制動距離が測定された。
これらの測定の結果は、相対単位で表2に報告され、基準値100が基準タイヤT−1に選択された(100を超える値は改善された性能を示すことに留意すべきである)。
この表2では、本発明のタイヤ(T−4およびT−5)のグリップ性能(氷上制動)は、基準タイヤの結果(T−1)より実質的に優れており、比較例(T−2およびT−5)と等しいことが注目される。
各タイヤは、塩を含む水の厚さで覆われた走路上の乾燥状態の砂利、アスファルトおよび/またはコンクリートで覆われた走路上での自動車によるこの耐久性試験にかけられた。試験は、試験後に各タイヤを形成するクラウン補強材に水がどの程度多くの部分に悪影響を与えたかを観察するために、約45km/hでの約1,200kmの走行運転から構成された。
これらの測定の結果は表2に報告されており、100で任意に設定された基準(T−1)に対する増加は改善された結果、すなわち、水によって悪影響を受ける部分の数を少なくする能力を示す。
この表2において、本発明のタイヤ(T−4およびT−5)の耐錆性能は、基準タイヤ結果(T−1)より実質的に優れており、比較例(T−2およびT−3)よりも著しく優れていることが注目される。
Figure 0006884150
Figure 0006884150
Figure 0006884150

Claims (2)

  1. 2つのサイドウォール(3)によって延長されたクラウン(2)を有するタイヤ(1)であって、前記サイドウォール(3)が2つのビード(4)によって終端され、カーカス補強材(5)が前記クラウン(2)および前記サイドウォール(3)中に延在し、かつ前記ビード(4)に固定され、前記クラウン(2)が、前記カーカス補強材(5)と、前記クラウン(2)を形成するトレッド(7)との間に円周方向に配置されたクラウン補強材(6)によって補強され、前記トレッド(7)が、少なくとも2つの半径方向に重ねられた部分(8、9)を含み、前記少なくとも2つの半径方向に重ねられた部分(8、9)が、
    − 少なくとも前記トレッドが新しくかつ硬化した状態にあるとき、転動中に地面と接触するように意図され、ゴム組成物Aから作製された表面部分(8)と、
    − 前記表面部分(8)に半径方向内側に配置され、ゴム組成物Bから作製された内側部分(9)と
    を含み、
    前記ゴム組成物AおよびBのそれぞれが、少なくともジエンエラストマーと、50〜150phrの補強フィラーと、20〜160phrの可塑剤と、微粒子とを含み、
    前記ゴム組成物A中の前記微粒子のCで示される含有量が2〜40phrであり、前記含有量Cが、前記ゴム組成物B中の前記微粒子のCで示される含有量よりも多く、
    前記微粒子が、体積基準のメジアン粒径を有し、前記体積基準のメジアン粒径が、ISO規格13320−1に従うレーザ回折法によって測定され、以下の関係:
    − 50μm<D 50 <150μm、
    を満たし、ここで、
    − D 50 が、前記体積粒度分布から得られる累積分布の50%に対応する体積基準の中間粒径であり、
    前記微粒子が、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水溶性硫酸塩の微粒子である、
    タイヤ。
  2. 前記微粒子が、体積基準の体積粒度分布の幅を有し、前記体積粒度分布の幅が、ISO規格13320−1に従うレーザ回折法によって測定され、以下の関係:
    − 0.50<Span<1.50
    を満たし、ここで、
    − Span=(D90−D10)/D50であり、および
    − D10およびD90が、前記累積粒子分布のそれぞれ10体積%および90体積%に対応する粒径である、請求項1項に記載のタイヤ。
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