JPH06256575A - 空気入りタイヤ - Google Patents
空気入りタイヤInfo
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- JPH06256575A JPH06256575A JP5042724A JP4272493A JPH06256575A JP H06256575 A JPH06256575 A JP H06256575A JP 5042724 A JP5042724 A JP 5042724A JP 4272493 A JP4272493 A JP 4272493A JP H06256575 A JPH06256575 A JP H06256575A
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- JP
- Japan
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- rubber
- weight
- parts
- tread
- raw material
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- Tires In General (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 氷雪性能および湿潤制動性能を実質的に損な
うことなく耐摩耗性を向上させた空気入りタイヤを提供
すること。 【構成】 本発明の空気入りタイヤは、ガラス転移点−
50℃以下の原料ゴムおよびこの原料ゴム 100重量部に対
しカーボンブラック40重量部以上を含有したマトリック
スゴムに、予め加硫した平均粒径1000μm 以下であって
ガラス転移点−50℃以下の原料ゴムおよびこの原料ゴム
100重量部に対しカーボンブラック０〜30重量部を含有
している粉末加硫ゴムをマトリックスゴム 100重量部に
対し１重量部〜５重量部未満を分散してなる配合物をト
レッド３に用いたこと。
うことなく耐摩耗性を向上させた空気入りタイヤを提供
すること。 【構成】 本発明の空気入りタイヤは、ガラス転移点−
50℃以下の原料ゴムおよびこの原料ゴム 100重量部に対
しカーボンブラック40重量部以上を含有したマトリック
スゴムに、予め加硫した平均粒径1000μm 以下であって
ガラス転移点−50℃以下の原料ゴムおよびこの原料ゴム
100重量部に対しカーボンブラック０〜30重量部を含有
している粉末加硫ゴムをマトリックスゴム 100重量部に
対し１重量部〜５重量部未満を分散してなる配合物をト
レッド３に用いたこと。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、湿潤路面における制動
性能と氷雪路面における駆動性、制動性および操縦性と
を実質的に損なうことなく耐摩耗性を向上させた空気入
りタイヤに関する。
性能と氷雪路面における駆動性、制動性および操縦性と
を実質的に損なうことなく耐摩耗性を向上させた空気入
りタイヤに関する。
【０００２】
【従来の技術】近年、粉塵や騒音などのスパイク公害に
対する規制が厳しくなっており、かつ規制区域も広がる
につれて、スタッドレスタイヤと称されるスパイクを有
さない氷雪路上走行用タイヤが開発され、脚光を浴びて
いる。そして、このスタッドレスタイヤにおいては、そ
の氷雪路面での駆動性、制動性および操縦性 (以下、単
に氷雪性能という) をさらに高めるために、低温におい
て硬度が低いトレッドゴムが用いられていたが、この場
合には湿潤路面での制動性能 (以下、単に湿潤制動性能
という) が低下する傾向となり、氷雪性能と湿潤制動性
能の両立が難しいという問題があった。
対する規制が厳しくなっており、かつ規制区域も広がる
につれて、スタッドレスタイヤと称されるスパイクを有
さない氷雪路上走行用タイヤが開発され、脚光を浴びて
いる。そして、このスタッドレスタイヤにおいては、そ
の氷雪路面での駆動性、制動性および操縦性 (以下、単
に氷雪性能という) をさらに高めるために、低温におい
て硬度が低いトレッドゴムが用いられていたが、この場
合には湿潤路面での制動性能 (以下、単に湿潤制動性能
という) が低下する傾向となり、氷雪性能と湿潤制動性
能の両立が難しいという問題があった。
【０００３】そこで、氷雪性能、湿潤制動性能、および
さらには耐摩耗性などを向上させるために、トレッドを
海ゴム部とこの海ゴム部内に散在する多数の島ゴム部か
ら構成し、海ゴム部としてガラス転移点が−50℃以下の
ゴム成分とこのゴム成分100重量部に対しカーボンブラ
ックを40重量部以上含有するゴム組成物を、また、島ゴ
ム部としてガラス転移点が−50℃以下のゴム成分とこの
ゴム成分 100重量部に対しカーボンブラックを30重量部
以下含有した平均粒径1000μm 以下の粉末加硫ゴムを用
いた空気入りタイヤが提案されている (特開昭63-92659
号公報) 。しかし、この空気入りタイヤでは、海ゴム部
に対して粉末加硫ゴム (島ゴム部) を海ゴム部のゴム成
分 100重量部に対し５重量部以上の割合で配合している
ため、氷雪性能の向上効果は大きいものの、湿潤制動性
能および耐摩耗性の改良効果が小さく、特に耐摩耗性
が、氷雪制動性能の向上に反比例して大きく低下すると
いう問題を包含していた。
さらには耐摩耗性などを向上させるために、トレッドを
海ゴム部とこの海ゴム部内に散在する多数の島ゴム部か
ら構成し、海ゴム部としてガラス転移点が−50℃以下の
ゴム成分とこのゴム成分100重量部に対しカーボンブラ
ックを40重量部以上含有するゴム組成物を、また、島ゴ
ム部としてガラス転移点が−50℃以下のゴム成分とこの
ゴム成分 100重量部に対しカーボンブラックを30重量部
以下含有した平均粒径1000μm 以下の粉末加硫ゴムを用
いた空気入りタイヤが提案されている (特開昭63-92659
号公報) 。しかし、この空気入りタイヤでは、海ゴム部
に対して粉末加硫ゴム (島ゴム部) を海ゴム部のゴム成
分 100重量部に対し５重量部以上の割合で配合している
ため、氷雪性能の向上効果は大きいものの、湿潤制動性
能および耐摩耗性の改良効果が小さく、特に耐摩耗性
が、氷雪制動性能の向上に反比例して大きく低下すると
いう問題を包含していた。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した従
来の空気入りタイヤが有する問題点を解決するためにな
されたものであって、氷雪性能および湿潤制動性能を実
質的に損なうことなく耐摩耗性を向上させた空気入りタ
イヤの提供を目的とするものである。
来の空気入りタイヤが有する問題点を解決するためにな
されたものであって、氷雪性能および湿潤制動性能を実
質的に損なうことなく耐摩耗性を向上させた空気入りタ
イヤの提供を目的とするものである。
【０００５】
【課題を解決するための手段】本発明の空気入りタイヤ
は、ガラス転移点−50℃以下の原料ゴムおよびこの原料
ゴム 100重量部に対しカーボンブラック40重量部以上を
含有したマトリックスゴムに、予め加硫した平均粒径10
00μm 以下であってガラス転移点−50℃以下の原料ゴム
およびこの原料ゴム 100重量部に対しカーボンブラック
０〜30重量部を含有している粉末加硫ゴムをマトリック
スゴム 100重量部に対し１重量部〜５重量部未満を分散
してなる配合物をトレッド部に用いたことを特徴とす
る。
は、ガラス転移点−50℃以下の原料ゴムおよびこの原料
ゴム 100重量部に対しカーボンブラック40重量部以上を
含有したマトリックスゴムに、予め加硫した平均粒径10
00μm 以下であってガラス転移点−50℃以下の原料ゴム
およびこの原料ゴム 100重量部に対しカーボンブラック
０〜30重量部を含有している粉末加硫ゴムをマトリック
スゴム 100重量部に対し１重量部〜５重量部未満を分散
してなる配合物をトレッド部に用いたことを特徴とす
る。
【０００６】以下、本発明の構成につき詳しく説明す
る。図１は、本発明の空気入りタイヤの一例の子午線方
向半断面説明図である。図１において、カーカス層１の
端部が左右一対のビードコア２, ２の廻りにタイヤ内側
から外側へ折り返されて巻き上げられている。トレッド
３とカーカス層１との間には、２枚のベルト層４, ４が
タイヤ周方向に環状に配置されている。トレッド３の少
なくとも表層部は、マトリックスゴム部10とこのマトリ
ックスゴム部10内に散在する多数の粉末加硫ゴム部11か
ら構成されている。
る。図１は、本発明の空気入りタイヤの一例の子午線方
向半断面説明図である。図１において、カーカス層１の
端部が左右一対のビードコア２, ２の廻りにタイヤ内側
から外側へ折り返されて巻き上げられている。トレッド
３とカーカス層１との間には、２枚のベルト層４, ４が
タイヤ周方向に環状に配置されている。トレッド３の少
なくとも表層部は、マトリックスゴム部10とこのマトリ
ックスゴム部10内に散在する多数の粉末加硫ゴム部11か
ら構成されている。
【０００７】(ａ) マトリックスゴム部10はガラス転移
点−50℃以下の原料ゴムおよびこの原料ゴム100 重量部
に対しカーボンブラック40重量部以上、好ましくは45〜
80重量部含有してなる。ガラス転移点−50℃以下の原料
ゴムとしては、例えば、天然ゴム (ＮＲ) 、イソプレン
ゴム (ＩＲ) 、クロロプレンゴム (ＣＲ) 、ブチルゴ
ム、ポリブタジエンゴム (ＢＲ) 、アクリロニトリル−
ブタジエン共重合ゴム (ＮＢＲ) 、スチレン−ブタジエ
ン共重合ゴム (ＳＢＲ) などが挙げられる。ガラス転移
点を−50℃以下としたのは、−50℃を超えると、低温に
おけるゴムの硬度が上昇し、タイヤが氷雪路面を走行す
る際にトレッドのブロック変形が妨げられ、氷雪性能が
低下するためである。
点−50℃以下の原料ゴムおよびこの原料ゴム100 重量部
に対しカーボンブラック40重量部以上、好ましくは45〜
80重量部含有してなる。ガラス転移点−50℃以下の原料
ゴムとしては、例えば、天然ゴム (ＮＲ) 、イソプレン
ゴム (ＩＲ) 、クロロプレンゴム (ＣＲ) 、ブチルゴ
ム、ポリブタジエンゴム (ＢＲ) 、アクリロニトリル−
ブタジエン共重合ゴム (ＮＢＲ) 、スチレン−ブタジエ
ン共重合ゴム (ＳＢＲ) などが挙げられる。ガラス転移
点を−50℃以下としたのは、−50℃を超えると、低温に
おけるゴムの硬度が上昇し、タイヤが氷雪路面を走行す
る際にトレッドのブロック変形が妨げられ、氷雪性能が
低下するためである。
【０００８】カーボンブラックは、タイヤ用の通常のも
のを用いればよい。カーボンブラックを40重量部以上と
したのは、40重量部未満ではゴム硬度が低下してゴムが
やわらかくなりすぎ、氷雪性能、湿潤制動性能、および
耐摩耗性の向上効果が小さくなるからである。 (ｂ) 粉末加硫ゴム部11は平均粒径1000μm 以下であっ
て、ガラス転移点−50℃以下の原料ゴムおよびこの原料
ゴム 100重量部に対しカーボンブラック０〜30重量部を
含有してなる。好ましくは配合しなくても良い。
のを用いればよい。カーボンブラックを40重量部以上と
したのは、40重量部未満ではゴム硬度が低下してゴムが
やわらかくなりすぎ、氷雪性能、湿潤制動性能、および
耐摩耗性の向上効果が小さくなるからである。 (ｂ) 粉末加硫ゴム部11は平均粒径1000μm 以下であっ
て、ガラス転移点−50℃以下の原料ゴムおよびこの原料
ゴム 100重量部に対しカーボンブラック０〜30重量部を
含有してなる。好ましくは配合しなくても良い。
【０００９】粉末加硫ゴムは、ゴム成分およびカーボン
ブラック等からなるゴム組成物を常法により加硫し、平
均粒径1000μm 以下、好ましくは10μm 〜400 μm に粉
末化したものである。1000μm を超えると耐摩耗性が低
下してしまう。この粉末加硫ゴムを構成するガラス転移
点−50℃以下の原料ゴムは、前記マトリックスゴム部10
を構成する原料ゴムと同様なものである。カーボンブラ
ックもまた、タイヤ用の通常のものを用いればよい。
ブラック等からなるゴム組成物を常法により加硫し、平
均粒径1000μm 以下、好ましくは10μm 〜400 μm に粉
末化したものである。1000μm を超えると耐摩耗性が低
下してしまう。この粉末加硫ゴムを構成するガラス転移
点−50℃以下の原料ゴムは、前記マトリックスゴム部10
を構成する原料ゴムと同様なものである。カーボンブラ
ックもまた、タイヤ用の通常のものを用いればよい。
【００１０】カーボンブラックを30重量部以下としたの
は、粉末加硫ゴム部11をマトリックスゴム部10に比して
やわらかくして氷雪性能を高めるためである。カーボン
ブラックを30重量部超とした場合には、粉末加硫ゴム部
11とマトリックスゴム部10とが実質的に硬度に差異がな
くなってしまう。また、30重量部を超えると粉末加硫ゴ
ムの弾性率が大きくなり過ぎ、マトリックスゴム部10と
の弾性率の差が少なくなり過ぎ本発明の効果が生じなく
なるからである。
は、粉末加硫ゴム部11をマトリックスゴム部10に比して
やわらかくして氷雪性能を高めるためである。カーボン
ブラックを30重量部超とした場合には、粉末加硫ゴム部
11とマトリックスゴム部10とが実質的に硬度に差異がな
くなってしまう。また、30重量部を超えると粉末加硫ゴ
ムの弾性率が大きくなり過ぎ、マトリックスゴム部10と
の弾性率の差が少なくなり過ぎ本発明の効果が生じなく
なるからである。
【００１１】(ｃ) マトリックスゴム部10に対する粉末
加硫ゴム部11の配合量は、マトリックスゴム部10のゴム
成分 100重量部に対し1.0 重量部〜５重量部未満であ
る。この配合は、タイヤ加硫前におけるトレッドの作製
時に行えばよい。この配合量が1.0 重量部未満では少な
すぎて配合したことによる効果が殆んど生じない。ま
た、５重量部以上では、表１および図２から判るよう
に、氷雪性能、湿潤制動性能、および耐摩耗性がバラン
スよく向上しなくなるからである。
加硫ゴム部11の配合量は、マトリックスゴム部10のゴム
成分 100重量部に対し1.0 重量部〜５重量部未満であ
る。この配合は、タイヤ加硫前におけるトレッドの作製
時に行えばよい。この配合量が1.0 重量部未満では少な
すぎて配合したことによる効果が殆んど生じない。ま
た、５重量部以上では、表１および図２から判るよう
に、氷雪性能、湿潤制動性能、および耐摩耗性がバラン
スよく向上しなくなるからである。
【００１２】すなわち、図１に示すタイヤ構造を有する
タイヤサイズ165SR 13の氷雪路用空気入りタイヤについ
て、粉末加硫ゴムの配合量を０重量部、２重量部、３重
量部、4.5 重量部、５重量部、６重量部、10重量部、15
重量部と変量させることを除いて、後記の実施例１にお
けると同様にして作製した。これらのタイヤにつき、後
記におけると同様にして、耐摩耗性 (指数) 、制動性能
（氷上） (指数) 、および制動性能（湿潤） (指数) を
評価した。この結果を表１に示す。
タイヤサイズ165SR 13の氷雪路用空気入りタイヤについ
て、粉末加硫ゴムの配合量を０重量部、２重量部、３重
量部、4.5 重量部、５重量部、６重量部、10重量部、15
重量部と変量させることを除いて、後記の実施例１にお
けると同様にして作製した。これらのタイヤにつき、後
記におけると同様にして、耐摩耗性 (指数) 、制動性能
（氷上） (指数) 、および制動性能（湿潤） (指数) を
評価した。この結果を表１に示す。
【００１３】 表１に粉末加硫ゴム量を０〜15重量部に変動してトレッ
ドに配合した氷雪路用空気入りタイヤの制動性能（氷
上）、制動性能（湿潤）、耐摩耗性（乾燥）を示す。
粉末加硫ゴムは、周辺のマトリックスゴムに比べてやわ
らかいため、その配合量を増すに従って耐摩耗性（乾
燥）は低下する。
ドに配合した氷雪路用空気入りタイヤの制動性能（氷
上）、制動性能（湿潤）、耐摩耗性（乾燥）を示す。
粉末加硫ゴムは、周辺のマトリックスゴムに比べてやわ
らかいため、その配合量を増すに従って耐摩耗性（乾
燥）は低下する。
【００１４】制動性能（氷上）は、０重量部以外のい
ずれの配合量においても向上している。また、粉末加硫
ゴム量を増加させていっても、制動性能（氷上）は極端
に向上せず、ほぼ一定の数値を示す。 制動性能（湿潤）は、粉末加硫ゴム量が増加するに従
って低下する。表１からわかることは、トレッドに粉末
加硫ゴムを配合すると制動性能（氷上）は向上するが、
粉末加硫ゴム量を増せば増すほど制動性能（氷上）が向
上する訳ではなく、粉末加硫ゴム量が５重量部以上にな
ると制動性能（氷上）はほぼ一定の値になる。これに対
して、耐摩耗性 (乾燥) と制動性能（湿潤）は、粉末加
硫ゴム量が増えれば増えるだけ性能が低下する。更に、
表１のデーターをわかりやすくするために、これらを図
２にまとめた。図２は、横軸に粉末加硫ゴム配合量 (重
量部) を、縦軸に制動性能（氷上） (○) 、制動性能
（湿潤） (□) 、および耐摩耗性 (乾燥) (△) の評価
指数をプロットしたものである。
ずれの配合量においても向上している。また、粉末加硫
ゴム量を増加させていっても、制動性能（氷上）は極端
に向上せず、ほぼ一定の数値を示す。 制動性能（湿潤）は、粉末加硫ゴム量が増加するに従
って低下する。表１からわかることは、トレッドに粉末
加硫ゴムを配合すると制動性能（氷上）は向上するが、
粉末加硫ゴム量を増せば増すほど制動性能（氷上）が向
上する訳ではなく、粉末加硫ゴム量が５重量部以上にな
ると制動性能（氷上）はほぼ一定の値になる。これに対
して、耐摩耗性 (乾燥) と制動性能（湿潤）は、粉末加
硫ゴム量が増えれば増えるだけ性能が低下する。更に、
表１のデーターをわかりやすくするために、これらを図
２にまとめた。図２は、横軸に粉末加硫ゴム配合量 (重
量部) を、縦軸に制動性能（氷上） (○) 、制動性能
（湿潤） (□) 、および耐摩耗性 (乾燥) (△) の評価
指数をプロットしたものである。
【００１５】図２からわかるように、制動性能（湿潤）
と耐摩耗性 (乾燥) は粉末加硫ゴム配合量が増えるに従
って性能指数が比例的に低下している。ところが、制動
性能（氷上）は粉末加硫ゴム配合量を増やすと向上し、
更に粉末加硫ゴム配合量４〜５重量部付近でその向上効
果が飽和状態に達している。つまり、トレッドに粉末加
硫ゴムを配合する場合、制動性能（氷上）、制動性能
（湿潤）、耐摩耗性 (乾燥) の三つの性能をバランスさ
せる配合量が存在する。そこで、粉末加硫ゴム配合量を
増すと最も性能低下のはげしい耐摩耗性 (乾燥) に注目
する。この耐摩耗性 (乾燥) は、一般に指数が95以上で
市場において性能低下なしと言われており、図２では粉
末加硫ゴム配合量が５重量部付近である。
と耐摩耗性 (乾燥) は粉末加硫ゴム配合量が増えるに従
って性能指数が比例的に低下している。ところが、制動
性能（氷上）は粉末加硫ゴム配合量を増やすと向上し、
更に粉末加硫ゴム配合量４〜５重量部付近でその向上効
果が飽和状態に達している。つまり、トレッドに粉末加
硫ゴムを配合する場合、制動性能（氷上）、制動性能
（湿潤）、耐摩耗性 (乾燥) の三つの性能をバランスさ
せる配合量が存在する。そこで、粉末加硫ゴム配合量を
増すと最も性能低下のはげしい耐摩耗性 (乾燥) に注目
する。この耐摩耗性 (乾燥) は、一般に指数が95以上で
市場において性能低下なしと言われており、図２では粉
末加硫ゴム配合量が５重量部付近である。
【００１６】以上により、制動性能（氷上）、制動性能
（湿潤）、耐摩耗性 (乾燥) をバランスさせる粉末加硫
ゴムの配合量は図２の斜線で示した５重量部未満の領域
である。ただし、粉末加硫ゴムの配合量は1.0 重量部以
上でないと本発明の効果は達成されない。このため、本
発明では、粉末加硫ゴムの配合量を1.0 重量部〜５重量
部未満としたのである。
（湿潤）、耐摩耗性 (乾燥) をバランスさせる粉末加硫
ゴムの配合量は図２の斜線で示した５重量部未満の領域
である。ただし、粉末加硫ゴムの配合量は1.0 重量部以
上でないと本発明の効果は達成されない。このため、本
発明では、粉末加硫ゴムの配合量を1.0 重量部〜５重量
部未満としたのである。
【００１７】なお、マトリックスゴム部10および粉末加
硫ゴム部11には、上記カーボンブラック以外に加硫剤、
活性剤、加硫促進剤、オイル、可塑剤、老化防止剤、光
安定剤、紫外線吸収剤、および色調安定剤などの他の一
般的な配合物を任意に配合することができる。以上説明
した本発明の空気入りタイヤは、例えば、湿潤路面およ
び氷雪路面を四季に亘って高速走行する乗用車用、トラ
ック、バス用などの空気入りタイヤとしてきわめて有用
である。
硫ゴム部11には、上記カーボンブラック以外に加硫剤、
活性剤、加硫促進剤、オイル、可塑剤、老化防止剤、光
安定剤、紫外線吸収剤、および色調安定剤などの他の一
般的な配合物を任意に配合することができる。以上説明
した本発明の空気入りタイヤは、例えば、湿潤路面およ
び氷雪路面を四季に亘って高速走行する乗用車用、トラ
ック、バス用などの空気入りタイヤとしてきわめて有用
である。
【００１８】
【実施例】表１に示す配合内容 (重量部) のマトリック
スゴム部および粉末加硫ゴム部でトレッド３を構成する
ことにより、キャップトレッド５とアンダートレッド６
の二層のトレッドからなるタイヤサイズ165SR 13の11種
類の空気入りラジアルタイヤを製造した (実施例１〜
６、比較例１〜５) 。
スゴム部および粉末加硫ゴム部でトレッド３を構成する
ことにより、キャップトレッド５とアンダートレッド６
の二層のトレッドからなるタイヤサイズ165SR 13の11種
類の空気入りラジアルタイヤを製造した (実施例１〜
６、比較例１〜５) 。
【００１９】この場合、マトリックスゴム部を構成する
ゴム組成物のゴム成分 100重量部に対して表１に示され
る配合量で粉末加硫ゴム部をマトリックスゴム部に加え
て、通常のトレッドの製造方法によって混合し、押出し
成形して未加硫トレッドを製造した。トレッド以外の部
材は通常の空気入りタイヤのものを用い、通常のタイヤ
の製造方法によって加圧、加熱して製造した。この加
圧、加熱によりマトリックスゴム部を構成するゴム組成
物は加硫されてマトリックスゴム部を形成し、粉末加硫
ゴムがマトリックスゴム部内に不均質部分を形成して散
在することになる。
ゴム組成物のゴム成分 100重量部に対して表１に示され
る配合量で粉末加硫ゴム部をマトリックスゴム部に加え
て、通常のトレッドの製造方法によって混合し、押出し
成形して未加硫トレッドを製造した。トレッド以外の部
材は通常の空気入りタイヤのものを用い、通常のタイヤ
の製造方法によって加圧、加熱して製造した。この加
圧、加熱によりマトリックスゴム部を構成するゴム組成
物は加硫されてマトリックスゴム部を形成し、粉末加硫
ゴムがマトリックスゴム部内に不均質部分を形成して散
在することになる。
【００２０】得られた空気入りラジアルタイヤについ
て、下記により制動性能（氷上）、制動性能（湿潤）、
および耐摩耗性 (乾燥) を評価した。この結果を表１に
示す。制動性能（氷上） ：氷盤上を初速30km/hで走行し、制動
した時の制動距離を測定し、従来タイヤ(従来例) を 10
0として指数表示した。数値が大なる程、制動が良好で
あることを示す。
て、下記により制動性能（氷上）、制動性能（湿潤）、
および耐摩耗性 (乾燥) を評価した。この結果を表１に
示す。制動性能（氷上） ：氷盤上を初速30km/hで走行し、制動
した時の制動距離を測定し、従来タイヤ(従来例) を 10
0として指数表示した。数値が大なる程、制動が良好で
あることを示す。
【００２１】制動性能（湿潤）：撒水したアスファルト
路面を初速40km/hで走行し、制動したときの制動距離を
測定し、従来タイヤを 100として指数表示した。数値が
大なる程、制動が良好であることを示す。耐摩耗性 (乾燥) ：JATMA に規定されている設計常用荷
重、空気圧の条件で乾燥路面を20,000km走行した後、各
タイヤの摩耗量を従来タイヤの摩耗量に対する指数で示
した。数値は大なる程、耐摩耗性が良好であることを示
す。
路面を初速40km/hで走行し、制動したときの制動距離を
測定し、従来タイヤを 100として指数表示した。数値が
大なる程、制動が良好であることを示す。耐摩耗性 (乾燥) ：JATMA に規定されている設計常用荷
重、空気圧の条件で乾燥路面を20,000km走行した後、各
タイヤの摩耗量を従来タイヤの摩耗量に対する指数で示
した。数値は大なる程、耐摩耗性が良好であることを示
す。
【００２２】表１からわかるように、実施例４では、制
動性能（氷上）は比較例１ (指数100) に対し108で向上
しており、制動性能（湿潤）は比較例３、４、５に対し
て良好である。耐摩耗性 (乾燥) は比較例１ (指数100)
に対し96で実用上ほとんど差のない優れたレベルであ
り、さらに、比較例２、３、４、５に比して、大幅に改
善されている。実施例１〜３についても同様である。
動性能（氷上）は比較例１ (指数100) に対し108で向上
しており、制動性能（湿潤）は比較例３、４、５に対し
て良好である。耐摩耗性 (乾燥) は比較例１ (指数100)
に対し96で実用上ほとんど差のない優れたレベルであ
り、さらに、比較例２、３、４、５に比して、大幅に改
善されている。実施例１〜３についても同様である。
【００２３】実施例５は、実施例１の粉末加硫ゴム部の
平均粒径を 200μm から 400μm に変更したものであ
る。また、実施例６は、実施例２の粉末加硫ゴム部の粉
末加硫ゴム種をNR／BR＝80／20からNR＝100 に変更した
ものである。実施例５、６のいずれの場合においても、
制動性能（氷上）は比較例１に対して良好であり、制動
性能（湿潤）および耐摩耗性 (乾燥) は比較例２、３、
４に対し改善されている。
平均粒径を 200μm から 400μm に変更したものであ
る。また、実施例６は、実施例２の粉末加硫ゴム部の粉
末加硫ゴム種をNR／BR＝80／20からNR＝100 に変更した
ものである。実施例５、６のいずれの場合においても、
制動性能（氷上）は比較例１に対して良好であり、制動
性能（湿潤）および耐摩耗性 (乾燥) は比較例２、３、
４に対し改善されている。
【００２４】なお、これらの実施例は乗用車用空気入り
ラジアルタイヤの場合についてのものてあるが、本発明
はこれらの実施例に限らず、トラック、バス用、軽トラ
ック用の空気入りラジアルタイヤ、その他の空気入りタ
イヤであってもよい。また、トレッドは複数層であって
も単層であってもよい。
ラジアルタイヤの場合についてのものてあるが、本発明
はこれらの実施例に限らず、トラック、バス用、軽トラ
ック用の空気入りラジアルタイヤ、その他の空気入りタ
イヤであってもよい。また、トレッドは複数層であって
も単層であってもよい。
【００２５】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、粉
末加硫ゴム入りタイヤの湿潤路面における制動性能と氷
雪路面における駆動性、制動性および操縦性とを実質的
に損なうことなく、耐摩耗性を向上させることが可能と
なる。
末加硫ゴム入りタイヤの湿潤路面における制動性能と氷
雪路面における駆動性、制動性および操縦性とを実質的
に損なうことなく、耐摩耗性を向上させることが可能と
なる。
【図１】本発明の空気入りタイヤの一例の子午線方向半
断面説明図である。
断面説明図である。
【図２】粉末加硫ゴム配合量と制動性能（氷上）、制動
性能（湿潤）、および耐摩耗性(乾燥) との関係図であ
る。
性能（湿潤）、および耐摩耗性(乾燥) との関係図であ
る。
１ カーカス層 ２ ビードコア ３ トレッド ４ ベルト層 ５ キャップトレッド ６ アンダート
レッド 10 マトリックスゴム部 11 粉末加硫ゴ
ム部
レッド 10 マトリックスゴム部 11 粉末加硫ゴ
ム部
Claims (1)
- 【請求項１】 ガラス転移点−50℃以下の原料ゴムおよ
びこの原料ゴム 100重量部に対しカーボンブラック40重
量部以上を含有したマトリックスゴムに、予め加硫した
平均粒径1000μm 以下であってガラス転移点−50℃以下
の原料ゴムおよびこの原料ゴム 100重量部に対しカーボ
ンブラック０〜30重量部を含有している粉末加硫ゴムを
マトリックスゴム 100重量部に対し１重量部〜５重量部
未満を分散してなる配合物をトレッド部に用いたことを
特徴とする空気入りタイヤ。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5042724A JPH06256575A (ja) | 1993-03-03 | 1993-03-03 | 空気入りタイヤ |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5042724A JPH06256575A (ja) | 1993-03-03 | 1993-03-03 | 空気入りタイヤ |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH06256575A true JPH06256575A (ja) | 1994-09-13 |
Family
ID=12644019
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP5042724A Pending JPH06256575A (ja) | 1993-03-03 | 1993-03-03 | 空気入りタイヤ |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH06256575A (ja) |
Cited By (7)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN108472988A (zh) * | 2015-12-17 | 2018-08-31 | 米其林集团总公司 | 包含胎面的轮胎 |
| CN110099803A (zh) * | 2016-12-20 | 2019-08-06 | 米其林集团总公司 | 包含特定橡胶粉末的橡胶组合物 |
| US11028254B2 (en) | 2016-12-20 | 2021-06-08 | Compagnie Generale Des Etablissements Michelin | Rubber composition comprising a specific crumb rubber |
| US11046838B2 (en) | 2016-12-20 | 2021-06-29 | Compagnie Generale Des Etablissements Michelin | Rubber composition comprising a specific crumb rubber |
| US11155701B2 (en) | 2016-12-20 | 2021-10-26 | Compagnie Generale Des Etablissements Michelin | Rubber composition comprising a specific crumb rubber |
| US11396208B2 (en) | 2016-12-20 | 2022-07-26 | Compagnie Generale Des Etablissements Michelin | Tire provided with an outer sidewall containing a composition comprising a crumb rubber |
| US11427702B2 (en) | 2016-12-20 | 2022-08-30 | Compagnie Generales des Etablissements Michelin | Rubber composition comprising a specific crumb rubber |
-
1993
- 1993-03-03 JP JP5042724A patent/JPH06256575A/ja active Pending
Cited By (9)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN108472988A (zh) * | 2015-12-17 | 2018-08-31 | 米其林集团总公司 | 包含胎面的轮胎 |
| CN108472988B (zh) * | 2015-12-17 | 2020-10-09 | 米其林集团总公司 | 包含胎面的轮胎 |
| CN110099803A (zh) * | 2016-12-20 | 2019-08-06 | 米其林集团总公司 | 包含特定橡胶粉末的橡胶组合物 |
| US11028254B2 (en) | 2016-12-20 | 2021-06-08 | Compagnie Generale Des Etablissements Michelin | Rubber composition comprising a specific crumb rubber |
| US11041065B2 (en) * | 2016-12-20 | 2021-06-22 | Compagnie Generale Des Etablissements Michelin | Rubber composition comprising a specific crumb rubber |
| US11046838B2 (en) | 2016-12-20 | 2021-06-29 | Compagnie Generale Des Etablissements Michelin | Rubber composition comprising a specific crumb rubber |
| US11155701B2 (en) | 2016-12-20 | 2021-10-26 | Compagnie Generale Des Etablissements Michelin | Rubber composition comprising a specific crumb rubber |
| US11396208B2 (en) | 2016-12-20 | 2022-07-26 | Compagnie Generale Des Etablissements Michelin | Tire provided with an outer sidewall containing a composition comprising a crumb rubber |
| US11427702B2 (en) | 2016-12-20 | 2022-08-30 | Compagnie Generales des Etablissements Michelin | Rubber composition comprising a specific crumb rubber |
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