WO2014084402A1 - 空気入りタイヤ用トレッド及びこのトレッドを有する空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

 新品時における氷上性能を向上させることができる空気入りタイヤ用トレッド及びこのトレッドを有する空気入りタイヤを提供する。本発明は、新品時にトレッド厚さTtを有し且つタイヤ径方向に重ね合わされた2つのゴム組成物からなる部分を有する空気入りタイヤ用トレッドであって、トレッドは、新品時において、タイヤ転動時に路面と接触し、トレッド厚さTtの10%以下の平均厚さTsを有し、且つ、ゴム組成物からなる外側表面部分と、この外側表面部分の内側に隣接し、外側表面部分のゴム組成物とは異なるゴム組成物からなる内側部分と、を有し、トレッドの外側表面部分を構成するゴム組成物は少なくとも70phrの中空微粒子、水溶性微粒子およびそれら微粒子の混合物からなる群から選ばれる微粒子を含有する。

Description

空気入りタイヤ用トレッド及びこのトレッドを有する空気入りタイヤ
 本発明は、空気入りタイヤ用トレッドに関し、詳しくは、新品時における氷上性能を向上させた空気入りタイヤ用トレッド及びこのトレッドを有する空気入りタイヤに関する。
 スタッドレスタイヤとも呼ばれる冬用タイヤは、雪や氷で覆われた冬の路面を走行することの出来るタイヤとしてよく知られている。冬用タイヤは、一般的に、接地面に開口するサイプと呼ばれる複数の細い切れ込みを設け、いわゆるエッジ効果と、水膜を除去する効果と共に、冬用でないタイヤと比較して柔らかいコンパウンドを使用することにより、冬の路面との密着性を向上させている。
 種々の研究を重ねた結果、氷で覆われた路面とタイヤ転動面との間の摩擦係数を低下させる根本原因のひとつは、氷で覆われた路面とタイヤ転動面との間に介在する水膜層であることが知られている。この水膜層は、例えばタイヤ転動面と氷で覆われた路面との摩擦により発生する熱により発生する。この水膜層を除去する機能をトレッドに持たせるために、例えば特許文献1には、発泡ゴム組成物を使用する空気入りタイヤが記載されている。しかし、このような発泡ゴム組成物は、成型する際に使用するモールド(金型)と直接接触をする傾向があり、新品状態では気泡は膜状のゴム組成物に覆われタイヤ転動面に露出せず、気泡による水膜層の除水効果を発揮することが出来ないため、新品時における氷上性能の向上が難しいという問題がある。
 タイヤ新品時における氷上性能を向上させるための手段として、タイヤ転動面に水膜層の除水手段を設けることが効果的であることは知られている。
 例えば、特許文献2(主に図2)には、複数の微細溝(微細リブ)をブロックの接地面に設けることにより、これら微細溝(微細リブ)の水膜層除水効果により新品時の氷上性能を向上させるようにした空気入りタイヤが記載されている。
 また、特許文献3(主に図1)には、発泡率の異なる発泡ゴム組成物により形成された表面ゴム層と内部ゴム層を設け、表面ゴム層の発泡ゴム組成物の発泡率を高くすることにより、新品時の氷上性能を向上させるようにした空気入りタイヤが記載されている。
特開昭63-090402号公報 特開平7-186633号公報 特開2007-131084号公報
 しかしながら、特許文献2に記載された空気入りタイヤでは、微細溝(微細リブ)をタイヤ成型用のモールド(金型)に設ける必要があるので、モールド(金型)の加工、維持が難しいという問題がある。また、特許文献3に記載された技術では、発泡ゴム組成物は、成型する際に使用するモールド(金型)と直接接触をする傾向があり、新品状態では、発泡ゴム組成物の気泡は依然膜状のゴム組成物に覆われタイヤ転動面に露出せず、気泡による水膜層の除水効果を発揮することが出来ず、気泡をタイヤ転動面に露出させ水膜層の除水効果を発揮させるためには例えば数十キロメートル舗装路面を走行するなどの処理が必要であり、新品時における氷上性能の向上が十分とは言い難いという問題がある。
 そこで本発明は、上述した従来の空気入りタイヤが抱える問題点を解決するためになされたものであり、新品時における氷上性能を向上させることができる空気入りタイヤ用トレッド及びこのトレッドを有する空気入りタイヤを提供することを目的とする。
 上記の目的を達成するために、本発明は、新品時にトレッド厚さTtを有し且つタイヤ径方向に重ね合わされた2つのゴム組成物からなる部分を有する空気入りタイヤ用トレッドであって、トレッドは、新品時において、タイヤ転動時に路面と接触し、トレッド厚さTtの10%以下の平均厚さTsを有し、且つ、ゴム組成物からなる外側表面部分と、この外側表面部分の内側に隣接し、外側表面部分のゴム組成物とは異なるゴム組成物からなる内側部分と、を有し、トレッドの外側表面部分を構成するゴム組成物は少なくとも70phrの中空微粒子、水溶性微粒子およびそれら微粒子の混合物からなる群から選ばれる微粒子を含有することを特徴としている。
 上記のように構成された本発明においては、ゴム組成物からなる外側表面部分に含有される中空微粒子、水溶性微粒子およびそれら微粒子の混合物からなる群から選ばれる微粒子が少なくとも70phrなので、そのような微粒子は、タイヤの加硫成型直後であっても部分的にトレッドの転動面に既に露出している。従って、トレッドの転動面には、硬い氷の上では「引っかき効果」としてよく知られるマイクロスタッドとして作用する微小粗さ(マイクロラフネス)が形成され、これにより、新品時における摩擦係数を向上させることが出来る。
 さらに、本発明においては、トレッドの転動面に既に露出している微粒子が、路面のアスファルトを削る恐れなしに上述した引っかき効果を発揮する。そして、その後、ゴム組成物から微粒子が漸次排除された後、これら微粒子が排除された部分は、氷表面の水膜層を除去するための貯蔵容積および通路として機能する微細空洞(マイクロキャビティー)を形成する。このような条件下ではトレッドの転動面と氷との接触は、水膜層が除去されることによりもはや潤滑ではなくなるため、タイヤ新品時における摩擦係数を向上させることが出来る。
 ここで、外側表面部分を構成するゴム組成物の微粒子が中空微粒子である場合、上述した引っかき効果に加えて、トレッドの転動面に既に露出している中空微粒子の一部が破壊されて、その中空構造が路面に露出するので、氷表面の水膜層を除去するための貯蔵容積および通路として機能する微細空洞(マイクロキャビティー)を形成することができ、これにより、タイヤ新品時における摩擦係数を更に向上させることが出来る。また、微粒子が水溶性微粒子である場合、その水溶性微粒子がゴム組成物から徐々に排出されることにより、これら微粒子が排除された部分が氷表面の水膜層を除去するための貯蔵容積および通路として機能する微細空洞(マイクロキャビティー)を形成するので、新品時における氷上の摩擦係数を向上させることが出来る。ここで、「中空微粒子」とは、中空粒子ともよばれる構造中に空隙(中空構造)を有する粒子のうち、マイクロメートルサイズの粒子のことをいう。
 従って、本発明によれば、新品時における氷上性能を向上させることができる。
 ここで、本明細書において、特に明示しない限りは割合(パーセント、%)は重量%を表し、“phr (parts per hundred parts by weight of rubber or elastomer, both terms being synonymous)”はエラストマー(もしくはゴム、複数のエラストマーが存在する場合は全エラストマー)100質量部当たりの質量部を表す。
 本発明において、好ましくは、トレッドの内側部分を構成するゴム組成物は、50phr以下の微粒子を含有する。
 このように構成された本発明においては、内側部分はタイヤに要求される諸性能を発揮するために十分な剛性を確保することが出来る。
 本発明において、好ましくは、トレッドの内側部分を構成するゴム組成物に含有される微粒子の量が40phr以下である。
 このように構成された本発明においては、内側部分はタイヤに要求される諸性能を発揮するために十分な剛性を確保することが出来る。
 本発明において、好ましくは、トレッドの外側表面部分の平均厚さTsは0.5mm以下である。
 このように構成された本発明においては、新品時における氷上の摩擦係数を向上させつつ、外側表面部分に少なくとも70phrの微粒子を含有することによる剛性低下の影響を最小限にすることが出来る。
 本発明において、より好ましくは、トレッドの外側表面部分の平均厚さTsは0.3mm以下である。
 本発明において、好ましくは、トレッドの外側表面部分を構成するゴム組成物に含有される微粒子の量は190phr以下である。
 このように構成された本発明においては、新品時における氷上の摩擦係数を向上させつつ、適切な量の微粒子を外側表面部分に含むことで、タイヤ新品時であっても要求される諸性能を確実に発揮することが出来る。
 本発明において、好ましくは、トレッドの外側表面部分を構成するゴム組成物に含有される微粒子の中央値粒度(重量平均)が3μmと600μmの間である。
 ここで、「aとbの間」で表される間隔はaよりおおきくかつbより小さい(上限下限数値を含まない)ことを表す。
 本発明において、好ましくは、トレッドの内側部分を構成するゴム組成物は発泡ゴム組成物である。
 このように構成された本発明においては、発泡ゴム組成物の作用により外側表面部分が磨滅した後も良好な氷上の摩擦係数を維持することが出来る。
 本発明による空気入りタイヤ用トレッド及びこのトレッドを有する空気入りタイヤによれば、新品時における氷上性能を向上させることが出来る。
本発明の第1実施形態による空気入りタイヤ用トレッドの断面図(図1(a))及び図1(a)のBで示した部分の部分拡大断面図(図1(b))である。 本発明の第2実施形態による空気入りタイヤ用トレッドの断面図(図2(a))及び図2(b)のBで示した部分の部分拡大断面図(図2(b))である 本発明による空気入りタイヤ用トレッドの表面を光学顕微鏡によって撮影した写真(倍率100倍)ある。 従来の空気入りタイヤ用トレッドの表面を光学顕微鏡によって撮影した写真(倍率100倍)ある。
 以下、図面を参照して、本発明の好ましい実施形態を説明する。
 先ず、図1により、本発明の第1実施形態による空気入りタイヤ用トレッドを説明する。
 図1は、本発明の第1実施形態による空気入りタイヤ用トレッドの断面図である。
 先ず、図1に示すように、符号1は、第1実施形態による空気入りタイヤを示す。この空気入りタイヤ1は、新品時、図1(b)に示すように、その厚さがTtであるトレッド部2を有する。このトレッド部2は、2つの異なるゴム組成物により形成されている。即ち、トレッド部2は、トレッド新品時のタイヤ転動時に路面と接触する転動面の一部を形成するゴム組成物により構成される外側表面部分3と、外側表面部分3を構成するゴム組成物とは異なるゴム組成物により構成され、外側表面部分3のタイヤ径方向内側に隣接する内側部分4とを有している。即ち、内側部分4に対してタイヤ径方向外方に重ね合わされるように外側表面部分3が形成されている。なお、この例におけるタイヤサイズは205/55R16であり、トレッド部2以外の内部構造は通常のラジアルタイヤと同一であるため、ここでは説明を省略する。
 この第1実施形態において、トレッド部2の外側表面部分3を構成するゴム組成物は、トレッド部2の新品時における氷上グリップ性能を向上させる目的で、少なくとも70phrの中空微粒子、水溶性微粒子およびそれら微粒子の混合物からなる群から選ばれる微粒子5が配合されている。これら微粒子はタイヤの加硫成型直後であっても部分的にトレッドの転動面に既に露出又は突出しているため、トレッドの転動面に硬い氷の上では「引っかき効果」としてよく知られるマイクロスタッドとして作用する微小粗さ(マイクロラフネス)を形成する。なお、この第1実施形態では、これらの微粒子5は、中空微粒子である。ここで、トレッド部2の外側表面部分3を構成するゴム組成物に含有される微粒子5は、190phr以下であることが好ましい。
 トレッド部2の転動面に露出又は突出したこれら微粒子5は、タイヤ転動時、ゴム組成物から徐々に排出されることにより、氷表面の水膜層を除去するための貯蔵容積および通路として機能する微細空洞(マイクロキャビティー)を形成することができる。このような効果は、微粒子5に中空微粒子を採用することで、路面に接した中空微粒子の一部が破壊され、その中空構造が転動面に露出することにより、さらに顕著となる。このような条件下ではトレッドの転動面と氷との接触は、水膜層が除去されることによりもはや潤滑ではなくなるため、タイヤ新品時における摩擦係数を向上させることが出来る。なお、微粒子としては、上述した中空微粒子の他、水溶性微粒子など他の微粒子を含有させても良く、また、中空微粒子及び水溶性微粒子の混合物であっても良い。
 転動面に面した外側表面部分3の平均厚さTsは、図1(b)に示すように、トレッドの厚さTtの10%以下である。より具体的な数値としては、外側表面部分3の平均厚さTsは、好ましくは0.5 mm未満であり、より好ましくは0.3mm未満である。さらに、外側表面部分3の平均厚さTsは、より好ましくは、0.03mmと0.3mmの間である。第1実施形態において、外側表面部分3の平均厚さTsは0.2mmである。
 また、トレッド部2の表面部分3を構成するゴム組成物は非発泡ゴム組成物である。
 ここで、少なくとも70phrの中空微粒子、水溶性微粒子およびそれら微粒子の混合物からなる群から選ばれる微粒子5が含有された外側表面部分3の厚さは、このように比較的薄く形成されるようにしているので、微粒子5の多くは、膜状のゴム組成物により覆われることなく、上述したように既に部分的に転動面に露出するようにすることが出来、これにより、微粒子5がタイヤ新品時の転動面に微小粗さ(マイクロラフネス)が形成される。この外側表面部分3は、例えば数十キロメータの走行のように相対的に早く磨滅するため、転動面に相当する部分に既に微小粗さ(マイクロラフネス)の形成された内側部分4が路面と接触を始める。
 この内側部分4を構成するゴム組成物は、好ましくは、50phr以下の微粒子を含有し、より好ましくは40phr以下の微粒子を含有する。また、内側部分4を構成するゴム組成物は、微粒子を含有しなくても良く、第1実施形態において、内側部分4は、このような微粒子を全く含有しない発泡ゴム組成物により形成されている。また、内側部分4の微粒子は、それを含有させる場合、例えば、中空微粒子や水溶性微粒子など適宜選択可能であり、また、それらの混合物であっても良い。
 外側表面部分3および内側部分4はどちらも、複数の異なるゴム組成物を積層するようにしてもよい。さらに、外側表面部分3を構成するゴム組成物は、微粒子5を含有する発泡ゴム組成物でもよい。
 タイヤ新品時に外側表面部分3の転動面への微粒子の部分的な露出をより確実にさせるため、外側表面部分3において、転動面から外側表面部分3の最内側に向かってタイヤ半径方向に測定されるこれら微粒子の分布(または濃度)は均一または実質的に均一であるのが好ましい。または、外側表面部分3において転動面の一部を構成する最外側から最内側に向かってこれら微粒子の分布(または濃度)が徐々に密から粗になる(徐々に濃度が下がる)ように構成されるのが好ましい。この外側表面部分3における微粒子の分布(または濃度)は、例えば新品タイヤから切り出された0.1mmまたは0.2mm程度の層から、当業者により既知の方法により測定することが出来る。
 この外側表面部分3は、実際には路面に接地しない部分(例えば溝の底部)も含めたトレッド部2の全幅にわたって形成してもよく、又は、後述する図2に示すように、トレッド部2の路面に直接接触する部分にのみ形成するようにしてもよい。
 次に、図2により、本発明の第2実施形態による空気入りタイヤ用トレッドを説明する。
 図2は、本発明の第2実施形態による空気入りタイヤ用トレッドの断面図である。
 この第2実施形態による空気入りタイヤ1も同様に、トレッド部2を有し、このトレッド部2は、2つの異なるゴム組成物により形成されている。即ち、トレッド部2は、トレッド新品時のタイヤ転動時に路面と接触する転動面の一部を形成するゴム組成物により構成される外側表面部分3と、外側表面部分3を構成するゴム組成物とは異なるゴム組成物により構成され、外側表面部分3のタイヤ径方向内側に隣接する内側部分4とを有している。第2実施形態において、外側表面部分3はトレッド部2の実際に路面と直接接触する部分にのみ形成されている。第2実施形態においても、図2(b)に示すように、トレッド部2の厚さはTtであり、転動面に面した外側表面部分3の平均厚さTsはトレッドの厚さTtの10%以下である。
 このように構成された第2実施形態においては、微粒子5を含有する表面部分3を、微粒子5が上述したような有益な効果をもたらす路面接触部分にのみ形成することにより、タイヤ新品時における氷上グリップを効率的に高めることが出来る。
 一方、この第2実施形態において、内側部分4を構成するゴム組成物は、微粒子を含有しない(0phr)又は50phr以下の微粒子6を含有しているのが好ましい。ここで、例えば、微粒子を含有しない場合、内側部分4を構成するゴム組成物は発泡ゴム組成物であるのが好ましい。一方、内側部分4が微粒子を含有する場合、5phrから50phrまでの値が好ましい。なお、「aからbまで」で表される間隔はa以上b以下(上限下限数値を含む)であることを表す。
 この内側部分4を構成するゴム組成物が微粒子6を含有する場合、微粒子の種類は外側表面部分3の微粒子5と内側部分4の微粒子6とで同じものでもよく、また、外側表面部分3と内側部分4とで異なる種類の微粒子5、6であってもよい。また、この場合、内側部分4を構成するゴム組成物は、非発泡ゴム組成物であってもよい。なお、この第2実施形態において、外側表面部分3及び内側部分4に含有させる微粒子5、6としては、中空微粒子や、水溶性微粒子などが良く、また、中空微粒子や水溶性微粒子などの混合物であっても良い。
 本発明に係る空気入りタイヤを製造する方法としては、例えば、まず70phrよりも高い濃度の微粒子を均一に含有するゴム組成物による第1の層と、それよりも低い濃度のゴム組成物による第2の層を構築する。その後、第2の層の上に第1の層を重ね合わせることで未加硫のトレッドを形成し、タイヤを成形、成型する。タイヤ新品時に第1の層が路面と接触(表面層(外側表面部分)3を形成)するように配置する。
 本発明の効果を確認するため、内側部分を発泡ゴム組成物により構成したうえで、本発明にかかる高いレベルの微粒子(約120 μmの中央値粒度を有する103phrの中空微粒子)を含有するゴム組成物により形成された表面層を有する実施例と、表面層を有しない、即ち、転動面が膜状の発泡ゴム組成物により覆われている従来例による空気入りタイヤを用意した。これら空気入りタイヤの、トレッド部以外の内部構造は共通で、典型的な乗用車向けラジアルタイヤ構造を有する。
 規格JIS B 0601(2001)に従い、これらのタイヤの新品時、および乾燥したアスファルト路面を50km又は転動面の表面粗さの変化が目視確認できるまでのどちらか早い方まで走行後の各タイヤの、トレッドの表面粗さ(算術平均粗さRa)を測定した。
 従来例および実施例に係る供試タイヤのタイヤサイズは、いずれも、205/55R16を使用し、ホイールサイズは6.5J×16とし、内圧は220kPaに設定した。
 未使用の供試タイヤを、上述した適用リム、内圧にて車両(排気量2000ccの乗用車)の4輪に装着し、氷で覆われた-2℃の路面を走行し、20km/hから5km/hまでのアンチロックブレーキシステム(ABS)を作動させた縦急制動距離を測定した。これらの結果を表1に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001

 *1 従来例は50km走行後、実施例は30km走行後
 表1に示される如く、実施例品は、新品時および部分摩耗状態のどちらでも従来例品よりも高いレベルの転動面表面粗さを有することが確認できる。新品時の実施例品の表面粗さは既に従来例品の部分摩耗状態の表面粗さ同等以上の表面粗さを有するので、新品時における氷上グリップ性能が従来例より向上していることを表す。また、氷上制動の結果により、実施例品は従来例品に対して新品時のグリップ性能を向上しうるのが確認できる。
 以上、本発明の特に好ましい実施形態について記述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。
 1 空気入りタイヤ
 2 トレッド部
 3 外側表面部分
 4 内側部分
 5 外側表面部分の微粒子
 6 内側部分の微粒子

Claims (9)

  1.  新品時にトレッド厚さTtを有し且つタイヤ径方向に重ね合わされた2つのゴム組成物からなる部分を有する空気入りタイヤ用トレッドであって、
     前記トレッドは、新品時において、タイヤ転動時に路面と接触し、前記トレッド厚さTtの10%以下の平均厚さTsを有し、且つ、ゴム組成物からなる外側表面部分と、
     この外側表面部分の内側に隣接し、前記外側表面部分のゴム組成物とは異なるゴム組成物からなる内側部分と、を有し、
     前記トレッドの外側表面部分を構成するゴム組成物は少なくとも70phrの中空微粒子、水溶性微粒子およびそれら微粒子の混合物からなる群から選ばれる微粒子を含有することを特徴とする空気入りタイヤ用トレッド。
  2.  前記トレッドの内側部分を構成するゴム組成物は、50phr以下の微粒子を含有する請求項1に記載の空気入りタイヤ用トレッド。
  3.  前記トレッドの内側部分を構成するゴム組成物に含有される微粒子の量が40phr以下である、請求項2に記載の空気入りタイヤ用トレッド。
  4.  前記トレッドの外側表面部分の平均厚さTsが0.5mm以下である、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ用トレッド。
  5.  前記トレッドの外側表面部分の平均厚さTsが0.3mm以下である、請求項4に記載の空気入りタイヤ用トレッド。
  6.  前記トレッドの外側表面部分を構成するゴム組成物に含有される微粒子の量が190phr以下である、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ用トレッド。
  7.  前記トレッドの外側表面部分を構成するゴム組成物に含有される微粒子の中央値粒度(重量平均)が3μmと600μmの間である、請求項1及至6の何れか1項に記載の空気入りタイヤ用トレッド。
  8.  前記トレッドの内側部分を構成するゴム組成物が発泡ゴム組成物である、請求項1及至7の何れか1項に記載の空気入りタイヤ用トレッド。
  9.  請求項1及至8の何れか1項に記載のトレッドを有する空気入りタイヤ。
PCT/JP2013/082405 2012-11-30 2013-12-02 空気入りタイヤ用トレッド及びこのトレッドを有する空気入りタイヤ WO2014084402A1 (ja)

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