JP2020029234A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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良介 温品
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Abstract

【課題】冬用タイヤにおいて、トレッド部に設けた細溝によるエッジ効果を十分に発揮させ、氷上性能の低下を抑制できる空気入りタイヤを提供することを目的とする。【解決手段】空気入りタイヤのトレッド部は、タイヤ周方向に延び、最大溝幅が4mm以上である少なくとも1本の周方向主溝と、複数の陸部の領域のうちの少なくとも1つの領域に設けられ、周方向主溝よりも溝幅が狭い、1本又は複数本の細溝と、を備える。少なくとも1つの領域には、第1の発泡ゴムと、デュロメータ硬さが第1の発泡ゴムよりも硬く、タイヤ周方向に延びる第2の発泡ゴムと、が配置されている。細溝は、第2の発泡ゴムが配置された領域内に配置され、タイヤ周方向に沿って延びている。第1の発泡ゴムのデュロメータ硬さは45〜55であり、第1の発泡ゴムと第2の発泡ゴムとのデュロメータ硬さの差は3〜20である。【選択図】図2

Description

本発明は、トレッド部を備える空気入りタイヤに関する。
従来の空気入りタイヤにおいて、横力に対するエッジ効果を向上させるために、タイヤ周方向に延びる主溝のほかに、主溝よりも溝幅の狭い細溝が設けられる場合がある(特許文献1)。細溝が設けられていると、タイヤ周方向に延びるエッジ成分が増え、横力に対するエッジ効果が向上する。
特開2012−81806号公報
ところで、冬用タイヤでは、トレッド部の表面に、夏用タイヤあるいはオールシーズンタイヤと比べ軟らかいゴムが配置されており、氷上路面との間の凝着摩擦力を大きくし、滑り難くすることが行われる場合がある。
しかし、冬用タイヤに上記細溝が設けられている場合、接地したときに細溝が閉じるように変形し、潰れてしまう場合がある。このため、エッジ効果が不十分となり、氷上性能が低下するという問題がある。
そこで、本発明は、冬用タイヤにおいて、トレッド部に設けた細溝によるエッジ効果を十分に発揮させ、氷上性能の低下を抑制できる空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明の一態様は、トレッド部を備える空気入りタイヤであって、
前記トレッド部は、タイヤ周方向に延び、最大溝幅が4mm以上である少なくとも1本の周方向主溝と、
前記周方向主溝により分けられた複数の陸部の領域のうちの少なくとも1つの領域に設けられ、前記周方向主溝よりも溝幅が狭い、1本又は複数本の細溝と、を備え、
前記少なくとも1つの領域には、第1の発泡ゴムと、JIS K−6253に準拠したデュロメータ硬さが前記第1の発泡ゴムよりも硬く、タイヤ周方向に延びる第2の発泡ゴムと、が配置され、
前記細溝は、前記第2の発泡ゴムが配置された領域内に配置され、タイヤ周方向に沿って延びており、
前記第1の発泡ゴムの前記デュロメータ硬さは45〜55であり、前記第1の発泡ゴムと前記第2の発泡ゴムとの前記デュロメータ硬さの差は3〜20である、ことを特徴とする。
前記細溝の溝壁のうち一方の側壁の側に位置する前記第2の発泡ゴムの部分の、前記細溝の溝幅の方向に沿った長さは0.3mm以上であることが好ましい。
前記第2の発泡ゴムは、前記少なくとも1つの領域のタイヤ幅方向長さの30%以内のタイヤ幅方向領域に配置されていることが好ましい。
前記第1の発泡ゴムは、前記第2の発泡ゴムのタイヤ幅方向両側に配置され、互いに接続されていないことが好ましい。
前記トレッドパターンは、車両装着の向きが定められており、
前記細溝は、タイヤセンターラインの両側の前記トレッドパターンの領域のうち、少なくとも、車両外側を向く領域に配置されていることが好ましい。
前記トレッドパターンは、さらに、前記少なくとも1つの領域に設けられ、前記細溝と前記周方向主溝の間をタイヤ幅方向に延びるサイプを備え、
前記サイプは、前記第1の発泡ゴムの領域内に配置され、前記第2の発泡ゴムの領域に配置されていないことが好ましい。
前記トレッド部は、
前記トレッド部の最表層に位置し、前記第1の発泡ゴムからなる第1トレッドゴム層と、
前記第1トレッドゴム層のタイヤ径方向内側に前記第1トレッドゴム層と重なるように配置される第2トレッドゴム層と、を備え、
前記第2トレッドゴム層のゴムの前記デュロメータ硬さは、前記第1トレッドゴム層の前記デュロメータ硬さより大きく、前記第2の発泡ゴムの前記デュロメータ硬さより小さいことが好ましい。
本発明の空気入りタイヤによれば、冬用タイヤにおいて、トレッド部によるエッジ効果を十分に発揮させ、氷上性能の低下を抑制できる。
本実施形態の空気入りタイヤの断面を示すタイヤ断面図である。 本実施形態のトレッドパターンを示す図である。 図2の一部拡大図である。 図2の一部拡大図である。 空気入りタイヤの断面を細溝に注目して示す図である。
(タイヤの全体説明)
以下、本発明の空気入りタイヤについて説明する。図1は、本実施形態の空気入りタイヤ(以降、タイヤという)10の断面を示すタイヤ断面図である。本実施形態には、後述する種々の実施形態が含まれる。
タイヤ10は、例えば乗用車用タイヤである。乗用車用タイヤは、JATMA YEAR BOOK 2012(日本自動車タイヤ協会規格)のA章に定められるタイヤをいう。この他、B章に定められる小型トラック用タイヤおよびC章に定められるトラック及びバス用タイヤに適用することもできる。
以降で具体的に説明する各パターン要素の寸法の数値は、乗用車用タイヤにおける数値例であり、本発明の空気入りタイヤにおける寸法はこれらの数値例に限定されない。
以降で説明するタイヤ幅方向とは、タイヤ10の回転軸中心と平行な方向である。タイヤ幅方向外側とは、タイヤ幅方向のうちタイヤセンターラインCLから離れる側である。また、タイヤ幅方向内側とは、タイヤ幅方向のうちタイヤセンターラインCLに近づく側である。タイヤ周方向とは、タイヤ10の回転軸中心を回転の中心としてトレッド部が回転する方向である。タイヤ径方向とは、タイヤの回転軸中心に直交する方向である。タイヤ径方向外側とは、回転軸中心から離れる側をいう。また、タイヤ径方向内側とは、回転軸中心に近づく側をいう。
(タイヤ構造)
タイヤ10は、骨格材として、カーカスプライ層12と、ベルト層14と、ビードコア16とを有し、これらの骨格材の周りに、トレッドゴム部材18と、サイドゴム部材20と、ビードフィラーゴム部材22と、リムクッションゴム部材24と、インナーライナゴム部材26と、を主に有する。
カーカスプライ層12は、一対の円環状のビードコア16の間を巻きまわしてトロイダル形状を成した、有機繊維をゴムで被覆したカーカスプライ材で構成されている。カーカスプライ層12は、ビードコア16の周りに巻きまわされている。カーカスプライ層12のタイヤ径方向外側には、2枚のベルト材14a,14bで構成されるベルト層14が設けられている。ベルト材14a,14bのそれぞれは、タイヤ周方向に対して、所定の角度、例えば20〜30度傾斜して配されたスチールコードにゴムを被覆した部材であり、下層のベルト材14bが上層のベルト材14aに比べてタイヤ幅方向の幅が広い。2層のベルト材14a,14bのスチールコードの傾斜方向は互いに逆方向である。このため、ベルト材14a,14bは、交錯層となっており、充填された空気圧によるカーカスプライ層12の膨張を抑制する。
ベルト材14aのタイヤ径方向外側には、トレッドゴム部材18が設けられてトレッド部を形成している。トレッドゴム部材18は、最表層となる第1トレッドゴム層18aと、第1トレッドゴム層18aのタイヤ径方向内側に設けられる第2トレッドゴム層18bとを有する。第1トレッドゴム層18aは、後述する第1の発泡ゴム40からなる。また、トレッド部は、トレッドゴム層18a,18bのほか、トレッドゴム層18a,18bに接して配置される後述する第2の発泡ゴム41をさらに有している。図1では、わかりやすく説明するため、第2の発泡ゴム41のタイヤ幅方向の長さを長く示している。
トレッドゴム部材18のタイヤ幅方向の両端部には、サイドゴム部材20が接続されてサイド部を形成している。サイドゴム部材20のタイヤ径方向内側の端には、リムクッションゴム部材24が設けられ、タイヤ10を装着するリムと接触する。ビードコア16のタイヤ径方向外側には、ビードコア16の周りに巻きまわす前のカーカスプライ層12の部分と、ビードコア16の周りに巻きまわした後のカーカスプライ層12の部分との間に挟まれるようにビードフィラーゴム部材22が設けられている。タイヤ10とリムとで囲まれる空気を充填するタイヤ空洞領域に面するタイヤ10の内表面には、インナーライナゴム部材26が設けられている。
この他に、ベルト層14のタイヤ径方向外側からベルト層14を覆い、ベルト層14を補強する、有機繊維をゴムで被覆したベルトカバー層15を備える。また、タイヤ10は、ビードコア16の周りに巻きまわしたカーカスプライ層12とビードフィラーゴム部材22との間にビード補強材を備えることもできる。
タイヤ10は、このようなタイヤ構造を有するが、本発明の空気入りタイヤのタイヤ構造は、図1に示すタイヤ構造に限定されない。
(トレッド部)
図2は、図1に示すタイヤ10のトレッド部に設けられるトレッドパターン30を平面上に展開したトレッドパターンの一部分の展開図の一例である。
図2に示すトレッドパターン30は、車両に装着された状態で、タイヤセンターラインCLを境として、タイヤ幅方向の両側のうち、図2の左側のトレッド部の領域(アウト側ともいう)が車両外側を向き、図2の右側のトレッド部の領域(イン側ともいう)が車両内側を向くよう配置される非対称なパターンである。トレッドパターン30は、スタッドレスタイヤに用いられ、アウト側とイン側とでそれぞれスタッドレスタイヤとしての性能が発揮されるように設計されている。
トレッドパターン30は、複数の周方向主溝32,34,36,38と、陸部の領域42、44,46,48,50と、細溝78,88,58,68と、を備える。
周方向主溝32,34,36,38は、タイヤ周方向に延びる溝であって、最大溝幅が4mm以上の溝である。複数の周方向主溝は、トレッドパターン30において、タイヤ幅方向両側の最も外側に位置する外側周方向主溝32,34と、外側周方向主溝32,34に挟まれた内側周方向溝36,38と、を有している。このうち、外側周方向主溝32及び内側周方向主溝36は、アウト側に配置され、外側周方向主溝34及び内側周方向主溝38は、イン側に配置されている。
陸部の領域42,44,46,48,50は、周方向主溝32,34,36,38により分けられた領域である。このうち、ショルダー陸部の領域42,44、及び中間陸部の領域46,48には、細溝78,88,58,68が設けられている。細溝78,88,58,68は、周方向主溝32,34,36,38よりも溝幅が狭い溝である。細溝78,88,58,68は、タイヤ周方向に溝幅が一定あるいは変化しており、トレッド部の接地面積を大きくし、路面との摩擦力を大きくする観点から、最大溝幅は3mm以下であることが好ましい。細溝78,88,58,68は、具体的に、第2の発泡ゴム41が配置された領域内に配置され、タイヤ周方向に沿って延びている。
図2のトレッドパターン30において、陸部の領域42,44,46,48は、最大幅が15mm以上であり、陸部の領域50は、最大幅が15mm未満である。細溝は、最大幅(タイヤ幅方向の最大長さ)が15mm以上である陸部に配置されていることが好ましい。最大幅が15mm未満の陸部に細溝及び第2の発泡ゴム41が配置されていると、接地面に占める第1の発泡ゴム40の領域が少なくなり、第1の発泡ゴム40による氷上路面での制動性能(以降、氷上制動性能ともいう)が十分に発揮されない場合がある。このため、陸部の領域50には、トレッド部の表面に、第1の発泡ゴム40が配置されており、第2の発泡ゴム41は配置されていない。陸部の領域42,44,46,48には、トレッド部の表面に、第1の発泡ゴム40と、第2の発泡ゴム41と、が配置されている。トレッド部の表面に発泡ゴムが配置されていることで、氷上路面の表面の水分が発泡ゴムに吸収され、タイヤが路面に対して滑り難くなる。このため、氷上性能(氷上コーナリング性能及び氷上制動性能)が向上する。氷上コーナリング性能とは、氷上路面でのコーナリング性能をいう。
第1の発泡ゴム40のデュロメータ硬さは45〜55である。本明細書において、デュロメータ硬さとは、JIS K−6253に準拠し、タイプAのデュロメータを用いて測定される20℃でのデュロメータ硬さ(以降、単に硬さともいう)を意味する。第1の発泡ゴム40の硬さが上記範囲にあることで、ゴムが路面に追従して変形しやすく、路面とタイヤとの間の凝着摩擦力が大きくなる。これにより、氷上性能が向上する。第1の発泡ゴム40の硬さは、好ましくは47〜53である。
第2の発泡ゴム41は、硬さが第1の発泡ゴム40よりも硬いゴムである。具体的に、第2の発泡ゴム41と第1の発泡ゴム40との硬さの差(以降、硬度差ともいう)は3〜20である。そして、第2の発泡ゴム41の領域内には、上述したように、細溝78,88,58,68が配置されている。つまり、細溝78,88,58,68の溝壁は、少なくともトレッド部の表面において、第2の発泡ゴム41によって画定されている。これにより、タイヤ10が接地したときに細溝78,58,68,88が閉じるように変形して細溝78,58,68,88が潰れることが抑制され、細溝78,58,68,88によってエッジ効果が十分に発揮される。したがって、氷上コーナリング性能の低下は抑制される。また、細溝78,58,68,88の周りの接地圧が高くなるため、氷上制動性能の低下も抑制される。すなわち、氷上性能の低下が抑制される。
上記硬度差が3未満であると、細溝78,58,68,88の潰れを抑制する効果が小さく、氷上性能の低下を抑制できない。硬度差が20を超えると、第1の発泡ゴム40が路面に接地し難く、トレッド部と路面との間の凝着摩擦力が小さくなる。このため、氷上制動性能が低下する。硬度差は、例えば、第2の発泡ゴム41のゴム材料に配合される油分の量を、第1の発泡ゴム40のゴム材料に配合される油分の量に対して調整することで調節される。硬度差は、好ましくは5〜15である。
第2の発泡ゴム41の硬さは、好ましくは55〜65であり、より好ましくは57〜63である。第2の発泡ゴム41の硬さが55未満であると、細溝78,58,68,88の潰れを抑制できない場合がある。第2の発泡ゴム41の硬さが65を超えると、第2の発泡ゴム41が路面に追従するように変形し難くなり、路面に密着し難くなる。このため、氷上制動性能が向上し難くなる。
なお、第1の発泡ゴム40及び第2の発泡ゴム41は、熱を加えると発泡する特殊原料を用いて発泡させた多数の微小な気泡を有しており、特殊原料を含んだゴム組成物を加硫して得られる。ゴム組成物は、ジエン系ゴム等のゴム成分を含み、カーボンブラック、シリカ等の充填剤を任意に含んでいる。
トレッドパターン30に関してさらに説明する。ショルダー陸部の領域42には、タイヤ幅方向に延びるショルダーラグ溝72がタイヤ周方向に間隔をあけて複数配置されている。このショルダー陸部は、隣り合うショルダーラグ溝72に挟まれた複数のショルダーブロック43からなる。細溝78は、ショルダーブロック43のそれぞれに設けられている。細溝78は、一方のショルダーラグ溝72に接続するとともに、他方のショルダーラグ溝72には接続せずブロック43内で閉塞している。ショルダーブロック43には、細溝78のタイヤ幅方向の両側に互いに間隔をあけて配置された複数のサイプ74、75が設けられている。第2の発泡ゴム41は、サイプ74,75のタイヤ幅方向の間を通るように延びている。
ショルダー陸部の領域44には、タイヤ幅方向に延びるショルダーラグ溝82がタイヤ周方向に間隔をあけて複数配置されている。このショルダー陸部は、隣り合うショルダーラグ溝82に挟まれた複数のショルダーブロック45からなる。細溝88は、ショルダーブロック45のそれぞれに設けられている。細溝88は、一方のショルダーラグ溝82に接続するとともに、他方のショルダーラグ溝82には接続せずブロック45内で閉塞している。ショルダーブロック45には、タイヤ幅方向の両側に互いに間隔をあけて配置された複数のサイプ84,85が設けられている。第2の発泡ゴム41は、サイプ84,85のタイヤ幅方向の間を通るように延びている。
中間陸部の領域46は、内側周方向溝36及び外側周方向溝32に挟まれた領域である。中間陸部の領域46には、タイヤ幅方向に延びるラグ溝52がタイヤ周方向に間隔をあけて複数設けられている。この中間陸部は、隣り合うラグ溝52に挟まれた複数のブロック47からなる。細溝58は、ブロック47のそれぞれに設けられている。細溝58は、一方のラグ溝52に接続するとともに、他方のラグ溝52には接続せずブロック47内で閉塞している。ブロック47には、タイヤ幅方向の両側に互いに間隔をあけて配置された複数のサイプ54,55が設けられている。第2の発泡ゴム41は、サイプ54,55のタイヤ幅方向の間を通るように延びている。
中間陸部の領域48は、内側周方向溝38及び外側周方向溝34に挟まれた領域である。中間陸部の領域48には、外側周方向溝34から内側周方向溝38に向かってタイヤ幅方向に延びて途中で閉塞するラグ溝62と、内側周方向溝38から外側周方向溝34に向かってタイヤ幅方向に延びて途中で閉塞するラグ溝63と、が交互にタイヤ周方向に間隔をあけて設けられている。細溝68は、ラグ溝62,63と交差し、中間陸部(リブ)に全周に延びている。中間陸部(リブ)には、タイヤ幅方向の両側に互いに間隔をあけて配置された複数のサイプ64,65が設けられている。第2の発泡ゴム41は、サイプ64,65のタイヤ幅方向の間を通るように延びている。
サイプ54,55,64,65,74,75,84,85は、第1の発泡ゴム40の領域内に配置され、第2の発泡ゴム41の領域に配置されていないことが好ましい。サイプ54,55,64,65,74,75,84,85に硬さの異なるゴム40,41が配置されていると、ゴム40,41の変形量の違いに起因して、ゴム40,41の界面において硬い方の発泡ゴム41がチッピングしやすくなる。
センター陸部の領域50は、内側周方向溝36、38に挟まれた領域である。タイヤセンターラインCLは、センター陸部の領域50を通る。センター陸部の領域50には、ラグ溝92がタイヤ周方向に間隔をあけて複数設けられている。センター陸部は、隣り合うラグ溝92に挟まれた複数のブロック51からなる。ブロック51には、複数のサイプ94が設けられている。
第2の発泡ゴム41は、陸部の各領域42,44,46,48において、ラグ溝72,82,52,62,63の溝底よりも深い位置まで、トレッド表面から延在し、図2に示すように、タイヤ全周方向に連続して延びていることが好ましい。図2において、ショルダーラグ溝あるいはラグ溝と交差し、タイヤ周方向に延びる2本の実線は、ラグ溝の溝底に表れる第2の発泡ゴム41の両端を示す。第2の発泡ゴム41が、ラグ溝72,82,52,62,63の位置で途切れていると、ラグ溝72,82,52,62,63の溝底をなす第1の発泡ゴム40と第2の発泡ゴム41との界面でクラックが発生する場合がある。一方で、第2の発泡ゴム41は、タイヤ周方向に断続的に延びていてもよい。
図3は、図2の一部拡大図である。
図3に示すように、第2の発泡ゴム41は、陸部のタイヤ幅方向長さMの30%以内のタイヤ幅方向長さNの領域に配置されていることが好ましい。タイヤ幅方向長さMは、陸部の幅がタイヤ周方向に変化している場合、最小長さを意味する。氷上性能を向上させるためには、第1の発泡ゴム40の硬さを適切な範囲に調整することが最も効果的である。したがって、第2の発泡ゴム41の占める領域が大きすぎると、細溝78,88,58,68によるエッジ効果が得られたとしても、氷上制動性能が低下する場合がある。一方で、細溝78,88,58,68によるエッジ効果を得るために、上記Nは、上記Mの5%以上であることが好ましい。
図4は、図2の一部拡大図である。
図4に示すように、細溝の溝壁のうち一方の側壁の側、すなわち、細溝のタイヤ幅方向の一方の側に位置する第2の発泡ゴム41の部分の、細溝の溝幅の方向に沿った長さLは0.3mm以上であることが好ましく、0.5mm以上であることが好ましい。これにより、細溝78,58,68,88の潰れを十分に抑制することができる。一方で、上記長さLは、第1の発泡ゴム40が占める領域を確保する観点から、1mm以下であることが好ましい。上記長さLは、当該細溝のタイヤ幅方向両側において上記範囲を満たすことが好ましい。
図5は、タイヤ10の断面を細溝68に注目して示す図である。
図5に示すように、第1の発泡ゴム40は、第2の発泡ゴム41のタイヤ幅方向両側のそれぞれに配置され、互いに接続されていないことが好ましい。このように、第1の発泡ゴム40が第2の発泡ゴム41によって分断されていることで、一方の側の第1の発泡ゴム40の変形が、他方の側の第1の発泡ゴム40に伝播し難く、細溝78,58,68,58の潰れが生じ難い。また、第2の発泡ゴム41は、細溝78,58,68,58の側壁及び底壁を含む全ての壁面をなしているため、細溝78,58,68,58の潰れを十分に抑制できない場合がある。
トレッド部は、上述したように、第1トレッドゴム層18aと、第2トレッドゴム層18bと、を備えている。第1トレッドゴム層18aは、トレッド部の最表層に位置し、第1の発泡ゴム40からなる。第2トレッドゴム層18bは、第1トレッドゴム層18aのタイヤ径方向内側に第1トレッドゴム層18aと重なって配置される。この場合に、第2トレッドゴム層18bのゴムの硬さは、第1トレッドゴム層18aの硬さより大きく、第2の発泡ゴム41の硬さより小さいことが好ましい。このようなデュロメータ硬さの関係を満たすことにより、トレッドゴム部材18の剛性を確保しながら、細溝78,58,68,88の潰れを抑制することができる。
第2の発泡ゴム41は、例えば、図5に示すように、第2トレッドゴム層18bを貫通し、ベルトカバー層15等の骨格材と接していることがより好ましい。これにより、上記クラックが発生し難くなる効果が増す。
第2の発泡ゴム41は、主溝32,36,38,34と接していないことが好ましい。第2の発泡ゴム41が主溝32,36,38,34と接していると、主溝32,36,38,34の周りの部分のゴムが変形し難く、倒れ込み難くなるため、路面に対する追従性が落ち、凝着摩擦力が小さくなる。主溝32,36,38,34は、溝幅が広く、細溝78,58,68,88のように潰れることがないため、主溝32,36,38,34の周りの部分のゴムは、第1の発泡ゴム40で構成することで、倒れ込みやすく、路面と密着しやすくなっていることが望ましい。この観点から、主溝32,36,38,34の溝壁と、当該溝壁をなす第1の発泡ゴム40のタイヤ幅方向の長さは、5mm以上あることが好ましい。
一実施形態によれば、第1の発泡ゴム40と第2の発泡ゴム41との硬度差は、ショルダー陸部の領域42,44において、中間陸部の領域46,48における硬度差よりも大きいことが好ましい。ショルダー陸部は、コーナリング時の負荷が大きく、接地面積が大きくなる。このため、ショルダー陸部の領域42,44での硬度差が中間陸部の領域46,48での硬度差よりも大きいことで、大きなエッジ効果が得られ、氷上コーナリング性能が大きく向上する。好ましい硬度差は、例えば、中間陸部の領域46,48において3〜10であり、ショルダー陸部の領域42,44において6〜14である。
トレッドパターン30では、陸部の領域42,44,46,48,50の間で、下記式(1)で表されるSTI(スノートラクションインデックス)が異なっている。
STI=−6.8+2202・ρg+672・ρs+7.6・Dg (1)
STIは、陸部の領域ごとに計算される指数である。式(1)中、ρgは、陸部の各領域42,44,46,48,50に設けられる全てのラグ溝のタイヤ周方向に投影した長さの合計長さ(mm)を、(陸部の各領域42,44,46,48,50の接地幅×周長)(mm2)で割った値である。ρsは、陸部の各領域42,44,46,48,50に設けられる全てのサイプのタイヤ周方向に投影した長さの合計長さ(mm)を、(陸部の各領域42,44,46,48,50の接地幅×周長)(mm2)で割った値である。Dgは、陸部の各領域42,44,46,48,50に設けられる全てのラグ溝の平均深さ(mm)である。
陸部の接地幅は、タイヤ周方向に変動している場合は、その平均値をいう。また、陸部のタイヤ幅方向の端がトレッド表面において面取りされている場合、陸部の接地幅は、面取りされた部分を含めた陸部の接地幅をいう。
一実施形態によれば、陸部の領域42,44,46,48のうちの2つの陸部の領域に関して、STIが小さい陸部の領域は、STIが大きい陸部の領域と比べ、第1の発泡ゴム40と第2の発泡ゴム41との硬度差が大きいことが好ましい。STIが小さい陸部は、横力に対してエッジ効果を発揮するエッジ成分が少ないため、第1の発泡ゴム40と第2の発泡ゴム41の硬度差を大きくすることで、横力に対して効果を発揮するエッジ成分が補填され、氷上コーナリング性能が向上する。
なお、トレッドパターン30において、陸部の領域42,44,46,48,50のSTIの大小関係は、中間陸部の領域48>中間陸部の領域46>ショルダー陸部の領域42,44>センター陸部の領域50、である。中間陸部の領域46は、アウト側に配置され、コーナリング時にかかる負荷がイン側と比べ大きいため、中間陸部の領域48よりもSTIが小さく、剛性が高くなるよう設計されている。
一実施形態によれば、細溝は、タイヤセンターラインCLの両側のトレッドパターン30の領域のうち、アウト側の領域に配置されていることが好ましい。図2に示すトレッドパターンでは、アウト側に細溝88,68が配置されている。荷重のかかるアウト側でエッジ効果を高めて、氷上コーナリング性能を向上させることができる。
また、アウト側では、第1の発泡ゴム40と第2の発泡ゴム41との硬度差が、イン側と比べ大きいことが好ましい。具体的に、アウト側の陸部は、コーナリング時の負荷が大きく、接地面積が大きくなる。このため、アウト側の陸部の領域42,44における硬度差がイン側の陸部の領域46,48よりも大きいことで、大きなエッジ効果が得られ、氷上コーナリング性能が大きく向上する。
[実施例]
本発明の効果を確認するために、タイヤサイズ195/65R15 91Qのタイヤを、以下の実施例、従来例、比較例ごとに4本ずつ作製し、排気量1.2Lの前輪駆動の乗用車に装着して、氷上コーナリング性能、氷上制動性能を調べた。車両のリムサイズは15×6Jであり、空気圧は210kPaとした。アウト側が車両外側を向き、イン側が車両内側を向くようタイヤを装着した。
実施例1〜5のタイヤには、表1に示す点を除いて、上記実施形態及び図2に示す形態のトレッドパターン30を用いた。
従来例のタイヤには、実施例1において、第2の発泡ゴムを配置せず、トレッド部の最表層のすべてを第1の発泡ゴムで構成した。
細溝の最大溝幅は2mmとした。
第2の発泡ゴムは、図5に示すように、細溝の側壁及び底壁を含むすべての溝壁をなすよう配置した。
表中に示す、第1の発泡ゴムの硬さHsA、及び、第2の発泡ゴムの硬さHsBは、陸部の領域42,44,46,48のすべてにおいて共通とした。
表中、「第2のゴムの細溝の縁からの幅」は、細溝のタイヤ幅方向両側の2つの部分のうち短い方の部分のタイヤ幅方向長さを示す。
表中、「第2の発泡ゴムが陸部幅に占める割合」は、上記N/上記Mを意味する。
〔氷上コーナリング性能〕
半径7mの氷結路面のテストコースを、速度を変えて5周し、それぞれ周のラップタイムから横加速度を計算し、その平均値を、従来例を100として指数化した。指数が大きいほど、氷上コーナリング性能に優れることを示す。
〔氷上制動性能〕
氷路上を、走行速度40km/時で走行した状態から、ブレーキペダルを最深位置まで踏み込んで車両が停止するまでの距離(制動距離)を測定した。測定した距離の逆数を用いて、従来例を100として指数化した。指数が大きいほど距離が短く、氷上制動性能に優れることを示す。
氷上コーナリング性能及び氷上制動性能の指数がそれぞれ100以上であり、合計値が215以上である場合を、氷上性能の低下を抑制できたと評価した。
Figure 2020029234
比較例1〜3と、実施例1〜5とを対比すると、第2の発泡ゴムの領域内に細溝をタイヤ周方向に沿って延びるように設け、第1の発泡ゴムの硬さを45〜55、第1の発泡ゴムと第2の発泡ゴムとの硬度差を3〜20とすることで、氷上性能の低下を抑制できることがわかる。
実施例1と実施例2を対比すると、第2の発泡ゴムの硬さBが軟らかいことで、氷上コーナリング性能が向上することがわかる。氷上路面では横加速度が小さいため、第2の発泡ゴムの硬さは、適切な範囲内であれば、軟らかい方が細溝のエッジ効果が発揮されやすい。
実施例1と実施例4,5を対比すると、第2の発泡ゴムの幅が大きくなると、氷上性能が向上することがわかる。
以上、本発明の空気入りタイヤについて詳細に説明したが、本発明は上記実施形態及び実施例に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。
10 空気入りタイヤ
18a 第1トレッドゴム部材
18b 第2トレッドゴム部材
30 トレッドパターン
32,34 外側周方向溝
36,38 内側周方向溝
40 第1の発泡ゴム
41 第2の発泡ゴム
42,44 ショルダー陸部の領域
46,48 中間陸部の領域
50 センター陸部の領域
52,62,92 ラグ溝
58,68,78,88 細溝
72,82 ショルダーラグ溝
54,55,64,65,74,75,84,85,94 サイプ

Claims (7)

  1. トレッド部を備える空気入りタイヤであって、
    前記トレッド部は、タイヤ周方向に延び、最大溝幅が4mm以上である少なくとも1本の周方向主溝と、
    前記周方向主溝により分けられた複数の陸部の領域のうちの少なくとも1つの領域に設けられ、前記周方向主溝よりも溝幅が狭い、1本又は複数本の細溝と、を備え、
    前記少なくとも1つの領域には、第1の発泡ゴムと、JIS K−6253に準拠したデュロメータ硬さが前記第1の発泡ゴムよりも硬く、タイヤ周方向に延びる第2の発泡ゴムと、が配置され、
    前記細溝は、前記第2の発泡ゴムが配置された領域内に配置され、タイヤ周方向に沿って延びており、
    前記第1の発泡ゴムの前記デュロメータ硬さは45〜55であり、前記第1の発泡ゴムと前記第2の発泡ゴムとの前記デュロメータ硬さの差は3〜20である、ことを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記細溝の溝壁のうち一方の側壁の側に位置する前記第2の発泡ゴムの部分の、前記細溝の溝幅の方向に沿った長さは0.3mm以上である、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記第2の発泡ゴムは、前記少なくとも1つの領域のタイヤ幅方向長さの30%以内のタイヤ幅方向領域に配置されている、請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記第1の発泡ゴムは、前記第2の発泡ゴムのタイヤ幅方向両側に配置され、互いに接続されていない、請求項1から3のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記トレッドパターンは、車両装着の向きが定められており、
    前記細溝は、タイヤセンターラインの両側の前記トレッドパターンの領域のうち、少なくとも、車両外側を向く領域に配置されている、請求項1から4のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記トレッドパターンは、さらに、前記少なくとも1つの領域に設けられ、前記細溝と前記周方向主溝の間をタイヤ幅方向に延びるサイプを備え、
    前記サイプは、前記第1の発泡ゴムの領域内に配置され、前記第2の発泡ゴムの領域に配置されていない、請求項1から5のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  7. 前記トレッド部は、
    前記トレッド部の最表層に位置し、前記第1の発泡ゴムからなる第1トレッドゴム層と、
    前記第1トレッドゴム層のタイヤ径方向内側に前記第1トレッドゴム層と重なるように配置される第2トレッドゴム層と、を備え、
    前記第2トレッドゴム層のゴムの前記デュロメータ硬さは、前記第1トレッドゴム層の前記デュロメータ硬さより大きく、前記第2の発泡ゴムの前記デュロメータ硬さより小さい、請求項1から6のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
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