JP2007106713A - 水中油型皮膚外用剤 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】疎水化処理粉体と、ジベンゾイルメタン系化合物と、特定構造のポリグリセリン誘導体とを含有することを特徴とする水中油型皮膚外用剤。
【選択図】なし
Description
また、本発明にかかる日焼け止め化粧料は、前記水中油型皮膚外用剤からなることを特徴とするものである。
ポリグリセリン誘導体
本発明にかかる水中油型皮膚外用剤において用いられるポリグリセリン誘導体は、下記一般式(1)で示されるものである。
検出器:FID
カラム:HP-5 Crosslinked 5% PH ME Siloxane 0.25μm×30m
カラム温度:80℃→320℃(15℃/min) 320℃,25min
注入口温度:320℃
検出器温度:320℃
キャリアガス:ヘリウム
流速:23cm/sec
注入量:0.2μL
スプリット比:スプリットレス
1)平均重合度3から6のポリグリセリンを酸触媒の存在下でケタール化剤もしくはアセタール化剤を反応させポリグリセリンジケタール化合物もしくはジアセタール化合物を得る。
2)続いてアルカリ触媒の存在下で炭素数3から4のアルキレンオキシドの付加反応を行なう。さらに必要であればアルカリ触媒存在下でアルキル(アルケニル)ハライドなどを反応させ、オキシアルキレン基末端をアルキル(アルケニル)エーテル化する。
3)その後酸触媒の存在下で脱ケタール化もしくは脱アセタール化を行なう。
本発明にかかる水中油型皮膚外用剤において用いられる疎水化処理粉体は、粉体の表面を疎水化処理したものであれば特に限定されるものではないが、例えば、無機粉体粒子の表面を、メチルハイドロジェンポリシロキサン、ジメチルポリシロキサン等のシリコーン類、デキストリン脂肪酸エステル、高級脂肪酸、高級アルコール、脂肪酸エステル、金属石鹸、アルキルリン酸エーテル、フッ素化合物、またはスクワラン、パラフィン等の炭化水素類を用いて、溶媒を使用する湿式法、気相法、メカノケミカル法等により疎水化処理したものが挙げられる。なお、疎水化処理粉体の平均粒子径は本発明の油相である乳化粒子よりも小さい必要がある。特に、粉体を紫外線散乱剤として使用する場合には、湿式分散機で破砕後の平均粒子径が100nm以下のものが好ましい。疎水化処理される無機粉体粒子としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、タルク、マイカ、セリサイト、カオリン、雲母チタン、黒酸化鉄、黄酸化鉄、ベンガラ、群青、紺青、酸化クロム、水酸化クロム等が挙げられる。また、これらの疎水化処理粉体のうち、特に疎水化処理微粒子二酸化チタン及び/又は疎水化処理微粒子酸化亜鉛を好適に用いることができる。
本発明にかかる水中油型皮膚外用剤において用いられるジベンゾイルメタン系化合物は、その構造中にジベンゾイルメタン部位を含む化合物であればよく、特に限定されるものではない。ジベンゾイルメタン系化合物としては、紫外線吸収能や安全性の点から、特に4−tert−ブチル-4’-メトキシジベンゾイルメタンが好ましい。
4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタンは、公知のUV−A領域の紫外線吸収剤であり、多くの市販品が存在する。例えば、DSM Nutritional Products社より市販されているPARSOL1789を、本発明に用いることができる。
本発明にかかる水中油型皮膚外用剤において、耐塩性を有する増粘剤、特にサクシノグリカン、キサンタンガムまたはアクリルアミドを配合することにより、経時による乳化油滴の沈降、クリーミングに対する安定性、さらには粉体の凝集に対する安定性が改善される。例えば、ポリアクリル酸等の一般的な増粘剤を使用した場合には、無機粉体微粒子から水相中へと経時的に徐々に溶出する塩が増粘剤に作用し、粘度を低下させてしまう場合がある。これに対して、サクシノグリカン等の耐塩性に優れた増粘剤を使用した場合には、無機粉体から溶出する塩による影響を受けず、このため、長期間にわたって、粉体の凝集や乳化粒子の沈降を防ぐものと考えられる。このような耐塩性を有する増粘剤の配合量としては、組成物全量に対して0.1〜1質量%が好ましい。0.1質量%未満であると配合による効果が十分でなく、1質量%を超えるとよれが生じるなど使用感が悪くなることがある。
また、本発明にかかる水中油型皮膚外用剤の温度安定性、粉体の分散安定性をさらに改善するために、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ゼラチンから選択される1種または2種以上を乳化助剤として0.1〜1.0質量%配合することが好適である。0.1質量%未満では配合による効果が充分でなく、1.0質量%を超えると使用感触が悪くなる傾向がある。
本発明にかかる水中油型皮膚外用剤に配合する油分としては、特に限定されるものではないが、例えば、シリコーン油あるいは極性油を好適に使用することができる。シリコーン油としては、例えばジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、デカメチルポリシロキサン、ドデカメチルポリシロキサン、テトラメチルテトラハイドロジェンポリシロキサン、シクロテトラジメチルシロキサン、シクロペンタジメチルシロキサン等の直鎖状または環状のポリシロキサンが挙げられる。
本発明にかかる水中油型皮膚外用剤に用いる乳化剤としては、特に限定されるものではないが、油相中への溶解性が低く温度安定性が良いことから、親水性界面活性剤が好ましく、特に総HLBが10以上となる1種または2種以上の界面活性剤から構成されるものが好適である。具体的には、例えば、グリセリン又はポリグリセリン脂肪酸エステル類、プロピレングリコール脂肪酸エステル類、POEソルビタン脂肪酸エステル類、POEソルビット脂肪酸エステル類、POEグリセリン脂肪酸エステル類、POE脂肪酸エステル類、POEアルキルエーテル類、POEアルキルフェニルエーテル類、POE・POPアルキルエーテル類、POEヒマシ油又は硬化ヒマシ油誘導体、POE蜜ロウ・ラノリン誘導体、アルカノールアミド類、POEプロピレングリコール脂肪酸エステル類、POEアルキルアミン、POE脂肪酸アミド等から選択される1種または2種以上を配合することができる。乳化剤の配合量としては、組成物の総量に対して0.5〜5質量%が好ましい。
最初に、本発明に用いたポリグリセリン誘導体の製造方法について説明する。
四つ口フラスコにトリグリセリン(SOLVAY製「Triglycerin>80%」:純度83%)240g、2,2−ジメトキシプロパン364g、パラトルエンスルホン酸1.5mgを仕込み、反応系内を窒素ガスで置換後50℃で3時間反応させた。反応後窒素気流下で未反応揮発分を加熱留去し、酢酸を加えてpH7に合わせ、トリグリセリンジケタール化物を得た。なお、トリグリセリンの純度は、前述のガスクロマトグラフィー分析条件により測定した。また、原料のトリグリセリンと生成物のIR分析を比較した場合、生成物には3500cm−1付近の水酸基のピークが小さくなっており、代わりに2960cm−1、2870cm−1、1460cm−1、1380cm−1付近のピークが出現していることから、目的物質が得られていることを確認した。
トリグリセリンジケタール化物320gと水酸化カリウム12gをオートクレーブ中に仕込み、オートクレーブ中の空気を乾燥窒素で置換した後、攪拌しながら140℃で触媒を完全に溶解した。次に滴下装置によりブチレンオキシド1800gを滴下させ、2時間攪拌した。次に、水酸化カリウム168.3gを仕込み、系内を乾燥窒素で置換した後、塩化メチル151.5gを温度80〜130℃で圧入し5時間反応させた。その後オートクレーブより反応組成物を取り出し、塩酸で中和してpH6〜7とし、含有する水分を除去するため減圧、100℃で1時間処理した。さらに処理後生成した塩を除去するため濾過を行い、オキシブチレン化トリグリセリンジケタール化物を得た。
四つ口フラスコにオキシブチレン化トリグリセリンジケタール化物2134g、36%塩酸50g、水100gを仕込み、密封状態で80℃、2時間脱ケタール反応を行った。次いで水酸化カリウム水溶液でpH6〜7に合わせ、含有する水分を除去するため減圧、100℃で1時間処理した。さらに処理後生成した塩を除去するため濾過を行い、ポリオキシブチレン(25モル)メチルトリグリセリルエーテルを得た。
分析機器 :SHODEX GPC SYSTEM−11(昭和電工社製)
標準物質 :ポリエチレングリコール
サンプルサイズ :10%×100×0.001mL
溶離液 :THF
流速 :1.0mL/min
カラム :SHODEX KF804L(昭和電工社製)
カラムサイズ :I.D.8mm×30cm×3
カラム温度 :40℃
検出器 :RI×8
また、オキシブチレン化トリグリセリンジケタール化物と生成物のIR分析を比較した場合、生成物では3500cm−1付近の水酸基のピークが大きくなっていることから、目的物質が得られていることを確認した。
上記合成例1の手順のうち、1)ケタール化反応を下記の通りに変更して合成を行ない、ポリオキシブチレン(25モル)メチルトリグリセリルエーテルを得た。その他条件等は合成例1に準じた。
四つ口フラスコにトリグリセリン(SOLVAY製「Triglycerin>80%」:純度83%)240g、アセトン290g、パラトルエンスルホン酸4mgを仕込み、反応系内を窒素ガスで置換後70℃で8時間反応させた。反応後窒素気流下で未反応揮発分を加熱留去し、酢酸を加えてpH7に合わせ、トリグリセリンジケタール化物を得た。
トリグリセリンジケタール化物320gと水酸化カリウム20gをオートクレーブ中に仕込み、オートクレーブ中の空気を乾燥窒素で置換した後、攪拌しながら140℃で触媒を完全に溶解した。次に滴下装置によりブチレンオキシド3600gを滴下させ、2時間攪拌した。その後オートクレーブより反応組成物を取り出し、塩酸で中和してpH6〜7とし、含有する水分を除去するため減圧、100℃で1時間処理した。さらに処理後生成した塩を除去するため濾過を行い、オキシブチレン化トリグリセリンジケタール化物を得た。
四つ口フラスコにオキシブチレン化トリグリセリンジケタール化物を3920g、36%塩酸70g、水200gを仕込み、密封状態で80℃、3時間脱ケタール反応を行った。次いで水酸化カリウム水溶液でpH6〜7に合わせ、含有する水分を除去するため減圧、100℃で1時間処理した。さらに処理後生成した塩を除去するため濾過を行い、ポリオキシブチレン(50モル)トリグリセリルエーテルを得た。
各実施例及び比較例の水中油型皮膚外用剤を使用した後のしっとり感の有無について、専門パネラー10名により実使用試験を実施した。評価基準は以下の通りである。
<評価基準>
◎…パネラー8名以上が、使用後しっとり感があると認めた。
○…パネラー6名以上8名未満が、使用後しっとり感があると認めた。
△…パネラー3名以上6名未満が、使用後しっとり感があると認めた。
×…パネラー3名未満が、使用後しっとり感があると認めた。
各実施例及び比較例の水中油型皮膚外用剤を使用した後のべたつき感の有無について、専門パネラー10名により実使用試験を実施した。評価基準は以下の通りである。
<評価基準>
◎…パネラー8名以上が、使用後べたつき感がないと認めた。
○…パネラー6名以上8名未満が、使用後べたつき感がないと認めた。
△…パネラー3名以上6名未満が、使用後べたつき感がないと認めた。
×…パネラー3名未満が、使用後べたつき感がないと認めた。
各実施例及び比較例の水中油型皮膚外用剤を、50mlのサンプル管(直径3cm)に入れ、室温において45rpmの速度で4時間回転させ、粉体の凝集度合いを視覚にて評価した。評価基準は以下の通りである。
<評価基準>
○:目視で粉末凝集物は観察されなかった。
△:目視でやや粉末凝集物が観察された。
×:目視で相当量の粉末凝集物が観察された。
各実施例及び比較例の水中油型皮膚外用剤を、50mlのサンプル管(直径3cm)に入れ、室温において45rpmの速度で4時間回転させ、乳化安定性を顕微鏡にて評価した。評価基準は以下の通りである。
<評価基準>
○:顕微鏡で乳化粒子による合一も認められなかった。
△:顕微鏡で若干乳化粒子による合一が認められた。
×:顕微鏡で乳化粒子による合一が認められた。
各実施例及び比較例の水中油型皮膚外用剤を、50mlのサンプル管(直径3cm)に入れ、50℃放置1ヶ月後に色差測定を行なった。方法は色差計(ミノルタ社製、分光測色計CM−2002)を用いて行ない、以下の計算式により算出した基準品からの色差(ΔE)に基づいて変色抑制効果を判定した。
評価基準は以下の通りである。
<評価基準>
◎:変色抑制効果が非常に高い。(ΔE>9)
○:変色抑制効果が高い。(6<ΔE≦9)
△:あまり変色抑制効果が高くない。(3<ΔE≦6)
×:全く変色抑制効果がない。(ΔE≦3)
各実施例及び比較例の水中油型皮膚外用剤を50mlのサンプル管(直径3cm)に入れ、50℃放置1ヶ月後に専門の判定員による目視により外観色の変化を評価した。評価基準は以下の通りである。
<評価基準>
◎:外観色の変化がほとんど認められない。
○:外観色の変化がわずかに認められる。
△:外観色の変化が認められる。
×:外観色が変化している。
つづいて、本発明者らは、ポリグリセリン誘導体の好適な配合量について検討するため、ポリグリセリン誘導体の配合量を各種変化させた水中油型皮膚外用剤について、上記試験と同様にして評価を行なった。各実施例及び比較例の水中油型皮膚外用剤の配合組成と評価結果とを下記表3に併せて示す。
また、本発明者らは、水中油型皮膚外用剤中に配合する増粘性成分について検討するため、各種増粘剤を配合した水中油型皮膚外用剤について、上記試験と同様にして評価を行なった。各実施例及び比較例の水中油型皮膚外用剤の配合組成と評価結果とを下記表4に併せて示す。
実施例2−1:サンカット水中油型乳液 (質量%)
(1)疎水化処理微粒子二酸化チタン 12
(2)ポリオキシブチレン(42モル)トリグリセリルエーテル 2
(3)デカメチルペンタシクロシロキサン 10
(4)4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン 1
(5)パラメトキシ桂皮酸オクチル 5
(6)トリー2−エチルヘキサン酸グリセリン 3
(7)PEG−60水添ヒマシ油 2
(8)1,3−ブチレングリコール 8
(9)サクシノグリカン 0.2
(10)カルボキシメチルセルロース 0.25
(11)エタノール 3
(12)イオン交換水 残 余
製法 (1)〜(6)を混合し、ビーズミルで分散破砕した後、(7)〜(12)を溶解した水相に対して、ホモミキサーをかけながら添加した。
(1)疎水化処理微粒子二酸化チタン 12
(2)疎水化処理黄酸化鉄 0.8
(3)疎水化処理黒酸化鉄 0.16
(4)疎水化処理ベンガラ 0.36
(5)ポリオキシブチレン(56モル)メチルトリグリセリルエーテル 3
(6)デカメチルペンタシクロシロキサン 10
(7)4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン 1
(8)パラメトキシ桂皮酸オクチル 5
(9)ミリスチン酸オクチルドデシル 3
(10)PEG−60水添ヒマシ油 2.5
(11)ダイナマイトグリセリン 4
(12)キサンタンガム 0.3
(13)カルボキシメチルセルロース 0.3
(14)エタノール 5
(15)イオン交換水 残 余
製法 (1)〜(9)を混合し、ビーズミルで分散破砕した後、(10)〜(15)を溶解した水相に対して、ホモミキサーをかけながら添加した。
(1)疎水化処理微粒子二酸化チタン(シリコーン処理) 20
(2)ポリオキシブチレン(42モル)メチルトリグリセリルエーテル 3.5
(3)デカメチルペンタシクロシロキサン 10
(4)4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン 1
(5)パラメトキシ桂皮酸オクチル 5
(6)パルミチン酸イソプロピル 4
(7)PEG−60水添ヒマシ油 3
(8)ダイナマイトグリセリン 5
(9)サクシノグルカン 0.3
(10)カルボキシメチルセルロース 0.3
(11)エタノール 4
(12)クエン酸 適 量
(13)クエン酸ナトリウム 適 量
(14)アスコルビン酸グリコシド 2
(15)苛性カリ 適 量
(16)イオン交換水 残 余
製法 (1)〜(6)を混合し、ビーズミルで分散破砕した後、(7)〜(16)を溶解した水相に対して、ホモミキサーをかけながら添加した。
Claims (6)
- 請求項1に記載の水中油型皮膚外用剤において、前記疎水化処理粉体が、疎水化処理微粒子二酸化チタン又は疎水化処理微粒子酸化亜鉛であることを特徴とする水中油型皮膚外用剤。
- 請求項1又は2に記載の水中油型皮膚外用剤において、前記ジベンゾイルメタン系化合物が、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタンであることを特徴とする水中油型皮膚外用剤。
- 請求項1から3のいずれかに記載の水中油型皮膚外用剤において、さらにサクシノグリカン、キサンタンガム及びアクリルアミドから選択される1種又は2種以上を含むことを特徴とする水中油型皮膚外用剤。
- 請求項1から4のいずれかに記載の水中油型皮膚外用剤において、さらにカルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ゼラチンから選択される1種又は2種以上を含むことを特徴とする水中油型皮膚外用剤。
- 請求項1から5のいずれかに記載の水中油型皮膚外用剤からなることを特徴とする日焼け止め化粧料。
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