JP4611840B2 - 水中油型皮膚外用剤 - Google Patents

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Description

本発明は、水中油型皮膚外用剤、特に疎水化処理粉体を配合した水中油型の皮膚外用剤における使用感、粉体の分散性及び乳化安定性の改善に関するものである。
従来、酸化チタンや酸化亜鉛等の無機粉体を配合した各種の皮膚外用剤が汎用されている。これらの皮膚外用剤の基剤としては、主に油中水型乳化基剤もしくは粉末基剤が使用されているが、油感や粉末感が強く良好な使用感が得られないといった場合が多い。これに対し水中油型乳化基剤は、みずみずしい使用感をもつことから乳液、クリーム、乳化型ファンデーション等の化粧料に用いられている。
しかしながら、無機粉体を配合した水中油型乳化基剤の場合には、粉末が凝集してしまうという問題があり、粉末を均一に分散させる必要性が生じていた。例えば、紫外線防止機能を付与する日焼け止め化粧料の場合には、粉末が凝集したままであると、紫外線防止効果低下の要因、また使用感触が異なる等、様々な問題があった。そこで、酸化チタンや酸化亜鉛等の無機粉体表面を疎水化処理して得た疎水化処理粉体を水中油型乳化物に配合した技術が開発されているが、疎水化処理粉体の分散性、及び乳化安定性が十分ではなかった。また、使用感触としては、使用後しっとりした感触は得られるものの、べたつき感を生じてしまうという問題点があった。
これらの問題点を解決するために、経時や温度変化等に起因する乳化粒子の合一や粉体微粒子の凝集、沈降を防止して分散安定性を付与する技術(例えば、特許文献1,2参照)が報告されているが、これらの技術によっても、依然、疎水化処理粉体の分散安定性、乳化安定性、さらには使用感触の点で充分なものであるとはいえない。また、近年では、より優れた紫外線遮断能を付与する目的で、日焼け止め化粧料の処方中に、主にUV−Bに対して効果のある疎水化処理酸化チタンと、主にUV−Aに対して効果のある疎水化処理酸化亜鉛とを共存させる技術が求められているが、表面状態の異なる酸化チタンと酸化亜鉛とが存在することにより、顕著な乳化粒子の凝集や合一が生じてしまうことから、分散性及び乳化安定性を満足することは非常に困難であった。
特公平7−94366号公報 特開平8−310940号公報
本発明は、前述のような従来技術の課題に鑑みて行なわれたものであり、その目的は、疎水化処理粉体を配合した場合の使用感、粉体の分散安定性及び乳化安定性が改善された水中油型の皮膚外用剤を提供することにある。
前記目的を達成するために本発明者らが鋭意研究を重ねた結果、特定構造のポリグリセリン誘導体と、特定構造のブロック型アルキレンオキシド誘導体とを皮膚外用剤処方中に配合することにより、疎水化処理粉体を配合した場合の使用感、粉体の分散安定性及び乳化安定性に優れ、特に疎水化処理酸化チタン及び疎水化処理酸化亜鉛を共に配合した場合の粉体の分散安定性及び乳化安定性が著しく改善された水中油型皮膚外用剤が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明にかかる水中油型皮膚外用剤は、疎水化処理粉体と、下記一般式(1)で示されるポリグリセリン誘導体と、下記一般式(2)で示されるブロック型アルキレンオキシド誘導体と、
を含有することを特徴とするものである。
Figure 0004611840
(式中、m+2はポリグリセリンの平均重合度を表しており1≦m≦4、Rは炭素数1〜4の炭化水素基又は水素原子、AOは炭素数3〜4のオキシアルキレン基、nはオキシアルキレン基の平均付加モル数で、1≦m×n≦200である。)
O−(AO)(EO)−R (2)
(式中、AOは炭素数3〜4のオキシアルキレン基、EOはオキシエチレン基、mおよびnはそれぞれ前記オキシアルキレン基、オキシエチレン基の平均付加モル数で、1≦m≦70、1≦n≦70である。炭素数3〜4のオキシアルキレン基とオキシエチレン基はブロック状に付加しており、炭素数3〜4のオキシアルキレン基とオキシエチレン基の合計に対するオキシエチレン基の割合は20〜80質量%である。RおよびRは同一もしくは異なっていてもよく炭素数1〜4の炭化水素基または水素原子であり、RおよびRの炭化水素基数に対する水素原子数の割合は0.15以下である。)
また、前記水中油型皮膚外用剤において、前記疎水化処理粉体として疎水化処理微粒子二酸化チタン及び疎水化処理微粒子酸化亜鉛を含有することが好適である。また、前記水中油型皮膚外用剤において、さらにサクシノグリカン、キサンタンガム及びポリアクリルアミドから選択される1種又は2種以上を含有することが好適である。また、前記水中油型皮膚外用剤において、さらにカルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、及びゼラチンから選択される1種又は2種以上を含有することが好適である。また、前記水中油型皮膚外用剤において、日焼け止めに用いることが好適である。
本発明にかかる水中油型皮膚外用剤によれば、特定構造のポリグリセリン誘導体と、特定構造のブロック型アルキレンオキシド誘導体とを含有していることにより、疎水化処理粉体を配合した場合の使用感、粉体の分散安定性及び乳化安定性に優れており、特に疎水化処理酸化チタン及び疎水化処理酸化亜鉛を共に配合した場合の粉体の分散安定性及び乳化安定性が著しく改善される。
以下、本発明について具体例を挙げることにより、さらに詳細に説明を行なうが、本発明はこれらにより限定されるものではない。
ポリグリセリン誘導体
本発明にかかる水中油型皮膚外用剤において用いられるポリグリセリン誘導体は、下記一般式(1)で示されるものである。
Figure 0004611840
(式中、m+2はポリグリセリンの平均重合度を表しており1≦m≦4、Rは炭素数1〜4の炭化水素基又は水素原子、AOは炭素数3〜4のオキシアルキレン基、nはオキシアルキレン基の平均付加モル数で、1≦m×n≦200である。)
上記式(1)に示されるポリグリセリン誘導体において、m+2はポリグリセリンの平均重合度を表しており、1≦m≦4、すなわち、3≦m+2≦6である。ポリグリセリンとしては、例えば、トリグリセリン(m=1)、テトラグリセリン(m=2)、ペンタグリセリン(m=3)、ヘキサグリセリン(m=4)が挙げられ、特に好ましくはトリグリセリンである。mが0(m+2=2)あるいはmが5以上(m+2≧7)である場合には、界面活性能が不十分である。
本発明に用いられるポリグリセリン誘導体の製造に際して、原料として用いるポリグリセリンの製造方法は特に限定されるものではなく、直鎖状であっても分岐状であっても良い。上記式(1)においては、便宜上、直鎖状のポリグリセリン誘導体のみを示しているが、本発明においては、例えば、分岐状のポリグリセリン誘導体、あるいはこれらの混合物であっても構わない。なお、通常、市販のポリグリセリンは、脱水縮合して得られる為、グリセリンの1位又は3位と1位又は3位が反応する場合、1位又は3位と2位が反応する場合、2位と2位が反応する場合があり、直鎖状及び分岐状の混合物となる。このような混合物を原料として用いた場合には、ポリグリセリン誘導体も直鎖状及び分岐状の混合物として得られる。
また、原料として用いるポリグリセリンは、より好ましくはトリグリセリンの平均重合度分布を狭くしたものであり、トリグリセリンの含有量が75質量%以上、さらに好ましくは80質量%以上のトリグリセリンを原料として使用することにより界面活性能力がさらに向上する。なお、蒸留等を行なうことによって、トリグリセリンの平均重合度分布を狭くすることができる。トリグリセリンの含有量は、例えば、以下の方法により測定することができる。
TMS化:サンプル0.1gをスクリュー管に秤取り、ピリジン0.5mLを加えて溶解させる。次にヘキサメチルジシラザン0.4mLを加えて混ぜ、さらにクロロトリメチルシラン0.2mLを加えてよく混ぜる。30分間放置後、遠心分離しピリジン塩酸塩を沈降させ、上澄みを濾過したものをガスクロマトグラフィー分析する。
検出器:FID
カラム:HP-5 Crosslinked 5% PH ME Siloxane 0.25μm×30m
カラム温度:80℃→320℃(15℃/min) 320℃,25min
注入口温度:320℃
検出器温度:320℃
キャリアガス:ヘリウム
流速:23cm/sec
注入量:0.2μL
スプリット比:スプリットレス
は炭素数1〜4の炭化水素基または水素原子であり、好ましくは炭素数1〜4の炭化水素基である。炭化水素基の例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基等の飽和炭化水素基、ビニル基、アリル基等の不飽和炭化水素基、及びこれらの混合物等が挙げられるが、より好ましくは飽和炭化水素基である。
AOは炭素数3〜4のオキシアルキレン基であり、例えば、オキシプロピレン基、オキシブチレン基、オキシイソブチレン基、オキシt−ブチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、及びこれらの混合物等が挙げられるが、好ましくは全オキシアルキレン基中に占める炭素数4のオキシブチレン基の割合が50質量%以上であり、さらに好ましくは100質量%である。炭素数2以下のオキシアルキレン基では塩濃度による影響を受けやすく、炭素数5以上のオキシアルキレン基では純度の高い誘導体を得ることが難しい。また、異なるオキシアルキレン基の重合形態はブロック状でもランダム状でもよい。
nはオキシアルキレン基の平均付加モル数で、オキシアルキレン基と結合し得る水酸基の数を表すmとの組み合わせで1≦m×n≦200、好ましくは4≦m×n≦100、さらに好ましくは8≦m×n≦70である。m×nが0では界面活性を示さず、200を超えると純度の高い誘導体を得ることが難しい。また、オキシアルキレン基の平均付加モル数であるnは、単独で、1≦n≦200の値をとり得るが、好ましくは4≦n≦80、さらに好ましくは8≦n≦50である。
本発明に用いられるポリグリセリン誘導体としては、具体的には、例えば、ポリオキシブチレン(25モル)メチルトリグリセリルエーテル、ポリオキシブチレン(28モル)メチルトリグリセリルエーテル、ポリオキシブチレン(42モル)メチルトリグリセリルエーテル、ポリオキシブチレン(56モル)メチルトリグリセリルエーテル、ポリオキシブチレン(28モル)トリグリセリルエーテル、ポリオキシブチレン(42モル)トリグリセリルエーテル、ポリオキシブチレン(50モル)トリグリセリルエーテル、ポリオキシブチレン(56モル)トリグリセリルエーテル等が挙げられる。
なお、本発明の式(1)で示されるポリグリセリン誘導体は、通常、以下の1)〜2)の手順により製造することができる。
1)平均重合度3から6のポリグリセリンを酸触媒の存在下でケタール化剤もしくはアセタール化剤を反応させポリグリセリンジケタール化合物もしくはジアセタール化合物を得る。
2)続いてアルカリ触媒の存在下で炭素数3から4のアルキレンオキシドの付加反応を行なう。さらに必要であればアルカリ触媒存在下でアルキル(アルケニル)ハライドなどを反応させ、オキシアルキレン基末端をアルキル(アルケニル)エーテル化する。
3)その後酸触媒の存在下で脱ケタール化もしくは脱アセタール化を行なう。
ポリグリセリンをケタール化またはアセタール化するための化合物を下記式(3)に示す。
Figure 0004611840
上記RおよびRはそれぞれ炭素数1〜4の炭化水素基もしくは水素原子を表し、R4およびR5はそれぞれ炭素数1〜4の炭化水素基である。ただし、RおよびRが同時に水素原子である場合は除かれる。炭化水素基の例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基等が挙げられるが、より好ましくはメチル基である。
式(3)の化合物としては、2,2−ジメトキシプロパン、1,1−ジメトキシ−3−ブタノン、1,1−ジメトキシエタン等が挙げられるが、2,2−ジメトキシプロパンがより好ましい。なお、通常のケトン類もしくはアルデヒド類から直接ケタール化合物やアセタール化合物を合成することもできるが、ケタール基等の置換反応率の点から、式(3)の化合物を使用した方がより好ましい。ケタール化もしくはアセタール化の触媒としては、酸触媒、例えば硫酸、パラトルエンスルホン酸等が挙げられる。通常、式(3)の化合物の仕込み量はポリグリセリンに対して250〜500モル%、酸触媒の仕込み量はポリグリセリンに対して0.0005〜0.015モル%が、反応温度は30〜70℃で行なうのが一般的である。
ポリグリセリンと上記式(3)の化合物との反応により生成するポリグリセリンジケタール化物を下記式(4)に示す。
Figure 0004611840
式(4)のポリグリセリンジケタール化物又はジアセタール化物を、次工程のアルキレンオキシド付加反応で使用する場合、特に触媒除去処理などしなくても差し支えないが、必要であれば、アルカリによる中和処理や酸吸着処理、濾過等を行なうことができる。例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、酢酸ナトリウム等の中和剤や、協和化学工業(株)製のキョーワード300、キョーワード1000、富田製薬(株)製のトミックスAD−500等の吸着剤、その他ゼオライト等が使用できる。
なお、式(4)のポリグリセリンジケタール化物またはジアセタール化物は、末端グリセリル基の1位と2位での反応物として記載されているが、本発明においてはこれに限定されるものではなく、例えば、分岐鎖状のポリグリセリンを原料として使用した場合には、1位と3位とでケタール化またはアセタール化しており、このような化合物を用いることもできる。
式(4)の化合物について、アルカリ触媒の存在下で当該アルキレンオキシド付加を行なう場合、通常、オートクレーブなどの加圧反応釜において40〜180℃の温度で反応を行なう。このときの触媒としては、アルカリ金属やアルカリ土類金属の酸化物、水酸化物、アルコラート等を使用することができる。より具体的には、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、酸化カルシウム、ナトリウムメトキシド等である。触媒の使用量は特に限定されないが、付加反応終了後の質量に対して0.01〜5.0質量%が一般的である。
アルキレンオキシド付加反応後、必要であればアルカリ触媒存在下でアルキル(アルケニル)ハライド等を反応させ、オキシアルキレン基末端をアルキル(アルケニル)エーテル化することもできる。アルキル(アルケニル)ハライドの例としては、塩化メチル、塩化エチル、塩化プロピル、塩化ブチル、塩化ビニル、塩化アリル、臭化メチル、臭化エチル、ヨウ化メチル、ヨウ化エチル等が挙げられる。また、このときの触媒としては、アルカリ金属やアルカリ土類金属の酸化物、水酸化物、アルコラート等を使用することができる。より具体的には、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、酸化カルシウム、ナトリウムメトキシド等である。アルキル(アルケニル)ハライドの仕込み量は、反応する水酸基数に対して100〜400モル%、アルカリ触媒量は該反応する水酸基数に対して100〜500モル%、反応温度は60〜160℃で行なうのが一般的である。
式(4)の化合物のオキシアルキレン化物について、次工程の脱ケタール化又は脱アセタール化反応を行なう場合、酸による中和処理やアルカリ吸着処理、濾過等を行なう必要がある。例えば、塩酸、硫酸、リン酸、酢酸、炭酸などの鉱酸、クエン酸、コハク酸、酒石酸等の有機酸による中和剤や、協和化学工業(株)製のキョーワード600、キョーワード700、富田製薬(株)製のトミックスAD−300などの吸着剤、その他ゼオライト等を使用することができる。
式(4)の化合物のオキシアルキレン化物における脱ケタール化又は脱アセタール化反応は、酸触媒の存在下で行なう。酸触媒としては、例えば、塩酸、硫酸、リン酸、パラトルエンスルホン酸、その他固体酸、陽イオン交換樹脂、酸性白土等が挙げられる。酸触媒の使用量は、式(4)の化合物のオキシアルキレン化物に対して0.01〜6.0質量%、反応温度は60〜150℃で行なうのが一般的である。
脱ケタールまたは脱アセタール反応終了後は、アルカリによる中和処理や酸吸着処理、濾過等を行なうことができる。例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、酢酸ナトリウム等の中和剤や、協和化学工業(株)製のキョーワード300、キョーワード1000、富田製薬(株)製のトミックスAD−500等の吸着剤、その他ゼオライト等が使用できる。
本発明にかかる水中油型皮膚外用剤において、前記ポリグリセリン誘導体の配合量は、特に制限されるものではなく、使用目的に合わせ適宜配合量を調整して用いることができるが、組成物の総量に対して0.2〜5.0質量%、さらには0.5〜2,0質量%であることが好適である。ポリグリセリン誘導体の配合量が0.2質量%より少ない場合には乳化安定性に劣る場合があり、一方で5.0質量%より多く配合すると油中水型に転相してしまう場合があるため好ましくない。
ブロック型アルキレンオキシド誘導体
本発明にかかる水中油型皮膚外用剤において用いられるブロック型誘導体は、下記一般式(2)で示されるものである。
O−(AO)(EO)−R (2)
上記式(2)で示されるアルキレンオキシド誘導体において、AOは炭素数3〜4のオキシアルキレン基であり、具体的には、オキシプロピレン基、オキシブチレン基、オキシイソブチレン基、オキシトリメチレン基、オキシテトラメチレン基などが挙げられる。好ましくは、オキシプロピレン基、オキシブチレン基が挙げられる。
mは炭素数3〜4のオキシアルキレン基の平均付加モル数であり、1≦m≦70、好ましくは2≦m≦50である。nはオキシエチレン基の平均付加モル数であり、1≦n≦70、好ましくは5≦n≦55である。炭素数3〜4のオキシアルキレン基又はオキシエチレン基が0であるとしっとり感が落ち、70を越えるとべたつき感がでてくる。
また、炭素数3〜4のオキシアルキレン基とオキシエチレン基の合計に対するオキシエチレン基の割合は、20〜80質量%であることが好ましい。オキシエチレン基の割合が20質量%未満であると油中水型に転相する場合があり、80質量%より大きいと乳化安定性が劣る傾向にある。
オキシエチレン基と炭素数3〜4のオキシアルキレン基はブロック状に付加していなければならないが、エチレンオキシドおよび炭素数3〜4のアルキレンオキシドの付加する順序は特に指定はない。またブロック状には2段ブロックのみならず、3段以上のブロックも含まれる。
及びRは炭素数1〜4の炭化水素基もしくは水素原子で、炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基などが挙げられる。好ましくはメチル基、エチル基である。炭素数5以上の炭化水素基では親水性が低下し、皮膚刺激性が生じる傾向にある。R,Rは、同一であっても異なっていても良い。
及びRはそれぞれ同種のものを用いても、炭素数1〜4の炭化水素基と水素原子とが混在しても、異種の炭素数1〜4の炭化水素基が混在してもよい。ただし、RおよびRの炭化水素基のうち、炭化水素基と水素原子の存在割合は、炭化水素基の数(X)に対する水素原子の数(Y)の割合Y/Xが0.15以下、好ましくは0.06以下である。Y/Xの割合が0.15を越えると、べたつき感がでてくる。
ブロック型アルキレン誘導体の分子量は、好ましくは1000以上、さらに好ましくは3000以上である。分子量1000未満では乳化安定性が低い。また分子量の上限は特に規定できないが、分子量が大きくなっていくにつれ、塗布後のべたつき感が生じてくる傾向になる。
本発明に用いられるブロック型アルキレンオキシド誘導体としては、具体的には、例えば、POE(14)POP(7)ジメチルエーテル、POE(17)POP(4)ジメチルエーテル、POE(10)POP(10)ジメチルエーテル、POE(7)POP(12)ジメチルエーテル、POE(15)POP(5)ジメチルエーテル、POE(25)POP(25)ジメチルエーテル、POE(27)POP(14)ジメチルエーテル、POE(55)POP(28)ジメチルエーテル、POE(22)POP(40)ジメチルエーテル、POE(35)POP(40)ジメチルエーテル、POE(50)POP(40)ジメチルエーテル、POE(36)POP(41)ジメチルエーテル、POE(55)POP(30)ジメチルエーテル、POE(30)POP(34)ジメチルエーテル、POE(25)POP(30)ジメチルエーテル、POE(14)POB(7)ジメチルエーテル、POE(10)POP(10)ジエチルエーテル、POE(10)POP(10)ジプロピルエーテル、POE(10)POP(10)ジブチルエーテル等が挙げられる。
なお、上記POE、POP、POBは、それぞれポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシブチレンの略であり、以下このように略して記載することがある。
本発明に用いられるブロック型アルキレンオキシド誘導体は、公知の方法で製造することができる。例えば、水酸基を有している化合物にエチレンオキシドおよび炭素数3〜4のアルキレンオキシドを付加重合した後、ハロゲン化アルキルをアルカリ触媒の存在下にエーテル反応させることによって得ることができる。
本発明にかかる水中油型皮膚外用剤において、前記ブロック型アルキレンオキシド誘導体の配合量は、特に制限されるものではなく、使用目的に合わせ適宜配合量を調整して用いることができるが、組成物の総量に対して0.3〜6質量%、さらには0.5〜4質量%であることが好適である。0.3質量%未満では乳化が十分ではない場合があり、また6質量%を超えると塗布後、べたつき感を生じる場合がある。
疎水化処理粉体
本発明にかかる水中油型皮膚外用剤においては、前記特定構造のポリグリセリン誘導体と、前記特定構造のブロック型アルキレンオキシド誘導体とをともに配合することにより、疎水化処理粉体を配合した場合の使用感、粉体の分散安定性、及び乳化安定性に極めて優れているものである。本発明に用いられる疎水化処理粉体は、粉体の表面を疎水化処理したものであれば特に限定されるものではないが、例えば、無機粉体粒子の表面を、メチルハイドロジェンポリシロキサン、ジメチルポリシロキサン等のシリコーン類、デキストリン脂肪酸エステル、高級脂肪酸、高級アルコール、脂肪酸エステル、金属石鹸、アルキルリン酸エーテル、フッ素化合物、またはスクワラン、パラフィン等の炭化水素類を用いて、溶媒を使用する湿式法、気相法、メカノケミカル法等により疎水化処理したものが挙げられる。なお、疎水化処理粉体の平均粒子径は本発明の油相である乳化粒子よりも小さい必要がある。特に、粉体を紫外線散乱剤として使用する場合には、湿式分散機で破砕後の平均粒子径が100nm以下のものが好ましい。疎水化処理される無機粉体粒子としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、タルク、マイカ、セリサイト、カオリン、雲母チタン、黒酸化鉄、黄酸化鉄、ベンガラ、群青、紺青、酸化クロム、水酸化クロム等が挙げられる。
また、これらの疎水化処理粉体のうち、特に疎水化処理微粒子二酸化チタンと、疎水化処理微粒子酸化亜鉛とを共に配合している場合、顕著な乳化粒子の凝集や合一が生じやすいことが知られているが、本発明にかかる水中油型皮膚外用剤においては、前記特定構造のポリグリセリン誘導体と、前記特定構造のブロック型アルキレンオキシド誘導体とをともに配合することにより、粉体の分散安定性、及び乳化安定性を著しく改善することが可能となる。このため、本発明においては、疎水化処理粉体として疎水化処理微粒子二酸化チタン及び疎水化処理微粒子酸化亜鉛を含有している場合において、特に有用性が高い。
本発明の水中油型皮膚外用剤における疎水化処理粉末の配合量としては、組成物全量に対して0.1〜20質量%が好ましい。0.1質量%未満であると配合による効果が十分でなく、20質量%を超えると乳化安定性が悪くなることがある。
なお、本発明の水中油型皮膚外用剤において疎水化処理粉体を配合する場合には、まず、油相を構成する油分中に疎水化処理粉体と前記ポリグリセリン誘導体を予め配合して、ビーズミル等の高い破砕力をもつ湿式分散機で粉体を微粉砕し、粉体分散液を得る。次いで、得られた粉体分散液を、前記ブロック型アルキレンオキシド誘導体をあらかじめ配合した水相とホモミキサーで混合、乳化する。この際、生成する乳化粒子よりも大きい粒子径をもつ粉体粒子が存在すると、ホモミキサー処理により粉体の一部が油相から出て凝集物を形成してしまうので、粉体の平均粒子径は油相のそれより小さくする必要があるが、例えばビーズミルを使用する場合には、分散液のミルへのパス回数を増やすことで破砕粉末の粒子径を十分小さくし、乳化粒子径よりも十分小さい破砕粉末を得ることができる。
サクシノグリカン等の耐塩性を有する増粘剤
また、本発明にかかる水中油型皮膚外用剤において、耐塩性を有する増粘剤、特にサクシノグリカン、キサンタンガムまたはポリアクリルアミドを配合することにより、経時による乳化油滴の沈降、クリーミングに対する安定性、さらには粉体の凝集に対する安定性が改善される。例えば、ポリアクリル酸等の一般的な増粘剤を使用した場合には、無機粉体微粒子から水相中へと経時的に徐々に溶出する塩が増粘剤に作用し、粘度を低下させてしまう場合がある。これに対して、サクシノグリカン等の耐塩性に優れた増粘剤を使用した場合には、無機粉体から溶出する塩による影響を受けず、このため、長期間にわたって、粉体の凝集や乳化粒子の沈降を防ぐものと考えられる。このような耐塩性を有する増粘剤の配合量としては、組成物全量に対して0.1〜1質量%が好ましい。0.1質量%未満であると配合による効果が十分でなく、1質量%を超えるとよれが生じるなど使用感が悪くなることがある。
また、前記耐塩性を有する増粘剤として、温度変化に対して保持力が大きく、大きな降伏値をもつことから、サクシノグリカンを用いることが特に好ましく、粉っぽさがなく、みずみずしい使用感を持つなどの使用性の効果に優れている。サクシノグリカンは、微生物に由来する多糖類の一種であり、より具体的にはガラクトース及びグルコースから誘導される糖単位に加え、コハク酸及びピルビン酸並びに随意成分としての酢酸、又はこれらの酸の塩から誘導される単位を含む微生物に由来する多糖類を意味する。
サクシノグリカンは、より具体的には、平均分子量が約600万の以下の構造式を有するガラクトース単位:1,グルコース単位:7,コハク酸単位:0.8及びピルビン酸単位:1に、随意成分である酢酸単位を含むことのある下記構造式で表される水溶性高分子である。
Figure 0004611840
(式中、Glucはグルコース単位を、Galacはガラクトース単位を表す。また.括弧内の表示は糖単位同士の結合様式を表す。例えば(β1,4)は,β1−4結合を表す。)
このサクシノグリカンの供給源となる微生物としては、例えばシュードモナス属、リゾビウム属、アルカリゲネス属又はアグロバクテリウム属に属する細菌を挙げることができる。これらの細菌の中でも、アグロバクテリウム属に属する細菌であるアグロバクテリウム・ツメファシエンスI−736〔ブタペスト条約に従い1988年3月1日に微生物培養締約国収集機関(CNCM)に寄託され、I−736の番号で公に入手し得る。〕が特にサクシノグリカンの供給源として好ましい。
サクシノグリカンは、これらの微生物を培地中で培養することによって製造することができる。より具体的には、概ねグルコース、蔗糖、デンプンの加水分解物等の炭素源;カゼイン、カゼイネート、野菜粉末、酵母エキス、コーンスティープリカー(CSL)等の有機窒素源;金属の硫酸塩、リン酸塩、炭酸塩等の無機塩類や随意微量元素等を含む培地で上記の微生物を培養することによって製造することができる。
本発明にかかる水中油型皮膚外用剤中に、以上のようにして製造したサクシノグリカンをそのまま配合し得ることは勿論、必要に応じて酸分解、アルカリ分解、酵素分解、超音波処理等の分解処理物も同様に配合することができる。また、サクシノグリカンを増粘剤として配合した場合、場合によっては組成物を肌へ塗布した際に粉体のよれを生じることがある。これを改善するためには、保湿剤としてダイナマイトグリセリンを併用することが特に好適であり、粉体のよれをなくして使用感触を改善することができる。
カルボキシメチルセルロース等の乳化助剤
また、本発明にかかる水中油型皮膚外用剤の温度安定性、粉体の分散安定性をさらに改善するために、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、及びゼラチンから選択される1種または2種以上を乳化助剤として0.1〜1.0質量%配合することが好適である。0.1質量%未満では配合による効果が充分でなく、1.0質量%を超えると使用感触が悪くなる傾向がある。
油分
本発明にかかる水中油型皮膚外用剤に配合する油分としては、特に限定されるものではないが、例えば、シリコーン油あるいは極性油を好適に使用することができる。シリコーン油としては、例えばジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、デカメチルポリシロキサン、ドデカメチルポリシロキサン、テトラメチルテトラハイドロジェンポリシロキサン、シクロテトラジメチルシロキサン、シクロペンタジメチルシロキサン等の直鎖状または環状のポリシロキサンが挙げられる。
極性油としては、例えば、合成、天然のエステル油、あるいは特定の紫外線吸収剤等が挙げられる。合成エステル油としては、例えばミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸デシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、酢酸ラノリン、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソセチル、12−ヒドロキシステアリン酸コレステリル、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、モノイソステアリン酸N−アルキルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ−2−へプチルウンデカン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタンエリスリトール、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、セチル2−エチルヘキサノエート、2−エチルヘキシルパルミテート、トリミリスチン酸グリセリン、トリ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセライド、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、オレイン酸オレイル、セトステアリルアルコール、アセトグリセライド、パルミチン酸2−へプチルウンデシル、アジピン酸ジイソブチル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−2−オクチルドデシル、アジピン酸ジ−2−ヘプチルウンデシル、エチルラウレート、セバチン酸ジ−2−エチルヘキシル、ミリスチン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸2−ヘキシルデシル、アジピン酸2−ヘキシルデシル、セバチン酸ジイソプロピル、コハク酸2−エチルヘキシル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル、クエン酸トリエチルが挙げられる。天然系のエステル油としては、例えばアボガド油、ツバキ油、タートル油、マカデミアナッツ油、トウモロコシ油、ミンク油、オリーブ油、ナタネ油、卵黄油、ゴマ油、パーシック油、小麦胚芽油、サザンカ油、ヒマシ油、アマニ油、サフラワー油、綿実油、エノ油、大豆油、落花生油、茶実油、カヤ油、コメヌカ油、シナギリ油、ホホバ油、胚芽油、トリグリセリン、トリオクタン酸グリセリン、トリイソパルミチン酸グリセリンが挙げられる。極性油である紫外線吸収剤としては、例えばオクチルシンナメート、エチル−4−イソプロピルシンナメート、エチル−2,4−ジイソプロピルシンナメート、メチル−2,4−ジイソプロピルシンナメート、プロピル−p−メトキシシンナメート、イソプロピル−p−メトキシシンナメート、イソアミル−p−メトキシシンナメート、オクチルメトキシシンナメート、2−エトキシエチル−p−メトキシシンナメート、シクロヘキシル−p−メトキシシンナメート、エチル−α−シアノ−β−フェニルシンナメート、2−エチルヘキシル−α−シアノ−β−フェニルシンナメート等の桂皮酸系紫外線吸収剤が挙げられる。
また、本発明にかかる水中油型皮膚外用剤に配合する油分としては、上記極性油及びシリコーン油の他、一般的な化粧料において用いられる他の油分を配合することが可能であり、例えば、流動パラフィン、スクワラン、イソパラフィン、オゾケライト、プリスタン、セレシン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス等の液状、半固体状(グリース状)、又は固体炭化水素類等の非極性油の配合も可能である。なお、本発明の水中油型皮膚外用剤における油分の総含有量は、特に限定されるものではないが、組成物の総量に対して5〜60質量%程度であり、好ましくは10〜35質量%である。油分の総含有量が5質量%程度より少ないと、外用剤として用いた場合の使用性を良好にすることが困難であり、一方で60%質量%を超えると、経時での乳化安定性が劣ることが多くなる。
本発明の水中油型皮膚外用剤においては、本発明の効果を損なわない範囲において、通常化粧料に用いられる各種の成分、例えば、保湿剤、紫外線吸収剤、pH調整剤、中和剤、酸化防止剤、防腐剤、抗菌剤、薬剤、抽出液、香料、色素等を配合できる。保湿剤としては、例えば、グリセリン、ジエチレングリコール、ブチレングリコール、ポリエチレングリコール等の多価アルコール、アミノ酸、核酸、コラーゲン、エラスチン等のタンパク質、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸等のムコ多糖類等が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、例えば、パラアミノ安息香酸等の安息香酸系紫外線吸収剤、アントラニル酸メチル等のアントラニル酸系紫外線吸収剤、サリチル酸オクチル、サリチル酸フェニル、サリチル酸ホモメチル等のサリチル酸系紫外線吸収剤、パラメトキシケイ皮酸イソプロピル、パラメトキシケイ皮酸オクチル、パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル、ジパラメトキシケイ皮酸モノ−2−エチルヘキサン酸グリセリル、〔4−ビス(トリメチルシロキシ)メチルシリル−3−メチルブチル〕−3,4,5,−トリメトキシケイ皮酸エステル等のケイ皮酸系紫外線吸収剤、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸ナトリウム等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ウロカニン酸、ウロカニン酸エチル、2−フェニル−5−メチルベンゾキサゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、4−tert−ブチル−4’−メトキシベンゾイルメタン、ビス(レゾルシニル)トリアジン、2,4−ビス[{4−(2−エチルヘキソロキシ)−2−ヒドロキシ}−フェニル]−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン等が挙げられる。
pH調整剤としては、例えば、乳酸、クエン酸、グリコール酸、コハク酸、酒石酸、dl−リンゴ酸、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素アンモニウム等が挙げられる。酸化防止剤としては、アスコルビン酸、α−トコフェロール、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール等が挙げられる。防腐剤、抗菌剤としては、パラオキシ安息香酸エステル、フェノキシエタノール、安息香酸、サリチル酸、石炭酸、ソルビン酸、パラクロルメタクレゾール、ヘキサクロロフェン、塩化ベンザルコニウム、塩化クロルヘキシジン、トリクロロカルバニリド、感光素等が挙げられる。
本発明にかかる水中油型皮膚外用剤の使用用途は、特に限定されるものではないが、皮膚外用剤として用いることが好ましく、例えば、ローション、乳液、クリーム、ファンデーション、口紅、クレンジングフォーム、シャンプー、ヘアリンス、リップクリーム、ヘアスプレー、ムース、日焼け止めまたは日焼け用クリーム、アイライナー、マスカラ、毛髪または爪の手入れ、クリーム、ボディーメーキャップ製剤等、種々の製品に応用することが可能である。また、これらのうち、特に日焼け止め化粧料として好適に用いることができる。
以下に本発明の実施例を挙げて、本発明について更に詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
まず最初に、本発明に用いたポリグリセリン誘導体の製造方法について説明する。
ポリグリセリン誘導体
合成例1 ポリオキシブチレン(25モル)メチルトリグリセリルエーテル
Figure 0004611840
1)ケタール化反応
四つ口フラスコにトリグリセリン(SOLVAY製「Triglycerin>80%」:純度83%)240g、2,2−ジメトキシプロパン364g、パラトルエンスルホン酸1.5mgを仕込み、反応系内を窒素ガスで置換後50℃で3時間反応させた。反応後窒素気流下で未反応揮発分を加熱留去し、酢酸を加えてpH7に合わせ、トリグリセリンジケタール化物を得た。なお、トリグリセリンの純度は、前述のガスクロマトグラフィー分析条件により測定した。また、原料のトリグリセリンと生成物のIR分析を比較した場合、生成物には3500cm−1付近の水酸基のピークが小さくなっており、代わりに2960cm−1、2870cm−1、1460cm−1、1380cm−1付近のピークが出現していることから、目的物質が得られていることを確認した。
2)オキシブチレン化反応
トリグリセリンジケタール化物320gと水酸化カリウム12gをオートクレーブ中に仕込み、オートクレーブ中の空気を乾燥窒素で置換した後、攪拌しながら140℃で触媒を完全に溶解した。次に滴下装置によりブチレンオキシド1800gを滴下させ、2時間攪拌した。次に、水酸化カリウム168.3gを仕込み、系内を乾燥窒素で置換した後、塩化メチル151.5gを温度80〜130℃で圧入し5時間反応させた。その後オートクレーブより反応組成物を取り出し、塩酸で中和してpH6〜7とし、含有する水分を除去するため減圧、100℃で1時間処理した。さらに処理後生成した塩を除去するため濾過を行い、オキシブチレン化トリグリセリンジケタール化物を得た。
3)脱ケタール化反応
四つ口フラスコにオキシブチレン化トリグリセリンジケタール化物2134g、36%塩酸50g、水100gを仕込み、密封状態で80℃、2時間脱ケタール反応を行った。次いで水酸化カリウム水溶液でpH6〜7に合わせ、含有する水分を除去するため減圧、100℃で1時間処理した。さらに処理後生成した塩を除去するため濾過を行い、ポリオキシブチレン(25モル)メチルトリグリセリルエーテルを得た。
なお、以上により得られた生成物についてGPC分析を行ったところ、メインピークの分子量は1939であった。分析条件は下記の通りである。
分析機器 :SHODEX GPC SYSTEM−11(昭和電工社製)
標準物質 :ポリエチレングリコール
サンプルサイズ :10%×100×0.001mL
溶離液 :THF
流速 :1.0mL/min
カラム :SHODEX KF804L(昭和電工社製)
カラムサイズ :I.D.8mm×30cm×3
カラム温度 :40℃
検出器 :RI×8
また、オキシブチレン化トリグリセリンジケタール化物と生成物のIR分析を比較した場合、生成物では3500cm−1付近の水酸基のピークが大きくなっていることから、目的物質が得られていることを確認した。
合成例2 ポリオキシブチレン(25モル)メチルトリグリセリルエーテル
上記合成例1の手順のうち、1)ケタール化反応を下記の通りに変更して合成を行ない、ポリオキシブチレン(25モル)メチルトリグリセリルエーテルを得た。その他条件等は合成例1に準じた。
1)ケタール化反応
四つ口フラスコにトリグリセリン(SOLVAY製「Triglycerin>80%」:純度83%)240g、アセトン290g、パラトルエンスルホン酸4mgを仕込み、反応系内を窒素ガスで置換後70℃で8時間反応させた。反応後窒素気流下で未反応揮発分を加熱留去し、酢酸を加えてpH7に合わせ、トリグリセリンジケタール化物を得た。
合成例3 ポリオキシブチレン(50モル)トリグリセリルエーテル
Figure 0004611840
上記合成例1の手順のうち、2)オキシブチレン反応を下記の通りに変更して合成を行ない、ポリオキシブチレン(50モル)トリグリセリルエーテルを得た。その他条件等は合成例1に準じた。
2)オキシブチレン化反応
トリグリセリンジケタール化物320gと水酸化カリウム20gをオートクレーブ中に仕込み、オートクレーブ中の空気を乾燥窒素で置換した後、攪拌しながら140℃で触媒を完全に溶解した。次に滴下装置によりブチレンオキシド3600gを滴下させ、2時間攪拌した。その後オートクレーブより反応組成物を取り出し、塩酸で中和してpH6〜7とし、含有する水分を除去するため減圧、100℃で1時間処理した。さらに処理後生成した塩を除去するため濾過を行ない、オキシブチレン化トリグリセリンジケタール化物を得た。
3)脱ケタール化反応
四つ口フラスコにオキシブチレン化トリグリセリンジケタール化物を3920g、36%塩酸70g、水200gを仕込み、密封状態で80℃、3時間脱ケタール反応を行った。次いで水酸化カリウム水溶液でpH6〜7に合わせ、含有する水分を除去するため減圧、100℃で1時間処理した。さらに処理後生成した塩を除去するため濾過を行い、ポリオキシブチレン(50モル)トリグリセリルエーテルを得た。
つづいて、本発明に用いたアルキレンオキシド誘導体の製造方法について説明する。
アルキレンオキシド誘導体
合成例4 ポリオキシエチレン(10モル)ポリオキシプロピレン(10モル)ジメチルエーテル (ブロックポリマー)
CHO(EO)10(PO)10CH
プロピレングリコール76gと触媒として水酸化カリウム3.1gをオートクレーブ中に仕込み、オートクレーブ中の空気を乾燥窒素で置換した後、攪拌しながら140℃で触媒を完全に溶解した。次に滴下装置によりプロピレンオキシド522gを滴下させ、2時間攪拌した。ひきつづき滴下装置によりエチレンオキシド440gを滴下させ、2時間攪拌した。次に、水酸化カリウム224gを仕込み、系内を乾燥窒素で置換した後、塩化メチル188gを温度80〜130℃で圧入し5時間反応させた。その後オートクレーブより反応組成物を取り出し、塩酸で中和してpH6〜7とし、含有する水分を除去するため減圧−0.095MPa(50mmHg)、100℃で1時間処理した。更に処理後生成した塩を除去するため濾過を行い、前記ブロック型アルキレンオキシド誘導体を得た。
塩化メチルを反応させる前にサンプリングし、精製したものの水酸基価が110、得られた化合物の水酸基価が0.3、末端メチル基数に対する水素原子数の割合は0.003であり、ほぼ完全に水素原子がメチル基に変換されている。
合成例5 ポリオキシエチレン(10モル)ポリオキシプロピレン(10モル)ジメチルエーテル (ランダムポリマー)
CHO[(EO)10/(PO)10]CH
プロピレングリコール76gと触媒として水酸化カリウム3.1gをオートクレーブ中に仕込み、オートクレーブ中の空気を乾燥窒素で置換した後、攪拌しながら140℃で触媒を完全に溶解した。次に滴下装置によりエチレンオキシド440gとプロピレンオキシド522gの混合物を滴下させ、2時間攪拌した。次に、水酸化カリウム224gを仕込み、系内を乾燥窒素で置換した後、塩化メチル188gを温度80〜130℃で圧入し5時間反応させた。その後オートクレーブより反応組成物を取り出し、塩酸で中和してpH6〜7とし、含有する水分を除去するため減圧−0.095MPa(50mmHg)、100℃で1時間処理した。更に処理後生成した塩を除去するため濾過を行い、前記ランダム型アルキレンオキシド誘導体を得た。
塩化メチルを反応させる前にサンプリングし、精製したものの水酸基価が107、得られた化合物の水酸基価が0.4、末端メチル基数に対する水素原子数の割合は0.004であり、ほぼ完全に水素原子がメチル基に変換されている。
本発明者らは、まず最初に、上記合成例に準じて各種ポリグリセリン誘導体及びブロック型アルキレンオキシド誘導体を調製し、当該ポリグリセリン誘導体とブロック型アルキレンオキシド誘導体とを配合した水中油型皮膚外用剤(日焼け止めクリーム)と、従来の分散剤を配合した水中油型皮膚外用剤との比較を行った。各試験例の水中油型皮膚外用剤の配合組成と評価結果とを下記表1に併せて示す。なお、配合量は全て質量%である。評価基準は以下の通りである。
(1):「のびの軽さ」
各実施例及び比較例の水中油型皮膚外用剤を使用した後ののびの軽さについて、専門パネラー10名により実使用試験を実施した。評価基準は以下の通りである。
<評価基準>
◎…パネラー8名以上が、塗布中のびが軽いと認めた。
○…パネラー6名以上8名未満が、塗布中のびが軽いと認めた。
△…パネラー3名以上6名未満が、塗布中のびが軽いと認めた。
×…パネラー3名未満が、塗布中のびが軽いと認めた。
(2):「使用後のしっとり感」
各実施例及び比較例の水中油型皮膚外用剤を使用した後のしっとり感の有無について、専門パネラー10名により実使用試験を実施した。評価基準は以下の通りである。
<評価基準>
◎…パネラー8名以上が、使用後しっとり感があると認めた。
○…パネラー6名以上8名未満が、使用後しっとり感があると認めた。
△…パネラー3名以上6名未満が、使用後しっとり感があると認めた。
×…パネラー3名未満が、使用後しっとり感があると認めた。
(3):「使用後のべたつき感のなさ」
各実施例及び比較例の水中油型皮膚外用剤を使用した後のべたつき感の有無について、専門パネラー10名により実使用試験を実施した。評価基準は以下の通りである。
<評価基準>
◎…パネラー8名以上が、使用後べたつき感がないと認めた。
○…パネラー6名以上8名未満が、使用後べたつき感がないと認めた。
△…パネラー3名以上6名未満が、使用後べたつき感がないと認めた。
×…パネラー3名未満が、使用後べたつき感がないと認めた。
(4)粉体の分散安定性
各実施例及び比較例の水中油型皮膚外用剤を、50mlのサンプル管(直径3cm)に入れ、室温において45rpmの速度で4時間回転させ、粉体の凝集度合いを視覚にて評価した。評価基準は以下の通りである。
<評価基準>
○:目視で粉末凝集物は観察されなかった。
△:目視でやや粉末凝集物が観察された。
×:目視で相当量の粉末凝集物が観察された。
(5)乳化安定性
各実施例及び比較例の水中油型皮膚外用剤を、50mlのサンプル管(直径3cm)に入れ、室温において45rpmの速度で4時間回転させ、乳化安定性を顕微鏡にて評価した。評価基準は以下の通りである。
<評価基準>
○:顕微鏡で乳化粒子による合一も認められなかった。
△:顕微鏡で若干乳化粒子による合一が認められた。
×:顕微鏡で乳化粒子による合一が認められた。
Figure 0004611840
上記表1より明らかなように、疎水化処理微粒子二酸化チタンと疎水化処理二酸化チタンとを配合した水中油型皮膚外用剤の系において、従来、分散剤として広く用いられているセスキイソステアリン酸ソルビタン、トリメチルシロキシケイ酸を用いた場合、疎水化処理粉体の分散安定性、及び乳化安定性に劣っていることがわかる(比較例1−1,1−2)。
これに対して、特定構造のポリグリセリン誘導体(ポリオキシブチレン(25モル)メチルトリグリセリルエーテル等)を、ブロック型アルキレンオキシド誘導体ととも配合した場合には、前記疎水化処理粉体2種を配合しているにもかかわらず、使用感触とともに、粉体の分散安定性及び乳化安定性が非常に優れていることが明らかとなった(実施例1−1〜1−4)。
つづいて、本発明者らは、ポリグリセリン誘導体の適性についてさらに検討するため、上記合成例に準じて各種ポリグリセリン誘導体を調製し、各種ポリグリセリン誘導体を配合した水中油型皮膚外用剤について、上記試験と同様にして評価を行なった。各実施例及び比較例の水中油型皮膚外用剤の配合組成と評価結果とを下記表2に併せて示す。
Figure 0004611840
上記表2より明らかなように、ポリオキシブチレン基の末端が水素あるいはブチル基であるポリグリセリン誘導体を用いた水中油型皮膚外用剤は、疎水化処理粉体を多量に配合しているにもかかわらず、使用感触とともに、粉体の分散安定性及び乳化安定性が非常に優れているものであった(実施例1−5,1−6)。さらに、ポリオキシブチレンの付加モル数が10モルあるいは150モルであるポリグリセリン誘導体を用いた場合にも、同様の優れた使用感触、粉体分散性及び乳化安定性を示した(実施例1−7,1−8)。
これに対して、未修飾のトリグリセリン、及びメチル基を修飾したトリグリセリンを用いた場合、疎水化処理粉体の凝集、及び乳化粒子の合一が認められた(比較例1−3,1−4)。また、ポリオキシブチレン基の末端がヘキシル基であるポリグリセリン誘導体、及びポリオキシブチレンの付加モル数が250モルであるポリグリセリン誘導体を用いた場合においても、同様に粉体分散性、乳化安定性に劣ることが確認された(比較例1−5,1−6)。さらに、ケタール化反応による末端水酸基の保護を行わずにポリオキシブチレン基を付加したポリグリセリン誘導体を用いた場合においても、優れた粉体分散性、乳化安定性を得ることはできなかった(比較例1−7)。
つづいて、本発明者らは、ポリグリセリン誘導体ともに配合するアルキレンオキシド誘導体の適性についてさらに検討するため、上記合成例に準じて各種アルキレンオキシド誘導体を調製し、各種アルキレンオキシド誘導体を配合した水中油型皮膚外用剤について、上記試験と同様にして評価を行なった。各実施例及び比較例の水中油型皮膚外用剤の配合組成と評価結果とを下記表3に併せて示す。
Figure 0004611840
上記表3より明らかなように、ポリグリセリン誘導体ともに、乳化剤として一般式(3)に示される構造のブロック型アルキレンオキシド誘導体(例えば、CHO(EO)25(PO)30CHブロックポリマー等)を配合した水中油型皮膚外用剤においては、使用感触だけでなく、粉体の分散安定性、及び乳化安定性のいずれにおいても優れた評価結果が得られた(実施例1−9,1−10)。
これに対して、オキシエチレン基あるいはオキシプロピレンのみのアルキレンオキシド誘導体を用いた場合には使用感触に劣っており、粉体の分散安定性、乳化安定性も低下してしまっていた(比較例1−8,1−9)。また、ランダム型のアルキレンオキシド誘導体、及び分子量が1000未満のアルキレンオキシド誘導体を用いた場合には、粉体の分散安定性、乳化安定性の点で劣っていた(比較例1−10,1−11)。さらに、オキシエチレン基が80モル以上、あるいは両末端が水素基であるアルキレンオキシド誘導体を用いた場合には使用感触の点で好ましくなく(比較例1−12,1−13)、また、両末端が炭素数6の炭化水素基であるアルキレンオキシド誘導体を用いた場合には、分散安定性、及び乳化安定性の点で十分でなかった(比較例1−14)。
耐塩性を有する増粘剤の配合
また、本発明者らは、水中油型皮膚外用剤製剤中に配合する増粘性成分について検討するため、各種増粘剤を配合した水中油型皮膚外用剤について、上記試験と同様にして評価を行なった。各実施例及び比較例の水中油型皮膚外用剤の配合組成と評価結果とを下記表4に併せて示す。
Figure 0004611840
上記表4より、ポリグリセリン誘導体とともに、増粘剤成分としてサクシノグリカン、キサンタンガム、ポリアクリルアミドを配合した場合には、特に粉体の分散安定性及び乳化安定性に優れている(実施例1−11〜1−13)のに対して、一般的な増粘剤として汎用されているポリアクリル酸を増粘剤として配合した場合には、分散安定性、乳化安定性ともに劣っていた(実施例1−14)。
なお、上記結果については、油相中の無機粉体微粒子(酸化チタン)から水相中へと経時的に塩が溶出し、例えば、実施例1−14に用いられているポリアクリル酸のような通常の増粘剤を使用した場合には、この塩が増粘剤に対して悪影響を及ぼすため、系の粘度が低下してしまっていると考えられる。これに対して、実施例1−11〜13に配合されているサクシノグリカン等の耐塩性に優れた増粘剤を使用した場合には、無機粉体中から溶出する塩による影響を受けず、このため、長期間にわたって粉体の凝集、及び乳化粒子の沈降を防いでいるものと考えられる。
以下、本発明にかかる水中油型皮膚外用剤のその他の実施例を挙げて、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例2−1:サンカット水中油型乳液 (質量%)
(1)疎水化処理微粒子二酸化チタン 3
(2)疎水化処理微粒子酸化亜鉛 7
(3)ポリオキシブチレン(42モル)トリグリセリルエーテル 2
(4)デカメチルペンタシクロシロキサン 10
(5)パラメトキシ桂皮酸オクチル 5
(6)トリー2−エチルヘキサン酸グリセリン 3
(7)CHO(EO)35(PO)40CH(ブロックポリマー)2
(8)1,3−ブチレングリコール 8
(9)サクシノグリカン 0.2
(10)カルボキシメチルセルロース 0.25
(11)エタノール 3
(12)イオン交換水 残 余
製法 (1)〜(6)を混合し、ビーズミルで分散破砕した後、(7)〜(12)を溶解した水相に対して、ホモミキサーをかけながら添加する。
実施例2−2:サンカット水中油型乳液 (質量%)
(1)疎水化処理微粒子二酸化チタン 12
(2)ポリオキシブチレン(28モル)トリグリセリルエーテル 2.5
(3)デカメチルペンタシクロシロキサン 8
(4)パラメトキシ桂皮酸オクチル 7
(5)トリー2−エチルヘキサン酸グリセリン 5
(6)CHO(EO)35(PO)40CH(ブロックポリマー)3
(7)ダイナマイトグリセリン 6
(8)サクシノグリカン 0.3
(9)カルボキシメチルセルロース 0.25
(10)エタノール 2.5
(11)イオン交換水 残 余
製法 (1)〜(5)を混合し、ビーズミルで分散破砕した後、(6)〜(11)を溶解した水相に対して、ホモミキサーをかけながら添加する。
実施例2−3:サンカット水中油型乳液 (質量%)
(1)疎水化処理微粒子酸化亜鉛 15
(2)ポリオキシブチレン(56モル)トリグリセリルエーテル 3
(3)デカメチルペンタシクロシロキサン 12
(4)パラメトキシ桂皮酸オクチル 7
(5)トリー2−エチルヘキサン酸グリセリン 4
(6)CHO(EO)35(PO)40CH(ブロックポリマー)4
(7)1,3−ブチレングリコール 8
(8)サクシノグリカン 0.3
(9)カルボキシメチルセルロース 0.2
(10)エタノール 2
(11)イオン交換水 残 余
製法 (1)〜(5)を混合し、ビーズミルで分散破砕した後、(6)〜(11)を溶解した水相に対して、ホモミキサーをかけながら添加した。
実施例2−4:水中油型乳液ファンデーション (質量%)
(1)疎水化処理微粒子二酸化チタン 4
(2)疎水化処理微粒子酸化亜鉛 6
(3)疎水化処理黄酸化鉄 0.8
(4)疎水化処理黒酸化鉄 0.16
(5)疎水化処理ベンガラ 0.36
(6)ポリオキシブチレン(56モル)メチルトリグリセリルエーテル 3
(7)デカメチルペンタシクロシロキサン 10
(8)パラメトキシ桂皮酸オクチル 5
(9)ミリスチン酸オクチルドデシル 3
(10)CHO(EO)35(PO)40CH(ブロックポリマー) 2
(11)ダイナマイトグリセリン 4
(12)キサンタンガム 0.3
(13)カルボキシメチルセルロース 0.3
(14)エタノール 5
(15)イオン交換水 残 余
製法 (1)〜(9)を混合し、ビーズミルで分散破砕した後、(10)〜(15)を溶解した水相に対して、ホモミキサーをかけながら添加した。
実施例2−5:紫外線防御美白美容液 (質量%)
(1)疎水化処理微粒子二酸化チタン(シリコーン処理) 5
(2)疎水化処理微粒子酸化亜鉛 5
(3)ポリオキシブチレン(42モル)メチルトリグリセリルエーテル 2.5
(4)デカメチルペンタシクロシロキサン 10
(5)パラメトキシ桂皮酸オクチル 5
(6)パルミチン酸イソプロピル 4
(7)CHO(EO)35(PO)40CH(ブロックポリマー) 2
(8)ダイナマイトグリセリン 5
(9)サクシノグルカン 0.3
(10)カルボキシメチルセルロース 0.3
(11)エタノール 4
(12)クエン酸 適 量
(13)クエン酸ナトリウム 適 量
(14)アスコルビン酸グリコシド 2
(15)苛性カリ 適 量
(16)イオン交換水 残 余
製法 (1)〜(6)を混合し、ビーズミルで分散破砕した後、(7)〜(16)を溶解した水相に対して、ホモミキサーをかけながら添加した。
以上の各実施例の化粧料はいずれも良好な使用感触、特に塗布中ののびが軽く、使用後のしっとり感、及びべたつき感がなく、且つ分散安定性、及び乳化安定性に優れたものであった。

Claims (5)

  1. 疎水化処理粉体と、
    下記一般式(1)で示されるポリグリセリン誘導体と、
    下記一般式(2)で示されるブロック型アルキレンオキシド誘導体と、
    を含有することを特徴とする水中油型皮膚外用剤。
    Figure 0004611840
    (式中、m+2はポリグリセリンの平均重合度を表しており1≦m≦4、Rは炭素数1〜4の炭化水素基又は水素原子、AOは炭素数3〜4のオキシアルキレン基、nはオキシアルキレン基の平均付加モル数で、1≦m×n≦200である。)
    O−(AO)(EO)−R (2)
    (式中、AOは炭素数3〜4のオキシアルキレン基、EOはオキシエチレン基、mおよびnはそれぞれ前記オキシアルキレン基、オキシエチレン基の平均付加モル数で、1≦m≦70、1≦n≦70である。炭素数3〜4のオキシアルキレン基とオキシエチレン基はブロック状に付加しており、炭素数3〜4のオキシアルキレン基とオキシエチレン基の合計に対するオキシエチレン基の割合は20〜80質量%である。RおよびRは同一もしくは異なっていてもよく炭素数1〜4の炭化水素基または水素原子であり、RおよびRの炭化水素基数に対する水素原子数の割合は0.15以下である。)
  2. 請求項1に記載の水中油型皮膚外用剤において、前記疎水化処理粉体として疎水化処理微粒子二酸化チタン及び疎水化処理微粒子酸化亜鉛を含有することを特徴とする水中油型皮膚外用剤。
  3. 請求項1又は2に記載の水中油型皮膚外用剤において、さらにサクシノグリカン、キサンタンガム及びポリアクリルアミドから選択される1種又は2種以上を含有することを特徴とする水中油型皮膚外用剤。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の水中油型皮膚外用剤において、さらにカルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、及びゼラチンから選択される1種又は2種以上を含有することを特徴とする水中油型皮膚外用剤。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載の水中油型乳化皮膚外用剤において、日焼け止めに用いることを特徴とする日焼け止め用皮膚外用剤。
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