JP5641336B2 - 化粧料用基剤およびこれを配合してなる化粧料 - Google Patents

化粧料用基剤およびこれを配合してなる化粧料 Download PDF

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Description

本発明は、ポリアルキレングリコール誘導体を含む化粧料用基剤およびそれを配合してなる化粧料に関する。
化粧品には、皮膚や毛髪に滑らかさやしっとり感を付与するために油性基剤が汎用されている。油性基剤としては、流動パラフィン、スクワランなどの炭化水素油、植物油に代表される油脂やトリグリセリド、エステル結合を有するエステル油、ジメチルシロキサンなどといったシリコーン油などが特に汎用され、これらを安定配合するために、水中油型および油中水型(以下、それぞれO/W型およびW/O型と略記する場合がある)など様々な乳化形態がある。さらに、化粧品には、紫外線など外的要因から皮膚を保護するために、酸化チタンや酸化亜鉛といった無機粉体が汎用され、ファンデーションやサンスクリーン剤には不可欠な原料となっている。 O/W型やW/O型の乳化安定性や無機粉体の分散安定性を高めることは、化粧品の商品価値を保持するための必須技術であるが、そのために非イオン性界面活性剤は必要不可欠な成分である。
従来から汎用されている非イオン性界面活性剤の親油基に着目すると、その多くは動植物油脂から誘導される炭化水素基であるため、工業的には、数100程度の分子量しか得られず、安定した乳化状態を維持するには、十分な親油性が得られていなかった。
一方、親水基は、無機粉体の分散のような固−液界面において、酸化チタンなど固体表面への吸着性基として働くことが知られているが、オキシエチレン基では、HLBの制御が容易であるが、水酸基に比べ吸着能が課題であった。さらに、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステルは、工業的製法では、脂肪酸を導入する水酸基の位置を制御することが困難であり、固体表面への吸着効率に課題があった。このような課題を解決するために、親油基としてオキシブチレン基、親水基としてポリグリセリンを導入した界面活性剤の提案がなされている(例えば特許文献1および2)。しかし、この提案では、液−液界面への界面活性能には優れているが、吸着サイトとなる水酸基が両端にあるため、架橋フロキュレーションを生じやすく、さらに、水酸基同士の相互作用に乏しいため固体表面への吸着能に劣り、その結果、固−液界面への界面活性能については、十分な効果が得られていなかった。
特開2007−31554 特開2008−188557
本発明の目的は、優れた界面活性能を発揮する新規なポリアルキレングリコール誘導体を化粧料用基剤として配合することによって、長期間の配合安定性を有する化粧料を提供することである。
このような課題を解決するために、ポリアルキレングリコール誘導体の親油基として、分子量の制御が可能なポリオキシアルキレン基に着目した。さらに親水基には、固体表面への吸着性に優れた水酸基が、4つ隣接しているキシリトールに着目した。すなわち、キシリトールに保護基を導入し、炭素数2〜4のオキシアルキレン基を導入した後、必要に応じてアルキル化もしくはアシル化を行い、その後、脱保護化することにより、4つの隣接水酸基を局在化することができ、乳化可溶化能および分散能が向上することを見出した。
すなわち、本発明は以下に示されるものである。(1)下記一般式(1)により示されるポリアルキレングリコール誘導体からなる化粧料用基剤。
Figure 0005641336
式中、EOはオキシエチレン基であり、AOは炭素数3〜4のオキシアルキレン基であり、EOとAOはブロック状に結合している。 aおよびbはEOの平均付加モル数であり、mはAOの平均付加モル数であり、a+bは0〜30、mは10〜100を満たし、EOとAOの合計質量に対するAOの質量割合は、50〜100質量%である。 Rは、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基または炭素数1〜4のアシル基である。(2) 式(1)で示されるポリアルキレングリコール誘導体において、AOが、1,2−ブチレンオキシド由来のオキシブチレン基である化粧料用基剤。(3) 式(1)で示されるポリアルキレングリコール誘導体において、b=0かつEOとAOの合計に対するAOの割合が80〜100質量%である化粧料用基剤。(4) 前記化粧料用基剤を含有することを特徴とする化粧料。
(5) 下記の成分(a)を0.01〜30質量%、成分(b)を0.1〜50質量%、成分(c)と成分(d)の合計が10〜95質量%であり、かつ、成分(c)と成分(d)の全量を100質量部としたとき、成分(c)が10質量部以上であり、さらに、成分(e)を5〜80質量%を含有する化粧料である。
(a) 前記化粧料用基剤
(b) 無機顔料
(c) 25℃で液状の炭化水素油
(d) シリコーン油
(e) 水
本発明のポリアルキレングリコール誘導体を含む化粧料用基剤は、優れた界面活性能を発揮し、それを含む化粧料も非常に有用である。
各例の希釈溶液の300nmの吸光度を示すグラフである。
[ポリアルキレングリコール誘導体] 本発明に係る化粧料用基剤は、下記一般式(1)により示され、キシリトール骨格を有するポリアルキレングリコール誘導体からなることを特徴とする。
Figure 0005641336
式(1)に示されるポリアルキレングリコール誘導体において、EOはオキシエチレン基であり、AOは、炭素数3〜4のオキシアルキレン基である。AOとしては、炭素数3ではオキシプロピレン基、炭素数4では、1,2−ブチレンオキシド由来のオキシブチレン基、オキシイソブチレン基、オキシt−ブチレン基,オキシテトラメチレン基が例示できるが、好ましくは、1,2−ブチレンオキシド由来のオキシブチレン基である。これらが2種以上の場合は、ランダム状付加でもブロック状付加でもよい。
EOとAOの付加形態は、ブロック状であり、キシリトールに対してEO−AO−EOの順に付加する。EOとAOがランダム状に付加していると、界面活性能が得られず好ましくない。
ここで、式(1)において、キシリトールおよびEO部分は、乳化可溶化剤としては親水基、分散剤としては吸着サイトとして作用する。一方で、AO部分は乳化可溶化剤としては親油基、分散剤としては立体反発をもたらす分散サイトとして作用する。すなわち、式(1)で示されるポリアルキレングリコール誘導体は、非イオン性界面活性剤として使用することができる。 mはAOの平均付加モル数であり、AOが2種以上の場合は、合計平均付加モル数を示し、10〜100である。本発明の化粧料用基剤において、AO部位は、親油基として作用するが、mが10より小さい場合は、親油基として十分な分子量ではなく、乳化可溶化剤として用いた場合、十分な効果を発揮しない場合があり、また、分散剤として用いたときは、十分な立体反発が得られず好ましくない。こうした観点からは、mは、20以上が更に好ましい。また、mが100を超えると、副反応生成物の影響のために十分な効果を発揮しない場合があり、好ましくない。こうした観点からは、mは80以下が更に好ましく、70以下がより好ましく、50以下が最も好ましい。
EOは、キシリトール骨格の親水性を補うために必要に応じて付加できる。a+bは、EOの平均付加モル数で0〜30であるが、好ましくは20以下であり、より好ましくは10以下である。a+bが30より大きいと、油剤との相溶性が十分に得られず、乳化可溶化剤として用いたときに、十分な効果が得られないため好ましくない。
本発明の化粧料用基剤は、a=b=0の場合は、親水基はキシリトール部位のみであり、AO部位を親油性とした親油型非イオン性界面活性剤となる。また、a=0の場合は、AO部位の両側にキシリトール部位およびEO部位を配した、親水性−親油性−親水性のトリブロック型非イオン性界面活性剤となる。さらに、b=0の場合は、EO部位はキシリトールの親水性を補う働きを示す。
このように、本発明の非イオン性界面活性剤は、a+bおよびmを適宜選択することによって、様々な分子形態をとり、目的に応じて、親水性および親油性を制御することが可能であるが、親油型非イオン性界面活性剤として作用するa=b=0の場合が特に好ましい。 親水性を補うためにEOが必要であれば、a+bは、1〜30、好ましくは1〜20、より好ましくは1〜10である。
a、bは、それぞれ30以下であるが、より好ましくは20以下であり、特に好ましくは10以下である。また、a、bは、0であってよいが、上記の理由から1以上であってよい。特に好ましくは、aが1〜10かつb=0である。
また、EOとAOの合計質量に対するAOの質量の割合は、50〜100質量%である。これが50質量%より小さいと、乳化可溶化剤として用いた場合、親油性が十分でない場合があり、好ましくない。好ましくは80〜100質量%であり、より好ましくは90〜100質量%である。
は、水素原子、炭素数1〜4のアルキルまたは炭素数1〜4のアシル基である。アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基及びこれらの混合基などが挙げられ、好ましくは、メチル基、エチル基である。アシル基としては、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、などが挙げられる。好ましくは、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基であり、特に好ましくは水素原子、メチル基、エチル基である。
キシリトール部位は、隣接する4つの水酸基を有し、親水基として作用する。固−液界面であれば、固体表面への吸着部位として、さらに液−液界面であれば、乳化可溶化剤の親水基として必須である。
キシリトール以外の骨格を有する水酸基、例えば、グリセリンのように隣接する水酸基が、2つの場合や、引用文献1もしくは2に例示されるトリグリセリン誘導体のように、4つの水酸基を有しても、エーテル結合を介する場合では、固体表面への吸着力が十分ではない。したがって、本願の課題を達成するためにはキシリトール部位が必須となる。
[ポリアルキレングリコール誘導体の製法] 一般式(1)に示されるポリアルキレングリコール誘導体は、通常、以下の(1)〜(3)の手順により製造することができる。(1)キシリトールを酸触媒の存在下、ケタール化剤もしくはアセタール化剤と反応させ、下記一般式(2)に示すキシリトールジケタール化合物もしくはジアセタール化合物を得る。 式(2)のキシリトールジケタール化物もしくはジアセタール化物は、必要に応じて、蒸留等で精製しても構わない。
Figure 0005641336
(2) 続いてアルカリ触媒下、オキシエチレン基および炭素数3〜4のオキシアルキレン基を付加反応し、さらに必要に応じて、アルカリ触媒下にて、アルキルハライド、アシルハライド、酸無水物などと反応させ、末端水酸基をエーテル化もしくはエステル化することもできる。(3)その後、酸の存在下で脱ケタール化もしくは脱アセタール化を行う。
式(2)において、RおよびRは、それぞれ水素原子もしくは炭素数1〜4のアルキル基であり、RおよびRが同時に水素原子になることはない。アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基が例示できるが、好ましくはメチル基、エチル基である。R=R=メチル基の場合、ケタール化剤としてアセトン、2,2−ジメトキシプロパンが例示でき、R=水素原子、R=メチル基の場合、アセタール化剤として、アセトアルデヒドが例示できる。
ケタール化もしくはアセタール化の触媒としては、酸触媒、例えば硫酸、パラトルエンスルホン酸等が挙げられる。通常、ケタール化剤もしくはアセタール化剤の仕込み量は、キシリトールに対して、200〜400モル%であり、酸触媒の仕込み量はキシリトールに対して5×10−6〜15×10−3モル%が、反応温度は30〜90℃で行うのが一般的である。
式(2)のキシリトールジアセタール化物もしくはジケタール化物を、次工程のアルキレンオキシド付加反応で使用する場合、特に触媒除去処理などをしなくても差し支えないが、必要であれば、アルカリによる中和処理や酸吸着処理、濾過等を行うことができる。例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、酢酸ナトリウムなどの中和剤や、協和化学工業(株)製のキョーワード300、キョーワード500、キョーワード1000、キョーワード2000、富田製薬(株)製のトミックスAD−500等の吸着剤、その他ゼオライト等が使用できる。
式(2)の化合物について、アルカリ触媒の存在下でアルキレンオキシド付加反応を行う場合、通常、オートクレーブなどの加圧反応釜において、40〜180℃で反応を行う。このときアルカリ触媒としては、アルカリ金属やアルカリ土類金属の酸化物、水酸化物、アルコラート等を使用することができる。触媒の使用量は特に限定されていないが、付加反応終了後の質量に対して0.01〜5.0質量%が一般的である。
Figure 0005641336
アルキレンオキシドの付加反応後の式(3)の化合物に対して、必要に応じて、アルカリ存在下、炭素数1〜4のアルキルハライド等を反応させ、アルキルエーテル化することもできる。アルキルハライドの例としては、塩化メチル、塩化エチル、塩化プロピル、塩化ブチル、臭化メチル、臭化エチル、ヨウ化メチル、ヨウ化エチル等が挙げられる。また、このときのアルカリとしては、アルカリ金属やアルカリ土類金属の酸化物、水酸化物、アルコラート等を使用することができる。アルカリハライドの仕込み量は、反応する水酸基数に対して100〜400モル%、アルカリ量は、反応する水酸基数に対して100〜500モル%、反応温度は60〜180℃で行うのが一般的である。
また、式(3)の化合物に対して、必要に応じて、アルカリもしくは酸触媒の存在下、炭素数1〜4のカルボン酸、カルボン酸ハライド、カルボン酸無水物等のアシル化剤にて、エステル化することもできる。カルボン酸の例としては、酢酸、プロピオン酸、酪酸等、カルボン酸ハライドとしては、酢酸クロライド、プロピオン酸クロライド、酪酸クロライド、酸無水物としては、無水酢酸、無水プロピオン酸等が例示できる。アシル化剤の仕込み量は、反応する水酸基数に対して100〜400モル%、アルカリもしくは酸触媒量は、反応する水酸基数に対して0.01〜500モル%、反応温度は60〜180℃で行うことが一般的である。
式(3)の化合物のオキシアルキレン化物における脱ケタール化もしくは脱アセタール化物反応は、酸の存在下で行う。酸としては、例えば、塩酸、硫酸、リン酸、炭酸、酢酸、クエン酸、コハク酸、酒石酸、パラトルエンスルホン酸、その他固体酸、陽イオン交換樹脂、酸性白土等が挙げられる。酸の使用量としては、式(3)の化合物のオキシアルキレン化物に対して0.001〜6.0質量%である。また、必要に応じて水を添加して反応もでき、使用量としては、0.01〜100質量%である。反応温度は60〜150℃で行うのが一般的である。
脱ケタール化もしくは脱アセタール化反応終了後は、アルカリによる中和処理や酸吸着剤処理、濾過等を行うことができる。例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、酢酸ナトリウム等の中和剤や、協和化学工業(株)製のキョーワード300、キョーワード500、キョーワード1000、キョーワード2000、富田製薬(株)製のトミックスAD−500等の吸着剤、その他ゼオライト等が使用できる。
以上説明したように、一般式(1)で示されるポリアルキレングリコール誘導体は、予めキシリトールの水酸基をジケタール化又はジアセタール化によって保護し、この状態で水酸基のオキシアルキレン化反応を行い、必要に応じてエーテル化/エステル化を行った後、脱ケタール化または脱アセタール化反応により脱保護化という一連の工程が行われる。そして、これにより、式(1)に示すようなキシリトールの水酸基1つが修飾されたポリアルキレングリコール誘導体を得ることができる。
[化粧料] 本発明の化粧料中への化粧料用基剤の配合量は特には限定されないが、通常0.001〜50質量%、好ましくは0.01〜30質量%
配合される。
本発明の化粧料用基剤は、乳化可溶化剤、分散剤として特に良好であるが、用途はそれらに限定されるものではない。用途としては例えば、乳化剤、可溶化剤、分散剤、消泡剤、潤滑剤、浸透剤、洗浄剤等に用いることできる。
本発明の化粧料においてはさらに必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、化粧料、医薬品などに一般的に用いられている各種成分を配合することが可能である。例えば、炭化水素、高級アルコール、高級脂肪酸およびこれらのトリグリセリド、エステル油、動植物油脂、シリコーン、ビタミン類、紫外線吸収剤、水溶性高分子、酸化防止剤、陽イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、金属イオン封鎖剤、エタノール、増粘剤、防腐剤、色素、顔料、香料などが挙げられる。
本発明の化粧料の形態は、特に限定されず、W/O型乳化化粧料、O/W型乳化化粧料、W/O/W乳化化粧料、油水両連続相からなる化粧料、油性化粧料などいずれでもよいが、特にW/O型乳化化粧料として好適に用いることができる。この場合、本発明の化粧料用基剤は、W/O型乳化剤として作用する。この場合、化粧料全質量に対して、基剤を0.01〜30質量%含有することが好ましく、0.1〜20質量%含有するとが更に好ましい。
化粧料には、本発明の基剤以外に、油剤を5〜95質量%含有するが、10〜90質量%を含有することが好ましい。
化粧料に使用できる油剤としては、炭化水素油、高級アルコール、高級脂肪酸、エステル油、油脂を含むトリグリセリド、シリコーン油を併用することが好ましい。
炭化水素油としては、流動パラフィン、ポリブテン、水添ポリイソブテン、水添ポリデセン、スクワラン、スクワレン、プリスタン、軽質イソパラフィン、軽質流動イソパラフィン、重質流動イソパラフィン、流動イソパラフィン、テトラデセン、イソヘキサデカン、イソドデカン、α―オレフィンオリゴマー、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス、パラフィン、ポリエチレン、セレシン等を挙げることができる。好ましくは、流動パラフィン、水添ポリイソブテン、スクワラン、ワセリンである。これらを1種類もしくは2種類以上、用いることができる。
高級アルコールは、直鎖型、分岐型、飽和型、不飽和型のいずれでもよい。このような高級アルコールとしては、オクチルアルコール、ノニルアルコール、デシルアルコール、ウンデシルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、セトステアリルアルコール、イソセチルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、アラキルアルコール、ベヘニルアルコール、ホホバアルコールなどが炭素数8以上の高級アルコールが例示できる。これらを1種類もしくは2種類以上用いることもできる。
高級脂肪酸は、直鎖型、分岐型、飽和型、不飽和型、水酸基含有型のいずれでもよい。このような高級脂肪酸としては、カプリル酸、カプリン酸、2−エチルへキサン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ミリストレイン酸、ヤシ油脂肪酸、牛脂脂肪酸、パーム油脂肪酸、パルミチン酸、パルミトレン酸、ステアリン酸、オレイン酸、イソステアリン酸、リシノール酸、リノール酸、リノレン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、アラキドン酸、エルカ酸などの炭素数8以上の高級脂肪酸が例示できる。これらを1種類もしくは2種類以上用いることもできる。
エステル油としては、セバシン酸ジエチル、2−エチルヘキサン酸セチル、2−エチルヘキサン酸イソセチル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸オクチル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、イソステアリン酸イソプロピル、イソステアリン酸2−ヘキシルデシル、イソステアリン酸イソステアリル、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソステアリル、ミリスチン酸イソセチル、ラウリン酸ヘキシル、オレイン酸エチル、オレイン酸デシル、ピバリン酸イソステアリル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸オクチル、ステアリン酸ステアリル、イソステアリン酸イソプロピル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸2−エチルヘキシル、イソノナン酸イソデシル、イソノナン酸イソトリデシル、エルカ酸オクチルドデシル、ジデカン酸ネオペンチルグリコール、テトラエチルヘキサン酸ペンタエリスリチル、リンゴ酸ジイソステアリル、トリエチルヘキサン酸トリメチロールプロパンアジピン酸ジデシル、アジピン酸ジデシル、(アジピン酸・2−エチルへキサン酸・ステアリン酸)グリセリルオリゴエステル、イソステアリン酸グリセリル、イソステアリン酸硬化ヒマシ油、イソステアリン酸コレステリル、イソステアリン酸バチル、イソステアリン酸フィトステリル、オキシステアリン酸オクチル、オレイン酸グリセリル、オレイン酸ジグリセリル、オレイン酸ジヒドロコレステリル、オレイン酸フィトステリル、ジヤシ油脂肪酸ペンタエリスリット、ステアリン酸硬化ヒマシ油、ステアリン酸ジグリセリル、軟質ラノリン脂肪酸コレステリル、ヒドロキシステアリン酸コレステリル、ヘキサオキシステアリン酸ジペンタエリトリット、モノヒドロキシステアリン酸硬化ヒマシ油、ラノリン脂肪酸イソステアリル、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラノリン脂肪酸オクチルドデシル、ラノリン脂肪酸コレステリル、リシノレイン酸グリセリル、リシノレイン酸セチルなどが例示できる。これらを1種類もしくは2種類以上用いることができる。
油脂を含むトリグリセリドとしては、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、2−エチルヘキサン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ミリストレイン酸、ヤシ油脂肪酸、牛脂脂肪酸、パーム油脂肪酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、オレイン酸、イソステアリン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキジン酸、べヘン酸、アラキドン酸、エルカ酸などの炭素数6以上の高級脂肪酸のトリグリセリド、トリオキシステアリン酸グリセリル、トリ(カプリル・カプリン・ミリスチン・ステアリン酸)グリセリド、トリラノリン脂肪酸グリセリル、オリーブ油、トウモロコシ油、落花生油、菜種油、ゴマ油、大豆油、ヤシ油、パーム油、パーム核油、ヒマシ油、アマニ油、ホホバ油、つばき油、ひまわり油、マカデミアナッツ油、茶実油、綿実油、シソ油、サフワラー油、キョウニン油、牛脂、豚脂などの動植物油脂などが例示できる。これらを1種類もしくは2種類以上用いることができる。
シリコーン油としては、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン等の鎖状ポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、テトラヒドロテトラメチルシクロテトラシロキサンなどの環状ポリシロキサン、ポリオキシエチレンポリアルキルシロキサンが例示できる。これらを1種類もしくは2種類以上、用いることができる。
これら油剤のうち、好ましくは炭化水素油、エステル油、シリコーン油であることが特に好ましい。
例えばW/O型乳化化粧料として用いる場合、本発明の化粧料用基剤は、無機顔料を安定に分散させることができる。この場合、炭化水素油およびシリコーン油からなる油相に、無機顔料を安定に分散させる化粧料として用いることが特に好ましい。
すなわち、本実施形態では、下記成分(a)、成分(b)、成分(c)、成分(d)および成分(e)の組成物を含む乳化化粧料(特に好ましくはW/O型化粧料)が好ましい。
(a) 式(1)の化粧料用基剤
(b) 無機顔料
(c) 25℃で液状の炭化水素油
(d) シリコーン油
(e) 水
本実施形態では、成分(a)を0.01〜30質量%(好ましくは0.1〜20質量%)含有し、成分(b)を0.1〜50質量%(好ましくは1〜50質量%)含有する。また、成分(c)と成分(d)の合計が10〜95質量%、成分(e)を5〜80質量%含有する。また、成分(c)と成分(d)の合計量を100重量部としたとき、成分(c)の比率が10質量部以上(成分(d)の比率が90質量部以下)であり,好ましくは、成分(c)の比率が90質量部以下(成分(d)の比率が10質量部以上)である。
(b)成分は、無機顔料である。例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、無水ケイ酸、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、タルク、マイカ、セリサイト、カオリン、ベントナイト、赤色酸化鉄(ベンガラ)、チタン酸鉄などの無機赤色系顔料、γ−酸化鉄などの無機褐色系顔料、黄色酸化鉄、黄土などの無機黄色系顔料、黒色酸化鉄、カーボンブラックなどの無機黒色系顔料、マンゴバイオレット、コバルトバイオレットなどの無機紫色系顔料、酸化クロム、水酸化クロム、チタン酸コバルトなどの無機緑色系顔料、群青、紺青などの無機青色系顔料、酸化チタン被覆雲母、オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆オキシビスマスなどのパール顔料、が例示できる。これらを1種もしくは2種以上用いることができる。好ましくは酸化チタン、酸化亜鉛、無水ケイ酸、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、タルク、マイカ、セリサイト、カオリン、ベントナイトであり、より好ましくは酸化チタン、酸化亜鉛である。
無機顔料の形状(球状、棒状、板状、針状など)および粒子径に特に制限はないが、300nm以下の粒子径が一般的である。
なお、これら無機顔料は、公知の表面処理、例えばフッ素化合物処理、シリコーン処理、シリコーン樹脂処理、ペンダント処理、シランカップリング剤処理、チタンカップリング剤処理、油剤処理、N−アシル化リジン処理、ポリアクリル酸処理、金属石鹸処理、アミノ酸処理、レシチン処理、無機化合物処理、プラズマ処理、メカノケミカル処理等によって表面処理されていても構わない。
(c)成分は、25℃で液体の炭化水素油である。炭化水素油は、式(1)により示されるポリアルキレングリコール誘導体と(d)成分のシリコーン油との相溶性を向上させる作用があり、分散安定性をもたらす。
25℃で液体の炭化水素油は特に限定されず、流動パラフィン、ポリブテン、水添ポリイソブテン、水添ポリデセン、スクワラン、スクワレン、プリスタン、軽質イソパラフィン、軽質流動イソパラフィン、重質流動イソパラフィン、流動イソパラフィン、テトラデセン、イソヘキサデカン、イソドデカン、α―オレフィンオリゴマー等を挙げることができる。これらを1種類もしくは2種類以上、用いることができる。好ましくは、流動パラフィン、水添ポリイソブテン、スクワランである。
(d)成分は、シリコーン油であり、肌や毛髪に塗布時のなめらかさを良好にするための必須成分である。具体的には、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン等の鎖状ポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、テトラヒドロテトラメチルシクロテトラシロキサンなどの環状ポリシロキサン、ポリオキシエチレンポリアルキルシロキサンが例示でき、これらを1種類もしくは2種類以上、用いることができる。好ましくは、環状ポリシロキサンである。
成分(c)と成分(d)の合計量は、化粧料全量に対して10〜95質量%であり、特に好ましくは20〜90質量%である。また、成分(c)と成分(d)の合計量を100重量部としたときに、成分(c)の量は10質量部以上であり、好ましくは20質量部以上であり、より好ましくは30質量部以上である。これを10質量部以上とすることによって、前記効果が顕著となる。また、成分(c)と成分(d)の合計量を100重量部としたときに、成分(c)の量は90質量部以下が好ましく、80質量部以下が更に好ましく、前記効果が顕著となる。
成分(e)の水としては、一般にW/O乳化化粧料の水相として用いられるものであれば特に限定されず、例えば、蒸留水やイオン交換水等の精製水、生理食塩水、リン酸やクエン酸緩衝水溶液等を好ましく用いることができる。また、本組成物では水の量は5〜80質量%であるが、10質量%以上であることが更に好ましく、75質量%以下であることが更に好ましい。
なお、5成分(a)〜(e)を組成物としてその合計質量を100質量部と置いた場合には、(a)〜(e)の各成分の質量部の好適範囲は、以下のとおりである。
成分(a): 0.01〜30質量部(さらには0.1〜20質量部)
成分(b): 0.1〜50質量部(さらには1〜50質量部)
成分(c)と成分(d)の合計量: 10〜95質量部(さらには15〜90質量部)
成分(e): 5〜80質量部(さらには10〜80質量部)
本化粧料は、製品形態として、サンスクリーンローション等のサンスクリーン化粧料として用いること好ましい。
さらに、本発明の化粧料の形態は常温において液状、半固体、固体の何れかの形態をとることができ、他の成分を本発明の性能を損なわない範囲で含有することも可能である。例えば、低級アルコール、天然油脂類、合成トリグリセライド、エステル油、ロウ類、油性基剤、陰イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、半極性界面活性剤、水溶性高分子、有機または無機塩類、pH調整剤、殺菌剤、キレート剤、抗酸化剤、紫外線吸収剤、ビタミン類、動植物由来の天然エキス、色素、顔料、香料などが挙げられる。
また、本発明の化粧料用基剤を配合してなる化粧料の製品形態は、前述の形態に特に限定されるものではないが、皮膚外用剤であることが好ましい。皮膚外用剤としては、化粧水、乳液、クリーム、パック等のスキンケア化粧料;ファンデーション、口紅、アイシャドー等のメークアップ化粧料;日焼け止め化粧料(サンスクリーン剤);ボディー化粧料;芳香化粧料;メーク落とし、ボディーシャンプー等の皮膚化粧料;ヘアリキッド、ヘアトニック、ヘアコンディショナー、ヘアシャンプー、リンス、育毛剤等の毛髪化粧料;軟膏等が例示できる。
[合成例]
本発明にかかる化粧料用基剤の合成例を示す。水酸基価は、JISK1557
6.4に準じて測定した。
合成例1:ポリオキシブチレン(40モル)キシリトール(化合物1)
(1)ケタール化反応
撹拌羽根、窒素吹き込み管、熱電対、冷却管及び油水分離管を取り付けた3リットルの四つ口フラスコに、キシリトール700g、2,2−ジメトキシプロパン1291g、パラトルエンスルホン酸一水和物27mgを仕込み、反応系内を60〜90℃に保持し、2時間反応させた。反応終了後、副生したメタノール及び過剰分の2,2−ジメトキシプロパンを除去し、1014gのジイソプロピリデンキシリトール(化合物1a、R=R=メチル基)を得た。水酸基価は、240KOHmg/gであった。原料のキシリトールと化合物1aのIRチャートを比較したところ、化合物1aには3500cm−1付近の水酸基のピークが小さくなっており、代わりに2960cm−1、2870cm−1、1460cm−1、1380cm−1付近のピークが出現していることを確認した。
Figure 0005641336
(2)オキシブチレン化反応
化合物1aを235g、水酸化カリウム15.5gをオートクレーブ中に仕込み、オートクレーブ中の空気を乾燥窒素で置換した後、撹拌しながら140℃で触媒を完全に溶解した。次に滴下装置により1,2−ブチレンオキシド2900gを滴下させ、2時間撹拌した。その後、オートクレーブ内から、反応物を取り出し、塩酸で中和して、pH6〜7とし、含有する水分を除去するため、100℃、1時間、減圧処理を行い、最後に濾過をして塩を除去して、2850gのポリオキシブチレン(40モル)ジイソプロピリデンキシリトール(化合物1b)を得た。水酸基価は、18.1KOHmg/gであった。
Figure 0005641336
(3)脱ケタール化反応
撹拌羽根、窒素吹き込み管、熱電対、冷却管を取り付けた1リットルの四つ口フラスコに、化合物1bを700g、水70g、36%塩酸10gを仕込み、密閉状態で80℃、2時間脱ケタール化反応を行った後、窒素バブリングで水及びアセトンを系外に留去した。続いて10%水酸化カリウム水溶液でpH6〜7に合わせ、含有する水分を除去するために、100℃、1時間、減圧処理した。さらに処理後生成した塩を除去するため濾過を行い、650gのポリオキシブチレン(40モル)キシリトール(化合物1)を得た。
Figure 0005641336
なお、以上によって得られた化合物1についてGPC分析を行ったところ、メインピークの分子量は2989であった。分析条件は以下の通りである。
分析機器 :SHODEX GPC SYSTEM−11(昭和電工社製)
標準物質 :ポリエチレングリコール
サンプルサイズ :10%×100×0.001mL
溶離液 :THF
流速 :1.0mL/min
カラム :SHODEX KF804L(昭和電工社製)
カラムサイズ :I.D.8mm×30cm×3
カラム温度 :40℃
検出器 :RI×8
また、化合物1bと化合物1のIR分析を比較すると、化合物1では3500cm−1付近の水酸基のピークが大きくなっていることから、目的物質が得られていることを確認した。
合成例2:ポリオキシエチレン(5モル)ポリオキシブチレン(40モル)キシリトール(化合物2)
合成例1の手順のうち、ケタール化反応を以下の通りに変更し、合成を行い、ポリオキシエチレン(5モル)ポリオキシブチレン(40モル)キシリトール(化合物2)を得た。
(1) ケタール化反応
撹拌羽根、窒素吹き込み管、熱電対、冷却管及び油水分離管を取り付けた3リットルの四つ口フラスコに、キシリトール700g、アセトン1050g、パラトルエンスルホン酸一水和物10mgを仕込み、反応系内を60〜90℃に保持し、4時間反応させた。反応終了後、副生した水及び過剰分のアセトンを除去し、1002gのジイソプロピリデンキシリトール(化合物1a、R=R=メチル基)を得た。水酸基価は、235KOHmg/gであった。原料のキシリトールと化合物1aのIRチャートを比較したところ、化合物1aには3500cm−1付近の水酸基のピークが小さくなっており、代わりに2960cm−1、2870cm−1、1460cm−1、1380cm−1付近のピークが出現していることを確認した。
(2)オキシエチレンおよびオキシブチレン化反応
化合物1aを235g、水酸化カリウム20gをオートクレーブ中に仕込み、オートクレーブ中の空気を乾燥窒素で置換した後、撹拌しながら140℃で触媒を完全に溶解した。次に滴下装置により、エチレンオキシド230gを滴下させ、2時間撹拌した。引き続き、1,2−ブチレンオキシド2900gを滴下させ、2時間撹拌した。その後、オートクレーブ内から、反応物を取り出し、塩酸で中和して、pH6〜7とし、含有する水分を除去するため、100℃、1時間、減圧処理を行い、最後に濾過をして塩を除去して、3028gのポリオキシエチレン(5モル)ポリオキシブチレン(40モル)ジイソプロピリデンキシリトール(化合物2b)を得た。水酸基価は、17.0mgKOH/gであった。
Figure 0005641336
(3)ケタール化反応
撹拌羽根、窒素吹き込み管、熱電対、冷却管を取り付けた1リットルの四つ口フラスコに、化合物2bを700g、水70g、36%塩酸10gを仕込み、密閉状態で80℃、2時間脱ケタール化反応を行った後、窒素バブリングで水及びアセトンを系外に留去した。続いて10%水酸化カリウム水溶液でpH6〜7に合わせ、含有する水分を除去するために、100℃、1時間、減圧処理した。さらに処理後生成した塩を除去するため濾過を行い、670gのポリオキシエチレン(5モル)ポリオキシブチレン(40モル)キシリトール(化合物2)を得た。
Figure 0005641336
合成例1に準じて、GPC分析を行ったところ、メインピークの分子量は3121であった。さらに、化合物2bと化合物2のIR分析を比較すると、化合物1では3500cm−1付近の水酸基のピークが大きくなっていることから、目的物質が得られていることを確認した。
本発明者らは、上記合成例1〜2に準じて、下記表1に示す組成のポリアルキレングリコール誘導体を調製した。
Figure 0005641336
<分散性の評価>
[調製方法]
酸化チタン1.0g、ポリアルキレングリコール誘導体など分散剤1.0gを量りとり、流動パラフィン(モレスコ製モレスコホワイトP−70)にて、全量40gとした(2.5%酸化チタン溶液)。これをディスパーにて撹拌(25℃、5000rpm×3min)した後、40℃にて1週間放置した。この分散液の上澄みを採取し、流動パラフィンにて100倍に希釈した溶液を試料溶液とした。
[透過度測定]
得られた希釈溶液の300nmの吸光度を測定した。結果を表2および図1に示す。
Figure 0005641336
Figure 0005641336
<乳化安定性の評価>
[調製方法]
流動パラフィン 30.0 質量%
乳化剤 5.0 質量%
水 65.0 質量%
流動パラフィン(モレスコ製モレスコホワイトP−70)と乳化剤を、70℃にて均一に撹拌し、さらに同温度にて水をゆっくり添加して予備溶解した。これをホモミキサーにて撹拌して(5000rpm×5分間)、W/O型乳化剤組成物を得た。
[評価基準]
作成した乳化剤組成物を乳化直後および40℃で1ヶ月間保管した後の乳化状態を下記の基準により、目視で判断した。結果を表4に示す。
○:安定なエマルジョン状態。
×:わずかに油浮きが見られる状態。
××:完全にクリーミングまたは分離している状態。
Figure 0005641336
(実施例11)
本発明の化粧品用基剤を使用してW/O型乳液を調製した。以下の組成からなる基剤のうち油相および水相をそれぞれ70℃にて加温溶解して均一に溶解した後に、撹拌しながら油相に、水相を同温度にゆっくり添加して、室温まで冷却した。
油相:
流動パラフィン 25.0質量%
ラノリン 2.0質量%
ミツロウ 2.0質量%
水添ポリイソブテン 20.0質量%
化合物1 5.0質量%
香料 適量
防腐剤 適量
水相:
グリセリン 5.0質量%
水 残部
(比較例15)
以下の組成からなるW/O型乳液を、実施例11と同様に調製した。
油相:
流動パラフィン 25.0質量%
ラノリン 2.0質量%
ミツロウ 2.0質量%
水添ポリイソブテン 20.0質量%
化合物6 5.0質量%
香料 適量
防腐剤 適量
水相:
グリセリン 5.0質量%
水 残部
(実施例12)
本発明の化粧品用基剤を使用してO/W型スキンクリームを調製した。以下の組成からなる基剤のうち油相および水相をそれぞれ70℃にて加温溶解して均一に溶解した後に、撹拌しながら水相に、油相を同温度にゆっくり添加し、室温まで冷却した。
油相:
流動パラフィン 10.0質量%
ワセリン 3.0質量%
化合物4 5.0質量%
香料 適量
防腐剤 適量
水相:
グリセリン 5.0質量%
PEG#4000 5.0質量%
水 残部
(比較例16)
以下の組成からなるO/W型スキンクリームを、実施例12と同様に調製した。
油相:
流動パラフィン 10.0質量%
ワセリン 3.0質量%
化合物7 5.0質量%
香料 適量
防腐剤 適量
水相:
グリセリン 5.0質量%
PEG#4000 5.0質量%
水 残部
(実施例13)
本発明の化粧品用基剤を使用してW/O型乳液を調製した。以下の組成からなる基剤のうち油相および水相をそれぞれ70℃にて加温溶解して均一に溶解した後に、撹拌しながら油相に、水相を同温度にゆっくり添加し、室温まで冷却した。

油相:
パルミチン酸2−エチルヘキシル 20.0質量%
流動パラフィン 30.0質量%
ラノリン 1.0質量%
ミツロウ 0.5質量
化合物1 3.0質量%
ポリオキシエチレン(20モル)ソルビタンモノオレート
2.0質量%
香料 適量
防腐剤 適量
水相:
グリセリン 4.0質量%
1,3−ブタンジオール 1.0質量%
水 残部
(比較例17)
以下の組成からなるW/O型乳液を、実施例13と同様に調製した。
油相:
パルミチン酸2−エチルヘキシル 20.0質量%
流動パラフィン 30.0質量%
ラノリン 1.0質量%
ミツロウ 0.5質量
化合物6 3.0質量%
ポリオキシエチレン(20モル)ソルビタンモノオレート
2.0質量%
香料 適量
防腐剤 適量
水相:
グリセリン 4.0質量%
1,3−ブタンジオール 1.0質量%
水 残部
実施例11、12、13および比較例15、16、17について、乳化直後と、40℃で1ヶ月間保管した後の乳化状態を下記の基準により、目視で判断した。結果を表5に示す。
○:安定なエマルジョン状態。
×:わずかに油浮きが見られる状態。
××:完全にクリーミングまたは分離している状態。
Figure 0005641336
(実施例14)
本発明の化粧料(サンスクリーンローション)を調製した。以下の組成において、A相を室温にて混合、B相およびC相も室温にてそれぞれ溶解させた後、撹拌しながらA相に、B相とC相を加え乳化した。
以下、成分の含有量は質量%として記載するが、(a)〜(e)成分の合計量を100重量部とした場合の各成分の重量部を併記する。比較例18にも同様に併記する。
A相:
化合物1 (a)成分 2.0質量%(2.4重量部)
酸化チタン (b)成分 10.0質量%(12.1重量部)
酸化亜鉛 (b)成分 10.0質量%(12.1重量部)
デカメチルシクロペンタシロキサン (c)成分 10.0質量%(12.1重量部)
スクワラン (d)成分 3.0質量%(3.6重量部)
ミリスチン酸オクチルドデシル 5.0質量%
ポリオキシエチレン(75モル)モノステアレート 0.5質量%
ポリオキシエチレン(20モル)ソルビタンモノステアレート 0.5質量%
メトキシケイ皮酸エチルヘキシル 5.0質量%
B相:
ブチレングリコール 5.0質量%
水 (e)成分 47.5質量%(57.7重量部)
C相:
エタノール 1.0質量%
防腐剤 適量
香料 適量
(比較例18)
以下の組成からなるサンスクリーンローションを、実施例14と同様に調製した。
A相:
化合物6 2.0質量%(2.4重量部)
酸化チタン (b)成分 10.0質量%(12.1重量部)
酸化亜鉛 (b)成分 10.0質量%(12.1重量部)
デカメチルシクロペンタシロキサン (c)成分 10.0質量%(12.1重量部)
スクワラン (d)成分 3.0質量%(3.6重量部)
ミリスチン酸オクチルドデシル 5.0質量%
ポリオキシエチレン(75モル)モノステアレート 0.5質量%
ポリオキシエチレン(20モル)ソルビタンモノステアレート 0.5質量%
メトキシケイ皮酸エチルヘキシル 5.0質量%
B相:
ブチレングリコール 5.0質量%
水 (e)成分 47.5質量%(57.7重量部)
C相:
エタノール 1.0質量%(1.2重量部)
防腐剤 適量
香料 適量
さらに、実施例14にしたがって、実施例15〜20、比較例19〜23の化粧料(サンスクリーンローション)を調製した。表6に示す。乳化直後と、40℃で1ヶ月間保管した後の乳化状態を下記の基準により、目視で判断した。結果も併せて表6に示す。
○:安定なエマルジョン状態。
×:沈殿物または、相分離が認められる。
Figure 0005641336

Claims (5)

  1. 下記一般式(1)により示されるポリアルキレングリコール誘導体からなる化粧料用基剤。
    Figure 0005641336

    (式中、EOはオキシエチレン基であり、AOは炭素数3〜4のオキシアルキレン基であり、EOとAOはブロック状に結合している。
    aおよびbはEOの平均付加モル数であり、mはAOの平均付加モル数であり、a+bは0〜30であり、mは10〜100であり、EOとAOの合計質量に対するAOの質量の割合は50〜100質量%である。
    は、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、または炭素数1〜4のアシル基である。)
  2. 式(1)で示されるポリアルキレングリコール誘導体において、AOが、1,2−ブチレンオキシド由来のオキシブチレン基であることを特徴とする、請求項1記載の化粧料用基剤。
  3. 式(1)で示されるポリアルキレングリコール誘導体において、b=0であり、EOとAOの合計質量に対するAOの質量の割合が80〜100質量%であることを特徴とする、請求項1または2記載の化粧料用基剤。
  4. 請求項1〜3のいずれか一つの請求項に記載の化粧料用基剤を含有することを特徴とする化粧料。
  5. 下記の成分(a)を0.01〜30質量%、成分(b)を0.1〜50質量%、成分(c)、成分(d)、および成分(e)を5〜80質量%含有しており、前記成分(c)と前記成分(d)の合計量が10〜95質量%であり、前記成分(c)と前記成分(d)の合計量を100質量部としたときに前記成分(c)の量が10質量部以上であることを特徴とする、請求項4記載の化粧料。
    (a) 前記化粧料用基剤
    (b) 無機顔料
    (c) 25℃で液状の炭化水素油
    (d) シリコーン油
    (e) 水
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